JP4247760B2 - マシニングセンタによる歯車の加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主軸に装着したピニオンカッターで歯車を加工するマシニングセンタによる歯車の加工方法に関するものである。
従来、数値制御装置によって各制御軸を制御されるマシニングセンタの主軸にピニオンカッターを、テーブルにワークをそれぞれ装着し、前記主軸をテーブルのX、Y制御軸の制御で加工すべき歯車の軸心を中心とする円の周方向に沿って移動させると同時に、前記主軸を前記周方向の移動量に応じた一定の割合でC軸回りに回転させた後に、前記ピニオンカッターにZ制御軸の制御による前記主軸とテーブルとの相対移動でZ軸方向に切削送りを与えることにより、前記ワークに加工歯車の歯形を形成するようにしたマシニングセンタによる歯車の加工方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許第3561761号公報 特開2002−137119号公報
前記従来のマシニングセンタによる歯車の加工方法においては、ワークのZ軸方向の全長にわたって歯車を加工する場合には、ピニオンカッターがZ軸方向にワークを突き抜けた後に歯形面から待避して切削開始位置に戻ることにより、歯形を不都合なく形成して歯車を加工することができる。
しかしながら、前記ワークのZ軸方向における一端部から途中部までの歯車を有する製品を加工する場合には、前記途中部における歯形の形成終端位置では前記ピニオンカッターを切削送りを停止して歯形の形成面から速やかに待避する必要があるが、歯形の形成終端位置でピニオンカッターを常に正確に停止させることは実際上困難であり、衝撃等の発生によりピニオンカッターやワークに損傷が生じるおそれがある。
このようなことから、前記ワークの途中部までの歯車を加工する場合には、通常、ワークの歯形の形成終端位置の切削送り方向における先方位置に、Z軸方向に所定幅を有し歯形の歯溝より深い環状の逃げ溝を形成し、該逃げ溝に切削送りを終了したピニオンカッターの切刃を突き抜けさせた後に歯形の形成面から待避させるようにしている。この場合には、ワークに前記逃げ溝の加工が必要であり加工工数が増すと共に、逃げ溝のためにワークの剛性が低下する問題が生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ワークにピニオンカッター用の逃げ溝の加工を不要としてワークの加工工数の増加を抑えることができると共に、ワークの剛性を低下させることがなく、ワークの一端部から途中部までの歯車を円滑に加工することができるマシニングセンタによる歯車の加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、数値制御装置によってマシニングセンタのX,Y制御軸を制御して、ピニオンカッターを装着した主軸の軸心を、テーブルに固定したワークに加工すべき加工歯車の軸心を中心とする円の周方向に沿って移動させると同時に、C制御軸を制御して前記主軸を前記周方向の移動量に応じた一定の割合で軸回りに回転させた後に、Z制御軸を制御して前記ピニオンカッターにZ軸方向への切削送りを与えることにより、前記ワークのZ軸方向の一端部から途中部まで歯形を形成して加工歯車を加工するマシニングセンタによる歯車の加工方法において、
前記ピニオンカッターが、その切刃が前記ワークの途中部における歯形の形成終端位置に達した後、X,Y制御軸の制御により、加工歯車の軸心とピニオンカッターの中心とを結ぶ直線の方向に向けて移動され、前記切刃が前記ワークから離れるまで切削送りを継続するようにしたことを特徴としている。
本発明に係るマシニングセンタによる歯車の加工方法によれば、ピニオンカッターの切刃を加工歯車の歯形の形成終端位置から切削送り方向に移動させながらワークから離すことにより、ワークの途中部における歯形の形成面から前記切刃を円滑に待避させることができるので、前記ワークにピニオンカッター用の逃げ溝の加工が不要となって、ワークの加工工数の増加を抑えることができると共に、ワークの剛性を低下させることがなく、ワークの一端部から途中部までの歯車を円滑に加工することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は本発明の実施に使用するマシニングセンタとこれを作動させる数値制御装置の一例を示す。図1において、1は汎用のマシニングセンタで、従来と同様に、ベッド2の一側上にコラム3が固定され、ベッド2の他側上にサドル4がY軸サーボモータ4aによりY軸方向に移動、位置決め可能に設けられている。前記サドル4の上には、テーブル5がX軸サーボモータ5aによりX軸方向に移動、位置決め可能に設けられている。前記テーブル5の中心には、割出テーブル6がその中心軸の周りに割出用サーボモータ6aにより回転割り出し可能に設けられている。割出テーブル6の上には歯車を加工すべきワークWが載置されている。
そして、前記コラム3の前面には、主軸ヘッド7がZ軸サーボモータ7aによりZ軸方向に移動、位置決め可能に設けられ、前記主軸ヘッド7には、主軸8がC軸サーボモータ8aにより軸回りに回転、位置決めを可能に設けられており、前記主軸8にはピニオンカッターTが取り付けられている。
前記マシニングセンタ1を作動させる数値制御装置9は、マイクロプロセッサ10を備え、このマイクロプロセッサ10にバス11を介してROM12,RAM13、不揮発性メモリ14,入力装置15、表示装置16が接続されている。前記マイクロプロセッサ10には、I/Oインタフェース17を介して前記X軸、Y軸、Z軸、C軸サーボモータ5a、4a、7a、8aと前記割出用サーボモータ6aの回転を制御するX軸位置制御回路18,Y軸位置制御回路19,Z軸位置制御回路20,C軸位置制御回路21と割出位置制御回路22が、それぞれ接続されている。
前記ROM12には、マシニングセンタ1やその他を動作させるシステムプログラムが格納されており、このシステムプログラムに従って前記マイクロプロセッサ10がマシニングセンタ1や数値制御装置9の全体の動作を制御する。また、前記RAM13は、マイクロプロセッサ10の作業領域として各種のデータの一時記憶等の処理に使用される。不揮発性メモリ14には、ピニオンカッターTによりワークWに歯車を加工するためのNC加工プログラムやその加工に必要な各種パラメータ等が記憶されている。
上記各種パラメータとしては、ワークWに内歯車を加工する場合には、基本項目として、ワークWに加工すべき歯車(加工歯車)HおよびピニオンカッターTの歯数とピッチ円径、加工歯車の1歯当たりの加工回数(切削回数)が設定され、さらに、その他の項目として、加工歯車Hの谷の径と山の径、モジュール、切削時のZ軸の送り速度、ピニオンカッターTの逃げ時(Z軸方向における加工開始位置への後退時)のZ軸の送り速度、歯切り加工開始位置P1の角度、加工深さ、アブソリュート座標等が設定される。
次に、ピニオンカッターTによってワークWに内歯車(加工歯車)Hを加工する方法について説明する。図2、図3は、高さLを有する円筒状のワークWを、マシニングセンタ1の割出テーブル6上に、その軸方向を制御軸のZ軸に平行にして載置すると共に、ピニオンカッターTの軸線をマシニングセンタ1の主軸8の軸線に一致させて該主軸8に装着し、ピニオンカッターTをZ軸方向に往復運動させて、ピニオンカッターTの外周の切刃Tcにより、ワークWの内周面に、その上端(一端部)k1から途中位置(途中部、歯車の形成終端位置)k2に至る長さL1の範囲にわたってワークWと同軸心の内歯車を加工する状態を示す。
なお、ワークWの内周部には、歯車の形成終端側部Aに破線で示すようなピニオンカッターTの切刃Tcの下端(先端)の突き抜けを許容する環状溝Jは設けられていない。
上記内歯車Hの加工においては、例えば、ワークWの中心(加工歯車の軸心)c1を通り該中心c1を原点とするX,Y座標軸のX軸から角度θだけ変位した直線S上の位置に中心c2を置いたピニオンカッターTを、その切刃Tcの外周部(刃先)が、ワークWの内周面から内側(中心c1寄り)に僅少距離eだけ離れるように、前記直線Sに沿って後退させておくと共に、切刃Tcの下端をワークWの上面よりZ軸方向の上方に間隔L2だけ離間した切削開始位置z1に待避させておく。このとき、ピニオンカッターTは、ワークWに近接する1つの切刃Tcの刃先の中心が前記直線S上に位置するようにして、軸回りに回転を位置決めされて固定されている。
この状態から、加工の開始指令が出されると、ピニオンカッターTの切刃Tcが前記直線Sに沿ってワークWの内周面に向けて移動され、ピニオンカッターTのピッチ円が内歯車Hのピッチ円に内接する位置までの切り込みfを与えられた後、ピニオンカッターTにZ軸方向に切削送り運動が与えられ、ワークWに切刃Tcによる切り込みfにもとづく歯形の形成面が加工される。前記ピニオンカッターTは、その切刃Tcの下端がワークWの途中位置k2まで下降すると、その下方の距離L3に設定されたカッター逃げ位置k3まで切削送りを継続しながら、切刃Tcを前記直線S上を中心c1方向に移動させてワークWから離すカッター逃げ動作を行い、しかる後、内歯車Hの歯の頂面(ワークWの内周面)より距離eだけ切刃Tcを後退させてからZ軸方向の上方に移動し、切刃Tcの下端前記切削開始位置z1に戻される
前記ピニオンカッターTによる歯形の形成時におけるカッター逃げ動作によれば、前記途中位置k2の下方における歯形の形成終端側部Aに、内歯車Hの歯底が下端側(Z軸方向の先方側)に行くに従って徐々に浅くなる斜面Q形成される。該斜面QはピニオンカッターTの切削送り速度に対する前記直線Sの方向への移動速度を適宜に選定することにより、図示のように直線状の傾斜面としたり、円弧状の凹面とすることができる。
なお、前記角度θだけ変位した直線Sを起点とするワークWの周方向における歯切りの加工開始角度位置(第1の加工位置)P1では、1回の切り込みfで歯の高さ分(歯丈分)の切削をすると切削抵抗が大きくなり過ぎるので、前記直線Sの方向における1回の切削当たりの切り込みfを小さくして複数回前記切削動作を繰り返して歯丈分の切り込み量に達するようにする。この場合は、ピニオンカッターTが歯形の形成終端側部Aにおいて各切り込みfによる切削動作毎に前記斜面Qに沿った切刃Tcの移動を繰り返す。
上記のようにして加工開始角度位置P1における歯面の加工が済むと、ピニオンカッターTは、Z軸方向の切削開始位置z1において、その中心c2が、内歯車Hのピッチ円半径とピニオンカッターTのピッチ円半径との差に相当する半径を有する中心c1を中心とする円Gに沿って、内歯車Hのピッチ角(360度を内歯車Hの歯数nで除した角度)αだけイ矢方向に移動した加工角度位置(第2の加工位置)P2(X,Y座標軸の座標(X1,Y1))に位置決めされる。このとき、ピニオンカッターTは、そのピッチ角(360度をピニオンカッターTの歯数mで除した角度)βとすると、βとαの角度差(以下「角度δ」という)だけ、前記加工開始角度位置P1での回転位置決め角度から、自身の軸回りにロ矢方向に回転(自転)して位置決めされる。
このようにして、ピニオンカッターTの中心c1の回りの公転と中心c2の回りの自転により、次の加工角度位置P2におけるピニオンカッターTの切刃Tcの切削位置が設定されると、ピニオンカッターTに内歯車Hの歯の高さ分の切り込みfとZ軸方向の切削送りが与えられて、内歯車Hの次の歯面の切削が行われる。そして、以下、同様にしてピニオンカッターTが、順次、中心c1の回りに公転して各加工角度位置(各加工位置)P1,P2,P3・・・に位置決めされる毎に、角度δだけ回転して位置決めされて内歯車Hの歯面の切削が繰り返され、ピニオンカッターTが中心c1の回りを1周公転したところで内歯車Hの加工が終了する。
なお、前記歯車の加工方法では、内歯車Hのピッチ角αだけ移動した加工角度位置(内歯車Hの歯1枚分の移動位置)P1,P2,P3・・・に位置決めされる毎に、1回のZ軸方向の切削送りで歯面を形成するように説明したが、実際には、内歯車Hの歯1枚分の移動毎に、1回の切削送りでは歯面を滑らかな歯形形状に加工することはできない。そこで、前記内歯車Hのピッチ角αを複数nに細分して、その細分したピッチ角Δαの加工角度位置p1,p2,p3・・・にピニオンカッターTを公転移動して位置決めする毎に、ピニオンカッターTをそのピッチ角βを複数nに細分したピッチ角Δβとすると、Δβ−Δαの角度差(以下「角度Δδ」という)だけ自転させて回転位置決めし、各歯面の切削を切削回数nだけ繰り返して行う。
すなわち、この場合には、ピニオンカッターTは、内歯車Hの歯数Nのn倍数に相当する加工角度位置(加工位置)に公転して位置決めされる毎に、(β−α)/nの角度だけ自転による回転位置決めが行われて、歯面の切削が繰り返されて内歯車Hの加工が行われることとなる。その結果、内歯歯車Hの各歯面が滑らかに仕上げられる。この場合においても、前記ピニオンカッターTによる歯形の各形成時におけるワークWからの逃げ動作によって、前記ワークWの途中位置k2の下方における歯形の形成終端側部A、加工歯車Hの歯底が下端側(Z軸方向の先方側)に行くに従って徐々に浅くなる斜面Q形成される。
次に、上記歯車の加工を、マシニングセンタ1を数値制御装置9によって制御して行う方法について説明する。上記前記数値制御装置9を動作させて、入力装置15によって前記各種のパラメータ、前記カッター逃げ位置k3やピニオンカッターTのワークWからの逃げ動作時における前記直線Sに沿った移動速度等を含むNC加工プログラムで指令すべき各種データを前記不揮発性メモリ14に登録した後に、マシニングセンタ1を作動させる。数値制御装置9では、マイクロプロセッサ10が前記不揮発性メモリ14に登録された各種パラメータやデータを読み出し、ピニオンカッターTの中心c1の回りを公転移動する軌跡となる円Gの径を演算する。また、切削回数nを考慮した内歯車Hの細分したピッチ角ΔαとピニオンカッターTの細分したピッチ角(自転角度)Δβとを、前記細分したピッチ角Δαと前記円Gの径とから細分化した各加工角度位置p1,p2,p3・・・に対応するピニオンカッターTの中心c2のX,Y軸座標系の座標(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)・・・を、歯切りの加工開始角度位置P1の角度θから1周して加工終了するまでのものについて演算する。
この演算結果と各種パラメータにもとづき、マイクロプロセッサ10は、NC加工プログラムに従ってI/Oインタフェース17を介して各軸位置制御回路18,19,20,21に各軸に対する移動位置を指令するので、各軸位置制御回路18,19,20,21は、X軸,Y軸,Z軸,C軸サーボモータ5a,4a,7a,8aを作動させる。
これにより、X軸,Y軸サーボモータ5a,4aが回転してテーブル5のX軸,Y軸方向の移動、位置決めの動作が行われ、割出テーブル6上のワークWの中心c1を通るX,Y座標系における主軸8の中心(ピニオンカッターTの中心c2)の位置決めがなされる。
前記直線Sの角度θにおける加工開始角度P1においては、先ず、ピニオンカッターTは、その切刃Tc刃先が中心c1寄りにワークWの内周面から僅少距離eだけ離れるように、中心c2が前記直線S上の加工待機位置c(X,Y)に位置決めされる。また、C軸サーボモータ8aが回転して主軸8が、その軸回りに回転、位置決め動作をされ、中心c2を通るx、y座標系におけるx軸から角度φだけ変位した角度位置にピニオンカッターTの切刃Tcが位置決めされる。
次に、X軸,Y軸サーボモータ5a,4aによりテーブル5とサドル4が同時に作動されて、主軸8がワークWとの間に相対移動することにより、主軸8の中心c2が、該中心c2とワークWの中心c1とを結ぶ直線S上に沿ってワークWの外周方向へ向けて移動して座標位置(X1,Y1)に位置決めされ、内歯車Hのピッチ円にピニオンカッターTのピッチ円が内接した状態となる。これにより、ピニオンカッターTの切刃Tcに、ワークWに対する内歯車Hの歯の高さ分に相当する切り込みfが与えられると、Z軸サーボモータ7aが作動されて、主軸8に対してそのZ軸方向の下方へ向けて切削送りが所要の切削速度で与えられるので、1つないし複数の切刃TcによりワークWの上端k1から途中位置k2までの内歯車Hの歯形が形成される。
前記ピニオンカッターTの切刃Tcの下面がワークWの途中位置k2まで下降して歯形が形成されたところで、ピニオンカッターTの切削送りが継続されながら、X,Y軸サーボモータ5a,4aが同時に作動されて、主軸8の軸心が前記直線S上を中心c1寄りへワークWから離れるように移動されるので、ピニオンカッターTの切刃Tcの先端が前記途中位置k2からカッター逃げ位置k3に至る歯形の形成終端側部AにおいてワークWの内周面から離れるまで斜面Qに沿って移動される。そして、前記切刃Tcは、カッター逃げ位置k3に達したところで、前記直線Sに沿ってワークWの内周面より距離eだけ離れた待避位置c3に後退し、しかる後、Z軸サーボモータ7aが逆転して主軸8がZ軸方向に上昇されると、ピニオンカッターTが元の切削開始位置z1に戻る。この後、再びX,Y軸サーボモータ5a,4aが同時に作動されることにより、次の加工角度位置p2にピニオンカッターTの中心c2が細分したピッチ角Δαだけ公転移動して位置決めされると共に、ピニオンカッターTがΔδだけ自転して回転位置決めされ、切り込みfが与えられた後、Z軸方向に切削送りが与えられて、前記と同様にしてワークWに対する内歯車Hの歯形の形成が行われる。
このようにして、X,Y軸サーボモータ4a,5aの作動により、Z軸方向の切削開始位置z1にある主軸8に対してワークWを相対移動して、主軸8の中心c2を中心c1の回りに内歯車Hの細分したピッチ角Δα毎に公転移動の位置決め動作が行われると共に、各公転移動毎に位置決めされた各加工角度位置p1,p2,p3・・・において、主軸8のピニオンカッターTのΔδに対応した自転による回転位置決め動作と、Z軸方向における切削送り動作と、ワークWの歯形の形成終端側部Aにおける前記斜面Qに沿った移動によるカッター逃げ動作とが行われて、前記内歯車Hの歯形の切削が繰り返され、主軸8が中心c1を1周したところで前記内歯車Hの歯形の切削加工が終了される。
前記マシニングセンタによる歯車の加工方法においては、ピニオンカッターTの切刃TcによってワークWの上端k1から途中位置(歯形の形成終端位置)k2までの長さL1にわたって歯車を切削加工する場合、前記途中部k2でピニオンカッターTの切削送りを停止することなく、切削送りを継続しながら切刃TcをワークWから徐々に離すように移動して歯形面から待避させるので、ピニオンカッターTをワークWから突き抜けて歯車を加工するときのように、切削送り方向にピニオンカッターTが惰走したり、切削送り方向における切刃Tcの先端の送り停止位置が不安定になることがない。
したがって、前記途中位置k2からピニオンカッターTの切削送り方向の先方における歯形の形成終端側部Aに、図3に破線で示すように、ピニオンカッターTの突き抜け用の逃げ溝Jが無くても、ワークW衝撃等を発生させることなく、安全にかつ円滑に歯形を形成することができる。また、前記のように歯形の形成終端側部AでピニオンカッターTの切刃TcをワークWから離して歯形の形成面から待避させるカッター逃げ動作は、X,Y、Z制御軸の指令値をNC加工プログラムに適宜に設定することによって容易に実行させることができる。
以上説明したように、前記実施の形態に係るマシニングセンタによる歯車の加工方法は、数値制御装置9によってマシニングセンタ1のX,Y制御軸を制御して、ピニオンカッターTを装着した主軸8の軸心を、テーブル5に固定したワークWに加工すべき加工歯車Hの軸心を中心とする円の周方向に沿って移動させると同時に、C制御軸を制御して前記主軸8を前記周方向の移動量(主軸8の公転量)に応じた一定の割合で軸回りに回転(自転)させた後に、Z制御軸を制御して前記ピニオンカッターTにZ軸方向への切削送りを与えることにより、前記ワークWに加工歯車Hの歯形を形成する場合に、前記ピニオンカッターTが、その切刃Tcが前記加工歯車HのZ軸方向における途中位置(歯形の形成終端位置)k2に達した後、X,Y制御軸の制御により、加工歯車Hの軸心(ワークWの中心c1)とピニオンカッターTの中心c2とを結ぶ直線Sの方向に向けて移動され、前記切刃Tcが前記ワークWから離れるまで切削送りを継続する構成とされている。
したがって、実施の形態に係るマシニングセンタによる歯車の加工方法によれば、ピニオンカッターTの切刃Tcを歯車の歯形の形成終端位置k2から切削送り方向に移動させながらワークWから離すことにより、前記切刃Tcを加工歯車Hの歯形面から円滑に待避させることができるので、Z軸方向にワークWを突き抜けて歯形を形成することができない場合であっても、前記ワークWにピニオンカッターT用の環状の逃げ溝Jの加工が不要となって、ワークWの加工工数の増加を抑えることができると共に、ワークWの剛性を低下させることがなく、ワークWの上端k1から途中位置k2までの歯車を円滑に加工することができる。
なお、前記実施の形態においては、主軸8に取り付けられたピニオンカッターTがC軸サーボモータ8aにより軸回りに回転、位置決めされて歯車を加工する場合に適用した例を示したが、C軸サーボモータを制止させた状態のまま、ワークWが載置されている割出テーブル6をワークWの軸心回りに回転、位置決めさせて歯車を加工する場合にも適用することもできる。さらに、X,Y制御軸の制御による前記主軸8のワークWに対する相対的な円弧補間運動と主軸8の回転数とを一定の公比で同期させながら、同時に主軸8をZ軸方向に往復運動させることにより、ピニオンカッターTで歯車を加工する場合にも適用することができる。
また、前記実施の形態においては、ワークWの内周に歯車を加工する場合に適用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、図4に示すように、ワークWの外周に歯車H1をカッター逃げ動作によって歯形の形成終端側部Aに斜面Qを形成して加工する場合や、ワークの直線状の部分にラックを形成する場合、スプライン溝やスプライン軸部を加工する場合にも適用することができることは勿論である。
本発明の実施の形態に係るマシニングセンタによる歯車の加工方法を実施するマシニングセンタとその数値制御装置の構成を示す系統図である。 本発明の一実施の形態に係るマシニングセンタによる歯車の加工方法を示す平面図である。 同じく縦断面図である。 本発明の一実施の形態に係るマシニングセンタによる歯車の加工方法によってワークに外歯車を加工する場合を示す縦断面図である。
符号の説明
1 マシニングセンタ 4 サドル 4a Y軸サーボモータ 5 テーブル 5a X軸サーボモータ 7 主軸ヘッド 7a Z軸サーボモータ 8 主軸 8a C軸サーボモータ 9 数値制御装置 18 X軸位置制御回路 19 Y軸位置制御回路 20 Z軸位置制御回路 21 C軸位置制御回路 A 歯形の形成終端側部 H,H1 加工歯車 Q 斜面 T ピニオンカッター Tc 切刃 W ワーク k2 途中位置(途中部、歯形の形成終端位置) k3 カッター逃げ位置

Claims (1)

  1. 数値制御装置によってマシニングセンタのX,Y制御軸を制御して、ピニオンカッターを装着した主軸の軸心を、テーブルに固定したワークに加工すべき加工歯車の軸心を中心とする円の周方向に沿って移動させると同時に、C制御軸を制御して前記主軸を前記周方向の移動量に応じた一定の割合で軸回りに回転させた後に、Z制御軸を制御して前記ピニオンカッターにZ軸方向への切削送りを与えることにより、前記ワークのZ軸方向の一端部から途中部まで歯形を形成して加工歯車を加工するマシニングセンタによる歯車の加工方法において、
    前記ピニオンカッターは、その切刃が前記ワークの途中部における歯形の形成終端位置に達した後、X,Y制御軸の制御により、加工歯車の軸心とピニオンカッターの中心とを結ぶ直線の方向に向けて移動され、前記切刃が前記ワークから離れるまで切削送りを継続することを特徴とするマシニングセンタによる歯車の加工方法。
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