JPH05305221A - 膜分離水処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 膜モジュール装置の膜エレメントを効果的に
洗浄することができ、洗浄時のオゾンガス消費量を低減
する。 【構成】 原水槽４と膜モジュール装置１との間に原水
側循環路が形成され、処理水槽９と膜モジュール装置１
との間に処理水側循環路が形成されている。循環入口管
７ａおよび逆洗管１２の各々にオゾンガス流入用のイン
ジェクタ８および１３が設けられている。透過水管１７
に気液分離槽３が設けられ、気液分離槽３によって分離
されたオゾンガスはオゾンガス管１８によりインジェク
タ８に導かれる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は洗浄が可能な膜分離水処
理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】河川水あるいは湖沼水または有機性廃水
など、有機系の懸濁物質を含む水を処理するため、膜分
離水処理装置が用いられている。膜分離水処理装置は膜
モジュール装置を有しており、長期の使用により膜モジ
ュール装置の膜エレメントに有機物即ち有機性懸濁物質
や有機性コロイド粒子が付着し、膜エレメントの閉塞を
招くことがある。

【０００３】従来、この閉塞した膜エレメントの洗浄を
行なうため、水逆洗や薬品洗浄が行なわれてきた。ま
た、オゾンを用いて膜エレメントの洗浄を行なうことも
提案されてきている。すなわち、オゾンを用いることに
より有機物の酸化分解を行うことができ、また気泡によ
るバブリング洗浄効果を利用して洗浄を行っている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の技術
では、オゾンを直接膜モジュール装置に注入して膜モジ
ュール装置に内蔵された膜エレメントを洗浄するか、あ
るいはオゾン含有水を膜モジュール装置に注入して膜エ
レメントを洗浄し、オゾン含有水をそのまま排出してい
た。

【０００５】このため、オゾンを用いた膜のエレメント
の洗浄方法では、オゾンの消費量が多くなってしまっ
た。また、オゾン含有水による逆洗とオゾンガスによる
バブリング洗浄効果とが別個に行われるため、洗浄効果
が低いという問題があった。

【０００６】本発明はこのような点を考慮したものであ
り、オゾンの消費量を低減し、効果的に洗浄することが
できる膜分離水処理装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、膜エレメント
によって内部を原水流入部と透過部とに区画された膜モ
ジュール装置と、この膜モジュール装置の原水流入部に
循環入口管および循環出口管を介して接続され前記原水
流入部との間で原水側循環路を形成する原水槽と、前記
膜モジュール装置の透過部に逆洗管および透過水管を介
して接続され前記透過部との間で前記原水側循環路より
高圧の処理水側循環路を形成する処理水槽とを備え、前
記循環入口管および前記逆洗管にオゾンガス注入装置を
各々取付け、前記透過水管に気液分離槽を設け、この気
液分離槽により分離されたオゾンガスを前記循環入口管
のオゾンガス注入装置にオゾンガス管により導いたこと
を特徴とする膜分離水処理装置である。

【０００８】

【作用】逆洗時、原水側循環路に原水が循環するととも
に、処理水側循環路に原水側循環路より高圧状態で処理
水が循環する。逆洗管のオゾンガス注入装置から処理水
中にオゾンガスが注入され、オゾンガス含有の処理水が
透過部から原水流入部に流入して膜エレメントが逆洗さ
れる。透過部内の処理水の一部は気液分離槽内に送ら
れ、気液分離槽内で分離されたオゾンガスはオゾンガス
管により導かれ、循環入口管のオゾンガス注入装置から
原水中へ注入される。原水中に注入されたオゾンガス
は、バブリング洗浄により膜エレメントを洗浄する。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図１および図２は、本発明による膜分離水
処理装置の一実施例を示す図である。

【００１０】図１および図２において、膜分離水処理装
置は河川水または有機性廃水等の原水を処理する膜モジ
ュール装置１と、原水を貯留する密閉型の原水槽４と、
膜モジュール装置１により処理した処理水を貯留する処
理水槽９とを備えている。

【００１１】このうち膜モジュール装置１は、図２に示
すようにステンレス製ハウジング２４と、ハウジング２
４内に配設されたセラミック製の管状膜エレメント２５
とを有しており、ハウジング２４内は膜エレメント２５
によって原水流入部２６と透過部２７とに区画されてい
る。すなわち、原水流入部２６に流入した原水は膜エレ
メント２５を透過する際浄化され、透過部２７から外方
へ流出するようになっている。

【００１２】また、膜モジュール装置１の原水流入部２
６と原水槽４とは、循環入口管７ａおよび循環出口管７
ｂを介して接続され、原水槽４、循環入口管７ａ、原水
流入部２６、および循環出口管７ｂによって原水側循環
路が形成されている。また膜モジュール装置の透過部２
７と処理水槽９とは、逆洗管１２および透過水管１７を
介して接続され、処理水槽９、逆洗管１２、透過部２７
および透過水管１７によって処理水側循環路が形成され
ている。

【００１３】また、循環入口管７ａおよび逆洗管１２
に、インジェクタ（オゾンガス注入装置）８および１３
が各々設けられ、このうちインジェクタ１３にはオゾン
発生器２が、電動弁１４を有するオゾンガス管１５を介
して接続されている。

【００１４】一方、透過水管１７のライン上に、オゾン
ガスを分離する気液分離槽３が設けられ、気液分離槽３
で分離されたオゾンガスはオゾンガス管１８によりイン
ジェクタ８に導かれるようになっている。

【００１５】また、循環入口管７ａおよび逆洗管１２に
は、各々循環ポンプ６および洗浄ポンプ１１が設けら
れ、さらに原水槽４には排気管１９を介して排オゾン分
解塔２０が接続されている。また排オゾン分解塔２０に
は放風管２１が接続されている。

【００１６】次にこのような構成からなる本実施例の作
用について説明する。

【００１７】まず通常運転時、循環ポンプ６が運転され
る。そして原水管５から原水槽４内に流入した原水は、
循環ポンプ６により循環入口管７ａを通って膜モジュー
ル装置１の原水流入部２６内に流入する。

【００１８】原水流入部２６内に流入した原水の一部は
循環出口管７ｂを通って原水槽４に戻り、残りの原水は
膜エレメント２５を透過して透過部２７に入る。膜エレ
メント２５を透過する間に浄化された原水は処理水とな
り、透過部２７から透過水管１７を通って気液分離槽３
内に入る。その後、処理水は気液分離槽３から透過水管
１７を通って処理水槽９内に入り、処理水管１０を通っ
て外方へ放出される。この通常運転時において、洗浄ポ
ンプ１１は停止している。

【００１９】一方、洗浄運転時、循環ポンプ６および洗
浄ポンプ１１が各々運転される。洗浄運転は通常、数時
間に１回１０〜２０分間行なわれる。

【００２０】循環ポンプ６は大容量および小圧力のポン
プとなっており、また洗浄ポンプ１１は小容量および大
圧力のポンプとなっている。この場合、原水管５から原
水槽４への原水の流入は停止し、原水槽４内の原水は循
環入口管７ａ、膜モジュール装置１の原水流入部２６お
よび循環出口管７ｂ内を循環する。一方、処理水槽９内
の処理水は、洗浄ポンプ１１によって逆洗管１２を通り
膜モジュール装置１の透過部２７に流入する。同時にオ
ゾン発生器２内で発生したオゾンガスが、インジェクタ
１３によって逆洗管１２内の処理水中に注入される。

【００２１】透過部２７内に流入した処理水は、原水流
入部２６内の原水より高圧となっているため、膜エレメ
ント２５を逆方向に流れ、膜エレメント２５を逆洗す
る。この場合、処理水中にはオゾンガスが含有されてい
るため、膜エレメント２５に付着した有機物を酸化分解
して効果的な逆洗を行なうことができる。膜エレメント
２５を逆方向に流れて原水流入部２６内に流入した処理
水は、循環出口管７ｂを通って原水槽４内に戻る。

【００２２】また透過部２７内の処理水の一部は、背圧
弁１６を通って気液分離槽３内に送られる。なお、背圧
弁１６は透過部２７内の圧力を高圧に維持するために設
けられている。

【００２３】気液分離槽３内において、処理水はオゾン
含有処理水とオゾンガスとに分離され、オゾン含有処理
水は透過水管１７を通って処理水槽９に送られる。他
方、気液分離槽３内において分離されたオゾンガスは、
オゾンガス管１８を通ってインジェクタ８に導かれ、イ
ンジェクタ８から原水中に注入される。原水中に注入さ
れたオゾンガスは、膜エレメント２５のバブリング洗浄
用として用いられ、このようにしてオゾンガスが消費さ
れる。オゾンガスが注入された原水は、その後、膜モジ
ュール装置１の原水流入部２６から循環出口管７ｂを通
って原水槽４内に戻る。原水槽４内の残留オゾンガス
は、その後排気管１９を通って排オゾン分解塔２０に送
られ、排オゾン分解塔２０内で分解処理された後、放風
邪管２１から大気中へ放出される。

【００２４】本実施例によれば、処理水槽９から送られ
る処理水中にオゾンガスを注入して膜エレメント２５に
付着した有機物を酸化分解しながら逆洗するとともに、
原水槽４から送られる原水中にオゾンガスを注入してバ
ブリング洗浄を施すことにより、膜エレメント２５を効
果的に洗浄することができる。またオゾン発生器２から
発生したオゾンガスを処理水に注入するとともに、処理
水中のオゾンガスを気液分離槽３で分離して原水に注入
することにより再利用することができる。このためオゾ
ン消費量を低減することができる。また排オゾン分解塔
２０への負荷を小さく押えることができる。

【００２５】なお、上記実施例において、膜エレメント
２５としてセラミック管を用いた例を示したが、これに
限らず耐オゾン製の有機性膜エレメントを用いてもよ
い。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
オゾンガス含有の処理水により膜エレメントを逆洗する
ことができ、また原水に注入されたオゾンガスにより膜
エレメントをバブリング洗浄することができる。また処
理水中のオゾンガスを気液分離槽で分離し原水に注入し
て再利用することにより、オゾン消費量を低減すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による膜分離水処理装置の一実施例を示
す概略図。

【図２】膜モジュール装置の側断面図。

【符号の説明】

１ 膜モジュール装置 ３ 気液分離槽 ４ 原水槽 ７ａ 循環入口管 ７ｂ 循環出口管 ８ インジェクタ ９ 処理水槽 １３ インジェクタ １８ オゾンガス管 ２５ 膜エレメント ２６ 原水流入部 ２７ 透過部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】膜エレメントによって内部を原水流入部と
   透過部とに区画された膜モジュール装置と、この膜モジ
   ュール装置の原水流入部に循環入口管および循環出口管
   を介して接続され前記原水流入部との間で原水側循環路
   を形成する原水槽と、前記膜モジュール装置の透過部に
   逆洗管および透過水管を介して接続され前記透過部との
   間で前記原水側循環路より高圧の処理水側循環路を形成
   する処理水槽とを備え、前記循環入口管および前記逆洗
   管にオゾンガス注入装置を各々取付け、前記透過水管に
   気液分離槽を設け、この気液分離槽により分離されたオ
   ゾンガスを前記循環入口管のオゾンガス注入装置にオゾ
   ンガス管により導いたことを特徴とする膜分離水処理装
   置。