JP4248116B2 - 高度膜処理装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高度膜処理装置に関し、詳しくは、中空糸膜の内側に原水を供給してろ過操作を行う内圧式膜処理と、オゾンによる滅菌，脱色，脱臭等の高度処理とを組合わせた高度膜処理装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
内圧式膜処理装置は、膜モジュールを形成する中空糸膜の内側に原水を供給してろ過操作を行うものであって、原水を循環ポンプで中空糸膜内に循環させ、中空糸膜を透過した膜処理水（膜ろ過水）を外部に取出すクロスフローろ過方式で運転している。このような内圧式膜処理装置は、通常の一般的なろ過方式に比べて比較的コンパクトな施設での固液分離が可能であり、省力化も可能であるという利点を有している。
【０００３】
一方、オゾンによる滅菌，脱色，脱臭等の高度処理は、下水処理水の再利用や、処理水放流先の富栄養化防止等の観点から、近年は、このような高度処理施設の建設が推進されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の水処理施設では、ろ過処理を行う設備と、高度処理を行う設備とをそれぞれ別個に建設し、配管や水路で接続するようにしていたため、多くの設置面積が必要で、機器類も多くなって建設費が高くなるという問題があった。
【０００５】
そこで本発明は、中空糸膜によるろ過処理とオゾンによる高度処理とを同時に行うことができ、しかも、中空糸膜の逆洗も効果的に行うことができる高度膜処理装置を提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の高度膜処理装置は、中空糸膜の内側に原水を供給してろ過操作を行う内圧式膜処理装置において、前記中空糸膜を設置した処理槽に、オゾン含有ガスを導入するオゾン導入部を設けたことを特徴としている。
【０００７】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の高度膜処理装置の一形態例を示す系統図である。この高度膜処理装置は、処理槽１０の下部に中空糸膜からなる膜モジュール１１を設置するとともに、該膜モジュール１１の下方あるいは上方に、オゾン含有ガスを導入するオゾン導入部１２を設けたものであり、処理槽１０は、オゾンと膜処理水との接触を十分に行える高さ（水深）に形成されている。
【０００８】
また、膜モジュール１１でろ過処理を行うための設備として、原水供給用の原水供給ポンプ１３及び原水循環用の循環ポンプ１４が設けられており、原水供給ポンプ１３から供給される原水は、循環ポンプ１３により加圧されて膜流入経路１５から膜モジュール１１の中空糸膜内部側に供給され、中空糸膜を透過した膜処理水が処理槽１０内に流出し、残りの原水は循環経路１６に流出して循環ポンプ１４に循環する。
【０００９】
前記オゾン導入部１２は、図示しないオゾン発生器で発生したオゾンを含むガス（オゾン含有ガス）を、処理槽１０内の処理水中に導入するためのものであって、オゾン含有ガスは、処理槽１０内に設置された適宜な散気手段を介して処理水中に導入される。導入されたオゾンによって滅菌，脱色，脱臭等の高度処理が行われた処理水は、処理槽１０の上部に設けられた処理水流出経路１７から流出する。
【００１０】
このように、中空糸膜によるろ過処理とオゾンによる高度処理とを一つの処理槽１０で行うに形成することにより、高品位の処理水が得られるとともに、処理装置の小型化が図れる。なお、オゾン導入部１２の位置は、膜モジュール１１と干渉しない位置に任意に設定することができるが、膜モジュール１１の下方に設置した場合は、膜モジュール１１の点検や交換が容易に行える利点があり、膜モジュール１１の上方にオゾン導入部１２を設置した場合は、処理水内に導入されたオゾンが中空糸膜に直接接触しないので、オゾンによる中空糸膜の劣化を抑制することができる。
【００１１】
また、内圧式膜処理装置における膜モジュール１１の中空糸膜は、定期的に中空糸膜の透過水側（外側）から原水側（内側）に逆洗水を通過させて膜内面に付着した汚れを除去する逆洗処理を行う必要がある。このため、本形態例装置には、膜モジュール１４の中空糸膜内部側の水を排出するための逆洗経路１８、逆洗弁１９及び原水供給弁２０が設けられている。
【００１２】
逆洗時には、図２に示すように、原水供給弁２０を閉じ、循環ポンプ１４を停止させ、オゾン導入部１２からのオゾンの導入を停止した状態で逆洗弁１９を開くことにより、処理槽１０内の水頭圧を利用して処理槽１０内の処理水を逆洗水として中空糸膜外側から内側に逆流させ、膜流入経路１５及び循環経路１６を介して逆洗経路１８から排出することができる。
【００１３】
このように、処理槽１０内の処理水を逆洗水に利用することにより、逆洗のための動力を必要としないだけでなく、逆洗水に含まれるオゾンの酸化力によって効率的な膜洗浄を行うことができるので、長期間にわたって安定した運転を行うことができる。さらに、この逆洗時に、逆洗弁１９を閉じて膜を逆洗水中に浸漬させた状態にしたり、循環ポンプ１４を運転して膜内側の逆洗水に流動を与えたりすることを適宜に組合わせることにより、更に高い洗浄効果を得ることができる。
【００１４】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の高度膜処理装置によれば、膜処理とオゾン処理とによって高度な処理水質を得ることができる。さらに、膜処理槽とオゾン処理処理槽とを一体化したことにより、装置のコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の高度膜処理装置の一形態例を示す系統図である。
【図２】 膜モジュール逆洗時の状態を示す系統図である。
【符号の説明】
１０…処理槽、１１…膜モジュール、１２…オゾン導入部、１３…原水供給ポンプ、１４…循環ポンプ、１５…膜流入経路、１６…循環経路、１７…処理水流出経路、１８…逆洗経路、１９…逆洗弁、２０…原水供給弁

Claims (1)

1. 中空糸膜の内側に原水を供給してろ過操作を行う内圧式膜処理装置において、前記中空糸膜を設置した処理槽に、オゾン含有ガスを導入するオゾン導入部を設けたことを特徴とする高度膜処理装置。

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