JP4248951B2 - 板状部材の加工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば原子炉で用いられる核燃料集合体の支持格子を形成するストラップ等のスリットを形成した板状部材の加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば軽水炉の原子炉に使用される核燃料集合体は、上部ノズルと下部ノズルの間に複数の支持格子が所定間隔で配設され、計装用管及び複数の制御棒案内管が各支持格子と上部ノズル及び下部ノズルにそれぞれ固定され、更に各支持格子のセルに燃料棒が挿入されて構成されている。例えば下記特許文献1では、各支持格子は、薄板帯状の複数のストラップを直交させてスリット同士を嵌め合わせることで格子状に組み込んで製作している。各ストラップはその長手方向に沿って複数のスリットを所定間隔で配列し、各スリット間の壁面はセルを形成するための壁面をなしている。
ストラップの材質として、従来はインコネル合金が採用されていたが、近年、ジルカロイ合金が採用されてきている。ジルカロイ合金を用いてストラップを製作する場合、ジルカロイ合金はインコネル合金よりも強度が劣るために板厚を厚くする必要があった。その場合でも、原子炉の運転を制御する制御棒の寸法は、制御棒案内管やスリーブ等の他の部材の寸法を変更できないことから、従来設計と共通であることを要求されている。
【0003】
ところで、ジルカロイ合金でもインコネル合金でも、制御棒案内管挿入用のシンブルセルでは制御棒案内管の挿通をガイドするスリーブをセルの上下に溶接しているが、ストラップをジルカロイ合金で製造すると板厚が増大するために、ストラップを支持格子として組み立てた際に各セル内の面積がインコネル合金を使用した場合よりも小さくなる。そのために、制御棒案内管をセル内に嵌挿するためにストラップの4つの壁面を外側に略円筒状に湾曲させている。このように面積の狭いセル内にインコネル合金製支持格子で用いたものと同一寸法のスリーブや制御棒案内管を装着している。
ストラップは、板状部材を上部金型と下部金型とで打ち抜いて製作している。板状部材を上下部金型で打ち抜いてストラップを製作するストラップ加工方法については下記特許文献2等に開示されている。通常、スリットは全長に亘ってストラップの板厚と同等の幅を有するように形成される。
【0004】
【特許文献1】
特公平8−30748号公報
【特許文献2】
特公平5−1093号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ストラップを特許文献2等の加工方法を用いて金型で打ち抜いて製作する場合、シンブルセル用の壁面において湾曲加工を完全に一様に製作できなかった。そのため、板状部材を打ち抜いてストラップを製作すると、スリットは内奥部に対して開口部の幅が狭くなったり広くなったりする不具合が生じることがあった。特にシンブルセル用の壁面の両側に形成されたスリットは、他のセル用壁面に設けたスプリング部が形成されないために、開口部が狭くなるという不具合が顕著であった。
そのため、開口部がストラップの板厚よりも狭くなったスリットは他のストラップのスリットと嵌め合わせることができず、支持格子の組み立てができないという欠点があった。
このような場合、図9に示すように打ち抜き製作したストラップ50に対してスリット51の開口部とは反対側の長辺の端縁を支点として第一のピン52を当接させ、キー窓を力点として第二のピン53を当てる。そして、第二のピン53に荷重を与えて第一のピン52を支点としてスリットを広げるようにストラップを湾曲させることで、スリットの開口部を広げる矯正作業を作業員が行っていた。
しかしながら、このようなピン形式によるストラップの矯正は手間がかかり、また作業スペースと多くの治具を必要とするためストラップ完成まで時間がかかりコスト高になるという欠点があった。
本発明は、このような課題に鑑みて、簡単且つ容易にスリットの開口部の幅を矯正できるようにした板状部材の加工方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による板状部材の加工方法は、薄板帯状の板状部材を金型で打ち抜いて前記板状部材の長手方向に直交する短手方向の一端の外部に開口する開口部から前記短手方向中央部である底部まで延びるスリットを形成した後に、前記スリットの底部と該スリットの延長線上に設けた貫通孔の窓部との間の壁面の板厚部分を打撃領域として叩くことで前記スリットの開口部の幅を広げるようにしたことを特徴とする。
金型による打ち抜き加工のひずみ等によりスリットの開口部の幅が底部よりも狭く形成された場合、スリット底部と窓部との間の壁面を打撃領域として叩くことで、打撃領域を中心としてスリットを外側に広げることができ、スリット開口部の幅を矯正できる。
【0007】
また、打撃領域はスリットの長手方向に沿う中心線に対して対称な領域であるようにしてもよい。
対称な打撃領域を叩くことで、スリットの開口部や両側縁部を左右均等に広げることができる。
また、板状部材は核燃料集合体の支持格子を形成するストラップであり、ストラップは支持格子の各セルを形成する短手方向に延びるセル用の壁面が長手方向に沿って連続して配列され、各壁面は短手方向の一端から延びるスリットで仕切られており、壁面には短手方向に延びるスプリング部が打ち抜きで設けられ、打撃領域はスプリング部を設けない壁面の両側に形成したスリットの底部とキー挿入用の窓部との間に設けられていることを特徴とする。
シンブルセル用壁面等の壁面はスプリング部を形成するための打ち抜きがなく壁面が連続するために、打ち抜き加工時に応力でスリット開口部の幅が狭められ易いが、打撃領域を叩くことで矯正できる。
また、打撃領域はスリットと窓部から離間していてもよい。
パンチ等の打撃手段で板状部材の打撃領域を叩く際に、打撃領域がスリットと窓部に重ならないようにすることで、スリットや窓部に変形等が発生するのを防止できる。
【0008】
尚、スリットの延長線上であってスリット底部近傍部分を第一打撃領域とし、スリット開口部と反対側の板状部材端部を第二打撃領域としてもよい。スリットの開口部の幅を広げる場合には第一打撃領域を叩き、開口部の幅を狭める場合には第二打撃領域を叩くことで、スリットの開口部の幅を矯正でき、スリットの全長に亘る幅を一様に矯正できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図4に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態によるストラップの平面図、図2は図1に示すストラップのシンブルセル用壁面部分の拡大図、図3はスリットとキー窓の間の打撃領域を打撃する打撃手段を示す分解要部斜視図、図4はストラップ加工工程を示す工程図である。
図1及び図2において、本実施の形態による支持格子組み立て用のストラップ10は薄板帯状を呈しており、例えばジルカロイ2やジルカロイ4等のジルカロイ合金で構成されている。このストラップ10はその長手方向に沿って支持格子の各セルを形成するセル用壁面11が連続して配列されており、各セル用壁面11は長手方向に略直交する短手方向の一端(図では下端)から短手方向中央部まで延びる略直線状の切り欠けをなすスリット12で仕切られている。スリット12は基本的には全長に亘ってストラップ10の板厚h′より若干広い基準値h(>h′)程度の寸法に形成されている。
各セル用壁面11は、その短手方向中央部に両側部を打ち抜かれて壁面11に対して略台形状に突出するスプリング部13が形成され、このスプリング部13は短手方向に延びて形成されている。そして、スプリング部13の上下両側には長手方向に沿って両側部を打ち抜かれた一対のディンプル14、14が突出して形成されている。各ディンプル14はスプリング部13とは反対方向に突出している。このような構成を備えたセル用壁面11が、スリット12に仕切られてストラップ10の長手方向に順次配列されている。
【0010】
そして、ストラップ10の長手方向に配列されるセル用壁面11の間には所定間隔でシンブルセル用壁面11aが設けられている。シンブルセル用壁面11aには一対のディンプル14、14が設けられているが、スプリング部13は形成されていない。そのため、この壁面11aにおいてディンプル14、14間の領域は穴のない無垢の板状で、ディンプル14と同一方向に円筒周面状に突出した湾曲部15が形成されている。
またストラップ10において、短手方向に延びるスリット12の外部に開口する一端を開口部12aとし、ストラップ10の短手方向に切り込みが終了する内奥部を底部12bとして、底部12bから各スリット12の延長上で短手方向に離間した位置には例えば略四角形状のキー窓16が穿孔されている。このキー窓16はストラップ10の長手方向にはスプリング部13と交互に配列され、シンブルセル用壁面11aでは湾曲部15を挟んで配列されている。シンブルセル用壁面11aを挟む両側のスリット12の底部12bとキー窓16との間の板厚部は第一打撃領域17(打撃領域)を構成している。
第一打撃領域17は、打撃時に変形を防ぐために、キー窓16とスリット12の両方から離間していることが好ましい。第一打撃領域17はストラップ10が打ち抜き形成された状態でスリット12の底部12bの幅hに対して開口部12aの幅Hが狭い場合に、開口部12aの幅を広げるよう矯正するのに用いられる。
【0011】
次に図3は第一打撃領域17の打撃手段20を示す要部斜視図である。図中、上部金型と下部金型で型抜き成形されたストラップ10に関して、スリット12の開口部12aが狭くなるのはシンブルセル用壁面11aの両側のスリット12だけであるから、これらスリット12の延長線上に位置する第一打撃領域17を予め設定し、図示しない制御手段にメモリしておく。
そして、金型で型抜き成形されたストラップ10について、金型内にはストラップ10をキー窓16と第一打撃領域17を囲んで下部金型に押しつけて位置決めするストリッパ22がストラップ10に対して進退可能に設けられている。ストリッパ22の内部にはキー窓16とスリット12との間の第一打撃領域17を叩くパンチ24が設けられている。このパンチ24はストリッパ22の内面にガイドされて進退する。
パンチ24で叩く第一打撃領域17は同種のストラップ10を打ち抜いて各スリット12の開口部12aの幅Hを予め測定して、例えば、開口部12aの幅の基準値hに対して誤差が±4.5%の許容範囲を超えたものについて、そのスリット12の開口部12aの幅Hの誤差を基準値hに対して−4.5%〜+4.5%(0.955h〜1.045h)の範囲内に矯正することが必要なものと認定する。矯正後にスリット12の開口部12aの幅Hが基準値hに対し0.955h未満であると板厚h′以下になるため、スリット12を他のストラップ10に嵌合させることができない。また、1.045hを越えると板厚h′に対して開口部12aが広がりすぎて嵌合状態でスリット12と他のストラップ10との嵌合部に隙間ができてしまい、嵌合強度を得られない。
【0012】
特に、本実施の形態では、シンブルセル用壁面11aはスプリング部13を設けないために、打ち抜き後のスリット12の開口部12aの幅Hは下限値0.955hより小さくなってしまう。この矯正すべきスリット12の位置を予め設定し、基準値hに対する誤差が±4.5%許容範囲内に入るようにパンチ24の打撃強度や打撃回数を予め設定しておくものとする。
また、第一打撃領域17は下部金型内の平面上に位置しており、第一打撃領域17がスリット12の中心線Oに対して両側が略線対称になるように均等な領域を設定する。パンチ24で叩いて打撃領域17の板厚を薄くし、その応力によってスリット12の周囲がわずかに略扇形に外側に広がるために、スリット12の開口部12aを底部12bと同等程度に拡幅することができる。
このようにしてストラップ10の各スリット12の幅を基準値hに対して許容誤差−4.5%〜+4.5%の範囲内に広げて収めることができる。
【0013】
次に本実施の形態によるストラップ10の加工方法について図4に示す工程図に沿って説明する。
本実施の形態によるストラップ10の加工方法は、板厚h′を有するジルカロイ合金からなる原料板材を、例えば上記特許文献2に記載された加工方法を用いて打ち抜き加工する。先ず原料板材をストラップ加工装置に供給して金型まで搬送して、上部金型と下部金型で所望のストラップ形状に打ち抜く(工程101)。打ち抜きによってストラップ10は図1及び図2に示すように塑性変形して成形される。
得られたストラップ10は、各セル用壁面11、11aが長手方向に配列して形成され、しかも各隔壁11、11aの境界にはそれぞれスリット12が略等間隔に形成されることになる。この場合、特にシンブルセル用壁面11aにはディンプル14、14を除いて短手方向上端から下端まで湾曲部15が形成されるために、その両側のスリット12、12は底部12bに対して開口部12aの幅が基準値hよりも狭くなっている。
【0014】
次に、図3に示すように、ストラップ10のシンブルセル用壁面11aの両側のスリット12、12の延長線上に位置するキー窓16、16の周囲にストリッパ22を降下させて押しつけ、下部金型の平板部分との間で挟持する。そしてストリッパ22の内側でパンチ24をストリッパ22の内面に沿って降下させることで、スリット12とキー窓16との間の第一打撃領域17を叩く(工程102)。これによって打撃領域17は展延されて板厚が薄くなるため、スリット12が開口部12aを広げる方向に左右両側に開くことになる。
そして、スリット12の開口部12aの幅Hの誤差を基準値hの±4.5%の許容範囲内に矯正した時点で打撃を終了する。
パンチ24でストラップの第一打撃領域17を叩く場合、複数の第一打撃領域17を同時に叩いてもよいし、長手方向にそって1つづつ叩いてもよい。
【0015】
上述のように本実施の形態によれば、打ち抜いたストラップ10の各スリット12の幅を基準値hに対して許容誤差−4.5%〜+4.5%の範囲内に収めるよう打撃で矯正できるから、他のストラップ12のスリット12と確実に嵌合させて格子状に組み合わせることができる。そのため、従来のようにピン形式でストラップに支点と力点を設けて力点に荷重をかけて強制的に矯正する方法と比較して、金型によるストラップ10の打ち抜き加工に続いてパンチ24による第一打撃領域17の打撃だけで矯正できるため、簡単且つ容易にスリット12の開口部12aの幅Hを矯正でき、矯正コストを低廉にできる。
【0016】
尚、金型による打ち抜き加工によって一部のスリット12の開口部12aの幅Hが底部12bに対し広がりすぎて1.045h(誤差4.5%)以上大きくなることもある。このような場合には、図5に示すように、当該ストラップ12の中心線Oの延長線上であって、スリット開口部12aに対し短手方向反対側の端部近傍に第二の打撃領域26を設け、打撃手段20を配置してパンチ24で叩けばよい。第二の打撃領域26をパンチ24で叩くことによってこの打撃領域26が長手方向両側に広がり、その応力によってスリット12の開口部12aが狭まる方向に応力が働き、開口部12aの幅Hは基準値hに対し許容誤差±4.5%以内に縮幅されることになる。
【0017】
次に本実施の形態によるストラップの加工方法について行った試験を説明する。
金型で打ち抜いたストラップ10は図1に示すものとし、スリット12は全部で例えば16個設け、図中左側から順次No.1,2,…16と番号を付けて特定する。No.3,4とNo.13,14はシンブルセル用壁面11aの両側に位置するスリット12である。
試料として、打ち抜いたストラップ10の第一打撃領域17に打撃を加えることで板厚h′が2.6%小さくなったものを実施例1、同じく4.8%小さくなったものを実施例2とする。また、金型で打ち抜いただけで打撃を加えないストラップ10を比較例とする。
実施例1と2では、シンブルセル用壁面11aを挟むNo.3と4、そしてNo.13と14の各スリット12の延長線上の第一打撃領域17をパンチ24で叩いた。
そして、得られた実施例1,2、比較例の各ストラップ10について、No.1乃至16の各スリット12の開口部12aの幅を測定し、基準値hとの比をとると表1に示すようになった。
【0018】
【表1】
Figure 0004248951
【0019】
表1のデータをグラフ化すると図6に示すようになった。図6から、ストラップ10を金型による打ち抜きだけで製作した比較例の場合、シンブルセル用壁面11aを挟むNo.3と4、そしてNo.13と14の各スリット12について開口部12aの幅Hが許容範囲の下限値より小さかった。そのため、比較例ではストラップ10を互いに嵌合させることは困難である。
これに対し、実施例1及び2ではいずれもスリット12の開口部12aの幅Hを許容誤差範囲±4.5%内に矯正することができたため、ストラップ10を互いに嵌合させて支持格子を組み立てることができることを確認できた。このデータから、第一打撃領域17の板厚h′を打撃によって板厚の減少率を4.8%以下にすることで開口部12aの幅Hを矯正できることになる。
尚、図7は、パンチ24で叩いた第一打撃領域17の板厚の厚み減少割合とスリット開口部12aの幅Hの増大割合を示す図である。実施例1の場合、第一打撃領域17の板厚h′を2.6%減じることで、開口部12aの幅Hを基準値hの1.8〜2.8%の範囲で広げることができる。実施例2の場合、同じく第一打撃領域17の板厚h′を4.8%減じることで、開口部12aの幅Hを基準値hの3.0〜4.3%の範囲で広げることができる。
また図8は、パンチ24で叩いた第一打撃領域17の板厚h′の減少割合と16個のスリット開口部12の幅Hの変化量の平均値との関係を示す図である。図8において、板厚を2.6%低減させた場合、スリット開口部12aの幅Hの変化量の平均値は0であり、板厚を4.8%低減させた場合、変化量の幅Hの平均値は0.2%増大した。このことから、平均値で見ると実施例1ではスリット開口部12aの幅Hは変化せず、実施例2ではスリット開口部12aの幅Hは平均0.2%増大したに留まっている。そのため、打撃によるストラップ10の長手方向全長に与える影響は極めて小さいものであるといえる。
【0020】
尚、本発明は、支持格子のストラップに配列したスリットの幅の矯正に限定されることなく、打ち抜きで製作する各種の板状部材のスリット幅を矯正する方法に広く用いることができる。
また、上述の実施の形態では、ストラップ10の打撃は打ち抜き終了後に金型内で行うこととしたが、これに限定されることなく金型から外して別の場所で打撃加工してもよい。
【0021】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る板状部材の加工方法は、板状部材の打ち抜き時に生じるスリットの開口部の変化を打撃によって矯正でき、従来の矯正方法と比較して、金型による板状部材の打ち抜き加工後に簡単且つ容易に矯正でき、スペースをとらず矯正コストを低廉にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に用いるストラップの平面図である。
【図2】図1に示すストラップのシンブルセル用壁面の部分拡大図であってスリットの開口部を広げる打撃領域を示す図である。
【図3】パンチによるストラップの打撃工程を説明する斜視図である。
【図4】本実施の形態によるストラップの加工方法を説明する工程図である。
【図5】スリットの開口部を狭める打撃領域を示すストラップの平面図である。
【図6】本発明の実施例と比較例によるスリットの開口部の幅とスリットとの関係を示すグラフである。
【図7】ストラップの叩き量とスリット開口部の幅の変化量との関係を示す図である。
【図8】ストラップの叩き量とスリット開口部の幅の平均変化量との関係を示す図である。
【図9】従来のストラップにおけるスリット開口部の幅の矯正方法を示す平面図である。
【符号の説明】
10 ストラップ(板状部材)
11 壁面
11aシンブルセル用壁面
12 スリット
12a 開口部
16 キー窓
17 第一打撃領域(打撃領域)
24 パンチ(打撃手段)

Claims (4)

  1. 薄板帯状の板状部材を金型で打ち抜いて前記板状部材の長手方向に直交する短手方向の一端の外部に開口する開口部から前記短手方向中央部である底部まで延びるスリットを形成した後に、前記スリットの底部と該スリットの延長線上に設けた貫通孔の窓部との間の壁面の板厚部分を打撃領域として叩くことで前記スリットの開口部の幅を広げるようにした板状部材の加工方法。
  2. 前記打撃領域はスリットの長手方向に沿う中心線に対して対称な領域であることを特徴とする請求項1に記載の板状部材の加工方法。
  3. 前記板状部材は核燃料集合体の支持格子を形成するストラップであり、前記ストラップは支持格子の各セルを形成する短手方向に延びるセル用の壁面が長手方向に沿って連続して配列され、各壁面は短手方向の一端から延びる前記スリットで仕切られており、前記壁面には短手方向に延びるスプリング部が打ち抜きで設けられ、前記打撃領域はスプリング部を設けない前記壁面の両側に形成したスリットの底部とキー挿入用の前記窓部との間に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の板状部材の加工方法。
  4. 前記打撃領域は前記スリットと窓部から離間していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の板状部材の加工方法。
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