JP4250170B2 - エンコード中に抽出画像を外部に送信するビデオエンコーダ - Google Patents

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Description

本発明は、一般にビデオデータをリアルタイムでエンコードするビデオエンコーダに関し、詳しくはビデオデータの画像抽出機能を備えたビデオエンコーダに関する。
ハードディスクレコーダ等の機器においては、入力されたアナログNTSCビデオ信号をMPEGエンコードして、エンコードされたビデオデータをハードディスク等に録画する。
具体的には、入力されたアナログNTSCビデオ信号を、まずNTSCデコーダでITU−R656形式に変換し、変換後のビデオデータをMPEG2エンコーダに供給する。供給されたビデオデータは、MPEG2エンコーダ内のフレームシンクロナイザを介して、MPEG2エンコーダ外部に設けられるフレームメモリに書き込まれる。この際フレームメモリには複数(例えば3つ)のバンクを設け、書き込み先のバンクを順番に指定することにより、時間的に最も古いデータが格納されているバンクに新規のデータを上書きする。
また入力されたアナログオーディオ信号については、オーディオADC(アナログ・デジタル・コンバータ)でI2S形式に変換し、変換後のオーディオデータをMPEG2エンコーダへ供給する。
フレームメモリの複数のバンクに書き込まれたフレームデータのうちで最古のバンクのフレームデータが、MPEG2エンコーダによりフレームメモリから読み出される。読み出されたフレームデータは、MPEG2エンコーダ内のフレームシンクロナイザを介してMPEG2ビデオエンコードユニットに転送され、MPEG2ビデオMP@ML形式へとエンコードされる。またオーディオデータはMPEG1オーディオレイヤー2形式のデータにエンコードされる。こうして得られたビデオストリーム及びオーディオストリームは、MPEG2エンコーダ内のシステムマルチプレクサによりMPEG2PS形式へと多重化されて、8ビットの専用ポートから多重化されたストリームとしてMPEG2エンコーダ外部に出力される。
MPEG2エンコーダから出力されたストリームは、IDE−I/Fを介してハードディスクに記録される。
上記のようにして、テレビ番組や映画等のビデオコンテンツがそれぞれのファイルとしてハードディスクに格納される。ハードディスクレコーダ等の機器においては、これらのファイルを管理するために、サイズの小さな所謂サムネイル画像を用いる場合がある。例えば各ビデオコンテンツに対応するファイルの一覧をユーザに表示するときに、サムネイル画像をファイルに対応させて表示することで、ユーザは容易にファイル内容を特定することが可能になる。
サムネイル画像は、例えばITU−R656形式のビデオデータの有効画像領域である720×480画素の画像データを、360×240画素に間引くことにより生成される。ハードディスクレコーダ等に内蔵されるマイクロコンピュータが、このようなサムネイル画像をファイル情報の管理目的のために作成し、RAM等のメモリに格納することになる。
サムネイル画像作成のためには、例えばNTSCデコーダからのビデオ出力データから一枚の画像を抜き出して、マイクロコンピュータに転送する必要がある。この場合、NTSCデコーダからのビデオ出力データから一枚の画像を抜き出すための専用の回路を設ける必要があり、システムのコストアップに繋がってしまう。
またフレームメモリからMPEG2エンコーダにより一枚の画像を抜き出すことも考えられるが、そのためには専用の機能を新たに設ける必要がある。またフレームメモリに3つのバンクを設けた場合には、通常のエンコード処理のために3つのバンクに対して順次書き込み・読み出し動作が行われている中で、そのうちの1つのバンクからサムネイル画像作成用の画像をエンコード処理とは別に読み出す必要がある。NTSCビデオデータは1フレームあたり33msであり、サムネイル用に読み出そうするバンクは、残り2つのバンクに書き込みが行われる66msの間に読み出してしまわないと上書きされてしまう。従って、サムネイル用の画像を読み出す処理を優先的に実行する必要が生じ、特別な制御が要求されてしまうと共にエンコード動作に影響が生じることになる。
以上を鑑みて本発明は、エンコード動作に影響を与えることなくビデオデータから画像データを抜き出してマイクロコンピュータに転送することが可能なMPEGエンコーダを提供することを目的とする。
ビデオエンコーダは、所定の順番で繰り返し選択される複数のメモリバンクに外部から供給されたビデオデータを一時的に格納し、所定の順番で繰り返し選択される複数のメモリバンクからビデオデータを順次読み出すフレームシンクロナイザと、フレームシンクロナイザが読み出したビデオデータをエンコードするエンコードユニットと、複数のメモリバンクのうちの1つのメモリバンクを複数のメモリバンクとは別のメモリバンクと切り替えるバンク切り替え処理を実行する制御ユニットを含むことを特徴とする。
上記ビデオエンコーダでは、複数のメモリバンクのうちの1つのメモリバンクを複数のメモリバンクとは別のメモリバンクと切り替えるバンク切り替え処理を実行することで、切り替えられた1つのメモリバンクのフレームデータを上書きすることなく保持しておくことが可能になる。従って、保持された画像データをその後のデータ送信処理により転送する際には、エンコード処理に影響を与えないように都合のよいタイミングでデータ送信処理を実行し、また必要に応じて小さなデータ転送単位で複数回に分けてデータ送信処理を実行すればよい。これにより、エンコード動作に影響を与えることなくビデオデータから画像データを抜き出して外部に転送することが可能となる。
図1は、本発明が適用されるハードディスクレコーダの構成を示すブロック図である。
図2は、本発明によるMPEG2エンコーダの構成を示すブロック図である。
図3は、本発明によるサムネイルデータの確保及び送信処理を示すフローチャートである。
図4は、ハードディスクレコーダの状態遷移図である。
図5は、バンク切り替え処理を説明するための図である。
図6は、バンク切り替え処理を説明するための図である。
図7A及び図7Bは、それぞれエンコード処理及びサムネイルデータ送信処理の実行状態を示す図である。
図8は、本発明が適用されるハードディスクレコーダの別の構成例を示すブロック図である。
以下に本発明の実施例を添付の図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されるハードディスクレコーダの構成を示すブロック図である。なお本発明を適用するのはハードディスクレコーダに限らず例えばDVDレコーダでもよく、リアルタイムに供給されるアナログビデオ信号又はデジタルビデオデータをエンコードして記録する装置一般に適用することができる。
図1のハードディスクレコーダは、MPEG2エンコーダ10、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Memory)等で構成されるフレームメモリ11、マイクロコンピュータ12、RAM13、ROM14、NTSCデコーダ15、オーディオADC16、IDE−I/F17、ハードディスクドライブ(HDD)18、MPEG2デコーダ19、ビデオアンプ20、及びオーディオDAC21を含む。MPEG2エンコーダ10、マイクロコンピュータ12、RAM13、ROM14、IDE−I/F17、及びMPEG2デコーダ19は、パラレルバスであるバス22を介して互いに接続される。
図2は、本発明によるMPEG2エンコーダ10の構成を示すブロック図である。図2のMPEG2エンコーダ10は、SDRAMコントローラ31、フレームシンクロナイザ32、MPEG2ビデオエンコードユニット33、システムマルチプレクサ34、ホストI/F35、及びCPU36を含む。ホストI/F35は、パラレルバスであるバス22(図1)を介してマイクロコンピュータ12に接続される。後述するように別の実施形態においては、ホストI/F35は、シリアルI/F(シリアルインターフェース)を介してマイクロコンピュータ12に接続されてもよい。なお図2においては、本発明の構成に直接に関係の無いオーディオデータ処理関連のユニットは省略されている。
記録時には、入力されたアナログNTSCビデオ信号を、まずNTSCデコーダ15でITU−R656形式に変換し、変換後のビデオデータをMPEG2エンコーダ10に供給する。供給されたビデオデータは、MPEG2エンコーダ10内のフレームシンクロナイザ32及びSDRAMコントローラ31を介して、MPEG2エンコーダ外部に設けられるフレームメモリ11に書き込まれる。この際フレームメモリ11には複数(例えば3つ)のバンクを設け、書き込み先のバンクを順番に指定することにより、時間的に最も古いデータが格納されているバンクに新規のデータを上書きする。
また入力されたアナログオーディオ信号については、オーディオADC16でI2S形式に変換し、変換後のオーディオデータをMPEG2エンコーダ10へ供給する。
フレームメモリ11の複数のバンクに書き込まれたフレームデータのうちで最古のバンクのフレームデータが、MPEG2エンコーダ10によりフレームメモリ11から読み出される。読み出されたフレームデータは、MPEG2エンコーダ10内のSDRAMコントローラ31及びフレームシンクロナイザ32を介してMPEG2ビデオエンコードユニット33に転送され、MPEG2ビデオMP@ML形式へとエンコードされる。またオーディオデータはMPEG1オーディオレイヤー2形式のデータにエンコードされる。こうして得られたビデオストリーム及びオーディオストリームは、MPEG2エンコーダ10内のシステムマルチプレクサ34によりMPEG2PS形式へと多重化されて、8ビットの専用ポートから多重化されたストリームとしてMPEG2エンコーダ10外部に出力される。
上記の処理においては、マイクロコンピュータ12が、ホストI/F35を介してエンコード開始コマンドや停止コマンド等を供給することで、MPEG2エンコーダ10の動作を制御する。またフレームメモリ11に複数のバンクを設けることにより、ビデオ信号入力のフレームレートとMPEG2ビデオエンコードユニット33によるエンコード処理のフレームレートとが同期していなくても、フレームシンクロナイザ32によってフレームレートの差を吸収することが可能となっている。
MPEG2エンコーダ10から出力されたストリームは、IDE−I/F17を介してハードディスクドライブ(HDD)18に記録される。この際、IDE−I/F17は、MPEG2エンコーダ10の8ビットポートから出力されたストリームをハードディスクドライブ(HDD)18へDMA転送する。転送の開始指示、停止指示、アドレス指定等はマイクロコンピュータ12によるレジスタ設定により行われる。
IDE−I/F17はバス22に接続されており、マイクロコンピュータ12がIDE−I/F17を介してハードディスクドライブ(HDD)18の所定アドレスにアクセスすることができる。
再生時には、IDE−1/F17が、ハードディスクドライブ(HDD)18に記録されたストリームをMPEG2デコーダ19へDMA転送する。転送の開始指示、停止指示、アドレス指定等はマイクロコンピュータ12によるレジスタ設定により行われる。
MPEG2デコーダ19は、供給された多重化ストリームを分離(デマルチプレクス)して、ビデオストリーム(MPEG2MP@ML)及びオーディオストリーム(MPEG1レイヤー2)を生成する。MPEG2デコーダ19は更に、ビデオストリーム及びオーディオストリームをそれぞれデコードし、ビデオ信号についてはNTSC形式で出力すると共に、オーディオデータについてはI2S形式で出力する。
MPEG2デコーダ19から出力されたビデオ信号は、ビデオアンプ20により増幅され、再生用のアナログNTSCビデオ信号として出力される。またMPEG2デコーダ19から出力されたオーディオデータは、オーディオDAC21により変換され、再生用のアナログオーディオ信号として出力される。
図3は、本発明によるサムネイルデータの確保及び送信処理を示すフローチャートである。なお図3の処理は、主にMPEG2エンコーダ10のCPU36により実行される。即ちCPU36は、サムネイルデータの確保及び送信処理を制御する制御ユニットとして動作する。
図3のステップS1で、初期化処理が実行される。これにより図1に示すハードディスクレコーダについて、例えば電源投入後の種々の初期化処理が実行される。フレームシンクロナイザ32内には、フレームメモリ11の複数のバンクをそれぞれ指し示すポインタを格納するレジスタが含まれるが、上記初期化処理はこのレジスタの内容を初期化する処理を含む。
ステップS2で、状態遷移をするか否かを判断する。状態遷移をする場合には、ステップS3に進む。状態遷移が無い場合には、ステップS4に進む。
ステップS3で、状態遷移が指示される。図4は、ハードディスクレコーダの状態遷移図である。図4に示すように、ハードディスクレコーダには、停止中の状態41とエンコード中の状態42とが存在し、エンコード中の状態42には更にサムネイル送信中の状態43とサムネイル非送信中の状態44とが存在する。ハードディスクレコーダが電源投入された直後には、ハードディスクレコーダは停止中の状態41にある。その後、スイッチやリモートコントローラ等により録画動作が指示されると、ステップS3において停止中の状態41からエンコード中の状態42へと状態遷移が行われる。
ステップS4で、エンコード中の状態42であるか否かを判断する。エンコード中の状態42であれば、処理はステップS5に進む。エンコード中の状態42でなければ、処理はステップS13に進む。
ステップS5で、サムネイル送信中の状態43であるか否かを判断する。サムネイル送信中の状態43であれば、処理はステップS9に進む。サムネイル送信中の状態43でなければ、処理はステップS6に進む。
ステップS6で、サムネイル送信指示があるか否かを判断する。サムネイル送信指示は、入力ビデオ信号の絵が大きく切り替わった(シーンチェンジ)タイミングをMPEG2エンコーダ10内部で検出し、これをトリガーにしてよい。或いは、マイクロコンピュータ12からホストI/F35に供給される指示をトリガーにしてもよい。或いは、MPEG2エンコーダ10が一定周期毎に自発的にサムネイル送信指示を発生するようにしてもよい。サムネイル送信指示がある場合には、処理はステップS7に進む。サムネイル送信指示がない場合には、処理はステップS12に進む。
ステップS7で、状態遷移を指示してサムネイル送信中の状態43に遷移する。
ステップS8で、バンク切り替え処理を実行する。図5及び図6は、バンク切り替え処理を説明するための図である。前述のようにフレームシンクロナイザ32内には、フレームメモリ11の複数のバンクを指し示すポインタを格納したレジスタが設けられている。それらのレジスタは、BANK0先頭アドレスレジスタ、BANK1先頭アドレスレジスタ、BANK2先頭アドレスレジスタ、及び最新書き込みバンクレジスタである。最新書き込みバンクレジスタは、フレームメモリ11に書き込み済でまだエンコードされていないフレームデータのうちで、一番新しいフレームデータが書き込まれているバンクを示すものである。
図5に示すように、初期化処理直後の状態では、各バンクの先頭アドレスは下記の値にセットされる。
BANK0=0X081A0000
BANK1=0X08248C00
BANK2=0X082F1800
またCPU36は、リザーブされているバンクの先頭アドレスである0X0839A400を変数BANK_RESERVEDに保持する。図3のステップS8のバンク切り替え処理では、CPU36は最新書き込みバンクレジスタの内容を読み取って最新バンクを検出し、BANK_RESERVEDの値と最新書き込みバンクの先頭アドレスレジスタの値とを入れ替える。例えばBANK0〜BANK2が図5に示す初期状態のときにサムネイル送信指示があった場合、最新書き込みバンクレジスタがBANK1を示しているとすると、BANK1=0X0839A400、BANK_RESERVED=0X08248C00にする。この結果、各レジスタに格納されるバンクの先頭アドレスは、図6に示されるような値に設定される。
以上の処理により、BANK0(0X081A0000)→BANK1(0X08248C00)→BANK2(0X082F1800)→BANK0(00X081A0000)→BANK1(0X08248C00)→BANK2(0X082F1800)→・・・という順番で各バンクへのエンコード処理用の書き込み及び読み出しが実行されている状態で、例えばBANK2への書き込みの最中にバンク切り替え処理が発生すると、BANK0(0X081A0000)→BANK1(0X08248C00)→BANK2(0X082F1800)(バンク切り替え処理発生)→BANK0(0X081A0000)→BANK1(0X0839A400)→BANK2(0X082F1800)→BANK0(0X081A0000)→BANK1(0X0839A400)→BANK2(0X082F1800)→・・・・・・という順番でエンコード処理用の書き込み及び読み出しが実行されることになる。この結果、当初のBANK1であり現在のBANK_RESERVED(0X08248C00)の内容はそのまま保持されるので、その後のサムネイル画像送信処理により都合のよいタイミングでBANK_RESERVED(0X08248C00)の内容を読み出して送信すればよい。
図3のステップS12で、ハードディスクドライブ(HDD)18に対する書き込み処理が実行される。これにより、エンコードされたビデオデータ及びオーディオデータが多重化ストリームとしてハードディスクドライブ(HDD)18に記録される。
ステップS13で、ハードディスクレコーダの電源がOFFであるか否かを判断する。電源がOFFであれば処理を終了し、電源がOFFでなければ処理はステップS2に戻る。
その後ステップS5において、サムネイル送信中の状態43であると判断された場合には、処理はステップS9に進む。ステップS9で、サムネイルデータ送信処理が実行される。サムネイルデータ送信処理においては、BANK_RESERVEDに指定されたアドレスが先頭アドレスとなるフレームデータを、たとえば4バイトずつマイクロコンピュータ12に送信する。一送信単位である4バイトのデータの送信を完了したら、ステップS10の処理を終了する。その後次回のサムネイルデータ送信処理を実行する際には、次の4バイトのデータを送信する。
ステップS10で全てのデータの送信が完了したか否かを判断する。全データの送信が完了したら、ステップS11で状態遷移指示によりサムネイル非送信中の状態44に遷移する。
以上のようにして、あるバンクのフレームデータをバンク切り替え処理により保持しておき、エンコード処理に殆ど影響を与えない程度の小さなデータ転送単位で、保持された画像データをマイクロコンピュータ12に順次転送する。これにより、エンコード動作に影響を与えることなくビデオデータから画像データを抜き出してマイクロコンピュータ12に転送することが可能となる。
マイクロコンピュータ12では、受信したデータを間引いてサムネイル画像を生成して、RAM13等のメモリに格納する。また上記のように選択された一枚の画像の全てのデータをMPEG2エンコーダ10からマイクロコンピュータ12に送信する代わりに、画像データを先に間引いてサムネイル画像としてマイクロコンピュータ12に送信してもよい。またフィルタリング等の何らかの変換処理を実行してからマイクロコンピュータ12に送信してもよい。
以下に、エンコード処理とサムネイルデータ送信処理との関係について説明する。
図7A及び図7Bは、それぞれエンコード処理及びサムネイルデータ送信処理の実行状態を示す図である。CPU36及びMPEG2ビデオエンコードユニット33によるエンコード処理は、図7Aに示されるように、例えば平均で90%のCPU処理時間を占有する。ここで図7Aにおいて横軸が時間を表し、「処理中」として示す網掛け部分が、全体の時間の90%の時間を占めている。エンコード処理は、リアルタイムに入力されるビデオデータやオーディオデータに追随するように実行される必要が有り、他の処理に対して優先的に処理されなければならない。
フレームメモリに3つのバンクを設けた場合には、エンコード処理のために3つのバンクに対して順次書き込み・読み出し動作が行われている中で、そのうちの1つのバンクからサムネイル画像作成用の画像をエンコード処理とは別に読み出す必要がある。NTSCビデオデータは1フレームあたり33msであり、サムネイル用に読み出そうするバンクは、残り2つのバンクに書き込みが行われる66msの間に読み出してしまわないと上書きされてしまう。
従って、図7Aに示されるエンコード処理中の網掛け部分を除いた残りの10%のCPU処理で、66ms(又は更に短い時間)以内にサムネイルデータの送信処理を完了しなければならない。例えばサムネイル送信処理が15%×66msのCPU処理を必要とする場合には、図7Aに示される処理状態では送信が不可能となる。
本発明においては、バンクのフレームデータをバンク切り替え処理により保持しておき、エンコード処理に殆ど影響を与えない程度の小さなデータ転送単位で、保持された画像データをマイクロコンピュータに順次転送する。従って、バンク切り替え処理を実行した後には、上記の66msという時間制限がなくなるので、サムネイルデータ送信処理に費やされるCPU処理の占有率を下げることができる。例えば、サムネイルデータ送信処理が合計で15%×66msのCPU処理を必要とする場合であっても、10回の送信処理に分割することで1.5%×660msのCPU処理を実行すればよいことになる。
図8は、本発明が適用されるハードディスクレコーダの別の構成例を示すブロック図である。
図8のハードディスクレコーダにおいては、図1のハードディスクレコーダとは異なり、MPEG2エンコーダ10Aとマイクロコンピュータ12Aとの間のサムネイルデータ送信がシリアルインターフェースを介して実行される。このようにシリアルインターフェースを介してサムネイルデータ送信処理が実行される場合には、データ転送に必要な時間がパラレルバスの場合と比較して長くなる。この結果、サムネイルデータ送信処理に費やされるCPU処理時間が長くなるので、本発明のようにバンク切り替え処理を実行することについてのメリットがより大きくなる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。
例えば上記実施例では、通常のエンコード処理のために3つのバンクに対して順次書き込み・読み出し動作を行う3バンク構成となっていて、サムネイル画像送信処理のために1バンクを追加する構成となっている。別の実施形態としては、通常のエンコード処理のために3つのバンクに対して順次書き込み・読み出し動作を行う3バンク構成として、サムネイル画像送信処理時においては3バンクの内の1つをサムネイル画像送信専用として割当て、残りの2つのバンクを用いて通常のエンコード処理のための順次書き込み・読み出し動作を行う構成としてもよい。このような構成によっても、上記実施例と同様に、エンコード動作に影響を与えることなくビデオデータから画像データを抜き出してマイクロコンピュータに転送することが可能となる。

Claims (10)

  1. 所定の順番で繰り返し選択される複数のメモリバンクに外部から供給されたビデオデータを一時的に格納し、該所定の順番で繰り返し選択される該複数のメモリバンクから該ビデオデータを順次読み出すフレームシンクロナイザと、
    該フレームシンクロナイザが読み出した該ビデオデータをエンコードするエンコードユニットと、
    該複数のメモリバンクのうちの1つのメモリバンクを該複数のメモリバンクとは別のメモリバンクと切り替えるバンク切り替え処理を実行する制御ユニットを含むことを特徴とするビデオエンコーダ。
  2. 該制御ユニットは、サムネイル送信指示に応答して該バンク切り替え処理を実行することを特徴とする請求項1記載のビデオエンコーダ。
  3. 該別のメモリバンクと切り替えられた該1つのメモリバンクから読み出した該ビデオデータを外部に転送するインターフェースを更に含むことを特徴とする請求項1記載のビデオエンコーダ。
  4. 該インターフェースはパラレルインターフェースであることを特徴とする請求項3記載のビデオエンコーダ。
  5. 該インターフェースはシリアルインターフェースであることを特徴とする請求項3記載のビデオエンコーダ。
  6. 該別のメモリバンクと切り替えられた該1つのメモリバンクから読み出した該ビデオデータを外部に転送する処理は、該ビデオデータを所定のデータ転送単位に分割して複数回に分けて実行されることを特徴とする請求項3記載のビデオエンコーダ。
  7. 該別のメモリバンクと切り替えられた該1つのメモリバンクから読み出した該ビデオデータを外部に転送する処理は、該ビデオデータを間引いたサムネイルデータを転送する処理として実行されることを特徴とする請求項3記載のビデオエンコーダ。
  8. 該フレームシンクロナイザは該複数のメモリバンクをそれぞれ指し示す複数のポインタを格納するレジスタを含み、該制御ユニットは該複数のポインタのうち該1つのメモリバンクに対応する1つのポインタを該別のメモリバンクに対応するポインタに書き換えることにより該バンク切り替え処理を実行することを特徴とする請求項1記載のビデオエンコーダ。
  9. 該フレームシンクロナイザは、該バンク切り替え処理後において、該1つのポインタが書き換えられた該複数のポインタに対応する複数のメモリバンクを所定の順番で繰り返し選択することを特徴とする請求項8記載のビデオエンコーダ。
  10. 該外部から供給されたビデオデータは、アナログビデオ信号のタイミングでリアルタイムに供給されるデジタルデータであることを特徴とする請求項1記載のビデオエンコーダ。
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