JPH0613817Y2 - 溝加工装置 - Google Patents

溝加工装置

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JPH0613817Y2
JPH0613817Y2 JP1987000344U JP34487U JPH0613817Y2 JP H0613817 Y2 JPH0613817 Y2 JP H0613817Y2 JP 1987000344 U JP1987000344 U JP 1987000344U JP 34487 U JP34487 U JP 34487U JP H0613817 Y2 JPH0613817 Y2 JP H0613817Y2
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shaft
rotation
angle
tool
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康雄 深津
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オ−エスジ−株式会社
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は軸状部材の外周面に溝を加工する溝加工装置に
係り、特に溝の横断面形状を連続的または部分的に変化
させつつ溝加工を行い得る装置に関するものである。
従来技術 エンドミル,タップ,ドリルなどのように、外周面に直
線状,つる巻き線状の溝を有する回転工具が知られてい
る。そして、このような回転工具の工具素材等から成る
軸状部材の外周面に溝を加工する装置として、(a)その
軸状部材を保持して軸心まわりに回転させるとともに、
その回転速度を連続的に変更可能な回転保持装置と、
(b)円板形状の回転工具の外周部を前記軸状部材の外周
面に対して略直角に係合させて溝を研削または切削加工
するとともに、前記回転保持装置に対して前記軸状部材
の軸心に直角であって且つ前記回転工具の回転中心を通
る一回転軸まわりの相対回動可能に設けられた加工機
と、(c)前記回転保持装置と前記加工機とを前記軸状部
材の軸心と平行な方向へ相対移動させるとともに、その
移動速度を連続的に変更可能な軸心方向移動装置と、
(d)前記回転保持装置と前記加工機とを前記一回動軸の
軸線方向に相対移動させて、前記軸状部材の外周面に対
して前記回転工具を係合させるとともに、その係合深さ
を連続的に変更可能な接近離間装置とを有し、形成すべ
き溝のリード角に応じて前記回転速度および前記移動速
度を設定するとともに、溝深さに応じて前記係合深さを
設定することにより、所望する溝形状の溝加工を行うも
のがある。
かかる従来の溝加工装置において、前記一回動軸まわり
における回転保持装置と加工機との相対回動角度、すな
わち軸状部材の軸心と回転工具の回転平面との交差角度
は、前記回転速度,移動速度,係合深さと共に予め一定
の大きさに設定されている。この交差角度は、回転工具
の外周部先端形状によっても異なるが、一般に形成すべ
き溝のねじれ角と略同じ大きさに設定されるのが普通で
あり、一定のねじれ角,溝深さの溝を加工する場合には
一定の横断面形状の溝が得られる。このため、ドリル付
きタップのようにねじれ角や横断面形状が異なる2種類
の溝を加工する場合には、例えば特開昭60−5686
0号公報に記載されているように、上記回転保持装置と
加工機との相対回動角度すなわち交差角度を2位置で位
置決めするとともに、外周部先端形状が異なる2種類の
回転工具を用いて、2工程で溝加工を行うようにしてい
るのが普通である。しかし、交差角度や回転工具を変更
することなく、形成すべき溝のねじれ角(厳密にはリー
ド)に応じて前記回転速度および移動速度を変更するだ
けでも、ねじれ角や横断面形状が異なる溝を加工するこ
とが可能で、その場合は複数種類の溝を1工程で連続し
て加工できる。
考案が解決しようとする問題点 しかしながら、2種類の溝を2工程で加工する場合に
は、交差角度や回転工具の変更に時間が掛かり、加工コ
ストが高くなるとともに、溝の接続部に段差が生じて切
屑排出性能や切削油流通性能が損なわれることがある。
また、交差角度および回転工具を変更することなく複数
種類の溝を1工程で加工する場合は、ねじれ角などによ
って溝の横断面形状が一義的に定まるため、ドリル部や
タップ部等の各工具部においてそれぞれ最適な溝形状と
することができず、工具としての性能が損なわれる。
一方、エンドミルとして、切刃が直線部と波形部とから
成るものが考えられているが、ねじれ角が同じであれば
回転工具を交換しない限り溝の横断面形状を変更できな
い従来の溝加工装置においては、そのような複雑な形状
の切刃に沿って溝加工を行うことは困難で、通常の溝加
工を行ったのちフライス加工等により所望する形状に切
刃を仕上げ加工しなければならなかった。
本考案は以上の事情を背景として為されたもので、その
目的とするところは、単一の回転工具を用いた一連の溝
加工の過程で、ねじれ角や溝深さとは独立に溝の横断面
形状を変更できるようにすることにある。
問題点を解決するための手段 かかる目的を達成するために、本考案は、前記(a)回転
保持装置と、(b)加工機と、(c)軸心方向移動装置と、
(d)接近離間装置とを有する溝加工装置において、(e)前
記回転保持装置と前記加工機とを前記一回動軸まわりに
相対回動させることにより、前記軸状部材の軸心と前記
回転工具の回転平面との交差角度を連続的に変更可能な
回動装置と、(f)前記回転保持装置,前記軸心方向移動
装置,前記接近離間装置,および前記回動装置をそれぞ
れ制御し、所定の回転速度,移動速度,係合深さ,およ
び交差角度で溝加工を行わせるとともに、一連の溝加工
の過程で形成すべき溝の形状変化に対応させて少なくと
も前記交差角度を変更させる制御装置とを設けたことを
特徴とする。
作用および考案の効果 このような溝加工装置においては、軸状部材の軸心と回
転工具の回転平面とを所定の交差角度で交差させる回動
装置が設けられ、その回動装置,前記回転保持装置,軸
心方向移動装置,および接近離間装置が制御装置によっ
てそれぞれ制御されることにより、所定の回転速度,移
動速度,係合深さ,および交差角度で溝加工が行われ
る。その場合に、回転速度および移動速度は形成すべき
溝のリードに応じて設定され、係合深さは溝深さに応じ
て設定され、交差角度は回転工具の外周部先端形状およ
び溝の横断面形状に応じて設定され、リードおよび軸状
部材の径寸法によって定まるねじれ角や、溝深さ、横断
面形状が異なる種々の溝を加工することができる。
ここで、上記制御装置は、一連の溝加工の過程で形成す
べき溝の形状変化に対応させて少なくとも交差角度を変
更させるようになっているため、単一の回転工具を用い
た一連の溝加工の過程で、ねじれ角や溝深さとは独立に
溝の横断面形状を変更することが可能で、ねじれ角,溝
深さおよび横断面形状を含めた全体としての溝形状の変
更の自由度が向上する。すなわち、上記交差角度のみを
変更した場合には、ねじれ角および溝深さを一定とした
まま溝の横断面形状のみを連続的または部分的に変更で
きるし、回転速度および移動速度の変化、言い換えれば
ねじれ角の変化に対応させて交差角度を変更すれば、溝
の横断面形状を一定としたままねじれ角だけを変更する
こともできる。勿論、回転速度,移動速度,係合深さ,
および交差角度をそれぞれ変更することにより、ねじれ
角,溝深さ,および横断面形状を共に変化させることも
可能である。
このため、例えばドリル付きタップなど、一連の溝のリ
ード,ねじれ角,溝深さ,および横断面形状が何れも異
なる複数種類の工具部を同一軸線上に一体的に有する複
合回転工具の溝加工を行う場合には、その工具部の境目
で前記回転速度,移動速度,係合深さ,および交差角度
をそれぞれ連続的に変更することにより、各工具部にお
いてそれぞれ最適な形状の溝を1工程で連続して加工で
き、何れの工具部においても優れた加工性能が得られる
とともに、工具部の境目では溝形状が連続的に変化させ
られるため、良好な切屑排出性能,切削油流通性能が得
られる。また、切刃が直線部と波形部とから成るエンド
ミルの溝加工を行う場合には、交差角度を変更して溝の
幅寸法を変化させることにより、複雑な形状の切刃に沿
った溝を容易に形成することができる。
実施例 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図および第2図において、基台10上には支持ブロ
ック12が固設されて回転保持装置14が第1図におけ
る左右方向の移動可能に配設されている。回転保持装置
14は、上記支持ブロック12上に摺動可能に設けられ
たテーブル16を備えており、このテーブル16上には
相対向する姿勢で主軸台18および心押台20が設けら
れている。主軸台18には先端にチャック22を有する
主軸24が軸心まわりの回転可能に取り付けられてお
り、チャック22は心押台20のセンタ26との間でワ
ーク28を相対回転不能に保持し、主軸24がサーボモ
ータ30により一対の傘歯車32,34を介して回転駆
動されることにより、ワーク28をその軸心まわりに所
定の回転速度で回転させる。ワーク28は、溝を形成す
べき軸状部材を成すもので、その軸心が回転保持装置1
4の前記移動可能な方向と平行となる姿勢で保持され
る。そして、かかる回転保持装置14は、テーブル16
に螺合された送りねじ36がサーボモータ38によって
回転駆動されることにより、支持ブロック12に案内さ
れつつ所定の移動速度で上記左右方向、すなわちワーク
28の軸心方向へ移動させられる。これ等支持ブロック
12,送りねじ36およびサーボモータ38により、軸
心方向移動装置40が構成されている。
基台10上にはまた、スイベルテーブル42が配設され
ており、そのスイベルテーブル42にはガイドブロック
44を介して加工機46が設けられている。加工機46
は、ガイドブロック44に移動可能に取り付けられた砥
石台48と、その砥石台48に支持されてモータ50に
より回転駆動される研削砥石52とを備えている。研削
砥石52は回転工具を成すもので円板形状を成してお
り、その外周部は前記ワーク28の外周面に対して略直
角に係合させられ、その外周面に切削加工を行って溝を
形成する。
上記スイベルテーブル42は、ワーク28の軸心に直角
であって且つ研削砥石52の回転中心、厳密には外周部
の研削加工に供される部分の回転中心を通る一直線上に
設けられた一回転軸54まわりの回動可能に取り付けら
れている。また、スイベルテーブル42には、その一回
動軸54を中心とする円弧上に多数の噛合い歯56が設
けられており、ピニオン58と噛み合わされている。ピ
ニオン58は、前記基台10上にブラケット60を介し
て配設されたサーボモータ62の出力軸に取り付けられ
ており、このサーボモータ62によってピニオン58が
回転駆動されることにより、スイベルテーブル42、更
には加工機46は一回動軸54まわりに回動させられ、
前記ワーク28の軸心と研削砥石52の回転平面とが所
定の交差角度θで交差させられる。これ等ピニオン58
およびサーボモータ62によって回動装置64が構成さ
れている。
一方、前記ガイドブロック44は加工機46を一回動軸
54の軸線方向、すなわち前記一直線方向と平行な方向
の移動可能に支持しており、サーボモータ66によって
送りねじ68が回転駆動されることにより、加工機46
は上記一直線方向、換言すれば研削砥石52がワーク2
8に対して接近離間する方向へ移動させられ、研削砥石
52は所定の係合深さでワーク28に係合させられる。
これ等ガイドブロック44,サーボモータ66および送
りねじ68により、接近離間装置70が構成されてい
る。
そして、上記サーボモータ30,38,62,および6
6は、制御装置72からそれぞれ供給される駆動信号S
M1,SM2,SM3,SM4に従って数値制御される
ようになっている。制御装置72には、予め設定器74
により形成すべき溝の形状、すなわちねじれ角や横断面
形状等に応じたプログラムが記憶されており、前記駆動
信号SM1〜SM4はこのプログラムに従って出力され
る。これにより、サーボモータ30によるワーク28の
軸心まわりの回転速度、サーボモータ38によるワーク
28の軸心方向の移動速度,サーボモータ62によるワ
ーク28の軸心と研削砥石52との成す交差角度θ,お
よびサーボモータ66による研削砥石52のワーク28
に対する係合深さがそれぞれ変更される。
ここで、上記回転速度および移動速度は、形成すべき溝
のリード角によって定められ、係合深さは、溝深さすな
わち溝底径によって定められる。また、交差角度θは、
溝のねじれ方向に対して直角な横断面形状によって定め
られる。この交差角度θについて更に具体的に説明する
と、例えば、交差角度θを溝のねじれ角と同じ角度とす
れば、形成される溝の横断面形状は研削砥石52の断面
形状と略同じ形状となるが、ねじれ角と異なる角度に設
定すると、溝開口部の幅寸法は大きくなるとともに、横
断面形状は研削砥石52の断面形状に応じて丸みを帯び
たり逆に曲率が小さくなったりするのである。
したがって、このような本実施例の溝加工装置によれ
ば、1回の溝加工中に上記交差角度θを変化させること
によりねじれ角や溝深さを一定としたまま横断面形状の
みを連続的または部分的に変更したり、逆に前記回転速
度,移動速度,および交差角度θを互いに関連付けて変
化させることにより横断面形状を一定としたままねじれ
角のみを変更したりすることが可能となり、ねじれ角お
よび横断面形状を含めた全体としての溝形状の設定の自
由度が向上する。しかも、本実施例では回転工具として
研削砥石52が用いられているため、面粗さの優れた溝
内壁面を得られる利点がある。
なお、前記第2図は、前記交差角度θが0となる回動位
置にスイベルテーブル42を保持した状態である。
次に、かかる本実施例の溝加工装置を用いて、第3図,
第4図に示されているドリル付きタップ78,仕上げ用
エンドミル80の溝加工を行う場合の一具体例を説明す
る。なお、以下の説明では、サーボモータ30によるワ
ーク28の軸心まわりの回転速度を回転速度r、サーボ
モータ38によるワーク28の軸心方向の移動速度を移
動速度v,サーボモータ66による研削砥石52のワー
ク28に対する係合深さを係合深さlで表す。
先ず、上記ドリル付きタップ78は、ドリル部82と連
接部84とタップ部86とを同一軸線上に一体に有する
複合回転工具であり、2本のつる巻き線状の溝88が設
けられることにより、ドリル部82およびタップ部86
にそれぞれ切刃90,92が形成されている。溝88
は、第1表に示されているドリル部82,タップ部86
の諸元から明らかなように、ドリル部82,タップ部8
6においてそれぞれ異なった形状、すなわちドリル加
工,タップ加工に最適な形状とされている。なお、この
ドリル付きタップ78のタップ部86の呼びはM10で
ピッチは1.5mmであり、ドリル部82の外径は8.5mmであ
る。また、第1表の刃厚は、溝のねじれ方向に直角な方
向の刃の厚さである。
そして、かかるドリル付きタップ78を製造するために
前記溝88を加工する際には、先ず、ドリル部82に対
応する小径部とタップ部86に対応する大径部と連結部
84に対応する小径の連結部とを備えた段付き円柱形状
の工具素材を用意するとともに、外周部の断面形状が第
5図に示されているように非対称の研削砥石94を前記
加工機46に取り付ける。この研削砥石94の断面形状
は形成すべき溝の横断面形状を考慮して設定されてお
り、曲率半径が小さい側がドリル付きタップ78の切刃
90,92を形成する側となるように取り付けられる。
なお、上記工具素材のタップ部86に対応する大径部に
は予め雄ねじを設けておいても、溝88を加工した後に
雄ねじを設けるようにしても差支えない。
その後、前記交差角度θを34°として研削砥石94を
回転駆動するとともに、溝底径が1.2mmとなる係合深さ
lで研削砥石94を上記工具素材に係合させ、リードが
2.2インチとなるように回転速度rおよび移動速度vを
同期させて制御する。これにより、ドリル部82に対応
する部分に上記第1表のドリル部の項に示されている形
状の溝加工が行われる。
次に、連接部84に対応する部分においては、上記交差
角度θ,係合深さl,回転速度r,および移動速度vを
タップ部86の溝形状に適合するように変更する。すな
わち、交差角度θについては、上記34°から39°3
0′まで等速度で変化させ、係合深さlについては溝底
径が上記1.2mmから2.7mmとなるように加工機46を0.75
mmだけ等速度で離間させ、回転速度rおよび移動速度v
についてはリードが1.6インチとなるように等変化率で
変化させるのである。そして、タップ部86に対応する
部分においては、交差角度θは39°30′,係合深さ
lは溝底径2.7mmに対応する大きさ,回転速度rおよび
移動速度vはリードが1.6インチとなる速度で溝加工が
行われ、上記第1表のタップ部の項に示されている形状
の溝が形成される。
ここで、上記交差角度θは、ドリル部82においてはそ
のねじれ角25°よりも9°大きい34°に設定され、
タップ部86においてはそのねじれ角37°40′より
も1°50′大きい39°30′に設定されている。こ
のため、タップ部86においては、前記研削砥石94の
断面形状と略同じ形状の横断面となり、切刃92側の溝
内壁面の曲率半径は比較的小さいが、ドリル部82にお
ける溝内壁面の曲率半径はタップ部86における溝内壁
面の曲率半径よりも大きくなり、単にねじれ角のみなら
ず、ドリル部82ではドリル加工に適した横断面形状を
有する一方、タップ部86ではタップ加工に適した横断
面形状を有する溝88が形成されるのである。
このように、本実施例の溝加工装置によれば、ドリル部
82およびタップ部86に形成すべき各々の溝形状に応
じてそれ等の境目、すなわち連結部84に対応する部分
において回転速度r,移動速度v,係合深さl,および
交差角度θがそれぞれ変更されることにより、ドリル部
82およびタップ部86においてそれぞれ最適な形状を
有する溝88が1工程で連続的に加工されるのである。
なお、かかるドリル付きタップ78には2本の溝88が
存在するため、工具素材をその軸心まわりに180°転
回して再度同じ操作を繰り返すこととなる。
また、このようなドリル付きタップ78においては、上
記のようにドリル部82およびタップ86の溝形状がそ
れぞれ最適な形状とされているため、共に優れた加工性
能が得られるとともに、溝88がドリル部82からタッ
プ部86に亘って連続して設けられているため、ドリル
加工時における切屑の排出が改善され且つ切削油の流通
が良くなる等の利点がある。
一方、前記仕上げ用エンドミル80は、直径が20mmで外
周面に4本の溝96が設けられることにより4枚の切刃
98が形成されている。これ等の切刃98は、第6図の
周方向展開図に示されているように、ねじれ角が30°
のつる巻き線100に沿って設けられているが、詳しく
は、つる巻き線100と平行な第1直線部102と、そ
の第1直線部102に続いて設けられてつる巻き線10
0に対して傾斜する第1波形部104と、その第1波形
部104に続いて設けられてつる巻き線100と平行を
成す第2直線部106と、その第2直線部106に続い
て設けられてつる巻き線100に対して前記第1波形部
104と逆向きに傾斜する第2波形部108とから成る
一連の刃形110を連続的に備えている。上記直線部1
02,106、波形部104,108は、仕上げ用エン
ドミル80の軸心方向においてそれぞれ6mm間隔で形成
されており、刃形110の1サイクルの長さ寸法は24mm
である。また、かかる4枚の切刃98の刃形110は仕
上げ用エンドミル80の軸心方向において1/8サイクル
ずつ、すなわち3mmずつずらされ、その軸心方向の何れ
の位置の横断面をとっても何れかの切刃98の直線部1
02または106が存在するようになっている。
そして、このような仕上げ用エンドミル80の切刃98
を形成するために、その切刃98の形状に沿って前記溝
96を加工する際には、通常のエンドミルを加工するた
めの研削砥石が用いられ、例えば前記刃形110の1サ
イクルに対応する部分の溝加工について説明すると、先
ず、円柱形状を成す工具素材を前記回転保持装置14に
取り付けた後、前記交差角度θを39°とするととも
に、係合深さlを予め定められた溝底径に対応する大き
さとして、ねじれ角が30°となるように工具素材の径
寸法に応じて回転速度rおよび移動速度vを同期させて
制御する。これにより、前記つる巻き線100と平行な
第1直線部102に対応する部分の溝が形成され、移動
速度vによる回転保持装置14の移動量が6mmとなった
ところから12mmになるまでの間で交差角度θを上記39
°から32°まで等速度で変化させる。
ここで、このようにねじれ角が30°のままで交差角度
θのみが変更されると、形成される溝のねじれ方向に直
角な横断面形状は次第に変化する。すなわち、この場合
にはねじれ角30°との差が小さくされるため、溝開口
部の幅寸法は次第に小さくなり、つる巻き線100に対
して傾斜する第1波形部104に対応する部分の溝が形
成される。
続いて、回転保持装置14の移動量が12mmから18mmまで
の間は、交差角度θを上記32°に固定する。これによ
り、形成される溝の幅寸法は一定となり、つる巻き線1
00と平行な第2直線部106に対応する部分の溝が形
成される。そして、回転保持装置14の移動量が18mmと
なったところから24mmとなるまでの間で交差角度θを上
記32°から39°まで等速度で変化させることによ
り、溝開口部の幅寸法は次第に大きくなり、つる巻き線
100に対して上記第1波形部104と逆方向に傾斜す
る第2波形部108に対応する部分の溝が形成される。
これにより、一連の刃形110に対応する部分の溝が形
成され、これ等の操作が繰り返されることにより、1枚
の切刃98に対応する溝96が得られる。
このように、本実施例の溝加工装置によれば、回転速度
r,移動速度v,および係合深さlを一定としたまま交
差角度θのみを周期的に変更して、溝の幅寸法を周期的
に変化させることにより、直線部102,106および
波形部104,108を有する複雑な形状の切刃98に
対応した溝96を容易に加工することができるのであ
る。
なお、上記仕上げ用エンドミル80には4本の溝96が
存在するため、工具素材をその軸心まわりに90°ずつ
回転して上記操作を繰り返し、4本の溝96をそれぞれ
形成する必要があるが、刃形110は前述のように1/8
サイクルずつずらされているため、それに対応させて上
記加工サイクルを1/8サイクルずつずらして溝加工を行
うこととなる。また、切刃98の二番逃げ面,三番逃げ
面の加工は、切刃98が工具中心から一定の半径の円筒
上に存在するため、通常のエンドミルを加工するレスト
方式、すなわちエンドミルを軸心まわりの回転可能に保
持しつつ溝96にレストを係合させてエンドミルの軸心
方向へ相対移動させ、エンドミルを軸心まわりに回転さ
せつつレストから一定の距離の部分を加工する方式によ
り、切刃98の凹凸に倣って容易に加工できる。
一方、このような仕上げ用エンドミル80によれば、切
刃98に3つの異なったねじれ角が存在するため、加工
の際の切削抵抗の向きが第7図に矢印で示されているよ
うに分散され、仕上げ面のたおれが軽減される。しか
も、かかる切刃98には通常の仕上げ用エンドミルと同
様な直線部102,106が設けられ、且つ軸心方向の
何れの位置の横断面をとっても何れかの切刃98の直線
部102または106が存在するようになっているた
め、通常の仕上げ用エンドミルと同程度の仕上げ面粗さ
が得られるのである。さらに、切刃98の不等分割は通
常の不等分割よりも更に不規則となるため、切削加工時
におけるビビリ発生が一層効果的に抑制される利点があ
る。
因に、本考案者等が、前述した仕上げ用エンドミル80
(本考案品)と、波形部104,106のない通常の仕
上げ用エンドミル(切刃4枚,切刃等分割,溝ねじれ角
30°,直径20mm)と、切刃の全長に亘って周方向およ
び半径方向に波形が形成されたクレストカットエンドミ
ル(切刃4枚,切刃等分割,溝ねじれ角30°,直径20
mm;THE WELDON TOOL COMPANY製)とを用いて、以下の
切削条件で切削加工を行い、たおれによる加工誤差を測
定したところ、本考案品は0.038mm,通常の仕上げ用エ
ンドミルは0.058mm,クレストカットエンドミルは0.102
mmであった。切削条件 工具の回転数:520rpm 被削材の送り速度:140mm/min 切込み深さ:0.5mm,上向き削り 切込み幅:30mm 被削材:S45C(HRB90) また、かかる3種類のエンドミルを用いて切削加工を行
い、表面粗さ(最大高さHmax)を測定したところ、本
考案品は9.3μ,通常の仕上げ用エンドミルは8,8μ,ク
レストカットエンドミルは15μであった。なお、切削
条件は下向き削りとした以外はたおれ試験の場合と同じ
である。
さらに、これ等3種類のエンドミルについて、切込み深
さを変化させて切削動力(主電動機の電流:アンペア)
を調べたところ、本考案品は通常のエンドミルに比較し
て小さく、切れ味が良いものと考えられる。切削条件は
以下の通りであり、結果を第2表に示す。なお、第2表
の比較品Iは通常のエンドミルであり、比較品IIはクレ
ストカットエンドミルである。切削条件 工具の回転数:403rpm 被削材の送り速度:61mm/min 切込み幅:30mm 切削油:なし 被削材:S45C(HRB90) 機械:遠州製作所製フライス盤 以上、本考案の一実施例並びにその溝加工装置で加工し
得る切削工具の具体例について詳細に説明したが、本考
案は他の態様で実施することもできる。
例えば、前記実施例では回転工具として研削砥石52が
用いられ、溝を研削加工する場合について説明したが、
フライス回転工具を用いて切削加工するようにしても差
支えない。
また、前記実施例ではドリル付きタップ78および仕上
げ用エンドミル80の溝加工を行う場合について説明し
たが、本考案の溝加工装置は、スパイラルポイントタッ
プ,3枚刃のドリル付きタップ,リーマ付きタップ,6
枚刃のリーマと3枚刃のタップから成るリーマ付きタッ
プ,テーパ形状のエンドミルなど、外周面に溝を有する
種々の加工工具その他の部品の溝加工に利用され得るも
のである。
また、前記実施例におけるドリル付きタップ78,仕上
げ用エンドミル80の溝形状,加工工程はあくまでも一
つの具体例であり、種々の変更を加えた態様で実施し得
ることは勿論である。
その他一々例示はしないが、本考案はその精神を逸脱す
ることなく当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を
加えた態様で実施できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例である溝加工装置の構成を説
明する図である。第2図は第1図の溝加工装置の一部を
切り欠いた側面図である。第3図は第1図の溝加工装置
によって製造され得るドリル付きタップの一例を示す図
である。第4図は第1図の溝加工装置によって製造され
得る仕上げ用エンドミルの一例を示す図である。第5図
は第3図のドリル付きタップの溝加工を行う際に用いら
れる研削砥石の外周部形状の一例を説明する図である。
第6図は第4図の仕上げ用エンドミルの切刃の形状を説
明する展開図である。第7図は第6図の切刃に作用する
切削抵抗の向きを説明する図である。 14……回転保持装置 28……ワーク(軸状部材) 40……軸心方向移動装置 46……加工機 52,94……研削砥石(回転工具) 54……一回動軸、64……回動装置 70……接近離間装置、72……制御装置 88,96……溝 θ……交差角度

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸状部材の外周面に溝を加工する装置であ
    って、 前記軸状部材を保持して軸心まわりに回転させるととも
    に、その回転速度を連続的に変更可能な回転保持装置
    と、 円板形状の回転工具の外周部を前記軸状部材の外周面に
    対して略直角に係合させて溝を研削または切削加工する
    とともに、前記回転保持装置に対して前記軸状部材の軸
    心に直角であって且つ前記回転工具の回転中心を通る一
    回動軸まわりの相対回動可能に設けられた加工機と、 前記回転保持装置と前記加工機とを前記軸状部材の軸心
    と平行な方向へ相対移動させるとともに、その移動速度
    を連続的に変更可能な軸心方向移動装置と、 前記回転保持装置と前記加工機とを前記一回動軸の軸線
    方向に相対移動させて、前記軸状部材の外周面に対して
    前記回転工具を係合させるとともに、その係合深さを連
    続的に変更可能な接近離間装置と、 前記回転保持装置と前記加工機とを前記一回動軸まわり
    に相対回動させることにより、前記軸状部材の軸心と前
    記回転工具の回転平面との交差角度を連続的に変更可能
    な回動装置と、 前記回転保持装置,前記軸心方向移動装置,前記接近離
    間装置,および前記回動装置をそれぞれ制御し、所定の
    回転速度,移動速度,係合深さ,および交差角度で溝加
    工を行わせるとともに、一連の溝加工の過程で形成すべ
    き溝の形状変化に対応させて少なくとも前記交差角度を
    変更させる制御装置と を有することを特徴とする溝加工装置。
  2. 【請求項2】前記軸状部材は、一連の溝のリード,ねじ
    れ角,溝深さ,および横断面形状が何れも異なる複数種
    類の工具部を同一軸線上に一体的に有する複合回転工具
    を製造するための工具素材であり、前記制御装置は、前
    記複数種類の工具部の各々の溝形状に応じて該工具部の
    境目で前記回転速度,前記移動速度,前記係合深さ,お
    よび前記交差角度をそれぞれ連続的に変更させて溝形状
    を変化させるものである実用新案登録請求の範囲第1項
    に記載の溝加工装置。
  3. 【請求項3】前記軸状部材は、外周面に複数のつる巻き
    線状の切刃を有するとともに、該切刃は、前記つる巻き
    線と平行を成す第1直線部と、該第1直線部に続いて設
    けられて前記つる巻き線に対して傾斜する第1波形部
    と、該第1波形部に続いて設けられて前記つる巻き線と
    平行を成す第2直線部と、該第2直線部に続いて設けら
    れて前記つる巻き線に対して前記第1波形部と逆向きに
    傾斜する第2波形部とから成る一連の刃形を連続的に備
    えており、且つ軸心方向の何れの位置の横断面をとって
    も前記複数の切刃のうちの何れかの切刃の前記第1直線
    部または第2直線部が存在するように、該複数の切刃の
    前記刃形は該軸心方向に互いにずらされているエンドミ
    ルを製造するための工具素材であり、前記制御装置は、
    前記切刃の形状に沿って前記交差角度を周期的に変更さ
    せることにより、幅寸法が周期的に変化する溝を連続的
    に加工させるものである実用新案登録請求の範囲第1項
    に記載の溝加工装置。
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