JP4252305B2 - 閉ループヒータ制御付き熱対流加速度計 - Google Patents

閉ループヒータ制御付き熱対流加速度計 Download PDF

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Description

【0001】
[関連出願との相互参照]
なし
【0002】
[連邦補助研究または開発に関する表明]
なし
【0003】
[発明の背景]
本発明は、一般的に加速度計に関し、特にシリコン微細加工対流加速度計に関する。
【0004】
既知のシリコン微細加工加速度計は、密閉されたチャンバ内における熱気泡の自由対流熱伝導の原理を使用して、加速度の測定尺度を与える。このようなデバイスは、シリコン基板に微細加工されたチャンバを備える。このチャンバを横切ってヒータ抵抗が設けられ、またそのチャンバの各側部には熱電対が配置されている。加速度ゼロの期間は、ヒータ抵抗に関する温度プロフィールは対称的であって、両熱電対は同じ温度を検知し、それ故に同じ出力電圧を与える。熱電対−ヒータ−熱電対の軸に沿って加わる加速度は、自由対流熱伝導に起因して、温度プロフィールの乱れを生じさせ、これにより非対称な温度プロフィールを生じさせる。この非対称な温度プロフィールは、熱電対によって検知され、互いに異なる出力電圧と、加わった加速度に比例する差動出力電圧とを生じさせる。典型的に、差動出力電圧は、特別な応用の電子回路とのインターフェースをとるために、信号調整を必要とする。そのような信号調整は、対流加速度計と同じ基板上に組み込まれた外部電子部品および/または回路を使用して実施される。
【0005】
従来のシリコン微細加工対流加速度計は、これらのデバイスの感度が変化してしまうという欠点を有する。例えば、加速度計の感度は、シリコン基板および/または周辺環境の温度変化によって変化することがある。加速度計の感度はまた、ヒータ要素における消費電力の変化によって変化することもある。
【0006】
従って、温度および電力変動に反応しにくい改良されたシリコン微細加工対流加速度計を有することが望ましい。そのような改良されたシリコン微細加工対流加速度計はまた、省電力型でもある。
【0007】
[発明の簡単な要約]
本発明によると、シリコン微細加工対流加速度計が提供される。この場合、単一のモノリシックなデバイスに、熱加速度センサと、それに関連する信号調整回路とが含まれている。このデバイスは、シリコン基板に形成され、そして標準的なCMOSプロセスを使用して好ましく実装されている。単一のモノリシックなデバイス内に集積化されているものには、熱加速度センサと、ヒータ制御回路と、計装増幅器と、クロック発生器と、電圧基準回路と、温度センサと、出力増幅器とがある。このデバイスは、標準的な8ピン集積回路パッケージ内に収容できる。
【0008】
1つの実施形態では、集積型対流加速度計チップは、対流加速度センサを備える。この加速度センサは、ヒータ要素と、その両側部に配置された一対の温度検知要素とを含む。この加速度センサは、ヒータ要素および一対の温度検知要素を貫通する軸に沿って加わる加速度の大きさに比例した差動出力電圧を発生するように動作する。前記チップは更に、加速度センサによって発生された差動出力電圧から平均的な出力電圧を抽出するように動作する増幅回路を備える。この平均的な出力電圧は、ヒータ要素によって生成される温度勾配の測定尺度を与える。前記チップは更に、制御出力を生成する制御回路を備える。好ましい実施形態では、制御出力は、パルス出力電圧であって、平均的な出力電圧を調整し、これによりヒータ要素によって生成される温度勾配を調整するように動作する。前記チップは更にまた、チップの絶対温度に比例した(PTAT)電圧レベルを生成する温度センサを備える。チップに搭載されたか、チップの外部に実装された温度補償回路は、PTAT電圧レベルを使用して、チップおよび/または周囲環境の温度変化を補償する。
【0009】
好ましい実施形態では、平均的な出力電圧と、それ故にヒータ要素によって生成される温度勾配は、次のように調整される。即ち、一対の温度検知要素によって与えられる出力電圧を読み取り、これらの電圧を基準電圧と比較し、所望の出力電圧の大きさに比例したパルス密度を有するパルス出力電圧を生成し、このパルス出力電圧を使用して平均的な出力電圧を調整する。
【0010】
この発明の他の特徴、機能、および形態は、後続する発明の詳細な説明から明らかになる。
【0011】
この発明は、図面に関連してなされる以下の発明の詳細な説明を参照することでよりよく理解される。
【0012】
[発明の詳細な説明]
図1は、本発明によるシリコン微細加工対流加速度計デバイスを含んだ集積回路(「チップ」)100の平面図である。図1に示すように、チップ100は、クロック発生回路118と、電圧基準/温度センサ120と、制御回路122と、対流加速度計124とを備える。チップ100はさらに、複数の入力パッド、即ち、SCKパッド110およびDIパッド112と;複数の出力パッド、即ち、TOUTパッド114およびAOUTパッド116と;複数の電圧パッド、即ち、RBIASパッド108およびVddパッド102と;そして、複数の接地パッド、即ち、Vsaパッド104およびVsdパッド106とを備える。
【0013】
図示の実施形態では、対流加速度計124は、熱加速度センサと、それに関連した信号調整回路を有し、所定の軸に沿った加速度の大きさを表す出力電圧をAOUTパッド116に与える。好ましい実施形態では、加速度センサに関連した信号調整回路は、複数のコンバータまたは「チョッパー」増幅器と、複数のスイッチトキャパシタ回路と、シグマ−デルタ変調器とを使用する。従って、クロック発生器118は、複数のクロック信号、即ち線130上のCk_ca信号と、線128上のCk_sc信号と、そして線136上のCk_osc信号(図2も参照)を、対流加速度計124に与える。これらは、チョッパー増幅器と、スイッチトキャパシタ回路と、シグマ−デルタ変調器とによってそれぞれ使用される。例えば、クロック発生器118は、クロック発生器118内蔵の発振器を使用してCk_ca、Ck_scおよびCk_osc信号を発生することができる。この代わりに、SCKパッド110に結合される外部の発振器を使用して、Ck_ca、Ck_scおよびCk_osc信号を発生することができる。
【0014】
電圧基準/温度センサ120は、バンドギャップ電圧基準と、それに関連した電圧および電流バイアス発生回路とを備えて、基準電圧、即ち線132上の電圧Vbs(図2も参照)を、電源電圧Vddとは独立したアナログ共通基準点として使用するために、対流加速度計124とクロック発生器118、および/または、そこに含まれるバイアス回路に与える。バンドギャップ電圧基準に関連した電流バイアス発生器は、RBIASパッド108に結合された外部のプルダウン抵抗を有する。さらに電圧基準/温度センサ120は、チップ100の絶対温度を表す出力電圧をTOUTパッド114に与えるための、絶対温度に比例した(PTAT)電流源を備える。
【0015】
制御回路122は、制御データ、即ち制御バス134上の複数のビットからなるCntlデータ(図2も参照)を与える制御レジスタを有する。この制御データは、クロック発生器118と、電圧基準/温度センサ120と、対流加速度計124とに与えられ、それらに含まれた校正調整装置および構成スイッチの設定を決定することに使用される。Cntlデータは、DIパッド112を通してシリアルに制御レジスタに入力される。例えば、クロック発生器118、電圧基準/温度センサ120および対流加速度計124に含まれた校正調整装置は、制御回路122によって制御バス134上に与えられた所定のCntlワードを通してプログラムされる抵抗値を有したプログラム可能なトリマーポテンショメータとして実装することができる。
【0016】
好ましい実施形態では、チップ100は、0.6μm、ダブルポリシリコン、ダブルメタル(即ち、アルミニウム、Al)、n型ウエルCMOSプロセスを使用して、組み立てられる。しかしながら、ここで理解されるべき点は、微細加工可能なシリコン半導体装置を組み立てるに好適な他のプロセスもまた使用できるということである。
【0017】
図1は、電力関連のパッド102,104,106および回路ブロック118,120,122,124間の経路を定める電力バスを明確に図示していないが、ここで理解されるべき点は、単一の電源電圧Vddは、対流加速度計デバイスのデジタルおよびアナログ部分の双方によって使用され;接地電位Vsdは、対流加速度計デバイスのデジタル接地として使用され;接地電位Vsaは、対流加速度計デバイスのアナログ電圧レベルとして使用される、ということである。例えば、経路を定める電力バスは、正のレールノイズを制限し、また接地電位の変化を最小化することに使用される通常の技術を使用して、チップ100上に実装できる。以下では、回路ブロック118,120,122,124が、それらの電力関連パッド102,104,106へのそれぞれの結線と共に、更に詳細に説明される。
【0018】
図2は、対流加速度計124のブロック図を示す。この加速度計は、ヒータ制御回路202と、サーモパイル/ヒータ204と、計装増幅器206と、SCフィルタ208と、AB級出力段209とを含む。具体的には、図3に示すように、サーモパイル/ヒータ204は、一端が結合された熱電対302および306のアレイを含む。これらの熱電対のそれぞれの逆の端部は、線222および224間に差動出力電圧を与える。さらに熱電対302および306は、好ましい実施形態ではヒータ抵抗304であるヒータ要素の互いに逆側に配置されている。
【0019】
この例示的実施形態では、熱電対302,306およびヒータ抵抗304は、通常のCMOSプロセスを使用して形成されている。例えば、熱電対302および306は、チップ100のシリコン基板表面上に配置されたアルミニウム層とポリシリコン層によって形成され、そしてヒータ抵抗304は、その基板表面上に配置されたポリシリコン層によって形成される。さらには、対流加速度計デバイスの加速度センサを形成するために、チップ100の基板表面を微細加工してキャビティを作ることによって、密閉されたチャンバが形成される。ヒータ抵抗304は、このキャビティを横切って懸架される。このとき、熱電対302および306は、キャビティ内でヒータ抵抗304の互いに逆の側に配置される。この例示的実施形態では、密閉されたチャンバ内で対流熱伝導を与える流体は、多量の空気である。従って、加速度検知軸は、ヒータ抵抗304と、このヒータ抵抗の互いに逆側に配置された熱電対302,306を垂直に貫通し、そして線222および224間に生じる熱電対302および306の差動出力電圧は、この軸に沿って加わる加速度の大きさに比例する。
【0020】
当業者には明らかなように、熱電対302および306からなるサーモパイルの共通モードの出力電圧の平均は、ヒータ抵抗304で消費される電力に比例する。また、対流加速度計124に含まれる加速度センサの感度は、一般に低い電力レベルではヒータ電力の二乗によって変化し、また高い電力レベルでは概ねヒータ電力に比例する。この例示的実施形態では、熱電対302および306間の共通モード電圧降下の閉ループ制御によって、対流加速度計124の感度は、電源電圧変化および/またはヒータ抵抗作成公差に対し、所望の値に維持される。この値は、ヒータ抵抗304によって生成される温度勾配の測定尺度となる。
【0021】
具体的には、熱電対302および306間の共通モード電圧降下は、校正調整装置312からなる分圧器回路を使用して所望のレベルに設定されている。この校正調整装置は、基準電圧Vbsの一端に接続され、かつ抵抗314の対向する端部にシリーズに接続されている。この抵抗314は、接地電位Vsaに接続されている。さらに、校正調整装置312と抵抗314の共通ノードは、熱電対302および306の結合された端部に接続されている。
【0022】
従って、分圧器の校正調整装置312に対し制御バス134を通して所定のCntlワードを与え、これにより熱電対302および306の結合された端部に電圧レベルを設定することによって、熱電対302および306間の所望の共通モード電圧降下は設定される。計装増幅器206は、線222および224間の電圧から共通モードの出力電圧を取り出し、その共通モードの出力電圧を線220上でヒータ制御回路202に与える。
【0023】
線220上の共通出力電圧と基準電圧Vbsとの差は、演算増幅器338と、スイッチト入力キャパシタ336と、積分キャパシタ340とを含んだスイッチトキャパシタ積分器によって積分される。この積分器の出力は、シグマ−デルタ変調器342に与えられる。この変調器は、積分器の出力電圧に比例する平均値を有したパルス密度ストリームを発生する。パルス出力電圧は、スイッチトランジスタ308をターン「オン」および「オフ」させることによって、熱電対302および306間の共通モード電圧降下を制御することに使用される。このスイッチトランジスタは、ヒータ抵抗304を開放させるか、その間に完全な電源電圧が加わるようにする。好ましい実施形態では、熱電対302および306間の共通モード電圧降下は、パルス密度変調(PDM)を使用して調整される。代替の実施形態では、熱電対302および306間の共通モード電圧降下は、パルス幅変調(PWM)を使用して調整される。
【0024】
上述したように、熱電対302および306間の共通モード電圧降下は、ヒータ抵抗304によって生成される温度勾配の測定尺度となる。ここで留意される点は、いくつかのケースでは、温度勾配が、それ故に、加速度センサの感度が、ヒータ抵抗304で消費される電力に比例するということである。制御ループが調整されると、熱電対302および306の共通モード電圧は、Vbsに等しくなる。熱電対302および306間の共通モード電圧降下は、熱電対302および306の共通点における電圧とVbsとの間の電圧差である。加速度センサの感度がヒータ抵抗304で消費される電力に比例するケースでは、熱電対302および306の共通点における電圧は、所定のCntlワードによって設定可能である。これにより、ヒータ抵抗304で消費される電力が、それ故に、加速度計の感度が、所望の値に設定される。
【0025】
具体的には、ヒータ制御回路202のパルス出力電圧は、パストランジスタ308をスイッチ「オン」および「オフ」させることに使用される。好ましい実施形態では、パストランジスタ308は、n型チャネルCMOSトランジスタである。ヒータ抵抗304の1つの端子は、電源電圧Vddに接続され、このヒータ抵抗のもう1つの端子は、パストランジスタ308のドレイン結線に接続されている。さらに、パストランジスタ308のソース結線は、接地電位Vsaに接続され、パストランジスタ308のゲート結線は、インバータバッファ310を介して、線230上のヒータ制御回路202のパルス出力電圧に接続されている。
【0026】
従って、パストランジスタ308が、ヒータ制御回路202のパルス出力電圧によってスイッチ「オン」されると、即ち、反転されたパルス出力電圧の高い論理レベルがパストランジスタ308のゲート結線に印加されると、ヒータ抵抗304およびパストランジスタ308を通して、電流が接地電位Vsaへ流れる。この代わりに、パストランジスタ308が、ヒータ制御回路202のパルス出力電圧によってスイッチ「オフ」されると、即ち、反転されたパルス出力電圧の低い論理レベルがパストランジスタ308のゲート結線に印加されると、ヒータ抵抗304に電流は流れない。パストランジスタ308をスイッチ「オン」および「オフ」させるパルス出力電圧のパルス密度は、熱電対302および306間の共通モード電圧降下に比例するので、電源電圧Vddからパストランジスタ308を通してヒータ抵抗304に供給される平均電力は、上述した分圧器回路を使用して、熱電対の共通点電圧を設定することによって設定できる。ここで留意されるべき点は、代替の実施形態では、ヒータ抵抗304に流れる電流を調整するために、ヒータ制御回路202は、サーモパイル/ヒータ204に連続した出力を与えることができるということである。
【0027】
図3に示すように、計装増幅器206は、差動入力段を含んでいる。この差動入力段は、演算増幅器(「オペアンプ」)316と、入力抵抗320と、帰還抵抗322と;オペアンプ318と、入力抵抗324と、帰還抵抗326とを備える。好ましい実施形態では、オペアンプ316,318は、チョッパー増幅器である。計装増幅器206はさらに、差動/不平衡出力段を含んでいる。この出力段は、オペアンプ328と、入力抵抗330,332,336と、帰還抵抗334とを備える。
【0028】
計装増幅器206は、サーモパイル/ヒータ204によって線222および224間に与えられる差動出力電圧を増幅し、その差動出力電圧を、線226上のアナログ共通基準電圧Vbsを基準とした不平衡出力電圧に変換する。計装増幅器206はまた、ヒータ抵抗304に与える平均電力の調整に使用するために、ヒータ制御回路202への熱電対302,306の共通モード電圧を線220上に与える。
【0029】
対流加速度計デバイスの例示的構成では、熱電対302,306からなるサーモパイルの感度は5mV/℃;加速度センサの感度は0.05℃/g;AOUTパッド116の対応する感度は50mV/gである。従って、加速度検知軸に沿って加わる10gの加速度は、線222および224間に、5mV/℃×0.05℃/g×10g、即ち2.5mVの差動出力電圧を生じさせる。これは、サーモパイル/ヒータ204の出力で2.5mV/10g、即ち0.25mVの感度を生じさせる。AOUTパッド116の出力で50mV/gの感度を達成するためには、計装増幅器206とSCフィルタ208の総合利得が200となる。この例示的構成では、AOUTパッド116で200の総合利得を達成するために、計装増幅器206は100の利得を有し、SCフィルタ208は2の利得を有している。ここで留意される点は、計装増幅器206が、共通モードの出力電圧を、単一の利得でヒータ制御回路202に与えるということである。
【0030】
好ましい実施形態の計装増幅器206では、オペアンプ316および抵抗320,322と、オペアンプ318および抵抗324,326は、それぞれが例示的に100の利得を有する一対の非反転利得段を形成する。このことは、オペアンプ328および抵抗330,332,334,336からなる差動/不平衡出力段が、単一の利得を有することを意味する。相対的に大きな閉ループ利得の100を達成するために、オペアンプ316および318は、同一のチョッパー増幅器として実装されることが好ましい。
【0031】
図4は、チョッパー増幅器316の模式図を示す。具体的には、チョッパー増幅器316は、共通ソース/共通ゲート増幅器構成の第1段と、それぞれが共通ソース増幅器構成の第2段および第3段とを備える。チョッパースイッチ424が第1段の入力に設けられ、チョッパースイッチ426がチョッパー増幅器316の第1段と第2段の間に設けられている。
【0032】
チョッパー増幅器316,318の第1段の共通ソース/共通ゲート増幅器構成は、相対的に大きな100の閉ループ利得を達成するために、電圧利得を改良する。さらに、上述した例示的構成では、チョッパースイッチ424,426にクロックを送り込むCk_ca信号は、25kHzの公称周波数を有する。その結果、チョッパー増幅器316,318によって生成されるオフセットおよび/または低周波雑音は、25kHzのチョッパー周波数変調され、後続の低周波SCフィルタによって除去される(図2参照)。
【0033】
好適なバイアス電圧として、Vb1がpチャネルトランジスタ402,404,406,408のゲート結線に;Vb2がpチャネルトランジスタ410,412,414のゲート結線に;Vb3がnチャネルトランジスタ416,418のゲート結線に;Vb4がnチャネルトランジスタ420のゲート結線に、それぞれ与えられる。例えば、Vb1,Vb2,Vb3,Vb4のバイアス電圧レベルは、基準電圧/温度センサ120(図1参照)に含まれる電圧バイアス発生器740(図7参照)を使用して発生することができる。
【0034】
チョッパー増幅器316,318は、キャパシタ422,424並びにネスト型ミラー補償技術を使用して周波数補償される。例示的構成では、チョッパー増幅器316,318は過補償され、100の例示的利得で、ローパスフィルタに5kHzの公称周波数の極を与える。それ故、チョッパー増幅器316,318を含む非反転利得段によるローパスフィルタ処理は、熱雑音を帯域制限する。この熱雑音は、そうでなければSCフィルタ208でのエイリアシングによって通過帯域へシフトダウンされるものである。
【0035】
図3に示すように、ヒータ制御回路202は、スイッチトキャパシタ積分器段と、好ましくは1次シグマ−デルタ変調器であるシグマ−デルタ変調器342とを含んでいる。積分器段は、スイッチトキャパシタ336およびそれに関連したスイッチ(図番なし)と、オペアンプ338と、帰還抵抗340とからなる。例えば、スイッチトキャパシタ336に関連したスイッチは、CMOSトランスミッションゲートを使用して実施でき、またこのCMOSトランスミッションゲートを制御する相補的Ck_sc信号は、非重複クロック位相として実施できる。例示的構成では、Ck_sc信号は、50kHzの公称周波数を有し、またシグマ−デルタ変調器342にクロックを送り込むCk_osc信号は、800kHzの公称周波数を有する。
【0036】
スイッチトキャパシタ積分器段は、計装増幅器206によって線220上に与えられる熱電対302,306の共通モード出力電圧に対して増幅およびローパスフィルタ処理を施し、増幅およびフィルタ処理された出力電圧をシグマ−デルタ変調器342に与える。例えば、ヒータ制御回路202を含む帰還回路の安定性を確実にするために、この帰還回路は、スイッチトキャパシタ積分器段によって与えられる支配的な極を使用して補償されることがある。さらには、最適な位相マージンを達成するために、スイッチトキャパシタ積分器段は、比較的低い単一利得周波数、例えば5Hzを有する非反転段として実施される。
【0037】
シグマ−デルタ変調器342は、上述した積分器出力電圧に比例したパルス密度を有するパルス出力電圧を発生し、このパルス出力電圧を、サーモパイル/ヒータ204のインバータバッファ310への線230上に与える。具体的には、熱電対302,306の共通モード出力電圧は、所望のレベルに設定され、またヒータ制御回路202は、パルス出力電圧の平均密度が所望の共通モード出力電圧レベルを追従するように、計装増幅器206とサーモパイル/ヒータ204の間に負帰還をかける。インバータ310は、パルス出力電圧を緩衝および反転し、さらに反転パルス列をパストランジスタ308のゲート結線に与え、これによってヒータ抵抗304に与える平均電力を調整する。パルス出力電圧はインバータ310によって反転されるので、パストランジスタ308に加えられるパルス密度は、共通モード電圧とアナログ共通基準点との間にある差の減少関数となる。
【0038】
ここで留意されるべき点は、シグマ−デルタ変調器342で発生されたパルス列を使用してパストランジスタ308をスイッチ「オン」及び「オフ」することは、電源電圧Vddからパストランジスタ308を通してヒータ要素304に与える電源をパルス化するということである。上述した例示的構成では、ヒータ要素304および熱電対302,306を含む加速度センサは、相対的に低い周波数の二極を約80Hzに有する。従って、例示的構成では、加速度センサは、ヒータ要素304に与えるパルス化された電力の高周波成分を減衰させ、これによりヒータ電力を平均化して、線222および224間にほぼ一定な電圧を与える。シグマ−デルタ変調器342にクロックを送り込むCk_osc信号の比較的高い周波数はこの減衰を増加させる。ここでまた留意される点は、上述したようにパストランジスタ308をスイッチ「オン」及び「オフ」することが、パストランジスタ308で消費される電力を減少させるということである。
【0039】
ヒータ要素304が故障すると、例えば故障したヒータ要素304が電源電圧Vddとパストランジスタ308のゲート結線との間を開放すると、ヒータ制御回路202は、加速度センサ内の電力を調整不能となる。例えば、そのような故障は、スイッチトキャパシタ積分器段の出力電圧を接地電位Vsaに振ることがある。ここで説明する実施形態では、スイッチトキャパシタ積分器段の出力電圧は、接地電位Vsaに近い閾値電圧と連続的に比較され、そして積分器の出力電圧がその閾値電圧を通過したときに、加速度センサの故障を示す「故障」信号が発生される。
【0040】
図5aは、対流加速度計124に含まれたSCフィルタ208およびAB級出力段209の模式図を示す。具体的には、SCフィルタ208は、オペアンプ510と、帰還キャパシタ512と、複数のスイッチトキャパシタ514,516,518およびそれに関連したスイッチ類(図番なし)を含み、またAB級出力段209は、オペアンプ520と、入力抵抗526,528と、校正調整装置522,524とを含む。
【0041】
スイッチトキャパシタ514,516,518に関連したスイッチは、CMOSトランスミッションゲートを使用して実施できる。さらに、スイッチトキャパシタ514に関連したスイッチは、非重複で相補的なCk_sc信号によって制御される。スイッチトキャパシタ516に関連したスイッチは、相補的なCk_sc信号と、Ck_Aクロック信号と、Ck_Bクロック信号とによって制御される。スイッチトキャパシタ518に関連したスイッチは、相補的なCk_sc信号と、Ck_Cクロック信号と、Ck_Dクロック信号とによって制御される。図5bは、相補的なCk_sc信号と、Ck_A,Ck_B,Ck_C,Ck_D信号の相対的タイミングを示す。例えば、Ck_A,Ck_B,Ck_C,Ck_D信号は、通常の技術を使用して、相補的Ck_sc信号から求めることができる。
【0042】
上述した例示的構成では、SCフィルタ208は、公称周波数100Hzに極を有する。さらに、スイッチトキャパシタ516,518は、SCフィルタ208の出力電圧にチョッピング周波数25kHzでノッチを生じさせるように制御される。さらにまた、帰還キャパシタ512およびスイッチトキャパシタ514,516,518の値は、例示的に2の利得を与えるように選択される。
【0043】
SCフィルタ208は、計装増幅器206によって線226上に与えられる出力電圧に対して増幅およびローパスフィルタ処理を施して、チョッパー増幅器316,318によって生成される低周波雑音と、対流加速度計デバイスに生じる熱雑音を除去し、さらに増幅およびフィルタ処理された出力をAB級出力段209に与える。
【0044】
AB級出力段209の校正調整装置522,524は、対流加速度計デバイスの出力利得およびオフセットをそれぞれ校正するために使用される。具体的には、出力利得は、制御バス134を通して、所定のCntlワードを校正調整装置522に与えることによって校正され、また出力オフセットは、同様に所定のCntlワードを校正調整装置524に与えることによって校正される。
【0045】
図6は、クロック発生器118の模式図を示す(図1も参照)。具体的に、クロック発生器118は、キャパシタ626を充放電するための電流源618およびスイッチ622,630と、キャパシタ628を充放電するための電流源620およびスイッチ624,632と、それぞれキャパシタ626,628およびバンドギャップ基準電圧Vbgs(図7参照)に結合された比較器614,616と、NANDゲート610,612からなるSRラッチと、分周器634,636と、SRラッチの出力または外部発振器によって生成されるクロック信号のいずれかを選択的に分周器634に与えるための構成スイッチ638とを含む。例えば、電流源618および620は、電流バイアス発生器742(図7参照)と、RBIASパッド108(図1参照)に結合された外部抵抗とを使用して実施できる。また、スイッチ622,630,624,632は、好適なそれぞれのパストランジスタを使用して実施できる。スイッチ624,630は、Ck_osc信号によって制御され、スイッチ622,632は、Ck_osc信号の補完信号によって制御される。
【0046】
従って、Ck_osc信号が初期に低論理レベルであると、スイッチ632が操作されて、キャパシタ628を接地電位Vsaに放電し、またスイッチ622が操作されて、キャパシタ626を充電する。キャパシタ626がバンドギャップ基準電圧Vbgsより高い電圧レベルに充電されると、比較器614の出力段は、高論理レベルから低論理レベルへと遷移し、これによりNANDゲート610の出力段を低論理レベルから高論理レベルへと遷移させる。この結果、Ck_osc信号は高論理レベルとなり、これによりスイッチ630を操作して、キャパシタ626を接地電位Vsaに放電し、またスイッチ624を操作してキャパシタ626を充電する。キャパシタ628がバンドギャップ基準電圧Vbgsより高い電圧レベルに充電されると、比較器616の出力段は、高論理レベルから低論理レベルへと遷移し、これによりNANDゲート610の出力段を高論理レベルから低論理レベルへと遷移させる。このようにして、キャパシタ626,628は周期的に充放電され、Ck_oscクロック信号を線136上に内部的に生成する(図1も参照)。
【0047】
上述した例示的構成では、電流源618,628によって与えられる電流の値と、キャパシタ626,628の値は、800kHzの公称周波数のCk_oscクロック信号を生成するように選択される。
【0048】
構成スイッチ638は、制御バス134を通して所定のCntlワードを校正スイッチ638に与え、内部的に生成されたクロック信号かSCKパッド110に結合された外部発振器で生成されたクロック信号のいずれかを選択することによって設定される。この結果、内部的に生成されたクロック信号か外部的に生成されたクロック信号が分周器634に与えられ、この分周器634は、これらクロック信号の一方の周波数を16分周してCk_sc信号を発生する。分周器636は、Ck_sc信号をその入力で2分周してCk_ca信号を発生する。例示的構成では、Ck_osc信号は公称周波数800kHzを有し、それによりCk_sc信号およびCk_ca信号をそれぞれ公称周波数50kHzおよび25kHzにする。
【0049】
図7は、基準電圧/温度センサ120の模式図を示す(図1も参照)。具体的に、基準電圧/温度センサ120は、オペアンプ708と、pチャネルトランジスタ702,704,706と、nチャネルトランジスタ718,720と、バイポーラ接合トランジスタ714,716と、抵抗710,712とを有して、線746上にバンドギャップ基準電圧Vbgsを与える。例えば、バイポーラ接合トランジスタ714,716は、縦型の共通ソーストランジスタとして実施できる。上述した例示的構成では、バンドギャップ基準電圧Vbgsは、約1.2Vの値を有する。
【0050】
基準電圧/温度センサ120はまた、電源電圧Vddと接地電位Vsaとの間に接続された直列結合抵抗750,752からなる分圧器を含み、さらに電圧バイアス発生器740に対して、抵抗750,752の共通ノードの電圧レベルVrsか、線746上のバンドギャップ基準電圧Vbgsのいずれかを選択的に与えるための構成スイッチ722とを含む。構成スイッチ722は、制御バス134を介して所定のCntlワードを校正スイッチ722に与えて、電圧レベルVrsまたはVbgsのいずれかを選択することによって設定される。電圧バイアス発生器740は、選択された電圧レベルが与えられると、基準電圧Vbsを線132上に与える(図1も参照)。
【0051】
例示的構成では、構成スイッチ722が、電圧バイアス発生器740に対してVbgs電圧レベルを与えるように設定された場合、対流加速度計124(図1参照)は絶対モードで動作し、そして基準電圧Vbsは約1.0Vの値を持つ。この代わりに、構成スイッチ722が、電圧バイアス発生器740に対してVrs電圧レベルを与えるように設定された場合、対流加速度計124は比率的モードで動作し、そして基準電圧Vbsは電源電圧Vddの約1/3の値を持つ。ここで説明されている実施形態では、対流加速度計124は、基準電圧Vbsを1.0Vの固定値に設定することによって、電源変動にあまり反応しないように作られている。ここで留意されるべき点は、対流加速度計124が、Vrs電圧レベルに対し設定された基準電圧Vbsの比率的モードで動作しているときは、加速度センサの感度が電源電圧レベルVddに比例するということである。
【0052】
さらにまた、基準電圧/温度センサ120は、nチャネルトランジスタ718,720からなるカレントミラーを含む。これは、線754上にPTAT電流IPTATを供給するためのものである。PTAT電流IPTATは、オペアンプ726および校正調整装置724,730からなる電流/電圧変換器に供給される。この電流/電圧変換器は、チップ100の絶対温度に比例するIPTATに比例した出力電圧をTOUTパッド114(図1参照)に生じる。ここで説明する実施形態では、対流加速度計124は、対流加速度計124の外部の温度補償回路か、同じ基板上の温度補償回路のいずれかにTOUTパッド114の出力電圧を与えて、チップ100の温度や周囲温度の変化を補償することによって、温度変動にあまり反応しないように作られている。
【0053】
電流/電圧変換器の校正調整装置724,730は、温度センサ120の出力利得およびオフセットをそれぞれ校正するために使用される。具体的には、制御バス134を通して、所定のCntlワードを校正調整装置724に与えることによって、出力利得が校正され、また所定のCntlワードを校正調整装置724に与えることによって、出力オフセットが校正される。
【0054】
図8は、制御回路122(図1参照)に含まれた22ビット制御レジスタ800を示している。このレジスタは、クロック発生器118と基準電圧/温度センサ120と対流加速度計124にCntlデータを与えて、校正調整装置312,522,524,724,730と校正スイッチ638,722の設定値を決定するためのものである。上述したように、Cntlデータは、DIパッド112(図1参照)を介して制御レジスタ800へシリアルに入力され、そして制御バス134上にパラレルに出力される。
【0055】
上述した例示的構成では、22制御ビットは、次のように定義される:
【0056】
Figure 0004252305
【0057】
サーモパイルの共通電圧と、それ故に上述した帰還回路を使用するヒータによって作られる温度勾配を調整する方法例が、図9を参照して説明される。ステップ902に示すように、校正調整装置312は、熱電対302,306の結合端の電圧レベルを設定するように調整される。好ましい実施形態では、この電圧は、基準電圧Vbsより僅かに低くなるように調整される。さらに、熱電対302,306の極性は、ヒータ抵抗304に供給される電力が増加するときに、線222,224にそれぞれ印加される出力電圧を、計装増幅器206の入力において正に増加させるものである。ここで留意されるべき点は、加速度が存在しない場合、加速度センサの対称構成故に、線222,224のそれぞれの出力電圧が等しくなるということである。熱電対302,306からなるサーモパイルの共通モードの出力電圧の平均値は、ステップ904に示されるように、計装増幅器206によって、スイッチトキャパシタ積分器段に与えられる。次に、増幅およびフィルタ処理された電圧は、ステップ906に示されるように、スイッチトキャパシタ積分器段によってシグマ−デルタ変調器342に与えられる。積分器の出力電圧に比例したパルス密度を有するパルス出力電圧は、ステップ908に示されるように、シグマ−デルタ変調器342によってパストランジスタ308に与えられ、サーモパイルの共通モードの出力電圧が調整される。制御ループが調整されると、ヒータ抵抗304で消費された電力は、サーモパイルの共通モード出力電圧の平均値をVbsに等しくする。ヒータ抵抗304で消費された電力が熱電対302,306間の共通モード電圧降下に比例する場合、そのヒータ電力は、調整装置312によって熱電対の共通点の電圧を変化させることで制御できる。
【0058】
上述したシリコン微細加工対流加速度計デバイスに対する変形や修飾が、ここに開示された発明の概念を逸脱することなくなされるものであることを、当業者は認めるものであろう。従って、この発明は、添付した請求の範囲の精神および範囲による他は、制限されるものと見られるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシリコン微細加工対流加速度計デバイスを含んだ集積回路の平面図である。
【図2】図1のデバイスに含まれた対流加速度計を示すブロック図である。
【図3】図2の対流加速度計に含まれたサーモパイル、計装増幅器、およびヒータ制御回路を示す模式図である。
【図4】図3の計装増幅器に含まれたチョッパー増幅器を示す模式図である。
【図5a】図2の対流加速度計に含まれたスイッチトキャパシタフィルタおよびAB級出力段を示す模式図である。
【図5b】図5aのスイッチトキャパシタフィルタによって使用されるクロック信号を示すタイミング図である。
【図6】図1のデバイスに含まれたクロック発生器を示す模式図である。
【図7】図1のデバイスに含まれた基準電圧/温度センサ回路を示す模式図である。
【図8】図1のデバイスに含まれた制御回路の制御レジスタの平面図である。
【図9】図2の対流加速度計に含まれた加速度センサで消費される電力を調整する方法を示すフロー図である。

Claims (9)

  1. 対流加速度センサと、増幅回路と、制御回路と、スイッチ・トランジスターを備える集積型対流加速度計チップであって、
    前記対流加速度センサは、ヒータ要素(304)および複数の温度検知要素(302、306)を含み、
    ここで、前記複数の温度検知要素は、第1の温度検知要素(302)と第2の温度検知要素(30)からなり、前記ヒータ要素は第1と第2の温度検知要素の間に配置され、
    第1と第2の温度検知要素のそれぞれは第1の端子を含み、第1と第2の温度検知要素は、第1の端子のそれぞれを通る、前記ヒータ要素および前記温度検知要素の各々を貫通する1つの軸に沿って加わる加速度の大きさを示す差動出力電圧を発生するものであり、そして
    第1と第2の温度検知要素は、さらに各第1の端子にコモンモード出力電圧を生成するように機能するものであり、前記コモンモード出力電圧はヒータ要素により発生される温度勾配の目安になるものであり、
    前記増幅回路(206)は、第1入力端(222)、第2入力端(224)および出力端(220)を備え、増幅回路の第1と第2入力は第1と第2の温度検知要素の第1の端子にそれぞれ接続され、増幅回路は増幅回路の出力端で前記コモンモード出力電圧を与えるように機能し、
    前記制御回路(202)は、積分器(336、338、340)とスイッチング調整器(342)を含み、
    ここで、積分器は、増幅回路からのコモンモード出力電圧を受信する、増幅器の出力端に接続する第1入力端と、基準電圧(Vbs)につながる第2入力端および出力端を有していて、前記積分器はコモンモード出力電圧と基準電圧との差を積分し、そして積分出力信号を積分器の出力端から発信するものであり、
    前記第1と第2の温度検知要素の各々は、第2の端子を有し、第1と第2の温度検知要素の各々の第2の端子は互いに接続し、そして加速度センサは、第1と第2の温度検知要素の接続された第2の端子に、基準電圧に比例する所望の電圧を印加するように動作するものであり、
    スイッチング調整器は、積分器の出力端に接続する入力端と制御出力端を有し、スイッチング調整器は、制御出力端に積分出力信号に比例する平均値を有するパルス列からなる制御出力信号を生成するものであり、
    前記スイッチ・トランジスター(308)は、スイッチング調整器により生成する制御出力信号に応答して、ヒータ要素を通る電流を制御するものであり、
    かくして、ヒータ要素により発生する温度勾配を調整し、そして第1と第2の温度検知要素により生成する共通モード出力電圧の閉ループ制御を行う、前記集積型対流加速度計チップ。
  2. 前記スイッチング調整器は、パルス密度変調を使用して制御出力信号を生成するものである、請求項1に記載のチップ。
  3. 前記スイッチング調整器は、パルス幅変調を使用して制御出力信号を生成するものである、請求項1に記載のチップ。
  4. 基準電圧を発生するための基準電圧発生器(740)を更に備える、請求項1に記載のチップ。
  5. 前記基準電圧は、電源電圧に比例したものである、請求項1に記載のチップ。
  6. 前記ヒータ要素および前記複数の温度検知要素を含む対流加速度センサは、シリコン微細加工デバイスである、請求項1に記載のチップ。
  7. ヒータ要素(304)および複数の温度検知要素を具備し、そして、
    複数の温度検知要素は第1の温度検知要素(302)と第2の温度検知要素(306)からなり、ヒータ要素は第1と第2の温度検知要素の間に配置され、第1と第2の温度検知要素のそれぞれは第1の端子と第2の端子を有し、第1と第2の温度検知要素の各々の第2の端子は互いに接続してなる構成の対流加速度センサを動作させる方法であって、
    第1と第2の温度検知要素の第1の端子を通る差動出力電圧を第1と第2の温度検知要素により発生させる工程であって、差動出力電圧は前記ヒータ要素および前記複数の温度検知要素の各々を貫通する1つの軸に沿って加わる加速度の大きさに比例するものである工程と、
    第1と第2の温度検知要素の第1の端子の各々にコモンモード出力電圧を第1と第2の温度検知要素により発生させる工程であって、コモンモード出力電圧はヒータ要素により発生する温度勾配の目安になる工程と、
    コモンモード出力電圧と基準電圧の差を積分して積分出力信号を得る工程と、
    前記第1と第2の温度検知要素の接続された第2の端子に、基準電圧に比例する所望の電圧を印加する工程と、
    積分出力信号に比例する平均値を有するパルス列からなる制御出力信号を生成する工程と、
    制御出力信号に応答して、ヒーター要素を流れる電流を制御してヒータ要素により発生する温度勾配を制御する工程とからなり、
    かくして第1と第2の温度検知要素により生成するコモンモード出力電圧の閉ループ制御を与えることを特徴とする前記方法。
  8. 制御出力信号を生成する工程が、パルス密度変調を使用するパルス列を生成する工程を含む、請求項に記載の方法。
  9. 制御出力信号を生成する工程が、パルス幅変調を使用するパルス列を生成する工程を含む、請求項に記載の方法。
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