JP4249311B2 - エスカレータ清掃器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エスカレータ清掃器具に関し、特に、エスカレータのステップ移動経路の左右両脇に立設された手すりを案内する手すりガイド部のステップ側に面した連続する壁面を清掃するエスカレータ清掃器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エスカレータのステップ移動経路の左右両脇に立設された手すりを案内する手すりガイド部のステップ側に面した連続する壁面(以下、単にエスカレータ壁面という)の清掃作業は、雑巾等の布体を取り付けたモップなどの手持ち固定器具を壁面に押し当ててエスカレータの移動を利用することにより行われていた。
【0003】
しかし、作業中は、常に力を入れて壁面を押圧していなければならないため、無理な姿勢を強いられ、作業員の腰や腕に過度の負担をかけるものであった。そこで、本願出願人は、特願平9−253183号において、無理のない姿勢でエスカレータ壁面の清掃作業を行うことができるエスカレータ清掃器具を提案した。これによれば、エスカレータ清掃器具は、エスカレータの手すりに係止可能な係止アームと、該係止アームから延設されエスカレータの移動を利用してエスカレータ壁面を清掃する清掃アームとを備えている。
【0004】
清掃アームは、先端に清掃織布を装着可能で、基端は係止アームとほぼ同じ高さ位置に突出し、その途中部分で係止アームに軸着され、エスカレータ壁面と接離する方向に揺動自在とされている。
【0005】
そして、清掃アームの先端に清掃織布を装着し、エスカレータの手すりに係止アームを載せて係止させ、清掃アームの基端を下方へ押し下げることにより清掃織布を所定の押圧力で壁面に押圧させることができる。この状態で、エスカレータが移動することにより、清掃織布はエスカレータ壁面上を摺接移動し、清掃を行う。これにより、清掃作業中における姿勢を自然で無理のない姿勢で行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のエスカレータ清掃器具では、清掃織布を壁面に押し当てるために清掃アームの基端を押し下げて、エスカレータの移動中、その状態を維持し続ける必要があり、さらに作業員の負担を軽減するための改善すべき点が残されていた。
【0007】
本発明は、上述した点を解決すべくなされたものであり、その目的は、エスカレータの壁面を清掃する際に必要とされる力を軽減することができ、清掃作業を容易ならしめるエスカレータ清掃器具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記不具合を解決するために、本発明の請求項1にかかるエスカレータ清掃器具は、清掃アームが、上下方向に伸長して壁面と当接される清掃部と、清掃部をその上端が壁面と接離する方向に揺動可能に軸支する軸着部と、清掃部の軸着部よりも上部分が壁面と接近する方向に回転付勢する回転付勢手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
これによれば、清掃部は、軸着部によって清掃部の上端が壁面と接離する方向に揺動可能に軸支され、回転付勢手段によって清掃部の軸着部よりも上部分が壁面と接近する方向に回転付勢される。この回転付勢により、清掃部を壁面に所定の押圧力で押圧させた状態とすることができる。したがって、人力により押圧させる力を不要若しくは軽減することができ、清掃作業時に必要な労力を軽減することができる。これにより、清掃作業を容易ならしめることができる。
【0010】
請求項2に記載のエスカレータ清掃器具は、回転付勢手段が、所定の角度範囲内にて回転付勢することを特徴とする。これによれば、清掃部の軸着部よりも上部分は、清掃部の揺動角度位置が所定範囲内である場合にのみ、壁面と接近する方向に回転付勢される。したがって、所定の角度範囲外では回転付勢力は付与されず、清掃部を自由に揺動させることができる。このように、回転付勢される角度を所定範囲としたことによって、エスカレータの種類によって異なる壁面の角度に適切に対応させることができ、また、エスカレータ清掃器具の持ち運び等の取り扱いを容易なものとすることができる。
【0011】
請求項3に記載のエスカレータ清掃器具は、軸着部が、清掃部の上下方向の中央高さ位置よりも下端寄り位置に設けられていることを特徴とする。これによれば、清掃部は、軸着部により上下方向の中央高さ位置よりも下端寄り位置にて軸着されている。すなわち、清掃部の軸着部よりも上部分が下部分よりも長くなるように軸着されている。したがって、清掃部の壁面を押圧する部分をより長くすることができ壁面に十分な押圧力を与えることができる。これにより、清掃部を壁面に強く押圧することができ、エスカレータの移動の際に強い押圧力で摺接させることができる。したがって、壁面の清掃能力をより向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態におけるエスカレータ清掃器具の正面説明図である。エスカレータ清掃器具1は、図示したように、左右方向に所定長さで直線状に伸長する係止アーム2と、係止アーム2から延設されエスカレータの移動を利用してエスカレータ清掃面を清掃する清掃アーム3とを備えている。
【0014】
係止アーム2は、左右方向の長さを伸縮調整可能な構造を有しており、両端部分には、エスカレータ5のステップ移動経路の左右両脇に立設された手すりガイド部により案内される移動手すり6の上に載せるのみで、移動手すり6に係止される手すり係止部21を備えている。手すり係止部21は、具体的には、摩擦係数の高い、滑りにくい素材により構成されており、移動手すりに載せられた際に移動手すり上を容易に滑動せず、係止されるものである。
【0015】
清掃アーム3は、本実施の形態では左右にそれぞれ独立して各1本づつ設けられており、ロッド部31と清掃部32を有し、更に清掃部32をロッド部31に軸着する軸着部33を有する。ロッド部31は、係止アーム2の下方位置にて先端が係止アーム2の伸長方向と同方向に揺動可能となるように、基端が係止アーム2のほぼ中央位置に軸支されており、ロッド部31の途中部分にはロッド部31の長さを適宜に伸縮調整できるロッド長さ調整部34を備えている。そして、清掃部32が壁面の清掃部分に位置するようにロッド部31の揺動を停止させるストッパ41がロッド部31の基端の軸支点部に設けられている。
【0016】
清掃部32は、エスカレータ清掃面7上を摺接移動することによりエスカレータ清掃面7を清掃する清掃織布35と、清掃織布35を着脱可能でかつ装着した清掃織布35をエスカレータ清掃面7の上下方向に所定長さに亘って当接させる長尺形状をなす織布取付基体36とを有する。
【0017】
軸着部33は、織布取付基体36の上端と下端がエスカレータ清掃面7と接離する方向に揺動可能となるように清掃部32をロッド部31に軸着する。軸着部33の織布取付基体36への取付位置は、織布取付基体36の上下方向中央高さ位置よりも下方寄り位置に設けられている。
【0018】
そして、軸着部33には、織布取付基体36を所定の回転角度内で一方方向へ回動させるように付勢する回転付勢手段37が設けられている。回転付勢手段37は、軸着部33の支軸38の外周囲に捲回される、巻きバネにより構成されており、所定の角度範囲内で織布取付基体36の軸着部取付位置よりも上部分39をロッド部31と離反させる方向、すなわちエスカレータ清掃面7と接近する方向に回動させるように付勢する。ここで、所定の角度範囲とは、一般的なエスカレータが有するエスカレータ清掃面の傾斜角度に対応できる範囲内で所定の押圧力を発生させることができる角度範囲をいう。
【0019】
上記構成を有するエスカレータ清掃器具1をエスカレータ5に装着する場合、係止アーム2は、左右の手すり6、6間に架け渡し可能な長さに調整され、係止アーム2が左右の移動手すり6、6間に架け渡されると、係止アーム2の手すり係止部21は、それぞれ左右の移動手すり6、6上に載置され係止され、移動手すり6、6上を滑動しない状態となる。
【0020】
ロッド部31は、ロッド長さ調整部34の調整により織布取付基体36に装着された清掃織布35がエスカレータ清掃面7と当接する位置となる長さに調整され、織布取付基体36に装着された清掃織布35がエスカレータ清掃面7と当接する状態となるようにその角度が調整される。
【0021】
このような調整状態において、清掃部32はその重量によりエスカレータ清掃面7を下方に沿うように移動しようとする。しかし、織布取付枠体35の軸着部位置よりも上部分39は、回転付勢手段37による回転付勢力によってエスカレータ清掃面7を押圧し、下部分40は、エスカレータ清掃器具1自体の重量と回転力によりエスカレータ清掃面7を押圧する。
【0022】
したがって、清掃部32はエスカレータ清掃面7上に留まり、エスカレータ清掃面7を常に所定の押圧力で押圧した押圧状態に保持される。これにより、従来は人力により与えていた押圧力を自動的に与えることができ、またその押圧力だけでは十分でない場合には僅かな押圧力を加えることで十分な押圧力が得られる。したがって、清掃の際に必要とされる力を軽減することができ、清掃作業を容易ならしめることができる。
【0023】
尚、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨内にて種々の変更が可能である。例えば、本実施の形態では、軸着部33の回転付勢手段37に巻きバネを用いた例を示したが、これに限定されるものではなく、織布取付枠体36の軸着部位置よりも上部分39をエスカレータ清掃面を押圧する方向に回動させるものであればよく、例えば、織布取付枠体36の軸着部位置よりも上部分39とロッド部31との間を離間させるように付勢するスプリングを設けても良い。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るエスカレータ清掃器具によれば、織布取付枠体の軸着部位置よりも上方部分を所定の回転付勢力によりロッド部と離反させる方向に回動させる回転付勢手段を設けることにより、エスカレータに装着するのみで自動的にエスカレータ清掃面を所定の押圧力で押圧することができる。したがって、清掃作業時に必要とされる力を軽減することができ、清掃作業を容易ならしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す正面説明図である。
【符号の説明】
1 エスカレータ清掃器具
2 係止アーム
3 清掃アーム
5 エスカレータ
6 移動手すり
7 エスカレータ清掃面(壁面)
21 手すり係止部
31 ロッド部
32 清掃部
33 軸着部
34 ロッド長さ調整部
35 清掃織布
36 織布取付枠体
37 回転付勢手段
38 支軸
39 上部分

Claims (3)

  1. エスカレータの左右の手すり間に亘って架け渡され前記手すりに係止される手すり係止アームと、該係止アームから延設され前記エスカレータの移動を利用してエスカレータのステップ移動経路の左右両脇に立設された手すりを案内する手すりガイド部のステップ側に面した連続する壁面を清掃する清掃アームと、を備えるエスカレータ清掃器具において、
    該清掃アームは、
    上下方向に伸長して前記壁面と当接される清掃部と、
    前記清掃部を該清掃部の上端が前記壁面と接離する方向に揺動可能に軸支する軸着部と、
    前記清掃部の軸着部よりも上部分が前記壁面と接近する方向に回転付勢する回転付勢手段と、を備えることを特徴とするエスカレータ清掃器具。
  2. 前記回転付勢手段は、
    所定の角度範囲内にて回転付勢することを特徴とする請求項1に記載のエスカレータ清掃器具。
  3. 前記軸着部は、
    前記清掃部の前記上下方向の中央高さ位置よりも下端寄り位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエスカレータ清掃器具。
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