JP2003217839A - 材料の配置方法、膜形成装置、電気光学装置及びその製造方法、電子装置、並びに電子機器 - Google Patents

材料の配置方法、膜形成装置、電気光学装置及びその製造方法、電子装置、並びに電子機器

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JP2003217839A
JP2003217839A JP2002013479A JP2002013479A JP2003217839A JP 2003217839 A JP2003217839 A JP 2003217839A JP 2002013479 A JP2002013479 A JP 2002013479A JP 2002013479 A JP2002013479 A JP 2002013479A JP 2003217839 A JP2003217839 A JP 2003217839A
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film
nozzle
film forming
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JP2002013479A
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Takashi Miyazawa
貴士 宮澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料の選択自由度が高く、基体上に様々な材
料の配置が可能な材料の配置方法、及びこれを実施可能
な膜形成装置を提供する。 【解決手段】 膜形成装置10は、材料供給源30に接
続され、基体11が配置される処理室12内に材料を放
出するノズル14と、処理室12内をノズル14内より
も低い圧力に制御する圧力制御系13とを備える。基体
11が配置される処理室12内をノズル14内よりも低
い圧力に制御し、圧力制御された処理室12内でノズル
14から基体11に向けて材料を放出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気光学装置とそ
の製造方法、この電気光学装置を備えた電子機器、これ
らの製造に好適に用いられる材料の配置方法、膜形成装
置、並びに電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディスプレイや表示光源などとして用い
られる電気光学装置や、半導体装置などの電子装置は、
その製造過程において、基体上の所定の位置に材料を配
置する工程を含む。材料の配置技術は、品質や機能と密
接に関係するため、従来より、特に重要な技術として、
その開発が進められている。
【0003】例えば、各画素に対応して有機エレクトロ
ルミネッセンス(以後、有機ELと称する)素子を備え
る有機EL表示装置は、高輝度で自発光であること、直
流低電圧駆動が可能であること、応答が高速であるこ
と、固体有機膜による発光であることなどから表示性能
に優れており、また、表示装置の薄型化、軽量化、低消
費電力化、大型化が可能であるため、次世代の表示装置
として期待されている。
【0004】有機EL素子における材料の配置技術とし
ては、例えば有機物からなる発光層の形成プロセスとし
て、Appl.Phys.Lett.51(12)、2
1September 1987の913ページに示さ
れる低分子材料を蒸着法で成膜する方法や、 App
l.Phys.Lett.71(1)、7 July1
997の34ページから示される高分子材料を塗布する
方法が知られている。また、カラー化の手段として、低
分子系材料を用いる場合において、所定パターンのマス
ク越しに異なる発光色の発光材料を所望の画素対応部分
に蒸着し形成するマスク蒸着法が知られている。一方、
高分子系材料を用いる場合には、微細かつ容易にパター
ニングができることから、インクジェット法を用いたカ
ラー化が注目されている。インクジェット法による有機
EL素子の作製については、例えば、特開平7−235
378号、特開平10−12377号、特開平10−1
53987号、特開平11−40358号、及び特開平
11−54270号の各公報に開示されている。また、
有機EL素子では、発光効率、耐久性を向上させるため
に、正孔注入層または正孔輸送層を陽極と発光層との間
に形成することが提示されている(Appl.Phy
s.Lett.51、21 September 198
7の913ページ)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さて、上述した有機E
L表示装置等を含む電気光学装置や電子装置の製造過程
においては、例えば基体上に形成される膜に特定の機能
を持たせることなどを目的として、基体上に配置する材
料の多様化が進む傾向にある。そのため、材料の選択自
由度が高い材料の配置技術が望まれている。
【0006】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、材料の選択自由度が高く、基体上に様々な
材料の配置が可能な材料の配置方法、及びこれを実施可
能な膜形成装置を提供することを目的とする。また、本
発明は、高寿命化、高品質化、及び高機能化が図られた
電気光学装置及びその製造方法、並びに電子装置を提供
することを目的とする。また、本発明は、表示手段の高
寿命化、高品質化、及び高機能化を図ることができる電
子機器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の材料の配置方法は、ノズルから供給され
る材料を基体上の所定の位置に配置する方法であって、
前記基体が配置される処理室内を前記ノズル内よりも低
い圧力に制御し、該圧力制御された処理室内で前記ノズ
ルから前記基体に向けて前記材料を放出することを特徴
とする。
【0008】この材料の配置方法では、基体が配置され
る処理室内をノズル内よりも低い圧力に制御し、その圧
力制御された処理室内でノズルから基体に向けて材料を
放出することにより、圧力差を利用して、処理室内に供
給された材料の移動を促し、基体上に材料を配置するこ
とが可能となる。また、処理室内の圧力を真空圧に低下
させることにより、大気圧中では固体の材料を、処理室
内で液体あるいは気体の状態にすることが可能となり、
これにより材料の移動を容易にできる。そのため、この
材料の配置方法では、材料の選択自由度が高く、例え
ば、溶解性の低い材料を、溶剤に溶解させることなく基
板上に配置することが可能となる。また、高分子材料や
低分子材料など、基体上に様々な材料の配置が可能にな
る上に、溶剤の使用を避けるかあるいは溶剤の使用量を
減らすことによって、材料の劣化など、溶剤の残留によ
る不都合を回避することができる。また、この材料の配
置方法では、処理室内の圧力制御により、ノズルから材
料を分子状に放出することが可能となり、これにより、
より純度の高い材料膜を形成したり、材料膜の膜厚を高
精度に制御したりできるようになる。さらに、材料を分
子状に放出することによって、複数の材料を同時放出し
て混合させることが容易となり、この場合、特定の機能
を持たせた機能膜を基体上に形成することが可能とな
る。
【0009】また、本発明の第2の材料の配置方法は、
複数のノズルから供給される材料を基体上の所定の位置
に配置する方法であって、前記基体が配置される処理室
内を前記複数のノズル内よりも低い圧力に制御し、該圧
力制御された処理室内で前記複数のノズルから前記基体
に向けて前記材料を放出することを特徴とする。
【0010】この材料の配置方法では、基体が配置され
る処理室内を複数のノズル内よりも低い圧力に制御し、
その圧力制御された処理室内で複数のノズルから基体に
向けて材料を放出することにより、圧力差を利用して、
処理室内に供給された材料の移動を促し、基体上に材料
を配置することが可能となる。また、処理室内の圧力を
真空圧に低下させることにより、大気圧中では固体の材
料を、処理室内で液体あるいは気体の状態にすることが
可能となり、これにより材料の移動を容易にできる。そ
のため、この材料の配置方法では、材料の選択自由度が
高く、例えば、溶解性の低い材料を、溶剤に溶解させる
ことなく基板上に配置することが可能となる。また、高
分子材料や低分子材料など、基体上に様々な材料の配置
が可能になる上に、溶剤の使用を避けるかあるいは溶剤
の使用量を減らすことによって、材料の劣化など、溶剤
の残留による不都合を回避することができる。また、こ
の材料の配置方法では、処理室内の圧力制御により、複
数のノズルから材料を分子状に放出することが可能とな
り、これにより、より純度の高い材料膜を形成したり、
材料膜の膜厚を高精度に制御したりできるようになる。
さらに、材料を分子状に放出することによって、複数の
材料を同時放出して混合させることが容易となり、この
場合、特定の機能を持たせた機能膜を基体上に形成する
ことが可能となる。また、ノズルが複数からなることに
より、一度に材料を配置できる領域を拡大したり、時間
あたりの材料の供給量を増やしたり、あるいは異なる材
料を同時に放出したりでき、スループットの低減化が図
られる。
【0011】また、上記の材料の配置方法において、少
なくとも2つの前記ノズルから同一の前記材料を放出し
てもよい。少なくとも2つのノズルから同一の材料を放
出することにより、一度に材料を配置できる領域を拡大
したり、時間あたりの材料の供給量を増やしたりでき
る。
【0012】また、上記の材料の配置方法において、前
記複数のノズルと前記基体とを相対的に移動させて、前
記基体に対して前記複数のノズルを位置決めするとよ
い。複数のノズルと基体とを相対的に移動させて、基体
に対して複数のノズルを位置決めすることにより、基体
上の所定の位置に材料を確実に配置することができる。
また、基体上の複数の位置への材料の配置も容易にでき
る。
【0013】また、上記の材料の配置方法において、前
記材料を気化させて、前記複数のノズルから放出するの
が好ましい。複数のノズルから材料を気化させて放出す
る場合、材料の選択自由度がさらに広がり、広範囲な様
々な材料を基体上に配置することが可能となる。また、
複数のノズルから材料を分子状(あるいは分子線状)に
放出することが可能となり、この場合、より純度の高い
材料膜や特定の機能膜を高精度に形成することが可能と
なる。
【0014】また、上記の材料の配置方法において、前
記材料を、前記複数のノズルから間欠的に放出してもよ
い。複数のノズルから材料を間欠的に放出することによ
り、基体上に材料を不連続なパターンで配置することが
可能となる。
【0015】また、上記の材料の配置方法において、前
記材料を、前記複数のノズルからキャリアガスに同伴さ
せて放出してもよい。複数のノズルからキャリアガスに
同伴させて材料を放出することにより、材料を基体上に
安定して移動させ、基体上の所定の位置に、より確実に
材料を配置することができる。
【0016】また、上記の材料の配置方法において、前
記処理室内を、10-3torr(1.33322×10
-1Pa)以下の真空度に制御するのが好ましく、さら
に、前記処理室内を、10-5torr(1.33322
×10-3Pa)以下の真空度に制御するのがより好まし
い。処理室内を10-3torr以下にすれば、大気圧中
ではノズルから放出しにくい材料であっても、ノズルか
ら容易に放出することが可能となり、さらに、処理室内
を10-5torr以下にすれば、より広範囲の様々な材
料をノズルから放出することが可能となる。また、処理
室内を10-5torr以下にすることにより、ノズルか
ら材料を気化させて放出しやすくなる。
【0017】また、上記の材料の配置方法において、前
記ノズルが設けられた物体を複数備えるとよい。ノズル
が設けられた物体を複数備えることにより、一度に材料
を配置できる領域を拡大したり、時間あたりの材料の供
給量を増やしたり、あるいは異なる材料を各物体ごとに
分けて同時に放出したりでき、スループットの低減化が
図られる。
【0018】本発明の電気光学装置の製造方法は、上述
した材料の配置方法を用いて電気光学装置を構成する要
素の少なくとも一部を形成することを特徴とする。この
電気光学装置の製造方法では、上述した材料の配置方法
を用いることから、材料の選択自由度が高く、構造の最
適化を図りやすい。しかも溶剤の残留による不都合が回
避され、電気光学装置の高寿命化が図られる。また、よ
り純度の高い材料膜や特定の機能膜を形成することによ
り、高品質あるいは高機能の電気光学素子を製造するこ
とができる。
【0019】また、上記の電気光学装置の製造方法にお
いて、上述した材料の配置方法を用いて基体上にトラン
ジスタを形成する工程を含んでもよい。上述した材料の
配置方法を用いることにより、高精度で高機能、さらに
高寿命のトランジスタを形成することができる。
【0020】この場合において、前記トランジスタは、
薄膜トランジスタであってもよい。上述した材料の配置
方法を用いることにより、基体上に配置される材料膜の
膜厚を高精度に制御できることから、薄膜トランジスタ
を高精度に形成することができる。
【0021】本発明の膜形成装置は、材料供給源に接続
され、基体が配置される処理室内に材料を放出するノズ
ルと、前記処理室内を前記ノズル内よりも低い圧力に制
御する圧力制御系とを備えることを特徴とする。
【0022】この膜形成装置は、材料を放出するノズル
と、処理室内の圧力を制御する圧力制御系とを備えるこ
とから、上述した本発明の材料の配置方法を実施でき
る。つまり、この膜形成装置では、基体が配置される処
理室内をノズル内よりも低い圧力に制御し、その圧力制
御された処理室内でノズルから基体に向けて材料を放出
することにより、圧力差を利用して、処理室内に供給さ
れた材料の移動を促し、基体上に材料を配置して、基体
上に材料膜を形成することができる。また、処理室内の
圧力を真空圧に低下させることにより、大気圧中では固
体の材料を、処理室内で液体あるいは気体の状態にする
ことが可能となり、これにより材料の移動を容易にでき
る。そのため、この膜形成装置では、材料の選択自由度
が高く、高分子材料や低分子材料など、基体上に様々な
材料の配置が可能になる。さらに、溶剤の使用を避ける
かあるいは溶剤の使用量を減らすことによって、材料膜
の劣化など、溶剤の残留による不都合を回避することが
できる。また、この膜形成装置では、処理室内の圧力制
御により、ノズルから材料を分子状に放出することが可
能となり、これにより、より純度の高い材料膜を形成し
たり、材料膜の膜厚を高精度に制御したりできるように
なる。さらに、材料を分子状に放出することによって、
複数の材料を同時放出して混合させることが容易とな
り、この場合、特定の機能を持たせた機能膜を基体上に
形成することが可能となる。
【0023】また、本発明の膜形成装置は、材料供給源
に接続され、基体が配置される処理室内に材料を放出す
る複数のノズルと、前記処理室内を前記複数のノズル内
よりも低い圧力に制御する圧力制御系とを備えることを
特徴とする。
【0024】この膜形成装置は、材料を放出する複数の
ノズルと、処理室内の圧力を制御する圧力制御系とを備
えることから、上述した本発明の材料の配置方法を実施
できる。つまり、この膜形成装置では、基体が配置され
る処理室内を複数のノズル内よりも低い圧力に制御し、
その圧力制御された処理室内で複数のノズルから基体に
向けて材料を放出することにより、圧力差を利用して、
処理室内に供給された材料の移動を促し、基体上に材料
を配置して、基体上に材料膜を形成することができる。
また、処理室内の圧力を真空圧に低下させることによ
り、大気圧中では固体の材料を、処理室内で液体あるい
は気体の状態にすることが可能となり、これにより材料
の移動を容易にできる。そのため、この膜形成装置で
は、材料の選択自由度が高く、高分子材料や低分子材料
など、基体上に様々な材料の配置が可能になる。さら
に、溶剤の使用を避けるかあるいは溶剤の使用量を減ら
すことによって、材料膜の劣化など、溶剤の残留による
不都合を回避することができる。また、この膜形成装置
では、処理室内の圧力制御により、複数のノズルから材
料を分子状に放出することが可能となり、これにより、
より純度の高い材料膜を形成したり、材料膜の膜厚を高
精度に制御したりできるようになる。さらに、材料を分
子状に放出することによって、複数の材料を同時放出し
て混合させることが容易となり、この場合、特定の機能
を持たせた機能膜を基体上に形成することが可能とな
る。また、ノズルが複数からなることにより、一度に材
料を配置できる領域を拡大したり、時間あたりの材料の
供給量を増やしたり、あるいは異なる材料を同時に放出
したりでき、スループットの低減化が図られる。
【0025】また、上記の膜形成装置において、前記複
数のノズルは、同一の前記材料を放出してもよい。複数
のノズルから同一の材料を放出することにより、一度に
材料を配置できる領域を拡大したり、時間あたりの材料
の供給量を増やしたりできる。
【0026】また、上記の膜形成装置において、前記複
数のノズルは、それぞれ異なる前記材料を放出してもよ
い。複数のノズルからそれぞれ異なる材料を放出するこ
とにより、異なる複数の材料からなる膜を基体上に形成
することができる。この場合、異なる複数の材料膜を所
定の配列パターンで配列させたり、あるいは異なる複数
の材料を混合させ、特定の機能を持たせた機能膜を基体
上に形成したりできる。
【0027】また、上記の膜形成装置において、前記複
数のノズルは、同一の材料供給源に接続されていてもよ
く、それぞれ異なる材料供給源に接続されていてもよ
い。複数のノズルが同一の材料供給源に接続されている
ことにより、複数のノズルから同一の材料を放出するこ
とが可能となり、一度に材料を配置できる領域を拡大し
たり、時間あたりの材料の供給量を増やしたりできる。
また、複数のノズルがそれぞれ異なる材料供給源に接続
されていることにより、異なる複数の材料膜を基体上に
所定の配列パターンで配列させたり、あるいは異なる複
数の材料からなる特定の機能膜を基体上に形成したりで
きる。
【0028】また、上記の膜形成装置において、前記複
数のノズルと前記基体とを相対的に移動させる駆動系を
備えるのが好ましい。複数のノズルと基体とを相対的に
移動させる駆動系を備えることにより、基体に対して複
数のノズルを位置決めし、基体上の所定の位置に材料を
確実に配置することができる。また、基体上の複数の位
置への材料の配置も容易にできる。
【0029】また、上記の膜形成装置において、前記材
料を加熱する加熱装置を備えるとよい。加熱装置を備え
ることにより、ノズルから材料を容易に気化させて放出
することができる。ノズルから材料を気化させて放出す
ることにより、材料の選択自由度がさらに広がり、広範
囲な様々な材料を基体上に配置することが可能となる。
また、ノズルから材料を分子状(あるいは分子線状)に
放出することが可能となり、この場合、より純度の高い
材料膜や特定の機能膜を高精度に形成することができ
る。
【0030】また、上記の膜形成装置において、前記ノ
ズルが設けられた物体を複数備えるとよい。ノズルが設
けられた物体を複数備えることにより、一度に材料を配
置できる領域を拡大したり、時間あたりの材料の供給量
を増やしたり、あるいは異なる材料を各物体ごとに分け
て同時に放出したりでき、スループットの低減化が図ら
れる。
【0031】本発明の電気光学装置は、上述した膜形成
装置を用いて製造されたことを特徴とする。この電気光
学装置では、上述した膜形成装置を用いて製造されるこ
とから、材料の選択自由度が高く、構造の最適化が図ら
れる。そのため、高寿命化、高品質化、あるいは高機能
化などが図られる。
【0032】本発明の電子機器は、上述した電気光学装
置を表示手段として備えることを特徴とする。この電子
機器では、表示手段の高寿命化、高品質化、あるいは高
機能化を図ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。図1は、本発明の膜形成装置の実施形態の一例を
模式的に示している。この膜形成装置10は、ディスプ
レイや表示光源などとして用いられるEL素子、液晶表
示素子、撮像素子(CCD)、電子放出素子、電気泳動
素子などを備えた電気光学装置や、半導体素子、磁気ヘ
ッド、カラーフィルタ、タッチパネル等の電子装置の製
造過程に用いられ、それらの装置を構成する要素の一部
を形成するために、基体上に材料を配置してその材料膜
を形成するものであり、基体11が配置される処理室と
しての真空チャンバ12、真空チャンバ12内を所定の
真空圧に制御する圧力制御系13、基体11に配置する
材料をノズル14を介して供給する材料供給系15、基
体11とノズル14とを相対的に位置決めする駆動系1
6、及びこれらを統括的に制御する主制御系17等を備
えて構成されている。
【0034】基体11としては、ガラス基板、シリコン
基板、石英基板、セラミックス基板、金属基板、プラス
チック基板、プラスチックフィルム基板等、電気光学装
置や電子装置に用いられる公知の様々な基体が適用され
る。また、基体11上に配置される材料としては、光学
材料や、回路形成材料など電気光学装置や電子装置に用
いられる様々な材料が適用される。特に、本発明の膜形
成装置は、後述するように、材料の選択自由度が高く、
高分子材料や低分子材料など、広範囲の様々な材料が適
用可能である。
【0035】図2(a)、(b)は、膜形成用の材料と
して、有機EL素子を構成する発光層形成材料を基体1
1上に配置した様子を示している。図2(a)におい
て、基体11上には、画素部102、データ側駆動回路
103、走査側駆動回路104がそれぞれ設けられてお
り、画素部102において、発光層形成材料が基体11
上にストライプ状に配置され、これにより発光層(EL
層)が基体11上にストライプ状の配列で形成されてい
る。また、図2(b)では、画素部102において、発
光層形成材料が基体11上にマトリクス状に配置され、
これにより発光層(EL層)105が基体11上にマト
リクス状の配列で形成されている。EL素子では、カラ
ー表示を行う場合、例えば、赤(Red)、緑(Gre
en)、青(Blue)の各色に対応する発光層が所定
の配列で基体11上に形成される。先の図1に示した膜
形成装置10は、例えばこうした発光層を基体11上に
形成するために、所定の材料を基体11上に配置するも
のである。なお、図2において、駆動回路103、10
4は基体11上に搭載されているが、外部(外付ICチ
ップ上など)に搭載してもよい。有機EL素子の詳しい
構成例については、本発明の電気光学装置の一例とし
て、後述する。
【0036】図3は、膜形成装置10を用いて基体11
上に材料を配置する本発明の材料の配置方法の一例を概
念的に示す図であり、本例の膜形成装置10では、基体
11が配置される真空チャンバ12内を、圧力制御系1
3を介して、ノズル14内よりも低い圧力(真空圧)に
制御し、この圧力制御された真空チャンバ12内でノズ
ル14から基体11に向けて材料を放出する。
【0037】図4は、圧力制御系13の構成例を模式的
に示している。圧力制御系13は、例えば、真空チャン
バ12内を排気して真空チャンバ12内の圧力を低下さ
せる真空装置20、排気用の配管21、真空チャンバ1
2内の真空圧を計測する圧力計22、及び圧力計22の
計測結果に基づいて真空装置20を制御する制御機器2
3等を備えて構成される。真空装置としては、例えば、
ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、イオンポンプ、サ
ブリメーションポンプ等の高真空ポンプ、あるいはロー
タリーポンプやドライポンプ等の低真空ポンプ、及び高
真空ポンプと低真空ポンプとを組み合わせたもの等が適
用される。また、真空チャンバ12は、気密に構成され
るとともに、設定される真空圧に耐えうるように耐圧構
造に設計される。
【0038】また、圧力制御系13においては、真空装
置20の作動時の振動が真空チャンバ12内に伝播しな
いよう、防振機構あるいは除振機構を設けておくのが好
ましい。さらに、基体11を搬入・搬出する際に、真空
チャンバ12内の真空度が低下しないように、真空チャ
ンバ12に隣接して予備チャンバ24を設けるのが好ま
しい。この場合、予備チャンバ24は、例えば、真空チ
ャンバ12内の真空度と同じ真空度に内部圧力を低下さ
せるための真空装置25、及び基体11の搬入・搬出用
の開口を開閉する開閉機構26,27等を有して構成さ
れる。なお、基体11を搬送する搬送機構は、予備チャ
ンバ24内に設けてもよいし、外部に設けてもよい。真
空チャンバ12内に基体11を搬入する際には、まず予
備チャンバ24内に基体11を一旦配置し、予備チャン
バ24内の圧力を真空チャンバ12内と同程度の圧力に
制御した後、予備チャンバ24と真空チャンバ12との
間の開閉機構26を開いて真空チャンバ12への基体1
1の搬入を行う。逆に、真空チャンバ12から基体11
を搬出する際には、予備チャンバ24内の圧力を真空チ
ャンバ12内と同程度の圧力に制御した後、開閉機構2
6を開いて基体11を予備チャンバ24内に搬入し、開
閉機構26を閉じた後に、予備チャンバ24内から基体
11を外部に搬出する。これにより、真空チャンバ12
の真空度を安定して維持することができる。
【0039】図3に戻り、本例では、前述したように、
上記圧力制御系13を介して、真空チャンバ12内をノ
ズル14内よりも低い圧力に制御し、この圧力制御され
た真空チャンバ12内でノズル14から基体11に向け
て材料を放出する。そのため、ノズル14内と真空チャ
ンバ12との圧力差により、ノズル14から放出される
材料の移動が促され、ノズル14から放出された材料が
基体11上に安定して配置される。また、真空チャンバ
12内の圧力を真空圧に低下させることにより、大気圧
中では固体あるいは液体の材料を、真空チャンバ12内
で液体あるいは気体の状態にすることが可能となり、こ
れにより材料の移動が容易になる。すなわち、本例で
は、室温及び大気圧中では基体11に移動しにくい材料
に対して、真空圧中でその材料の状態(好ましくは相)
を変化させることにより、その移動を容易にできる。そ
のため、本例では、様々な材料を基体11上に配置する
ことが可能となる。
【0040】例えば、真空チャンバ12内を高真空度に
制御することにより、ノズル14から供給される材料を
気化させて放出することが可能となる。その結果、溶解
性の低い材料を、溶剤に溶解させることなく基体11上
に配置することが可能となる。つまり、ノズル14から
供給される材料が固体や高粘度の液体であっても、真空
チャンバ12内の圧力を大きく低下させ、その材料を蒸
発あるいは昇華させることにより、その材料を、気相あ
るいは蒸気相としてノズル14から基体11に移動させ
ることが可能となる。
【0041】真空チャンバ12内の圧力は、蒸気圧等の
使用する材料の特性に応じて適宜設定するのが好まし
く、圧力制御系13を介して、例えば、10-3torr
(1.33322×10-1Pa)以下の高真空度、ある
いは10-5torr(1.33322×10-3Pa)以
下の高真空度に制御する。真空チャンバ12内を、10
-3torr以下の高真空度に制御することにより、大気
圧中ではノズル14から放出しにくい材料であっても、
ノズル14から容易に放出できるようになり、さらに、
真空チャンバ12内を10-5torr以下の高真空度に
制御することにより、より広範囲の様々な材料をノズル
14から放出することが可能となる。また、真空チャン
バ12内を上述した高真空度に制御することにより、ノ
ズル14から放出される材料の昇華あるいは蒸発を容易
にできる。
【0042】図5は、基体11に配置する材料をノズル
14を介して供給する材料供給系15の構成例を模式的
に示している。図5(a)の例では、材料供給系15
は、材料を液体の状態でノズル14に供給するように構
成されている。すなわち、材料供給系15は、液体材料
を収容するタンクを含む材料供給源30、ノズル14、
材料供給源30からノズル14に材料を輸送するポンプ
等の輸送手段31、及びノズル14からの材料の放出の
タイミングを制御する放出機構32等を有する。なお、
毛管現象や重力、あるいは圧力差を利用することによ
り、上記輸送手段31を省略してもよい。また、室温及
び大気圧中で固体の材料を使用する場合、図5(b)に
示すように、ヒータ等の加熱手段36によって材料を加
熱して溶融させることにより、その材料を液体の状態で
ノズル14に供給することが可能となる。この場合、加
熱手段36は、例えば、材料が収容されるタンクの他
に、輸送経路上の配管や、ノズル14にも設置するのが
好ましい。
【0043】ノズル14は、本例では複数からなり、各
々が材料供給源30に接続されている。図6は、複数の
ノズル14と材料供給源30との接続例を模式的に示し
ており、図6(a)は、複数のノズル14が同一の材料
供給源30に接続された例、図6(b)は、複数のノズ
ル14がそれぞれ異なる材料供給源30a,30b,3
0cに接続された例を示している。複数のノズル14が
同一の材料供給源30に接続され、その複数のノズル1
4から同一の材料を基体11に向けて放出することによ
り、一度に材料を配置できる領域を拡大したり、時間あ
たりの材料の供給量を増やしたりしてスループットの低
減化が図られる。また、複数のノズル14が異なる材料
供給源30a,30b,30cに接続され、その複数の
ノズル14からそれぞれ異なる材料を基体11に向けて
放出することにより、異なる複数の材料からなる膜を基
体11上に形成することができる。例えば、先の図2を
用いて説明したEL素子の発光層を基体上に形成する場
合、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)
の各色に対応する発光層形成材料をそれぞれ異なるノズ
ルから放出することにより、各色に対応する発光層を所
定の配列パターンで基体上に形成することが可能とな
る。
【0044】また、本例では、複数のノズル14が同一
の物体にまとめて設けられている。図7(a)〜(d)
は、上記複数のノズル14が設けられる物体としての放
出ヘッド35の構成例を模式的に示している。図7
(a)では、放出ヘッド35は、一の材料供給源30に
接続されており、材料供給源30から供給された材料
は、放出ヘッド35内で分岐して各ノズル14に送られ
るように構成されている。また、図7(b)では、放出
ヘッド35は、一の材料供給源30に接続されており、
材料供給源30から供給された材料は、放出ヘッド35
に入る前に分岐され、放出ヘッド35内では分岐される
ことなくそのまま各ノズル14に送られるように構成さ
れている。この場合、ノズル内での分岐によるエネルギ
ー損失の不均一をなくし、材料の供給状態をより均一に
できる。また、図7(c)では、放出ヘッド35は、異
なる複数の材料供給源30a,30b,30cに接続さ
れており、各材料供給源30a,30b,30cから供
給された材料は、放出ヘッド35に設けられた複数のノ
ズルのうち、予め対応付けられた所定のノズルに送られ
るように構成されている。また、図7(d)では、放出
ヘッドが複数(35a,35b,35c)からなり、そ
れぞれが異なる材料供給源30a,30b,30cに個
別に接続されている。こうした放出ヘッド35の構成や
その材料の供給経路は、使用する材料に応じて適宜定め
られる。なお、放出ヘッドに設けられた複数のノズル1
4は、放出機構32(図5参照)によって材料放出のタ
イミングを個々に制御される。
【0045】放出機構32としては、例えば、いわゆる
インクジェット方式の吐出技術に用いられる機構を適用
することができる。インクジェット方式の吐出技術とし
ては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、
電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。帯電
制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極
で材料の飛翔方向を制御してノズルから吐出させるもの
である。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm
2 程度の超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出さ
せるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直
進してノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間
に静電的な反発が起こり、材料が飛散してノズルから吐
出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子
(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性
質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによっ
て材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、
この空間から材料を押し出してノズルから吐出させるも
のである。また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空
間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバ
ブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の
材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を
貯留した空間内に微小圧力を加え、ノズルに材料のメニ
スカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料
を引き出すものである。また、この他に、電場による流
体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式
などの技術も適用可能である。さらに、放出機構32と
して、例えば、シャッターの開閉により機械的に材料放
出のタイミングを制御するメカニカルシャッター方式を
用いたり、上述した吐出方式の複数を組み合わせたもの
を用いてもよい。
【0046】図8は、放出機構32の構成例を示してお
り、本例の放出機構32は、ノズル14内の液状の材料
を加熱することにより、その材料を気化(蒸発)させて
ノズル14から放出させる。すなわち、図8において、
放出機構32は、ノズル14内の材料を加熱する加熱手
段36を有し、その加熱のタイミングを制御することに
より、材料放出のタイミングを制御するように構成され
ている。材料放出用の加熱手段36としては、例えば、
電気ヒータを用いたもの(図8(a),(b))や、Y
AGレーザ等のレーザを用いたもの(図8(c))、高
周波加熱装置を用いたもの(図8(d))等が挙げられ
る。なお、加熱手段36としてはこれに限らず、公知の
様々な加熱手段を適用可能である。また、ノズル14か
ら材料を気化させて放出する場合、加熱手段36は、ノ
ズル14内の材料のうち、基体11に面する表面付近を
加熱するように設けるのが好ましい。これにより、材料
の表面から効果的に材料を気化させることができる。
【0047】本例では、基体11が配置される真空チャ
ンバ12(図3参照)内の圧力がノズル14内よりも低
い圧力(真空圧)に制御されることから、ノズル14か
ら放出される材料を加熱することで、その材料を真空チ
ャンバ12内で容易に気化(蒸発)させることができ
る。特に、真空チャンバ12内が高真空度に制御されて
いる場合、材料の沸点が大きく下がり、比較的少ない熱
量で材料が容易に気化(蒸発)する。気化した材料は、
ノズル14から気体あるいは蒸気の状態で放出され、基
体11に向かって移動し、基体11に達した後、例えば
基体11との熱交換によって冷却され、液化あるいは固
化して基体11上に固定される。そして、所定量の材料
が基体11上に配置されることにより、基体11上に材
料膜が形成される。
【0048】高真空度に制御された真空チャンバ12内
で、ノズル14から材料を気化させて放出する場合、そ
の材料を分子状(分子線状)あるいは原子状(原子線
状)に放出することが可能となる。そして、分子状ある
いは原子状に放出された材料を基体11に配置すること
により、より純度の高い材料膜を基体11上に形成した
り、材料膜の膜厚を高精度に制御したりできるようにな
る。つまり、真空チャンバ12内が高真空度に制御され
ていることから、ノズル14から供給される材料に不純
物が混入しにくく、また、材料を分子状あるいは原子状
に放出して基体11上に配置することにより、分子ある
いは原子レベルでの膜厚制御が可能となる。特に、複数
のノズル14から材料を同時放出して複数の材料を混合
させることが容易となり、この場合、特定の機能を持た
せた機能膜を基体11上に形成しやすくなる。
【0049】なお、上述した例では、材料供給源30か
らノズル14に、液体の状態で材料を供給しているが、
本発明はこれに限定されない。すなわち、材料供給源3
0から気体あるいは固体の状態でノズル14に材料を供
給してもよい。材料供給源30からノズル14に材料を
気体の状態で供給するには、例えば、室温及び大気圧中
で液体あるいは固体状の材料を加熱して気化させるとよ
い。また、材料供給源30からノズル14に材料を固体
の状態で供給するには、例えば、セル状、棒状等の所定
の形状に形成された固体の材料をノズル14に供給する
とよい。
【0050】また、上述した例では、ノズル14から材
料を気化させて放出する場合について説明したが、本発
明はこれに限定されない。すなわち、ノズル14から材
料を液体の状態、あるいはミスト状態やヒューム状態な
ど、他の状態で放出してもよい。ノズル14から材料を
液体の状態で放出する場合、上述したインクジェット方
式の吐出技術を用いるとよい。この場合、真空チャンバ
12内をノズル14内よりも低い圧力に制御すること
で、ノズル14内と真空チャンバ12との圧力差によ
り、ノズル14から吐出される材料の移動が促され、ノ
ズル14から吐出された材料が基体11上に安定して配
置される。
【0051】また、ノズル14から材料を気体状態、ミ
スト状態、ヒューム状態で放出する場合、材料にキャリ
アガスを同伴させてもよい。キャリアガスとしては、例
えば、ヘリウム、アルゴン、窒素など、材料に対して不
活性な不活性ガスが挙げられる。また、材料によって
は、その材料と反応する反応性ガスをキャリアガスとし
て用いてもよい。ノズル14からキャリアガスに同伴さ
せて材料を放出することにより、材料を基体11上に安
定して移動させ、基体11上の所定の位置に、より確実
に材料を配置することができる。
【0052】さらに、上記例では、基体11の上方にノ
ズル14が配置される例について示しているが、本発明
はこれに限定されない。すなわち、基体11の下方にノ
ズル14が配置され、ノズル14から上方の基体11に
向けて材料を放出するようにしてもよい。この場合、材
料が気化あるいは蒸発した場合の上昇流を利用して材料
を基体上に配置することが可能となる。また、基体11
の横方向にノズル14を配置し、ノズル14から基体1
1に向けて水平方向に材料を放出するようにしてもよ
い。
【0053】図9は、材料の配置時(パターニング時)
における基体11と放出ヘッド35(ノズル14)との
相対移動の様子の一例を示す図である。また、図9にお
いて、XYZ直交座標系が用いられ、XYZ直交座標系
は、基体11が搭載される基体ステージ40に対して平
行となるようにX軸及びY軸が設定され、Z軸が基体ス
テージ40に対して直交する方向に設定されている。
【0054】図9において、本例の駆動系16は、不図
示のベース上に配置され、二次元平面内(図9中のXY
平面内)で駆動自在に配置される基体ステージ40を有
する。基体ステージ40は、例えばリニアモータ等から
なる駆動装置、及び基体ステージ40上の基体11を加
熱・冷却するための温調装置等を有しており、主制御系
17(図1参照)の指令のもとで、基体11を所定の温
度に調節するとともに、基体11の所定位置への位置決
めや移動を行う。すなわち、膜形成装置10では、材料
の配置時(パターニング時)において、ノズル14から
材料を放出しながら、基体11と放出ヘッド35(ノズ
ル14)とを相対移動させることにより、基体11上に
所定の配列で材料膜を形成する。また、基体11を所定
の温度に調節することにより、基体11上に配置される
材料の堆積や固化を促進させる。なお、基体11と放出
ヘッド35(ノズル14)との間隔(Z方向の距離)
は、不図示のZ駆動装置を介して調整される。なお、駆
動系16において、放出ヘッド35あるいは基体11の
XY平面に対する傾きを調整する手段や、XY平面内で
の回転角を調整する手段を備えてもよい。
【0055】図9(a)の例では、放出ヘッド35の幅
(図9(a)におけるY方向の長さ)が基体11上の材
料を配置する領域(パターニング領域50)の幅(図9
(a)におけるY方向の長さ)に対して小さく形成され
ている。この場合、基体11と放出ヘッド35とをX方
向及びY方向に相対移動させることにより、パターニン
グ領域50内全体のパターニングが行われる。すなわ
ち、図9(a)において、放出ヘッド35は、まず、基
体11上をX方向に相対的に走査移動し、基体11上の
パターニング領域50のうち、Y方向の一部の領域(図
9(a)における上部領域)のパターニングを行う。続
いて、放出ヘッド35は、Y方向に相対的にシフト移動
し、その後、再びX方向に基体11上を相対的に走査移
動し、先にパターングした領域に隣接するY方向の一部
の領域をパターニングする。このように、図9(a)の
例では、放出ヘッド35は、X方向への走査移動と、Y
方向へのシフト移動とを繰り返すことにより、基体11
上のパターニング領域50内全体のパターニングを行
う。
【0056】また、図9(b)の例では、放出ヘッド3
5の幅が基体11上のパターニング領域50の幅に対し
て同じか大きく形成されている。この場合、基体11と
放出ヘッド35とをX方向にのみ相対移動させることに
より、基体11のパターニング領域50内全体のパター
ニングが行われる。すなわち、図9(b)において、放
出ヘッド35は、基体11上を、X方向に相対的に一度
走査移動を行うことにより、基体11上のパターニング
領域50内の全体のパターニングを行う。なお、放出ヘ
ッド35には、複数のノズル14がY方向に複数並べて
設けられており、複数のノズル14のうち、パターニン
グ領域50の形状に応じて選択されたノズル14から材
料が放出される。すなわち、放出ヘッド35に設けられ
た複数のノズル14のうち、材料を放出するノズル14
を選択的に用いることで、基体11上の所定の位置に材
料を配置する。
【0057】また、図9(a)及び(b)の例では、基
体11と放出ヘッド35との相対移動時(パターニング
時)において、ノズル14から材料を連続的に放出して
いる。ノズル14から材料を連続的に放出することによ
り、基体11上に材料を連続的なパターンで配置するこ
とが可能となり、例えば、ストライプ状の配列で材料膜
を基体11上に形成することができる。なお、走査の回
数は一度に限らず、同じ箇所に材料の配置を複数回繰り
返してもよい。
【0058】これに対し、図9(c)及び(d)の例で
は、基体11と放出ヘッド35との相対移動時(パター
ニング時)において、ノズル14から材料を間欠的に放
出している。ノズル14から材料を間欠的に放出するこ
とにより、基体11上に材料を不連続なパターンで配置
することが可能となり、例えば、マトリクス状の配列で
基体11上に材料膜を形成することができる。なお、走
査の回数は一度に限らず、同じ箇所に材料の配置を複数
回繰り返してもよい。また、この場合、複数のノズル1
4から異なる材料を放出することにより、異なる複数の
材料膜を所定の配列パターンで配列させたり、あるいは
異なる複数の材料を混合させ、特定の機能を持たせた機
能膜を基体上に形成したりできる。これにより、例え
ば、先の図2に示したような配列のEL素子の発光層を
基体上に形成することができる。なお、ノズル14から
材料を間欠的に放出する場合、不連続なパターンに限ら
ず、連続的なパターンを形成することも可能である。す
なわち、材料を配置する箇所をずらしながら走査を繰り
返したり、基体上に配置される材料の広がりを利用した
りするなど、走査の仕方によっては基体上に材料を連続
的なパターンで配置することも可能である。
【0059】また、図9(a)及び(c)の例では、放
出ヘッド35の幅がパターニング領域50の幅に対して
小さく形成されており、X方向への走査移動と、Y方向
へのシフト移動とを繰り返す構成であることから、パタ
ーニング領域50の大きさが変化する場合にも柔軟に対
応することができる。これに対して、図9(b)及び
(d)の例では、放出ヘッド35の幅が基体11上のパ
ターニング領域50の幅に対して同じか大きく形成され
ており、X方向への走査移動によりパターンを形成する
構成であることから、材料の配置が比較的短時間で済
む。
【0060】また、本例では、基体ステージ40を介し
て基体11を移動させることにより、パターニング時に
おける基体11と放出ヘッド35(ノズル14)との相
対移動を行う。しかしながら、本発明はこれに限定され
ず、放出ヘッド35を移動させて上記相対移動を行って
もよく、あるいは基体11と放出ヘッド35との双方を
移動させて上記相対移動を行ってもよい。基体11と放
出ヘッド35との双方を移動させる場合、一方(例えば
放出ヘッド35)の移動により上記走査移動を行い、他
方(例えば基体11)の移動により上記シフト移動を行
ってもよい。また、ある箇所に対して一度の走査移動で
材料膜の形成を完成させるのではなく、同じ箇所に対し
て、複数回繰り返し走査移動を繰り返して、材料膜を完
成させてもよい。これにより、例えば、基体上で材料を
成長(気相成長)させながら材料膜を形成することが可
能となる。この場合、材料の膜成長に応じて走査移動を
繰り返すことにより、スループットの低下を抑制でき
る。
【0061】以上説明したように、本例の膜形成装置及
び材料の配置方法では、材料の選択自由度が高く、高分
子材料や低分子材料など、基体上に様々な材料の配置が
可能になる。そのため、溶剤の使用を避けるかあるいは
溶剤の使用量を減らすことによって、材料膜の劣化な
ど、溶剤の残留による不都合を回避することができる。
また、ノズルから材料を分子状あるいは原子状に放出す
ることが可能となり、これにより、より純度の高い材料
膜を形成したり、材料膜の膜厚を高精度に制御したりで
き、さらに、複数の材料を同時放出して混合させること
で、特定の機能を持たせた機能膜を基体上に良好に形成
することが可能である。
【0062】次に、本発明の電気光学装置を、有機EL
素子を用いたアクティブマトリクス型の表示装置に適用
した実施例について説明する。図10は、本例のアクテ
ィブマトリクス型有機EL表示装置の回路の一例を示
し、図11は、本例の表示装置における画素部の平面構
造の一例を示している。本例の表示装置100は、その
構成要素の一部が前述した膜形成装置10を用いて形成
されていることを特徴としている。
【0063】表示装置100は、図11に示すように、
基体としての基板上に、複数の走査線131と、これら
走査線131に対して交差する方向に延びる複数の信号
線132と、これら信号線132に並列に延びる複数の
共通給電線133とがそれぞれ配線され、走査線131
及び信号線132の各交点毎に、画素(画素領域素)1
02が設けられている。
【0064】信号線132に対しては、例えば、シフト
レジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイ
ッチを備えるデータ側駆動回路103が設けられてい
る。一方、走査線131に対しては、シフトレジスタ及
びレベルシフタを備える走査側駆動回路104が設けら
れている。また、画素領域102の各々には、走査線1
31を介して走査信号がゲート電極に供給される第1の
薄膜トランジスタ142と、この第1の薄膜トランジス
タ142を介して信号線132から供給される画像信号
を保持する保持容量capと、保持容量capによって
保持された画像信号がゲート電極に供給される第2の薄
膜トランジスタ143と、この第2の薄膜トランジスタ
143を介して共通給電線133に電気的に接続したと
きに共通給電線133から駆動電流が流れ込む画素電極
141(陽極)と、この画素電極141と対向電極15
4(陰極)との間に挟み込まれる発光部140と、が設
けられている。
【0065】また、図11に示すように、各画素102
の平面構造は、平面形状が長方形の画素電極141の四
辺が、信号線132、共通給電線133、走査線131
及び図示しない他の画素電極用の走査線によって囲まれ
た配置となっている。画素領域102の平面形状は、図
に示す矩形の他に、円形、長円形など任意の形状が適用
される。
【0066】このような構成のもとに、走査線131が
駆動されて第1の薄膜トランジスタ142がオンとなる
と、そのときの信号線132の電位が保持容量capに
保持され、該保持容量capの状態に応じて、第2の薄
膜トランジスタ143の導通状態が決まる。そして、第
2の薄膜トランジスタ143のチャネルを介して共通給
電線133から画素電極141に電流が流れ、さらに発
光部140を通じて対向電極154に電流が流れること
により、発光部140は、これを流れる電流量に応じて
発光するようになる。
【0067】図12(a)、(b)は、画素部102
(有機EL素子)の断面構造を模式的に示しており、
(a)は、いわゆるトップエミッション型、(b)は、
いわゆるバックエミッション型を示している。 図12
(a)において、トップエミッション型のEL素子で
は、薄膜トランジスタ143が設けられている基板12
1とは反対側から発光層286(EL層、発光部14
0)の発光光を取り出す構成である。そのため、基板1
21としては、透明でも不透明でもよい。不透明な基板
としては、例えば、アルミナ等のセラミック、ステンレ
ス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したも
のの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられ
る。
【0068】図12(b)において、バックエミッショ
ン型のEL素子では、薄膜トランジスタ143が設けら
れている基板121側から発光層286の発光光を取り
出す構成である。そのため、基板121としては、透明
あるいは半透明なものが用いられる。透明あるいは反透
明な基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、樹
脂基板(プラスチック基板、プラスチックフィルム基
板)等が挙げられ、特に安価なソーダガラス基板が好適
に用いられる。なお、ソーダガラス基板を用いる場合、
これにシリカコートを施すことにより、酸アルカリに弱
いソーダガラスが保護されるとともに、基板の平坦性の
向上が図られる。また、基板に色フィルター膜や発光性
物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置し
て、発光色を制御するようにしてもよい。
【0069】また、図12(b)において、符号281
は、発光層286(EL層)の形成時に、隣接する発光
層同士の混じりを防ぐ隔壁を有するバンク層である。こ
こでは、バンク層は頂辺の長さが底辺の長さより小であ
るテーパー構造を有しているが、逆に頂辺の長さが底辺
の長さと同等あるいは大となるような構造であってもよ
い。バックエミッション型のEL素子では、薄膜トラン
ジスタ143が設けられている基板121側から発光層
286の発光光を取り出す構成であるため、光を効率よ
く取り出すことを目的として、発光層286の真下に薄
膜トランジスタ143を配置するのを避け、薄膜トラン
ジスタ143を例えば前記バンク層281の下に配置す
るのが好ましい。
【0070】図13は、トップエミッション型の画素部
102(有機EL素子)の断面構造を拡大して示してい
る。図13において、有機EL素子は、基板121と、
インジウム錫酸化物(ITO)等の透明電極材料からな
る陽極280(画素電極)と、陽極280から正孔を輸
送可能な正孔輸送層285と、電気光学物質の1つであ
る有機EL物質を含む発光層286(有機EL層)と、
発光層286の上面に設けられている電子輸送層287
と、電子輸送層287の上面に設けられている陰極29
0(対向電極)と、基板121上に形成され、画素電極
280にデータ信号を書き込むか否かを制御する通電制
御部としての薄膜トランジスタ142、143とを有し
ている。陰極290は、素子全面を覆うように形成され
ており、画素電極280と対になって発光層286に電
子を注入する役割を果たす。この陰極290は、単層構
造でもよく複層構造でもよい。また、陰極290の形成
材料としては、アルミニウム(Al)、マグネシウム
(Mg)、金(Au)、銀(Ag)、カルシウム(C
a)の他に、フッ化リチウム等が挙げられる。これらの
材料は単独で使用してもよく、合金として使用してもよ
い。
【0071】薄膜トランジスタ142、143は、本例
では、双方ともnチャネル型に形成されている。なお、
薄膜トランジスタ142、143は、双方ともnチャネ
ル型TFTに限らず、双方またはどちらか一方にpチャ
ネル型の薄膜トランジスタを用いてもよい。
【0072】薄膜トランジスタ142、143は、例え
ばSiO2を主体とする下地保護膜201を介して基板
121の表面に設けられており、下地保護膜201の上
層に形成されたシリコン等からなる半導体膜204、2
05と、半導体膜204、205を覆うように、下地保
護膜201の上層に設けられたゲート絶縁膜220と、
ゲート絶縁膜220の上面のうち半導体膜204、20
5に対向する部分に設けられたゲート電極229、23
0と、ゲート電極229、230を覆うようにゲート絶
縁膜220の上層に設けられた第1層間絶縁膜250
と、ゲート絶縁膜220及び第1層間絶縁膜250にわ
たって開孔するコンタクトホールを介して半導体膜20
4、205と接続するソース電極262、263と、ゲ
ート電極229、230を挟んでソース電極262、2
63と対向する位置に設けられ、ゲート絶縁膜220及
び第1層間絶縁膜250にわたって開孔するコンタクト
ホールを介して半導体膜204、205と接続するドレ
イン電極265、266と、ソース電極262、263
及びドレイン電極265、266を覆うように第1層間
絶縁膜250の上層に設けられた第2層間絶縁膜270
とを備えている。
【0073】また、第2層間絶縁膜270の上面に画素
電極280が配置され、画素電極280とドレイン電極
266とは、第2層間絶縁膜270に設けられたコンタ
クトホールを介して接続されている。また、第2層間絶
縁膜270の表面のうち有機EL素子が設けられている
以外の部分と陰極290との間には、合成樹脂などから
なる第3絶縁層(バンク層)281が設けられている。
なお、第1層間絶縁膜250と第2層間絶縁膜270の
材質が互いに異なる場合、図に示すように、第1層間絶
縁膜250に設けられたコンタクトホールと第2層間絶
縁膜270に設けられたコンタクトホール275とは、
重ならないように形成されるのが好ましい。
【0074】また、半導体膜204、205のうち、ゲ
ート絶縁膜220を挟んでゲート電極229、230と
重なる領域がチャネル領域246、247とされてい
る。また、半導体膜204、205のうち、チャネル領
域246、247のソース側にはソース領域233、2
36が設けられている一方、チャネル領域246、24
7のドレイン側にはドレイン領域234、235が設け
られている。このうち、ソース領域233、236が、
ゲート絶縁膜220と第1層間絶縁膜250とにわたっ
て開孔するコンタクトホールを介して、ソース電極26
2、263に接続されている。一方、ドレイン領域23
4、235が、ゲート絶縁膜220と第1層間絶縁膜2
50とにわたって開孔するコンタクトホールを介して、
ソース電極262、263と同一層からなるドレイン電
極265、266に接続されている。画素電極280
は、ドレイン電極266を介して、半導体膜205のド
レイン領域235に電気的に接続されている。
【0075】本例の有機EL素子は、正孔輸送層28
5、発光層286、及び電子輸送層287が、前述した
膜形成装置10(図1参照)を用いて形成される。その
ため、これらの層を形成する材料の選択自由度が高い。
また、これらの層を形成する際に、溶剤の使用を避ける
かあるいは溶剤の使用量を減らすことが可能であり、こ
の場合、層の劣化など、溶剤の残留による不都合が回避
される。なお、正孔輸送層285、発光層286、及び
電子輸送層287に限らず、他の膜を前述した膜形成装
置10を用いて形成してもよい。
【0076】次に、本発明の電気光学装置の製造方法
を、上述した有機EL素子を備える表示装置を製造する
プロセスに適用した実施例について図14〜図17を参
照して説明する。なお、本例では、前述した薄膜トラン
ジスタ142、143を含む有機EL素子と同時に、N
型及びP型の駆動回路用の薄膜トランジスタとを同時に
製造するプロセスについて説明する。
【0077】まず、図14(a)に示すように、基板1
21に対し、必要に応じてTEOS(テトラエトキシシ
ラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法に
より厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜からな
る下地保護膜201を形成する。なお、下地保護膜とし
て、シリコン酸化膜の他に、シリコン窒化膜やシリコン
酸化窒化膜を設けてもよい。こうした絶縁膜を設けるこ
とにより、放熱性を高めることが可能となる。
【0078】次に、基板121の温度を約350℃に設
定して、下地保護膜の表面に、ICVD法、プラズマC
VD法などを用いて厚さ約30〜70nmのアモルファ
スシリコン膜からなる半導体膜200を形成する。半導
体膜200としては、アモルファスシリコン膜に限定さ
れず、微結晶半導体膜などのアモルファス構造を含む半
導体膜であればよい。また、アモルファスシリコンゲル
マニウム膜などの非晶質構造を含む化合物半導体膜でも
よい。続いて、この半導体膜200に対してレーザアニ
ール法や、急速加熱法(ランプアニール法や熱アニール
法など)などの結晶化工程を行い、半導体膜200をポ
リシリコン膜に結晶化する。レーザアニール法では、例
えばエキシマレーザでビームの長寸が400mmのライ
ンビームを用い、その出力強度は例えば200mJ/c
2 とする。なお、YAGレーザーの第2高調波或いは
第3高調波を用いてもよい。ラインビームについては、
その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に
相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを
走査するのがよい。
【0079】次に、図14(b)に示すように、フォト
リソグラフィ法等を用いたパターニングにより、半導体
膜(ポリシリコン膜)200の不要な部分を除去して、
薄膜トランジスタの各形成領域に対応して、島状の半導
体膜202、203、204、205を形成する。続い
て、TEOSや酸素ガスなどを原料としてプラズマCV
D法により厚さ約60〜150nmのシリコン酸化膜ま
たは窒化膜(シリコン酸化窒化膜など)からなるゲート
絶縁膜220を半導体膜200を覆うように形成する。
ゲート絶縁膜220は単層構造でも積層構造でもよい。
なお、プラズマCVD法に限らず、熱酸化法などの他の
方法を用いてもよい。また、熱酸化法を利用してゲート
絶縁膜220を形成する際には、半導体膜200の結晶
化も行い、これらの半導体膜をポリシリコン膜とするこ
とができる。
【0080】次に、図14(c)に示すように、ゲート
絶縁膜220の全表面に、ドープドシリコン、シリサイ
ド膜や、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタ
ン、タングステンなどの金属を含むゲート電極形成用導
電膜221を形成する。この導電膜221の厚さは例え
ば200nm程度である。続いて、ゲート電極形成用導
電膜221の表面にパターニング用マスク222を形成
し、この状態でパターニングを行なって、図14(d)
に示すように、P型の駆動回路用トランジスタを形成す
る側にゲート電極223を形成する。このとき、N型の
画素電極用トランジスタ及びN型の駆動回路用トランジ
スタの側では、ゲート電極形成用導電膜221がパター
ニング用マスク222で覆われているので、ゲート電極
形成用導電膜221はパターニングされることはない。
また、ゲート電極は単層の導電膜で形成してもよく、積
層構造としてもよい。
【0081】次に、図14(e)に示すように、P型の
駆動回路用トランジスタのゲート電極223と、N型の
画素電極用トランジスタが形成される領域とN型の駆動
回路用トランジスタが形成される領域とに残したゲート
電極形成用導電膜221をマスクとして、p型不純物元
素(本例ではボロン)をイオン注入する。ドーズ量は例
えば約1×1015cm-2である。その結果、不純物濃度
が例えば1×1020cm-3の高濃度のソース・ドレイン
領域224、225がゲート電極223に対して自己整
合的に形成される。ここで、ゲート電極223で覆わ
れ、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域22
6となる。
【0082】次に、図15(a)に示すように、P型の
駆動回路用トランジスタの側を完全に覆い、かつ、N型
の画素電極用TFT10およびN型の駆動回路用トラン
ジスタの側のゲート電極形成領域を覆うレジストマスク
等からなるパターニング用マスク227を形成する。
【0083】次に、図15(b)に示すように、パター
ニング用マスク227を使用してゲート電極形成用導電
膜221をパターニングし、N型の画素電極用トランジ
スタおよびN型の駆動回路用トランジスタのゲート電極
228、229、230を形成する。続いて、パターニ
ング用マスク227を残したまま、n型不純物元素(本
例ではリン)をイオン注入する。ドーズ量は例えば1×
1015cm-2である。その結果、パターニング用マスク
227に対して自己整合的的に不純物が導入され、半導
体膜203、204、205中に高濃度ソース・ドレイ
ン領域231、232、233、234、235、23
6が形成される。ここで、半導体膜203、204、2
05のうち、高濃度のリンが導入されない領域は、ゲー
ト電極228、229、230で覆われていた領域より
も広い。すなわち、半導体膜203、204、205の
うち、ゲート電極228、229、230と対向する領
域の両側には高濃度ソース・ドレイン領域231、23
2、233、234、235、236との間に高濃度の
リンが導入されない領域(後述する低濃度ソース・ドレ
イン領域)が形成される。
【0084】次に、パターニング用マスク227を除去
し、この状態でn型不純物元素(本例ではリン)をイオ
ン注入する。ドーズ量は例えば1×1013cm-2であ
る。その結果、図15(c)に示すように、半導体膜2
03、204、205にはゲート電極228、229、
230に対して自己整合的に低濃度の不純物が導入さ
れ、低濃度ソース・ドレイン領域237、238、23
9、240、241、242が形成される。なお、ゲー
ト電極228、229、230と重なる領域には不純物
が導入されず、チャネル領域245、246、247が
形成される。
【0085】次に、図15(d)に示すように、ゲート
電極228、229、230の表面側に第1層間絶縁膜
250を形成し、フォトリソグラフィ法等によってパタ
ーニングして所定のソース電極位置、ドレイン電極位置
にコンタクトホールを形成する。第1層間絶縁膜250
としては、例えば、シリコン酸化窒化膜やシリコン酸化
膜等のシリコンを含む絶縁膜を用いるとよい。また、単
層でもよく積層膜でもよい。さらに、水素を含む雰囲気
中で、熱処理を行い半導体膜の不対結合手を水素終端
(水素化)する。なお、プラズマにより励起された水素
を用いて水素化を行ってもよい。続いて、この上からア
ルミニウム膜、クロム膜やタンタル膜などの金属膜を用
いてソース電極、ドレイン電極となる導電膜251を形
成する。導電膜251の厚さは例えば200nm〜30
0nm程度である。導電膜は単層でもよく積層膜でもよ
い。続いて、ソース電極、ドレイン電極の位置にパター
ニング用マスク252を形成するとともに、パターニン
グを行って、図15(e)に示すソース電極260、2
61、262、263、及びドレイン電極264、26
5、266を同時に形成する。
【0086】次に、図16(a)に示すように、窒化珪
素等からなる第2層間絶縁膜270を形成する。この第
2層間絶縁膜270の厚さは、例えば1〜2μm程度で
ある。第2層間絶縁膜270の形成材料としては、シリ
コン酸化膜や有機樹脂、シリカエアロゲルなどの光を透
過可能な材料が用いられる。有機樹脂としてはアクリ
ル、ポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブ
テン)等を用いることができる。
【0087】次に、図16(b)に示すように、第2層
間絶縁膜270をエッチング除去してドレイン電極26
6に達するコンタクトホール275を形成する。
【0088】次に、図16(c)に示すように、コンタ
クトホール275内にも埋め込まれるように、例えばI
TOやフッ素をドープしてなるSnO2 、さらにZnO
やポリアニリン等の透明電極材料からなる膜を形成し、
ソース・ドレイン領域235、236に電気的に接続す
る画素電極280を形成する。なお、この画素電極28
0がEL素子の陽極となる。
【0089】次に、図17(a)に示すように、画素電
極280を挟むように、第3絶縁層(バンク層)281
を形成する。具体的には、例えば、アクリル樹脂、ポリ
イミド樹脂などのレジストを溶媒に融かしたものを、ス
ピンコート、ディップコート等により塗布して絶縁層を
形成し、絶縁層をフォトリソグラフィ技術等により同時
にエッチングする。第3絶縁層281としては、アクリ
ル樹脂、ポリイミド樹脂などの合成樹脂が用いられる。
なお、信号線、共通給電線、走査線等の配線を含むバン
ク層を形成してもよい。
【0090】続いて、画素電極280を覆うように正孔
輸送層285を形成する。本例では、前述した膜形成装
置10(図1参照)を用いて正孔輸送層285を形成す
る。すなわち、真空圧に制御された真空チャンバ内に基
板121を配置し、ノズル14から基板121に向けて
正孔輸送層285の形成材料を放出する。この際、ノズ
ル14から正孔輸送層285の形成材料を気化させて放
出してもよい。気化した材料は、基板121上に達した
後、熱交換によって冷却され、液化あるいは固化して固
定される。そして、所定量の材料が基板121上に配置
されることにより、基体11上に正孔輸送層285が形
成される。
【0091】また、材料が基板121上にて液状となっ
た場合には、その流動性によって水平方向に広がろうと
するものの、第3絶縁層(バンク層)の隔壁によって、
その広がりが防止される。なお、処理条件や材料の特性
等により、材料の流動による不都合が生じない場合に
は、第3絶縁層の高さを低くしたり、隔壁を用いない構
造としてもよい。また、ノズル14から材料を基板12
1上に放出した後、基板121を真空チャンバ内から一
旦取り出し、必要に応じて加熱あるいは光照射等の処理
を行って材料を固化あるいは硬化させてもよい。
【0092】正孔輸送層285の形成材料としては、特
に限定されることなく公知のものが使用可能であり、例
えばピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチル
ベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等が挙げられ
る。具体的には、特開昭63−70257号、同63−
175860号公報、特開平2−135359号、同2
−135361号、同2−209988号、同3−37
992号、同3−152184号公報に記載されている
もの等が例示されるが、トリフェニルジアミン誘導体が
好ましく、中でも4,4’−ビス(N(3−メチルフェ
ニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルが好適とされ
る。
【0093】また、正孔輸送層に代えて正孔注入層を形
成するようにしてもよく、さらに正孔注入層と正孔輸送
層を両方形成するようにしてもよい。その場合、正孔注
入層の形成材料としては、例えば銅フタロシアニン(C
uPc)や、ポリテトラヒドロチオフェニルフェニレン
であるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−
N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、ト
リス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム等が
挙げられるが、特に銅フタロシアニン(CuPc)を用
いるのが好ましい。正孔注入層と正孔輸送層を両方形成
する場合には、例えば、正孔輸送層の形成に先立って正
孔注入層を画素電極側に形成し、その上に正孔輸送層を
形成するのが好ましい。このように正孔注入層を正孔輸
送層とともに形成することにより、駆動電圧の上昇を制
御することができるとともに、駆動寿命(半減期)を長
くすることができる。
【0094】次に、図17(b)に示すように、正孔輸
送層285上に発光層286を形成する。本例では、先
の正孔輸送層(及び/又は正孔注入層)と同様に、前述
した膜形成装置10(図1参照)を用いてこの発光層2
86を形成する。すなわち、真空圧に制御された真空チ
ャンバ内に基板121を配置し、ノズル14から基板1
21に向けて発光層286の形成材料を放出する。
【0095】発光層286の形成材料としては、特に限
定されることなく、低分子の有機発光色素や高分子発光
体、すなわち各種の蛍光物質や燐光物質からなる発光物
質が使用可能である。発光物質となる共役系高分子の中
ではアリーレンビニレン構造を含むものが特に好まし
い。低分子蛍光体では、例えばナフタレン誘導体、アン
トラセン誘導体、ペリレン誘導体、ポリメチン系、キサ
テン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒ
ドロキノリンおよびその誘導体の金属錯体、芳香族アミ
ン、テトラフェニルシクロペンタジエン誘導体等、また
は特開昭57−51781、同59−194393号公
報等に記載されている公知のものが使用可能である。
【0096】次に、図17(c)に示すように、発光層
286上に電子輸送層287を形成する。本例では、先
の正孔輸送層285、発光層286の場合と同様に、前
述した膜形成装置10(図1参照)を用いてこの電子輸
送層287を形成する。すなわち、真空圧に制御された
真空チャンバ内に基板121を配置し、ノズル14から
基板121に向けて電子輸送層287の形成材料を放出
する。
【0097】電子輸送層287の形成材料としては、特
に限定されることなく、オキサジアゾール誘導体、アン
トラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよ
びその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アント
ラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアンスラキノ
ジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフ
ェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキ
ノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体
の金属錯体等が例示される。具体的には、先の正孔輸送
層の形成材料と同様に、特開昭63−70257号、同
63−175860号公報、特開平2−135359
号、同2−135361号、同2−209988号、同
3−37992号、同3−152184号公報に記載さ
れているもの等が例示され、特に2−(4−ビフェニリ
ル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−
オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、ト
リス(8−キノリノール)アルミニウムが好適とされ
る。
【0098】なお、正孔輸送層285の形成材料や電子
輸送層287の形成材料を、発光層286の形成材料に
混合し、発光層形成材料として使用してもよい。その場
合、正孔輸送層形成材料や電子輸送層形成材料の使用量
については、使用する化合物の種類等によっても異なる
ものの、十分な成膜性と発光特性を阻害しない量範囲で
それらを考慮して適宜決定される。通常は、発光層形成
材料に対して1〜40重量%とされ、さらに好ましくは
2〜30重量%とされる。
【0099】また、上述した正孔輸送層285、発光層
286、及び電子輸送層287の各膜厚については、予
めノズル14からの各形成材料の放出量を適宜に設定し
ておくことにより、好ましい厚さ(例えば65nm)に
形成する。また、圧力差を利用してノズル14からの材
料の移動を促したり、あるいはノズル14から材料を気
化させて放出したりすることにより、これらの形成材料
を溶剤に溶解させることなく、あるいは溶剤の使用量を
減らして基板上に配置することが可能となる。そのた
め、材料の劣化など、溶剤の残留による不都合が回避さ
れる。
【0100】次に、図17(d)に示すように、基板1
21の表面全体に、あるいはストライプ状に陰極として
の対向電極290を形成する。対向電極290は、A
l、Mg、Li、Caなどの単体材料やMg:Ag(1
0:1合金)の合金材料からなる1層で形成してもよ
く、2層あるいは3層からなる金属(合金を含む)層と
して形成してもよい。具体的には、Li2 O(0.5n
m程度)/AlやLiF(0.5nm程度)/Al、M
gF2 /Alといった積層膜が挙げられる。
【0101】以上のプロセスにより、有機EL素子、及
びN型及びP型の駆動回路用の薄膜トランジスタが完成
する。なお、上述した例では、正孔輸送層285、発光
層286、及び電子輸送層287を前述した膜形成装置
10(図1参照)を用いて形成しているが、他の層につ
いても、同様に、膜形成装置10を用いて形成してもよ
い。例えば、画素電極280(陽極)や対向電極290
(陰極)を、膜形成装置10を用いて形成してもよい。
すなわち、インジウム錫酸化物(ITO)や酸化スズ
(SnO2 )、酸化亜鉛(ZnO)などの透明電極(陽
極)や、Al/Ca等の積層構造などによる陰極につい
ても、膜形成装置10を用いて形成することができる。
さらに、特に図14及び図15に示したトランジスタの
形成過程において、前述した膜形成装置を用いて任意の
層を形成してもよい。特に、気化させた材料を放出して
層を形成することにより、膜厚を高精度に制御できる。
そのため、高精度なトランジスタを形成することが可能
となる。さらに、前述した膜形成装置を用いることによ
り、所望の位置に材料を配置できることから、マスクの
使用をなくしたり、少なくしたりすることができる。
【0102】図18は、有機EL素子の他の形態例を示
している。図18に示す有機EL素子は、上述した例と
異なり、ガスや金属イオンの侵入を遮断する封止層(第
1封止層300、第2封止層301、及び第3封止層3
02のうちの少なくとも1つ)を有する。
【0103】第1封止層300は、第1層間絶縁膜25
0と第2層間絶縁膜270との間で、ソース電極26
2、263及びドレイン電極265、266を覆うよう
に形成され、膜厚は例えば50〜500nmである。第
1封止層300を構成する材料としては、例えばセラミ
ックや窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素などの材料が
用いられる。第1封止層300は、薄膜トランジスタ1
42、143に対して、水分や発光層286(EL層)
等からのアルカリ金属(ナトリウム)の侵入を防ぐ。
【0104】また、第1封止層300を構成する材料と
して、上記アルカリ金属の封止効果に加え、放熱効果を
持つ材料を用いてもよい。こうした材料としては、例え
ば、B(ホウ素)、C(炭素)、N(窒素)のうちの少
なくとも一つの元素と、Al(アルミニウム)、Si
(珪素)、P(リン)のうちの少なくとも一つの元素と
を含む絶縁膜が挙げられる。例えば、アルミニウムの窒
化物、珪素の炭化物、珪素の窒化物、ホウ素の窒化物、
ホウ素のリン化物等を用いることができる。さらに、S
i、Al、N、O、Mを含む絶縁膜(ただし、Mは希土
類元素の少なくとも一種、好ましくはCe(セリウ
ム),Yb(イッテルビウム),Sm(サマリウム),
Er(エルビウム),Y(イットリウム)、La(ラン
タン)、Gd(ガドリニウム)、Dy(ジスプロシウ
ム)、Nd(ネオジウム)のうちの少なくとも一つの元
素)を用いることもできる。また、ダイヤモンド薄膜又
はアモルファスカーボン膜(ダイヤモンドライクカーボ
ン等)を含む炭素膜を用いることもできる。これらは熱
伝導率が高く、放熱効果が高い。
【0105】第2封止層301は、第2層間絶縁膜27
0と画素電極280との間に形成され、膜厚は例えば5
0〜500nmである。第2封止層301を構成する材
料としては、例えばセラミックや窒化珪素、酸化窒化珪
素、酸化珪素などの材料が用いられる。第2封止層30
1は、水分や、薄膜トランジスタ142、143に対し
て、水分や発光層286(EL層)等からのアルカリ金
属(ナトリウム)の侵入を防ぐ。第2封止層301を構
成する材料として、上述した第1封止層に用いられる材
料を用いることができる。また、上記アルカリ金属の封
止効果に加え、放熱効果を持たせてもよい。
【0106】第3封止層302は、陰極290を覆うよ
うに形成され、膜厚は例えば50〜500nmである。
第3封止層302を構成する材料としては、例えばセラ
ミックや窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素などの材料
が用いられる。第3封止層302は、外部からの水分の
侵入を防ぐ。また、第3封止層302を構成する材料と
して、上述した第1封止層に用いられる材料を用いるこ
とができる。また、上記アルカリ金属の封止効果に加
え、放熱効果を持たせてもよい。また、図18の有機E
L素子は、トップエミッション型であり、第3封止層3
02は、良好に光を透過させる材質及び厚みで形成され
るのが好ましい。
【0107】また、こうした封止層に代えてあるいは加
えて、光の取り出し効率を向上させるための低屈折率層
を形成してもよい。低屈折率層は、基板より光の透過屈
折率が低い層であり、例えばシリカエアロゲルによって
構成される。シリカエアロゲルとは、シリコンアルコキ
シドのゾルゲル反応により形成される湿潤ゲルを超臨界
乾燥することによって得られる均一な超微細構造を持っ
た光透過性の多孔質体である。シリカエアロゲルは体積
の90%以上を空隙が占め、残りが樹枝状に凝集した数
十nmの微細なSiO2粒子で構成された材料であり、
粒子径が光の波長よりも小さいため、光透過性を有し、
その屈折率は1.2以下である。また、空隙率を変化さ
せることによって屈折率を調整できる。ここで、基板の
材料であるガラスの屈折率は1.54、石英の屈折率は
1.45である。また、低屈折率層として、多孔性を有
するSiO2膜やポリマー等の他の材料を用いてもよ
い。さらに、低屈折率層を構成する材料に、乾燥剤ある
いは化学吸着剤を分散させてもよい。これにより、低屈
折率層に封止効果を付与することができる。
【0108】図19は、有機EL素子の他の形態例を示
している。上述した各例では、スイッチング用の薄膜ト
ランジスタ142は、いわゆるシングルゲート構造とし
て示しているが、本発明はこれに限定されない。すなわ
ち、図19に示すように、不図示のゲート線によって2
つのゲート電極310、311が電気的に接続されたダ
ブルゲート構造としてもよく、あるいはトリプルゲート
構造など、いわゆるマルチゲート構造(直列に接続され
た2つ以上のチャネル領域を有する半導体膜を含む構
造)としてもよい。マルチゲート構造はオフ電流値を低
減する上で有利であり、画面の大型化にも有利である。
【0109】図20(a)及び(b)は、有機EL表示
装置の回路の他の例を示している。図20(a)及び
(b)に示す回路は、電流を制御することにより、EL
素子の通電制御を行う、いわゆる電流プログラム方式の
回路である。なお、図20(a)はいわゆるカレントミ
ラー回路を採用している。こうした回路を採用すること
により、EL素子の導通状態を一定に保ち、EL層を安
定して発光させることができる。また、大画面の表示装
置を構成する上でも有利である。
【0110】なお、発光層の形成材料として高分子蛍光
体を用いる場合には、側鎖に蛍光基を有する高分子を用
いることができるが、好ましくは共役系構造を主鎖に含
むもので、特に、ポリチオフェン、ポリ−p−フェニレ
ン、ポリアリーレンビニレン、ポリフルオレンおよびそ
の誘導体が好ましい。中でもポリアリーレンビニレンお
よびその誘導体が好ましい。該ポリアリーレンビニレン
およびその誘導体は、下記化学式(1)で示される繰り
返し単位を全繰り返し単位の50モル%以上含む重合体
である。繰り返し単位の構造にもよるが、化学式(1)
で示される繰り返し単位が全繰り返し単位の70%以上
であることがさらに好ましい。 −Ar−CR=CR’− …(1) 〔ここで、Arは、共役結合に関与する炭素原子数が4
個以上20個以下からなるアリーレン基または複素環化
合物基、R、R’はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜2
0のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数
4〜20の複素環化合物、シアノ基からなる群から選ば
れた基を示す。〕
【0111】該高分子蛍光体は、化学式(1)で示され
る繰り返し単位以外の繰り返し単位として、芳香族化合
物基またはその誘導体、複素環化合物基またはその誘導
体、およびそれらを組み合わせて得られる基などを含ん
でいてもよい。また、化学式(1)で示される繰り返し
単位や他の繰り返し単位が、エーテル基、エステル基、
アミド基、イミド基などを有する非共役の単位で連結さ
れていてもよいし、繰り返し単位にそれらの非共役部分
が含まれていてもよい。
【0112】前記高分子蛍光体において化学式(1)の
Arとしては、共役結合に関与する炭素原子数が4個以
上20個以下からなるアリーレン基または複素環化合物
基であり、下記の化学式(2)で示す芳香族化合物基ま
たはその誘導体基、複素環化合物基またはその誘導体
基、およびそれらを組み合わせて得られる基などが例示
される。
【0113】
【化1】 (R1〜R92は、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜
20のアルキル基、アルコキシ基およびアルキルチオ
基;炭素数6〜18のアリール基およびアリールオキシ
基;ならびに炭素数4〜14の複素環化合物基からなる
群から選ばれた基である。)
【0114】これらのなかでフェニレン基、置換フェニ
レン基、ビフェニレン基、置換ビフェニレン基、ナフタ
レンジイル基、置換ナフタレンジイル基、アントラセン
−9,10−ジイル基、置換アントラセン−9,10−
ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、置換ピリジン
−2,5−ジイル基、チエニレン基および置換チエニレ
ン基が好ましい。さらに好ましくは、フェニレン基、ビ
フェニレン基、ナフタレンジイル基、ピリジン−2,5
−ジイル基、チエニレン基である。
【0115】化学式(1)のR、R’が水素またはシア
ノ基以外の置換基である場合について述べると、炭素数
1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基などが挙げ
られ、メチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基が好ましい。アリール基として
は、フェニル基、4−C1〜C12アルコキシフェニル
基(C1〜C12は炭素数1〜12であることを示す。
以下も同様である。)、4−C1〜C12アルキルフェ
ニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示さ
れる。
【0116】溶媒可溶性の観点からは化学式(1)のA
rが、1つ以上の炭素数4〜20のアルキル基、アルコ
キシ基およびアルキルチオ基、炭素数6〜18のアリー
ル基およびアリールオキシ基ならびに炭素数4〜14の
複素環化合物基から選ばれた基を有していることが好ま
しい。
【0117】これらの置換基としては以下のものが例示
される。炭素数4〜20のアルキル基としては、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、デシル基、ラウリル基などが挙げられ、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。
また、炭素数4〜20のアルコキシ基としては、ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチル
オキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、ラウリ
ルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基が好
ましい。炭素数4〜20のアルキルチオ基としては、ブ
チルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチ
ルチオ基、オクチルチオ基、デシルオキシ基、ラウリル
チオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ
基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基が好ましい。アリ
ール基としては、フェニル基、4−C1〜C12アルコ
キシフェニル基、4−C1〜C12アルキルフェニル
基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示され
る。アリールオキシ基としては、フェノキシ基が例示さ
れる。複素環化合物基としては2−チエニル基、2−ピ
ロリル基、2−フリル基、2−、3−または4−ピリジ
ル基などが例示される。これら置換基の数は、該高分子
蛍光体の分子量と繰り返し単位の構成によっても異なる
が、溶解性の高い高分子蛍光体を得る観点から、これら
の置換基が分子量600当たり1つ以上であることがよ
り好ましい。
【0118】なお、前記高分子蛍光体は、ランダム、ブ
ロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それ
らの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を
帯びたランダム共重合体であってもよい。蛍光の量子収
率の高い高分子蛍光体を得る観点からは完全なランダム
共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブ
ロックまたはグラフト共重合体が好ましい。また、ここ
で形成する有機エレクトロルミネッセンス素子は、薄膜
からの蛍光を利用することから、該高分子蛍光体は固体
状態で蛍光を有するものが用いられる。
【0119】該高分子蛍光体に対して溶媒を使用する場
合に、好適なものとしては、クロロホルム、塩化メチレ
ン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、
キシレンなどが例示される。高分子蛍光体の構造や分子
量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1wt%以上
溶解させることができる。また、前記高分子蛍光体とし
ては、分子量がポリスチレン換算で103〜107である
ことが好ましく、それらの重合度は繰り返し構造やその
割合によっても変わる。成膜性の点から一般には繰り返
し構造の合計数で好ましくは4〜10000、さらに好
ましくは5〜3000、特に好ましくは10〜2000
である。
【0120】このような高分子蛍光体の合成法として
は、特に限定されないものの、例えばアリーレン基にア
ルデヒド基が2つ結合したジアルデヒド化合物と、アリ
ーレン基にハロゲン化メチル基が2つ結合した化合物と
トリフェニルホスフィンとから得られるジホスホニウム
塩からのWittig反応が例示される。また、他の合
成法としては、アリーレン基にハロゲン化メチル基が2
つ結合した化合物からの脱ハロゲン化水素法が例示され
る。さらに、アリーレン基にハロゲン化メチル基が2つ
結合した化合物のスルホニウム塩をアルカリで重合して
得られる中間体から熱処理により該高分子蛍光体を得る
スルホニウム塩分解法が例示される。いずれの合成法に
おいても、モノマーとして、アリーレン基以外の骨格を
有する化合物を加え、その存在割合を変えることによ
り、生成する高分子蛍光体に含まれる繰り返し単位の構
造を変えることができるので、化学式(1)で示される
繰り返し単位が50モル%以上となるように加減して仕
込み、共重合してもよい。これらのうち、Wittig
反応による方法が、反応の制御や収率の点で好ましい。
【0121】さらに具体的に、前記高分子蛍光体の1つ
の例であるアリーレンビニレン系共重合体の合成法を説
明する。例えば、Wittig反応により高分子蛍光体
を得る場合には、例えばまず、ビス(ハロゲン化メチ
ル)化合物、より具体的には、例えば2,5−ジオクチ
ルオキシ−p−キシリレンジブロミドをN,N−ジメチ
ルホルムアミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応
させてホスホニウム塩を合成し、これとジアルデヒド化
合物、より具体的には、例えば、テレフタルアルデヒド
とを、例えばエチルアルコール中、リチウムエトキシド
を用いて縮合させるWittig反応により、フェニレ
ンビニレン基と2,5−ジオクチルオキシ−p−フェニ
レンビニレン基を含む高分子蛍光体が得られる。このと
き、共重合体を得るために2種類以上のジホスホニウム
塩および/または2種類以上のジアルデヒド化合物を反
応させてもよい。これらの高分子蛍光体を発光層の形成
材料として用いる場合、その純度が発光特性に影響を与
えるため、合成後、再沈精製、クロマトグラフによる分
別等の純化処理をすることが望ましい。なお、前記の高
分子蛍光体からなる発光層の形成材料としては、フルカ
ラー表示をなすため、赤、緑、青の三色の発光層形成材
料が用いられる。
【0122】また、上述した発光層を形成する際、その
材料をホスト/ゲスト系の発光材料、すなわちホスト材
料にゲスト材料が添加分散された発光材料によって形成
してもよい。このような発光材料としては、ホスト材料
として例えば高分子有機化合物や低分子材料が、またゲ
スト材料として得られる発光層の発光特性を変化させる
ための蛍光色素、あるいは燐光物質を含んでなるものが
好適に用いられる。高分子有機化合物としては、溶解性
の低い材料の場合、例えば前駆体が塗布された後、以下
の化学式(3)に示すように加熱硬化されることによっ
て共役系高分子有機エレクトロルミネッセンス層となる
発光層を生成し得るものがある。例えば、前駆体のスル
ホニウム塩の場合、加熱処理されることによりスルホニ
ウム基が脱離し、共役系高分子有機化合物となるもの等
がある。また、溶解性の高い材料では、材料をそのまま
塗布した後、溶媒を除去して発光層にし得るものもあ
る。
【0123】
【化2】
【0124】前記の高分子有機化合物は固体で強い蛍光
を持ち、均質な固体超薄膜を形成することができる。し
かも、形成能に富みITO電極との密着性も高く、さら
に、固化した後は強固な共役系高分子膜を形成する。
【0125】このような高分子有機化合物としては、例
えばポリアリーレンビニレンが好ましい。ポリアリーレ
ンビニレンは水系溶媒あるいは有機溶媒に可溶で第2の
基体11に塗布する際の塗布液への調製が容易であり、
さらに一定条件下でポリマー化することができるため、
光学的にも高品質の薄膜を得ることができる。このよう
なポリアリーレンビニレンとしては、PPV(ポリ(パ
ラ−フェニレンビニレン))、MO−PPV(ポリ
(2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレンビニレ
ン))、CN−PPV(ポリ(2,5−ビスヘキシルオ
キシ−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレ
ン)))、MEH−PPV(ポリ[2−メトキシ−5−
(2’−エチルヘキシルオキシ)]−パラ−フェニレン
ビニレン)、等のPPV誘導体、PTV(ポリ(2,5
−チエニレンビニレン))等のポリ(アルキルチオフェ
ン)、PFV(ポリ(2,5−フリレンビニレン))、
ポリ(パラフェニレン)、ポリアルキルフルオレン等が
挙げられるが、なかでも化学式(4)に示すようなPP
VまたはPPV誘導体の前駆体からなるものや、化学式
(5)に示すようなポリアルキルフルオレン(具体的に
は化学式(6)に示すようなポリアルキルフルオレン系
共重合体)が特に好ましい。PPV等は強い蛍光を持
ち、二重結合を形成するπ電子がポリマー鎖上で非極在
化している導電性高分子でもあるため、高性能の有機エ
レクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
【0126】
【化3】
【0127】
【化4】
【0128】
【化5】
【0129】なお、前記PPV薄膜の他に発光層を形成
し得る高分子有機化合物や低分子材料、すなわち本例に
おいてホスト材料として用いられるものは、例えばアル
ミキノリノール錯体(Alq3)やジスチリルビフェニ
ル、さらに化学式(7)に示すBeBq2やZn(OX
Z)2 、そしてTPD、ALO、DPVBi等の従来よ
り一般的に用いられているものに加え、ピラゾリンダイ
マー、キノリジンカルボン酸、ベンゾピリリウムパーク
ロレート、ベンゾピラノキノリジン、ルブレン、フェナ
ントロリンユウロピウム錯体等が挙げられ、これらの1
種または2種以上を含む有機エレクトロルミネッセンス
素子用組成物を用いることができる。
【0130】
【化6】
【0131】一方、このようなホスト材料に添加される
ゲスト材料としては、前記したように蛍光色素や燐光物
質が挙げられる。特に蛍光色素は、発光層の発光特性を
変化させることができ、例えば、発光層の発光効率の向
上、または光吸収極大波長(発光色)を変えるための手
段としても有効である。すなわち、蛍光色素は単に発光
層材料としてではなく、発光機能そのものを担う色素材
料として利用することができる。例えば、共役系高分子
有機化合物分子上のキャリア再結合で生成したエキシト
ンのエネルギーを蛍光色素分子上に移すことができる。
この場合、発光は蛍光量子効率が高い蛍光色素分子から
のみ起こるため、発光層の電流量子効率も増加する。し
たがって、発光層の形成材料中に蛍光色素を加えること
により、同時に発光層の発光スペクトルも蛍光分子のも
のとなるので、発光色を変えるための手段としても有効
となる。
【0132】なお、ここでいう電流量子効率とは、発光
機能に基づいて発光性能を考察するための尺度であっ
て、下記式により定義される。 ηE =放出されるフォトンのエネルギー/入力電気エネ
ルギー そして、蛍光色素のドープによる光吸収極大波長の変換
によって、例えば赤、青、緑の3原色を発光させること
ができ、その結果フルカラー表示体を得ることが可能と
なる。さらに蛍光色素をドーピングすることにより、エ
レクトロルミネッセンス素子の発光効率を大幅に向上さ
せることができる。
【0133】蛍光色素としては、赤色の発色光を発光す
る発光層を形成する場合、レーザー色素のDCM−1、
あるいはローダミンまたはローダミン誘導体、ペニレン
等を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素をPPVな
どホスト材料にドープすることにより、発光層を形成す
ることができるが、これらの蛍光色素は水溶性のものが
多いので、水溶性を有するPPV前駆体であるスルホニ
ウム塩にドープし、その後、加熱処理すれば、より均一
な発光層の形成が可能になる。このような蛍光色素とし
て具体的には、ローダミンB、ローダミンBベース、ロ
ーダミン6G、ローダミン101過塩素酸塩等が挙げら
れ、これらを2種以上混合したものであってもよい。
【0134】また、緑色の発色光を発光する発光層を形
成する場合、キナクリドン、ルブレン、DCJTおよび
その誘導体を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素に
ついても、前記の蛍光色素と同様、PPVなどホスト材
料にドープすることにより、発光層を形成することがで
きるが、これらの蛍光色素は水溶性のものが多いので、
水溶性を有するPPV前駆体であるスルホニウム塩にド
ープし、その後、加熱処理すれば、より均一な発光層の
形成が可能になる。
【0135】さらに、青色の発色光を発光する発光層を
形成する場合、ジスチリルビフェニルおよびその誘導体
を用いるのが好ましい。これらの蛍光色素についても、
前記の蛍光色素と同様、PPVなどホスト材料にドープ
することにより、発光層を形成することができるが、こ
れらの蛍光色素は水溶性のものが多いので、水溶性を有
するPPV前駆体であるスルホニウム塩にドープし、そ
の後、加熱処理すれば、より均一な発光層の形成が可能
になる。
【0136】また、青色の発色光を有する他の蛍光色素
としては、クマリンおよびその誘導体を挙げることがで
きる。これらの蛍光色素は、PPVと相溶性がよく発光
層の形成が容易である。また、これらのうち特にクマリ
ンは、それ自体は溶媒に不溶であるものの、置換基を適
宜に選択することによって溶解性を増し、溶媒に可溶と
なるものもある。このような蛍光色素として具体的に
は、クマリン−1、クマリン−6、クマリン−7、クマ
リン120、クマリン138、クマリン152、クマリ
ン153、クマリン311、クマリン314、クマリン
334、クマリン337、クマリン343等が挙げられ
る。
【0137】さらに、別の青色の発色光を有する蛍光色
素としては、テトラフェニルブタジエン(TPB)また
はTPB誘導体、DPVBi等を挙げることができる。
これらの蛍光色素は、前記赤色蛍光色素等と同様に水溶
液に可溶であり、またPPVと相溶性がよく発光層の形
成が容易である。以上の蛍光色素については、各色とも
に1種のみを用いてもよく、また2種以上を混合して用
いてもよい。なお、このような蛍光色素としては、化学
式(8)に示すようなものや、化学式(9)に示すよう
なもの、さらに化学式(10)に示すようなものが用い
られる。
【0138】
【化7】
【0139】
【化8】
【0140】
【化9】
【0141】これらの蛍光色素については、前記共役系
高分子有機化合物等からなるホスト材料に対し、後述す
る方法によって0.5〜10wt%添加するのが好まし
く、1.0〜5.0wt%添加するのがより好ましい。
蛍光色素の添加量が多過ぎると得られる発光層の耐候性
および耐久性の維持が困難となり、一方、添加量が少な
過ぎると、前述したような蛍光色素を加えることによる
効果が十分に得られないからである。
【0142】また、ホスト材料に添加されるゲスト材料
としての燐光物質としては、化学式(11)に示すIr
(ppy)3 、Pt(thpy)2、PtOEPなどが
好適に用いられる。
【0143】
【化10】
【0144】なお、前記の化学式(11)に示した燐光
物質をゲスト材料とした場合、ホスト材料としては、特
に化学式(12)に示すCBP、DCTA、TCPB
や、前記したDPVBi、Alq3が好適に用いられ
る。また、前記蛍光色素と燐光物質については、これら
を共にゲスト材料としてホスト材料に添加するようにし
てもよい。
【0145】
【化11】
【0146】なお、このようなホスト/ゲスト系の発光
物質によって上述した発光層を形成する場合、ホスト材
料とゲスト材料とを予め設定した量比で同時に吐出する
ことにより、ホスト材料に所望する量のゲスト材料が添
加された発光物質による発光層を形成することができ
る。
【0147】また、上述した例では、発光層の下層とし
て正孔輸送層を形成し、上層として電子輸送層を形成し
たが、本発明はこれに限定されることなく、例えば正孔
輸送層と電子輸送層とのうちの一方のみを形成するよう
にしてもよく、また、正孔輸送層に代えて正孔注入層を
形成するようにしてもよく、さらに発光層のみを単独で
形成するようにしてもよい。
【0148】さらに、正孔注入層、正孔輸送層、発光
層、電子輸送層に加えて、ホールブロッキング層を例え
ば発光層の対向電極側に形成して、発光層の長寿命化を
図ってもよい。このようなホールブロッキング層の形成
材料としては、例えば化学式(13)に示すBCPや化
学式(14)で示すBAlqが用いられるが、長寿命化
の点ではBAlqの方が好ましい。
【0149】
【化12】
【0150】
【化13】
【0151】さて、本発明の電気光学装置は、上述した
有機EL表示装置に限定されるものではなく、他の電気
光学装置にも適用可能である。電気光学装置としては、
例えば、液晶表示装置などの各種の表示装置が挙げられ
る。
【0152】また、本発明の膜形成装置及び材料の配置
方法は、電気光学装置の製造過程に用いるものに限ら
ず、半導体素子やカラーフィルタなどの電子装置の製造
過程にも用いることができる。なお、カラーフィルタの
材料としては、例えばポリウレタンオリゴマーあるいは
ポリメチルメタクリレートオリゴマーに赤、緑、あるい
は青の各色の無機顔料を分散させた後、低沸点溶剤とし
てシクロヘキサノン及び酢酸ブチルを、高沸点溶剤とし
てブチルカルビトールアセテートを加え、更に必要に応
じて非イオン系界面活性剤を分散剤として添加し、粘度
を所定の範囲に調整したものが用いられる。このような
材料から得られるカラーフィルタとしては、所望の色を
透過するものや、所望の色の光を発するものなどがあ
る。こうしたカラーフィルタなどの電子装置において
も、本発明の膜形成装置を用いて製造することにより、
材料の選択自由度が高くなり、構造の最適化が図られ
る。そのため、高寿命化、高品質化、あるいは高機能化
などを図りやすい。
【0153】図21〜26は、本発明の電子機器の実施
例を示している。本例の電子機器は、上述した有機EL
表示装置等の本発明の電気光学装置を表示手段として備
えている。図21は、テレビ画像やコンピュータ送られ
る文字や画像を表示する表示装置の一例を示している。
図21において、符号1000は本発明の電気光学装置
を用いた表示装置本体を示している。なお、表示装置本
体1000は、上述した有機EL表示装置を用いること
により、大画面にも対応できる。また、図22は、車載
用のナビゲーション装置の一例を示している。図22に
おいて、符号1010はナビゲーション装置本体を示
し、符号1011は本発明の電気光学装置を用いた表示
部(表示手段)を示している。また、図23は、携帯型
の画像記録装置(ビデオカメラ)の一例を示している。
図23において、符号1020は記録装置本体を示し、
符号1021は本発明の電気光学装置を用いた表示部を
示している。また、図24は、携帯電話の一例を示して
いる。図24において、符号1030は携帯電話本体を
示し、符号1031は本発明の電気光学装置を用いた表
示部(表示手段)を示している。また、図25は、ワー
プロ、パソコンなどの情報処理装置の一例を示してい
る。図25において、符号1040は情報処理装置を示
し、符号1041は情報処理装置本体、符号1042は
キーボードなどの入力部、符号1043は本発明の電気
光学装置を用いた表示部を示している。また、図26
は、腕時計型電子機器の一例を示している。図26にお
いて、符号1050は時計本体を示し、符号1051は
本発明の電気光学装置を用いた表示部を示している。図
21〜図26に示す電子機器は、本発明の電気光学装置
を表示手段として備えているので、耐久性及び品質の優
れた表示を実現することができる。
【0154】以上、添付図面を参照しながら本発明に係
る好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に
限定されないことは言うまでもない。上述した例におい
て示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であ
って、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要
求等に基づき種々変更可能である。
【0155】
【発明の効果】本発明の材料の配置方法及び膜形成装置
によれば、材料の選択自由度が高く、高分子材料や低分
子材料など、基体上に様々な材料の配置が可能になると
ともに、溶剤の残留による不具合を低減させることがで
きる。また、処理室内の圧力制御により、ノズルから材
料を分子状に放出することも可能となり、これにより、
より純度の高い材料膜や、高精度に膜厚制御された材料
膜、あるいは特定の機能を持たせた機能膜を形成するこ
とが可能となる。
【0156】本発明の電気光学装置及びその製造方法に
よれば、高寿命化、高品質化、及び高機能化が図られた
電気光学装置を提供することができる。
【0157】本発明の電子装置によれば、高寿命化、高
品質化、及び高機能化を図ることができる。
【0158】本発明の電子機器によれば、表示手段の高
寿命化、高品質化、及び高機能化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の膜形成装置の実施形態の一例を模式
的に示す図である。
【図2】 有機EL素子を構成する発光層形成材料を基
体上に配置した様子を示す図である。
【図3】 本発明の材料の配置方法の一例を概念的に示
す図である。
【図4】 圧力制御系の構成例を模式的に示す図であ
る。
【図5】 材料供給系の構成例を模式的に示す図であ
る。
【図6】 複数のノズルと材料供給源との接続例を模式
的に示す図である。
【図7】 複数のノズルが設けられた放出ヘッドの構成
例を模式的に示す図である。
【図8】 放出機構の構成例を示す図である。
【図9】 材料の配置時における基体と放出ヘッド(ノ
ズル)との相対移動の様子の一例を示す図である。
【図10】 アクティブマトリクス型有機EL表示装置
の回路の一例を示す回路図である。
【図11】 本例の表示装置における画素部の平面構造
の一例を示す平面図である。
【図12】 画素部(有機EL素子)の断面構造を模式
的に示しており、(a)はトップエミッション型、
(b)はバックエミッション型を示している。
【図13】 トップエミッション型の画素部(有機EL
素子)の断面構造を拡大して示す図である。
【図14】 本発明の電気光学装置の製造方法を有機E
L素子を備える表示装置を製造するプロセスに適用した
実施例を説明するための図である。
【図15】 本発明の電気光学装置の製造方法を有機E
L素子を備える表示装置を製造するプロセスに適用した
実施例を説明するための図である。
【図16】 本発明の電気光学装置の製造方法を有機E
L素子を備える表示装置を製造するプロセスに適用した
実施例を説明するための図である。
【図17】 本発明の電気光学装置の製造方法を有機E
L素子を備える表示装置を製造するプロセスに適用した
実施例を説明するための図である。
【図18】 有機EL素子の他の形態例を示す図であ
る。
【図19】 有機EL素子の他の形態例を示す図であ
る。
【図20】 有機EL表示装置の回路の他の例を示す図
である。
【図21】 本発明の電子機器の実施例を示す図であ
る。
【図22】 本発明の電子機器の他の実施例を示す図で
ある。
【図23】 本発明の電子機器の他の実施例を示す図で
ある。
【図24】 本発明の電子機器の他の実施例を示す図で
ある。
【図25】 本発明の電子機器の他の実施例を示す図で
ある。
【図26】 本発明の電子機器の他の実施例を示す図で
ある。
【符号の説明】 10…膜形成装置、12…真空チャンバ、13…圧力制
御系、14…ノズル、15…材料供給系、16…駆動
系、17…主制御系、20…真空装置、30…材料供給
源、32…放出機構、33…加熱手段、35…放出ヘッ
ド(物体)、36…加熱手段、40…基体ステージ、4
1…駆動装置、100…有機EL表示装置、102…画
素、142,143…薄膜トランジスタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB18 DB03 FA01 5F110 AA16 BB01 BB02 BB04 CC02 DD01 DD02 DD03 DD05 DD13 DD14 DD15 EE03 EE04 EE05 EE09 EE14 EE28 FF02 FF03 FF04 FF09 FF23 FF30 GG01 GG02 GG13 GG25 GG45 HJ01 HJ04 HJ13 HL03 HL04 HL11 HM15 NN03 NN04 NN22 NN23 NN24 NN27 NN36 NN72 PP01 PP02 PP03 PP05 PP06 PP26 QQ01 QQ11 QQ24 QQ25

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルから供給される材料を基体上の所
    定の位置に配置する方法であって、 前記基体が配置される処理室内を前記ノズル内よりも低
    い圧力に制御し、該圧力制御された処理室内で前記ノズ
    ルから前記基体に向けて前記材料を放出することを特徴
    とする材料の配置方法。
  2. 【請求項2】 複数のノズルから供給される材料を基体
    上の所定の位置に配置する方法であって、 前記基体が配置される処理室内を前記複数のノズル内よ
    りも低い圧力に制御し、該圧力制御された処理室内で前
    記複数のノズルから前記基体に向けて前記材料を放出す
    ることを特徴とする材料の配置方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも2つの前記ノズルから同一の
    前記材料を放出することを特徴とする請求項2に記載の
    材料の配置方法。
  4. 【請求項4】 前記複数のノズルと前記基体とを相対的
    に移動させて、前記基体に対して前記複数のノズルを位
    置決めすることを特徴とする請求項2または請求項3に
    記載の材料の配置方法。
  5. 【請求項5】 前記材料を気化させて、前記複数のノズ
    ルから放出することを特徴とする請求項2乃至請求項4
    のいずれかに記載の材料の配置方法。
  6. 【請求項6】 前記材料を、前記複数のノズルから間欠
    的に放出することを特徴とする請求項2乃至請求項5の
    いずれかに記載の材料の配置方法。
  7. 【請求項7】 前記材料を、前記複数のノズルからキャ
    リアガスに同伴させて放出することを特徴とする請求項
    2乃至請求項6のいずれかに記載の材料の配置方法。
  8. 【請求項8】 前記処理室内を、10-3torr以下の
    真空度に制御することを特徴とする請求項1乃至請求項
    7のいずれかに記載の材料の配置方法。
  9. 【請求項9】 前記処理室内を、10-5torr以下の
    真空度に制御することを特徴とする請求項1乃至請求項
    7のいずれかに記載の材料の配置方法。
  10. 【請求項10】 前記ノズルが設けられた物体を複数備
    えることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか
    に記載の材料の配置方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれかに
    記載の材料の配置方法を用いて電気光学装置を構成する
    要素の少なくとも一部を形成することを特徴とする電気
    光学装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項10のいずれかに
    記載の材料の配置方法を用いて基体上にトランジスタを
    形成する工程を含むことを特徴とする請求項11に記載
    の電気光学装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記トランジスタは、薄膜トランジス
    タであることを特徴とする請求項12に記載の電気光学
    装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 材料供給源に接続され、基体が配置さ
    れる処理室内に材料を放出するノズルと、前記処理室内
    を前記ノズル内よりも低い圧力に制御する圧力制御系と
    を備えることを特徴とする膜形成装置。
  15. 【請求項15】 材料供給源に接続され、基体が配置さ
    れる処理室内に材料を放出する複数のノズルと、前記処
    理室内を前記複数のノズル内よりも低い圧力に制御する
    圧力制御系とを備えることを特徴とする膜形成装置。
  16. 【請求項16】 前記複数のノズルは、同一の前記材料
    を放出することを特徴とする請求項15に記載の膜形成
    装置。
  17. 【請求項17】 前記複数のノズルは、それぞれ異なる
    前記材料を放出することを特徴とする請求項15または
    請求項16に記載の膜形成装置。
  18. 【請求項18】 前記複数のノズルは、同一の材料供給
    源に接続されていることを特徴とする請求項15乃至請
    求項17のいずれかに記載の膜形成装置。
  19. 【請求項19】 前記複数のノズルは、それぞれ異なる
    材料供給源に接続されていることを特徴とする請求項1
    5乃至請求項18のいずれかに記載の膜形成装置。
  20. 【請求項20】 前記複数のノズルと前記基体とを相対
    的に移動させる駆動系を備えることを特徴とする請求項
    15乃至請求項19のいずれかに記載の膜形成装置。
  21. 【請求項21】 前記材料を加熱する加熱装置を備える
    ことを特徴とする請求項14乃至20のいずれかに記載
    の膜形成装置。
  22. 【請求項22】 前記ノズルが設けられた物体を複数備
    えることを特徴とする請求項14乃至21のいずれかに
    記載の膜形成装置。
  23. 【請求項23】 請求項14乃至請求項22のいずれか
    に記載の膜形成装置を用いて製造されたことを特徴とす
    る電子装置。
  24. 【請求項24】 請求項14乃至請求項22のいずれか
    に記載の膜形成装置を用いて製造されたことを特徴とす
    る電気光学装置。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載の電気光学装置を表
    示手段として備えることを特徴とする電子機器。
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