JP4247737B2 - 細胞固定用基板の製造方法および細胞固定用基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細胞を固定することのできる細胞固定用基板を製造する方法および細胞固定用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療分野および農業分野などにおいては、例えば核酸などの生体分子を研究対象として用いる生化学系の研究が進められている。
【0003】
このような研究においては、例えば多数の生体分子を整列した状態で固定することのできる生体分子固定用基板を作製し(例えば、特許文献1〜特許文献2参照。)、この生体分子固定用基板上において生体分子の検査や合成などの実験が行われている。
【0004】
また、最近は、核酸などの生体分子だけではなく、細胞が研究対象とされてきていることから、この細胞に係る実験を、生体分子固定用基板のような、研究対象である細胞を固定することのできる基板を用いて行いたいとの要請があるが、多数の細胞を整列した状態で固定するための基板を容易に製造するための方法は知られていない。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−206702号公報
【特許文献2】
特開2001−324816号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、特定位置に細胞を固定することのできる細胞固定用基板を容易に製造することのできる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、特定位置に細胞を固定することのできる細胞固定用基板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の細胞固定用基板の製造方法は、疎水性樹脂基材の表面において親水性重合体層を形成することにより得られる積層体に対して、パターンマスクを介して光源から放射される紫外線を照射することにより、当該パターンマスクのパターンに対応する積層体の紫外線照射領域において、親水性重合体層部分および当該親水性重合体層部分と疎水性樹脂基材よりなる疎水性樹脂基材層部分との界面に存在する化学反応物を除去して疎水性樹脂基材に由来の疎水性表面を露出させる積層体処理工程と、
積層体処理工程において得られた基板材料に対して、下記(1)〜(3)のいずれかの表面処理を行う表面処理工程を有することを特徴とする。
(1)エキシマランプまたは低圧水銀ランプから放射される紫外線を照射する紫外線照射処理
(2)酸素プラズマ処理
(3)不活性ガスプラズマ処理
【0011】
本発明の細胞固定用基板の製造方法においては、疎水性表面が露出されてなる底面を有する窪みを制御された形状で形成することが好ましい。
【0012】
本発明の細胞固定用基板は、上記の細胞固定用基板の製造方法によって得られることを特徴とする。
【0013】
【作用】
本発明の細胞固定用基板の製造方法によれば、疎水性樹脂基材層および親水性重合体層を有する積層体に対して、パターンマスクを介して紫外線を照射し、当該パターンマスクに対応する積層体の紫外線照射領域において親水性重合体層部分および当該親水性重合体層部分と疎水性樹脂基材層部分との界面に存在する化学反応物を除去して疎水性樹脂基材に由来の疎水性表面を露出させることにより、細胞が吸着されない非細胞吸着特性を有する親水性表面と、細胞が吸着される細胞吸着特性を有する疎水性表面とにより構成されるパターンを、当該疎水性表面において細胞を捕捉して固定する細胞捕捉部が所望の位置に配置されるよう形成することができるため、特定位置に細胞を固定することのできる細胞固定用基板を容易に得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の細胞固定用基板の製造方法は、細胞を固定することのできる基板を形成するための方法であって、疎水性樹脂基材の表面において親水性重合体層を形成することにより得られる積層体に対してパターンマスクを介して紫外線を照射する積層体処理工程と、この積層体処理工程において得られた基板材料に対して特定の後処理を行う表面処理工程を有するものである。
以下、各工程について説明する。
【0015】
(積層体処理工程)
先ず、例えばポリスチレンなどの疎水性樹脂よりなる、例えば厚さ1mmの平板状の疎水性樹脂基材の表面に、例えばアクリルアミドなどの単量体よりなる親水性重合体材料を含有する親水性重合体材料含有溶液を塗布し、得られた塗膜に対して、例えば電子ビームを照射することにより、親水性重合体材料(この例においてはアクリルアミド)を重合処理し、例えば厚さ20nmの親水性重合体層12を形成する。
このようにして、図1に示すように、疎水性樹脂基材よりなる疎水性樹脂基材層11と、親水性重合体層12とが積重してなる積層体(以下、「特定の積層体」ともいう。)10が得られるが、この特定の積層体10においては、塗膜を構成している親水性重合体材料の重合処理の際、親水性重合体材料と、疎水性樹脂基材を構成している疎水性樹脂とが塗膜と疎水性樹脂基材との界面において反応して生成した化学反応物が、疎水性樹脂基材層11と親水性重合体層12との界面に存在している。
【0016】
次いで、図2に示すように、特定の積層体10を構成する親水性重合体層12の上方(図2において上方)に、光源ランプ(図示せず)を配置すると共に、最終的に得られる細胞固定用基板における細胞を固定する細胞捕捉部に対応する位置および当該細胞捕捉部の形状に対応する開口15Aを有するパターン(以下、「特定の開口パターン」ともいう。)が形成されたパターンマスク15を用意し、特定の積層体10の親水性重合体層12と光源ランプとの間に形成される領域19の所定の位置に配置する。
【0017】
そして、光源ランプを点灯状態とし、パターンマスク15を介して、特定の積層体10に対して光源ランプから放射された紫外線を親水性重合体層12側の表面(図2において上面)から照射する。
【0018】
このようにして、特定の積層体10に対する紫外線の照射をパターンマスク15を介して行うことにより、当該特定の積層体10におけるパターンマスク15の開口15Aと対応する領域に選択的に紫外線が照射されることとなり、このパターンマスク15の特定の開口パターンに対応する紫外線照射領域において、親水性重合体層部分および当該親水性重合体層部分の下方に存在している化学反応物が揮発(アブレーション)され、更に必要に応じて疎水性樹脂基材層11の表面層部分が除去され、これにより、特定の積層体10に、疎水性樹脂基材層11を構成する疎水性樹脂基材に由来の疎水性表面が露出された状態の底面21Aを有する、例えば深さ100nmの微小な窪み(以下、「微小窪み」ともいう。)21が、パターンマスク15の特定の開口パターンに応じて形成される。
【0019】
積層体処理工程において得られた微小窪み21を有する基板材料20は、形成されたすべての微小窪み21が、その底面21A全面において完全に疎水性表面が露出された状態にある場合には、それらの微小窪み21の各々は底面21A全面で細胞を吸着することができるために十分な細胞捕捉性能が得られることから、当該微小窪み21はそのままの状態で細胞捕捉部として有効であり、従ってこの細胞捕捉部において細胞を固定する細胞固定用基板として用いることができる。
しかしながら、例えば図3(イ)に示すように、揮発処理によって除去された親水性重合体層部分または化学反応物に由来の付着物24が微小窪み21の表面に再付着したり、図3(ロ)に示すように、微小窪み21の表面に再付着した付着物24に由来する副生成物によって当該微小窪み21の表面の一部または全部を覆う層(図3(ロ)においては全部を覆う層)25が形成されたり、あるいは、化学反応物が完全に除去されずに残存することなどが原因となって、基板材料20が、底面21Aの一部または全部が完全に露出されていない状態となっている微小窪み21を有している場合がある。
このような理由から、積層体処理工程の後に、更に、前述の付着物24、層25および残存してる化学反応物などよりなる被覆物を除去するための後処理を行うことが好ましい。
【0020】
(表面処理工程)
図4に示すように、基板材料20の上方(図4において上方)に、エキシマランプまたは低圧水銀ランプよりなる表面処理用ランプ41と、反射ミラー42とを備えた表面処理用ランプ装置40を配置し、例えば大気中などの酸素またはオゾンを含有する雰囲気中において、この表面処理用ランプ41を、例えば表面処理用ランプ41としてエキシマランプを用いる場合には、波長172nmに係る照度が10mW/cm2 となる条件で、また、表面処理用ランプ41として低圧水銀ランプを用いる場合には、波長185nmに係る照度が15mW/cm2 となる条件で点灯状態とし、基板材料20の微小窪み21が形成されている面(図4において上面)全面に対して一斉に表面処理用ランプ41から放射された紫外線を、例えば数秒間照射する。
【0021】
このような処理においては、酸素またはオゾンが紫外線と作用することによって活性酸素が発生し、この活性酸素と被覆物が接触して当該被覆物が活性酸素による酸化反応によって灰化(アッシング)されて除去され、これにより、基板材料20において、すべての微小窪み21が、その底面21A全面において疎水性表面が完全に露出された状態となる。
【0022】
以上のように、積層体処理工程、および必要に応じて表面処理工程を経ることにより、親水性重合体層12よりなる親水性表面を有すると共に、パターンマスク15の特定の開口パターンに係る所望のパターン状に形成された、疎水性表面が露出された状態の底面21Aを有する微小窪み21よりなる細胞捕捉部31を有する細胞固定用基板30(図5参照)が形成される。
【0023】
疎水性樹脂基材としては、ポリスチレンよりなるものを好適に用いることができるが、例えばポリエチレンテレフタレートなどよりなるものを用いることもできる。
また、疎水性樹脂基材の厚さは、通常、0.5〜3mmであることが好ましい。
【0024】
親水性重合体材料含有溶液としては、例えば水、エタノールなどの溶媒中に、親水性重合体材料を溶解させてなるものを用いることができる。
親水性重合体材料としては、アクリルアミドを好適に用いることができる。
【0025】
特定の積層体10においては、親水性重合体層12の厚さは、通常、50〜500nmであることが好ましい。
【0026】
光源ランプとしては、紫外線を放射するランプを用いることができ、具体的には、例えば少なくとも波長214nm、215nm、219nmおよび220nmのいずれかの近辺、特に波長214nmおよび219nmのいずれかの近辺に輝線を有するランプを好適に用いることができる。
【0027】
また、特定の積層体10が、ポリアクリルアミドよりなる親水性重合体層12を有するものである場合には、光源として、少なくともカドミウムと希ガスとを発光管内に封入した波長200〜230nmの範囲内に輝線を有するショートアークランプを用いることが好ましい。このようなショートアークランプとしては、例えば特許第3020397号公報に開示されている構成のものを用いることができる。
【0028】
パターンマスク15としては、例えば透明基板17上に、特定の開口パターンを有する金属蒸着膜18が形成されてなるフィルターを用いることができる。
パターンマスク15における開口15Aの外径は、最終的に得られる細胞固定用基板30の細胞捕捉部31を構成する微小窪み21の外径に対応することから、当該細胞固定用基板30が固定すべき細胞の種類、および一の細胞捕捉部31において固定すべき細胞の個数などによって異なるが、通常、30〜50μmである。
【0029】
表面処理用ランプ41としては、エキシマランプまたは低圧水銀ランプが用いられるが、具体的に、波長172nmに輝線を有するエキシマランプおよび波長185nmに輝線を有する低圧水銀ランプを好適に用いることができる。
【0030】
以上のような細胞固定用基板の製造方法によれば、疎水性樹脂基材層11および親水性重合体層12を有する特定の積層体10に対して、特定の開口パターンが形成されたパターンマスク15を介して光源ランプから放射される紫外線を照射することにより、特定の開口パターンに対応する特定の積層体10の紫外線照射領域において親水性重合体層部分および当該親水性重合体層部分と疎水性樹脂基材層部分との界面に存在する化学反応物を除去し、更に疎水性樹脂基材層11の表面層部分を除去して、疎水性表面を露出させることにより、親水性重合体層12よりなる、細胞が吸着されない非細胞吸着特性を有する親水性表面を備えた特定の積層体10に、細胞が吸着される細胞吸着特性を有する疎水性表面が露出された状態の底面21Aを備えた微小窪み21よりなる細胞捕捉部31を、パターンマスク15の特定の開口パターンに係る所望のパターン状に形成することができることから、当該細胞捕捉部31よりなる特定位置において細胞を固定することのできる細胞固定用基板30を容易に得ることができる。
【0031】
また、特に、表面処理工程を経ることにより、積層体処理工程において形成されたすべての微小窪み21を、その底面21A全面において完全に疎水性表面が露出された状態とすることができるため、最終的に得られる細胞固定用基板30は、すべての細胞捕捉部31を構成する微小窪み21の各々の底面21A全面において細胞を吸着することができるものとなる。従って、細胞捕捉部31が十分な細胞捕捉性能を有し、当該細胞捕捉部31において細胞を確実に捕捉することができる細胞固定用基板30を得ることができる。
【0032】
更に、例えば積層体処理工程に供する特定の積層体10の親水性重合体層12の厚みを制御すること、積層体処理工程に供するパターンマスク15の開口15Aの形状を制御すること、積層体処理工程において特定の積層体10に対する紫外線照射条件を制御することなどによって微小窪み21を制御された形状で形成することにより、最終的に得られる細胞固定用基板30を、細胞捕捉部31よりなる特定位置に特定数の細胞を固定することができるものとすることができる。
【0033】
具体的には、例えば図5に示すように、固定すべき細胞(以下、「対象細胞」ともいう。)35の大きさに適用した外径を有すると共に、1個の対象細胞35が、当該細胞固定用基板30の微小窪み21よりなる細胞捕捉部31に捕捉されて固定された際に、当該対象細胞35が細胞固定用基板30の表面(図5において上面)30Aから突出した状態となるような深さを有するという制御された形状の微小窪み21を形成することにより、最終的に得られる細胞捕捉用基板30を、細胞捕捉部31において1個の対象細胞を固定するものとすることができる。
【0034】
この製造方法によって得られる細胞固定用基板30は、細胞捕捉部31が形成されてなる特定位置に選択的に細胞を固定することのできるものであることから、例えば複数の細胞を整列した状態で固定することができる。
具体的に、多数の細胞捕捉部31が形成されている細胞固定用基板30においては、例えば当該細胞固定用基板30上に、固定すべき細胞(以下、「対象細胞」ともいう。)を多数個含有する生理食塩水を滴下すると、対象細胞は、各々、非細胞吸着特性を有する親水性表面よりなる表面30A上には留まらず、細胞捕捉部31の疎水性表面が露出している底面21Aを有する微小窪み21内において、当該底面21Aに接触することによって捕捉され、当該細胞捕捉部31に固定される。
ここに、各細胞捕捉部31を構成する微小窪み21が制御された形状で形成され、固定すべき特定数の対象細胞に適用した形状を有するものである場合には、当該細胞捕捉部31に特定数以上の対象細胞が固定されることはない。
【0035】
以上、本発明について説明したが、本発明においては種々の変更を加えることができる。
例えば、表面処理工程においては、真空条件が不要であることから低コストにて表面処理を行うことができるため、エキシマランプまたは低圧水銀ランプを用いた紫外線照射による酸化洗浄処理によって被覆物の除去を行う手法を用いること好ましいが、下記の(A)または(B)の手法によっても基板材料から被覆物を除去し、すべての微小窪みを、その底面全面において疎水性表面が露出された状態とすることができる。
【0036】
(A)基板材料を酸素プラズマ雰囲気にさらしてプラズマ処理することにより、被覆物を化学洗浄処理によって除去する手法
(B)基板材料を、例えばアルゴンガスプラズマなどの不活性ガスプラズマ雰囲気にさらしてプラズマ処理することにより、被覆物を物理的に除去する手法
【0037】
【発明の効果】
本発明の細胞固定用基板の製造方法によれば、疎水性樹脂基材層および親水性重合体層を有する積層体に対して、パターンマスクを介して紫外線を照射し、当該パターンマスクに対応する積層体の紫外線照射領域において親水性重合体層部分および当該親水性重合体層部分と疎水性樹脂基材層部分との界面に存在する化学反応物を除去して疎水性樹脂基材に由来の疎水性表面を露出させることにより、細胞が吸着されない非細胞吸着特性を有する親水性表面と、細胞が吸着される細胞吸着特性を有する疎水性表面とにより構成されるパターンを、当該疎水性表面において細胞を捕捉して固定する細胞捕捉部が所望の位置に配置されるよう形成することができるため、特定位置に細胞を固定することのできる細胞固定用基板を容易に得ることができる。
【0038】
また、表面処理工程を経る製造方法によれば、積層体処理工程において得られた基板材料に対して特定の処理を行うことにより、疎水性表面を被覆している状態の被覆物が除去され、当該疎水性表面を完全に露出された状態とすることができることから、最終的に得られる細胞固定用基板を、確実にすべての細胞捕捉部が十分な細胞捕捉性能を有するものとすることができる。
【0039】
本発明の細胞固定用基板は、細胞が吸着されない非細胞吸着特性を有する親水性表面と、細胞が吸着される細胞吸着特性を有する疎水性表面とを備え、当該疎水性表面において細胞を捕捉して固定する細胞捕捉部が所望のパターン状に形成されたものであることから、特定位置に細胞を固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】疎水性樹脂基材上に親水性重合体層が形成された状態を示す説明図である。
【図2】積層体に光源から放射された紫外線を照射することによって窪みが形成された状態を示す説明用断面図である。
【図3】(イ)は、基板材料の窪みに付着物が付着している状態を示す説明用断面図であり、(ロ)は、基板材料の窪みにその表面を覆う層が形成されている状態を示す説明用断面図である。
【図4】基板材料の上方に表面処理用ランプと反射ミラーとを備えた表面処理用ランプ装置を配置した状態を示す説明用断面図である。
【図5】本発明の細胞固定用基板の細胞捕捉部に1個の細胞が捕捉されて固定されている状態を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
10 積層体
11 疎水性樹脂基材層
12 親水性重合体層
15 パターンマスク
15A 開口
17 透明基板
18 金属蒸着膜
19 領域
20 基板材料
21 窪み
21A 底面
24 付着物
25 層
30 細胞固定用基板
30A 表面
31 細胞捕捉部
35 細胞
40 表面処理用ランプ装置
41 表面処理用ランプ
42 反射ミラー

Claims (3)

  1. 疎水性樹脂基材の表面において親水性重合体層を形成することにより得られる積層体に対して、パターンマスクを介して光源から放射される紫外線を照射することにより、当該パターンマスクのパターンに対応する積層体の紫外線照射領域において、親水性重合体層部分および当該親水性重合体層部分と疎水性樹脂基材よりなる疎水性樹脂基材層部分との界面に存在する化学反応物を除去して疎水性樹脂基材に由来の疎水性表面を露出させる積層体処理工程と、
    積層体処理工程において得られた基板材料に対して、下記(1)〜(3)のいずれかの表面処理を行う表面処理工程を有することを特徴とする細胞固定用基板の製造方法。
    (1)エキシマランプまたは低圧水銀ランプから放射される紫外線を照射する紫外線照射処理
    (2)酸素プラズマ処理
    (3)不活性ガスプラズマ処理
  2. 疎水性表面が露出されてなる底面を有する窪みを制御された形状で形成することを特徴とする請求項1に記載の細胞固定用基板の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の細胞固定用基板の製造方法によって得られることを特徴とする細胞固定用基板。
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