JP4251090B2 - 圧縮自着火ガソリンエンジンおよびその燃料噴射の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、混合気を圧縮し、自己着火させるガソリンエンジンおよびその燃料噴射の制御方法に関する。
従来から、予め均一とした混合気をピストン運動により圧縮し、高温高圧とすることで自己着火燃焼させる予混合圧縮自着火式の内燃機関が知られている。特に、予混合圧縮自着火式のガソリンエンジンでは、軽油と比べて着火性の悪いガソリンを燃料とするため、安定した自己着火燃焼が得られるように、燃料噴射に対して様々な制御が行なわれている。
例えば、下記特許文献1には負のオーバーラップ期間中に1回目、吸気行程初期に2回目の燃料噴射を行なう技術が開示され、下記特許文献2にはエンジン回転数が上がるほど全噴射量に対する1回目の噴射比率を増やす技術が開示されている。また、下記特許文献3には、気筒内にインジェクションと燃焼速度、時期を検出するセンサを備え、燃焼速度が大きいか燃焼時期が早い場合に、2回目の噴射量を減量しつつ噴射時期を進角させ、または1回目の噴射量を減量しつつ噴射時期を進角させる技術が開示されている。さらに、下記特許文献4には、圧縮自着火燃焼による運転範囲を拡大して、燃費を改善する技術が開示されている。いずれの技術も1つのインジェクタでの燃料噴射により、広い運転範囲に対応し、安定した自己着火燃焼が可能であるとされている。
特開2001−082229号公報 特開2001−207888号公報 特開2001−323832号公報 特開2001−207850号公報
しかしながら、かかる公知技術では、要求される噴射特性が異なる2回の燃料噴射を1つのインジェクタを用いて行なうため、要求される噴射特性に適切に対応することが困難であった。これは、例えば、負のオーバーラップ期間中に噴射する1回目の燃料噴射は、残留ガス中の少ない酸素量に対応した量の燃料噴射が要求されるのに対し、2回目の燃料噴射は、高回転、高負荷において高出力を得るため、短時間に多量の燃料噴射が要求されるからである。こうした2つの要求の噴射特性を1つのインジェクタに持たせ、1サイクル中に変化させるのは困難であった。
本発明は、こうした問題の少なくとも一部を解決し、効率よく圧縮自己着火燃焼を行なう圧縮自着火ガソリンエンジンおよびその燃料噴射の制御方法を提供することを目的とする。
本発明の圧縮自着火ガソリンエンジンは、上記課題の少なくとも一部を解決するため、以下の手法を採った。すなわち、燃焼室に設けられた吸気弁および排気弁が共に閉じる負のオーバーラップ期間を少なくとも運転領域の一部で有し、該負のオーバーラップ期間中に1回目の燃料噴射を行ない、吸気行程または圧縮行程中に2回目の燃料噴射を行なう4サイクルの圧縮自着火ガソリンエンジンであって、前記燃焼室に直接的に噴射可能な位置に設けた前記1回目の燃料噴射を行なう第1の燃料噴射装置と、前記燃焼室に直接的または間接的に噴射可能な位置に設けた前記2回目の燃料噴射を行なう第2の燃料噴射装置と、前記第1および第2の燃料噴射装置の噴射量および噴射タイミングを制御する制御部とを備え、前記第1の燃料噴射装置は、前記第2の燃料噴射装置に比して、噴射量の時間変化量である噴射率および総噴射量が少なく、噴射した噴霧の到達距離の小さい低貫徹力の噴射を行なうことを要旨としている。
本発明の圧縮自着火ガソリンエンジンによれば、1回目の燃料噴射は、第1の燃料噴射弁を用いて、噴射率,噴射量が少なく、低貫徹力の噴射を行ない、2回目の燃料噴射は、第2の燃料噴射弁を用いて、噴射率,噴射量が多く、燃焼室に直接的に噴射する場合は高貫徹力の噴射を行なう。1回目に噴射された燃料は、負のオーバラップ期間中に高温高圧に晒され、負のオーバーラップにより燃焼室内に残留した残留ガス中の僅かな酸素と反応して発熱する。2回目に噴射された燃料は、1回目の噴射により高温となった残留ガスの作用により、高温となり圧縮自着火燃焼を形成する。したがって、第1の燃料噴射弁を用いることで残留ガス中の僅かな酸素量や自着火に必要な発熱量に対応した燃料を噴射することができる。また、第1の燃料噴射弁は、低貫徹力の噴射であるため、狭い燃焼室内に噴射しても噴射燃料の濃淡を形成し難い。したがって、燃料の濃淡の影響による燃焼の変動を抑制し、効率よく発熱することができる。さらに、第2の燃料噴射弁は、直接的な高貫徹力の噴射、あるいは、間接的な噴射を行ない、燃焼室内に均一な混合気を形成する。したがって、1回目の噴射による発熱と併せて効率よく圧縮自着火燃焼を行なうことができる。
上記の構成を有する圧縮自着火ガソリンエンジンの制御部は、燃焼室内の着火のタイミングを検出する着火タイミング検出手段と、前記検出された着火タイミングに基づいて、次回以降のサイクルにおける前記1回目の燃料噴射の量を決定し、前記第1の燃料噴射装置に指令する1回目噴射量決定手段と、前記第1の燃料噴射装置からの燃料噴射に伴い前記負のオーバラップ期間中に発生する発熱量を検出する発熱量検出手段と、前記検出した発熱量に基づいて、前記1回目の燃料噴射の量の内、前記発熱に使用されていない燃料量を算定する燃料量算定手段と、運転条件に基づいて予め設定される燃焼を望む燃料量から、前記算定された燃料量を減じて前記2回目の燃料噴射の量を決定し、前記第2の燃料噴射装置に指令する2回目噴射量決定手段とを備えるものとすることができる。
また、この圧縮自着火ガソリンエンジンに対応する燃料噴射の制御方法は、燃焼室に設けられた吸気弁および排気弁が共に閉じる負のオーバーラップ期間を少なくとも運転領域の一部で有し、該負のオーバーラップ期間中に1回目の燃料噴射を行なう第1の燃料噴射装置と、吸気行程または圧縮行程中に2回目の燃料噴射を行なう第2の燃料噴射装置とを備えた4サイクルの圧縮自着火ガソリンエンジンの燃料噴射の制御方法であって、前記燃焼室内の着火のタイミングを検出し、前記検出された着火タイミングに基づいて、次回以降のサイクルにおける前記1回目の燃料噴射の量を決定し、前記第1の燃料噴射装置に指令し、前記第1の燃料噴射装置からの燃料噴射に伴い前記負のオーバラップ期間中に発生する発熱量を検出し、前記検出した発熱量に基づいて、前記1回目の燃料噴射の量の内、前記発熱に使用されていない燃料量を算定し、運転条件に基づいて予め設定される燃焼を望む燃料量から、前記算定された燃料量を減じて前記2回目の燃料噴射の量を決定し、前記第2の燃料噴射装置に指令するものとすることができる。
かかる圧縮自着火ガソリンエンジンおよびその燃料噴射の制御方法によれば、燃焼室内の着火のタイミングを検出し、1回目の燃料噴射量を決定する。例えば、所定のタイミングより着火タイミングが早い場合、つまり、早期に自着火に至る場合には残留ガスの温度が高いと判断し、着火タイミングが遅い場合には残留ガスの温度が低いと判断する。着火タイミングが早い場合には、1回目の燃料噴射量を減量し、着火タイミングが遅い場合には、増量する。この1回目の燃料噴射量に対応した発熱に使用されずに残留している燃料量を算定し、運転条件から設定される燃焼を望む燃料量から残留している燃料量を減じて、2回目の燃料噴射量を決定する。したがって、1回目の燃料噴射量を調整して圧縮自着火に必要な温度条件を形成し、それに伴い2回目の燃料噴射量を調整することで、出力変動を抑制することができる。
上記の構成を有する圧縮自着火ガソリンエンジンにおいて、第2の燃料噴射装置は、燃焼室に直接的に2回目の燃料噴射を行なう装置であり、前記制御部は、前記検出された発熱量に基づいて、前記燃焼室内の着火のタイミングを推定するタイミング推定手段と、前記推定した着火のタイミングが所定のタイミングよりも早い場合には前記2回目の燃料噴射のタイミングを進角し、該タイミングが遅い場合には該2回目の燃料噴射のタイミングを遅角する2回目噴射タイミング決定手段とを備えるものとしても良い。
また、この圧縮自着火ガソリンエンジンに対応する燃料噴射の制御方法は、検出された発熱量に基づいて、前記燃焼室内の着火のタイミングを推定し、前記推定した着火のタイミングが所定のタイミングよりも早い場合には前記2回目の燃料噴射のタイミングを進角し、該タイミングが遅い場合には該2回目の燃料噴射のタイミングを遅角するものとしても良い。
かかる圧縮自着火ガソリンエンジンおよびその燃料噴射の制御方法によれば、検出された負のオーバラップ期間中の発熱量から着火タイミングを推定し、推定した着火タイミングが所定のタイミングよりも早い場合には、2回目の燃料噴射タイミングを早める。この場合、燃焼室内での燃料とガスの混合時間が長くなり、混合気が均質となる。したがって、着火タイミングを遅らせることができる。他方、推定した着火タイミングが所定のタイミングよりも遅い場合には、2回目の燃料噴射タイミングを遅らせる。タイミングを遅らせることで、燃焼室内での燃料とガスの混合時間が短くなり、混合気に濃淡が発生する。着火性に富む濃い混合気部分が存在するため、着火タイミングを早めることができ、圧縮自着火のタイミングを適切に制御することができる。
上記の構成を有する圧縮自着火ガソリンエンジンの着火タイミング検出手段および発熱量検出手段は、前記燃焼室の圧力を検出する圧力センサを用いるものとしても良い。かかる圧縮自着火ガソリンエンジンによれば、圧力センサによって燃焼室内の圧力変化を検出することで、着火タイミングおよび負のオーバラップ期間中の発熱量を容易に検出することができる。
上記の構成を有する圧縮自着火ガソリンエンジンの制御部は、燃焼室内に残留する燃焼後の残留ガスに含まれる酸素量を推定する酸素量推定手段と、前記推定された酸素量に対応する1回目の燃料噴射の量を算定する1回目噴射量算定手段と、前記算定された燃料噴射の量を超えない範囲内の量の噴射を、前記第1の燃料噴射装置に指令する指令手段とを備えるものとしても良い。
また、この圧縮自着火ガソリンエンジンに対応する燃料噴射の制御方法は、燃焼室内に残留する燃焼後の残留ガスに含まれる酸素量を推定し、前記推定された酸素量に対応する1回目の燃料噴射の量を算定し、前記算定された燃料噴射の量を超えない範囲内の量の噴射を、前記第1の燃料噴射装置に指令するものとしても良い。
かかる圧縮自着火ガソリンエンジンおよびその燃料噴射の制御方法によれば、残留ガスに含まれる酸素量に適した燃料量を1回目の燃料噴射量として、噴射する。したがって、過剰な燃料を噴射することがなく、燃料の気化熱による残量ガス温度の低下を防ぎ、負のオーバラップ期間中の発熱を妨げることがない。加えて、酸素不足によるスモーク等の発生を抑えることができる。
上記の構成を有する圧縮自着火ガソリンエンジンの酸素量推定手段は、燃焼室から排出される燃焼後のガスに含まれる酸素量を検出する空燃比センサと、前記排気弁が閉じるタイミングを検出するセンサとを備え、排気弁の閉じるタイミングに前記検出された酸素量を前記残留ガスに含まれる酸素量として推定する手段とすることができる。かかる圧縮自着火ガソリンエンジンによれば、既存のセンサを用いて残留ガスに含まれる酸素量を推定することができる。
上記の構成を有する圧縮自着火ガソリンエンジンにおいて、燃焼室内の混合気に点火する点火装置を備え、制御部は、前記算定された範囲内の量の噴射によって得られる発熱量を超える発熱要求がある場合には、前記圧縮自着火の燃焼から、前記点火装置を用いた火花点火燃焼に切替えるものとしても良い。
かかる圧縮自着火ガソリンエンジンによれば、圧縮自着火に必要な温度を確保するため、残留ガス中の酸素量に応じた噴射量によって得られる発熱量を超える要求がある場合には、火花点火による燃焼に切替える。圧縮自己着火燃焼で必要とされた負のオーバラップ期間を排除し、燃焼室内から残留ガスを排除すると共に、燃焼室内に多量の吸気を取り込む。したがって、温度不足による失火を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1実施例としての予混合圧縮自着火ガソリンエンジンの概略構成を示す断面図である。図1に示すように、このエンジン10は、主に、シリンダブロック20、シリンダブロック20内を往復運動するピストン30、シリンダヘッド40、エンジン10の燃焼を制御するECU(エンジンコントロールユニット)50等から構成された4サイクルエンジンである。なお、ここでの「予混合」とは、噴射した燃料と空気とがほぼ均一に混ざっており、濃淡が少ないことを意味している。
シリンダヘッド40は、吸気弁60、排気弁70、第1の燃料噴射弁80および第2の燃料噴射弁90(以下、特に区別しない場合には、単に燃料噴射弁と呼ぶ)等を備えている。吸気弁60は、吸気の流路としてシリンダヘッド40に形成された吸気ポート65の開閉を行ない、排気弁70は、排気の流路としてシリンダヘッド40に形成された排気ポート75の開弁を行なっている。この吸気弁60,排気弁70および、シリンダヘッド40、シリンダブロック20、ピストン30により囲まれた空間には燃焼室100が形成されている。2つの燃料噴射弁は、この燃焼室100内に燃料を直接噴射する位置に設けられている。
2つの燃料噴射弁の内、第1の燃焼噴射弁80は、吸気ポート65と排気ポート75との間の燃焼室100のほぼ中央付近のシリンダヘッド40に設けられている。この第1の燃料噴射弁80は、他方の燃料噴射弁である第2の燃料噴射弁90に比べて、燃料の噴射率、最小噴射量の小さいものであり、さらに、噴霧角が広く、噴射した噴霧の到達距離の小さい噴射(以下、これを低貫徹力の噴射と呼ぶ)が可能な噴射弁を使用している。
他方、第2の燃料噴射弁90は、燃焼室100の吸気ポート65側のシリンダヘッド40に設けられている。この第2の燃料噴射弁90は、第1の燃料噴射弁80に比べて、燃料の噴射率、噴射量の大きいものであり、さらに、噴射した噴霧の到達距離の大きい噴射(以下、これを高貫徹力の噴射と呼ぶ)が可能な噴射弁を使用している。
ECU50は、車両の状態を判断するエアフロメータ,スロットルバルブ,クランク角センサ等の各種センサ(図示せず)と電気的に接続し、運転状態に対応した最適な燃焼を実現するため、吸気弁60、排気弁70の開閉タイミング、2つの燃料噴射弁の燃料噴射の量およびタイミングを制御している。
こうした構成からなるエンジン10の運転サイクルには、排気弁60と吸気弁70とが共に閉弁状態となる負のオーバラップ期間が存在している。この負のオーバラップ期間は、運転サイクルの排気行程の後半に排気弁70を閉じるタイミングから、吸気行程で吸気弁を開くタイミングまでの間である。負のオーバラップ期間の燃焼室100内は、燃焼後のガスが残留し高温状態となると共に、吸気弁60および排気弁70が閉じた状態でピストンが運動するため、高圧状態となる。この高温、高圧場の燃焼室100に、第1の燃料噴射弁80からの燃料噴射を行なうことで、噴射した燃料は残留したガス中に含まれるわずかな酸素と反応して発熱し、さらに高温状態となる。
高温状態となった燃焼室100に、吸気行程で第2の燃料噴射弁90からの燃料噴射を行なう。燃焼室100内に噴射された燃料と吸い込まれた新気は、圧縮行程において、残留ガスと混合して高温となる。その結果、燃焼室100内では自己着火燃焼が発生する。第1実施例のエンジン10は、2回の燃料噴射を行なうことで、点火火花装置によらず、自己着火燃焼を行なう。
なお、第1実施例では、第2の燃料噴射弁90は、燃焼室100に直接燃料を噴射する位置に設けているが、吸気ポート65に設けてポート噴射タイプの燃料噴射弁としても良い。この場合、第2の燃料噴射弁90から噴射された燃料は、吸気と共に、広い燃焼室100内に十分に拡散される。
こうした圧縮自己着火燃焼を行なうエンジン10において、2つの燃料噴射弁が噴射する燃料の状態を説明する説明図を図2に示した。図2(a)には、第1実施例のエンジン10における2回の燃料噴射のタイミングを示した。図2(b)には、図2(a)に示した1回目のタイミングで噴射する燃焼室100内の様子を、図2(c)には、2回目のタイミングで噴射する燃焼室100内の様子を模式的に示した。
図2(b)に示すように、負のオーバラップ期間中に噴射する第1の燃料噴射弁80は、ピストン30の上昇動作で狭くなった燃焼室100内への、広い噴霧角で少量の燃料の噴射であって、燃料が遠くまで到達しない低貫徹力の噴射を行なう。
他方、図2(c)に示すように、吸気行程に噴射する第2の燃料噴射弁90は、ピストン30の下降動作で広くなった燃焼室100内への、第1の燃料噴射弁80よりも狭い噴霧角での多量の燃料噴射であって、広い燃焼室に燃料が遠くまで到達する高貫徹力の噴射を行なう。
したがって、1回目の燃料噴射では、残留ガス中に含まれるごく僅かな酸素量(酸素量の変化)に対して、反応に適切な量の燃料を噴射することができる。さらに、低貫徹力の噴射を行なうため、噴射した燃料(噴霧)が狭い燃焼室100を形成するピストン30に当たることが少なく、燃焼室100内の燃料の濃淡を発生させ難い。したがって、1回目の燃料噴射による発熱の変動を抑え、効率のよい発熱を行なうことができる。
また、2回目に燃料噴射では、高貫徹力の噴射を行ない、広い燃焼室100内に均質な混合気を作ることができる。したがって、効率の良い燃焼を行なうことができ、高い出力を得ることができる。第1実施例のエンジン10では、性能の異なる2つの燃料噴射弁を用い、1回目の燃料噴射を適切に行なうことで圧縮自己着火に必要な温度条件を作り、2回目の燃料噴射で均質混合気を作る。こうすることで、効率の良い圧縮自己着火燃焼を行なうことができる。
次に、本発明の第2実施例について説明する。図3は、第2実施例としての予混合圧縮自着火ガソリンエンジンの概略構成を示す断面図である。第2実施例のエンジン11は、圧力センサ110を備えており、その他の構成は第1実施例のエンジン10と同様である。したがって、圧力センサ110以外は符号を同一とし、説明を省略する。
図3に示すように、圧力センサ110は、燃焼室100近傍に設けられ、燃焼室100内の圧力変動を検出する半導体タイプのセンサである。圧力センサ110は、ECU50と電気的に接続し、圧力センサ110から出力される検出信号はECU50に取り込まれる。圧力センサ110の信号を取り込んだECU50は、第1の燃料噴射弁80と第2の燃料噴射弁90とから噴射する燃料量を算出し、噴射を制御する。
図4は、ECU50で実行する燃料噴射量の算出処理を示すフローチャートである。ECU50は、所定の設定値での燃料噴射を行ない、エンジン11を始動させた後に、所定のタイミングでこの処理を実行する。
ECU50は、圧力センサ110による燃焼室100内の圧力変化から、燃焼室100内での燃料の着火タイミングTcaを検出する(ステップS400)。具体的には、前サイクルにおいて、圧力センサ110の圧力値が急激に変化するタイミングを検出し、そのタイミングのクランク角を着火タイミングTcaとしている。
ECU50は、検出した着火タイミングTcaが設定値より遅いか否かを判断する(ステップS410)。この設定値は、エンジン回転数,要求負荷など種々の運転条件から予め設定した論理的な着火タイミングである。このステップでは、残留ガスの温度が2回目の燃料噴射後の圧縮自己着火燃焼に必要な温度に対して過剰であるか不足であるかを判断している。
ステップS410で、着火タイミングTcaが設定値よりも遅い(Yes)と判断した場合には、前サイクルで噴射した1回目に燃料噴射量を所定量だけ増量して1回目の燃料噴射量L1とする(ステップS420)。他方、着火タイミングTcaが設定値よりも早い(No)と判断した場合には、前サイクルで噴射した1回目に燃料噴射量を所定量だけ減量して1回目の燃料噴射量L1とする(ステップS430)。
ECU50は、こうして設定した1回目の燃料噴射量L1の噴射指令を第1の燃料噴射弁80に出力する(ステップS440)。続いて、ステップS440の1回目の噴射によって発生した発熱量を検出し(ステップS445)、検出した発熱量から、発熱に使用した燃料量L4を算出する(ステップS450)。具体的には、1回目の燃料噴射後の圧力センサ110の波形から、負のオーバラップ期間の発熱量を算出している。
図5は、クランク角に対する圧力センサ110の出力波形の一例を示す説明図である。図示するように、燃焼室100内の圧力は、1サイクル中に、大小1回づつの計2回のピークを示す。圧力の大きいピークは、2回目の燃料噴射後で圧縮自己着火が起こるタイミングであり、前述の着火タイミングTcaである。他方、圧力の小さいピークは、1回目の燃料噴射後のタイミングである。
この1回目の燃料噴射のタイミング付近(つまり、負のオーバラップ期間付近)の圧力変化は、熱発生率の算出に用いられる。つまり、圧力センサ110からの圧力変化とクランク角に基づいた燃焼室100の体積変化とを用いて、熱発生率の算出を算出している。図6は、クランク角に対する熱発生率の関係を示す関係図である。本実施例では、図6に示す斜線部分の面積を求めることで、負のオーバラップ期間の総発熱量を算出している。
図4に戻り、ECU50は、1回目の噴射燃料の内、発熱に使用されなかった残余の燃料量L3を算出する(ステップS460)。ECU50は、運転条件により、予め設定された目標トルクを出力するために燃焼させたい燃料量L0から、残余の燃料量L3を減じて算出した燃料量L2を2回目の燃料噴射量とする。そして、噴射量L2の噴射指令を第2の燃料噴射弁90に出力し(ステップS470)、リターンに抜け、この処理を繰り返す。
この一連の処理では、圧力センサ110を用いて着火タイミングTcaを算出し、着火タイミングTcaが早い場合、つまり残留ガスの温度が必要温度に対し過剰である場合には、1回目の噴射量を減らして残留ガスの温度上昇を抑え、着火タイミングTcaが遅い場合、つまり残留ガスの温度が必要温度に対して不足する場合には、1回目の噴射量を増やして残留ガスの温度低下を抑えることができる。さらに、2回目の噴射量は、1回目の噴射量に対応して変化させることができる。
この2回目の燃料噴射量の算出の概念を図7に示す。図示するように、1回目の燃料噴射量L1から実施に発熱に使用した燃料量L4を差し引いて、残余の燃料量L3(斜線部)が求まる。目標トルクから求まる燃焼させたい燃料量L0から、残余の燃料量L3を差し引いて、2回目の燃料噴射量L2が求まる。つまり、残余の燃料量L3の値に応じて、2回目の燃料噴射量L2を算出することで、出力変動のほとんどない運転を行なうことができる。つまり、この制御によれば、1回目の燃料噴射量を適切することで、圧縮自己着火に必要な温度条件を作り出し、加えて、出力変動も低減することができる。
次に、本発明の第3実施例について説明する。第3実施例のエンジンの構成は、第2実施例のエンジン11の構成と同様であり、ECU50での燃料噴射の制御が異なる。したがって、エンジンの構成については、説明を省略する。
第3実施例のエンジンでは、1回目の燃料噴射による発熱量に基づいて、2回目の燃料噴射のタイミングを制御している。図8は、2回目の燃料噴射タイミングを算出する処理のフローチャートである。ECU50は、所定の設定値での燃料噴射を行ない、エンジンを始動させた後に、所定のタイミングでこの処理を実行する。
ECU50は、圧力センサ110による燃焼室100内の圧力変化から、負のオーバラップ期間の発熱量α1と着火タイミングT1を検出する(ステップS600)。この検出は、第2実施例の処理(ステップS400、S445)と同様、前サイクルの圧力波形から算出する。
続いて、第2実施例の処理と同様、着火タイミングT1が設定値より遅いか否かを判断し(ステップS610)、遅い(Yes)と判断した場合には、前サイクルの噴射量を増量して1回目の燃料噴射量とし(ステップS620)、早い(No)と判断した場合には、前サイクルの噴射量を減量して1回目の燃料噴射量とする(ステップS630)。こうして設定した1回目の燃料噴射量の噴射を指令する(ステップS640)。
続いて、ECU50は、1回目の燃料噴射による圧力波形を読み取り、負のオーバラップ期間中の発熱量α2を検出する(ステップS650)。この発熱量α2に基づいて、2回目の燃料噴射後の着火タイミングT2を推定する(ステップS660)。具体的には、前サイクルの発熱量α1から発熱量α2への変化量と着火タイミングT1とから、着火タイミングT2を推定している。
ECU50は、こうして推定された着火タイミングT2が、設定値より遅いか否かを判断する(ステップS670)。この設定値は、第2実施例の処理と同様、エンジン回転数,要求負荷など種々の運転条件から予め設定した着火タイミングである。
ステップS670で、着火タイミングT2が遅い(Yes)と判断した場合には、前サイクルの2回目の燃料噴射タイミングを所定のクランク角分遅角する(ステップS680)。他方、着火タイミングT2が早い(No)と判断した場合には、前サイクルの2回目の燃料噴射タイミングを所定のクランク角分進角する(ステップS690)。こうして設定したタイミングで、噴射する指令を第2の燃料噴射弁90に出力して(ステップS695)、リターンに抜け、この一連の処理を繰り返す。
この処理では、着火タイミングを推定し、着火タイミングが遅い場合には、着火性を向上するため、2回目の燃料噴射タイミングを遅角する。こうすることで、2回目に噴射した燃料と残留ガス等との混合時間が短くなり、燃焼室内に混合気の濃淡が発生する。濃い混合気の存在する部分は、着火しやすく、全体の着火タイミングを早めることができる。
第3実施例のエンジンでは、1回目の燃料噴射による発熱量に合わせた2回目の燃料噴射を行なうことで、圧縮自己着火のタイミングを適切にすることができる。
次に、本発明の第4実施例について説明する。図9は、第4実施例としての予混合圧縮自着火ガソリンエンジンの概略構成を示す断面図である。第4実施例のエンジン12は、排気の空燃比を検出するA/Fセンサ120および火花点火のための点火プラグ130を備えており、その他の構成は第1実施例のエンジン10と同様である。したがって、A/Fセンサ120,点火プラグ130以外は符号を同一とし、説明を省略する。
図9に示すように、シリンダヘッド40の排気ポート75には排気マニホールド140が接続されており、燃焼室100内で燃焼した排気は、排気弁70,排気ポート75,排気マニホールド140を介して、図示しない触媒コンバータで清浄され外部に排出される。A/Fセンサ120は、この排気マニホールド140に配置され、外部へ排出される排気中の酸素量を検出している。A/Fセンサ120は、ECU50と電気的に接続しており、A/Fセンサ120の検出信号は、ECU50に出力されている。
第4実施例のエンジン12は、第1の燃料噴射弁80近傍のシリンダヘッド40上に点火プラグ130を備えている。点火プラグ130は、ECU50と電気的に接続しており、ECU50からの指令信号に基づいて、燃焼室100内の混合気に火花点火する。つまり、第4実施例のエンジン12は、所定のタイミングで、圧縮自己着火燃焼と火花点火燃焼とを切替えることができる。
このエンジン12の運転における燃料状態の切替え処理は、ECU50で実行される。図10は、燃焼状態の切替え処理を示したフローチャートである。ECU50は、所定の設定値での燃料噴射を行ない、エンジンを始動させた後に、所定のタイミングでこの処理を実行する。
ECU50は、A/Fセンサ120からの信号を入力し、燃焼室100内の残留ガスの酸素量を推定する(ステップS800)。具体的には、図示しないクランク角センサから判断される排気弁70の閉弁タイミングを基準とし、排気弁70閉弁時にA/Fセンサ120が検出する排気中の酸素量を、燃焼室100内の残留ガス中の酸素量としている。
ステップS800にて推定した残留ガス中の酸素量から、その酸素量と反応できる燃料量Lmaxを算定する(ステップS810)。ここで算定した燃料量Lmaxは、1回目の燃料噴射量の上限値となる。つまり、算定した燃料量以上に燃料を噴射しても、燃料と酸素との反応による発熱は得られないためである。このステップでは、燃料量Lmaxと、ステップS800により算定された酸素量,閉弁タイミングによる燃焼室の容積とから負のオーバラップ期間中の発熱量β1も算出している。
続いて、ECU50は、前サイクルの負のオーバラップ期間中の発熱量および着火タイミングから、次サイクルの負のオーバラップ期間中の発熱量β0を推定する(ステップS815)。この発熱量β0の推定には、第2実施例、第3実施例の手法を用いている。
ECU50は、推定した発熱量β0がステップS810にて算出した上限値の燃料量Lmaxから得られる発熱量β1より大きいか否かを判断する(ステップS820)。このステップでは、前サイクルの結果から次サイクルで要求される発熱量β0と、上限の発熱量β1とを比較し、噴射する燃料が良好に熱に変換されるか否かの判断をしている。
ステップS820で、推定した発熱量β0が発熱量β1より大きいと判断した場合には、点火プラグ130を用いた通常の火花点火による燃焼運転に切替え(ステップS830)、リターンに抜ける。他方、推定した発熱量β0が発熱量β1より小さいと判断した場合には、圧縮自己着火燃焼による運転を継続し、(ステップS840)、リターンに抜ける。
第4実施例では、残留ガス中の酸素量を推定し、1回目の燃料噴射量の上限値を求め、その範囲内での噴射を行なう。したがって、残留ガス中の酸素量に見合った量以内の燃料噴射を行ない、燃料を過剰に噴射することがない。その結果、燃料気化熱による残留ガスの温度低下を抑え、負のオーバラップ期間中の発熱を妨げることがない。つまり、効率よく圧縮自己着火に必要な温度条件を作ることができる。
また、圧縮自己着火に必要な温度は、燃焼室内の残留ガスの温度に加えて、新たに流入する吸気(新気)の温度にも依存する。例えば、外気温が低い場合に、燃焼室内の温度を圧縮自己着火に必要な温度まで、到達させるには、残留ガスの温度を更に高温にする必要がある。第4実施例では、こうした発熱要求が上限値を超える場合には、火花点火による燃焼運転に切替える。つまり、圧縮自己着火燃焼で必要とされた負のオーバラップ期間を排除し、燃焼室内から残留ガスを排除すると共に、燃焼室内に多量の吸気を取り込む。したがって、温度不足による失火を抑制し、HC等の発生を抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施し得ることは勿論である。本実施例では、吸気行程で2回目の燃料噴射を行なう構成としたが、圧縮行程中に2回目の燃料噴射を行なうものとしても良い。
本発明の第1実施例としての予混合圧縮自着火ガソリンエンジンの概略構成を示す断面図である。 第1実施例の2つの燃料噴射弁が噴射する燃料の状態を説明する説明図である。 第2実施例としての予混合圧縮自着火ガソリンエンジンの概略構成を示す断面図である。 第2実施例のエンジンにおける燃料噴射量の算出処理を示すフローチャートである。 クランク角に対する圧力センサの出力波形の一例を示す説明図である。 クランク角に対する熱発生率の関係を示す関係図である。 2回目の燃料噴射量の算出の概念図である。 第3実施例のエンジンにおける2回目の燃料噴射タイミングを算出する処理のフローチャートである。 第4実施例としての予混合圧縮自着火ガソリンエンジンの概略構成を示す断面図である。 第4実施例のエンジンにおける燃焼状態の切替え処理を示したフローチャートである。
符号の説明
10,11,12...エンジン
20...シリンダブロック
30...ピストン
40...シリンダヘッド
50...ECU
60...吸気弁
65...吸気ポート
70...排気弁
75...排気ポート
80...第1の燃料噴射弁
90...第2の燃料噴射弁
100...燃焼室
110...圧力センサ
120...A/Fセンサ
130...点火プラグ
140...排気マニホールド

Claims (9)

  1. 燃焼室に設けられた吸気弁および排気弁が共に閉じる負のオーバーラップ期間を少なくとも運転領域の一部で有し、該負のオーバーラップ期間中に1回目の燃料噴射を行ない、吸気行程または圧縮行程中に2回目の燃料噴射を行なう4サイクルの圧縮自着火ガソリンエンジンであって、
    前記燃焼室に直接的に噴射可能な位置に設けた前記1回目の燃料噴射を行なう第1の燃料噴射装置と、
    前記燃焼室に直接的または間接的に噴射可能な位置に設けた前記2回目の燃料噴射を行なう第2の燃料噴射装置と、
    前記第1および第2の燃料噴射装置の噴射量および噴射タイミングを制御する制御部とを備え、
    前記第1の燃料噴射装置は、前記第2の燃料噴射装置に比して、噴射量の時間変化量である噴射率および総噴射量が少なく、噴射した噴霧の到達距離の小さい低貫徹力の噴射を行ない、
    前記制御部は、
    前記燃焼室内の着火のタイミングを検出する着火タイミング検出手段と、
    前記検出された着火タイミングに基づいて、次回以降のサイクルにおける前記1回目の燃料噴射の量を決定し、前記第1の燃料噴射装置に指令する1回目噴射量決定手段と、
    前記第1の燃料噴射装置からの燃料噴射に伴い前記負のオーバラップ期間中に発生する発熱量を検出する発熱量検出手段と、
    前記検出した発熱量に基づいて、前記1回目の燃料噴射の量の内、前記発熱に使用されていない燃料量を算定する燃料量算定手段と、
    運転条件に基づいて予め設定される燃焼を望む燃料量から、前記算定された燃料量を減じて前記2回目の燃料噴射の量を決定し、前記第2の燃料噴射装置に指令する2回目噴射量決定手段とを備える圧縮自着火ガソリンエンジン。
  2. 請求項に記載の圧縮自着火ガソリンエンジンであって、
    前記第2の燃料噴射装置は、前記燃焼室に直接的に2回目の燃料噴射を行なう装置であり、
    前記制御部は、
    前記検出された発熱量に基づいて、前記燃焼室内の着火のタイミングを推定するタイミング推定手段と、
    前記推定した着火のタイミングが所定のタイミングよりも早い場合には前記2回目の燃料噴射のタイミングを進角し、該タイミングが遅い場合には該2回目の燃料噴射のタイミングを遅角する2回目噴射タイミング決定手段とを備える圧縮自着火ガソリンエンジン。
  3. 請求項またはに記載の圧縮自着火ガソリンエンジンであって、
    前記着火タイミング検出手段および前記発熱量検出手段は、前記燃焼室の圧力を検出する圧力センサを用いる圧縮自着火ガソリンエンジン。
  4. 請求項1ないしに記載の圧縮自着火ガソリンエンジンであって、
    前記制御部は、
    前記燃焼室内に残留する燃焼後の残留ガスに含まれる酸素量を推定する酸素量推定手段と、
    前記推定された酸素量に対応する1回目の燃料噴射の量を算定する1回目噴射量算定手段と、
    前記算定された燃料噴射の量を超えない範囲内の量の噴射を、前記第1の燃料噴射装置に指令する指令手段とを備える圧縮自着火ガソリンエンジン。
  5. 請求項に記載の圧縮自着火ガソリンエンジンであって、
    前記酸素量推定手段は、
    前記燃焼室から排出される燃焼後のガスに含まれる酸素量を検出する空燃比センサと、
    前記排気弁が閉じるタイミングを検出するセンサとを備え、
    前記排気弁の閉じるタイミングに前記検出された酸素量を前記残留ガスに含まれる酸素量として推定する手段である圧縮自着火ガソリンエンジン。
  6. 請求項またはに記載の圧縮自着火ガソリンエンジンであって、
    前記燃焼室内の混合気に点火する点火装置を備え、
    前記制御部は、前記算定された範囲内の量の噴射によって得られる発熱量を超える発熱要求がある場合には、前記圧縮自着火の燃焼から、前記点火装置を用いた火花点火燃焼に切替える圧縮自着火ガソリンエンジン。
  7. 燃焼室に設けられた吸気弁および排気弁が共に閉じる負のオーバーラップ期間を少なくとも運転領域の一部で有し、該負のオーバーラップ期間中に1回目の燃料噴射を行なう第1の燃料噴射装置と、吸気行程または圧縮行程中に2回目の燃料噴射を行なう第2の燃料噴射装置とを備えた4サイクルの圧縮自着火ガソリンエンジンの燃料噴射の制御方法であって、
    前記燃焼室内の着火のタイミングを検出し、
    前記検出された着火タイミングに基づいて、次回以降のサイクルにおける前記1回目の燃料噴射の量を決定し、前記第1の燃料噴射装置に指令し、
    前記第1の燃料噴射装置からの燃料噴射に伴い前記負のオーバラップ期間中に発生する発熱量を検出し、
    前記検出した発熱量に基づいて、前記1回目の燃料噴射の量の内、前記発熱に使用されていない燃料量を算定し、
    運転条件に基づいて予め設定される燃焼を望む燃料量から、前記算定された燃料量を減じて前記2回目の燃料噴射の量を決定し、前記第2の燃料噴射装置に指令する燃料噴射の制御方法。
  8. 請求項に記載の燃料噴射の制御方法であって、
    前記検出された発熱量に基づいて、前記燃焼室内の着火のタイミングを推定し、
    前記推定した着火のタイミングが所定のタイミングよりも早い場合には前記2回目の燃料噴射のタイミングを進角し、該タイミングが遅い場合には該2回目の燃料噴射のタイミングを遅角する燃料噴射の制御方法。
  9. 請求項またはに記載の燃料噴射の制御方法であって、
    前記燃焼室内に残留する燃焼後の残留ガスに含まれる酸素量を推定し、
    前記推定された酸素量に対応する1回目の燃料噴射の量を算定し、
    前記算定された燃料噴射の量を超えない範囲内の量の噴射を、前記第1の燃料噴射装置に指令する燃料噴射の制御方法。
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