JP4250508B2 - 金属板加工装置及び金属板加工方法 - Google Patents
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例えば、自動車用ドアのドアビームの製造方法であって、成形ロールにより鋼板を管状体に形成する工程と、この管状体の長手方向に沿う対向端縁を部分的に溶接する工程と、この溶接後に管状体を焼入れしてドアビーム本体を得る工程とから構成されるドアビームの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、切断端面形状を軸方向に対して所定角度傾いた切断面や、軸方向に対して凹状又は凸状の側面視略円弧状等にするためには、回転刃や多数工程のプレス装置等によって端面部を手作業で斜めや曲面状に切断加工する必要があり、作業工数が多くなると共に、製造コストアップになるという問題がある。
また、該ロール成形後の形状が所定管状体の場合でも、切断端面形状を軸方向に対して所定角度傾いた切断面や、軸方向に対して凹状又は凸状の側面視略円弧状等にでき、作業工数及び製造コストの大幅な削減化を図ることができる金属板加工装置及び金属板加工方法を提供することを目的とする。
図1に示すように、本実施形態に係る金属板加工装置1は、最も上流側には、アンコイラ2が配置されており、かかるアンコイラ2には平板状の金属板3がリール状に巻装され、この金属板3が下流側にスムーズに供給される。また、アンコイラ2の下流側には、ロール成形装置4が配置されている。尚、平板状の金属板3は、予め所定幅寸法に切断されると共に、長手方向の前端及び後端は、その長手方向に対して直角に切断されてアンコイラ2に巻装されている。
このロール成形装置4には、上流側からアンコイラ2に巻装状態で装着されて供給される金属板3を下流側の成形ロール8に案内するガイド6、それぞれロールスタンドに設けられて複数段(本実施形態では、13段)に渡って平板状の金属板3の断面成形を連続的に行って断面形状がリング状の円筒形状の管状体に成形する成形ロール8〜20、該成形ロール8〜20による金属板3の長手方向の曲がりを矯正する矯正器22、金属板3の搬送長さを検出する測長器23、後述のように折り曲げ切断を行う切断装置24が配設されている。
また、各成形ローラ10、11間には、後述のように各第1スリット孔26、26(図3参照)を打ち抜く第1プレス装置27、各成形ローラ15、16間には、後述のように各第2スリット孔28、28(図5参照)を打ち抜く第2プレス装置29、及び、各成形ローラ18、19間には、後述のように第3スリット孔31(図7参照)を打ち抜く第3プレス装置32が配設されている。尚、アンコイラ2、ガイド6、各成形ロール8〜20、切断装置24、各プレス装置27、29、32は、測長器23からの出力信号に基づいて不図示の制御装置によって電気的に制御される。
次に、各成形ロール8〜20の作用について図1、図3、図5、図7及び図8に基づいて説明する。
図1(B)及び図3に示すように、平板状の金属板3は、第1段目の成形ロール8、第2段目の成形ロール9及び第3段目の成形ロール10に送り込まれると、少し下側に突出する曲率半径の大きな円弧状に成形される。
そして、図1(B)及び図5に示すように、第4段目の成形ロール11〜第8段目の成形ロール15に送り込まれると、金属板3は、更に両側部が上側に立ち上がり、上端部が開いた断面略3/4円形の円弧状に成形される。
この後、図1(B)及び図7に示すように、第9段目の成形ロール16〜第11段目の成形ロール18に送り込まれると、金属板3は、更に両側部が上側に立ち上がり、上端部が少し開いた断面略円形の円弧状に成形される。
更に、図1(B)及び図8に示すように、第12段目の成形ロール19及び第13段目の成形ロール20に送り込まれると、金属板3の両側端縁は、相互に当接されて断面略円形の円筒形状に成形される。その後、金属板3は、円筒形状の状態で下流側に配置される矯正器22に送り込まれる。
次に、第3段目の成形ロール10と第4段目の成形ロール11との間に配置される第1プレス装置27の作用について図2及び図3に基づいて説明する。
図2に示すように、第1プレス装置27は、各成形ロール8〜10によって曲率半径の大きな円弧状に成形された金属板3が上流側から挿通されて、この金属板3の下面部を受ける断面略円弧状でスリット状の貫通孔35が穿設されたダイス36と、該ダイス36内を上下動可能に設けられたポンチ37と、上下動可能に設けられて該ポンチ37が不図示のポンチホルダを介して取り付けられる上型38とから構成されている。
これにより、下流側方向に前下がり状に所定角度傾斜した各第1スリット孔26が穿設されると共に、該各第1スリット孔26の幅方向外側端縁部(図3(A)中、左右方向外側端縁部)には、切断線42方向の幅寸法が極めて短い(本実施形態では、幅寸法は、約0.2mm〜1.5mmで、約0.5mm以下が好ましい。)各スクラップ部45が形成される。
次に、第8段目の成形ロール15と第9段目の成形ロール16との間に配置される第2プレス装置29の作用について図4及び図5に基づいて説明する。
図4に示すように、第2プレス装置29は、各成形ロール11〜15によって、上端部が開いた断面略3/4円形の円弧状に成形された金属板3が上流側から挿通されて、この金属板3の外側表面部を受ける断面略3/4円形の円弧状でスリット状の貫通孔48が穿設されたダイス49と、該ダイス49内を上下動可能に設けられたポンチ51と、上下動可能に設けられて該ポンチ51が不図示のポンチホルダを介して取り付けられる上型52とから構成されている。
これにより、下流側方向に前下がり状に所定角度傾斜した各第2スリット孔28が穿設されると共に、該各第2スリット孔28の長手方向外側端縁部(図5(A)中、左右方向外側端縁部)と各第1スリット孔26の長手方向内側端縁部との間には、切断線42方向の幅寸法が極めて短い(本実施形態では、幅寸法は、約0.2mm〜1.5mmで、約0.5mm以下が好ましい。)各スクラップ部57が形成される。
次に、第11段目の成形ロール18と第12段目の成形ロール19との間に配置される第3プレス装置32の作用について図6及び図7に基づいて説明する。
図6に示すように、第3プレス装置32は、各成形ロール16〜18によって、上端部が少し開いた断面略円形の円弧状に成形された金属板3が上流側から挿通されて、この金属板3の外側表面部を受ける断面略円形の円弧状でスリット状の貫通孔61が穿設されたダイス62と、該ダイス62内を上下動可能に設けられたポンチ63と、上下動可能に設けられて該ポンチ63が不図示のポンチホルダを介して取り付けられる上型64とから構成されている。
これにより、下流側方向に突出する平面視略円弧状の第3スリット孔31が穿設されると共に、該第3スリット孔31の各長手方向外側端縁部(図7(A)中、各左右方向外側端縁部)と各第2スリット孔28の長手方向内側端縁部との間には、切断線42方向の幅寸法が極めて短い(本実施形態では、幅寸法は、約0.2mm〜1.5mmで、約0.5mm以下が好ましい。)各スクラップ部68が形成される。
次に、切断装置24の作用について図8に基づいて説明する。
図8(A)に示すように、切断装置24は、第12段目の成形ロール19と第13段目の成形ロール20とによって、両側端縁が相互に当接されて断面略円形の円筒形状に成形された金属板3が上流側から挿通されて、この金属板3の各スリット孔26、28、31より送り側方向後側(上流側)の外側表面部を支持する断面略円形の貫通孔70が穿設された受け型71と、この各スリット孔26、28、31より送り側方向前側(下流側)の円筒形状の金属板3の上面部を押下する略直方体状の押し型72と、上下動可能に設けられて該押し型72が不図示の押し型ホルダを介して取り付けられる上型73とから構成されている。
また、この貫通孔70の下流側端面は、切断線42上の各スリット孔26、28、31と略平行になるように形成されている。
また、略直方体状の押し型72は、金属板3の送り方向(矢印75方向)に対して上下方向垂直に移動可能に取り付けられ、円筒形状の金属板3の受け型71よりも送り方向前側(下流側)の部分を押下するように構成されている。また、この押し型72の底面部には、前後両端縁部(図8(A)中、左右両端縁部)に渡って上側方向に凹む側面視略円弧状の溝部74が形成され、この円筒形状の金属板3の上面部の外周面が該溝部74の内周面に密着可能に構成されている。
これにより、各成形ロール8〜20によって断面円形の円筒形状に成形されると共に、各プレス装置27、29、32によって各スリット孔26、28、31が切断線42に沿って打ち抜かれた金属板3は、切断装置24によって各スリット孔26、28、31に沿って順次折り曲げ切断され、即ち、切断線42に沿って折り曲げ切断されて所定長さの自動車のマフラー用パイプ77が形成される。また、このマフラー用パイプ77の軸方向両端部の一方には、軸方向内側に凹む側面視略円弧状の端面部が形成され、他方には軸方向外側に凸の側面視略円弧状の端面部が形成される。
更に、ロール成形装置4の下流側に配設された切断装置24によって、円筒形状にロール成形された金属板3が、各スリット孔26、28、31が形成された切断線に42沿って所定長さに折り曲げ切断されるため、自動車のマフラー用パイプ77の溶接側端面形状を軸方向に対して側面視凹状又は凸状の略円弧状の切断面等にすることが可能となると共に、該マフラー用パイプ77のロール成形及び所定長さでの切断の各工程を連続した一貫ラインで行うことができ、生産性の向上及び製造コストの削減化を飛躍的に図ることができる。
例えば、前記実施形態では、3台の各プレス装置27、29、32によって、各スリット孔26、28、31を切断線42に沿って3段階に分けて打ち抜いたが、各成形ロール8〜20間に4台以上のプレス装置を配置して、切断線に沿ってスリット孔を打ち抜く構成にしてもよい。これにより、マフラー用パイプ77の切断面を任意の曲面形状に形成することが可能となる。
4 ロール成形装置、 8〜20 成形ロール
23 測長器、 24 切断装置
26 第1スリット孔、 27 第1プレス装置
28 第2スリット孔、 29 第2プレス装置
31 第3スリット孔、 32 第3プレス装置
35、39、48、53、61、65、70 貫通孔
36、49、62 ダイス、 37、51、63 ポンチ
38、52、64、73 上型
41、55、67 打ち抜き刃、 45、57、68 スクラップ部
71 受け型、 72 押し型
52 溝部、 77 マフラー用パイプ
Claims (6)
- 連続的に供給される帯状の金属板を複数段に配設された成形ロールによって所定管状体に形成するロール成形装置を備えた金属板加工装置において、
前記ロール成形装置は、前記成形ロール間に配設されて、所定管状体の断面に形成する途中で前記金属板を所定長さに切断するとともに切断時に所定管状体の端面を側面視で円弧状に切断する切断線に沿って順次スリット孔を打ち抜く複数台のプレス装置を有し、
前記複数台のプレス装置は、前記金属板が前記各成形ロールを介して所定管状体に成形されていく段階に応じて、金属板の幅方向外側両端縁部から内方側へスリット孔が順次打ち抜かれるようにそれぞれ配置され、
前記スリット孔間の切断線方向の間隔は、該金属板を所定長さで折り曲げ切断が可能な間隔になるように打ち抜かれていることを特徴とする金属板加工装置。 - 前記ロール成形装置の下流側に配設されて、前記金属板を所定長さに折り曲げ切断する切断装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の金属板加工装置。
- 前記所定管状体は、円筒形状であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属板加工装置。
- 連続的に供給される帯状の金属板を複数段に配設された成形ロールによって所定管状体に形成するロール成形工程を備えた金属板加工方法において、
前記ロール成形工程は、前記成型ロール間における所定管状体の断面に形成する途中で前記金属板を所定長さに切断するとともに切断時に所定管状体の端面を側面視で円弧状に切断する切断線に沿って順次スリット孔を打ち抜く複数のプレス工程を有し、
前記プレス工程は、前記金属板が前記各成形ロールを介して所定管状体に成形されていく段階に応じて、金属板の幅方向外側両端縁部から内方側へスリット孔を順次打ち抜くように構成され、
前記スリット孔間の切断線方向の間隔は、該金属板を所定長さで折り曲げ切断が可能な間隔になるように打ち抜かれていることを特徴とする金属板加工方法。 - 前記ロール成形工程の下流側において、前記金属板を所定長さに折り曲げ切断する切断工程を備えたことを特徴とする請求項4に記載の金属板加工方法。
- 前記所定管状体は、円筒形状であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の金属板加工方法。
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