JP4251406B2 - ウォーク―スルー突然変異誘発 - Google Patents

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Description

発明の背景
突然変異誘発はタンパク質の構造および機能の研究において強力な道具である。突然変異体は問題のタンパク質をエンコードするクローニングされた遺伝子のヌクレオチド配列の中でつくることができ、そして修飾された遺伝子を発現してタンパク質の突然変異体を産生することができる。野生型タンパク質および発生した突然変異体の性質を比較することによって、タンパク質の構造的統合および/または生化学的機能、例えば、その結合および/または触媒の活性に必須である、個々のアミノ酸またはアミノ酸のドメインを同定することがしばしば可能である。
しかしながら、突然変異誘発はいくつかの制限に悩まされる。これらの制限の例は、発生させることができる突然変異体が多数存在し、そしてこれらから情報を与えるか、あるいは所望の性質を有する突然変異体を選択することが実際に不可能であることである。例えば、タンパク質における特定のアミノ酸の置換、欠失または挿入がタンパク質上の局所的または全体的な作用を有するかどうか、したがって、それが有用な情報または機能を生ずるかどうかを予測する、信頼性ある方法は存在しない。
これらの限定のために、突然変異誘発によりタンパク質の性質を改良する試みは、タンパク質の特定の、推定的に重要な領域、例えば、タンパク質の活性部位またはその付近の領域に制限される、突然変異の発生および分析にほとんどの頼る。しかし、突然変異はタンパク質のある種の領域に限定されてさえ、潜在的な突然変異の数は極めて大きいことがあり、産生されたものを同定および評価することは困難であるか、あるいは不可能となる。例えば、単一のアミノ酸をすべての他の天然に産出するアミノ酸で置換すると、タンパク質の19の異なる変異型が生ずる。いくつかの位置が同時に置換される場合、変異型の数は指数的に増加する。タンパク質の7つのアミノ酸位置においてすべてのアミノ酸で置換するためには、タンパク質の19×19×19×19×19×19×19または8.9×108の変異型が発生し、それらから有用な突然変異体を選択しなくてはならない。突然変異誘発の有効な使用のためには、発生した突然変異のタンパク質の数をスクリーニングに適当な数に保持する、いくつかの制限的基準に、突然変異体の型および数に従わさなくてはならない。
タンパク質の中に非常に特定の突然変異を産生するために開発された突然変異誘発法は、部位特異的突然変異誘発である。この方法は、特定のタンパク質の機能に関係することが知られているか、あるいは疑われる小さい部位を研究するために有用である。この方法において、ヌクレオチドの置換(点突然変異)はDNA配列の中の定めた位置において行って、エンコードされたアミノ酸配列の中で1つのアミノ酸を他のアミノ酸で所望の置換を発生させる。この方法はオリゴヌクレオチドで仲介される。突然変異をつくるべきタンパク質の領域をエンコードするDNAに対して相補的であるが、1または2以上の塩基の置換の1または2以上の所望の位置に1または2以上の不一致の塩基を有する、合成オリゴヌクレオチドが構成される。突然変異したオリゴヌクレオチドを使用して、新しいDNA鎖の合成をプライミングし、このDNA鎖は1または2以上の変化を組み込み、したがって、突然変異の遺伝子の合成に導く。参照、ゾウラー(Zoller)、M.J.スミス(Smith)、M.メソッズ・イン・エンジモロジー(Methods Enzymol.)、100、468(1983)。
部位特異的突然変異誘発の変法がこの手順の面を最適化するために開発された。大部分について、それらはハッチンソン(Hatchinson)、C.A.ら、ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Chem.)、253:6551(1978)およびレイジン(Razin)、A.ら、プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、75:4268(1978)のもとの方法に基づく。部位特異的突然変異誘発の広範な記載については、参照、分子クローニング:実験室のマニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、1989、サンブルック(Sambrook)、フリトシ(Fritsh)およびマニアチス(Maniatis)、コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor)、ニューヨーク州、15章。
多数の突然変異を産生するように設計された突然変異誘発法は、「飽和」突然変異誘発である。この方法は、また、オリゴヌクレオチド仲介である。この方法において、すべての可能な点突然変異(ヌクレオチドの置換)はタンパク質の所定の領域をエンコードするDNA内の1または2以上の位置においてつくられる。これらの突然変異は、オリゴヌクレオチドの単一の混合物を合成し、この混合物をその領域をエンコードするDNAの自然のセグメントの代わりに遺伝子の中に挿入することによってつくられる。合成の各段階において、3つの非野生型ヌクレオチドを野生型ヌクレオチドと一緒にオリゴヌクレオチドの中に組み込む。非野生型ヌクレオチドは前以て決定した百分率で組み込まれるので、配列のすべての可能な変異型は予測した頻度で産生される。このようにして、すべての可能なヌクレオチドの置換は遺伝子の定めた領域内でなされ、定めた領域のアミノ酸がランダムに変化する、多数の突然変異のタンパク質が産生される[オリファント(Oliphant)、A.R.ら、メソッズ・イン・エンジモロジー(Methods Enzymol.)、155:568(1987)]。
ランダム突然変異誘発の方法、例えば、飽和突然変異誘発法は、有用な情報または機能的突然変異体を生ずるために、どこで突然変異をつくるべきかを予測することの不可能性を補償するように設計される。これらの方法は、関係するタンパク質のドメインの可能な変異型のすべてまたは多数を発生させることによって、アミノ酸の適切な配置がランダムに発生した突然変異の1つとして産生されるであろうという原理に基づく。しかしながら、突然変異の完全にランダムの組み合わせについて、発生した突然変異の数は意味あるように選択する能力を圧倒する。原理的には、発生するランダム突然変異の数は所望の突然変異を生ずるするために十分に大きいが、選択系の能力を越えために十分に小さくなくてはならない。これは、ほとんどのタンパク質の大きさおよび複雑さが与えられると、常に可能であるというわけではない。
発明の要約
本発明は、新規なまたは改良されたタンパク質(またはポリペプチド)の発生させる突然変異誘発法およびこの方法により発生した突然変異のタンパク質および特定の突然変異のタンパク質のライブラリーに関する。突然変異誘発のためにターゲッティングしたタンパク質、ペプチドまたはポリペプチドは、自然、合成または操作したタンパク質、ペプチドまたはポリペプチドまたは変異型(例えば、突然変異体)であることができる。1つの実施態様において、この方法はタンパク質のアミノ酸配列の前以て定めた領域(またはいくつかの異なる領域)における各々およびすべての位置の中に前以て決定したアミノ酸を導入することからなる。その領域における1または2以上の位置にそして、総合的に、領域のすべての位置に、前以て決定したアミノ酸を有する突然変異のタンパク質を含有する、タンパク質のライブラリーが発生する。この方法は「ウォーク−スルー(walk−through)」突然変異誘発と呼ぶことができる。なぜなら、事実、単一の、前以て決定したアミノ酸がタンパク質の定めた領域を通して位置−対−位置で置換されるからである。これはタンパク質の構造または機能における特定のアミノ酸の役割の系統的評価を可能とする。
突然変異のタンパク質のライブラリーは、前以て決定したアミノ酸を含有する領域のためのアミノ酸配列の所望の変化のすべてをエンコードする、オリゴヌクレオチドの単一の混合物を合成することによって発生させることができる。このオリゴヌクレオチドの混合物は、突然変異誘発すべき配列(例えば、野生型配列)のヌクレオチドおよび前以て決定したアミノ酸のためのコドンに要求されるヌクレオチドの両者を合成する各縮合工程を組み込むことによって合成される。突然変異誘発すべき配列のヌクレオチドが前以て決定したアミノ酸のためにヌクレオチドと同一である場合、追加のヌクレオチドを添加する。生ずる混合物において、前以て決定したアミノ酸のための少なくとも1つのコドンを含有するオリゴヌクレオチドは構成成分の約12.5%〜100%を構成する。さらに、オリゴヌクレオチドの混合物は、配列においてゼロ位置からすべての位置の領域における前以て決定したアミノ酸を含有するアミノ酸配列の統計学的(ある場合においてガウス)分布をエンコードする。
オリゴヌクレオチドの混合物は、その領域をエンコードするDNAの代わりに突然変異誘発すべきタンパク質(例えば、野生型タンパク質)をエンコードする遺伝子の中に挿入する。組み換え突然変異の遺伝子を適当な発現ベクターの中でクローニングして、所望の性質を有するタンパク質についてスクリーニングすることができる、突然変異のタンパク質の発現ライブラリーを形成することができる。このオリゴヌクレオチド仲介手順により産生された突然変異のタンパク質のライブラリーは、飽和突然変異誘発の方法により産生ライブラリーより非情報的突然変異関係して大きい比率の情報的突然変異体(定めた領域において前以て決定したアミノ酸を含有するもの)を含有する。例えば、好ましいライブラリーは、その領域における本質的に各々かつすべての位置に前以て決定したアミノ酸を約12.5%〜100%の範囲の頻度で有する突然変異から構成されている。
この突然変異誘発法を使用して、スクリーニングのために実際的大きさをもつ突然変異のタンパク質のライブラリーを発生させることができる。この方法はタンパク質の構造および機能における特定のアミノ酸の役割を研究するために、そして新規なまたは改良されたタンパク質およびポリペプチド、例えば、酵素、抗体、その結合性断片または類似体、1本鎖の抗体または触媒の抗体を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、重(H)鎖のCDR1(Asp)およびCDR3(Ser)および軽鎖(L)のCDR2(His)について実施した、免疫グロブリンMCPC603のFv領域の「ウォーク−スルー」突然変異誘発の概略的描写である。
第2図は、酵素の活性部位の「ウォーク−スルー」突然変異誘発の概略的描写である;活性部位の3つのアミノ酸残基は、セリン−プロテアーゼ触媒の3つ組のアミノ酸で各々のかつすべての位置が置換されている。
第3図は、重鎖のCDR1(第3a図)およびCDR3(第3b図)、およびMCPC603の軽鎖のCDR2(第3c図)のウォーク−スルー突然変異誘発のための「同義性をもつ」オリゴヌクレオチドを示す。
第4図は、突然変異誘発の「ウィンドウ(window)」の設計を例示し、そしてMCPC603の重鎖のCDR3(第4a図)および軽鎖のCDR2(第4b図)の突然変異のための同義性をもつオリゴヌクレオチドの配列を示す。
第5a図および第5b図は、突然変異の「ウィンドウ」の設計を例示し、そしてMCPC603の重鎖のCDR2におけるHisをもつ32つのウォーク−スルー突然変異誘発の手順のための同義性をもつオリゴヌクレオチドの配列を示す。
第6図は、MCPC603の重鎖のCDR2のウォーク−スルー突然変異誘発のための同義性をもつオリゴヌクレオチドの設計および配列を示す。
第7図は、触媒部位に3つの連続のアミノ酸残基から成る、HIVプロテアーゼにおける突然変異誘発の「ウィンドウ」を示す。Asp、SerおよびHisをもつ領域の3ラウンドのウォーク−スルー突然変異誘発のための同義性をもつオリゴヌクレオチドの設計および配列が示されている。
第8図は、MCPC603の5つのCDRのウォーク−スルー突然変異誘発のための同義性をもつオリゴヌクレオチドの設計および配列を示す。軽鎖のCDR1(第8a図)およびCDR3(第8b図)、および重鎖のCDR1(第8c図)、CDR2(第8d図)、およびCDR3(第8e図)のウォーク−スルー突然変異誘発の同義性をもつオリゴヌクレオチドが示されている。
発明の詳細な説明
タンパク質の研究は、ある種のアミノ酸がそれらの構造および機能において極めて重要な役割を演ずることを明らかにした。例えば、ある明確な数のアミノ酸が酵素の触媒の事象に参加するように思われる。セリンプロテアーゼは、セリン、ヒスチジンおよびアスパラギン酸の組み合わせた存在により特徴づけられる、構造的に同様な触媒部位を発生した、事実上すべての有機体の中に存在する酵素の1族である。これらのアミノ酸は触媒の3つ組を形成し、この組は多分他の決定基と一緒に、基質の転移状態を安定化する。この触媒の3つ組の機能的役割は個体により、そしてセリン、ヒスチジンおよびアスパラギン酸のセリンプロテアーゼの部位特異的突然変異誘発による多重置換により確証され、そして触媒作用におけるこれらのアミノ酸残基の間の相互作用の重要性は今回よく確立された。これらの同一の3つのアミノ酸は、ある種のリアーゼの酵素のメカニズムに同様によく関係する。同様に、多数の他の型の酵素は、それらの触媒部位の独特のコンフォメーションおよび主として触媒の事象の原因となる部位におけるある種のアミノ酸残基の存在により特徴づけられる。広範な外観については、参照、酵素の構造およびメカニズム(Enzyme Structure and Mechanism)、1985、A.フェルシュト(Fersht)、フリーマン(Freeman)編、ニューヨーク。
ある種のアミノ酸は触媒作用のメカニズムにに対して重要であることは明らかであるが、アミノ酸がどの位置を占有して機能的部位、例えば、触媒部位を占有することを予測することは、不可能でないにしても、困難である。不都合なことには、タンパク質の中でアミノ酸の側鎖の複雑空間的立体配置および酵素の触媒のポケットにおける異なる側鎖の相互関係は、このような予測を可能とするために十分に理解されていない。
上の指摘したように、選択的(部位特異的)突然変異誘発および飽和突然変異誘発は、複雑なタンパク質における多数の起こりうる変動にかんがみて、タンパク質の構造および機能の研究のために実用性が制限される。
本発明の方法は、タンパク質の構造または機能に対する、特定のアミノ酸、およびタンパク質の定めた領域内のそれらの位置の重要性を評価し、そして有用なタンパク質を産生する、系統的および実際のアプローチを提供する。この方法は、ある種の、前以て決定したアミノ酸が特定の構造または機能が特定の構造または機能に対して重要であるという仮定で開始する。この仮定は単なる推測に基づく。よりありそうなことには、この仮定は他のタンパク質からのアミノ酸について知られているものに基づく。例えば、アミノ酸は触媒作用、結合または他の機能におけるある役割を有するものであることができる。
前以て決定したアミノ酸の選択では、研究すべきタンパク質の突然変異体のライブラリーは、前以て決定したアミノ酸をタンパク質の領域の各々のかつすべての位置の中に組み込むことによって発生させる。第1図および第2図に概略的に描写したように、アミノ酸は領域のすべての(または本質的にすべての)位置において置換されるか、あるいは「ウォーク−スルー」される。
突然変異のタンパク質のライブラリーは、領域の中の各々のかつすべての位置に前以て決定したアミノ酸を有する個々のタンパク質を含有する。タンパク質のライブラリーは、完全にランダムな突然変異、例えば、飽和突然変異により発生されるライブラリーと比較して、その領域の中の前以て決定したアミノ酸を含有する突然変異をより高い比率で(それを含有しない突然変異に関して)を有するであろう。これはタンパク質のより多いかつより大きい領域をウォーク−スループロセスにより突然変異誘発することを可能とするが、なおスクリーニングすることができる大きさのライブラリーを生ずるので、重要である。さらに、最初の仮定が正しくかつアミノ酸がタンパク質の構造または機能に対して重要である場合、ライブラリーはランダム突然変異により発生したライブラリーより高い比率の情報の突然変異を有するであろう。
他の実施態様において、前以て決定したアミノ酸は前以て定めた1または2以上の領域内のある種の選択された位置の各々の中に導入される。ある種の選択した位置は既知であるか、あるいは構造の拘束のためにいっそう有望と考えることができる。このような考察は、突然変異誘発した分子の構造の情報またはモデル化および/または所望の構造に基づき、1または2以上の領域内の位置のサブセットを突然変異誘発について選択するために使用することができる。こうして、ある領域内で突然変異誘発したアミノ酸は隣接する必要がはない。ある領域においてある種の選択した位置を通してアミノ酸をウォーキングすることは、産生される変異型の数を最小することができる。
ライブラリーの大きさは、領域の長さおよび数および突然変異誘発される領域内のアミノ酸に依存して変化するであろう。好ましくは、ライブラリーは1010より少ない突然変異、より好ましくは109より少ない突然変異を含有するように設計されるであろう。
好ましい実施態様において、突然変異のタンパク質のライブラリーは、タンパク質の定めた領域のためのアミノ酸配列の選択した順列をエンコードするオリゴヌクレオチド(同義性をもつオリゴヌクレオチド)の混合物を合成することによって発生される。便利には、オリゴヌクレオチドの混合物は単一の合成で産生することができる。これは、オリゴヌクレオチド内の各位置に、野生型タンパク質(または突然変異誘発すべき他のタンパク質)の合成に要求されるヌクレオチドおよび前以て決定したアミノ酸のコドンに要求される単一の適当なヌクレオチドの両者を組み込むすることによって、達成される。これは、突然変異誘発された各DNA位置について、「飽和」のための3つと反対に、わずかに1つの追加のヌクレオチドが付加されることにおいて、飽和突然変異で産生されるオリゴヌクレオチドと異なる)。2つのヌクレオチドは、必ずしも必要ではないが、典型的には、反応のためにほぼ等しい濃度で使用されるので、いずれか一方が配列の中にその位置において組み込まれる等しい機会が存在する。野生型配列のヌクレオチドと前以て決定したアミノ酸のコドンのためのヌクレオチドが同一であるとき、追加のヌクレオチドは組み込まれない。
突然変異されて前以て決定したアミノ酸のためのコドンを提供するヌクレオチドの数に依存して、オリゴヌクレオチドの混合物は制限された数の新しいコドンを発生するであろう。例えば、1つのみのヌクレオチドが突然変異される場合、生ずるDNA混合物はもとのコドンまたは前以て決定したアミノ酸のコドンのいずれかをエンコードするであろう。この場合において、生ずる混合物の中ですべてのオリゴヌクレオチドの50%はその位置に前以て決定したアミノ酸のコドンを含有するであろう。2つのヌクレオチドが任意の組み合わせ(第1および第2、第1および第3または第2および第3)で突然変異される場合、4つの異なるコドンが可能であり、そして少なくとも1つは、25%の頻度で、前以て決定したアミノ酸をエンコードするであろう。すべての3つの塩基が突然変異される場合、この混合物は8つの明確なコドンを産生し、それらの1つは前以て決定したアミノ酸をエンコードするであろう。したがって、コドンはその位置に12.5%の最小の頻度で現れるであろう。しかしながら、8つのコドンの追加の1つは同一アミノ酸および/または停止コドンをコードし、したがって、前以て決定したアミノ酸の頻度は12.5%より大きいであろう。
この方法により、前以て決定したアミノ酸のためのコドンを含有する配列を高い比率で有するオリゴヌクレオチドの混合物が産生される。合成における他の制限を付与してこの比率増加することができる(前以て決定したアミノ酸のための少なくとも1つのコドンを含有しない混合物の中のオリゴヌクレオチドの数を減少することによって)。例えば、完全なコドン(3つのヌクレオチド)を置換して前以て決定したアミノ酸のためのコドンに到達しなくてはならないとき、置換ヌクレオチドのみを導入することができる(こうして、前以て決定したアミノ酸のためのコドンはその位置に100%の頻度で現れる)。野生型ヌクレオチドおよび前以て決定したアミノ酸をコードするヌクレオチドの比率を任意のまたはすべての位置において調節して、エンコードされるアミノ酸の比率に影響を及ぼすことができる。
この手順により産生されたタンパク質のライブラリーにおいて、定めた領域に前以て決定したアミノ酸の少なくとも1つの残基を有する突然変異の比率はライブラリーの中のすべての突然変異の約12.5%〜100%の範囲である(合成において、ほぼ等しい比率の野生型塩基および前以て選択したアミノ酸塩基を使用すると仮定する)。典型的には、この比率は約25%〜50%の範囲である。
タンパク質の突然変異のライブラリーは2nに等しいか、あるいはそれより小さい数を含有し、ここでnはタンパク質の領域をエンコードするDNA内で突然変異したヌクレオチドの数である。各コドンについて制限された数のみの変化が存在することができる(1、2または3)ので、タンパク質の突然変異の数は2m〜8mの範囲であり、ここでmはその領域内で突然変異されるアミノ酸の数である。これは飽和突然変異により発生した19mの突然変異と比較して、劇的な減少を表す。例えば、7つのアミノ酸のタンパク質の領域について、ウォーク−スルー突然変異誘発(1つのアミノ酸)により発生した突然変異の数は、その領域の飽和突然変異により発生する突然変異の数の0.000014%〜0.24%の部分、すなわち、非常に有意の減少、を生ずるであろう。
この方法により発生したライブラリーの追加の、有利な特性は、前以て決定したアミノ酸を含有するタンパク質がアミノ酸配列におけるアミノ酸残基の数に関して、統計学的分布に一致するということである。したがって、配列は、前以て決定したアミノ酸がその領域のいずれの位置においても現れるない配列から、前以て決定したアミノ酸がその領域のすべての位置において現れる配列の範囲である。こうして、タンパク質のある領域の中にアミノ酸を系統的に挿入する手段を提供することに加えて、この方法は特定のアミノ酸をもつタンパク質の領域を豊富にする方法を提供する。この豊富にすることはそのアミノ酸にまたは完全に新しい活性に帰属する活性の増強に導く。
ライブラリーの発生のためのオリゴヌクレオチドの混合物は、DNA合成について既知の方法により容易に合成することができる。好ましい方法は、固相のベータ−シアノエチルホスホルアミダイト化学の使用を包含する。参照、米国特許第4,725,677号。便宜上、自動化されたDNA合成装置を使用することができ、この装置はヌクレオチドのシントン(DNA合成のための試薬)の10個の試薬容器、4つのシントン(A、T、CおよびG)の1つを含有する容器および2つのシントンの混合物(A+T、A+C、A+G、T+C、T+GおよびC+G)を含有する6つの容器を含有する。
野生型ヌクレオチド配列は、合成の間に調節して、オリゴヌクレオチドの混合物を簡素化し、そしてエンコードされるアミノ酸の数を最小とすることができる。例えば、野生型アミノ酸がスレオニン(ACT)であり、そして前以て決定したアミノ酸がアルギニン(AGA、AGG)である感染、2つの塩基の変化はアルギニンをエンコードするために必要であり、そして3つのアミノ酸が産生される(例えば、AGA、Arg;AGT、Ser;ACA、ACT、Thr)。野生型ヌクレオチド配列をACAまたはAGGに変化させることによって、ただ1つの塩基の変化がアルギニンをエンコードするために要求されるであろう。こうして、ACGをACTの代わりに選択して野生型スレオニンをエンコードする場合、中央の塩基のみをGに変化させてアルギニンを得ることが必要であり、そしてアルギニンおよびスレオニンのみがその位置において産生されるであろう。特定のコドンおよび前以て選択したアミノ酸の同一性に依存して、野生型コドンのいずれかの位置における同様な調節は発生される変異型の数を減少ことができる。
オリゴヌクレオチドの混合物を、その領域のアミノ酸配列をエンコードするヌクレオチド配列の代わりに、突然変異誘発されるタンパク質のクローニングされた遺伝子の中に挿入して、突然変異のタンパク質をエンコードする組み換え突然変異の遺伝子を産生する。これを促進するために、制限酵素のためのフランキング認識部位を含有するように、オリゴヌクレオチドの混合物をつくることができる。参照、クレア(Crea)、。R.、米国特許第4,888,286号。認識部位は、自然に存在するか、あるいはその領域をエンコードするDNAに対して近位の遺伝子の中に導入される、認識部位に相当するように設計される。2本鎖の形態に転化した後、オリゴヌクレオチドを標準の技術により遺伝子の中に挿入する。適当なベクターにより、遺伝子を突然変異のタンパク質の発現に適当な宿主細胞の中に導入する。参照、例えば、ヒューズ(Huse)、W.D.ら、サイエンス(Science)、246:1275(1989);ビエラ(Viera)、J.ら、メソッズ・イン・エンジモロジー(Methods Enzymol.)、153:3(1987)。
事実、同義性をもつオリゴヌクレオチドを遺伝子の中に、任意の適当な方法により、この分野においてよく知られている技術を使用して導入することができる。突然変異誘発すべきタンパク質のアミノ酸配列が知られている場合、遺伝子の合成は可能なアプローチである[参照、例えば、アルヴァラド−ウルビナ(Alvarado−Urbina)、G.ら、バイオケミストリー・アンド・セル・バイオロジー(Biochem.Cell.Biol.)、64:548−555(1986);ジョーズ(Jones)ら、ネイチャー(Nature)、321:522(1986)]。例えば、部分的にオーバーラッピングするオリゴヌクレオチド、典型的には20〜60ヌクレオチドの長さ、を設計することができる。内部のオリゴヌクレオチド(B〜GおよびI〜O)をT4ポリヌクレオチドキナーゼを使用してリン酸化して、5’ホスフェート基を形成する。オリゴヌクレオチドの各々をそれらの相補的相手にアニーリングして、それ以上のアニーリングに有用である1本鎖の伸長をもつ2本鎖DNA分子を形成する。次いで、アニーリングした対を一緒に混合しそして結合して、全長の2本鎖分子を形成する:
Figure 0004251406
便利な制限部位を、適当なベクターの中へのクローニングのために、合成遺伝子の末端付近に設計ことができる。全長の分子はこれらの制限酵素で切断し、ゲル精製し、電気溶離し、そして適当なベクターの中に結合することができる。便利な制限部位を、また、合成遺伝子の配列の中に組み込んで、突然変異誘発カセットの導入を促進することができる。
全長の2本鎖遺伝子を表すオリゴヌクレオチドを合成する方法に対する別法として、それらの3’末端で部分的にオーバーラッピングする(すなわち、相補的3’末端をもつ)オリゴヌクレオチドをギャップのある構造にアセンブリングし、次いでDNAポリメラーゼのクレノー断片およびデオキシヌクレオチドトリホスフェートでフィルインして、全長の2本鎖遺伝子をつくることができる。典型的には、オーバーラッピングするオリゴヌクレオチドは40〜90ヌクレオチドの長さである。次いで、伸長したオリゴヌクレオチドをT4リガーゼを使用して結合する。便利な制限部位をクローニングの目的で末端におよび/または内部的に導入することができる。適当な1または2以上の制限酵素で消化後、遺伝子の断片をゲルで精製し、そして適当なベクターの中に結合する。あるいは、遺伝子の断片を適当なベクターの中に平滑末端結合することができる。
Figure 0004251406
これらのアプローチにおいて、便利な制限部位が遺伝子のアセンブリー後利用可能である(自然にまたは操作的に)場合、同義性をもつオリゴヌクレオチドはカセットを適当なベクターの中にクローニングすることによって導入することができる。あるいは、同義性をもつオリゴヌクレオチドは遺伝子のアセンブリーの段階で組み込むことができる。例えば、遺伝子の両者の鎖が完全に化学的に合成される場合、オーバーラッピングしかつ相補的な同義性をもつオリゴヌクレオチドを産生することができる。相補的対は互いとアニーリングするであろう。このアプローチの1例は実施例1に例示されている。
部分的にオーバーラッピングするオリゴを遺伝子のアセンブリーにおいて使用するとき、1組の同義性をもつヌクレオチドは、また、オリゴの1つの代わりに直接組み込むことができる。適当な相補的鎖は、他方の鎖からの部分的に相補的なオリゴから伸長反応の間に、例えば、DNAポリメラーゼのクレノー断片で酵素的伸長により合成される。合成の段階における同義性をもつオリゴヌクレオチドの組み込みは、また、遺伝子の1より多いドメインが突然変異誘発されるクローニングを簡素化する。
他のアプローチにおいて、問題の遺伝子は1本鎖のプラスミド上に存在する。例えば、遺伝子はM13ファージの中に、あるいはヘルパーファージの使用で1本鎖の分子の増殖を可能とする複製のフィラメント状ファージ由来をもつベクターの中にクローニングすることができる。1本鎖の鋳型を1組の同義性をもつプローブとアニーリングすることができる。プローブは伸長し、そして結合することができ、こうして各変異型の鎖は適当な宿主の中に導入することができる分子の集団の中に組み込むことができる[セイヤーズ(Sayers)、J.R.ら、核酸の研究(Nucleic Acids Res.)、16:791−802(1988)]。このアプローチは、多数のドメインを突然変異誘発のために選択する、多数のクローニング工程を回避することができる。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の方法を、また、使用して同義性をもつオリゴヌクレオチドを遺伝子の中に組み込むことができる。例えば、同義性をもつオリゴヌクレオチドそれら自体を伸長のためのプライマーとして使用することができる。
Figure 0004251406
この実施態様において、AおよびBは突然変異原性カセットまたは「ウィンドウ(windows)」をエンコードする同義性をもつオリゴヌクレオチドの集団であり、そしてウィンドウは互いに対して相補的である(オリゴのジグザグ部分は同義性をもつ部分を表す)。AおよびBは、また、増幅のために3’末端上の鋳型に対して相補的である野生型配列を含有し、こうしてウィンドウを組み込む断片を発生することができる増幅のためのプライマーである。CおよびDは遺伝子全体または問題の領域を増幅することができるオリゴヌクレオチドであり、組み込まれた突然変異原性ウィンドウをもつものを包含する[ステファン(Steffan)、N.H.ら、遺伝子(Gene)77:51−59(1989)]。AおよびBからプライミングされた伸長産生物は、それらの相補的ウィンドウを通してハイブリダイゼーションすることができ、そしてプライマーとしてCおよびDを使用する全長の分子の産生のための鋳型を提供することができる。CおよびDはクローニングのための便利な部位を含有するように設計することができる。次いで、増幅した断片をクローニングすることができる。
上の技術または他の適当な技術のいずれかにより発生した突然変異体のライブラリーをスクリーニングして、所望の構造または機能の突然変異体を同定することができる。スクリーニングは任意の適当な手段により実施することができる。例えば、触媒活性は、基質の転化についての適当なアッセイにより確認することができ、そして結合活性は標準イムノアッセイおよび/または親和クロマトグラフィーにより評価することができる。
本発明の方法を使用して、タンパク質、タンパク質のサブユニットまたはポリペプチドの任意の領域を突然変異誘発することができる。以上の説明はタンパク質の付近に集中したが、この方法はポリペプチドおよびマルチ−サブユニットのタンパク質に同様によく適用されることを理解すべきである。本発明の方法により突然変異誘発された領域は、連続的または不連続であることができ、そして、一般に約3〜約30アミノ酸、典型的には5〜20アミノ酸の長さであろう。
通常、研究する領域はタンパク質の機能的ドメイン、例えば、結合または触媒のドメインであろう。例えば、領域は免疫グロブリンの超可変領域(相補性決定領域またはCDR)、酵素の触媒部位、またはドメインドメインであることができる。
述べたように、「ウォーク−スルー」突然変異誘発のために選択したアミノ酸は、一般に、問題の構造または機能に関係することが知られているか、あるいはすると考えられているものから選択される。20の天然に存在するアミノ酸はそれらの側鎖に関してのみ異なる。各側鎖は各アミノ酸を独特とする化学性質の原因となる。概観については、参照、タンパク質の構造の原理(Principles of Protein Structure)、1988、G.E.シュルズ(Schulz)およびR.M.シルナー(Schirner)、スプリンガー−フェルラーグ(Springer−Verlag)。
側鎖の化学性質から、選択した数の自然のアミノ酸のみが触媒の事象に優先的に参加するように思われる。これらのアミノ酸は極性および中性のアミノ酸、例えば、Ser、Thr、Asn、Gln、TyrおよびCysの群、帯電したアミノ酸、AspおよびGlu、LysおよびArg、およびことにアミノ酸Hisである。
典型的な極性および中性の側鎖は、Cys、Ser、Thr、Asn、GlnおよびTyrのものである。Glyは、また、この群の境界線の構成員であると考えられる。SerおよびThrは水素結合の形成において重要な役割を演ずる。Thrはベータ炭素において追加の非対称を有し、したがって、立体異性体の1つのみを使用する。酸性アミドのGlnおよびAsnは、また、水素結合を形成し、アミド基は水素のドナーとして機能し、そしてカルボニル基はアクセプターとして機能する。GlnはAsnより1つ多いCH2基を有し、これは極性基をより柔軟性とし、そして主鎖との相互作用を減少する。Tyrは非常に極性のヒドロキシル基(フェノールのOH)を有し、これは高いpH値で解離することができる。Tyrは多少帯電した側鎖に似た挙動をする;その水素結合はむしろ強い。
中性の極性の酸はタンパク質分子の表面ならびに内側に存在する。内部の残基として、それらは通常互いにまたはポリペプチドの主鎖と水素結合を形成する。Cysはジサルファイドの架橋を形成することができる。
ヒスチジン(His)はpK値6.0のヘテロサイクルの芳香族の側鎖を有する。生理学的pH範囲において、そのイミダゾール環は、溶液から水素イオンを取った後、帯電しないか、あるいは帯電することができる。これらの2つの状態は容易に利用可能であるので、Hisは触媒作用の化学反応に非常に適当である。それは酵素の活性中心のほとんどの中に見いだされる。
AspおよびGluは生理学的pHにおいて陰性に帯電している。それらの側鎖は短いために、Aspのカルボキシル基は主鎖に関してむしろ剛性である。この理由は多数の触媒部位におけるカルボキシル基がAspにより提供されるが、Gluにより提供されないことにある。帯電した酸は一般にタンパク質の表面に存在する。
さらに、LysおよびArgは表面に存在する。それらは長い、柔軟な側鎖を有する。取り囲む溶液の中で動揺するとき、それらは球状タンパク質の溶解度を増加する。いくつかの場合において、LysおよびArgは内部の塩の形成に参加するか、あるいは触媒作用を促進する。それらはタンパク質の表面において暴露されるために、Lysは酵素によりいっそう頻繁に攻撃される残基であり、これは側鎖を修飾するか、あるいはLys残基のカルボニル末端におけるタンパク質鎖を切断する。
触媒的に重要なアミノ酸をある領域の中に導入することを目的として、本発明は、好ましくは、前以て決定したアミノ酸がSer、Thr、Asn、Gln、Tyr、Cys、His、Glu、Asp、LysまたはArgである突然変異誘発に関する。しかしながら、結合を変更するか、あるいは新しい結合の親和性をつくることを目的として、20の天然に存在するアミノ酸のいずれかを選択することができる。
重要なことには、タンパク質のいくつかの異なる領域またはドメインは同時に突然変異誘発することができる。同一であるか、あるいは異なるアミノ酸は各領域を「ウォーク−スルー」することができる。これはコンフォメーション的に関係する領域におけるアミノ酸の置換を可能とし、このような領域は、タンパク質のフォルディングのとき、アソシエーションして機能的部位、例えば、酵素の触媒部位または抗体の結合部位を構成する。この方法は、修飾されたまたは完全に新しい触媒部位をつくる方法を提供する。第1図に描写されるように、抗原結合部位(Fv領域)の独特の面を構成する、免疫グロブリンの6つの超可変領域を、VHまたはVL鎖内で同時にまたは別々に突然変異誘発して、この部位における選択したアミノ酸の3次元の相互関係を研究することができる。
本発明の方法は、多数の異なる型のタンパク質の設計の新しい可能性を開拓する。この方法を使用して、タンパク質の現存する構造または機能を改良することができる。例えば、追加の「触媒的に重要な」アミノ酸を酵素の触媒ドメインの中に導入して、同一基質に向かう触媒活性を増強することができる。あるいは、完全に新しい構造、特異性または活性をあるタンパク質の中に導入することができる。酵素活性の新規な合成を同様によく達成することができる。新規な構造は、現存するタンパク質の自然の「台(scaffold)」の上に、本発明の方法により関係する領域のみを突然変異させることによって構築することができる。
本発明の方法は抗体分子の修飾にことに有用である。ここで使用するとき、抗体分子または抗体は、抗体またはその一部分、例えば、全長の抗体、Fv分子、または他の抗体断片、個々の鎖またはその断片(例えば、Fvの1本鎖)、1本鎖の抗体、およびキメラの抗体を意味する。変更は抗体の可変領域および/またはフレームワーク(一定)領域の中に導入することができる。可変領域の修飾は、よりすぐれた抗原結合性および触媒性質をもつ抗体を産生することができる。フレームワーク領域の修飾は、例えば、商業的生産において有用な、化学−物理学的性質、例えば、溶解度または安定性の改良に導くであろう。典型的には、突然変異誘発は免疫グロブリン分子のFv領域−1つは重鎖(VH)からおよび1つは軽鎖(VL)からの2つの鎖の可変領域から構成された、抗原結合活性の原因となる構造−をターゲッティングするであろう。
本発明の方法は、触媒のタンパク質、とくに触媒の抗体の設計に適する。現在、触媒の抗体は標準の体細胞融合技術により調製することができる。この方法において、動物を所望の基質のトランジション状態に類似する抗原で免疫化して、トランジション状態と結合しかつこの反応を触媒する抗体の産生を誘発する。抗体産生細胞を動物から収穫し、そして永久分裂能化細胞と融合してハイブリッドの細胞を産生する。次いで、これらの細胞を反応を触媒する抗体についてスクリーニングする。このプロセスは基質のトランジション状態の類似体の利用可能性に依存する。このプロセスは、このような類似体をほとんどの場合において同定または合成することが困難であろうから、制限を受けることがある。
本発明の方法は、トランジション状態の類似体の必要性を排除する異なるアプローチを提供する。本発明の方法により、免疫グロブリンの結合部位(Fv領域)の中に適当なアミノ酸を導入することによって、抗体を触媒的とすることができる。抗原結合部位(Fv)領域は6つの超可変(CDR)ループから構成され、3つは免疫グロブリンの重鎖(H)から誘導され、そして3つは軽鎖(L)から誘導され、これらは各サブユニット内のベータ鎖を接続する。CDRループのアミノ酸残基は、各特異的モノクローナル抗体の結合特性にほとんど完全に寄与する。例えば、セリンプロテアーゼの後にモデル化された触媒の3つ組は、抗体のFv領域の超可変セグメントの中につくることができ、そしてタンパク質分解活性についてスクリーニングすることができる。
本発明の方法を使用して、オキシドリダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒドラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼおよびリガーゼを包含する、多数の異なる酵素または触媒の抗体を産生することができる。これらのクラスの間で、とくに重要なものは改良されたプロテアーゼ、カーボヒドラーゼ、リパーゼ、ジオキシゲナーゼおよびペルオキシダーゼの産生である。これらの酵素および本発明の方法により調製することができる他の酵素は、健康管理、化粧品、食物、醸造、洗浄剤、環境(例えば、廃水処理)、農業、なめし法、繊維材料、および他の化学的方法における酵素的転化のために重要な商業的応用を有する。これらは次のものを包含するが、これらに限定されない:診断および治療学的応用、脂肪、炭水化物およびタンパク質の転化、有機汚染物質の分解および化学物質の合成。例えば、線維芽溶解活性をもつか、あるいは感染に必要なウイルスの構造体、例えば、ウイルスの被膜のタンパク質に対する活性をもつ、治療学的に有効なプロテアーゼを操作することができるであろう。このようなプロテアーゼは、有用な抗血栓症剤またはウイルス、例えば、エイズ、ライノウイルス、インフルエンザまたは肝炎ウイルスに対する抗ウイルス剤である。オキシゲナーゼ(例えば、ジオキシゲナーゼ)、すなわち、芳香族環および他の二重結合の酸化のためにコファクターを必要とする酵素のクラス、の場合において、生物パルプ化のプロセス、バイオマスの燃料または他の化学物質への転化、廃水の汚染物質の転化、石炭の生物プロセシング、および危険な有機化合物の無毒化における工業的応用は新規なタンパク質の可能な応用である。
これらの活性についてのアッセイを設計することができ、ここで細胞は成長のために所望の活性を必要とする。例えば、毒性化合物を分解する活性についてのスクリーニングにおいて、致死的レベルの毒性化合物を栄養プレートの中に混入すると、毒性化合物を分解する活性を発現する細胞のみが成長することができる[ワッセルファレン(Wasserfallen)、A.、レキク(Rekik)、M.およびハラヤマ(Harayama)、S.、バイオテクノロジー(Biotechnology)、:296−298(1991)]。あるいは、無毒の基質を使用する酵素のスクリーニングにおいて、その基質を唯一の炭素源または他の適当な栄養源として使用することができる。この場合において、また、酵素活性を発現する細胞のみがプレート上で成長するであろう。これらの方法において、基質または基質の産生物(他の活性により細胞外で転化された)を細胞が吸収することができる場合、酵素活性は必ずしも分泌されることはない。さらに、それに対して作用するとき活性の視的指示に導く培地の中に基質を混入することによって、新規な機能を直接試験することができる。
ウォーク−スルー突然変異誘発の例示
モデルI
本発明を例示するために、モノクローナル抗体MCPC603の超可変領域または相補的決定領域(CDR)の3つの「ウォーク−スルー」突然変異誘発を記載する。重鎖(VH)のCDR1およびCDR3および軽鎖領域(VL)のCDR2はウォーク−スルー突然変異誘発のために選択したドメインであった。この実施態様のために、選択したアミノ酸はセリンプロテアーゼの触媒の3つ組の3つの残基、Asp、HisおよびSerである。AspはVH CDR1のために、SerはVH CDR3のために、そしてHisはVL CDR2のために選択した。
MCPC603はホスホリルコリンと結合するモノクローナル抗体である。この免疫グロブリンは、タンパク質およびその結合領域が構造的によく特性決定されているので、結合および触媒作用の研究のためにすぐれたモデルとして認識されている。CDR3抗体のためのCDRは同定された。重鎖において、CDR1はアミノ酸31−35、CDR50−69、そしてCDR3は101−111にスパンする。軽鎖において、CDR1のアミノ酸は24−40であり、CDR2はアミノ酸55−62にスパンし、そしてCDR3はアミノ酸95−103にスパンする。図面中のアミノ酸の数は、親のMCPC603分子中のアミノ酸の数に相当する。
免疫グロブリンの可変領域に相当するcDNAは、cDNAライブラリーを構成しないで、直接クローニングしそして配列決定することができる。免疫グロブリンの可変領域の遺伝子は保存された配列によりフランキングされるので、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、小さい数のハイブリドーマ細胞からの軽鎖および重鎖の両者の遺伝子をコンセンサス5’および3’プライマーの使用により増幅し、クローニングし、そして配列決定することができる。参照、チアング(Chiang)、Y.L.ら、バイオテクニークス(BioTechniques)、:360(1989)。さらに、CDR領域をフランキングするアミノ酸をコードするDNAは、部位特異的突然変異誘発により突然変異誘発して、それ以上の「カセット」突然変異誘発に有用である制限酵素の認識部位を発生させることができる。参照、米国特許第4,888,286号、supra。同義性をもつオリゴヌクレオチドの挿入を促進するために、同一制限酵素のためのフランキングする認識部位を含有するように、混合物を合成する。同義性をもつ混合物をまず酵素的方法により2本鎖DNAに転化し[オリファント(oliphant)、A.R.ら、遺伝子(Gene)、44:177(1986)]、次いで天然に存在する(野生型)アミノ酸配列をエンコードするCDRヌクレオチド配列の代わりに、突然変異誘発すべき領域の遺伝子の中に挿入することができる。
あるいは、前述のアプローチの1つ、例えば、遺伝子合成のアプローチを使用して、所望の領域における変異型をエンコードするライブラリーをつくることができる。MCPC603 VHおよびVL領域の発表されたアミノ酸配列をDNA配列に転化することができる。[ルジコフ(Rudikoff)、S.およびポッター(Potter)、M.、バイオケミストリー(Biochemistry)、13:4033(1974)]。MCPC603の野生型DNA配列は、また、発表されていることに注意すべきである[プルックツン(Pluckthun)、A.ら、コールド・スプリング・ハーバー・シンポジウム・クォンタム・バイオロジー(Cold Spring Harbor Symp.Quat.Biol.)、Vol.LII:105−112(1987)]。制限部位を配列の中に組み込んで同義性をもつオリゴヌクレオチドの導入を促進することができるか、あるいは同義性をもつ配列を遺伝子のアセンブリーの段階において導入することができる。
MCPC603のCDR中のウォーク−スルー突然変異誘発のためのオリゴヌクレオチドの設計を第3図に示す。各場合において、突然変異誘発すべき位置または「ウィンドウ」が示されている。合成されたオリゴヌクレオチドを示されたウィンドウより大きくして、標的構成体中の挿入を促進することができることが理解される。VH CDR1に相当するオリゴヌクレオチドの混合物を設計し、ここで野生型配列の各アミノ酸はAspで置換されている(第3a図)。2つのコドンはasp(GACおよびGAT)を特定している。CDR1の第1コドンはいずれの置換をも必要としない。第2コドン(TTC、Phe)は、それをAspのためのコドンの中に転化するために、第1位置(T→G)および第2位置(T→A)における置換を必要とする。第3コドン(TAC、Tyr)は第1位置におけるただ1つの置換(T→G)を必要とする。第4コドン(ATG、Met)は3つの置換を必要とし、第1はA→Gであり、第2はT→Aであり、そして第3G→Tである。第5コドン(GAG、Glu)は、第3位置におけるただ1つの置換を必要とする。生ずるオリゴヌクレオチドの混合物を下に描写する。
Figure 0004251406
これは27=128の異なるオリゴヌクレオチドの配列の混合物を表す。
遺伝暗号から、各位置におけるもとのアミノ酸を置換するであろうすべてのアミノ酸の推定することができる。この場合について、第1アミノ酸は常にAsp(100%)であり、第2はPhe(25%)、Asp(25%)、Tyr(25%)またはVal(25%)であり、第3のアミノ酸はTyr(50%)またはAsp(50%)であり;第4はMet(12.5%)、Asp(12.5%)、Val(25%)、Glu(12.5%)、Asn(12.5%)、Ile(12.5%)またはLys(12.5%)であり;そして第5コドンはGlu(50%)またはAsp(50%)であろう。合計、112の異なるタンパク質の配列(1×4×2×7×2=112)をコードする128のオリゴヌクレオチドが発生する。発生した112異なるアミノ酸配列の中には、野生型配列(位置31にAspを有する)、およびすべての可能な順列において、位置32−35に1〜4つのAsp残基を含有することにおいて野生型と異なる配列が存在であろう。さらに、いくつかの配列は、Aspの置換をもつか、あるいはもたず、位置32、34または両者において、野生型またはAspのいずれでもない−アミノ酸を含有するであろう。これらのアミノ酸は、野生型アミノ酸および前以て選択したアミノ酸をエンコードするヌクレオチドの順列により導入される。例えば、第3a図において、位置32で、チロシン(Tyr)およびバリン(Val)が野生型フェニルアラニン(Phe)残基および前以て選択したAsp残基に加えて発生する。
MCPC603のVH領域のCDR3は、第3b図に示すように、11アミノ酸から構成される。CDR1について前述したように、野生型配列の非セリンの各アミノ酸がセリン(Ser)で置換されている、オリゴヌクレオチドの混合物を設計する。6つのコドン(TCXおよびAGC、AGT)はSerを特定する。野生型配列を通して要求される置換は12である。その結果、産生されるオリゴヌクレオチドの混合物は212=4096の異なるオリゴヌクレオチドを含有し、これは、この場合において、4096のタンパク質の配列をコードするであろう。これらの配列の中には、他の位置(101−104、106−111)の任意の1つに単一のセリン残基(セリン105に加えて)、ならびに任意の組み合わせで、1より多いセリンをもつ変異型を含有するものが存在する。
MCPC603のVL領域のCDR2は8つのアミノ酸(56−63)を含有する。これらのアミノ酸のうちの7つは、第3c図に描写するようにウォーク−スルー突然変異誘発のために選択する。野生型配列の各アミノ酸がヒスチジン(His)で置換されるオリゴヌクレオチドの混合物を設計する。2つのコドン(CATおよびCAC)はHisを特定する。野生型DNA配列を通して要求される置換は合計13である。こうして、産生されるオリゴヌクレオチドの混合物は、8192の異なるペプチド配列を特定する(参照、第3c図)。
この突然変異誘発法の結果、3つのオリゴヌクレオチドの混合物の合成および使用により、Fv配列のライブラリーを産生することができ、これは112×4096×8192=3.76×109の異なるタンパク質の配列を含有する。これらの配列の有意の比率は超可変領域内のセリンプロテアーゼに典型的なアミノ酸の3つ組His、Ser、Aspをエンコードするであろう。
同義性をもつオリゴヌクレオチドの混合物の合成は、1つのヌクレオチドを反応室に供給するか、あるいは反応室への供給前に、等しい比で混合した2つのヌクレオチドの混合物を供給するようにプログラミングした、自動化DNA合成装置において、便利に実施することができる。別の合成手順は、試薬容器内で2つの異なるヌクレオチドを前以て混合することを包含する。4つが個々の塩基を含有し、そして残りの6つが4つの塩基のうちの可能な2つの塩基を含有する、合計10の試薬容器を使用して、この突然変異誘発プロセスのためのオリゴヌクレオチドの混合物を合成することができる。例えば、DNA合成装置は次のチャンバーを含有するように設計することができる:
Figure 0004251406
この配置で、任意のヌクレオチドを配列の任意の位置における2つのヌクレオチドの組み合わせと置換することができる。
次のために所望の同義性をもつオリゴヌクレオチドの混合物を合成するために、次の反応順序が要求される:
Figure 0004251406
この手順に対する別法として、オリゴヌクレオチドの合成装置のラインにおいて個々の塩基の混合が可能である場合、2またはそれ以上の溜から純粋な塩基を抜き出してヌクレオチドの所望の比率を発生させるように器械プログラミングすることができる。
合成オリゴヌクレオチドの各混合物をそれぞれのMCPC603可変領域のための遺伝子の中に挿入することができる。オリゴヌクレオチドを酵素技術[参照、例えば、オリファント(oliphant)、A.R.ら、1986、supra]により2本鎖に転化し、次いで突然変異誘発すべきタンパク質をコードする遺伝子を含有する制限されたプラスミドの中に結合することができる。制限部位は天然に存在する部位であるか、あるいは操作した制限部位ことができる。
これらの手順または前述の他の適当な手順により構成された突然変異のMCPC603遺伝子は、便利なE.coli発現系、例えば、プルクスン(Pulckthun)およびスケラ(Skerra)[Pulckthun、A.およびSkerra、A.、メソッズ・イン・エンジモロジー(Methods Enzymol.)、178:476−515(1989);Skerra、A.ら、バイオテクノロジー(Biotechnology)、:273−278(1991)]により記載されている系において発現することができる。突然変異のタンパク質は、M.ベター(Better)およびA.ホルウィッツ(Horwitz)、メソッズ・イン・エンジモロジー(Methods Enzymol.)、178:476(1989)に記載されているように、培地中でおよび/またはバクテリアの細胞質の中で分泌のために発現させることができる。
これらおよび他のFv変異型、または本発明の方法により産生される抗体の変異型は、また、他の微生物、例えば、酵母菌の中で、あるいは哺乳動物の細胞、例えば、骨髄腫またはハイブリドーマの細胞の中で産生することができる。Fvの変異型は、個々のVHおよびVL断片として、単一の鎖として[参照、フストン(Huston)、J.S.ら、プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、85:5879−5883(1988)]、より大きい分子の一部分、例えば、Fabとして、または抗体分子全体として産生することができる。
好ましい実施態様において、VHまたはVLをエンコードする単一のドメインの各々を、シグナル配列、例えば、ompA、phoAまたはpelBのシグナル配列をエンコードする配列の3’末端に取り付ける[レイ(Lei)、S.P.ら、ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J.Bactriology)、169:4379)]。これらの遺伝子の融合体はディストロニック(dicistronic)構成体にアセンブリングされるので、単一のベクターから発現させ、そしてE.coliのペリプラスミック空間の中に分泌させることができ、ここでそれらは再フォルディングし、そして活性形態で回収することができる。[スケラ(Skerra)、A.ら、バイオテクノロジー(Biotechnology)、:273−278(1991)]。突然変異のVH遺伝子は野生型VLと同時に発現させてFv変異型を産生することができるか、あるいは記載したように、突然変異誘発したVLと同時に発現させて、タンパク質の突然変異の数および構造的変異型を増加させることができる。
タンパク質分解機能の獲得についてのこれらの変異型のスクリーニングは、HIVプロテアーゼの変異型について後述するようなアッセイにおいて達成することができる(参照、また、実施例4)。また、Asp−His−Serの触媒の3つ組は、また、ある種のリパーゼのメカニズムに関係づけられてきているので、リパーゼの因子をもつ変異型を、また、発生することができることに注意すべきである。
モデルII
MCPC603のFv構造体の中でセリンプロテアーゼを発生させるように設計した第2のモデルにおいて、AspをVH CDR1のために選択し、HisをVH CDR3のために選択し、そしてSerをVL CDR2のために選択する。この場合において、モデル1からのVH CDR1 Aspウォーク−スルーについて設計した同義性をもつオリゴヌクレオチドを再使用することができ、ウォーク−スルーのカセットの互換可能な性質を例示する(第3a図)。
VH CDR3のHisウォーク−スルーについて、ヒスチジンのコドンを特定するために要求されるHisヌクレオチドをVH領域の位置101−111から導入する。第4a図はこのウォーク−スルー手順を例示する。この例および他の例において、産生されたHisの百分率をこの場合について計算し、ここでほぼ等しい比率の野生型およびHisヌクレオチドが導入される。これらの比率を調節して、種々のアミノ酸が産生される頻度に影響を及ぼすことができる。
第4b図は、各位置(55−62)におけるVL CDR2のSerのウォーク−スルーを例示する。ここで、位置58および62における配列は、セリンが野生型配列の中に存在するので、変化しない。位置61において、4つの異なるヌクレオチド配列が発生するが、3つのみの異なるタンパク質が産生されるであろうことに注意すべきである。この結果はTAAが停止コドンをコードするという事実のためである。
この場合においてこの方法の適用は、112×196,608×96=2.11×109の異なるタンパク質の配列を含有するFv配列のライブラリーを産生することができる。再び、これらの配列の有意の比率は超可変領域における触媒のAsp−His−Ser3つ組をエンコードするであろう。
いったんある数の領域のための1系列のカセットが設計されると、この系列を所望の任意の順列で使用することができることに注意すべきである。例えば、同義性をもつオリゴヌクレオチドをCDRについて設計し、そしてこれらを所望の領域および鎖の任意の組み合わせで、ならびに異なる構造で一緒に使用することができる[例えば、単一のVLまたはVH鎖、Fv分子、単一の鎖の抗体、全長の抗体またはキメラの抗体)。
モデルIII
セリンプロテアーゼの設計に対する他のアプローチにおいて、Fv分子の重鎖のみを使用する。単一のドメインの抗体として知られており、すぐれた抗原結合親和性をもつ、モノマーのVHドメインが調製された[ワード(Ward)、E.S.ら、ネイチャー(Nature)、241:544−546(1989)]。こうして、単一のVH鎖はウォーク−スルー突然変異誘発のための台を提供することができる。このモデルについて、AspをVH CDR3のために選択し(第3a図)、HisをVH CDR2のために選択し、そしてSerをVH CDR3のために選択する(第3b図)。再び、モデルIに記載する同義性をもつヌクレオチド配列の2つを再使用することができる(第3a図および第3b図)。第5a図は、VH CDR2の一部分におけるHisのウォーク−スルーを示す。
第3a図、第3b図および第5a図に示すウィンドウおよびこれらのウィンドウに対して相補的な同義性をもつオリゴヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドをつくった。さらに、同義性をもつオリゴヌクレオチドおよびそれらの補体に加えて、相補的オリゴヌクレオチドを使用して、全長の2本鎖VH遺伝子の変異型をアセンブリングした。アセンブリングした遺伝子の変異型を、分泌のためのpelBリーダー配列を含有する、ベクターpRB500(実施例2)の中にクローニングした。これらの実験を実施例1に記載する。
すべての可能な組み合わせにおける、記載したような、これらのオリゴヌクレオチドの合成およびVH遺伝子の中への組み込みは、112×225×4096=1.54×1013の異なるペプチドの配列を理論的に発生させる。VH CDR2においてターゲッティングされた領域の長さのために、多数の変異型が発生する;しかしながら、変異型の大きい比率は前以て選択したアミノ酸を有するであろう。
第5a図に示すVH CDR2のウィンドウを使用する方法に対する別法として、VH CDR2の異なる部分を包含する他のウィンドウを設計した(第5b図)。このウィンドウにおいて、領域のある位置を選択し(参照、それ以上の説明について下のモデルVI)そして前以て選択したアミノ酸としてHisを使用してウォーク−スルー突然変異誘発させた。第5b図に示すように設計したオリゴヌクレオチドを第5a図のオリゴヌクレオチドの代わりに使用する場合、112×128×4096=5.87×107の異なるペプチドの配列を発生させることができる。
モデルIV
Fv分子の重鎖を使用する他の実施態様において、ウィンドウの異なる組み合わせを使用する。CDR1について前述したAspのウィンドウ(第3b図;モデルI、III)およびCDR3について前述したHisのウィンドウ(第4a図;モデルII)を、Serがアミノ酸50−60からVH CDR2のアミノ末端部分をウォーク−スルーする新しいウィンドウとともに使用する。このウォーク−スルー突然変異誘発を第6図に示す。
すべての可能な組み合わせにおけるこれらのオリゴヌクレオチドおよびVH遺伝子の中への組み込みは、112×4096×196,608=9.02×1010の異なるペプチドの配列を発生させることができる。
モデルV
他の実施態様において、現存する触媒活性をもつタンパク質を変更して触媒の触媒作用の異なるメカニズムを発生させる。このプロセスにおいて、酵素の特異性および/または活性を、また、変更させることができる。HIVプロテアーゼを突然変異誘発のための酵素として選択した。HIVプロテアーゼはアスパラギン酸のプロテアーゼであり、そして活性部位において保存されたAsp−Thr(Ser)−Gly配列を含有するアスパラギン酸のプロテアーゼに典型的なAsp−Thr−Gly配列を有する[トウ(Toh)ら、EMBO J.:1267−1272(1985)]。ウォーク−スルー突然変異誘発のために、プロテアーゼの中のAsp−Thr−Gly配列を突然変異誘発のための標的として使用した。ウォーク−スルー突然変異誘発を、3つの前以て選択したアミノ酸、Asp、HisおよびSerを使用して3回異なる時間に反復した。このアプローチは、アスパラギン酸のプロテアーゼのセリンプロテアーゼへの転化および触媒作用のメカニズムの変更を生ずることを意図する。さらに、変更した活性、特異性、または触媒作用の変更されたメカニズムをもつHIVアスパラギン酸プロテアーゼの突然変異体が変更されることが期待される。
第7図は、変更すべき3つの残基またはウィンドウを示し、そしてAsp、HisおよびSerを使用する3つの順次のウォーク−スルー手順を例示する。Asp残基である第1位置に、HisおよびSerのみが導入導入される。2つの残りの位置に、Asp、HisおよびSerの各々が導入される。第2コドンの第2位置および第3コドンの第2位置に、Hisのウォーク−スルーにおける要求されるAは、既に、Aspのウォーク−スルーの中に導入されてきている(第7図)。324の異なる配列およびエンコードされたアミノ酸を包含する混合したプローブの配列を、また、第7図に示す。この突然変異誘発のプロトコルは、活性部位のウィンドウにおいて324の異なるペプチドの配列を発生させるであろう。
HIVプロテアーゼの突然変異誘発および発現のために、プラスミドpRB505を実施例2に記載するように構成した。このプラスミドは、誘発可能なtacプロモーターからのHIVプロテアーゼの発現を指令するであろう[デ・ボエア(de Boer)ら、プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、80:21(1983)]。pRB505において、プロテアーゼ遺伝子の配列はペクテートリアーゼのpelBリーダーをエンコードする配列の3’末端にインフレームで融合されるので、プロテアーゼはE.coliのペリプラスミックの中に分泌させることができる。リーダー配列が切断され、そしてプロテアーゼの天然に存在するN末端の配列が発生するように、構成体を設計する。HIVプロテアーゼの分泌は、突然変異誘発により産生された変異型のアッセイおよび精製を促進するであろう。
第7図に示す混合したプローブの補体を合成し、そして部分的に相補的なオリゴヌクレオチドをまた合成した。これらのオリゴヌクレオチドは、活性部位のウィンドウをフランキングする便利なXhoI(CTCGAC)およびBstEII(GGTNACC)制限部位(下線が引かれている)を使用する2本鎖の配列の産生を可能とする。(活性部位のウィンドウの解読配列の補体が合成されたことに注意すべきである。こうして、下に示す活性部位のウィンドウの野生型のためのヌクレオチド配列(5’−ACC AGT GTC−3’)は5’−GAC ACT GGT−3’の補体であり、後者はAsp−Thr−Glyをコードする。)
Figure 0004251406
オリゴヌクレオチドをアニーリングし、そしてDNAポリメラーゼのクレノー断片を使用する反応において伸長した。短い相補的オリゴヌクレオチドの伸長は、種々のオリゴヌクレオチドの各々の補体を発生する。反応混合物をBstEIIおよびXhoIで消化し、そして産生物を8%のポリアクリルアミドゲル上で分離した。106bpのバンドをゲルから回収し、そしてゲルから電気溶離により回収した。このバンドは、活性部位のウィンドウの断片を含有し、そしてpRB505のBstEII部位とXhoI部位との間にクローニングし、そして結合したプラスミドをTG1/pACYC177lacIq菌株の中に導入した。生ずる形質転換体をLBampプレート上でプレイティングし、そして約1000コロニーが生じた。
コロニーを実施例4に記載するプロテアーゼのスクリーニングアッセイによりスクリーニングした。アンピシリン抵抗性コロニーを、実施例4に記載するように、発現を誘発するために2ミリモルのIPTG、およびプロテアーゼサザンブロッティングとしてドライミルク粉末(3%)またはヘモグロビンを含有する栄養寒天プレート上にプレイティングすることによって、タンパク質分解活性についてスクリーニングした。このアッセイにおいて、コロニーがプレート中の基質の分解に導くタンパク質分解活性を分泌する場合、透明なゾーンがプレートの不透明のバックグラウンドに対して現れる。野生型HIVプロテアーゼはアッセイにおいて活性を示さない(その基質特異性のために)ので、新規な活性をもとの活性と区別することができる。予備的データは、新規な活性をもつ形質転換体を記載する手順により発生させることができることを示す。
発生した新規な変異型は、プロテアーゼ阻害因子を使用する示差的阻害により、作用の異なるメカニズムの獲得について、さらにスクリーニングすることができる。例えば、セリンプロテアーゼは、PMSF(フェニルメチルスルホニルフルオライド)、DFP(ジイソプロピルホルホフルオリデート)、TLCK(L−1−クロロ−3−(9−トシルアミド)−7−アミノ−2−ヘプタノン塩酸塩)により阻害される。プレート上にハローを発生する形質転換体は液体培地の中でアッセイすることができ、そして培養物からの抽出物を適当な阻害因子の存在下にアッセイすることができる。セリンプロテアーゼ阻害因子の不存在下の活性に比較して、このようなの存在下にの活性の減少は、変異型がセリンプロテアーゼ触媒メカニズムで機能することを示す。ウォーク−スルー突然変異誘発により発生した変異型の中には、変更した活性、変更した特異性、セリンプロテアーゼのメカニズムまたはこれらの特徴の組み合わせをもつ変異型が存在するであろう。これらの変異型は既知の技術を使用してさらに特性決定することができる。
モデルVI
「ウォーク−スルー」突然変異誘発は、所定の領域またはドメインにおいて、異なるアミノ酸を使用して同義性をもつオリゴヌクレオチドされる。例えば、SerおよびHisを順次にVL CDR1をウォーク−スルーし(第8a図)、そしてAspおよびSerを順次にVL CDR3をウォーク−スルーする(第8b図)。VL CDR2は突然変異誘発についてターゲッティングされなかった。なぜなら、構造の研究はこの領域がMCPC603における結合部位にほとんど寄与しないことを示したからである。
FvのVH鎖のCDR1において、AspおよびHisをウォーク−スルーさせる(第8c図)。Serは単一の塩基の交換でCDR1の中の2つの位置に導入することができる。VH CDR2において、HisおよびSerは使用する前以て選択したアミノ酸であり、そしてVH CDR3において、Asp、HisおよびSerの各々をCDR3のアミノ末端の5つの位置をウォーク−スルーさせる(第8e図)。
さらに、この実施態様において、所定の領域におけるすべてのアミノ酸が突然変異誘発されるわけではないが、それらは前以て選択したアミノ酸を野生型残基として含有しない。例えば、第8d図において、位置50、52、56および60のみが突然変異誘発される。同様に、第8a図〜第8d図において、領域の中の1または2以上の残基が突然変異誘発されないことを理解することができる。ある領域内の非隣接残基の突然変異誘発は、その領域におけるある種の残基が所望の機能に参加しないすることは知られているか、あるいは推測することができる場合、望ましい。さらに、変異型の数を最小することができる。
例えば、セリンプロテアーゼの場合において、設計の因子は前以て選択したアミノ酸の間の距離である。触媒の3つ組を形成するために、残基は互いに水素結合しなくてはならない。この考察は発生した変異型に近位の拘束を付与することがある。こうして、CDR内のある位置のみが触媒の3つ組のアミノ酸を適切に相互作用させることができる。こうして、分子のモデル化または他の構造的情報を使用して、機能的変異型を豊富することができる。
この場合において、既知の構造の情報を使用して、その領域において、Asp、HisおよびSerの間の結合を可能とするするために十分に密接している残基、ならびに突然変異誘発すべき残基の範囲を同定した。ロバーツ(Roberts)らはCDRの部分の間の密接に接触する領域を同定した[ロバーツ(Roberts)、V.A.、プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA、87:6654−6658(1990)]。この情報をMCPC603のX線構造からのデータと一緒にを使用して、突然変異誘発のためにターゲッティングされるCDRの間の密接な接触の有望な領域を選択した。
突然変異誘発を例示するように実施し、そして領域をランダムに組み合わせる場合、17,280×27,648×432×2304×7776=5.2×1018の異なるペプチドを発生させることができる。
モデルVII
前述の実施態様の各々において、突然変異誘発は触媒的に活性な残基のクラスターをつくるように設計する。モデルVIIの実施態様において、突然変異誘発は新規な結合機能をつくるように設計する。この実施態様において、コファクター(例えば、Fe+++)の結合またはキレートに関係する残基をある分子、この場合においてMCPC603の領域の中に導入する。多数の酵素はコファクターとして金属イオンを使用するので、このような酵素を操作することに向かう第1段階として、このような結合部位を発生させることが望ましい。
この実施態様において、2つのヒスチジンおよび2つのチロシン残基をMCPC603の条件の中に導入する。ジオキシゲナーゼは、オキシドリダクターゼのメンバーであり、そしてカタコールの中で二重結合の酸化的切断を触媒し、それらの活性部位に結合した鉄を含有する。分光分析およびX線結晶学は、ジオキシゲナーゼの活性部位における第2鉄イオンが2つのチロシンおよび2つのヒスチジン残基により結合されていることを示す。
MCPC603について設計したヒスチジンのウィンドウ(参照、第3c図、VL CDR2;第4a図、VH CDR3;および第5a図、VH CDR2)を使用して、ヒスチジン残基をMCPC603の1または2以上のドメインの中に導入することができるか、あるいは追加のウィンドウを設計することができる。同様に、CDR3の1または2以上のCDRをチロシンを使用するウォーク−スルー突然変異誘発についてターゲッティングすることができる。これらのカセットを使用して、2つのヒスチジンおよび2つのチロシンをもつ変異型を大きい種類の組み合わせでかつ異なる領域において産生することができる。
これらの変異型を金属の結合の獲得についてスクリーニングすることができる。例えば、コロニーのプールを成長させそしてペリプラスミック分画を調製することができる。所定のプールのペリプラスミック分画中のタンパク質を適当な放射性金属イオン(例えば、55Fe)で標識し、そして金属結合性変異型の存在を高い感度のゲル濾過により決定することができる。ゲル濾過からのタンパク質の分画中の放射能の存在は金属結合の指示である。プールを細分割することができ、そして突然変異が分離されるまで、この方法を反復する。
あるいは、ニトロセルロースのフィルターのアッセイを使用することができる。突然変異のタンパク質を分泌しかつタンパク質の培地の中への漏れを可能とするコロニーを、ニトロセルロースのフィルター上で成長させることができる。コロニーから漏れる突然変異のタンパク質はニトロセルロースい結合し、そしてメチオニン結合性タンパク質の存在を放射線標識した金属イオンでプロービングすることができる。
VL鎖における金属の結合の発生は、触媒のVH鎖に金属の結合部位を提供することができるであろう。これらの成分の鎖からのFvの産生は、1つの鎖により仲介される触媒作用の他の鎖の中のコファクターの結合により増強することができる。
次の実施例によって、本発明をさらに説明する。
実施例1
VHの構成
オリゴヌクレオチドの合成
β−シアノエチルホスホルアミダイトおよびポリマーの支持体(CPG)カラムを、アプライド・バイオシステムス・インコーポレーテッド(Applied Biosystems,Inc.)(カリフォルニア州フォスターシティ)から購入した。無水アセトニトリルをブルディック・アンド・ジャクソン(Burdick and Jackson)から購入した(パートNo.015−4)。オリゴヌクレオチドをアプライド・バイオシステムス(Applied Biosystems)392型で製造業者が提供するプログラムを使用して合成した[シンハ(Sinha)、N.D.ら、核酸の研究(Nucleic Acids Research)、12:4539(1984)]。合成が完結したとき、オリゴヌクレオチドを支持体から分離し、そしてシアノエチル基を濃NH4OH中でインキュベーションすることによって除去した。10%のポリアクリルアミドゲル上の電気泳動後、オリゴマーをゲルから切除し、電気溶離し、C18カラム上で精製し、凍結乾燥し、そして適当な緩衝液の中に1μg/mlの最終濃度で溶解した。
オリゴヌクレオチド
モデルIIIに記載するVHを構成するために、30〜54塩基の長さの範囲の、次のオリゴヌクレオチドおよびそれらの補体(また、示す)を、記載したように、設計しそして合成した。コドンの利用を調節して、最も頻繁に使用されるE.coliのコドンを反映させた。
Figure 0004251406
Figure 0004251406
Figure 0004251406
遺伝子のアセンブリー
これらの対のオリゴヌクレオチドを下にに描写するようにVH遺伝子にアセンブリングすることができる:
Figure 0004251406
対D/d、F/fおよびI/iは同義性をもちそして、それぞれ、第3a図、第5a図および第3b図に描写する「ウィンドウ」を包含する相補的オリゴヌクレオチドである。他のオリゴヌクレオチドの設計はプルックスン(Pluckthun)らが記載するものに類似し、そして1系列の制限部位の導入を包含した(それ以上の操作に有用であるEcoRI、NcoI、BamHI、SauI、XmaI、XhoI、NheI、AccI、HaeII、SpeI、ClaI、PstI、NsiI、BssHII、KpnIおよびHindIII(参照、プルックスン(Pluckthun)、A.ら、コールド・スプリング・ハーバー・シノジウム・クォンタティブ・バイオロジー(Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.)、Vol.LII、105−112(1987))。遺伝子のアセンブリー[アルバラド−ウルビナ(Alvarado−Urbina)、G.ら、バイオケミストリー・アンド・セル・バイオロジー(Biochem.Cell Biol.)、64:548−555(1986)]のために、18のオリゴヌクレオチド(B−I、b−i)をT4ポリヌクレオチドキナーゼを使用してリン酸化した。相補的対の各々を別々にアニーリングした。次いで、アニーリングした対を混合し、そしてT4DNAリガーゼを使用して一緒に結合した。産生物を概略的に下に示す:
Figure 0004251406
クローニングのための制限部位を含有するように合成遺伝子を設計した。結合のために、完全にアセンブリングした分子をNcoIおよびHindIIIで切断し、ゲル精製し、そしてベクターpRB505の中にNcoIおよびHindIII部位において挿入した(参照、実施例2)。バックグラウンドより上の約1500の形質転換体がLB ampプレート上に得られた。生ずる構成体は、インフレームデpelBシグナルペプチドに融合したVH遺伝子の変異型を含有するであろう。
実施例2
pRB505の構成
pRB500no構成
pelBリーダー配列[レイ(Lei)、S.P.ら、ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J.Bacteriology)、169:4379(1987)]をコードする2つの相補的オリゴヌクレオチドを化学的に合成した。NcoIおよびPstI部位に対して相補的な5’および3’オーバーハングを有するように設計したオリゴヌクレオチドをハイブリダイゼーションし、そしてベクターpKKK233.2(Pharmacia)のPstIおよびNcoI部位の中にクローニングした。オリゴヌクレオチドを下に示す:
Figure 0004251406
生ずるプラスミドpRB500は、pelB配列のATG開始コドンの上流に誘発可能なプロモーターを有する。分泌すべき産生物、例えば、HIVプロテアーゼをエンコードする遺伝子または抗体のVHまたはVL領域を挿入することができるpelBリーダーをコードする配列の3’末端に独特NcoI部位(下線が引かれている)が存在する。(断片の5’オーバーハングに結合したNcoI部位は再生され内。)
pRB503の構成
HIVプロテアーゼ遺伝子をpUC18.HIV(Beckman、カタログNo.267438)から得た。この遺伝子はこのプラスミドからHindIII−EcoRIまたはHindIII−BamHI断片として切除することができる。しかしながら、HIVプロテアーゼの中のHindIII部位は、プラスミドpRB500の中に存在するpelBリーダー配列にインフレームで直接クローニングすることができない。したがって、HIVプロテアーゼ解読配列のアミノ末端のメチオニンがpRB505中のpelBリーダーペプチドの解読配列にインフレームで接合できるように、2本鎖のオリゴヌクレオチドのリンカーを設計した。次の配列を合成した:
Figure 0004251406
このリンカーは5’−HindIIIのオーバーハングおよび3’DraIIIのオーバーハングを有する。このオリゴヌクレオチドをpUC18.HIVの中の独特HindIIIおよびDraIIIの中にクローニングした。生ずるプラスミドをpRB503と呼ぶ。リンカーはNcoI部位をベクターの中にHIVプロテアーゼのイニシエーターのメチオニンにおいて導入し、そしてpUC18.HIVの中に見いだされるような配列を再構成する。
pRB505の構成
HIVプロテアーゼ遺伝子をpRB503からNcoI−HincI断片として分離し、そしてpRB500の独特NcoIおよびEcoRI部位の中にクローニングした。最終構成体において、HIVプロテアーゼはpelBリーダー配列にインフレームで融合し、そして発現は誘発可能なtacプロモーターにより推進される。リーダーペプチダーゼはHIV配列のAlaおよびPro(上の残基2および3)の間の融合タンパク質を切断し、これによりちょうど野生型HIVプロテアーゼにおけるようにN末端のプロリンを発生することが期待される。
実施例3
HIVプロテアーゼの活性部位のウォーク−スルー突然変異誘発
HIVプロテアーゼのAsp−Thr−Gly活性部位をスパンする同義性をもつオリゴヌクレオチドを設計し、そして合成した。このオリゴヌクレオチドは第7図に示すものに対して相補的な配列を有する。
Figure 0004251406
上の配列に対して部分的に相補的である、第2オリゴヌクレオチドは、上の同義性をもつオリゴヌクレオチドが2本鎖の形態に転化できるように構成した。相補的オリゴヌクレオチドは次の配列を有した:
Figure 0004251406
同義性をもつオリゴヌクレオチドおよび相補的オリゴヌクレオチドをアニーリングした。
Figure 0004251406
オリゴをDNAポリメラーゼのクレノー断片を使用して伸長した。[オリファント(Oliphant)、A.R.およびスツルール(Struhl)、K.、メソッズ・イン・エンジモロジー(Methods Enzymol.)、155:568−582(1987)]。生ずる混合物をBssHIIおよびXhoIで切断し、そして8%のポリアクリルアミドゲルで分離した。活性部位のウィンドウを含有する106bpのバンドをゲルのスライスから電気溶離により分離し、フェノール:クロロホルムで抽出し、そしてエタノール沈澱させた。
ベクターpRB505をBstEIIおよびXhoIで切断し、次いで子ウシ腸アルカリ性ホスファターゼで処理して再結合を予防した。ベクターのバンドを低融点のアガロースゲルから精製した。精製したBstEII−XhoI活性部位のウィンドウ(100ナノグラム)を、pRB505(500ナノグラム)のBstEIIおよびXhoI部位の中にクローニングした。この結合混合物を使用してTG1/pACYC177lacIp菌株を形質転換し、そしてアンピシリン抵抗性形質転換体をLB ampプレート[LBプラス50μg/mlのアンピシリン;ミラー(Miller)、J.H.(1952)、分子遺伝学における実験(Experiments in Molecular Genetics)、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)(コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor)、ニューヨーク州)、p.433]上で選択した。ほぼ1000の形質転換体がこの手順により得られた。これらの形質転換体のいくつかを新規な活性について、実施例4に後述するプロテアーゼプレートアッセイを使用して試験した。
実施例4
プロテアーゼ活性のプレートアッセイ
プレートアッセイの感度
アッセイすべき活性がタンパク質分解活性である場合、基質を含有する栄養プレートを使用して、プロテアーゼを分泌するコロニーについてスクリーニングすることができる。プロテアーゼの基質、例えば、変性ヘモグロビンを栄養プレートの中に混入することができる[シュムマチェル(Schumacher)、G.F.B.およびシル(Schill)、W.B.、アナリティカル・バイオケミストリー(Analyt.Biochem.)、48:9−26(1972);ベニオン(Benyon)およびボンド(Bond)、タンパク質分解酵素(Proteolytic Enzymes)、1989(IRL Press、オックスフォード)p.50]。プロテアーゼを分泌することができるバクテリアのコロニーをこれらのプレート上で成長させるとき、コロニーは透明なゾーンにより取り囲まれ、培地の中に存在するタンパク質基質の消化を示す。
プロテアーゼはこのアッセイにより検出すべきいくつかの基準を満足しなくてはならない。第1に、プロテアーゼは培地の中に分泌され、ここでそれは基質と相互作用することができる。第2に、プロテアーゼは基質の中のいくつかのペプチド結合を切断し、こうして生ずる産生物が可溶性であり、そして透明なゾーンが生ずるようにしなくてはならない。第3に、細胞はアッセイの限界より上で検出可能であるために十分なプロテアーゼ活性を分泌しなくてはならない。プロテアーゼの比活性が減少するとき、アッセイにおける検出に要求される限界の量は増加するであろう。
1または2以上のプロテアーゼの基質を使用できる。例えば、ヘモグロビン(0.05〜0.1%)、カゼイン(0.2%)またはドライミルク粉末(3%)を適当な栄養プレートの中に混入することができる。コロニーをマスタープレートから、接種用マニホールドを使用して、レプリカ−プレイティングまたは他の適当な方法により、プロテアーゼ基質を含有する1または2以上のアッセイプレート上に転すことができる。37℃(または他の適当な温度)において成長後、透明なゾーンが基質を消化できるプロテアーゼを分泌するコロニーの付近で観察される。
特異性および反応のメカニズムが異なる4つのプロテアーゼを試験して、プレートアッセイにおいて検出可能な活性の範囲を決定した。酵素はエラスターゼ、スブチリシン、トリプシンおよびキモトリプシンを包含した。比活性(エラスターゼ、81U/mgの粉末;スブチリシン、7.8U/mgの粉末;トリプシン、8600U/mgの粉末;キモトリプシン、53U/mgの粉末)は製造業者により決定された。各酵素、エラスターゼ、スブチリシン、トリプシンおよびキモトリプシンの希釈物を調製し、そして5μlのアリコートを3つの異なるアッセイプレートの各々上の別々のウェルの中にピペットで入れた。
50ミリモルのトリス、pH7.5、10ミリモルのCaCl2緩衝液中の1%のディフコ(Difco)バクト寒天マトリックス(10ml/プレート)中にカゼイン、ドライミルク粉末、またはヘモグロビンを含有するプレートを調製した。カゼインプレート(0.2%)上で、試験した最低の量(0.75ngのタンパク質)において、すべての4つの酵素は使用した条件下に検出可能な透明なゾーンを与えた。ミルクの粉末(3%)を含有するプレート上で、エラスターゼおよびトリプシンは3ngのタンパク質までの少量で検出可能であり、キモトリプシンは1.5ngまで検出可能であり、そしてスブチリシンはスポッティングしたタンパク質の25ngのレベルで検出可能であった。ヘモグロビンのプレート上で、0.05〜0.1%の範囲のヘモグロビンの濃度において、1.5ngのエラスターゼ、トリプシンおよびキモトリプシンは検出可能な透明なゾーンを与えた。ヘモグロビンプレート上で、使用した条件下に、スブチリシンは6ng以下のタンパク質で可視の透明なゾーンを生じなかった。
HIVプロテアーゼの変異型のアッセイ
実施例3に記載する手順により得られたほぼ1000のアンピシリン抵抗性形質転換体のうちで、プロテアーゼプレートスクリーニングアッセイを使用して300のコロニーをスクリーニングした。アンピシリン抵抗性コロニーを、栄養寒天プレート(LB+アンピシリン)上へのレプリカのプレイティングによりタンパク質分解活性についてスクリーニングし、ここで栄養寒天プレートは発現の誘発のためのIPTG(イソプロピルチオガラクトピラノシド)、およびプロテアーゼ基質としてドライミルク粉末(3%)またはヘモグロビンを含有する上部層を有した。
60mgのヘモグロビンまたは1.8gの粉末状ミルクを10mlの脱イオン水の中に懸濁させ、そして60℃において20分間インキュベーションすることによって、プロテアーゼ基質の源溶液を調製した。アンピシリンおよびIPTGを50mlの溶融したLB寒天(15g/l)に、それぞれ、50μg/mlおよび2ミリモルの濃度に、60℃において添加し、そして10mlのプロテアーゼ基質の源溶液を使用して、上部層をつくった。10mlの上部層をLBプレート上に層状に配置した。
プレートの中で特定の基質(例えば、ドライミルク)を分解する十分なタンパク質分解活性を分泌するコロニーは、プレートの不透明なバックグラウンドと区別することができる透明なゾーンをそれらの回りにを有するであろう。形質転換体のいずれもヘモグロビンのプレート上に透明なゾーンを与えなかったが、形質転換体の大きい比率はドライミルクの粉末のプレート上で透明なゾーンを与えた。ドライミルクの粉末のプレートは37℃において約1.5日間インキュベーションし、次いで冷蔵したことに注意すべきである。37℃において1.5日間のインキュベーション後にハローは現れるなかったが、アッセイプレート上のコロニーの90%より多くは、冷蔵庫内で3日後、ハローを有した。アッセイプレート上でハローを生じた3つの試料のコロニーを、2ミリモルのIPTGを含有するドライミルクの粉末のプレート上にストリーキングした。3つのストリークのうちの2つは成長した。これらの2つの分離物について同一条件(37℃において一夜の成長、次いで3日間の冷蔵)下に、明確な透明なゾーンが観察された。対照として、pelBシグナル配列をエンコードするがHIVプロテアーゼをエンコードしなpRB500を含有するか、あるいは「野生型」HIVプロテアーゼに融合したpelBシグナル配列をエンコードするpRB505を含有する、TG1/pACYC177lacIpを、また、2ミリモルのIPTGを有するドライミルク粉末のプレート上にストリーキングした。突然変異誘発から得られた形質転換体と対照的に、これらの対照の形質転換体はドライミルク粉末のプレート上で透明なゾーンを与えなかった。この観察は、レトロウイルスのプロテアーゼがウイルスの標的タンパク質について選択的であるという前の結果と一致する[スカルカ(Skalka)、A.M.、細胞(Cell)、56:911−913(1984)]。このアッセイを使用して、ウォーク−スルー突然変異誘発の手順により発生した新規なプロテアーゼ活性は、変更した基質の特異性により野生型HIVプロテアーゼと区別することができる。
同等の実施態様
当業者は、日常の実験を越えない実験を使用して、ここに記載する発明の特定の実施態様に対する多数の実施態様を認識するか、あるいは確認することができるであろう。このような実施態様は次の請求の範囲に包含されることを意図する。

Claims (9)

  1. a)突然変異誘発すべき遺伝子によってコードされているタンパク質のアミノ酸配列の1つ又はそれ以上の領域を選択し、
    b)該領域の各々について、該領域中の各アミノ酸位置で元のアミノ酸と置換すべきアミノ酸を1〜3種選択し、
    c)該領域をコードするヌクレオチド配列を含んでなるオリゴヌクレオチドの混合物を飽和させることなく合成し、
    ここで該混合物の各オリゴヌクレオチドは、該各ヌクレオチド配列の各位置において、該タンパク質のアミノ酸のコドンに必要なヌクレオチド、又は、該元のアミノ酸と置換すべきアミノ酸のコドンに必要なヌクレオチドのいずれかを有しているという基準に従って合成され、
    該混合物は該基準に従うすべての可能なオリゴヌクレオチドを含有し、
    そして
    d)該混合物の各オリゴヌクレオチドにより該遣伝子の突然変異が誘発された遺伝子の発現ライブラリーを創製する
    ことを特徴とする、該タンパク質をコードする遣伝子の突然変異誘発方法。
  2. 少なくとも1つの領域が、タンパク質の機能的ドメイン;酵素の触媒部位またはその付近のドメイン;結合ドメイン;及び抗体の超可変領域よりなる群から選ばれるドメインを含んでなる請求項1に記載の方法。
  3. 元のアミノ酸と置換すべきアミノ酸が、Ser、Thr、Asn、Gln、Tyr、Cys、His、Glu、Asp、LysまたはArgである請求項1に配載の方法。
  4. 少なくとも1つの領域に対して、該領域中のアミノ酸位置で元のアミノ酸と置換すべき3つのアミノ酸を選択する請求項1に記戴の方法。
  5. 少なくとも1つの領域に対して、該領域中のアミノ酸位置で元のアミノ酸と置換すべき2つのアミノ酸を選択する請求項1に記載の方法。
  6. 遺伝子の発現ライブラリーをスクリーニングして、所望の構造または機能を有する突然変異タンパク質をコードするクローンを検出することをさらに含んでなる請求項1に記載の方法。
  7. タンパク質の選択した領域をコードするヌクレオチド配列を突然変異誘発して、該領域における各アミノ酸位置で予め選択したアミノ酸に置換するためのオリゴヌクレオチドの混合物の製造方法であって、
    該領域をコードするヌクレオチド配列を含んでなるオリゴヌクレオチドの混合物を飽和させることなく合成することからなり、
    ここで、該混合物の各オリゴヌクレオチドは、該各ヌクレオチド配列の各位置において、該タンパク質のアミノ酸のコドンに必要なヌクレオチド、又は、該予め選択したアミノ酸のコドンに必要なヌクレオチドのいずれかを有しているという基準に従って合成され、
    該混含物は該基準に従うすべての可能なオリゴヌクレオチドを含有するものである、製造方法。
  8. a)請求項1に配載の方法により遺伝子の発現ライブラリーを創製し、そして
    b)該発現ライブラリーの遺伝子を発現させて突然変異タンパク質を産生させる
    ことを特徴とするタンパク質の突然変異誘発方法。
  9. 突然変異タンパク質をスクリーニングして所望の構造または機能を有する突然変異タンパク質を検出することをさらに含んでなる請求項8に記載の方法。
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