JPH06254720A - ネジの加工方法 - Google Patents

ネジの加工方法

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JPH06254720A
JPH06254720A JP34266592A JP34266592A JPH06254720A JP H06254720 A JPH06254720 A JP H06254720A JP 34266592 A JP34266592 A JP 34266592A JP 34266592 A JP34266592 A JP 34266592A JP H06254720 A JPH06254720 A JP H06254720A
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JP
Japan
Prior art keywords
screw
cutting
tip
chip
work
Prior art date
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Pending
Application number
JP34266592A
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English (en)
Inventor
Kazuo Tsuruta
一夫 鶴田
Kenji Takahashi
健司 高橋
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SUGAWARA IND
SUGAWARA KOGYO KK
Original Assignee
SUGAWARA IND
SUGAWARA KOGYO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バイトの切削チップの形状を適性化すること
によって、NC制御によるネジの自動切削を可能とし、
加工精度及び生産性の向上を図ること。 【構成】 ワークをその軸線周りに回転させながら周面
にバイトを突き当てて螺旋状にネジを刻む加工方法であ
って、バイトのチップの先端外径を、創成するネジの山
と谷との間の角部の内径より小さいものとし、荒削りか
ら仕上げ削りまでの過程におけるチップの移動を、創成
するネジの形状に対応して予めプログラムした数値制御
によって実行させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば大型の特殊ネ
ジの加工に係り、特にバイトを交換することなく荒削り
から仕上げまでを高い精度で連続作業できるようにした
ネジの加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、圧延機のロールを圧延鋼板の
パスラインに向けて圧下するために設ける圧下スクリュ
ーやその他の装置に使用されているスクリューは、大型
の台形ネジであり、その加工は通常の機械部品の製造に
用いる汎用旋盤によって行われる。
【0003】図10及び図11は、圧下スクリュー等の
大型特殊ネジの従来の加工例であって、それぞれ荒削り
及び仕上加工を示すものである。
【0004】図10に示すように、旋盤のチャックに保
持されてその軸線周りに回転するワークWに対し、カッ
タヘッド50に設けた荒削りバイト51がワークWの周
面に切り込むように設定し(同図の(a))、図中の矢
印方向にカッタヘッド50に送りを与え、ワークWの周
面に1条の溝を螺旋状に刻んでいく。
【0005】次いで、同図の(b)に示すように、第1
の工程で刻んだ溝の幅を広げる位置に荒削りバイト51
を設定して同様の加工を繰り返し、ネジの山の間の隙間
に相当する分を切削していく。そして、同図の(c)の
ように、荒削りバイト51にワークWの中心方向へ送り
を与える動作と軸線方向への送りによって切削し、最終
的なネジの形状に近いプロフィルとなるまで切削する。
【0006】この荒削りの後、図11の(a)に示すよ
うに、山の一方の形状に一致する姿バイト52をカッタ
ヘッド50に装着し、突っ切りとワークWの軸線方向へ
の送りによって山を仕上切削する。そして、同図の
(b)のように、他方の山に合う別の姿バイト53に交
換して同様に山を仕上切削し、更に同図(c)のように
山の先の面取りのためのRバイト54に交換してネジ先
の面取りを行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、大型の特
殊ネジの旋盤による切削加工では、ネジの仕上げ削りま
でに、少なくとも3種類のバイトを順次交換していく作
業となる。このため、荒削りから仕上げまでを全自動化
することはできず、オペレータによる作業が必要であっ
た。
【0008】また、切削の過程では、ダイヤルゲージ5
5によってカッタヘッド50の位置を測定し、谷の径や
山の形状計測をしながら作業することが多い。このた
め、山のプロフィルの形状精度は十分ではなく、予め用
意したナットを利用した現物合わせによって加工の良否
を判断することが行われる。したがって、精度の高い製
品を得るには、加工をやり直すことになり、生産性の向
上に大きな影響を与えている。
【0009】このように、大型の特殊ネジの加工は、複
数のバイトによる作業に頼る以外になく、マシニングセ
ンターやNC制御の適用が想起されるというものではな
かった。
【0010】その理由の一つは、小型の通常のネジであ
れば専用の加工機による製造が可能であるのに対し、大
型ネジではこのような専用加工機を備えることは費用の
面での負担が大きいことである。そして、NC制御を適
用しようとしても、従来の一般的なバイトでは山や谷の
切削や仕上げには、共通の一つのもので自動切削できな
いということにも起因している。
【0011】そこで、本発明は、バイトの切削チップの
形状を適性化することによって、NC制御によるネジの
自動切削を可能とし、加工精度及び生産性の向上を図る
ことをその解決課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、ワークをその
軸線周りに回転させ、前記ワークの周面にバイトを突き
当てて螺旋状にネジを刻む加工方法であって、前記バイ
トのチップの先端外径を、創成するネジの山と谷との間
の角部の内径より小さいものとし、荒削りから仕上げ削
りまでの過程における前記チップの移動を、創成するネ
ジの形状に対応して予めプログラムした数値制御によっ
て実行させることを特徴とする。
【0013】
【作用】切削用のバイトのチップの先端の外径を、ネジ
の山と谷との間の角部の内径(ネジ底半径)よりも小さ
くしておけば、創成しようとする山と山との間の谷の中
でチップを自由に動かせると同時に角部の曲面切削も可
能である。
【0014】そして、創成するネジの形状に対応してチ
ップが動きながら切削できるように、数値制御によって
バイトの動きを制御すれば、切削開始から最終の仕上げ
切削までをバイトを交換することなく連続して行うこと
ができ、バイトによるネジの自動切削加工が可能とな
る。
【0015】
【実施例】図1は本発明の加工方法を説明するためのバ
イトのチップとネジの形状を示す図、図2はバイトの平
面図である。
【0016】バイト1は、通常のスローアウェイ式と同
様に、ホルダ1aの先端にチップ1bを着脱自在とした
ものである。このチップ1bの先端の外径rは、切削し
ようとするネジのネジ底と山との間の角部の内径Rより
も小さいものとして形成する。そして、ワークWの軸心
を含む平面内でX軸及びY軸方向にチップ1bを連続的
にシフトさせることによって、図1に示すネジのプロフ
ィルに切削する。
【0017】チップ1bのこのようなX軸及びY軸方向
のシフトは、NC制御によって行うもので、その装置の
概要を図3に示す。なお、同図において、(a)は切削
の初期,(b)は中間期及び同図の(c)は仕上げ期に
相当する。
【0018】ワークWは通常の旋盤加工と同様に、旋盤
のチャック(図示せず)に保持されてその軸線周りに一
定の周速で回転する。そして、旋盤のベースに設けられ
て、ワークWの軸線方向に平行移動(図1においてX軸
方向)及びワークWの軸心方向に向けての移動(図1に
おいてY軸方向)が可能なカッタヘッド2にホルダ1b
を装着する。このカッタヘッド2は、手動でワークWの
軸線と平行方向及び直交する方向に移動可能とすると共
に、内部に電動機又は油圧式等の駆動機構を設け、ベー
ス上を自由に移動可能な構成とする。
【0019】カッタヘッド2には、その駆動機構を制御
するためのコントローラ3を接続する。このコントロー
ラ3は、NC制御回路をその演算回路として備え、加工
するネジの山及び谷の形状,ピッチ等の仕様の入力によ
ってネジ荒削り,中削り及び仕上げ削りの3工程につい
てのプログラムによってカッタヘッド2のシフトを制御
する。
【0020】図4及び図5はコントローラ3のNC制御
を利用したワークWへの荒削り工程及び仕上げ工程の概
要である。
【0021】図4の(a)は切削の開始直後であり、バ
イト1を図1においてY軸方向にシフトさせる突っ切り
動作を行わせ、ワークWの周面に1条の溝をネジのピッ
チに合わせて切削していく。このとき、カッタヘッド3
にはワークWの軸線方向への移動を行わせることは無論
である。
【0022】次いで、1条の溝をワークWの全長に切削
した後には、カッタヘッド3を初期位置に戻して最初に
切削した溝に沿って第2の溝を同図の(b)のようにし
て切削していく。
【0023】以下、このような要領で順に溝を切削して
いき、カッタヘッド3のX軸及びY軸方向への移動の合
成により、同図の(c)のようにワークWにネジの谷に
相当するプロフィルに荒削りする。
【0024】次に、ネジの山及び谷の表面形状を整える
ための仕上げ削りは、荒削りの場合よりもチップ1bの
移動量を細やかにして数回の切削を繰り返す。すなわ
ち、図5に示すように、荒削り後の山及び谷の表面に沿
うようにチップ1bの位置を変えながら切削していき、
数回の切削によって最終仕上げを行う。
【0025】以上のように、バイト1によるネジの切削
では、コントローラ3によるNC制御によって、チップ
1bの位置を連続的に変えながらの作業が可能である。
そして、荒削りから仕上げまで、バイトを交換すること
なく連続作業できることは、前述のようにチップ1bの
外径rがネジ底の角部の内径Rよりも小さくしたことに
よって始めて可能となるものである。
【0026】このことを図6から図10に示すチップ1
bの軌跡及び切削されたネジの形状によって説明する。
【0027】これらの図において、円弧状に現れている
ものは、チップ1bの先端であって、その外径はrであ
る。そして、コンピュータシミュレーションによって、
一定時間毎のプロットの表示によりチップ1bの移動軌
跡が現されている。
【0028】図6は図4で示した荒削りの初期から山の
創成までを示すものである。
【0029】チップ1bはワークWの表面に突き当てら
れ、Y軸方向の送りを与えられる。そして、ワークWの
一端から他端までをこのワークWの回転に合わせてチッ
プ1bが走査するように相対的に移動して1回めの切削
を行う。その後、チップ1bを一旦原点位置側に移動さ
せ最初の切削ポイントからX軸方向に所定量移動させた
位置に設定し、最初のY軸方向の送り量と同じにして、
ワークWの周りを螺旋状に切削する。
【0030】このような要領で、ワークWに螺旋状に浅
い溝を刻んでいき、その後はY軸方向への送り量を次第
に大きくしていくことによって、谷を刻んで山を創成し
ていく。
【0031】このようなチップ1bの動きは、先にも述
べたようにコントローラ3によってその移動を制御され
るカッタヘッド2の動作に基づく。そして、動き方は創
成しようとするネジの設計値に基づいてプログラムを組
み、これによる数値制御によって実行する。
【0032】図7は荒削りの後の表面粗削りの場合を示
す図である。
【0033】この加工では、の矢印方向にチップ1b
がまず移動する動きとし、その後の矢印方向に向きを
変える制御とする。そして、の矢印方向の加工が終了
すると、チップ1bをワークWの表面側にシフトし、そ
の後の矢印方向への加工を行う。
【0034】図8及び図9はそれぞれ中削り及び仕上げ
削りの場合であり、チップ1bの動きの順は図7の場合
と同様である。
【0035】中削りでは図7の荒削りの場合よりもチッ
プ1bの移動軌跡の密度は高く、仕上げ削りと中削りと
の間でも同様な関係にある。そして、表面の仕上げ精度
(図1参照)に応じて、チップ1bの移動軌跡の密度を
高くし、表面粗度を設計値に合わせる。
【0036】このように、チップ1bの位置変更をNC
制御のコントローラ3によって行うことで、一つのバイ
ト1を使って荒削りから表面仕上げまでを連続して行う
ことができる。このため、バイトの交換が不要となるほ
か、ネジの形状に応じた姿バイトを各種用意する必要が
ない。また、バックラッシの形状もプログラムの変更に
よって任意に変えることができる。
【0037】更に、チップ1bを予めプログラムされた
NC制御によって動作させるので、雄ネジまたは雌ネジ
をそれぞれ別々に加工するものであっても、全く同じ形
状のネジ加工ができるので現物どうしの合わせ加工が不
要となり、ネジの加工精度は従来の姿バイトによる場合
に比べると格段に向上する。このため、現物合わせの作
業や切削工程のやり直し等が解消され、生産効率が大幅
に改善される。
【0038】
【発明の効果】本発明では、バイトを交換することなく
大型の特殊ネジを高い精度で加工することができ、従来
の姿バイト等を複数使って加工する場合に比べると、自
動化が促進されると共に生産性及び精度の向上が図られ
る。また、特殊なネジであっても、その専用のバイトを
準備することなく、プログラムの部分的な変更のみで加
工の準備ができ、特殊仕様の様々なネジの加工に速やか
に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加工方法を示すためのネジの形状及び
チップを示す図である。
【図2】バイトの平面図である。
【図3】ワークに対するバイトの移動を示す全体の系を
示す図であって、同図の(a)は切削の開始時、同図の
(b)は荒仕上げ時及び同図の(c)は仕上げ切削時を
示す。
【図4】ワークに対するチップの移動を示す図であっ
て、同図の(a)は切削初期、同図の(b)は2条目の
溝の切削開始初期、同図(c)は荒削り中間期を示す。
【図5】仕上げ加工時のワークに対するチップの移動を
示す図であって、同図の(a)は仕上げ初期、同図の
(b)は中間期、同図の(c)は終盤期を示す。
【図6】荒削りの際のチップの移動軌跡を示す図であ
る。
【図7】表面荒削りの際のチップの移動軌跡を示す図で
ある。
【図8】表面中削りの際のチップの移動軌跡を示す図で
ある。
【図9】表面仕上げ削りの際のチップの移動軌跡を示す
図である。
【図10】従来の加工方法の例であって、同図の(a)
は荒削り初期、同図の(b)は中間期及び同図の(b)
は終盤期をそれぞれ示す。
【図11】従来法での仕上げ加工を示す例であって、同
図の(a)と(b)はそれぞれ異なる姿バイトによる仕
上げ、同図の(c)はRバイトによる面取り加工を示す
図である。
【符号の説明】
1 バイト 1a ホルダ 1b チップ 2 カッタヘッド 3 コントローラ W ワーク

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークをその軸線周りに回転させ、前記
    ワークの周面にバイトを突き当てて螺旋状にネジを刻む
    加工方法であって、前記バイトのチップの先端外径を、
    創成するネジの山と谷との間の角部の内径より小さいも
    のとし、荒削りから仕上げ削りまでの過程における前記
    チップの移動を、創成するネジの形状に対応して予めプ
    ログラムした数値制御によって実行させることを特徴と
    するネジの加工方法。
JP34266592A 1992-12-22 1992-12-22 ネジの加工方法 Pending JPH06254720A (ja)

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