JP4250893B2 - 電子装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランジスタ等の電子素子の製造方法、さらにはこれを備えた回路基板の製造方法、電子装置の製造方法、電気光学装置とその製造方法、電子機器、及びこれらの製造方法に好適に用いられるパターニング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トランジスタの製造方法としては、蒸着法(特開平8−228034、特開平8−228035、特開平2001−94107など)やインクジェット法(USP 6,087,196など)などにより、各構成要素を形成する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなトランジスタなどの電子素子の製造においては、各種構成要素に対する材料の多様化などにより、特に材料の選択自由度を高くした新たなパターニング方法の提供が望まれている。
そこで、本発明は、材料の選択自由度を高くした新たな製造方法を提供するとともに、この方法の実施に好適なパターニング装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の電子装置の製造方法は、複数の電子素子を基体上に備えた電子装置を製造する電子装置の製造方法であって、少なくとも一つの材料あるいは前記少なくとも一つの材料の前駆体を気化した状態で吐出するノズルに対して前記基体を水平方向及び鉛直方向に移動することを可能とし、かつ前記ノズルと前記基体との相対的な位置を決定する可動機構を用いて前記ノズルと前記基体との相対的な位置関係を予め設定する第1の工程と、前記第1の工程において予め設定されたとおりに、前記ノズルと前記基体とを相対的に移動させつつ、気化した状態の前記少なくとも一つの材料あるいは前記前駆体を前記基体に吐出して、複数の第1の薄膜を形成する第2の工程と、を含み、前記第2の工程において、前記複数の第1の薄膜の各々は、前記ノズルから吐出された前記少なくとも一つの材料あるいは前記前駆体が冷却され、前記基体上で液化又は固化することにより形成され、前記複数の第1の薄膜の各々は、前記複数の電子素子の一つの電子素子に含まれており、前記第2の工程を行っている期間において、前記基体は、1.33322×10 - Pa以下の真空度に調整されたチャンバー内に配置されていることを特徴とする。
本発明に係る第2の電子装置の製造方法は、複数の電子素子を基体上に備えた電子装置を製造する電子装置の製造方法であって、少なくとも一つの材料あるいは前記少なくとも一つの材料の前駆体を気化した状態で吐出するノズルに対して前記基体を水平方向及び鉛直方向に移動することを可能とし、かつ前記ノズルと前記基体との相対的な位置を決定する可動機構を用いて前記ノズルと前記基体との相対的な位置関係を予め設定する第1の工程と、前記第1の工程において予め設定されたとおりに、前記ノズルと前記基体とを相対的に移動させ、気化した状態の前記少なくとも一つの材料あるいは前記前駆体を前記基体の所定位置に吐出して、複数の第1の薄膜を形成する第2の工程を含み、前記第2の工程において、前記複数の第1の薄膜の各々は、前記ノズルから吐出された前記少なくとも一つの材料あるいは前記前駆体が冷却され、前記基体上で液化又は固化することにより形成され、前記複数の第1の薄膜の各々は、前記複数の電子素子の一つの電子素子に含まれており、前記第2の工程を行っている期間において、前記基体は、1.33322×10 - Pa以下の真空度に調整されたチャンバー内に配置されていることを特徴とする。
上記の電子装置の製造方法において、前記工程を行っている期間において、前記基体は、1.33322×10 - Pa以下の真空度に調整されたチャンバー内に配置されていてもよい。
上記の電子装置の製造方法において、前記複数の電子素子は、複数のダイオードあるいは複数のトランジスタであってもよい。
上記の電子装置の製造方法において、前記少なくとも一つの材料あるいは前記前駆体は、前記複数のトランジスタの各々のゲート電極を形成するための材料であってもよい。
上記の電子装置の製造方法において、前記少なくとも一つの材料は、半導体材料であってもよい。
上記の電子装置の製造方法において、前記少なくとも一つの材料は、絶縁材料であってもよい。
上記の電子装置の製造方法において、前記第2の工程において、前記少なくとも一つの材料あるいは前記前駆体は吐出の際に分子線状になることが好ましい。
上記の電子装置の製造方法において、前記第2の工程において、前記少なくとも一つの材料あるいは前記前駆体は、前記ノズルからキャリアガスと共に吐出されてもよい。
本発明に係る第3の電子装置の製造方法は、複数の電子素子を基体上に備えた電子装置の製造方法であって、第1の材料あるいは前記第1の材料の前駆体及び第2の材料あるいは前記第2の材料の前駆体を気化した状態で吐出する複数のノズルに対して前記基体を水平方向及び鉛直方向に移動することを可能とし、かつ前記複数のノズルと前記基体との相対的な位置を決定する可動機構を用いて前記複数のノズルと前記基体との相対的な位置関係を予め設定する第1の工程と、前記第1の工程において予め設定されたとおりに、前記複数のノズルと前記基体とを相対的に移動させつつ、前記第1の材料あるいは前記第1の 材料の前駆体及び前記第2の材料あるいは前記第2の材料の前駆体を複数のノズルから同時に吐出することにより、前記基体上に、各々が前記第1の材料及び前記第2の材料を含む複数の薄膜を形成する第2の工程を含み、前記第2の工程において、前記複数の第1の薄膜の各々は、前記複数のノズルから吐出された前記第1の材料あるいは前記第1の材料の前駆体及び前記第2の材料あるいは前記第2の材料の前駆体が冷却され、前記基体上で液化又は固化することにより形成され、前記複数の薄膜の各々は、前記複数の電子素子の一つの電子素子に含まれることを特徴とする。
上記の電子装置の製造方法において、前記第2の工程は、前記基体が1.33322×10 -1 Pa以下の真空度に調整されたチャンバー内に配置された状態で行われてもよい。
上記の電子装置の製造方法において、前記第1の材料及び前記第2の材料は前記複数の薄膜の各々においてそれぞれホスト材料及びゲスト材料として機能するようにしてもよい。
上記の電子装置の製造方法において、前記複数の電子素子の各々は、有機エレクトロルミネッセンス素子であってもよい。
上記の電子装置の製造方法において、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層は前記第1の材料と前記第2の材料とを含み、前記第1の材料及び前記第2の材料は、それぞれ、発光物質と、前記発光物質のホストとして機能するようにしてもよい。
上記の電子装置の製造方法において、前記電子装置は、電気光学装置であってもよい。
上記の電子装置の製造方法において、前記電子装置は、液晶装置、電気泳動装置及び有機エレクトロルミネッセンス装置のいずれかであってもよい。
本発明に係る電子素子の製造方法は、導電材料、半導体材料、絶縁材料のうちの少なくとも一つの材料を備えた電子素子の製造方法であって、実質的に真空に調整された真空雰囲気中に基体を配置し、前記材料のうちの少なくとも一つあるいは前記材料の前駆体のうちの少なくとも一つをノズルから前記真空雰囲気中に吐出し、前記基体上の所定位置に前記少なくとも一つの材料を配置することを特徴としている。
【0005】
この電子素子の製造方法によれば、導電材料、半導体材料、絶縁材料のうちの少なくとも一つあるいはこれら材料の前駆体のうちの少なくとも一つをノズルから真空雰囲気中に吐出するので、前記材料あるいは前駆体を例えば気化した状態で、かつ理想的には分子線状に吐出することができる。したがって、前記材料あるいは前駆体として特に制限されることなく自由に選択して用い、前記材料を配置することができる。また、前記材料あるいは前駆体を基体上の所定位置に配置することにより、マスクを必要とすることなくパターニングを行うことができる。
【0006】
前記の電子素子の製造方法においては、電子素子がダイオードであるのが好ましい。
このようにすれば、ダイオードの形成材料についての選択自由度を高めることができる。
【0007】
前記の電子素子の製造方法においては、電子素子がトランジスタであるのが好ましい。
このようにすれば、トランジスタの形成材料についての選択自由度を高めることができる。
【0008】
前記の電子素子の製造方法においては、前記材料のうちの少なくとも一つあるいは前記材料の前駆体のうちの少なくとも一つがゲート電極形成用の材料であり、基体上の所定位置に該材料を配置することによりゲート電極を形成するのが好ましい。
このようにすれば、ゲート電極の形成材料についての選択自由度を高めることができる。
【0009】
前記の電子素子の製造方法においては、前記材料のうちの少なくとも一つあるいは前記材料の前駆体のうちの少なくとも一つが半導体材料であり、基体上の所定位置に該材料を配置することにより半導体層を形成するのが好ましい。
このようにすれば、半導体層の形成材料についての選択自由度を高めることができる。
【0010】
前記の電子素子の製造方法においては、前記半導体材料が有機半導体材料であるのが好ましい。
このようにすれば、半導体層の形成材料についての選択自由度を高めることができる。
【0011】
前記の電子素子の製造方法においては、前記材料のうちの少なくとも一つあるいは前記材料の前駆体のうちの少なくとも一つが絶縁材料であり、基体上の所定位置に該材料を配置することによりゲート絶縁膜を形成するのが好ましい。
このようにすれば、ゲート絶縁膜の形成材料についての選択自由度を高めることができる。
【0012】
本発明の回路基板の製造方法では、前記の電子素子の製造方法によって電子素子を複数形成することを特徴としている。
この回路基板の製造方法によれば、材料あるいはその前駆体として特に制限されることなく自由に選択して用い、前記材料を配置することができる。また、材料あるいは前駆体を基体上の所定位置に配置することにより、マスクを必要とすることなくパターニングを行うことができる。
【0013】
本発明の電子装置の製造方法では、前記の電子素子の製造方法を用いることを特徴としている。
この電子装置の製造方法によれば、材料あるいはその前駆体として特に制限されることなく自由に選択して用い、前記材料を配置することができる。また、材料あるいは前駆体を基体上の所定位置に配置することにより、マスクを必要とすることなくパターニングを行うことができる。
【0014】
本発明の電気光学装置の製造方法では、前記の電子素子の製造方法を用いることを特徴としている。
この電気光学装置の製造方法によれば、材料あるいはその前駆体として特に制限されることなく自由に選択して用い、前記材料を配置することができる。また、材料あるいは前駆体を基体上の所定位置に配置することにより、マスクを必要とすることなくパターニングを行うことができる。
【0015】
前記の電気光学装置の製造方法では、この電気光学装置が液晶素子を備えてなるのが好ましい。
このようにすれば、液晶素子を備えてなる電気光学装置の、材料の選択自由度を高めることができる。
【0016】
前記の電気光学装置の製造方法では、この電気光学装置が電気泳動素子を備えてなるのが好ましい。
このようにすれば、電気泳動素子を備えてなる電気光学装置の、材料の選択自由度を高めることができる。
【0017】
前記の電気光学装置の製造方法では、この電気光学装置が有機EL素子を備えてなるのが好ましい。
このようにすれば、有機EL素子を備えてなる電気光学装置の、材料の選択自由度を高めることができる。
【0018】
前記の、有機EL素子を備えてなる電気光学装置の製造方法では、前記材料のうちの少なくとも一つあるいは前記材料の前駆体のうちの少なくとも一つが有機EL素子における発光層、正孔注入層、正孔輸送層のうちの少なくとも一つの形成材料であり、基体上の所定位置に該材料を配置することにより有機EL素子を形成するのが好ましい。
このようにすれば、発光層、正孔注入層、正孔輸送層のうちの少なくとも一つの形成材料について、その選択自由度を高めることができる。
【0019】
本発明の電気光学装置では、前記の電気光学装置の製造方法によって得られることを特徴としている。
この電気光学装置によれば、導電材料、半導体材料、絶縁材料のうちの少なくとも一つあるいはこれら材料の前駆体のうちの少なくとも一つが、ノズルから真空雰囲気中に吐出されることにより、導電材料、半導体材料、絶縁材料のうちの少なくとも一つの材料が基体上の所定位置に配置されてなるので、前記材料あるいは前駆体が特に制限されることなく自由に選択して用いられることにより、材料の選択自由度が高いものとなる。
【0020】
本発明の電子機器では、前記の電気光学装置を表示手段として備えてなることを特徴としている。
この電子機器によれば、表示手段とする電気光学装置が、これを製造する際にその材料の選択自由度が高いものとなる。
【0021】
本発明のパターニング装置では、実質的に真空に調整される真空チャンバーと、導電材料、半導体材料、絶縁材料のうちの少なくとも一つの材料を吐出するノズルと、パターニングされる基体を載置するステージとを備えてなり、前記ノズルとステージ上の基体との位置を相対的に移動させる可動機構を備えたことを特徴としている。
このパターニング装置によれば、真空チャンバー内に材料を吐出することにより、この材料を容易にかつ安定して吐出することができる。したがって、可動機構によってノズルと基体との相対的な位置を移動させつつ、前記材料あるいはその前駆体を基体上に射出することにより、マスクを特に必要とすることなくパターニングを行うことができ、また、前記材料あるいは前駆体として特に制限されることなくこれを自由に選択して用いることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明のパターニング装置の概略構成を示す図であり、図1中符号1はパターニング装置である。このパターニング装置1は、真空チャンバー2と、この真空チャンバー2に取り付けられたノズル3と、真空チャンバー2内に設けられたステージ4とを備えて構成されたものである。
【0023】
真空チャンバー2は、配管5を介して真空装置6に接続されたもので、その内部空間にステージ4を配設し、また被パターニング体となる基体Sの出し入れを行うためのドア(図示せず)を気密に取り付けたものである。なお、配管5は、その端部が真空チャンバー2内に開口しており、これによって後述する真空装置の作動により、真空チャンバー2内を排気して高真空雰囲気にし得るようになっている。
【0024】
真空装置6は、分子ターボポンプやロータリーポンプなどが組み合わされたことによってチャンバー2内を高真空度に調整可能となるよう構成されたものである。ここで、真空チャンバー2内は、真空装置6によって好ましくは10-3torr(1.33322×10-1Pa)以下、より好ましくは10-5torr(1.33322×10-3Pa)以下の高真空雰囲気に調整されるようになっている。真空雰囲気を10-3torr以下にすれば、例えば吐出されにくい材料についてもこれを容易に吐出することができ、10-5torr以下にすれば、さらに多くの種類の材料を吐出可能にできるとともに、吐出する材料を気化させてこれを分子線状にし易くすることができる。なお、この真空装置6については、この装置を構成するポンプの振動が真空チャンバー2内に伝播しないよう、これらポンプを真空チャンバー2から十分に離しておくか、あるいはポンプ等に除振機能を付加させておくのが好ましい。
【0025】
ノズル3は、ノズル孔3aを形成した先端側が真空チャンバー2内に配置され、その後端側が真空チャンバー2の外側にて材料供給源となる材料供給室7に接続されたもので、さらにこの材料供給室7にはキャリアガス供給源8が接続されている。材料供給室7は、パターニング材料を収納保持するためのもので、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層や電子輸送層、正孔輸送層などの形成材料を、セルやルツボなどの保持具(図示せず)に保持した状態でこれを収納するものである。この材料供給室7には、前記保持具内に保持された形成材料を加熱してこれを液化させ、あるいは気化させるための加熱手段9が設けられている。加熱手段9としては、一般的な電気ヒータやYAGレーザ等のレーザ、高周波加熱装置などが採用可能であり、材料に応じて、すなわち常温で液体か固体か、さらにはその沸点の高さなど気化し易さの度合いに応じて適宜に選択される。
【0026】
キャリアガス供給源8は、主にヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガスをキャリアガスとして材料供給室7に圧送するものである。なお、材料によっては、これと反応する反応性ガスをキャリアガスとして材料供給室7に圧送するようにしてもよい。材料供給室7に圧送されるキャリアガスは、材料供給源7内にて液化しあるいは気化している材料を後述する吐出機構側に同伴するものである。ここで、材料供給室7内での材料の調製、すなわち材料を液体の状態にするか気体の状態にするかといった調製については、後述するノズル3の吐出機構との関係で適宜に選択され、前記加熱手段9による加熱の度合いなどが決定されるようになっている。なお、ノズル3の吐出機構によっては、キャリアガス供給源8からのキャリアガスを使用することなく、材料を真空チャンバー2内に吐出するようにしてもよい。
【0027】
ノズル3には、その先端部に吐出機構10が設けられている。この吐出機構10は、特に限定されることなく種々のタイプのものが使用可能である。例えば、一般的なメカニカルシャッターによる機構や、さらには帯電制御型、加圧振動型といった連続方式による機構、電気機械変換式(いわゆるピエゾタイプ)、電気熱変換方式、静電吸引方式といったオンデマンド方式による機構などが採用可能である。
【0028】
ここで、メカニカルシャッターによる機構とは、ノズル孔3aにシャッター(図示せず)を設けておき、これを機械的に開閉することで、キャリアガスに同伴され圧送されてきた材料を間欠的(パルス的)に吐出するようにしたものである。なお、キャリアガスを用いることなく、ノズル孔3aの外側となる真空チャンバー2内とノズル3内との圧力差により、シャッターの開閉に伴ってノズル3内の材料を自発的にノズル孔3aより吐出させるような構成としてもよい。
【0029】
帯電制御型とは、送られてきた材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御してノズル孔3aから吐出させるようにしたものである。また、加圧振動型とは、材料に30kg/cm2 程度の超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるもので、制御電圧をかけない場合に材料が直進してノズル孔3aを吐出し、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料を飛散させてノズル孔3aを通過しないようにしたものである。
【0030】
また、電気機械変換方式とは、ピエゾ素子がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出してノズル孔3aから吐出させるようにしたものである。ここで、材料を貯留する空間については、例えば材料供給室7の内部空間に連通する微小な材料貯留空間を形成するようにすればよい。
【0031】
また、電気熱変換方式とは、一般には材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるようにしたものである。なお、本発明においては、これを加熱手段として用いることができる。
静電吸引方式とは、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すようにしたものである。
なお、これら帯電制御型、加圧振動型、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式といった各機構については、先のメカニカルシャッターによる機構を併用して用いることにより、材料の吐出制御をより確実に行うようにし、または間欠的な吐出を確実に行うようにしてもよい。
【0032】
ステージ4は、前記ノズル孔3aの直下に配置されたもので、例えば後述するように有機エレクトロルミネッセンス素子等からなる電気光学装置作製用の基体Sを保持固定するものである。このステージ4には、保持固定した基体Sを前記ノズル孔3aに対してX方向、Y方向及びZ方向に移動可能にする可動機構11が設けられている。すなわち、この可動機構11は、ノズル孔3aに対して基体Sをその鉛直方向(Z方向)に移動可能かつ位置決めするZ可動部(図示せず)と、ステージ4をノズル孔3aに対して水平方向(X方向、Y方向)にそれぞれ移動させかつ位置決めするX可動部(図示せず)及びY可動部(図示せず)とを備えてなるもので、これらの可動部の動作をそれぞれ制御部(図示せず)で設定したとおりに制御できるように構成されたものである。なお、これらX可動部、Y可動部及びZ可動部は、例えばリニアモータによって構成されたものとなっている。
また、このステージ4には、その載置面側に水冷式等の温度調整手段(図示せず)が設けられており、これによってステージ4上の基体Sを所望温度に調整できるようになっている。
【0033】
次に、このような構成のパターニング装置1によるパターニングを、電子素子の製造に適用した例について説明する。なお、ここで説明する例は、電子素子としての薄膜トランジスタ(TFT)や容量素子の製造方法と、これら電子素子を複数形成してなる回路基板(本発明においては電子装置ともなる)の製造方法についての一例であり、具体的には、図2に示すように同一基板上にドライバー回路と画素部とを一体形成してなる液晶装置(電気光学装置)用のアクティブマトリクス型回路基板の製造方法についてである。ここで、図2においては、ドライバー回路を構成する基本回路としてCMOS回路を示し、画素薄膜トランジスタ(TFT)としてダブルゲート構造のTFTを示している。
【0034】
まず、この製造方法によって得られる回路基板(電子装置)について、図2を参照してその概略構成を説明する。
図2において符号101は耐熱性を有する基板であり、この基板101には、石英基板、シリコン基板、セラミックス基板、金属基板(代表的にはステンレス基板)等が用いられている。ただし、いずれの基板が用いられていても、必要に応じて下地膜(好ましくは珪素を主成分とする絶縁膜)が設けられる。符号102は下地膜として設けられた酸化珪素膜であり、その上にドライバーTFTの活性層、画素TFTの活性層および保持容量(容量素子)の下部電極となる半導体層が形成されている。
【0035】
ドライバーTFTの活性層は、Nチャネル型TFT(以下、NTFTという)のソース領域103、ドレイン領域104、LDD(ライトドープトドレイン)領域105およびチャネル形成領域106、並びにPチャネル型TFT(以下、PTFTという)のソース領域107、ドレイン領域108およびチャネル形成領域109で形成されている。
また、画素TFT(ここではNTFTを用いる。)の活性層は、ソース領域110、ドレイン領域111、LDD領域112a、112bおよびチャネル形成領域113a、113bで形成されている。さらに、ドレイン領域111から延長された半導体層が、保持容量の下部電極114として用いられている。
【0036】
なお、図2では下部電極114が画素TFTのドレイン領域111と直接的に接続されているが、間接的に接続させて下部電極114とドレイン領域111とが電気的に接続するような構造としてもよい。この下部電極114には、半導体層に対して公知のドープ元素が添加されている。そして、活性層および保持容量の下部電極を覆ってゲート絶縁膜が形成されている。また、本例では、保持容量の誘電体118が、画素TFTのゲート絶縁膜117よりも薄く形成される。
【0037】
このように、保持容量の下部電極114にドープ元素を含有させて下部電極114の低抵抗化を図り、さらに保持容量の誘電体を薄くすることで、容量を形成する面積を大きくすることなくキャパシティを稼ぐことができる。
また、ここでは、画素TFTのゲート絶縁膜117とドライバーTFTのゲート絶縁膜115、116については同じ膜厚の同一絶縁膜としたが、例えば、回路特性に応じて同一基板上に異なるゲート絶縁膜を有するTFTが少なくとも二種類以上存在する構成としてもよい。
【0038】
ゲート絶縁膜115、116、117の上にはドライバーTFTのゲート配線(ゲート電極)119、120と、画素TFTのゲート配線(ゲート電極)121が形成されている。また、同時に保持容量の誘電体118の上には保持容量の上部電極122が形成されており、これによって前記下部電極114、誘電体118、上部電極122により、保持電極(容量素子)が構成されている。ゲート配線119〜121および保持容量の上部電極122の形成材料としては、800〜1150℃(好ましくは900〜1100℃)の温度に耐える耐熱性を有する導電膜が用いられている。具体的には、導電性を有する珪素膜(例えばリンドープシリコン膜、ボロンドープシリコン膜等)や金属膜(例えばタングステン膜、タンタル膜、モリブデン膜、チタン膜等)、さらには前記金属膜をシリサイド化したシリサイド膜、窒化した窒化膜(窒化タンタル膜、窒化タングステン膜、窒化チタン膜等)などが用いられ、これらは単層構造としても複数種のものを組み合わせた積層構造としてもよい。前記金属膜を用いる場合には、金属膜の酸化を防止するために珪素膜との積層構造とすることが望ましい。また、酸化防止という意味では、金属膜を窒化珪素膜で覆った構造が有効である。図2では、窒化珪素膜123を設けてゲート配線119〜121及び上部電極122の酸化を防止している。
【0039】
また、符号124は第1層間絶縁膜であり、珪素を含む絶縁膜(単層または積層)で形成されている。珪素を含む絶縁膜としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜(酸素よりも窒素の含有量の方が多い)、窒化酸化珪素膜(窒素よりも酸素の含有量の方が多い)が用いられる。この第1層間絶縁膜124にはコンタクトホールが設けられており、ドライバーTFTのソース配線(ソース電極)125、126、ドレイン配線(ドレイン電極)127、および画素TFTのソース配線(ソース電極)128、ドレイン配線(ドレイン電極)129が形成されている。その上にはパッシベーション膜130、第2層間絶縁膜131が形成され、さらにその上にはブラックマスク(遮光膜)132が形成されている。また、ブラックマスク132の上には第3層間絶縁膜133が形成され、コンタクトホールを設けた後、画素電極134が形成されている。
【0040】
なお、図2では第2層間絶縁膜131上にはブラックマスク(遮光膜)132が形成されているが、特に限定されず、必要に応じて形成すればよい。例えば、対向基板に遮光膜を設ける構成としてもよいし、各TFTの下にゲート配線と同様の材料を用いた遮光膜を設けるような構造としてもよい。
第2層間絶縁膜131や第3層間絶縁膜133としては、比誘電率の小さい樹脂膜が好適に用いられ、具体的には、ポリイミド膜、アクリル膜、ポリアミド膜、BCB(ベンゾシクロブテン)膜などが用いられる。
【0041】
また、画素電極134としては、透過型の液晶装置を作製するのであればITO膜に代表される透明導電膜が、反射型の液晶装置を作製するのであればアルミニウム膜に代表される反射率の高い金属膜が用いられる。
なお、図2では画素電極134がドレイン電極129を介して画素TFTのドレイン領域111と電気的に接続されているが、画素電極134とドレイン領域111とが直接的に接続するような構造としてもよい。
【0042】
次に、このような構成の回路基板(電子装置)の製造方法を説明する。なお、基本的には図2に示した回路基板を形成するものの、各構成要素の符号については、説明の便宜上、図2に示した符号とは異なる符号を用いて説明する。
まず、図3(a)に示すように基板として石英基板201を用意し、その上に20nm厚の酸化珪素膜(下地膜)202と非晶質珪素膜(図示せず)とを大気開放しないまま連続的に成膜する。こうすることで非晶質珪素膜の下表面に大気中に含まれるボロン等の不純物が吸着することを防ぐことができる。なお、本例では非晶質珪素(アモルファスシリコン)膜を用いたが、他の半導体膜であっても構わない。微結晶質珪素(マイクロクリスタルシリコン)膜でもよいし、非晶質シリコンゲルマニウム膜でもよい。また、下地膜及び半導体膜の形成方法としては、PCVD法、LPCVD法またはスパッタ法等を用いることができるが、図1に示したパターニング装置1を用いた成膜法を採用することもできる。
【0043】
次に、非晶質珪素膜の結晶化を行う。本例では結晶化手段として、特開平9−312260号公報に記載された技術を用いた。同公報に記載された技術は、珪素膜の結晶化を助長する触媒元素としてニッケル、コバルト、パラジウム、ゲルマニウム、白金、鉄、銅から選ばれた元素を用いている。すなわち、触媒元素としてニッケルを選択し、非晶質珪素膜上にニッケルを含んだ層を形成し、550℃、14時間の熱処理を行って結晶化した。そして、形成された結晶質珪素(ポリシリコン)膜をパターニングして、ドライバーTFTの半導体層203、画素TFTの半導体層204を形成した。
なお、ドライバーTFTおよび画素TFTの半導体層を形成する前後に、結晶質珪素膜に対してTFTのしきい値電圧を制御するための不純物元素(リンまたはボロン)を添加してもよい。この工程はNTFTまたはPTFTのみに行ってもよいし、双方に行ってもよい。
【0044】
次いで、図3(b)に示すように、活性層203a、204aの上にレジストマスク205a、205bを形成し、ドープ元素としてリンの添加を行う。添加するリンの濃度は、5×1018〜1×1020atoms/cm3 とするのが好ましい。このようにして、リンが添加されてなる領域(以下、リンドープ領域という)203b、204bが形成される。
レジストマスク205aについては、後にドライバーTFTのソース領域またはドレイン領域となる領域の一部(または全部)を露出させるようにして形成配置する。また、同様にレジストマスク205bについても、後に画素TFTのソース領域またはドレイン領域の一部(または全部)を露出させるようにして形成配置する。このとき、保持容量の下部電極となる領域にはレジストマスクを配置しないため、リンが全面的に添加され、リンドープ領域204bとなる。
なお、レジストマスク205a、205bを形成する前に活性層表面を酸化しておくことが好ましい。酸化珪素膜を設けておくことで、活性層とレジストマスクとの密着性を高められる他、活性層が有機物で汚染されることを防げる。
【0045】
次に、図3(c)に示すようにレジストマスク205a、205bを除去し、500〜650℃の熱処理を2〜16時間加え、珪素膜の結晶化に用いた触媒元素のゲッタリングを行う。ゲッタリング作用を奏するためには熱履歴の最高温度から±50℃程度の温度が必要であるが、結晶化のための熱処理が550〜600℃で行われるため、500〜650℃の熱処理で十分にゲッタリング作用を奏することができる。
本例では、600℃、8時間の熱処理を加えることにより、触媒元素(ニッケル)を矢印方向に移動させ、リンドープ領域203b、204bに含まれるリンによりゲッタリングして捕獲した。このようにしてゲッタリング領域(リンドープ領域203b、204bに対応する領域)が形成され、また、これによって203a、204aで示した領域に含まれるニッケルの濃度は十分に低減される。なお、このゲッタリング領域は、保持容量の下部電極として残り、ドライバーTFT及び画素TFTのソース領域またはドレイン領域の一部または全部として残る。
【0046】
次に、図3(d)に示すようにゲート絶縁膜206を形成する。このゲート絶縁膜206の形成方法としては、図1に示したパターニング装置1を用いる方法が好適に採用される。
すなわち、前記基板201を図1に示した真空チャンバー2内に入れ上面側を上に向けた状態でステージ4上に載置し、さらにここに保持固定するとともに、真空装置14を作動させて真空チャンバー4内を真空雰囲気としておく。また、必要に応じて温度調整手段(図示せず)でステージ4上の基板201を所望温度(ノズル孔3aから例えば気化した状態で射出されてきた形成材料を十分に冷却して、液化あるいは固化し得る温度)に調整しておく。また、予め材料供給室7内の保持具に保持させておいたゲート絶縁膜206の形成材料を加熱手段9によって所定温度にまで加熱しておく。
【0047】
ここで、ゲート絶縁膜206の形成材料としては、酸化珪素が好適に用いられるが、酸化珪素に加えて窒化珪素を用いるようにしてもよい。その場合、酸化珪素からなる膜の上に窒化珪素からなる膜を設けた積層構造としてもよく、また、酸化珪素に窒素を添加した酸化窒化珪素膜としてもよい。
このような形成材料を前述したように加熱手段9で所定温度にまで加熱したら、キャリアガス供給源8からヘリウム等のキャリアガスを材料供給室7に導入するとともに、前記吐出機構10を作動させて形成材料をキャリアガスに同伴させた状態でノズル孔3aから真空チャンバー2内に吐出させる。すると、ほぼ常圧にあるノズル3内より十分に低い圧力雰囲気である真空チャンバー2内に形成材料が吐出されることにより、この形成材料は気化した状態で吐出されることになる。なお、真空チャンバー2が特に高い真空度にある理想的な場合には、形成材料が分子線状に吐出されることもある。
【0048】
したがって、制御部によって可動機構11の動作を制御し、これによりノズル孔3aと基板201との相対的な位置関係を予め設定したとおりに移動させることにより、この形成材料を基板201上の所定位置に所望量射出することができる。このようにして形成材料を基板201上に射出すると、この形成材料は基板201の温度にまで冷却されることにより、固化してここに固定される。なお、ゲート絶縁膜206の形成については、パターニング装置1による方法に代えて、プラズマCVD法やスパッタ法で行うようにしてもよい。このようにして形成されるゲート絶縁膜206は、画素TFTのゲート絶縁膜として機能するものとなり、膜厚は例えば50〜200nm程度に形成される。
【0049】
ゲート絶縁膜206を形成したら、これを真空チャンバー2から取り出し、図3(e)に示すようレジストマスク(図示せず)を設けてゲート絶縁膜を選択的に除去する。このとき、画素TFTの上にゲート絶縁膜206を残し、ドライバーTFTおよび保持容量となる領域の上は除去する。
次いで、800〜1150℃(好ましくは900〜1100℃)の温度で15分〜8時間(好ましくは30分〜2時間)の熱処理工程を、酸化性雰囲気下で行う(熱酸化工程)。この熱処理工程では、活性層の結晶粒内の欠陥等が修復されるという効果が得られるため、極めて良好な結晶性を有する結晶質珪素膜が形成される。
なお、酸化性雰囲気としては、ドライ酸素雰囲気でもウェット酸素雰囲気でもよいし、酸素雰囲気中にハロゲン元素を含ませた雰囲気でもよい。ハロゲン元素を含ませた雰囲気による熱酸化工程とした場合、ニッケルを除去する効果も期待できるので有効である。
【0050】
こうして熱酸化工程を行うことにより保持容量となる領域において露出した半導体層の表面には、図4(a)に示すように厚さ5〜50nm程度の酸化珪素膜(熱酸化膜)207が形成される。最終的に、酸化珪素膜207は保持容量の誘電体として機能し、酸化珪素膜206は画素TFT及びドライバーTFTのゲート絶縁膜として機能する。
なお、簡略化のため図示しないが、画素TFT及びドライバーTFTに残存した酸化珪素膜からなるゲート絶縁膜206と、その下の半導体層203、204との界面においても酸化反応が進行する。そのため、最終的に画素TFTのゲート絶縁膜206の膜厚は50〜200nm程度となる。
【0051】
こうして熱酸化工程を終了したら、次に、図4(b)に示すようにドライバーTFTのゲート配線(ゲート電極)209(NTFT側)、210(PTFT側)、画素TFTのゲート配線(ゲート電極)211、保持容量の上部配線(上部電極)212を形成する。これらの各配線(電極)の形成についても、図1に示したパターニング装置1を用いる方法が好適に採用される。
すなわち、酸化珪素膜207を形成した基板201を図1に示した真空チャンバー2内に入れてステージ4上に載置し、先にゲート絶縁膜206を形成した場合と同様にして配線(電極)材料、すなわち導電材料をステージ4上の基板201に吐出し、各ゲート配線209〜211、上部配線212を形成する。このとき、制御部によって可動機構11の動作を制御し、ノズル孔3aと基板201との相対的な位置関係を予め設定したとおりに移動させることにより、各配線材料を基板201上の所定位置に所望量射出することができ、したがってフォトリソグラフィー工程等を必要とすることなく、各配線のパターニングを行ってゲート配線209〜211、上部配線212をそれぞれ形成することができる。
【0052】
このようにして各配線が形成され、特に上部配線212が形成されることにより、この上部配線212と前記のリンドープ領域204b、および酸化珪素膜207とから、本発明の電子素子となる容量素子が形成される。
配線(電極)材料、すなわち導電材料としては、導電性を有する珪素(例えばリンドープシリコン、ボロンドープシリコン等)や金属(例えばタングステン、タンタル、モリブデン、チタン等)、さらには該金属をシリサイド化した金属シリサイド、窒化した窒化金属(窒化タンタル、窒化タングステン、窒化チタン等)などが用いられる。また、これら材料は、単一の材料からなる単層構造、あるいは複数種の材料からなる積層構造のいずれにも形成可能である。
【0053】
なお、これらゲート配線209〜211、上部配線212に形成にあたっても、減圧熱CVD法等を採用することができる。
また、ゲート配線211は画素TFTがダブルゲート構造であるためゲート配線を2本記載しているが、実際には同一配線である。
また、ゲート配線209〜211および保持容量の上部配線212として、下層から珪素膜/窒化タングステン膜/タングステン膜(または下層から珪素膜/タングステンシリサイド膜)という積層膜を用いることもでき、これ以外の導電膜を用いることもできる。
【0054】
次いで、ゲート配線209〜211および保持容量の上部配線212を覆って25nm程度の厚さの窒化珪素膜213を形成する。この窒化珪素膜213の形成についても、前記の図1に示したパターニング装置1を用いる方法が採用可能であり、また、CVD法等の従来からの方法も採用可能である。この窒化珪素膜213は、ゲート配線209〜211および保持容量の上部配線212の酸化を防ぐと同時に、後に珪素膜でなるサイドウォールを除去する際にエッチングストッパーとして機能するものとなる。
このとき、窒化珪素膜213を形成する前処理として、水素を含むガス(例えばアンモニアガス)を用いたプラズマ処理を行うことは有効である。この前処理によりプラズマによって活性化した(励起した)水素が活性層(半導体層)内に閉じこめられるため、効果的に水素終端が行われる。
さらに、水素を含むガスに加えて亜酸化窒素ガスを加えると、発生した水分によって被処理体の表面が洗浄され、特に大気中に含まれるボロン等による汚染を効果的に防ぐことができる。
【0055】
次いで、非晶質珪素膜(図示せず)を形成し、塩素系ガスによる異方性エッチングを行って図4(c)に示すようにサイドウォール214〜218を形成する。サイドウォール214〜218を形成したら、半導体層203、204に対し、ドープ元素としてリンの添加を行う。この時、ゲート配線209〜211、保持容量の上部電極212およびサイドウォール214〜218がマスクとなり、自己整合的に不純物領域219〜223が形成される。不純物領域219〜223に添加するリンの濃度については、5×1019〜1×1021atoms/cm3 となるように調節する。なお、リンの添加工程は、質量分離を行うイオンインプランテーション法を用いてもよいし、質量分離を行わないプラズマドーピング法を用いてもよい。また、本例ではサイドウォールを用いて不純物の添加を行ったが特に限定されず、サイドウォールに代えて、フォトマスクを用いたレジストマスクを用いてもよい。
【0056】
次いで、図4(d)に示すようにサイドウォール214〜218を除去し、再びリンの添加工程を行う。この工程は先のリンの添加工程よりも低いドーズ量で添加する。こうして先にはサイドウォール214〜218がマスクとなってリンが添加されなかった領域に、低濃度不純物領域が形成される。この低濃度不純物領域に添加されるリンの濃度は、5×1017〜5×1018atoms/cm3 となるように調節する。
また、図4(c)に示した工程と同様に、リンの添加工程は質量分離を行うイオンインプランテーション法を用いてもよいし、質量分離を行わないプラズマドーピング法を用いてもよい。
【0057】
この工程によりCMOS回路を形成するNTFTのソース領域224、LDD領域225、チャネル形成領域226が形成される。また、画素TFTのソース領域227、ドレイン領域228、LDD領域229a、229b、チャネル形成領域230a、230bが形成され。さらに、保持容量の下部電極231が形成される。また、CMOS回路のPTFTとなる領域にもNTFTと同様に低濃度不純物領域232が形成される。
【0058】
次いで、図5(a)に示すようにCMOS回路のPTFTとなる領域以外をレジストマスク233、234で覆い、ドープ元素としてボロンの添加を行う。この工程では、既に添加されているリンより高濃度の不純物領域を形成するようなドーズ量で添加する。具体的には、1×1020〜3×1021atoms/cm3 の濃度でボロンが添加されるように調節する。その結果、PTFTとなる領域に形成されていたN型導電性を呈する不純物領域は、全てボロンによって導電型が反転し、P型導電性を呈する不純物領域となる。
もちろん、ボロンの工程も質量分離を行うイオンインプランテーション法を用いてもよいし、質量分離を行わないプラズマドーピング法を用いてもよい。また、加速電圧やドーズ量の条件等は実施者が最適値を設定すればよい。
【0059】
この工程により、CMOS回路を構成するPTFTのソース領域235、ドレイン領域236、チャネル形成領域237が形成される。また、CMOS回路のNTFTのドレイン領域238が形成される。
なお、前記ドーピング順序は本例に限定されず、例えば図4(b)に示した工程後、サイドウォール214〜218の形成工程に先立ってリンを添加して低濃度不純物領域を形成する工程を行ってもよい。また、このリンの添加工程は、保持容量となる領域と、ゲート絶縁膜の膜厚が厚いドライバーTFTおよび画素TFTとなる領域とで分けて行ってもよい。
【0060】
このようにして全ての不純物領域を形成し終えたら、図5(b)に示すようにレジストマスク233、234を除去する。そして、添加した不純物の活性化をレーザー光または熱処理によって行い、チャネル形成領域239〜241、ソース領域243〜245、ドレイン領域246〜248を形成する。活性化を行うだけであれば、300〜700℃の温度範囲で2時間程度で十分であるが、ここでは、750〜1150℃の温度範囲で20分〜12時間の熱処理工程を行う。この工程は、各不純物領域に添加されたリンまたはボロンを活性化すると同時に、チャネル形成領域に残存していたニッケル(結晶化時に用いた触媒元素)をリンのゲッタリング作用によってソース領域およびドレイン領域へと再度ゲッタリングする工程を兼ねたものとなっている。
【0061】
次いで、図5(c)に示すように酸化珪素膜からなる第1層間絶縁膜249を形成する。この第1層間絶縁膜249の形成についても、前記の図1に示したパターニング装置1を用いる方法が採用可能であり、また、CVD法等の従来からの方法も採用可能である。そして、この第1層間絶縁膜249にコンタクトホールを形成し、その後、該コンタクトホールに埋め込んだ状態でソース配線250〜252、ドレイン配線253、254を形成する。これら配線についても、前記の図1に示したパターニング装置1を用いる方法が採用可能であり、この方法を用いれば、特にコンタクトホール内への配線材料の埋め込みが容易になる。すなわち、予め可動機構11によってパターニング装置1のノズル孔3aをコンタクトホールに対向させておき、その状態で配線材料を吐出することにより、気化した配線材料がコンタクトホール内に良好に入り込むからである。なお、このようにして形成するソース配線250〜252、ドレイン配線253、254については、例えばアルミニウムを主成分とする導電膜をチタン膜で挟んだ積層膜で形成するのが好ましく、その場合に、積層構造に合わせて材料を変え、パターニング装置1のノズル3からの吐出を行うようにする。
【0062】
ここで、前記ドレイン配線253は、CMOS回路を形成するNTFTおよびPTFTに共通の配線として用いられる。また、前述のようにソース領域およびドレイン領域には高濃度にニッケルが含まれるため、ソース配線およびドレイン配線との良好なオーミックコンタクトが実現できる。このように各配線250〜252、253、254を形成することにより、本発明の電子素子となるドライバーTFTおよび画素TFTが形成される。
その後、パッシベーション膜255を形成する。パッシベーション膜255としては、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、またはこれらの絶縁膜と酸化珪素膜との積層膜を用いることができる。このようなパッシベーション膜255の形成にあたっても、前記の図1に示したパターニング装置1を用いる方法が採用可能である。
【0063】
なお、窒化珪素膜を形成する前処理として、アンモニアガスを用いたプラズマ処理を行い、その後パッシベーション膜255を形成するようにしてもよい。このような前処理を行うと、プラズマで活性化した(励起した)水素がパッシベーション膜255によって閉じこめられるため、TFTの活性層(半導体層)の水素終端が促進される。さらに、水素を含むガスに加えて亜酸化窒素ガスを加えると、発生した水分によって被処理体の表面が洗浄され、特に大気中に含まれるボロン等による汚染を効果的に防ぐことができる。
【0064】
次いで、第2層間絶縁膜256として例えば1μm厚のアクリル膜を形成する。そして、その上にチタン膜を200nmの厚さに形成してパターニングを行い、ブラックマスク257を形成する。ここで、これら第2層間絶縁膜256やブラックマスク257の形成にあたっても、前記の図1に示したパターニング装置1を用いる方法が採用可能である。その場合、特にブラックマスク257の形成にあたっては、フォトリソグラフィー工程やエッチング工程を必要とすることなく、直接パターニングを行うことができる。
その後、第3層間絶縁膜258として再びアクリル膜を形成してコンタクトホールを形成し、ITO膜でなる画素電極259を形成することにより、回路基板が得られる。なお、この画素電極259の形成にあたっても、前記の図1に示したパターニング装置1を用いる方法が採用可能である。
【0065】
また、この回路基板上に公知の液晶セルを設けて液晶素子を形成することにより、本発明において電気光学装置として定義される液晶装置となる。図6は、このような液晶素子を形成するための液晶セルの構造を説明するための図であり、図6中符号260は対向基板である。この対向基板260は、前記の回路基板(図示せず)と反対の側に配置されるもので、ガラス基板や石英基板等の透明基板からなるものである。この対向基板260の内面側には、対向基板260側から入射する光を前記の回路基板(図示せず)側に集光するためのマイクロレンズ261が多数設けられており、これらマイクロレンズ261を形成した側には、接着剤262によってカバーガラス263が貼着されている。
【0066】
このカバーガラス263の内面側には、前記マイクロレンズ261間の境界と対応する位置にそれぞれ遮光膜264が形成されており、さらにこれを覆った状態でカバーガラス263のほぼ全面にITO等の透明導電性材料からなる対向電極265が形成されている。そして、この対向電極265の内面側にポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる配向膜266が形成され、さらにこのように形成された対向基板260と前記回路基板との間に液晶267が封止されることにより、液晶装置が構成される。
このような構成からなる液晶装置の製造においても、その液晶セルにおける各構成要素、例えば遮光膜264や対向電極265、配向膜266等の形成において、前記の図1に示したパターニング装置1を用いる方法が採用可能である。
【0067】
また、前記の回路基板は、液晶装置以外の電気光学装置として、例えば電気泳動装置にも適用可能である。電気泳動装置は、液体中に分散した帯電粒子が電界印加により泳動する電気泳動現象と称される現象を利用するもので、例えば染料で着色した分散液に帯電した顔料微粒子を分散させ、これを一対の電極間に挟んでセルを形成し、これによって電気泳動素子としたものである。
【0068】
図7は、このような電気泳動装置における画素部の断面構造を示す図であり、この電気泳動装置は、基本的に図2に示した回路基板と同じ構成からなる回路基板300上に対向基板301が貼設されて構成されたものである。
この対向基板301には共通電極302が形成されており、この共通電極302と画素電極303との間には電子インク層304が配設されている。画素電極303には、回路基板300に形成されたスイッチング素子となるTFT(図示せず)のドレイン電極(図示せず)が接続されており、これによって印加する電圧を制御し、共通電極302との間の電子インク層にかかる電界を制御することができるようになっている。なお、この例では、共通電極302と画素電極303とのうちの少なくとも一方が透明電極となっており、電気泳動装置の表示面はこの透明電極側となっている。
【0069】
電子インク層304は、図8(a)に示すように光透過性を有する透明なバインダ305と、このバインダ305の内部に均一かつ固定状態で分散させられた複数のマイクロカプセル306とから構成されたものである。電子インク層304は、その厚さがマイクロカプセル306の外経(直径)の1.5〜2倍程度に形成されており、バインダ305は、シリコン樹脂等によって形成されている。マイクロカプセル306は、光透過性を有する中空で球状のカプセル本体307と、その内部に充填された液体(溶媒)308と、この液体308中に分散させられた複数の帯電粒子309とからなるもので、液体308と帯電粒子309とがほぼ同じ比重に形成されたものである。帯電粒子309は負に帯電させたもので、核310とこの核310を被覆する被覆層311とから形成されている。このような帯電粒子309と前記液体308とは、それぞれの色が相互に異なるように設定されており、例えば、帯電粒子309の色は白、液体308の色は青、赤、緑、又は黒といったように形成される。
【0070】
このような構成からなる電気泳動装置にあっては、マイクロカプセル306に外部から電界が印加されると、帯電粒子309がマイクロカプセル306内にて前記電界の方向と反対の方向に移動する。その結果、例えば図6において表示面が上側面(対向基板301側の面)であるとすると、帯電粒子309が図7において上側に移動した場合、液体308の色(例えば青、赤、緑、又は黒)を背景として浮き出る帯電粒子309の色(例えば白)が見えることになる(図8(b)参照)。逆に、電界印加に伴って帯電粒子309が図7中の下側(回路基板300側)に移動した場合、液体308の色(例えば青、赤、緑、又は黒)のみが見えることになる(図8(c)参照)。なお、電界印加によってその電界方向とは反対の方向に移動させられた帯電粒子309は、その比重が液体308とほぼ同じであるので、電界を消失させた後もその位置に長い時間留まろうとする。すなわちち、表示面に現れた帯電粒子309又は液体308の色は暫くの間(数分から数十分)保持され、メモリ性を有することになる。従って電界の印加を画素毎に制御することで、その印加パターンに沿った情報が表示されることになるが、その情報も比較的長時間保持されるようになっているのである。
【0071】
このような電気泳動装置においても、その回路基板については前述したとおり図1のパターニング装置1を用いる方法が採用可能であり、また、電気泳動素子を形成するセル側についても、例えばその共通電極の形成などに図1のパターニング装置1を用いる方法が採用可能である。
また、このような電気泳動装置を表示部に適用した、例えば電子ペーパーのように柔軟性が要求される電子機器では、駆動素子を形成する回路基板について、特に前記駆動素子となる薄膜トランジスタとして、少なくともチャネル部が有機膜で形成された有機半導体素子を用いたものとするのが好ましい。なお、電子ペーパーとは、図9に示すように紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシート320と、前記した電気泳動装置からなる表示装置321とを備えて構成されたものである。
【0072】
前記の有機半導体素子としては、例えば図10に示すような構成のものがある。図10において符号350は基板であり、この基板350上にはゲート電極351が形成されている。また、基板350上にはゲート電極351を覆った状態で高誘電率の絶縁体からなるゲート絶縁膜352が形成され、このゲート絶縁膜352上には有機半導体層353が形成されている。そして、この有機半導体層353上にソース電極354およびドレイン電極355が形成されることにより、薄膜トランジスタとなる有機半導体素子が形成される。
【0073】
このような有機半導体素子の製造には、特に前記の図1に示したパターニング装置1を用いる方法が好適に採用される。すなわち、まず、基板350上にゲート電極材料を設けてゲート電極351を形成するが、この形成にもパターニング装置1が好適に用いられる。パターニング装置1によってゲート電極351を形成するには、まず、前記基板201を真空チャンバー2内に入れ上面側を上に向けた状態でステージ4上に載置し、さらにここに保持固定させる。また、必要に応じて温度調整手段(図示せず)でステージ4上の基板201を所望温度(ノズル孔3aから例えば気化した状態で射出されてきた形成材料を十分に冷却して、液化あるいは固化し得る温度)に調整しておく。また、予め材料供給室7内の保持具に保持させておいたゲート電極351の形成材料を加熱手段9によって所定温度にまで加熱しておく。
【0074】
ここで、ゲート電極351形成用の材料としては、例えばクロム、チタン、銅、アルミニウム、モリブデン、タングステン、ニッケル、金、白金、パラジウム、インジウム等の金属やこれら金属を用いた合金、ポリシリコン、アモルファスシリコン、錫酸化物、酸化インジウム、インジウム・錫酸化物(ITO)等の無機材料、また、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン等の有機材料が用いられ、これらのうちの一種あるいは複数種が選択されて用いられる。
このような形成材料を前述したように加熱手段9で所定温度、すなわち材料に応じた適宜な温度にまで加熱したら、キャリアガス供給源8からヘリウム等のキャリアガスを材料供給室7に導入するとともに、前記吐出機構10を作動させて形成材料をキャリアガスに同伴させた状態でノズル孔3aから真空チャンバー2内に吐出させる。すると、ほぼ常圧にあるノズル3内より十分に低い圧力雰囲気である真空チャンバー2内に形成材料が吐出されることにより、この形成材料は気化した状態で吐出されることになる。なお、真空チャンバー2が特に高い真空度にある理想的な場合には、形成材料が分子線状に吐出されることもある。
【0075】
したがって、制御部によって可動機構11の動作を制御し、これによりノズル孔3aと基板201との相対的な位置関係を予め設定したとおりに移動させることにより、この形成材料を基板350上の所定位置に所望量射出することができる。このようにして形成材料を基板350上に射出すると、この形成材料は基板350の温度にまで冷却されることにより、固化してここに固定される。
このようにしてパターニング装置1でゲート電極351を形成すれば、マスクを必要とすることなく、したがってフォトリソグラフィー工程等を必要とすることなく、ゲート電極351を所望パターンに形成することができる。
【0076】
次に、このゲート電極351を覆った状態にゲート絶縁膜352を形成するが、このゲート絶縁膜352の形成にも、前記の図1に示したパターニング装置1が好適に用いられる。ゲート絶縁膜352の形成材料としては、限定されることなく種々のものが使用可能であるが、特に高誘電率の絶縁体として、金属酸化物薄膜、好ましくはチタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、タンタル酸ニオブ酸ストロンチウムビスマス、ペントオキサイドタンタル、ジオキサイドチタン、トリオキサイドイットリウム、酸化タンタル、酸化バナジウム、酸化チタンなどの無機材料が好適に用いられる。また、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、シアノエチルプルラン、ポリメチルメタクリレート、ポリサルファン、ポリカーボネート、ポリイミド等の有機材料も使用可能である。なお、特に前記の無機材料によってゲート絶縁膜352を形成する場合には、成膜後、さらにこれに150〜400℃の範囲の適宜な温度でアニール処理を行うのが、膜品質を改善し、誘電率を増大させることができ好ましい。
【0077】
次いで、このゲート絶縁膜352上に有機半導体層353を形成するが、この有機半導体層353の形成にも、前記の図1に示したパターニング装置1が好適に用いられる。有機半導体層353の形成材料としては、ゲート電圧が増加するにしたがって電界効果移動度の増大を示すポリマ半導体またはオリゴマー半導体が用いられ、具体的には、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、およびその誘導体や、ポリアセチレンのうちの1種以上が用いられる。また、特にp−チャネル用とされる場合には、2〜5個の炭素原子を介して結合された、オリゴ重合度が4以上8以下のチオフェンのオリゴマー;2〜5個の炭素原子を介して結合された、3〜6個のチオフェン環と末端基としてチオフェンを有するビニレンと、チエニレンとの交互共オリゴマー;ベンゾ[1,2−b:4,5’]ジチオフェンの線状ダイマー及びトリマー;末端のチオフェンの4個又は5個の炭素原子上に置換基(例えば、炭素原子を1〜20個有するアルキル置換基)を有する前記オリゴマー;ポリマーマトリックス中のp、p’−ジアミノビフェニル複合体なども使用可能であり、特にα−ヘキサチエニレン(α−6T)が好適に用いられる。また、特にp−チャネル用とされる場合には、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシルジアンヒドライド(NTCDA:naphthalene tetracarboxylic dianhydride )、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボキシルジイミド(NTCDI:naphthalene tetracarboxylic diimide )、11,11,12,12−テトラシアノナフト−2,6−キノジメタン(TCNNQD:tetracyanonaphtho-2,6-quinodimethane)なども使用可能である。このような有機半導体材料を前記のパターニング装置1によって成膜した場合、特に溶剤を必要とすることなく直接これを基板350のゲート絶縁膜352上に成膜することができることから、処理が容易になり、また得られる膜質も溶剤に起因する劣化等がなく良好なものとなる。
【0078】
その後、この有機半導体層353上にソース電極354およびドレイン電極355を形成するが、これらソース・ドレイン電極354、355の形成にも、図1に示したパターニング装置1が好適に用いられる。ソース・ドレイン電極354、355をパターニング装置1で形成すれば、前記のゲート電極351の場合と同様に、マスクを必要とすることなくこれらを所望パターンに形成することができる。なお、ソース・ドレイン電極354、355の形成材料としては、前記のゲート電極351に用いられる材料と同様の材料が使用可能である。
【0079】
このようにして得られた有機半導体素子、すなわち本発明において電子素子となる有機半導体素子は、その構成要素の少なくとも一つが前記パターニング装置1によって形成されることにより、その材料選択の自由度が高まり、したがってより良好な組み合わせで素子を構成することができる。
【0080】
また、本発明の電気光学装置としては、前記の液晶装置や電気泳動装置以外にも、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を備えてなる表示装置に適用可能である。
図11、図12は本発明の電気光学装置を、有機EL素子を用いたアクティブマトリクス型の表示装置に適用した場合の一例を示すもので、これらの図において符号20は表示装置である。
【0081】
この表示装置20は、回路図である図11に示すように透明の基体上に、複数の走査線31と、これら走査線31に対して交差する方向に延びる複数の信号線32と、これら信号線32に並列に延びる複数の共通給電線33とがそれぞれ配線されたもので、走査線31及び信号線32の各交点毎に、画素(画素領域素)1Aが設けられて構成されたものである。
信号線32に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ側駆動回路21が設けられている。一方、走査線31に対しては、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査側駆動回路22が設けられている。また、画素領域20Aの各々には、走査線31を介して走査信号がゲート電極に供給される第1の薄膜トランジスタ42と、この第1の薄膜トランジスタ42を介して信号線32から供給される画像信号を保持する保持容量capと、保持容量capによって保持された画像信号がゲート電極に供給される第2の薄膜トランジスタ43と、この第2の薄膜トランジスタ43を介して共通給電線33に電気的に接続したときに共通給電線33から駆動電流が流れ込む画素電極41と、この画素電極41と対向電極54との間に挟み込まれる発光部40と、が設けられている。
【0082】
このような構成のもとに、走査線31が駆動されて第1の薄膜トランジスタ42がオンとなると、そのときの信号線32の電位が保持容量capに保持され、該保持容量capの状態に応じて、第2の薄膜トランジスタ43の導通状態が決まる。そして、第2の薄膜トランジスタ43のチャネルを介して共通給電線33から画素電極41に電流が流れ、さらに発光部40を通じて対向電極54に電流が流れることにより、発光部40は、これを流れる電流量に応じて発光するようになる。ここで、各画素20Aの平面構造は、対向電極や有機エレクトロルミネッセンス素子を取り除いた状態での拡大平面図である図12に示すように、平面形状が長方形の画素電極41の四辺が、信号線32、共通給電線33、走査線31及び図示しない他の画素電極用の走査線によって囲まれた配置となっている。
【0083】
次に、このような表示装置20の製造方法について、図13〜図15を用いて説明する。なお、図13〜図15では、説明を簡略化するべく、単一の画素20Aについてのみ図示する。
まず、基板を用意する。ここで、有機エレクトロルミネッセンス素子では後述する発光層による発光光を基板側から取り出すことも可能であり、また基板と反対側から取り出す構成とすることも可能である。発光光を基板側から取り出す構成とする場合、基板材料としてはガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明なものが用いられるが、特に安価なソーダガラスが好適に用いられる。ソーダガラスを用いた場合、これにシリカコートを施すのが、酸アルカリに弱いソーダガラスを保護する効果を有し、さらに基板の平坦性をよくする効果も有するため好ましい。
また、基板に色フィルター膜や発光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置して、発光色を制御するようにしてもよい。また、基板と反対側から発光光を取り出す構成の場合、基板は不透明であってもよく、その場合、アルミナ等のセラミックス、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
【0084】
本例では、基板として図13(a)に示すようにソーダガラス等からなる透明基板23を用意する。そして、これに対し、必要に応じてTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護膜(図示せず)を形成する。
次に、透明基板23の温度を約350℃に設定して、下地保護膜の表面にプラズマCVD法により厚さ約30〜70nmのアモルファスシリコン膜からなる半導体膜24を形成する。
【0085】
続いて、この半導体膜24に対してレーザアニールまたは固相成長法などの結晶化工程を行い、半導体膜24をポリシリコン膜に結晶化する。レーザアニール法では、例えばエキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は例えば200mJ/cm2 とする。ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
次いで、図13(b)に示すように、半導体膜(ポリシリコン膜)24をパターニングして島状の半導体膜25とする。なお、この島状の半導体膜25の形成にも、前記の図1に示したパターニング装置1を用いた方法が採用可能であり、この方法によって形成した場合、リソグラフィー工程、エッチング工程等によるパターニングの工程を不要にすることができる。
【0086】
次いで、その表面に対しTEOSや酸素ガスなどを原料として、プラズマCVD法により厚さ約60〜150nmのシリコン酸化膜または窒化膜からなるゲート絶縁膜26を形成する。なお、このゲート絶縁膜26の形成についても、図1に示したパターニング装置1を用いた方法が採用可能である。ここで、半導体膜25は、図11に示した第2の薄膜トランジスタ43のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となるものであるが、異なる断面位置においては第1の薄膜トランジスタ42のチャネル領域及びソース・ドレイン領域となる半導体膜も形成されている。つまり、図13〜図15に示す製造工程では二種類のトランジスタ42、43が同時に作られるのであるが、同じ手順で作られるため、以下の説明ではトランジスタに関しては、第2の薄膜トランジスタ43についてのみ説明し、第1の薄膜トランジスタ42についてはその説明を省略する。
【0087】
次いで、図13(c)に示すように、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属からなる導電膜をスパッタ法により形成し、続いてこれをパターニングして、ゲート電極43Aを形成する。なお、このゲート電極43Aの形成にも、図1に示したパターニング装置1を用いた方法が採用可能である。この方法によって形成すれば、ゲート電極43Aを直接所望形状に形成できるため、リソグラフィー工程、エッチング工程等によるパターニングの工程を不要にすることができる。
次いで、ゲート電極43Aを形成した状態で高濃度のリンイオンを打ち込み、半導体膜25に、ゲート電極43Aに対して自己整合的にソース・ドレイン領域43a、43bを形成する。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域43cとなる。
【0088】
次いで、図13(d)に示すように、層間絶縁膜27を形成した後、コンタクトホール60、61を形成し、これらコンタクトホール60、61内に中継電極62、63を埋め込む。このような中継電極62、63の埋め込みに対しても、図1に示したパターニング装置1を用いた方法が採用可能であり、この方法を用いれば、前述したようにコンタクトホール内への電極材料の埋め込みが容易になる。すなわち、予め可動機構11によってパターニング装置1のノズル孔3aをコンタクトホール60(61)に対向させておき、その状態で電極材料を吐出することにより、気化した電極材料がコンタクトホール60(61)内に良好に入り込むからである。
【0089】
次いで、図13(e)に示すように、層間絶縁膜27上に、信号線32、共通給電線33及び走査線(図13に示さず)を、図1に示したパターニング装置1を用いた方法、あるいはスパッタ法等による成膜法とフォトリソグラフィー及びエッチングによるパターニング法とからなる一連の方法で形成する。このとき、信号線32、共通給電線33及び走査線の各配線については、配線として必要な厚さに捕らわれることなく、後述するようにこれらを隔壁として機能させるべく十分に厚く形成する。具体的には、各配線を1〜2μm程度の厚さに形成する。ここで、これら各配線と前記の中継電極63とは、同一工程で形成してもよく、その場合にも、図1に示したパターニング装置1を用いた方法が好適に採用される。なお、その場合に中継電極62については、後述する透明電極材料によって形成されることになる。
【0090】
そして、各配線の上面をも覆うように層間絶縁膜28を形成し、中継電極62に対応する位置にコンタクトホール(図示せず)を形成し、そのコンタクトホール内にも埋め込まれるようにITOやフッ素をドープしてなるSnO2 、さらにZnOやポリアニリン等の透明電極材料からなる膜を形成し、さらにこの膜をパターニングして、信号線32、共通給電線33及び走査線(図示せず)に囲まれた所定位置に、ソース・ドレイン領域43aに電気的に接続する画素電極41を形成する。なお、この画素電極41の形成にも、図1に示したパターニング装置1を用いた方法が採用可能であり、この方法によって形成すれば、前述したようにリソグラフィー工程、エッチング工程等によるパターニングの工程を不要にすることができる。
【0091】
ここで、信号線32及び共通給電線33、さらには走査線(図示せず)に挟まれた部分が、後述するように正孔輸送層や発光層の形成場所となっている。すなわち、これら配線とこれを覆う層間絶縁膜28とから、画素20A間を隔てる隔壁50が形成されているのである。そして、このような構成のもとに、正孔輸送層や発光層の形成場所、すなわちこれらの形成材料の塗布(射出)位置とその周囲の隔壁50との間には、十分な高さの段差55が形成されているのである。
このようにして各配線からなる隔壁50を形成したら、隔壁50に囲まれた画素20A内に正孔輸送層を形成する。この正孔輸送層、さらには後述する発光層については、特に図1に示したパターニング装置1を用いた方法が好適に用いられる。パターニング装置1によって正孔輸送層を形成するには、まず、基板23を真空チャンバー2内に入れ上面側を上に向けた状態でステージ4上に載置し、さらにここに保持固定させる。また、必要に応じて温度調整手段(図示せず)でステージ4上の基板23を所望温度に、すなわちノズル孔3aから例えば気化した状態で射出されてきた形成材料を十分に冷却して、液化あるいは固化し得る温度に調整しておく。また、予め材料供給室7内の保持具に保持させておいた正孔輸送層の形成材料を加熱手段9によって所定温度にまで加熱しておく。
【0092】
ここで、正孔輸送層の形成材料としては、特に限定されることなく公知のものが使用可能であり、例えばピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸との混合物等が挙げられる。具体的には、特開昭63−70257号、同63−175860号公報、特開平2−135359号、同2−135361号、同2−209988号、同3−37992号、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示されるが、トリフェニルジアミン誘導体が好ましく、中でも4,4’−ビス(N(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルが好適とされる。
なお、正孔輸送層に代えて正孔注入層を形成するようにしてもよく、さらに正孔注入層と正孔輸送層を両方形成するようにしてもよい。その場合、正孔注入層の形成材料としては、例えば銅フタロシアニン(CuPc)や、ポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム等が挙げられるが、特に銅フタロシアニン(CuPc)を用いるのが好ましい。
【0093】
このような形成材料を前述したように加熱手段9で所定温度にまで加熱したら、キャリアガス供給源8からヘリウム等のキャリアガスを材料供給室7に導入するとともに、前記吐出機構10を作動させて形成材料をキャリアガスに同伴させた状態でノズル孔3aから真空チャンバー2内に吐出させる。すると、ほぼ常圧にあるノズル3内より十分に低い圧力雰囲気である真空チャンバー2内に形成材料が吐出されることにより、図14(a)に示すようにこの形成材料は気化した状態で吐出されることになる。
したがって、制御部によって可動機構11の動作を制御し、これによりノズル孔3aと基板23との相対的な位置関係を予め設定したとおりに移動させることにより、この形成材料56を基板23上の所定位置、すなわち隔壁50に囲まれた各画素20Aの領域に所望量射出することができる。このようにして形成材料を画素20A上に射出すると、この形成材料は基板23の温度にまで冷却されることにより、液化しあるいは固化してここに固定される。このとき、吐出された形成材料56が基板23上にて液状となった場合には、その流動性によって水平方向に広がろうとするものの、射出された位置を囲んで隔壁50が形成されていることにより、形成材料56は隔壁50を越えてその外側に広がることが防止されている。
【0094】
このように吐出された形成材料56が基板23上にて液化した場合には、基板23を真空チャンバー2内から一旦出し、必要に応じて冷却あるいは光照射等の処理を行うことにより、図14(b)に示すように画素電極41上に、固状の正孔輸送層40Aを形成することもできる。ここで、吐出された形成材料56が基板23上にて固化した場合には、前記の処理を行うことなく、続けて発光層の形成を行う。
なお、このような正孔輸送層40Aの形成に代えて、前述したように銅フタロシアニン(CuPc)等を用いて正孔注入層を形成するようにしてもよい。また、特に正孔輸送層40Aの形成に先立って正孔注入層を画素電極41側に形成し、さらに正孔輸送層40Aを形成するのが好ましい。このように正孔注入層を正孔輸送層40Aとともに形成することにより、駆動電圧の上昇を制御することができるとともに、駆動寿命(半減期)を長くすることもできる。
【0095】
次いで、先の正孔輸送層(及び/又は正孔注入層)の形成材料の場合と同様にして、図14(c)に示すようにパターニング装置1により発光層の形成材料57を基板23上に吐出(射出)し、これによって図15(a)に示すように発光層40Bを形成する。発光層の形成材料57としては、特に限定されることなく、低分子の有機発光色素や高分子発光体、すなわち各種の蛍光物質や燐光物質からなる発光物質が使用可能である。発光物質となる共役系高分子の中ではアリーレンビニレン構造を含むものが特に好ましい。低分子蛍光体では、例えばナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ペリレン誘導体、ポリメチン系、キサテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキノリンおよびその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン誘導体等、または特開昭57−51781、同59−194393号公報等に記載されている公知のものが使用可能である。
【0096】
発光層の形成材料として高分子蛍光体を用いる場合には、側鎖に蛍光基を有する高分子を用いることができるが、好ましくは共役系構造を主鎖に含むもので、特に、ポリチオフェン、ポリ−p−フェニレン、ポリアリーレンビニレン、ポリフルオレンおよびその誘導体が好ましい。中でもポリアリーレンビニレンおよびその誘導体が好ましい。該ポリアリーレンビニレンおよびその誘導体は、下記化学式(1)で示される繰り返し単位を全繰り返し単位の50モル%以上含む重合体である。繰り返し単位の構造にもよるが、化学式(1)で示される繰り返し単位が全繰り返し単位の70%以上であることがさらに好ましい。
−Ar−CR=CR’− (1)
〔ここで、Arは、共役結合に関与する炭素原子数が4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環化合物基、R、R’はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数4〜20の複素環化合物、シアノ基からなる群から選ばれた基を示す。〕
【0097】
該高分子蛍光体は、化学式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位として、芳香族化合物基またはその誘導体、複素環化合物基またはその誘導体、およびそれらを組み合わせて得られる基などを含んでいてもよい。また、化学式(1)で示される繰り返し単位や他の繰り返し単位が、エーテル基、エステル基、アミド基、イミド基などを有する非共役の単位で連結されていてもよいし、繰り返し単位にそれらの非共役部分が含まれていてもよい。
前記高分子蛍光体において化学式(1)のArとしては、共役結合に関与する炭素原子数が4個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環化合物基であり、下記の化学式(2)で示す芳香族化合物基またはその誘導体基、複素環化合物基またはその誘導体基、およびそれらを組み合わせて得られる基などが例示される。
【0098】
【化1】
Figure 0004250893
(R1〜R92は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基;炭素数6〜18のアリール基およびアリールオキシ基;ならびに炭素数4〜14の複素環化合物基からなる群から選ばれた基である。)
【0099】
これらのなかでフェニレン基、置換フェニレン基、ビフェニレン基、置換ビフェニレン基、ナフタレンジイル基、置換ナフタレンジイル基、アントラセン−9,10−ジイル基、置換アントラセン−9,10−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、置換ピリジン−2,5−ジイル基、チエニレン基および置換チエニレン基が好ましい。さらに好ましくは、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレンジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、チエニレン基である。
【0100】
化学式(1)のR、R’が水素またはシアノ基以外の置換基である場合について述べると、炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基などが挙げられ、メチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。アリール基としては、フェニル基、4−C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、4−C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示される。
溶媒可溶性の観点からは化学式(1)のArが、1つ以上の炭素数4〜20のアルキル基、アルコキシ基およびアルキルチオ基、炭素数6〜18のアリール基およびアリールオキシ基ならびに炭素数4〜14の複素環化合物基から選ばれた基を有していることが好ましい。
【0101】
これらの置換基としては以下のものが例示される。炭素数4〜20のアルキル基としては、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基などが挙げられ、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。また、炭素数4〜20のアルコキシ基としては、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基が好ましい。炭素数4〜20のアルキルチオ基としては、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、デシルオキシ基、ラウリルチオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基が好ましい。アリール基としては、フェニル基、4−C1〜C12アルコキシフェニル基、4−C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示される。アリールオキシ基としては、フェノキシ基が例示される。複素環化合物基としては2−チエニル基、2−ピロリル基、2−フリル基、2−、3−または4−ピリジル基などが例示される。これら置換基の数は、該高分子蛍光体の分子量と繰り返し単位の構成によっても異なるが、溶解性の高い高分子蛍光体を得る観点から、これらの置換基が分子量600当たり1つ以上であることがより好ましい。
【0102】
なお、前記高分子蛍光体は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。蛍光の量子収率の高い高分子蛍光体を得る観点からは完全なランダム共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共重合体が好ましい。また、ここで形成する有機エレクトロルミネッセンス素子は、薄膜からの蛍光を利用することから、該高分子蛍光体は固体状態で蛍光を有するものが用いられる。
【0103】
該高分子蛍光体に対して溶媒を使用する場合に、好適なものとしては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレンなどが例示される。高分子蛍光体の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1wt%以上溶解させることができる。
また、前記高分子蛍光体としては、分子量がポリスチレン換算で103 〜107 であることが好ましく、それらの重合度は繰り返し構造やその割合によっても変わる。成膜性の点から一般には繰り返し構造の合計数で好ましくは4〜10000、さらに好ましくは5〜3000、特に好ましくは10〜2000である。
【0104】
このような高分子蛍光体の合成法としては、特に限定されないものの、例えばアリーレン基にアルデヒド基が2つ結合したジアルデヒド化合物と、アリーレン基にハロゲン化メチル基が2つ結合した化合物とトリフェニルホスフィンとから得られるジホスホニウム塩からのWittig反応が例示される。また、他の合成法としては、アリーレン基にハロゲン化メチル基が2つ結合した化合物からの脱ハロゲン化水素法が例示される。さらに、アリーレン基にハロゲン化メチル基が2つ結合した化合物のスルホニウム塩をアルカリで重合して得られる中間体から熱処理により該高分子蛍光体を得るスルホニウム塩分解法が例示される。いずれの合成法においても、モノマーとして、アリーレン基以外の骨格を有する化合物を加え、その存在割合を変えることにより、生成する高分子蛍光体に含まれる繰り返し単位の構造を変えることができるので、化学式(1)で示される繰り返し単位が50モル%以上となるように加減して仕込み、共重合してもよい。これらのうち、Wittig反応による方法が、反応の制御や収率の点で好ましい。
【0105】
さらに具体的に、前記高分子蛍光体の1つの例であるアリーレンビニレン系共重合体の合成法を説明する。例えば、Wittig反応により高分子蛍光体を得る場合には、例えばまず、ビス(ハロゲン化メチル)化合物、より具体的には、例えば2,5−ジオクチルオキシ−p−キシリレンジブロミドをN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応させてホスホニウム塩を合成し、これとジアルデヒド化合物、より具体的には、例えば、テレフタルアルデヒドとを、例えばエチルアルコール中、リチウムエトキシドを用いて縮合させるWittig反応により、フェニレンビニレン基と2,5−ジオクチルオキシ−p−フェニレンビニレン基を含む高分子蛍光体が得られる。このとき、共重合体を得るために2種類以上のジホスホニウム塩および/または2種類以上のジアルデヒド化合物を反応させてもよい。
これらの高分子蛍光体を発光層の形成材料として用いる場合、その純度が発光特性に影響を与えるため、合成後、再沈精製、クロマトグラフによる分別等の純化処理をすることが望ましい。
【0106】
また、前記の高分子蛍光体からなる発光層の形成材料としては、フルカラー表示をなすため、赤、緑、青の三色の発光層形成材料が用いられ、それぞれがパターニング装置1によって予め設定された位置の画素20Aに射出され、パターニングされる。
なお、前記の発光物質としては、ホスト材料にゲスト材料を添加した形態のものを用いることもできる。
【0107】
このような発光材料としては、ホスト材料として例えば高分子有機化合物や低分子材料が、またゲスト材料として得られる発光層の発光特性を変化させるための蛍光色素、あるいは燐光物質を含んでなるものが好適に用いられる。
高分子有機化合物としては、溶解性の低い材料の場合、例えば前駆体が塗布された後、以下の化学式(3)に示すように加熱硬化されることによって共役系高分子有機エレクトロルミネッセンス層となる発光層を生成し得るものがある。例えば、前駆体のスルホニウム塩の場合、加熱処理されることによりスルホニウム基が脱離し、共役系高分子有機化合物となるもの等がある。
また、溶解性の高い材料では、材料をそのまま塗布した後、溶媒を除去して発光層にし得るものもある。
【0108】
【化2】
Figure 0004250893
【0109】
前記の高分子有機化合物は固体で強い蛍光を持ち、均質な固体超薄膜を形成することができる。しかも、形成能に富みITO電極との密着性も高く、さらに、固化した後は強固な共役系高分子膜を形成する。
【0110】
このような高分子有機化合物としては、例えばポリアリーレンビニレンが好ましい。ポリアリーレンビニレンは水系溶媒あるいは有機溶媒に可溶で第2の基体11に塗布する際の塗布液への調製が容易であり、さらに一定条件下でポリマー化することができるため、光学的にも高品質の薄膜を得ることができる。
このようなポリアリーレンビニレンとしては、PPV(ポリ(パラ−フェニレンビニレン))、MO−PPV(ポリ(2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレンビニレン))、CN−PPV(ポリ(2,5−ビスヘキシルオキシ−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)))、MEH−PPV(ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシルオキシ)]−パラ−フェニレンビニレン)、等のPPV誘導体、PTV(ポリ(2,5−チエニレンビニレン))等のポリ(アルキルチオフェン)、PFV(ポリ(2,5−フリレンビニレン))、ポリ(パラフェニレン)、ポリアルキルフルオレン等が挙げられるが、なかでも化学式(4)に示すようなPPVまたはPPV誘導体の前駆体からなるものや、化学式(5)に示すようなポリアルキルフルオレン(具体的には化学式(6)に示すようなポリアルキルフルオレン系共重合体)が特に好ましい。
PPV等は強い蛍光を持ち、二重結合を形成するπ電子がポリマー鎖上で非極在化している導電性高分子でもあるため、高性能の有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
【0111】
【化3】
Figure 0004250893
【0112】
【化4】
Figure 0004250893
【0113】
【化5】
Figure 0004250893
【0114】
なお、前記PPV薄膜の他に発光層を形成し得る高分子有機化合物や低分子材料、すなわち本例においてホスト材料として用いられるものは、例えばアルミキノリノール錯体(Alq3)やジスチリルビフェニル、さらに化学式(7)に示すBeBq2やZn(OXZ)2 、そしてTPD、ALO、DPVBi等の従来より一般的に用いられているものに加え、ピラゾリンダイマー、キノリジンカルボン酸、ベンゾピリリウムパークロレート、ベンゾピラノキノリジン、ルブレン、フェナントロリンユウロピウム錯体等が挙げられ、これらの1種または2種以上を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用組成物を用いることができる。
【0115】
【化6】
Figure 0004250893
【0116】
一方、このようなホスト材料に添加されるゲスト材料としては、前記したように蛍光色素や燐光物質が挙げられる。特に蛍光色素は、発光層の発光特性を変化させることができ、例えば、発光層の発光効率の向上、または光吸収極大波長(発光色)を変えるための手段としても有効である。すなわち、蛍光色素は単に発光層材料としてではなく、発光機能そのものを担う色素材料として利用することができる。例えば、共役系高分子有機化合物分子上のキャリア再結合で生成したエキシトンのエネルギーを蛍光色素分子上に移すことができる。この場合、発光は蛍光量子効率が高い蛍光色素分子からのみ起こるため、発光層の電流量子効率も増加する。したがって、発光層の形成材料中に蛍光色素を加えることにより、同時に発光層の発光スペクトルも蛍光分子のものとなるので、発光色を変えるための手段としても有効となる。
【0117】
なお、ここでいう電流量子効率とは、発光機能に基づいて発光性能を考察するための尺度であって、下記式により定義される。
ηE =放出されるフォトンのエネルギー/入力電気エネルギー
そして、蛍光色素のドープによる光吸収極大波長の変換によって、例えば赤、青、緑の3原色を発光させることができ、その結果フルカラー表示体を得ることが可能となる。
さらに蛍光色素をドーピングすることにより、エレクトロルミネッセンス素子の発光効率を大幅に向上させることができる。
【0118】
蛍光色素としては、赤色の発色光を発光する発光層を形成する場合、レーザー色素のDCM−1、あるいはローダミンまたはローダミン誘導体、ペニレン等を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素をPPVなどホスト材料にドープすることにより、発光層を形成することができるが、これらの蛍光色素は水溶性のものが多いので、水溶性を有するPPV前駆体であるスルホニウム塩にドープし、その後、加熱処理すれば、より均一な発光層の形成が可能になる。このような蛍光色素として具体的には、ローダミンB、ローダミンBベース、ローダミン6G、ローダミン101過塩素酸塩等が挙げられ、これらを2種以上混合したものであってもよい。
【0119】
また、緑色の発色光を発光する発光層を形成する場合、キナクリドン、ルブレン、DCJTおよびその誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素についても、前記の蛍光色素と同様、PPVなどホスト材料にドープすることにより、発光層を形成することができるが、これらの蛍光色素は水溶性のものが多いので、水溶性を有するPPV前駆体であるスルホニウム塩にドープし、その後、加熱処理すれば、より均一な発光層の形成が可能になる。
【0120】
さらに、青色の発色光を発光する発光層を形成する場合、ジスチリルビフェニルおよびその誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素についても、前記の蛍光色素と同様、PPVなどホスト材料にドープすることにより、発光層を形成することができるが、これらの蛍光色素は水溶性のものが多いので、水溶性を有するPPV前駆体であるスルホニウム塩にドープし、その後、加熱処理すれば、より均一な発光層の形成が可能になる。
【0121】
また、青色の発色光を有する他の蛍光色素としては、クマリンおよびその誘導体を挙げることができる。これらの蛍光色素は、PPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。また、これらのうち特にクマリンは、それ自体は溶媒に不溶であるものの、置換基を適宜に選択することによって溶解性を増し、溶媒に可溶となるものもある。このような蛍光色素として具体的には、クマリン−1、クマリン−6、クマリン−7、クマリン120、クマリン138、クマリン152、クマリン153、クマリン311、クマリン314、クマリン334、クマリン337、クマリン343等が挙げられる。
【0122】
さらに、別の青色の発色光を有する蛍光色素としては、テトラフェニルブタジエン(TPB)またはTPB誘導体、DPVBi等を挙げることができる。これらの蛍光色素は、前記赤色蛍光色素等と同様に水溶液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形成が容易である。
以上の蛍光色素については、各色ともに1種のみを用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。
なお、このような蛍光色素としては、化学式(8)に示すようなものや、化学式(9)に示すようなもの、さらに化学式(10)に示すようなものが用いられる。
【0123】
【化7】
Figure 0004250893
【0124】
【化8】
Figure 0004250893
【0125】
【化9】
Figure 0004250893
【0126】
これらの蛍光色素については、前記共役系高分子有機化合物等からなるホスト材料に対し、後述する方法によって0.5〜10wt%添加するのが好ましく、1.0〜5.0wt%添加するのがより好ましい。蛍光色素の添加量が多過ぎると得られる発光層の耐候性および耐久性の維持が困難となり、一方、添加量が少な過ぎると、前述したような蛍光色素を加えることによる効果が十分に得られないからである。
【0127】
また、ホスト材料に添加されるゲスト材料としての燐光物質としては、化学式(11)に示すIr(ppy)3 、Pt(thpy)2 、PtOEPなどが好適に用いられる。
【0128】
【化10】
Figure 0004250893
【0129】
なお、前記の化学式(11)に示した燐光物質をゲスト材料とした場合、ホスト材料としては、特に化学式(12)に示すCBP、DCTA、TCPBや、前記したDPVBi、Alq3が好適に用いられる。
また、前記蛍光色素と燐光物質については、これらを共にゲスト材料としてホスト材料に添加するようにしてもよい。
【0130】
【化11】
Figure 0004250893
【0131】
なお、このようなホスト/ゲスト系の発光物質によって発光層40Bを形成する場合、例えば予めパターニング装置1にノズル3等の材料供給系を複数形成しておき、これらノズル3からホスト材料とゲスト材料とを予め設定した量比で同時に吐出させることにより、ホスト材料に所望する量のゲスト材料が添加されてなる発光物質による、発光層40Bを形成することができる。
【0132】
このようにして各画素20Aの正孔輸送層40A上に発光層40Bを形成したら、これら正孔輸送層40A、発光層40Bの場合と同様にして、パターニング装置1により電子輸送層の形成材料を基板23上に吐出(射出)し、図15(b)に示すように電子輸送層40Cを形成する。電子輸送層の形成材料としては、特に限定されることなく、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体等が例示される。具体的には、先の正孔輸送層の形成材料と同様に、特開昭63−70257号、同63−175860号公報、特開平2−135359号、同2−135361号、同2−209988号、同3−37992号、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示され、特に2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウムが好適とされる。
【0133】
なお、前述した正孔輸送層40Aの形成材料や電子輸送層40Cの形成材料を発光層40Bの形成材料に混合し、発光層形成材料として使用してもよく、その場合に、正孔輸送層形成材料や電子輸送層形成材料の使用量については、使用する化合物の種類等によっても異なるものの、十分な成膜性と発光特性を阻害しない量範囲でそれらを考慮して適宜決定される。通常は、発光層形成材料に対して1〜40重量%とされ、さらに好ましくは2〜30重量%とされる。
【0134】
ここで、このようにして形成する正孔輸送層40A、発光層40B、電子輸送層40Cの膜厚については、予めノズル孔3aからの吐出量を適宜に設定しておくことにより、好ましい厚さ(例えば65nm)に形成する。なお、吐出量の調整については、ノズル孔3aの内径やキャリアガスの流量を適宜に設定しておくことなどによって行うことができる。
その後、図15(c)に示すように、透明基板23の表面全体に、あるいはストライプ状に対向電極54を形成し、有機EL素子を得る。この対向電極54の形成についても、前記の図1に示したパターニング装置1を用いた方法が採用可能であるのはもちろんである。また、この対向電極54については、Al、Mg、Li、Caなどの単体材料やMg:Ag(10:1合金)の合金材料からなる1層で形成してもよく、2層あるいは3層からなる金属(合金を含む)層として形成してもよい。具体的には、Li2 O(0.5nm程度)/AlやLiF(0.5nm程度)/Al、MgF2 /Alといった積層構造のものも使用可能である。
【0135】
このようにして得られた表示装置、すなわち本発明において電気光学装置となる表示装置は、その構成要素の少なくとも一つが前記パターニング装置1によって形成されることにより、その材料選択の自由度が高まり、したがってより良好な組み合わせで装置を構成することができる。
なお、前記の正孔注入層(図示せず)、正孔輸送層40A、発光層40B、電子輸送層40Cに加えて、ホールブロッキング層を例えば発光層40Bの対向電極54側に形成して、発光層40Bの長寿命化を図ってもよい。このようなホールブロッキング層の形成材料としては、例えば化学式(13)に示すBCPや化学式(14)で示すBAlqが用いられるが、長寿命化の点ではBAlqの方が好ましい。
【0136】
【化12】
Figure 0004250893
【0137】
【化13】
Figure 0004250893
【0138】
また、本例では各材料を気化させた状態で真空チャンバー2内に吐出させているが、真空チャンバー2内の真空度や加熱手段9による加熱の度合い等を調整することにより、材料を例えば霧状、ミスト状のような液体として吐出させてもよく、さらにはヒューム状に吐出させるようにしてもよい。
【0139】
また、本発明の電子装置としては、前記の半導体素子や液晶素子、電気泳動素子、有機EL素子を備えてなる装置以外にも、例えばFRAM(Ferroelectric RAM)やMRAM(Magnetic RAM)などのメモリ素子(電子素子)を備えた各種のメモリ装置や、発光ダイオードなどのダイオードからなる電子素子を備えた装置にも適用可能である。すなわち、FRAMやMRAMなどのメモリ素子においては、例えばその強誘電体膜(絶縁膜)の形成に前記パターニング装置1を用いた方法が好適に採用され、その場合に強誘電体材料(絶縁材料)の選択自由度が高いことからより良好な素子を構成することが可能になる。
【0140】
また、発光ダイオードを備えた電子装置としては、例えば図16に示すような装置に本発明が適用可能である。図16に示した装置70は、有機TFT71と有機LED72とが同一基板73上にモノシリックに集積化されてなるものである。有機TFT71は、基板73上に形成されたゲート電極74と、これを覆って形成された誘電体層75と、この誘電体層75上に形成されたソース電極76およびドレイン電極77と、これら電極を覆って形成された有機半導体層78とから構成されたものである。ここで、有機TFT71は、この図10に示した有機半導体素子と比べ、ソース・ドレイン電極と有機半導体層との位置がやや異なっているものの、基本的には同じ構造を有するものである。
【0141】
有機LED72は、基板73上に形成された陽極79と、この陽極79を覆って形成された正孔輸送層80と、この正孔輸送層80上に形成された電子輸送層81と、この電子輸送/エミッタ層81上に形成された陰極82とから構成されたものである。なお、陽極79は前記のドレイン電極77がそのまま基板73上に延びて形成されたものであり、また、正孔輸送層80は前記有機半導体層78が陽極79上に延びて形成されたものである。
【0142】
このような装置70にあっても、その製造に際しては、前記の図1に示したパターニング装置1を用いた方法が好適に採用される。例えば、ゲート電極74やソース電極76、ドレイン電極77(陽極79)はもちろん、有機半導体層78(正孔輸送層80)や電子輸送/エミッタ層81、陰極82の形成にもパターニング装置1による方法が好適に採用される。ここで、有機半導体層78の形成材料としては、図10に示した有機半導体素子の場合と同様のものが使用可能である。また、電子輸送/エミッタ層81の形成材料としては、ポリフェニレン・ビニレン及びアルミニウム8−ヒドロオキシキノリネート(Alq.)や、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−タートブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)、2−ナフチル−4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−オキサゾール)、ビス−(8−ヒドロオキシキナルジン)アルミニウム・フェノキシド及びビス(10−ヒドロオキシベンゾ−キノリネート(亜鉛)(ZnBq2)などが用いられる。また、陰極82の形成材料としては、電子輸送/エミッタ層81に効率よく電子注入することができる材料が用いられ、具体的にはアルミニウムやカルシウムが好適に用いられる。
【0143】
このような電子装置にあっても、その構成要素の少なくとも一つが前記パターニング装置1によって形成されることにより、その材料選択の自由度が高まり、したがってより良好な組み合わせで装置を構成することができる。
【0144】
次に、前記例の電気光学装置、すなわち液晶装置、電気泳動装置、あるいは有機EL素子を用いてなる表示装置が備えられた電子機器の具体例について説明する。
図17(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図17(a)において、500は携帯電話本体を示し、501は前記電気光学装置からなる表示手段を示している。
図17(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図17(b)において、600は情報処理装置、601はキーボードなどの入力部、603は情報処理本体、602は前記電気光学装置からなる表示手段を示している。
図17(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図17(c)において、700は時計本体を示し、701は前記電気光学装置からなる表示手段を示している。
図17(a)〜(c)に示す電子機器は、前記電気光学装置が備えられたものであるので、その構成要素の選択自由度が高められていることにより、優れた表示品質が得られる表示手段を備えた電子機器となる。
【0145】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の電子素子の製造方法にあっては、導電材料、半導体材料、絶縁材料のうちの少なくとも一つあるいはこれら材料の前駆体のうちの少なくとも一つをノズルから真空雰囲気中に吐出するので、前記材料あるいは前駆体を例えば気化した状態で、かつ理想的には分子線状に吐出することができる。したがって、前記材料あるいは前駆体として特に制限されることなく自由に選択して用い、前記材料を配置することができる。また、前記材料あるいは前駆体を基体上の所定位置に配置することにより、マスクを必要とすることなくパターニングを行うことができる。
【0146】
本発明の回路基板の製造方法にあっては、前記の電子素子の製造方法によって電子素子を複数形成するので、材料あるいはその前駆体として特に制限されることなく自由に選択して用い、前記材料を配置することができる。また、材料あるいは前駆体を基体上の所定位置に配置することにより、マスクを必要とすることなくパターニングを行うことができる。
【0147】
本発明の電子装置の製造方法にあっては、前記の電子素子の製造方法を用いるので、材料あるいはその前駆体として特に制限されることなく自由に選択して用い、前記材料を配置することができる。また、材料あるいは前駆体を基体上の所定位置に配置することにより、マスクを必要とすることなくパターニングを行うことができる。
【0148】
本発明の電気光学装置の製造方法にあっては、前記の電子素子の製造方法を用いるので、材料あるいはその前駆体として特に制限されることなく自由に選択して用い、前記材料を配置することができる。また、材料あるいは前駆体を基体上の所定位置に配置することにより、マスクを必要とすることなくパターニングを行うことができる。
また、本発明の電気光学装置にあっては、前記の電気光学装置の製造方法によって得られることから、前記材料あるいは前駆体が特に制限されることなく自由に選択して用いられることにより、材料の選択自由度が高いものとなる。
【0149】
本発明の電子機器にあっては、前記の電気光学装置を表示手段として備えているので、表示手段とする電気光学装置が、これを製造する際にその材料の選択自由度が高いものとなる。
【0150】
本発明のパターニング装置にあっては、真空チャンバー内に材料を吐出することにより、この材料を容易にかつ安定して吐出することができる。したがって、可動機構によってノズルと基体との相対的な位置を移動させつつ、前記材料あるいはその前駆体を基体上に射出することにより、マスクを特に必要とすることなくパターニングを行うことができ、また、前記材料あるいは前駆体として特に制限されることなくこれを自由に選択して用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のパターニング装置の一例の、概略構成を示す側面図である。
【図2】 本発明に係る回路基板(電子装置)の概略構成を示す側断面図である。
【図3】 (a)〜(e)は図2に示した回路基板(電子装置)の製造方法を工程順に説明するための要部側断面図である。
【図4】 (a)〜(d)は図3に続く工程を順に説明するための要部側断面図である。
【図5】 (a)〜(c)は図4に続く工程を順に説明するための要部側断面図である。
【図6】 液晶セルの概略構成を説明するための側断面図である。
【図7】 電気泳動装置における、画素部の概略構成を示す要部側断面図である。
【図8】 (a)〜(c)は電子インク層の概念的構成及び電圧印加時の動作を説明するための図である。
【図9】 図7に示した電気泳動装置によって形成される電子ペーパーの斜視図である。
【図10】 有機半導体素子の一例の概略構成を示す側断面図である。
【図11】 本発明に係る電気光学装置としての、有機EL素子を用いた表示装置の回路図である。
【図12】 図11に示した表示装置における画素部の平面構造を示す拡大平面図である。
【図13】 (a)〜(e)は図11、図12に示した表示装置の製造方法を工程順に説明するための要部側断面図である。
【図14】 (a)〜(c)は図13に続く工程を順に説明するための要部側断面図である。
【図15】 (a)〜(c)は図14に続く工程を順に説明するための要部側断面図である。
【図16】 発光ダイオードを備えた電子装置の一例を説明するための要部側断面図である。
【図17】 本発明の電気光学装置が備えられた電子機器の具体例を示す図であり、(a)は携帯電話に適用した場合の一例を示す斜視図、(b)は情報処理装置に適用した場合の一例を示す斜視図、(c)は腕時計型電子機器に適用した場合の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…パターニング装置、2…真空チャンバー、3…ノズル、3a…ノズル孔、4…ステージ、11…可動機構

Claims (16)

  1. 複数の電子素子を基体上に備えた電子装置を製造する電子装置の製造方法であって、
    少なくとも一つの材料あるいは前記少なくとも一つの材料の前駆体を気化した状態で吐出するノズルに対して前記基体を水平方向及び鉛直方向に移動することを可能とし、かつ前記ノズルと前記基体との相対的な位置を決定する可動機構を用いて前記ノズルと前記基体との相対的な位置関係を予め設定する第1の工程と、
    前記第1の工程において予め設定されたとおりに、前記ノズルと前記基体とを相対的に移動させつつ、気化した状態の前記少なくとも一つの材料あるいは前記前駆体を前記基体に吐出して、複数の第1の薄膜を形成する第2の工程と、を含み、
    前記第2の工程において、前記複数の第1の薄膜の各々は、前記ノズルから吐出された前記少なくとも一つの材料あるいは前記前駆体が冷却され、前記基体上で液化又は固化することにより形成され、
    前記複数の第1の薄膜の各々は、前記複数の電子素子の一つの電子素子に含まれており、
    前記第2の工程を行っている期間において、前記基体は、1.33322×10- Pa以下の真空度に調整されたチャンバー内に配置されていること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
  2. 複数の電子素子を基体上に備えた電子装置を製造する電子装置の製造方法であって、
    少なくとも一つの材料あるいは前記少なくとも一つの材料の前駆体を気化した状態で吐出するノズルに対して前記基体を水平方向及び鉛直方向に移動することを可能とし、かつ前記ノズルと前記基体との相対的な位置を決定する可動機構を用いて前記ノズルと前記基体との相対的な位置関係を予め設定する第1の工程と、
    前記第1の工程において予め設定されたとおりに、前記ノズルと前記基体とを相対的に移動させ、気化した状態の前記少なくとも一つの材料あるいは前記前駆体を前記基体の所定位置に吐出して、複数の第1の薄膜を形成する第2の工程を含み、
    前記第2の工程において、前記複数の第1の薄膜の各々は、前記ノズルから吐出された前記少なくとも一つの材料あるいは前記前駆体が冷却され、前記基体上で液化又は固化することにより形成され、
    前記複数の第1の薄膜の各々は、前記複数の電子素子の一つの電子素子に含まれており、
    前記第2の工程を行っている期間において、前記基体は、1.33322×10 - Pa以下の真空度に調整されたチャンバー内に配置されていること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の電子装置の製造方法において、
    前記第2の工程を行っている期間において、前記基体は、1.33322×10 - Pa以下の真空度に調整されたチャンバー内に配置されていること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
    前記複数の電子素子は、複数のダイオードあるいは複数のトランジスタであること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
  5. 請求項4に記載の電子装置の製造方法において、
    前記少なくとも一つの材料あるいは前記前駆体は、前記複数のトランジスタの各々のゲート電極を形成するための材料であること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
    前記少なくとも一つの材料は、半導体材料であること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
    前記少なくとも一つの材料は、絶縁材料であること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
    前記第2の工程において、前記少なくとも一つの材料あるいは前記前駆体は吐出の際に分子線状になること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
    前記第2の工程において、前記少なくとも一つの材料あるいは前記前駆体は、前記ノズルからキャリアガスと共に吐出されること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
  10. 複数の電子素子を基体上に備えた電子装置の製造方法であって、
    第1の材料あるいは前記第1の材料の前駆体及び第2の材料あるいは前記第2の材料の前駆体を気化した状態で吐出する複数のノズルに対して前記基体を水平方向及び鉛直方向に移動することを可能とし、かつ前記複数のノズルと前記基体との相対的な位置を決定する可動機構を用いて前記複数のノズルと前記基体との相対的な位置関係を予め設定する第1の工程と、
    前記第1の工程において予め設定されたとおりに、前記複数のノズルと前記基体とを相対的に移動させつつ、前記第1の材料あるいは前記第1の材料の前駆体及び前記第2の材料あるいは前記第2の材料の前駆体を複数のノズルから同時に吐出することにより、前記基体上に、各々が前記第1の材料及び前記第2の材料を含む複数の薄膜を形成する第2の工程を含み、
    前記第2の工程において、前記複数の第1の薄膜の各々は、前記複数のノズルから吐出された前記第1の材料あるいは前記第1の材料の前駆体及び前記第2の材料あるいは前記第2の材料の前駆体が冷却され、前記基体上で液化又は固化することにより形成され、
    前記複数の薄膜の各々は、前記複数の電子素子の一つの電子素子に含まれること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
  11. 請求項10に記載の電子装置の製造方法において、
    前記第2の工程は、前記基体が1.33322×10-1Pa以下の真空度に調整されたチャンバー内に配置された状態で行われること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
  12. 請求項10又は11に記載の電子装置の製造方法において、
    前記第1の材料及び前記第2の材料は前記複数の薄膜の各々においてそれぞれホスト材料及びゲスト材料として機能すること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
  13. 請求項10乃至12のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
    前記複数の電子素子の各々は、有機エレクトロルミネッセンス素子であること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
  14. 請求項13に記載の電子装置の製造方法において、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層は前記第1の材料と前記第2の材料とを含み、前記第1の材料及び前記第2の材料は、それぞれ、発光物質と、前記発光物質のホストとして機能すること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
  15. 請求項1乃至14のいずれかに記載の電子装置の製造方法において、
    前記電子装置は、電気光学装置であること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
  16. 請求項15に記載の電子装置の製造方法において、
    前記電子装置は、液晶装置、電気泳動装置及び有機エレクトロルミネッセンス装置のいずれかであること、
    を特徴とする電子装置の製造方法。
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