JP4247376B2 - 変性シリコーン化合物、その製造方法およびその硬化物 - Google Patents

変性シリコーン化合物、その製造方法およびその硬化物 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、分子内にSi−H結合と不飽和結合を有することを特徴とする耐熱、耐燃焼材料として有用な変性シリコーン化合物とその製造方法に関する。その用途としては高耐熱性接着剤、高耐熱性離型剤、高耐熱性シール材等が挙げられる。
本発明は、分子内にSi−H結合と炭素炭素三重結合および/または二重結合を有することを特徴とする耐熱、耐燃焼材料として有用な変性シリコーン化合物とその製造方法に関する。該変性シリコーン化合物は、耐熱性材料や発光・光電変換材料、シリコン系セラミックス、高耐熱性接着剤、高耐熱性離型剤、高耐熱性シール材の原料として有用なものである。また、炭素炭素不飽和結合を有する有機ケイ素化合物は、その反応性を利用する付加・環化反応によって架橋させることができるので、熱硬化性と高い熱安定性が期待できる重要なポリマーである。さらに、炭素炭素三重結合及び/または二重結合とSi−H結合を有する有機ケイ素化合物は、それらの反応性を利用するヒドロシリル化反応によっても架橋させることができるので、高い熱硬化性と熱安定性が期待できる極めて重要なポリマーである。
背景技術
軽量で力学特性に優れ、成型加工可能な耐熱材料として多くのエンジニアリングプラスチックが研究開発されている。
炭素炭素三重結合を有する有機ケイ素化合物は、耐熱材料、またはその構成要素として注目されている。例えば、J.Polym.Sci.,A,Polym.Chem.,28,955(1990)において、ポリ(エチニレンシリレン)が高い熱安定性を示し、1000℃での重量減が20%にすぎないことが報告され、さらに、J.Organomet.Chem.,449,111(1993)においては、ポリ(ジエチニレンシリレン)類が、1400℃まで加熱しても10数%しか熱分解しない、極めて熱安定性に優れたポリマーであることが開示されている。
本発明者らは、分子内に炭素炭素三重結合およびSi−H結合を有する繰り返し単位を含む熱硬化性のケイ素系樹脂が極めて高い耐熱性を有していることを見出している(特開平7−102069号公報)。特に、熱安定性が向上し、Macromolecules,30,694(1997)において、ポリ[エチニレン(1,3−フェニレン)エチニレン(フェニルシリレン)]類は、1000℃での熱分解が数%程度にとどまることが報告されている。
上記、有機ケイ素化合物を50〜700℃で加熱処理して得られる硬化物は曲げ強度、耐衝撃性等に改良の余地はあるが、耐熱性、耐酸化性は非常に優れており、高耐熱性の熱硬化性樹脂として様々な分野で用いられることが期待されている。これらの性能を持つ熱硬化性樹脂が、より汎用性の高い原料より得られるのであれば、用途はさらに広がることが予想される。
一方、汎用性の高い有機ケイ素化合物でもシリコーン化合物は離型剤、シール材など興行的に多岐の分野で使用されているが、その耐熱性に着目した場合でも、耐熱性は上記ケイ素化合物より劣る。シリコーン化合物の耐熱性を向上させる方法として酸化鉄、セリウム化合物、ランタン系の希土類金属の酸化物および水酸化物、アリルウレタン、ポリエチニルピリジン類の耐熱安定剤を配合することが提案されているが、いずれも実用使用温度は300℃未満であった。
また、Si−H結合と炭素炭素不飽和結合を有するシリコーン化合物として環状メチルビニルシロキサンオリゴマーと環状メチルハイドロジェンシロキサンオリゴマーを平衡反応により開環重合させたブロック共重合体とそれを300〜1300℃で焼成して得られる硬化させたセラミックが知られている。(特開平10−81750号公報)。しかし、同公報によれば、この方法では平衡反応で重合させるため、セラミックの原料であるブロック共重合体には低分子量オリゴマーの混入が避けられない。しかも、当該化合物は、高温で焼成してセラミックとして用いられているので、耐熱性はともかく、上記有機ケイ素化合物の硬化のように硬化物の曲げ強度、耐酸化性、耐衝撃強度等に関する記載はない。
本発明者らは、Si−H結合を含むシリコーン化合物に不飽和結合を有するアルコール化合物を反応させ、分子内にSi−H結合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物とすることにより耐熱・耐燃焼特性が大幅に向上することを見いだし、本発明に到達した。
また、本発明者らは、Si−H結合を含むシリコーン化合物に不飽和結合を有する化合物を反応させ、分子内にSi−H結合と不飽和結合を有する変性シリコーン化合物とすることにより耐熱・耐燃焼特性が大幅に向上することを見いだし、本発明に到達した。
本発明のさらなる課題は、熱架橋性の炭素炭素三重結合または二重結合、さらには、炭素炭素三重結合または二重結合とSi−H結合の両者を有する、工業的に有利なケイ素系ポリマーを、安価かつ工業的に有利に提供することにある。
発明の開示
(a) 一般式(1)
Figure 0004247376
(式中、R及びRは水素または一価の有機基、Rは二価の有機基、R及びRは互いに同じであっても異なっていても良い一価の有機基である。Rは−C≡C−または−C(R)=C(R)−で表される二価の炭素炭素不飽和結合基であり、R及びRは互いに同じであっても異なっていても良い水素または一価の有機基である。kは0または1である。yは0を超えかつ1未満、x及びzは0以上1未満のx+y+z=1を満たす数である。但しRが水素でない場合はxは0ではない。mは3以上の正の数を示す。
但し各構成要素は任意に配列していても良い。さらに()x、()y及び()zで示される構造については定義された構造であれば2種以上の異なった構造を含んでも良い。さらにはRは(O−R−R−Rである1価の有機基でもよい。)で表されるSi−H結合と炭素炭素不飽和結合を有する変性シリコーン化合物。
(b) (a)記載の変性シリコーン化合物を熱及び/または触媒を用いて得られる硬化物。
(c) (a)の一般式(1)において、Rが一価の有機基、Rが−C≡C−、k=1であるSi−H結合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物。
(d) (c)記載の変性シリコーン化合物を熱及び/または触媒を用いて得られる硬化物。
(e) 一般式(2)
Figure 0004247376
(式中、Rは一価の有機基、R、R、R及びRは(a)記載のR、R、R及びRと同義である。Rは二価の有機基である。xは0を超えかつ1未満、y”、y”’、y””及びzは0以上1未満であり、x+y”+y”’+y””+z=1を満たす数である。ただしy”とy”’は同時に0にならない。mは3以上の正の数を示す。Pは[]m中に記載のポリマーの組成を示す。但し各構成要素は任意に配列していても良い。)で表される(a)記載のSi−H結合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物。
(f) (e)記載の変性シリコーン化合物を熱及び/または触媒を用いて得られる硬化物。
(g) 一般式(3)
Figure 0004247376
(式中、R、R、R及びRは(a)記載のR、R、R及びRと同義である。x、w”はいずれも0以上1未満であり、zは0以上、1未満であり、wは0以上1以下で、x+w+w”+z=1を満たす数である。ただしwとw”は同時には0にはならない。また、Rが水素である場合はx及びwはともに0でも良い。Rが水素でない場合はxおよびwは同時に0にはならない。mは3以上の正の数である。但し各構成要素は任意に配列していても良い。)で表される(a)記載のSi−H結合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物。
(h) (g)記載の変性シリコーン化合物を熱及び/または触媒を用いて得られる硬化物。
(i) (a)記載の一般式(1)において−Rが−C(R)=C(R)−、k=1であるSi−H結合と炭素炭素二重結合を有する変性シリコーン化合物。
(j) (i)記載の変性シリコーン化合物を熱及び/または触媒を用いて得られる硬化物。
(k) 一般式(4)
Figure 0004247376
(式中、Rは一価の有機基、R、R、R、R、R及びRは(a)記載のR、R、R、R、R及びRと同義であり、Rは(e)記載のRと同義である。x及びy””は0を超えかつ1未満、y”、y”’及びzは0以上1未満であり、x+y”+y”’+y””+z=1を満たす数である。ただしy”とy”’は同時に0にならない。mは3以上の正の数を示す。Pは[]m中に記載のポリマーの組成を示す。但し各構成要素は任意に配列していても良い。)で表される(a)記載のSi−H結合と炭素炭素二重結合を有する変性シリコーン化合物。
(l) (k)記載の変性シリコーン化合物を熱及び/または触媒を用いて得られる硬化物。
(m) 一般式(5)
Figure 0004247376
(式中、R、R及びRは(a)記載のR、R及びRと同義である。R10は一価の有機基である。q、r、s、t、u及びvはいずれも0以上1未満でq+r+s+t+u+v=1を満たす数である。ただしr、s、uは同時に0にはならない。またq、r、tは同時に0にはならない。mは3以上の正の数である。但し各構成要素は任意に配列していても良い。)で表される(a)記載のSi−H結合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物。
(n) (m)記載の変性シリコーン化合物を熱及び/または触媒を用いて得られる硬化物。
(o) 一般式(6)
Figure 0004247376
(式中、Rは一価の有機基である。R、R及びRは(a)記載のR、R及びRと同義である。R10は(m)記載のR10と同義である。q、r、s、t、u及びvは(m)記載のq、r、s、t、u及びvと同義である。mは3以上の正の数である。但し各構成要素は任意に配列していても良い。)で表される(a)記載のSi−H結合と炭素炭素二重結合を有する変性シリコーン化合物。
(p) (o)記載の変性シリコーン化合物を熱及び/または触媒を用いて得られる硬化物。
(Q) 一般式(7)
Figure 0004247376
(式中、R、R及びRは(a)記載のR、R及びRと同義である。x’+y’は0を超えかつ1以下、z’は0以上1未満であり、x’+y’+z’=1を満たす数である。nは3以上の正の数を示す。)で表されるH−シリコーン類を、HO−R−C≡C−R(式中、RおよびRは(a)記載のRおよびRと同義である。)で表されるアルキニルアルコール及び/またはHO−R−C≡C−R−OH(式中、Rは(a)記載のRと同義である。Rは(e)記載のRと同義である。)で表されるアルキニレンジオール類と脱水素的に反応させることを特徴とする(c)または(e)の記載の変性シリコーン化合物の製造方法。
(r) 一般式(8)
Figure 0004247376
(式中、R及びRは(a)のR及びRと同義である。x’、w’及びz’はいずれも0以上1未満であり、x’+w’+z’=1を満たす数である。ただしx’とw’は同時に0にならない。nは3以上の正の数である。但し各構成要素は任意に配列していても良い。)で表されるH−シリコーン類とHO−R−C≡C−R(式中、RおよびRは(a)記載のRおよびRと同義である。)で表されるアルキニルアルコールを脱水素縮合用触媒の存在下に反応させることを特徴とする(g)記載の変性シリコーン化合物の製造方法。
(s) 一般式(7)で表されるH−シリコーン類をHO−R−C(R)=C(R)−R(式中、R、R、RおよびRは(a)記載のR、R、RおよびRと同義である。)で表されるアルケニルアルコール類及び/またはHO−R−C(R)=C(R)−R−OH(式中、R、RおよびRは(a)記載のR、RおよびRと同義である。Rは(e)記載のRと同義である。)で表されるアルケニレンジオール類と脱水素的に反応させることを特徴とする(i)または(k)記載の変性シリコーン化合物の製造方法。
(t) 一般式(9)
Figure 0004247376
(式中、R及びRは(a)記載のR及びRと同義である。R10は(m)のR10と同義である。q’、r’、s’、t’、u’及びv’はいずれも0以上1未満でq’+r’+s’+t’u’+v’=1を満たす数である。nは3以上の正の数である。但し各構成要素は任意に配列していても良い。)で表されるH−シリコーン類とH−C≡C−R(式中、Rは(a)のRと同義である。)で表されるエチニル基を有する化合物を脱水素縮合用触媒の存在下に反応させることを特徴とする(m)記載の変性シリコーン化合物の製造方法。
(u) 一般式(9)で表されるSi−H結合を含むシリコーンポリマーとR−C≡C−R(式中、R及びRは(a)のR及びRと同義である。)で表されるエチニル基を有する化合物をヒドロシリル化反応用触媒の存在下に反応させることを特徴とする(o)記載の変性シリコーン化合物の製造方法。
以下本発明をより詳細に説明する。
本発明は一般式(1)で示されるSi−H結合と炭素炭素不飽和結合を有する変性シリコーン化合物である。
(イ) 一般式(1)
Figure 0004247376
(式中、R及びRは水素または一価の有機基、Rは二価の有機基、R及びRは互いに同じであっても異なっていても良い一価の有機基である。Rは−C≡C−または−C(R)=C(R)−で表される二価の炭素炭素不飽和結合基であり、R及びRは互いに同じであっても異なっていても良い水素または一価の有機基である。kは0または1である。yは0を超えかつ1未満、x及びzは0以上1未満のx+y+z=1を満たす数である。但しRが水素でない場合はxは0ではない。mは3以上の正の数を示す。但し各構成要素は任意に配列していても良い。さらに()x、()y及び()zで示される構造については定義された構造であれば2種以上の異なった構造を含んでも良い。さらにR1はさらにはRは(O−R−R−Rである1価に有機基でもよい。)で表されるSi−H結合と炭素炭素不飽和結合を有する変性シリコーン化合物。
()x、()y及び()zで示される構造については定義された構造であれば2種以上の異なった構造を含んでも良いとの意味は、例えば一般式(2)の場合は()yが3種の構造を含むものであり、これも一般式(1)に包含される。
本発明において、各構成要素は任意に配列していても良いの意味は、例えばx、y及びzはその構成比率のみを示すものであり必ずしもブロック構造を意味するものではなく、ブロック共重合体もランダム共重合体も包含する。
本明細書において重合度を示すm、nは平均の重合度を示す。
xは0.01−0.99、好ましくは0.09−0.90、より好ましくは0.3−0.90であり、yは0.01−0.99、好ましくは0.09−0.90、より好ましくは0.30−0.70であり、zは0以上0.99以下、好ましくは0以上0.70以下、より好ましくは0以上−0.52以下である。
一価または二価の有機基の説明
上記各一般式において、R〜R10の記号は共通されて定義されている。
この記載において、一価の有機基の定義は、一価の有機基であれば特に限定はないが、例えば炭素数1から30のハロゲン原子、水酸基、エーテル基を含んでいてもよいアルキル基としてはメチル基、エチル基、ヘキシル基、オクチル基、オクタデシル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、フルオロメチル基、2−メトキシエチル基等が挙げられ、炭素数1から30のハロゲン原子、水酸基、エーテル基を含んでいてもよいアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、2−フルオロエトキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられ、炭素数1から30のハロゲン原子、水酸基、エーテル基を含んでいてもよい芳香族基としてはフェニル基、ナフチル基、4−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基、アントニル基、ヒドロキシフェニル基、フルオロフェニル基、ヒドロキシナフチル基、ハロゲン原子、水酸基、エーテル基を含んでいてもよい炭素数1から30のアルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、3−フルオロ−1−プロペニル基、3−メトキシ基−1−プロペニル等が挙げられ、ハロゲン原子、水酸基、エーテル基を含んでいてもよい炭素数1から30のアルキニル基としてはエチニル基、プロピニル基、3−フルオロ−1−プロピニル基、3−メトキシ−1−プロピニル基等が挙げられ等が挙げられる。
同様に、二価の有機基についても二価の有機基であれば特に限定は不要であるが、例えば炭素数1から30の炭素数1から30のハロゲン原子、エーテル基を含んでいてもよいアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ヘキシニレン基、フルオロエチレン基、メチレンオキシメチレン基等が挙げられ、炭素数1から30のハロゲン原子、エーテル基を含んでいてもよいアルケニレン基としてはビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ヘキセニレン基、3−フルオロプロピニレン基、プロペニレンオキシメチレン基等が挙げられ、炭素数1から30のハロゲン原子、エーテル基を含んでいてもよいアルキニレン基としてはエチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、3−フルオロプロピニレン基、プロピニレンオキシメチレン基等が挙げられ、炭素数1から30のハロゲン原子、エーテル基を含んでいてもよい二価の芳香族基としてはフェニレン基、ナフチレン基、アントリデン基、ビフェニレン基、フルオロフェニレン基、フェニレンオキシフェニレン基、フェニレンメチレンフェニレン基等が挙げられる。
で表されるハロゲン原子、水酸基、エーテル基を含んでいてもよい炭素数1から30のアルキル基としてはメチル基、エチル基、ヘキシル基、フルオロメチル基、2−メトキシエチル基等が挙げられ、ハロゲン原子、水酸基、エーテル基を含んでいてもよい炭素数1から30のアルケニル基としてはビニル基、プロペニル基、3−フルオロ−1−プロペニル基、3−メトキシ基−1−プロペニル等が挙げられ、ハロゲン原子、水酸基、エーテル基を含んでいてもよい炭素数1から30のアルキニル基としてはエチニル基、プロピニル基、3−フルオロ−1−プロピニル基、3−メトキシ−1−プロピニル基等が挙げられ、ハロゲン原子、水酸基、エーテル基を含んでいてもよい炭素数1から30の芳香族基としてはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ヒドロキシフェニル基、フルオロフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基等が挙げられ、また水素でも良い。
なお、これ等の例示は一般式(2)、(3)、(4)、(5)及び(6)においても共通である。
本発明のSi−H結合と炭素炭素不飽和結合を有する変性シリコーン化合物は、例えば、
1)一般式(1)において、Rが一価の有機基、Rが−C≡C−、k=1であるSi−H結合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物。
2)一般式(1)において−Rが−C(R)=C(R)−、k=1であるSi−H結合と炭素炭素二重結合を有する変性シリコーン化合物。
が例示される。
より具体的には、好ましくは、一般式(2)、(3)、(4)、(5)及び(6)などが例示される。
イ)一般式(2)の変性シリコーン化合物
上記変性シリコーン化合物としては下記の構造のものである。(一般式(2))
Figure 0004247376
(式中、Rは一価の有機基、R、R、R及びRは(a)記載のR、R、R及びRと同義である。Rは二価の有機基である。xは0を超えかつ1未満、y”、y”’、y””及びzは0以上1未満であり、x+y”+y”’+y””+z=1を満たす数である。ただしy”とy”’は同時に0にならない。mは3以上の正の数を示す。Pは[]m中に記載のポリマーの組成を示す。但し各構成要素は任意に配列していても良い。)で表される(a)記載のSi−H結合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物。
より詳細にはRおよびRが(ポリ)メチレン基の場合について述べるがこれに限定されない。(なお、p及びqはお互いに同じでも異なっても良い1〜5の整数を示す)
一般式(2)のy’’及びy”’が0の場合は、一般式(10)で示される。
Figure 0004247376
一般式(2)のy””が0の場合は、一般式(11)で示される。
Figure 0004247376
一般式(2)のy”、y”’及びy””が0でない場合は一般式(12)で示される。
Figure 0004247376
なお、(ポリ)メチレン以外の基を含む変性シリコーン化合物についても、当然本発明に包含される。
一般式(2)で示される変性シリコーン化合物は、下記の一般式(7)
Figure 0004247376
で示されるH−シリコーン類をHO−R−C≡C−Rで表されるアルキニルアルコール及び/またはHO−R−C≡C−R−OHで表されるアルキニレンジオール類と脱水素的に反応させることによって得られる。
この合成反応の実施例の結果によると、得られるアルキニルオキシ置換シリコーン類の分子量が原料から予想される分子量よりも高くなっており、これは上記脱水素反応の他に、3重結合とSi−H結合との反応や生成物の再結合等によって分子量が高くなっいると考えられ、このような副次的反応による構造をも含むことを意味する。
変性シリコーン化合物の製造方法
ここでは一般式(2)記載の変性シリコーン化合物の製造方法について記載するが、種々のSi−H結合を有するシリコーンとアルコール類との反応による変性シリコーン化合物の合成に共通の説明であり、この記載を基に変性シリコーン化合物が製造できる。製造方法はSi−H結合を有するシリコーンの種類によって次式(反応式AまたはB)のように行われる。
Figure 0004247376
H−シリコーン類としては、種々の主鎖にSi−H結合を有するシロキサン類が用いられる。また環状のものも使用できる。これらのH−シリコーン類を例示すれば、ポリ(メチルシロキサン)、ポリ[(メチルシロキサン)(ジメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ(エチルシロキサン)、ポリ[(メチルシロキサン)(フェニルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルシロキサン)(オクチルメチルシロキサン)]コポリマー、トリメチルシクロトリシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、テトラエチルシクロテトラシロキサン等を挙げることができる。
HO−R−C≡C−Rで表されるアルキニルアルコール及び/またはHO−R−C≡C−R−OH(R及びRは2価の有機基、Rは1価の有機基を示す)で表されるアルキニレンジオール類として、R及びRは2価の有機基、Rは前記した一価の有機基である。
もう一つの原料であるHO−R−C≡C−Rで表されるエチニル基を有するアルコール化合物としては2−プロピン−1−オール、2−ブチン−1−オール、3−ブチン−1−オール、3−ブチン−2−オール、1−フルオロ−3−ブチン−2−オール、4−フルオロ−2−ブチン−1−オール、2−オキサ−3−ブチン−1−オール、5−オキサ−2−ヘキシン−1−オール、6−オキサ−2−ヘプチン−1−オール、2−ブチン−1,4−ジオール、4−ペンチン−1−オール、5−ヘキシン−1−オール、2−ヘキシン−1−オール、3−ヘキシン−1,6−ジオール、7−オクチン−1−オール、2−オクチン−1−オール、3−ヒドロキシ−1−プロピニルベンゼン、3−フェニル−2−プロピン−1−オール、4−ペンテン−2−イン−1−オール、1−フルオロ−4−ペンテン−2−イン−1−オール、2−ペンテン−4−イン−1−オール、2−ヘキセン−5−イン−1−オール、2−ヘキセン−4−イン−1−オール、6−フルオロ−4−ヘキセン−2−イン−1−オール、2−オキサ−4−ヘプテン−6−イン−1−オール、7−オキサ−4−オクテン−2−イン−1−オール、5−ヘキセン−2−イン−1−オール、4−ヘキセン−2−イン−1−オール、2,4−ペンタジイン−1−オール、1−フルオロ−2,4−ペンタジイン−1−オール、2,5−ヘキサジイン−1−オール、6−フルオロ−2,4−ヘキサジイン−1−オール、2−オキサ−4,6−ヘプタジイン−1−オール、7−オキサ−2,4−オクタジイン−1−オール、2−エチニルフェノール、3−エチニルフェノール、4−エチニルフェノール、3,5−ジエチニルフェノール、6−エチニル−2−ナフトール、5−エチニル−2−ナフトール、5−エチニルレゾルシノール、4−エチニル−4’−ヒドロキシビフェニル、10−エチニル−9−アントロール、3−ヒドロキシ−5−エチニルトルエン、3−エチニル−5−フルオロ−フェノール、(4−エチニルフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、(4−エチニルフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4−(1−プロピニル)フェノール、4−(1−プロピニル)ナフトール、4−(1−ブチニル)フェノール、4−(3−ブテニル−1−イニル)フェノール、4−(1,3−ブタジイニル)フェノール、4−(1−ペンチニル)フェノール、4−(1−ヘキシニル)フェノール、4−(1−オクチニル)フェノール、4−(フェニルエチニル)フェノール、4−ナフチルエチニルフェノール、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセチレン等を挙げることができる。
例えばR及びRが(ポリ)メチレンの場合に、一般式(13)で示される
−C≡C−(CH)p−OH 一般式(13)
アルキニルアルコール類を例示すれば、プロパルギルアルコール、フェニルプロパルギルアルコール、2−ブチン−1−オール、2−ペンチン−1−オール、3−ブチン−1−オール、3−ペンチン−1−オール、4−ペンチン−1−オール、2−ヘキシン−1−オール、3−ヘキシン−1−オール、5−ヘキシン−1−オール等を挙げられ、一般式(14)で示されるアルキニレンジオール類
HO−(CH)q−C≡C−(CH)p−OH 一般式(14)
を例示すれば、1,4−ブチニレンジオール、1,6−ヘキシニレンジオール、1,8−オクチニレンジオール、1,5−ペンタ−3−インジオール、6−ヘキサ−3−インジオール等を挙げられる。
アルキニルアルコール類とアルキニレンジオール類を併用する場合は目的によって適宜好ましい比率で混合して使用することができる。
本発明のアルキニルオキシ置換シリコーン類はH−シリコーン類を、アルキニルアルコール及び/またはアルキニレンジオール類を脱水素的に反応させるによって製造することができる。
本発明の製造方法では、一般式(2)で表される変性シリコーン化合物をSi−H結合を含むシリコーンポリマーとアルキニルアルコール及び/またはアルキニレンジオールより製造する方法を説明する。反応装置は原料を供給する部分、反応容器内部の撹拌装置、反応容器の温度を制御する部分などからなる。本反応は、無溶媒もしくは溶媒中で反応させることができる。容器内に原料の一般式(7)で表されるSi−H結合を含むシリコーンポリマーとHO−R−C≡C−Rで表されるアルキニルアルコール及び/またはアルキニレンジオールおよび脱水素縮合用触媒さらに必要に応じて溶媒を仕込む。脱水素縮合用触媒は溶液状態、懸濁状態、あるいは溶媒に溶解することなくそのままの状態で仕込むことができる。反応溶液を所定の温度に制御しつつ、撹拌しながら所定の時間反応させる。所定の反応時間後、減圧蒸留などにより溶媒を除去もしくはポリマーを析出させることにより変性シリコーン化合物が得られる。
反応式(A)または(B)で使用し得る脱水素縮合用触媒は遷移金属錯体触媒と塩基性触媒に大別できる。反応式(A)または(B)で使用し得る遷移金属錯体触媒としては、例えば銅触媒、種々の銅塩、銅化合物、銅錯体、有機銅化合物が用いられ、例えばフェニル銅(I)、テトラキス(トリメチルシリル)メチル四銅(I)、シクロペンタジエニル[ビス(トリメチルシリル)アセチレン]銅(I)、トリメチルホスフィン(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)銅(I)、ブチル(トリブチルホスフィン)銅(I)、シクロペンタジエニル(トリエチルホスフィン)銅(I)、シクロペンタジエニル(トリフェニルホスフィン)銅(I)、ペンタメチルシクロペンタジエニル(トリフェニルホスフィン)銅(I)、テトラヒドロホウ酸ビス(トリフェニルホスフィン)銅(I)、ヒドリド(トリフェニルホスフィン)銅(I)、メチルビス(トリフェニルホスフィン)銅(I)、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)銅(I)、テトラクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)四銅(I)、トリフェニルホスフィン銅ハイドライド錯体、ニトラトビス(トリフェニルホスフィン)銅(I)、トリフェニルホスフィンの銅ハイドライド錯体(HCuPPh等が挙げられるが、トリフェニルホスフィンの銅ハイドライド錯体(HCuPPhが最も好ましい。
さらに銅以外の遷移金属化合物として、例えば塩化白金酸ナトリウム、トリス(トリフェニルホスフィン)塩化ロジウム、ロジウム(II)アセテート、ロジウム(II)ブチレート、ロジウム(II)パーフルオロブチレート、テトラカルボニル臭化マンガン、ペンタカルボニル塩化マンガン、ペンタカルボニル臭化マンガン、ペンタカルボニルマンガンメチレート、ジシクロペンタジエニルジクロロジルコニウム、ジシクロペンタジエニルジメチルジルコニウム、ジペンタメチルシクロペンタジエニルジメチルジルコニウム、ジシクロペンタジエニルジエチルジルコニウム、ジシクロペンタジエニルジフェニルジルコニウム等が挙げられる。
反応式(A)または(B)で使用し得る塩基性触媒としては、先に本発明者らが開示している金属水素化物(特開平10−120689号公報)、金属化合物類(特開平11−158187号公報)または典型元素金属に大別できる。具体的化合物および使用方法は特許請求の範囲、例示化合物及び実施例に記載されたものが用いられる。
典型元素金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどの1族典型元素金属、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの2族典型元素金属が挙げられる。
これらの金属はそのまま用いてもかまわないが、特に2族典型元素金属は活性化した微粒子状態で使用することが望ましい。活性化した金属微粒子を得る方法としてはリチウム/芳香族錯体によりハロゲン化金属を還元する方法(H.Xiong,and R.D.Rieke,Journal of Organic Chemistry,Vol.54,3247−3249(1989).,T.Wu,H.Xiong,and R.D.Rieke,Journal of Organic Chemistry,Vol.55,5045−5051(1990).,A.Yanagisawa,S.Habaue,K.Yasue,and H.Yamamoto,Journal of American Chemical Society,Vol.116,6130−6141(1994).)やカリウムによりハロゲン化金属を還元する方法(T.P.Burns,and R.D.Rieke,Journal of Organic Chemistry,Vol.52,3674−3680(1987))、金属蒸気と溶媒を同時に凝縮させる方法(K.J.Klabunde,H.F.Efner,L.Satek,and W.Donley,Journal of Organometallic Chemistry,Vol.71 309−313(1974))などが挙げられる。具体的には上記文献に記載の化合物が選択される。
原料の一般式(7)で表されるSi−H結合を含むシリコーンポリマーとアルキニルアルコール及び/またはアルキニレンジオールまたはの比率は特に限定するものではないが、好ましくはSi−H結合を含むシリコーンポリマーに含まれるSi−H結合100mmolに対し1mmolから1000mmolである。更に好ましくは、10〜100mmolである。触媒である遷移金属錯体触媒または塩基性触媒は単独であるいは二種以上を混合して使用することができる。触媒使用量はアルキニルアルコール及び/またはアルキニレンジオール100mmolに対し0.0001mmolから200mmolである。好ましくは0.01〜10mmolである。
本発明の製造方法に用いられる触媒のアルキニルアルコール類及び/またはアルキニレンジオール類に対するモル比は1:1から1:100000の範囲で任意に選ぶことができるが、1:2から1:10000の範囲が望ましい。
容器内は高純度窒素あるいは高純度アルゴンなどの不活性ガスで置換することが望ましい。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレンのような芳香族炭化水素系溶媒や、ジエチルエーテル、n−ブチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタンのようなエーテル系溶媒や、ジクロロメタン、クロロホルムのような含ハロゲン溶媒や、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのような有機極性溶媒及びこれらの混合溶媒が使用できる。溶媒の量は原料の含エチニル基アルコール1mmolに対して0.1〜40mlが好ましい。また、溶媒に含まれる水分が触媒の活性を低下させる場合があるので、溶媒は予め脱水乾燥したものを用いるのが好ましい。
反応温度は−50〜300℃、より好ましくは0〜150℃である。反応圧力は常圧、加圧のいずれでもかまわないが、反応温度が溶媒の沸点よりも高い場合には耐圧の反応容器を用いて加圧反応を行うことが望ましい。反応時間は反応温度などにより異なるが0.1〜200時間が適切である。
溶媒除去などによる変性シリコーン化合物の単離は、反応液に何も処理を施さない状態で行ってもかまわないが、飽和脂肪族炭化水素中への分散、濾過、水溶液による処理(特開平11−236388号公報)または陽イオン交換樹脂による処理などの方法により触媒を分離した後で行うことが好ましい。
触媒の分離に使用できる飽和脂肪族炭化水素としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等が挙げられる。飽和脂肪族炭化水素の使用量は原料のSi−H結合を含むシリコーンポリマー1gに対して0.01〜1000ml、より好ましくは0.1〜100mlである。
陽イオン交換樹脂による触媒の除去は反応液を接触濾過法または固定層法により陽イオン交換樹脂で処理することにより行う。接触濾過法とは、具体的には反応液と陽イオン交換樹脂を混合し一定時間撹拌した後濾過により樹脂を除去する方法である。また固定層法とはH型の陽イオン交換樹脂を充填したカラムや充填塔などの固定層に反応液を通液することにより反応液より触媒を除去する方法である。処理の回数はいずれも通常1回であるが2〜100回の複数回行ってもかまわない。反応液は通常そのままで処理を行うが、溶媒により1.1〜100倍に希釈してもかまわない。
使用できる陽イオン交換樹脂としては、交換基としてスルホン基を有する強酸性H型陽イオン交換樹脂、交換基としてカルボキシル基、フェノール基、ホスホン基を有する弱酸性H型陽イオン交換樹脂、およびこれらの樹脂をシリカ、アルミナなどの担体に担持したものが挙げられる。これらの陽イオン交換樹脂は一種で、または複数種を混合して使用することができる。陽イオン交換樹脂の形態は粒状、粉末のいずれでもかまわない。含水量が10wt%を越える陽イオン交換樹脂は、そのままで使用してもかまわないが、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などにより含水量を10wt%以下にしておくことが望ましい。
陽イオン交換樹脂の使用量は樹脂の種類、交換容量、触媒の種類、反応液の触媒含有量により異なるが、反応液1mlに対し0.0001〜10gである。処理時間または滞留時間は陽イオン交換樹脂の種類、使用量、反応液中の触媒濃度により異なるが、0.001〜400時間である。処理温度は−50〜300℃、より好ましくは0〜150℃である。
以上の触媒除去操作後、溶媒除去、カラム分離、析出などの方法により反応液より変性シリコーン化合物の分離を行う。
本発明の製造方法に用いられるアルキニルアルコール類及び/またはアルキニレンジオール類のOH基とH−シリコーン類のSi−H基のモル比は、任意に選ぶことができる。モル比が1以下の場合にはH−シリコーン中のSi−H基の一部がアルキニルオキシ基に置換され、Si−H基の一部が残存するアルキニルオキシ置換シリコーン類が得られる。また、H−シリコーン中のSi−H基がすべてアルキニルオキシ基に置換されたアルキニルオキシ置換シリコーン類を製造する場合には、H−シリコーン類のSi−H基に対して当量または過剰量のアルキニルアルコール類及び/またはアルキニレンジオール類を用いる。
本発明で得られるアルキニル置換シリコーン類の分子量は限定されないが、GPC(ゲル透過クロマトグラフィーで測定)で測定されたMwが、通常200〜5,000,000、好ましくは1000〜5,000,000、さらに好ましくは1,000〜500,000程度である。なお、本発明のアルキニル置換シリコーン類は架橋構造のポリマーも含むので分子量が測定できない場合もある。
ロ)一般式(3)の変性シリコーン化合物
一般式(3)で示される変性シリコーン化合物は
Figure 0004247376
Si−H結合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物である。
本発明のSi−H結合及びアセチレン結合を有する一般式(3)で表される新規な変性シリコーン化合物は、
Figure 0004247376
で表される新規な変性シリコーン化合物は、反応式(C)で表されるように、一般式(8)で表されるSi−H結合を含むシリコーンポリマーとHO−R−C≡C−Rで表されるアルキニルアルコールを脱水素縮合用触媒の存在下で脱水素縮合させることにより製造できる。該アルキニルアルコールは“変性シリコーン化合物の製造方法”の項で例示したものが好ましく使用できる。
Figure 0004247376
原料として用いられる一般式(8)で表されるSi−H結合を含むシリコーンポリマーとしては、ポリ(ジハイドロジェンシロキサン)、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(メチルハイドロジェンシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(フェニルハイドロジェンシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(ジエチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(ジイソプロピルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(ジヘキシルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(ジオクチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(ジフェニルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(エチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(ヘキシルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(オクチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(オクタデシルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(フェニルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(ジエトキシシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(ジメトキシシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(エトキシメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(3,3,3−トリフルルオロプロピルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(2−フルルオロエトキシメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)((2−メトキシエトキシ)メチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(フェノキシメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(ナフチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)((4−クロロフェニル)メチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)((4−メトキシフェニル)メチルシロキサン)]コポリマー、等を挙げることができる。
もう一つの原料であるHO−R−C≡C−Rで表されるエチニル基を有するアルコール化合物としては2−プロピン−1−オール、2−ブチン−1−オール、3−ブチン−1−オール、3−ブチン−2−オール、1−フルオロ−3−ブチン−2−オール、4−フルオロ−2−ブチン−1−オール、2−オキサ−3−ブチン−1−オール、5−オキサ−2−ヘキシン−1−オール、6−オキサ−2−ヘプチン−1−オール、2−ブチン−1,4−ジオール、4−ペンチン−1−オール、5−ヘキシン−1−オール、2−ヘキシン−1−オール、3−ヘキシン−1,6−ジオール、7−オクチン−1−オール、2−オクチン−1−オール、3−ヒドロキシ−1−プロピニルベンゼン、3−フェニル−2−プロピン−1−オール、4−ペンテン−2−イン−1−オール、1−フルオロ−4−ペンテン−2−イン−1−オール、2−ペンテン−4−イン−1−オール、2−ヘキセン−5−イン−1−オール、2−ヘキセン−4−イン−1−オール、6−フルオロ−4−ヘキセン−2−イン−1−オール、2−オキサ−4−ヘプテン−6−イン−1−オール、7−オキサ−4−オクテン−2−イン−1−オール、5−ヘキセン−2−イン−1−オール、4−ヘキセン−2−イン−1−オール、2,4−ペンタジイン−1−オール、1−フルオロ−2,4−ペンタジイン−1−オール、2,5−ヘキサジイン−1−オール、6−フルオロ−2,4−ヘキサジイン−1−オール、2−オキサ−4,6−ヘプタジイン−1−オール、7−オキサ−2,4−オクタジイン−1−オール、2−エチニルフェノール、3−エチニルフェノール、4−エチニルフェノール、3,5−ジエチニルフェノール、6−エチニル−2−ナフトール、5−エチニル−2−ナフトール、5−エチニルレゾルシノール、4−エチニル−4’−ヒドロキシビフェニル、10−エチニル−9−アントロール、3−ヒドロキシ−5−エチニルトルエン、3−エチニル−5−フルオロ−フェノール、(4−エチニルフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、(4−エチニルフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4−(1−プロピニル)フェノール、4−(1−プロピニル)ナフトール、4−(1−ブチニル)フェノール、4−(3−ブテニル−1−イニル)フェノール、4−(1,3−ブタジイニル)フェノール、4−(1−ペンチニル)フェノール、4−(1−ヘキシニル)フェノール、4−(1−オクチニル)フェノール、4−(フェニルエチニル)フェノール、4−ナフチルエチニルフェノール、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アセチレン等を挙げることができる。
一般式(3)で表される変性シリコーン化合物をSi−H結合を含むシリコーンポリマーとアルキニルアルコール化合物より製造する方法は、前記の“変性シリコーン化合物の製造方法”の項で説明した方法に準じて一般式(8)記載のSi−H結合を含むシリコーンポリマーを用いて製造できる。
一般式(8)のSi−H結合を含むシリコーンポリマーの製造方法
次に変性シリコーン化合物の原料であるSi−H結合を含むシリコーンポリマーの製造方法について述べる。HSiClのみまたはHSiClとR(R)SiClで表されるジクロロシラン化合物の混合物を加水分解および縮合反応によりH型シリコーンオリゴマーとした後、酸触媒による平衡反応によりSi−H結合を含むシリコーンポリマーとする。
原料のR(R)SiClで表されるジクロロシラン化合物としてはジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジイソプロピルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、ジオクチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルエチルジクロロシラン、メチルヘキシルジクロロシラン、メチルオクチルジクロロシラン、メチルオクタデシルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、エトキシメチルジクロロシラン等が挙げられる。比率はHSiCl100molに対してジクロロシラン化合物を0.1〜10000mol好ましくは1〜1000molである。
加水分解および縮合反応に用いる反応装置は原料を供給する部分、反応容器内部の撹拌装置、反応容器の温度を制御する部分などからなる。この反応では容器内に水および/または氷を仕込み、HSiClおよびR(R)SiClで表されるジクロロシラン化合物を滴下することが好ましいが、逆に容器内にHSiClおよびジクロロシラン化合物を仕込み水を滴下してもかまわない。水は中性または酸性が望ましい。水の使用量は原料のジクロロシラン1mmolに対して0.1〜1000mlが好ましい。HSiClおよびジクロロシラン化合物はそのままで滴下してもかまわないが溶媒に溶解させて滴下するほうが好ましい。溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、ジエチルエーテル、n−ブチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタンのようなエーテル系溶媒や、ジクロロメタン、クロロホルムのような含ハロゲン溶媒やヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの飽和脂肪族炭化水素溶媒が使用できる。溶媒の使用量は原料のHSiCl1mmolに対して0.1〜1000mlが好ましい。
反応溶液を所定の温度に制御しつつ、撹拌しながらHSiClおよびジクロロシラン化合物を滴下し加水分解させる。さらに所定の反応時間後、必要により抽出溶媒を加えH型シリコーンオリゴマーを抽出する。抽出溶媒としてはヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの飽和炭化水素系溶媒やベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒やジエチルエーテル、n−ブチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタンのようなエーテル系溶媒や、ジクロロメタン、クロロホルムのような含ハロゲン溶媒などが使用できる。さらに減圧乾燥による溶媒除去、カラム分離、蒸留などの方法で精製することによりH型シリコーンオリゴマーが得られる。
反応温度は−80〜200℃、より好ましくは−50〜100℃である。反応圧力は常圧、加圧のいずれでもかまわないが、反応温度が溶媒の沸点よりも高い場合には耐圧の反応容器を用いて加圧反応を行うことが望ましい。反応時間は反応温度などにより異なるが0.1〜200時間が適切である。
得られたH型シリコーンオリゴマーはそのままSi−H結合を含むシリコーンポリマーとして脱水素縮合反応に使用してもかまわないが、酸触媒による平衡化反応により分子量を調整することが望ましい。好ましい重量平均分子量は、1000〜100000である。
平衡化反応の反応装置は原料を供給する部分、反応容器内部の撹拌装置、反応容器の温度を制御する部分などからなる。容器内に酸触媒、H型シリコーンおよび必要に応じて溶媒および/またはジシロキサン化合物を仕込み所定の時間所定の温度で攪拌する。反応後、必要により水を添加した後、濾過、二層分離などの方法により触媒を除去する。さらに溶媒除去、カラム分離、析出などの操作により反応液よりSi−H結合を含むシリコーンポリマーの分離を行う。
反応の際は必要に応じてジシロキサン化合物を添加する。添加できるジシロキサン化合物としてはヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、ヘキサヘキシルジシロキサン、ヘキサオクチルジシロキサン、ヘキサフェニルジシロキサン、ジフェニルテトラメチルジシロキサン、ジヒドロジェントラメチルジシロキサンなどが挙げられる。添加量はH型シリコーンオリゴマーの種類、分子量、触媒の種類、触媒量などにより異なるが、H型シリコーンオリゴマー100gに対し0.0001〜100gである。
平衡化反応で使用できる酸触媒としては硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、酸性白土、塩化鉄、ホウ酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。使用量は使用する酸の種類、オリゴマーの分子量、溶媒の使用量などにより異なるが、H型シリコーンオリゴマー1gに対し0.0001〜100gである。使用できる溶媒としてはヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの飽和炭化水素系溶媒やベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒やジエチルエーテル、n−ブチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタンのようなエーテル系溶媒や、ジクロロメタン、クロロホルムのような含ハロゲン溶媒などが挙げられる。溶媒使用量は溶媒の種類、H型シリコーンオリゴマーの種類、酸触媒の種類などにより異なるが、H型シリコーンオリゴマー1gに対し0.1〜100mlである。
反応温度は−80〜200℃、より好ましくは−50〜100℃である。反応圧力は常圧、加圧のいずれでもかまわないが、反応温度が溶媒の沸点よりも高い場合には耐圧の反応容器を用いて加圧反応を行うことが望ましい。反応時間は反応温度などにより異なるが0.1〜200時間が適切である。
なお、上記H型シリコーンは市販品としても入手かのうである。
また、一般式(3)の変性シリコーン化合物は一般式(2)の項で記載の方法で硬化させ、硬化物として利用することができる。
ハ)一般式(4)の変性シリコーン化合物
一般式(4)で示される変性シリコーン化合物は
Figure 0004247376
一般式(4)で示される変性シリコーン化合物は、下記の一般式(7)
Figure 0004247376
で示されるH−シリコーン類をHO−R−C(R)=C(R)−Rで表されるアルケニルアルコール類及び/またはHO−R−C(R)=C(R)−R−OHで表されるアルケニレンジオール類と脱水素的に反応式(反応させることによって得られる。
一般式(7)で示されるH−シリコーン類についてはすでに説明されておりその記載から選択できる。
HO−R−C(R)=C(R)−Rで表されるアルケニルアルコール類及び/またはHO−R−C(R)=C(R)−R−OHで表されるアルケニレンジオール類については、R、R、R、R、Rについてはすでに記載された定義及び例示から適宜選択される。
一般式(4)で表される変性シリコーン化合物をSi−H結合を含むシリコーンとHO−R−C(R)=C(R)−Rで表されるアルケニルアルコール類及び/またはHO−R−C(R)=C(R)−R−OHで表されるアルケニレンジオール類より製造する方法は、前記の“変性シリコーン化合物の製造方法”の項で説明した方法に準じて、反応式(D)または(E)により、一般式(4)記載の変性シリコーン化合物が製造できる。
Figure 0004247376
Figure 0004247376
上記反応に使用される原料でるHO−R−C(R)=C(R)−Rで表されるアルケニルアルコール類としては、アリルアルコール、1−ブテン−4−オール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−メチル−1−ブテン−2−オール、1−ペンテン−5−オール、2−ペンテン−5−オール、1−ヘシセン−5−オール、1−ヘキセン−6−オール、1−オクテン−8−オール、3−メチル−2−プロペン−1−オール、、ケイ皮アルコール、2−メチル−2−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2,3−ジメチル−2−ブテン−1−オール、1,3−ペンタジエン−5−オール、1,4−ペンタジエン−3−オール、1,3−ヘキサジエン−6−オール、2,4−ヘキサジエン−1−オール、3−シクロヘキセノール、2−ビニルフェノール、3−ビニルフェノール、4−ビニルフェノール、3−フルオロ−5−ビニルフェノール、3−アリルフェノール、4−アリルフェノール、3,5−ジアリルフェノール、3−イソプロペニルフェノール、4−イソプロペニルフェノール、3−ビニルベンジルアルコール、4−ビニルベンジルアルコール、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、3−ビニル−8−ナフトール、9−ビニル−10−アントロール、4−ビニル−4−ビフェノールなどが挙げられる。
同様に、HO−R−C(R)=C(R)−R−OHで表されるアルケニレンジオール類としては、1,4−ブテンジオール3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン、3−メチレン−1,3−プロパンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、7−オクテン−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,4−ブテンジオール、2−フェニル−1,4−ブテンジオール、2,3−ジメチル−1,4−ブテンジオール、2,3−ジフェニル−1,4−ブテンジオール、3−ヘキセン−1,5−ジオール、1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール、3,4−ヘキサジエン−1,5−ジオール、4−シクロペンテン−1,3−ジオール、1,2−ジヒドロカテコール、2,5−ジアリルベンゼン−1,4−ジオール、3−ビニルレゾルシノール、3−ビニルカテコール、2−ビニルハイドロキノン、3−アリルレゾルシノール、4,4‘−ジヒドロキシスチルベン、4’−ビニル−3,5−ジヒドロキシビフェニル等が挙げられる。
本発明の変性シリコーン化合物の硬化方法及び硬化物は後記する“変性シリコーン化合物の硬化方法及び硬化物”に従って硬化でき、また硬化物を得ることができる。
ニ)一般式(5)の変性シリコーン化合物
一般式(5)で示される変性シリコーン化合物は
Figure 0004247376
(式中、各種記号は一般式(5)の説明と同様である)であり、また一般式(5)で示される変性シリコーン化合物は、下記の一般式(9)
Figure 0004247376
で示されるH型シリコーンとR−C≡C−Hで表されるエチニル基を有する化合物とを脱水素縮合用触媒の存在下に下記反応式(F)のように反応することよって得られる。
Figure 0004247376
一般式(9)で表されるSi−H結合を含むシリコーンポリマーとしては、ポリ(ジハイドロジェンシロキサン)、ポリ(メチルハイドロジェンシロキサン)、ポリ(エチルハイドロジェンシロキサン)、ポリ(フェニルハイドロジェンシロキサン)、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(エチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジエチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ヘキシルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(オクチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(オクタデシルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(オクタデシルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(フェニルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジエトキシシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメトキシシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェンシロキサン)(3,3,3−トリフルルオロプロピルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(2−フルルオロエトキシメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)((2−メトキシエトキシ)メチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(フェノキシメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(ナフチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)((4−クロロフェニル)メチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)((4−メトキシフェニル)メチルシロキサン)]コポリマー等を挙げることができる。
もう一つの原料であるR−C≡CHで表されるエチニル基を有する化合物としてはアセチレン、プロピン、3−フルオロ−1−プロピン、1−ブチン、1−ペンチン、1−ヘキシン、5−オキサ−1−ヘキシン、1−オクチン、2−プロピン−1−オール、1−メトキシ−2−プロピン、1−ブテン−3−イン、1−ペンテン−4−イン、2−ペンテン−4−イン、1−フルオロ−2−ペンテン−4−イン、1−ヘキセン−5−イン、6−オキサ−3−ヘプテン−1−イン、2−オクテン−7−イン、1,3−ブタジイン、1,3−ペンタジイン、5−フルオロ−1,3−ペンタジイン、6−オキサ−1,3−ヘプタジイン、1,4−ペンタジイン、1,5−ヘキサジイン、1,3−ヘキサジイン、1,7−オクタジイン、フェニルアセチレン、p−ジエチニルベンゼン、m−ジエチニルベンゼン、3−エチニルフェノール、4−エチニルフェノール、2−エチニルナフタレン、6−エチニル−2−ナフトール、5−エチニル−2−ナフトール、4−エチニルビフェニル、9−エチニルアントラセン、4−エチニルトルエン、3−ヒドロキシ−5−エチニルトルエン、4−フルオロフェニルアセチレン、4−クロロフェニルアセチレン、4−メトキシフェニルアセチレン、(4−エチニルフェニル)(フェニル)エーテル、(4−エチニルフェニル)(フェニル)メタン、2−プロピニルベンゼン、4−フェニル−3−ブテニル−1−イン等を挙げることができる。
一般式(9)で表される変性シリコーン化合物をSi−H結合を含むシリコーンポリマーとエチニル基を有する化合物より製造する方法を説明する。反応装置は原料を供給する部分、反応容器内部の撹拌装置、反応容器の温度を制御する部分などからなる。本反応は、無溶媒もしくは溶媒中で反応させることができる。容器内に原料の一般式(9)で表されるSi−H結合を含むシリコーンポリマーとHC≡C−Rで表されるエチニル基を有する化合物および脱水素縮合用触媒さらに必要に応じて溶媒を仕込む。脱水素縮合用触媒は溶液状態、懸濁状態、あるいは溶媒に溶解することなくそのままの状態で仕込むことができる。反応溶液を所定の温度に制御しつつ、撹拌しながら所定の時間反応させる。所定の反応時間後、減圧蒸留になどにより溶媒を除去もしくはポリマーを析出させることにより変性シリコーン化合物が得られる。
反応式(F)で使用し得る脱水素縮合用触媒は遷移金属錯体触媒と塩基性触媒に大別できる。反応式(F)で使用し得る遷移金属錯体触媒としては、CuCl/アミン、CuBr/アミン、CuI/アミン、[IrH(HO)(bq)PPh]SbF(式中、bqはベンゾキノリネートを示す。)、[IrH(SiEt)(COD)AsPh](式中、CODはシクロオクタジエンを示す。以下同様)、Ir(OMe)(COD)、Ir(CO)12−PPh、Yb(PhCNPh)−HMPA、HPtCl/LiI−I、RhCl(PPh等が挙げられる。
反応式(F)で使用し得る塩基性触媒としては、先に本発明者らが下記特許公報の特許請求の範囲、例示化合物及び実施例で開示している塩基性酸化物(特開平7−90085)、金属水素化物(特開平10−120689号公報)、金属化合物類(特開平11−158187号公報)または典型元素金属に大別できる。
典型元素金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどの1族典型元素金属、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの2族典型元素金属が挙げられる。
これらの金属はそのまま用いてもかまわないが、特に2族典型元素金属は活性化した微粒子状態で使用することが望ましい。活性化した金属微粒子を得る方法としてはリチウム/芳香族錯体によりハロゲン化金属を還元する方法(H.Xiong,and R.D.Rieke,Journal of Organic Chemistry,Vol.54,3247−3249(1989).,T.Wu,H.Xiong,and R.D.Rieke,Journal of Organic Chemistry,Vol.55,5045−5051(1990).,A.Yanagisawa,S.Habaue,K.Yasue,and H.Yamamoto,Journal of American Chemical Society,Vol.116,6130−6141(1994).)やカリウムによりハロゲン化金属を還元する方法(T.P.Burns,and R.D.Rieke,Journal of Organic Chemistry,Vol.52,3674−3680(1987))、金属蒸気と溶媒を同時に凝縮させる方法(K.J.Klabunde,H.F.Efner,L.Satek,and W.Donley,Journal of Organometallic Chemistry,Vol.71 309−313(1974))などが挙げられる。
原料の一般式(9)で表されるSi−H結合を含むシリコーンポリマーとエチニル基を有する化合物の比率は特に限定するものではないが、好ましくはSi−H結合を含むシリコーンポリマーに含まれるSi−H結合100mmolに対し1mmolから500mmolである。更に好ましくは10〜100mmolである。触媒である遷移金属錯体触媒または塩基性触媒は単独であるいは二種以上を混合して使用することができる。触媒使用量はエチニル基を有する化合物100mmolに対し0.0001mmolから200mmolである。好ましくは0.01〜10mmolである。
容器内は高純度窒素あるいは高純度アルゴンなどの不活性ガスで置換することが望ましい。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレンのような芳香族炭化水素系溶媒や、ジエチルエーテル、n−ブチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタンのようなエーテル系溶媒や、ジクロロメタン、クロロホルムのような含ハロゲン溶媒や、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのような有機極性溶媒及びこれらの混合溶媒が使用できる。溶媒の量は原料のエチニル基を有する化合物1mmolに対して0.1〜40mlが好ましい。また、溶媒に含まれる水分が触媒の活性を低下させる場合があるので、溶媒は予め脱水乾燥したものを用いるのが好ましい。
反応温度は−50〜300℃、より好ましくは0〜150℃である。反応圧力は常圧、加圧のいずれでもかまわないが、反応温度が溶媒の沸点よりも高い場合には耐圧の反応容器を用いて加圧反応を行うことが望ましい。反応時間は反応温度などにより異なるが0.1〜200時間が適切である。
溶媒除去による変性シリコーン化合物の単離は、反応液に何も処理を施さない状態で行ってもかまわないが、飽和脂肪族炭化水素中への分散、濾過、水溶液による処理(特開平11−236388号公報)または陽イオン交換樹脂による処理などの方法により触媒を分離した後で行うことが好ましい。
触媒の分離に使用できる飽和脂肪族炭化水素としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等が挙げられる。飽和脂肪族炭化水素の使用量は原料のSi−H結合を含むシリコーンポリマー1gに対して0.01〜200ml、より好ましくは0.1〜50mlである。
陽イオン交換樹脂による触媒の除去は反応液を接触濾過法または固定層法により陽イオン交換樹脂で処理することにより行う。接触濾過法とは、具体的には反応液と陽イオン交換樹脂を混合し一定時間撹拌した後濾過により樹脂を除去する方法である。また固定層法とはH型の陽イオン交換樹脂を充填したカラムや充填塔などの固定層に反応液を通液することにより反応液より触媒を除去する方法である。処理の回数はいずれも通常1回であるが2〜100回の複数回行ってもかまわない。反応液は通常そのままで処理を行うが、溶媒により1.1〜100倍に希釈してもかまわない。
使用できる陽イオン交換樹脂としては、交換基としてスルホン基を有する強酸性H型陽イオン交換樹脂、交換基としてカルボキシル基、フェノール基、ホスホン基を有する弱酸性H型陽イオン交換樹脂、およびこれらの樹脂をシリカ、アルミナなどの担体に担持したものが挙げられる。これらの陽イオン交換樹脂は一種で、または複数種を混合して使用することができる。陽イオン交換樹脂の形態は粒状、粉末のいずれでもかまわない。含水量が10wt%を越える陽イオン交換樹脂は、そのままで使用してもでもかまわないが、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などにより含水量を10wt%以下にしておくことが望ましい。
陽イオン交換樹脂の使用量は樹脂の種類、交換容量、触媒の種類、反応液の触媒含有量により異なるが、反応液1mlに対し0.0001〜10gである。処理時間または滞留時間は陽イオン交換樹脂の種類、使用量、反応液中の触媒濃度により異なるが、0.001〜400時間である。処理温度は−50〜300℃、より好ましくは0〜150℃である。
以上の触媒除去操作後、溶媒除去、カラム分離、析出などの方法により反応液より変性シリコーン化合物の分離を行う。
得られた変性シリコーン化合物の好ましい重量平均分子量は500〜1000000である。更に好ましくは1000〜100000である。
(ホ)一般式(6)の変性シリコーン化合物
一般式(6)の変性シリコーン化合物としては下記の構造のものである。
Figure 0004247376
(各記号については前記と同様である)
原料として用いられる一般式(9)
Figure 0004247376
で表されるSi−H結合を含むシリコーンポリマーは(ニ)に記載のものが用いられる。
一般式(9)とR−C≡C−Rを反応式(G)によって一般式(6)の変性シリコーン化合物が得られる。
Figure 0004247376
もう一つの原料であるR−C≡C−Rで表されるエチニル基を有する化合物としてはプロピン、3−フルオロ−1−プロピン、1−ブチン、2−ブチン、1−ペンチン、1−ヘキシン、5−オキサ−1−ヘキシン、1−オクチン、3−オクチン、1−ブテン−3−イン、1−ペンテン−4−イン、2−ペンテン−4−イン、、1−ペンテン−3−イン、1−フルオロ−2−ペンテン−4−イン、1−ヘキセン−5−イン、1−ヘキセン−4−イン、6−オキサ−3−ヘプテン−1−イン、2−オクテン−7−イン、1,3−ブタジイン、1,3−ペンタジイン、1,4−ペンタジイン、5−フルオロ−1,3−ペンタジイン、6−オキサ−1,3−ヘプタジイン、1,5−ヘキサジイン、2,4−ヘキサジイン、1,3−ヘキサジイン、1,7−オクタジイン、フェニルアセチレン、1−フェニル−2−プロピン、1−フェニル−1−プロピン、1−フェニル−1−ブチン、4−フルオロフェニルアセチレン、4−メトキシフェニルアセチレン、p−ジエチニルベンゼン、m−ジエチニルベンゼン、2−エチニルフェノール、3−エチニルフェノール、4−エチニルフェノール、2−エチニルナフタレン、6−エチニル−2−ナフトール、5−エチニル−2−ナフトール、4−エチニル−4’−ヒドロキシビフェニル、9−エチニルアントラセン、10−エチニル−9−アントロール、4−エチニルトルエン、3−ヒドロキシ−5−エチニルトルエン、4−フルオロ−フェニルアセチレン、3−クロロ−5−エチニルフェノール、3−メトキシ−5−エチニルフェノール、4−エチニルアニソール、(4−エチニルフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、(4−エチニルフェニル)(フェニル)エーテル、(4−エチニルフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタン、(4−エチニルフェニル)(フェニル)メタン、4−(3−ブテニル−1−イニル)フェノール、4−(1,3−ブタジイニル)フェノール、1,2−ビスフェニルアセチレン等を挙げることができる。
一般式(6)で表される変性シリコーン化合物をSi−H結合を含むシリコーンポリマーとエチニル基を有する化合物より製造する方法を説明する。反応装置は原料を供給する部分、反応容器内部の撹拌装置、反応容器の温度を制御する部分などからなる。本反応は、無溶媒もしくは溶媒中で反応させることができる。容器内に原料の一般式(9)で表されるSi−H結合を含むシリコーンポリマーとRC≡C−Rで表される含エチニル基化合物およびヒドロシリル化反応用触媒さらに必要に応じて溶媒を仕込む。ヒドロシリル化反応用触媒は溶液状態、懸濁状態、あるいは溶媒に溶解することなくそのままの状態で仕込むことができる。反応溶液を所定の温度に制御しつつ、撹拌しながら所定の時間反応させる。所定の反応時間後、減圧蒸留になどにより溶媒を除去もしくはポリマーを析出させることにより変性シリコーン化合物が得られる。
反応式(G)で使用し得るヒドロシリル化反応用触媒としては遷移金属錯体が使用し得る。この遷移金属錯体としては、周期律表の第8族の遷移金属の錯体、例えば、RhCl(PPh、RhBr(PPh、RhI(PPh、RhCl(PBu、Rh(CO)12、Rh(CO)16、[RhCl(CO)、RhCl(CO)(PPh、RhH(CO)(PPh、[RhCl(CH=H、[RhCl(COD)](式中、CODはシクロオクタジエンを示す。以下同様)、[CpRhCl(式中、Cpはシクロペンタジエニル基またはペンタメチルシクロペンタジエニル基を示す。以下同様)、CpRh(CH=CH、Rh/C、RuCl(PPh、RuCl(PPh、Ru(CO)、Ru(CO)(PPh、Ru(CO)PPh、Ru(CO)12、Ru(CO)12、Ru(PPh、[RuCl(CO)、RuClH(CO)(PPh、RuH(PPh、RuH(PPh、RuCl(PhCN)(PPh、[CpRuCl、Ru/C、Ru(COD)(COT)(式中、COTはシクロオクタテトラエンを示す。以下同様)、Fe(CO)、Fe(CO)(PPh、Os(CO)12、OsH(CO)(PPh、Os/C、Co(CO)、Co(CO)(PPh、Co(CO)12、HCo(CO)、CoCl(PPh、Ir(CO)12、IrCl(CO)(PPh、[IrCl(CH=CH、IrCl(CH=CH)(PPh、[IrCl(COD)]、IrCl(PPh、IrH(PPh、Ni(CO)、Ni(COD)、Ni(CH=CH)(PPh、Ni(PPh、NiCl(PPh、Pd(PMe、Pd(PEt、Pd(PiPr、Pd(PiBu、Pd(PBu、Pd(P(c−C11、Pd(P(n−C13、Pd(PPh、PdCl(PMe、PdCl(PEt、PdCl(PiPr、PdCl(PBu、PdCl(P(c−C11、PdCl(P(n−C13、PdCl(PPh、PdCl(RCN)、PdCl(PPh、PdCl(PhNC)、PdCl(MeNC)、Pd(OCOCH、Pd(OCOPh)、Pd(PPh、Pd(CO)(PPh、Pd(CH=CH)(PPh、Pd(COD)、Pd(dba)(式中、dbaはジベンジリデンアセトンを示す。以下同様)、PdCl(dba)、Pd/C、PtCl(PhCH=CH、PtCl(PhCN)、PtCl(PPh(COD)、PtCl(PPh、PtCl(PEt、[PtCl(CH=CH)]、Pt(COD)、PtCl(COD)、Pt(PPh、Pt(PPh、Pt(CO)(PPh、Pt/C、PtHCl(PPh、HPtCl、KPtCl、KPtCl(CH=CH)、NaPtCl、Pt(dba)、Pt(dba)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの触媒は助触媒として触媒の1〜10等量のNEt、PiPr、P(c−C11、PPh等の配位子を加えて用いてもよい。例を挙げれば、PtCl(PPhにNEtを2等量加えて用いる、Pd(dba)にPPhを2等量加えて用いる等である。また、これらの錯体は単独で、もしくは2種以上の混合物として用いることもできる。
原料の一般式(9)で表されるSi−H結合を含むシリコーンポリマーとエチニル基を有する化合物の比率は特に限定するものではないが、好ましくはSi−H結合を含むシリコーンポリマーに含まれるSi−H結合100mmolに対し1mmolから500mmolである。更に好ましくは10から100mmolである。触媒である遷移金属錯体触媒または塩基性触媒は単独であるいは二種以上を混合して使用することができる。触媒使用量はエチニル基を有する化合物100mmolに対し0.00001mmolから200mmolである。好ましくは、0.01から10mmolである。
容器内は高純度窒素あるいは高純度アルゴンなどの不活性ガスで置換することが望ましい。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレンのような芳香族炭化水素系溶媒や、ジエチルエーテル、n−ブチルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタンのようなエーテル系溶媒や、ジクロロメタン、クロロホルムのような含ハロゲン溶媒や、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのような有機極性溶媒及びこれらの混合溶媒が使用できる。溶媒の量は原料のエチニル基を有する化合物1mmolに対して0.1〜40mlが好ましい。また、溶媒に含まれる水分が触媒の活性を低下させる場合があるので、溶媒は予め脱水乾燥したものを用いるのが好ましい。
反応温度は−50〜300℃、より好ましくは0〜150℃である。反応圧力は常圧、加圧のいずれでもかまわないが、反応温度が溶媒の沸点よりも高い場合には耐圧の反応容器を用いて加圧反応を行うことが望ましい。反応時間は反応温度などにより異なるが0.1〜200時間が適切である。
溶媒除去による変性シリコーン化合物の単離は、反応液に何も処理を施さない状態で行ってもかまわないが、飽和脂肪族炭化水素中への分散、濾過、水溶液による処理(特開平11−236388)または吸着剤による処理などの方法により触媒を分離した後で行うことが好ましい。
触媒の分離に使用できる飽和脂肪族炭化水素としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等が挙げられる。飽和脂肪族炭化水素の使用量は原料のSi−H結合を含むシリコーンポリマー1gに対して0.01〜200ml、より好ましくは0.1〜50mlである。
吸着剤による触媒の除去は反応液を接触濾過法または固定層法により吸着剤で処理することにより行う。接触濾過法とは、具体的には反応液と吸着剤を混合し一定時間撹拌した後濾過により樹脂を除去する方法である。また固定層法とは吸着剤を充填したカラムや充填塔などの固定層に反応液を通液することにより反応液より触媒を除去する方法である。処理の回数はいずれも通常1回であるが2〜100回の複数回行ってもかまわない。反応液は通常そのままで処理を行うが、溶媒により1.1〜100倍に希釈してもかまわない。
使用できる吸着剤としてはシリカゲル、アルミナ、イオン交換樹脂などが挙げられる。イオン交換樹脂としては、交換基としてスルホン基を有する強酸性H型陽イオン交換樹脂、交換基としてカルボキシル基、フェノール基、ホスホン基を有する弱酸性H型陽イオン交換樹脂、イミノジ酢酸基やポリアミノ基を有するキレート樹脂、およびこれらの樹脂をシリカ、アルミナなどの担体に担持したものが挙げられる。これらの吸着剤は一種で、または複数種を混合して使用することができる。吸着剤の形態は粒状、粉末のいずれでもかまわない。
吸着剤の使用量は樹脂の種類、交換容量、触媒の種類、反応液の触媒含有量により異なるが、反応液1mlに対し0.0001〜10gである。処理時間または滞留時間は吸着剤の種類、使用量、反応液中の触媒濃度により異なるが、0.001〜400時間である。処理温度は−50〜300℃、より好ましくは0〜150℃である。
以上の触媒除去操作後、溶媒除去、カラム分離、析出などの方法により反応液より変性シリコーン化合物の分離を行う。
得られた変性シリコーン化合物の好ましい重量平均分子量は、500〜1000000である。更に好ましくは1000〜100000である。
以上、いずれの変性シリコーン化合物も、不活性ガス中TGAにより測定したTd(5質量%減少温度)は、少なくとも300℃以上、好ましくは350℃以上である。
変性シリコーン化合物の硬化方法と硬化物
変性シリコーン化合物の硬化方法としては、熱による硬化、遷移金属、遷移金属錯体またはラジカル開始剤を用いた反応による硬化(特開平7−102069)のような通常の熱硬化性樹脂と同様の方法を採用できるが、本発明はこれらの製造方法に特に限定されるものではない。また、成型方法としては各種方法、即ち圧縮成型、トランスファー成型、積層成型、射出成型、注入成型などを使用することができる。
熱で硬化させる場合の雰囲気は特に限定はないが、好ましくは窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス中、または減圧下で行う。加熱温度は50〜700℃、好ましくは50〜500℃未満である。加熱時間については特に制限はないが、1分〜100時間が適切である。温度や時間は、変性シリコーン化合物の種類、分子量、雰囲気によって異なる。上記の方法で得られるものは本発明の硬化物として有用である。
上記硬化物の熱特性は、不活性ガス中TGAにより測定したTd(5重量%減温度)は、少なくとも300℃以上、好ましくは350℃以上である。
本発明における変性シリコーン化合物およびその硬化物は、航空宇宙用あるいは回路基板用樹脂、FRP用マトリックス樹脂、耐熱性向上用の樹脂添加剤、磁気コアのコーティング剤、プラズマエッチング装置用部材、プラズマディスプレイ部材等の用途に使用できる。
以下に実施例によって本発明の実施の態様を示すが、本発明はもとよりこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1−1
H−シリコーンとしてアヅマックス社のポリメチル−H−シロキサン(分子量Mw=1500〜1900)である、ポリ(メチルシロキサン)2mmolユニット、プロパルギルアルコール4mmol、溶媒としてベンゼン1ml、及び触媒として(HCuPPh0.03mgatm−Cuを、室温で3時間撹拌した。ヘキサン4mLを加えて触媒を沈殿させ、濾液を濃縮して、([メチル(プロパルギルオキシ)シロキサン])25を92%収率で得た。
このものは文献未収載の新規化合物で、Mw=10200、Mn=2900。元素分析測定値:C40.84%、H5.22%。{[メチル(プロパルギルオキシ)シロキサン]}25としての計算値:C42.08%、H5.30%であった。HNMR(C)δ0.1〜0.5,2.05〜2.25,4.25〜4.55ppm。
5%重量減温度(Td)はJIS K1120に基づき熱天秤(TGA)を用いて測定した。TGAは島津製作所(株)製TA−50を用い、試料10mgを不活性ガス流通下、加熱速度10℃/分で行った。
このものの窒素気流中でのTGA測定における5%重量減温度(Td)は422℃、1000℃での残さは70%であった。DSC測定では、280℃に発熱ピークが認められた。
実施例1−2
H−シリコーンとしてポリ(メチルシロキサン)2mmolユニット、プロパルギルアルコール2.2mmol、溶媒としてベンゼン1ml、及び触媒として(HCuPPh0.03mgatm−Cuを、室温で15時間撹拌した。ヘキサン4mlを加えて触媒を沈殿させ、濾液を濃縮して、ポリ{[メチル(プロパルギルオキシ)シロキサン]0.97(メチルシロキサン)0.0312を82%収率で得た。各ユニットの比率はHNMRシグナルの積分比より求めた。
このものは文献未収載の新規化合物で、Mw=3100、Mn=1400。元素分析測定値:C41.39%、H5.46%。{[メチル(プロパルギルオキシ)シロキサン]0.97(メチルシロキサン)0.0312としての計算値:C41.72%、H5.32%。29SiNMR(C)δ−56.96ppm。13CNMR(C)δ−5〜−3.5,51.00,73.72,81.82ppm。HNMR(C)δ0.1〜0.6,2.0〜2.3,4.2〜4.7ppm。
このものの窒素気流中でのTGA測定における5%重量減温度(Td)は414℃、1000℃での残さは74%であった。
実施例1−3
プロパルギルアルコールを2mmolとしたほかは、実施例1−1と同様に反応を行い、{[メチル(プロパルギルオキシ)シロキサン]0.89(メチルシロキサン)0.1130を87%収率で得た。
このものは文献未収載の新規化合物で、Mw=16200、Mn=3300。元素分析測定値:C39.65%、H5.45%。29SiNMR(C)δ−57.02ppm。13CNMR(C)δ−3.80,1.18,50.94,73.82,81.81ppm。{[メチル(プロパルギルオキシ)シロキサン]0.89(メチルシロキサン)0.1130としての計算値:C40.73%、H5.38%。HNMR(C)δ0.5〜0.55,2.05〜2.3,4.25〜4.55,4.95〜5.05ppm。IR(KBr)2167,1080cm−1
このものの窒素気流中でのTGA測定における5%重量減温度(Td)は423℃、10%重量減温度(Td10)は471℃、1000℃での残さは76%であった。
実施例1−4
プロパルギルアルコールを1mmolとしたほかは、実施例1−1と同様に反応を行い、{[メチル(プロパルギルオキシ)シロキサン]0.47(メチルシロキサン)0.53101を83%収率で得た。
このものは文献未収載の新規化合物で、Mw=29300、Mn=8600。元素分析測定値:C34.79%、H5.88%。{[メチル(プロパルギルオキシ)シロキサン]0.47(メチルシロキサン)0.53101としての計算値:C33.84%、H5.82%。29SiNMR(C)δ−34.43,−56.42ppm。13CNMR(C)δ−3.80,1.10,50.84,73.69,81.73ppm。HNMR(C)δ0.1〜0.5,2.05〜2.2,4.25〜4.5,4.95〜5.05ppm。
このものの窒素気流中でのTGA測定におけるTdは513℃、Td10は579℃、1000℃での残さは83%であった。DSC測定においては、189℃に発熱ピークが見られた。
実施例1−5
プロパルギルアルコールを1mmolとしたほかは、実施例1−1と同様に反応を行い、{[メチル(プロパルギルオキシ)シロキサン]0.46(メチルシロキサン)0.54108を77%収率で得た。
このものは文献未収載の新規化合物で、Mw=23100、Mn=9200。元素分析測定値:C33.63%、H5.83%。{[メチル(プロパルギルオキシ)シロキサン]0.46(メチルシロキサン)0.54108としての計算値:C33.63%、H5.84%。29SiNMR(C)δ−34.47,−56.45ppm。13CNMR(C)δ−3.81,1.36,50.80,73.71,81.67ppm。HNMR(C)δ0.1〜0.5,2.05〜2.2,4.3〜4.5,5.04ppm。
このものの窒素気流中でのTGA測定におけるTdは507℃、Td10は595℃、1000℃での残さは83%であった。
実施例1−6
プロパルギルアルコールを0.5mmolとしたほかは、実施例1−1と同様に反応を行い、{[メチル(プロパルギルオキシ)シロキサン]0.38(メチルシロキサン)0.62176を85%収率で得た。
このものは文献未収載の新規化合物で、Mw=31600、Mn=14300。元素分析測定値:C28.82%、H6.25%。29SiNMR(C)δ−34.5,−55.80ppm。13CNMR(C)δ−3.82,1.07,50.77,73.60,81.8ppm。HNMR(C)δ0.05〜0.5,2.05〜2.15,4.2〜4.4,4.9〜5.1ppm。
このものの窒素気流中でのTGA測定におけるTdは537℃、Td10は667℃、1000℃での残さは84%であった。
実施例1−7
プロパルギルアルコールの代わりに3−フェニルプロパルギルアルコールを2.4mmolとしたほかは、実施例1−1と同様に反応を行い、[メチル(3−フェニルプロパルギルオキシ)シロキサン]50を76%収率で得た。
このものは文献未収載の新規化合物で、Mw=28700、Mn=9500。元素分析測定値:C55.76%、H5.20%。29SiNMR(C)δ−56.5ppm。13CNMR(C)δ−3.58,51.80,85.53,87.84,123.41,128.52,132.01ppm。HNMR(C)δ0.1〜0.6,4.5〜5.0,6.85〜7.1,7.35〜7.5ppm。
このものの窒素気流中でのTGA測定におけるTdは403℃、1000℃での残さは51%であった。DTA測定においては、280℃に発熱ピークを示した。
実施例1−8
3−フェニルプロパルギルアルコールを0.95mmolとしたほかは、実施例1−7と同様に反応を行い、{[メチル(3−フェニルプロパルギルオキシ)シロキサン]0.49(メチルシロキサン)0.51117を73%収率で得た。
このものは文献未収載の新規化合物で、Mw=28800、Mn=14600。元素分析測定値:C48.30%、H6.05%。29SiNMR(C)δ−34.76,−55.77ppm。13CNMR(C)δ−3.59,1.15,51.58,85.52,87.62,123.37,128.51,129.11,131.96ppm。HNMR(C)δ0.1〜0.5,4.6〜4.8,4.95〜5.15,6.92〜7.07,7.37〜7.48ppm。
このものの窒素気流中でのTGA測定におけるTdは427℃、1000℃での残さは73%であった。
実施例1−9
H−シリコーンとしてポリ[(メチルシロキサン)0.48(フェニルメチルシロキサン)0.5241を用い、プロパルギルアルコールを3mmol用い、撹拌時間を4.5hとしたほかは、実施例1−2と同様に反応を行い、{(メチルシロキサン)0.19[メチル(プロパルギルオキシ)シロキサン]0.29(フェニルメチルシロキサン)0.5298を59%収率で得た。
このものは文献未収載の新規化合物で、Mw=43200、Mn=11300。元素分析測定値:C49.30%、H5.82%。29SiNMR(C)δ−32.0,−35.1,−56.9ppm。13CNMR(C)δ−3.55,−0.16,1.43,50.85,73.59,81.85,128.13,130.21,133.72,137.12ppm。HNMR(C)δ−0.1〜0.3,0.3〜0.8,1.9〜2.15,4.1〜4.6、4.9〜5.2,7〜7.4,7.5〜7.9ppm。
このものの窒素気流中でのTGA測定におけるTdは493℃、1000℃での残さは73%であった。また、DTA測定においては、215℃に発熱ピークを示した。
実施例1−10
プロパルギルアルコールを0.8mmol用いたほかは、実施例1−9と同様に反応を行い、{(メチルシロキサン)0.39[メチル(プロパルギルオキシ)シロキサン]0.09(フェニルメチルシロキサン)0.5267を71%収率で得た。
このものは文献未収載の新規化合物で、Mw=36500、Mn=7000。元素分析測定値:C45.66%、H6.01%。29SiNMR(C)δ−31.95,−35.20,−56.21ppm。13CNMR(C)δ0.58,1.33,50.78,73.52,128.13,130.19,133.69,137.14ppm。HNMR(C)δ0.05〜0.3,0.3〜0.65,1.95〜2.1,4.15〜4.45,4.95〜5.25,7.1〜7.4,7.6〜7.9ppm。
このものの窒素気流中でのTGA測定におけるTdは419℃、Td10は516℃、1000℃での残さは77%であった。
実施例1−11
実施例1−9の方法において、プロパルギルアルコールに代えて1,4−ブチンジオールを0.04mmol、及び触媒として(HCuPPhを0.005mgatm−Cuを用いて反応を行い、{(メチルシロキサン)0.42[メチル(4−ヒドロキシ−3−ブチニルオキシシロキサン)]0.02(フェニルメチルシロキサン)0.5684を72%収率で得た。
このものは文献未収載の新規化合物で、Mw=16400、Mn=8800であり、HNMR(C)δ0.05〜0.6,4.2〜4.6,4.9〜5.3、7.1〜7.3及び7.55〜7.95ppm。
このものの窒素気流中でのTGA測定におけるTdは356℃、Td10は387℃、1000℃での残さは50%であった。
実施例1−12
100mlのガラス製容器の内部に磁気攪拌子を設置し、容器内を高純度窒素ガスで置換した。続いて容器内に原料のポリ(メチルハイドロジェンシロキサン)76.16g)、プロパルギルアルコール34.73g、溶媒としてトルエン347gを仕込んだ。反応液を攪拌しながら、(HCuPPh5.136gをトルエン90gに溶かした溶液を滴下し、さらに25℃で4時間攪拌した。ヘキサン1301gを仕込んだ3000mL容器に反応液を投入し、一晩静置して触媒を析出させ、ポリフロンフィルター濾過により触媒を除去した。濾液をエバポレーターにて35℃で濃縮後、40℃、3mmHgで12時間減圧乾燥した。112.33gの目的生成物である黄色を帯びた透明液状の変性シリコーン化合物を得た。収率は98%であった。GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量は11,000であった。H−NMRよりSi−HとSi−OCH2C≡CHの比は49/51であった。
実施例1−13
実施例1−12で得られた変性シリコーン化合物2.1gをテフロン製の型に入れ、窒素雰囲気下240℃で2時間加熱し硬化させた。該硬化物を乳鉢で粉砕し、JIS K−1120に基づいて熱物性をTGAで測定した。アルゴン雰囲気におけるTd(5%重量減少温度)は500℃であった。また1000℃における重量残は81%であった。
実施例1−14
実施例1−12で得られた変性シリコーン化合物4.8gをテフロン製の型に入れ、窒素雰囲気下220℃で4時間加熱し硬化させた。さらにアルゴン気流中400℃で2時間熱処理し、黒色の変性シリコーン化合物の硬化物を得た。該硬化物を厚さ約1.5mmに研磨後、幅2mmに切断し、DMA7(パーキンエルマー社製)による3点曲げ強度を測定した。交点間距離は1.5mm、荷重速度は500mN/分とした。測定結果を表1に示す。
Figure 0004247376
実施例2−1
100mlのガラス製容器の内部に磁気撹拌子を設置し、容器内を高純度窒素ガスで置換した。続いて容器内に原料のポリ(メチルハイドロジェンシロキサン)2.41g、3−エチニルフェノール2.35g(19.9mmol)及び触媒としてトリフェニルホスフィン銅ハイドライド錯体六量体0.196g、溶媒としてトルエン20mlを仕込んだ。30℃で4時間撹拌後、反応液をヘキサン80mlに分散させて触媒を沈殿させ、ガラスフィルターで濾過した。さらに濾液を濃縮後、60℃で12時間減圧乾燥させ3.87gの目的生成物である変性シリコーン化合物が得られた。収率は82%であった。GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量は25400であった。
元素分析の測定値は、炭素38.2%、水素4.1%であった。
H−NMR(ppm,CDCl)0.1〜0.4(Si−C−)、3.0(C≡C−)、4.7(Si)、6.9〜8.1(Ph−H)。
IR(cm−1)841、1107、1264、2185、2961。
次に、この新規な変性シリコーン化合物の熱物性をTGAにより測定した。アルゴン雰囲気におけるTd(5%重量減少温度)は521℃であった。1000℃における重量残は83%であった。
実施例2−2
実施例2−1で得られた変性シリコーン化合物2.4gをテフロン製の型に入れ、窒素雰囲気下150℃で5時間加熱することにより変性シリコーン化合物硬化物を得た。該硬化物の熱物性をTGAにより測定した。アルゴン雰囲気におけるTd(5%重量減少温度)は530℃であった。また1000℃における重量残は83%であった。
比較例2−1
ポリ(ジハイドロジェンシロキサン)の熱物性をTGAにより測定したところ、アルゴン雰囲気におけるTd(5%重量減少温度)は228℃であった。また、1000℃における重量残は4%であった。
以上の結果より、Si−H結合を含むシリコーンポリマーと含エチニル基アルコール化合物を脱水素縮合用触媒により反応させることにより得られる明らかである。
実施例3−1
300mlのガラス製容器に15%塩酸80mlを仕込んだ。反応温度が10℃以下になるよう冷却および攪拌しつつジクロロシラン12.76gとジメチルジクロロシラン16.14gを溶解させたエーテル溶液120mlを滴下し、加水分解反応を行った。反応後上層のエーテル層を抜き取り50mlの水で2回水洗した。硫酸カルシウム20gで脱水後、エバポレーターによりエーテルを除去し、H型シリコーンオリゴマー11.98gが得られた。収率は79%であった。
次に、得られたH型シリコーンオリゴマー10.21g、ヘキサメチルジシロキサン0.05gおよび濃硫酸5.05gを100mlのガラス製容器に入れ室温で6時間攪拌した。5mlの水を加えさらに0.5時間攪拌後、上層のH型シリコーンを取り出した。このH型シリコーンに硫酸ナトリウム1.01gおよび炭酸ナトリウム1.04gを加え24時間静置した。7.48gのオイル状Si−H結合を含むシリコーンポリマーであるポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)]コポリマーが得られた。収率は73%であった。GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量は16700であった。元素分析の測定値は、炭素9.7%、水素4.9%であった。
実施例3−2
100mlのガラス製容器の内部に磁気撹拌子を設置し、容器内を高純度窒素ガスで置換した。続いて容器内に実施例3−1で得られたポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)]コポリマー2.44g、3−エチニルフェノール2.39g(20.3mmol)及び触媒としてトリフェニルホスフィン銅ハイドライド錯体六量体201mg、溶媒としてトルエン20mlを仕込んだ。30℃で4時間撹拌後、反応液をヘキサン80mlに分散させて触媒を沈殿させ、ガラスフィルターで濾過した。さらに濾液を濃縮後、60℃で12時間減圧乾燥させ3.39gの目的生成物である変性シリコーン化合物が得られた。収率は70%であった。GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量は18700であった。元素分析の測定値は、炭素38.3%、水素4.2%であった。
H−NMR(ppm,CDCl)0.1〜0.5(Si−C−)、3.0(C≡C−)、4.6(Si)、6.9〜8.1(Ph−H)。
IR(cm−1)844、1105、1260、2179、2949、3280。
次に、この新規な変性シリコーン化合物の熱物性をTGAにより測定した。アルゴン雰囲気におけるTd(5%重量減少温度)は514℃であった。1000℃における重量残は79%であった。
実施例3−3
実施例3−2で得られた変性シリコーン化合物2.1gをテフロン製の型に入れ、窒素雰囲気下150℃で5時間加熱することにより変性シリコーン化合物硬化物を得た。該硬化物の熱物性をTGAにより測定した。アルゴン雰囲気におけるTd(5%重量減少温度)は517℃であった。また1000℃における重量残は81%であった。
実施例4−1
100mlのガラス製容器の内部に磁気撹拌子を設置し、容器内を高純度窒素ガスで置換した。続いて容器内に原料のポリ(メチルハイドロジェンシロキサン)2.41g、ケイ皮アルコール2.67g(19.9mmol)及び触媒としてトリフェニルホスフィン銅ハイドライド錯体六量体0.196g、溶媒としてトルエン20mlを仕込んだ。30℃で4時間撹拌後、反応液をヘキサン80mlに分散させて触媒を沈殿させ、ガラスフィルターで濾過した。さらに濾液を濃縮後、60℃で12時間減圧乾燥させ4.27gの目的生成物である変性シリコーン化合物が得られた。収率は84%であった。GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量は8950であった。
元素分析の測定値は、炭素52.2%、水素7.1%であった。
H−NMR(ppm,CDCl)0.1〜0.4(Si−C−H)、4.3(C−H)、4.7(SiH)、6.3〜6.6(CH=CH)6.9〜8.1(Ph−H)。
IR(cm−1)745、1098、1494、2187、3024。
次に、この新規な変性シリコーン化合物の熱物性をTGAにより測定した。アルゴン雰囲気におけるTd(5%重量減少温度)は545℃であった。1000℃における重量残は74%であった。
実施例4−2
実施例4−1で得た変性シリコーン化合物2.5gをテフロン製の型に入れ、窒素雰囲気下150℃で5時間加熱することにより変性シリコーン化合物の硬化物を得た。該硬化物の熱物性をTGAにより測定した。アルゴン雰囲気におけるTd(5%重量減少温度)は545℃であった。1000℃における重量残は85%であった。
実施例4−3
100mlのガラス製容器の内部に磁気撹拌子を設置し、容器内を高純度窒素ガスで置換した。続いて容器内に原料のポリ(メチルハイドロジェンシロキサン)2.41g、ブテンジオール1.27g(17.6mmol)及び触媒としてトリフェニルホスフィン銅ハイドライド錯体六量体0.197g、溶媒としてトルエン20mlを仕込んだ。30℃で4時間撹拌後、反応液をヘキサン80mlに分散させて触媒を沈殿させ、ガラスフィルターで濾過した。さらに濾液を濃縮後、60℃で12時間減圧乾燥させ2.78gの目的生成物である変性シリコーン化合物が得られた。収率は76%であった。GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量は24910であった。
元素分析の測定値は、炭素33.4%、水素6.9%であった。
H−NMR(ppm,CDCl)0.1〜0.5(Si−C−H)、4.2(C−H)、4.7(SiH)、5.7〜5.9(CH=CH)。
IR(cm−1)1018、、1422、2175、2914、3320。
次に、この新規な変性シリコーン化合物の熱物性をTGAにより測定した。アルゴン雰囲気におけるTd(5%重量減少温度)は476℃であった。1000℃における重量残は64%であった。
実施例4−4
実施例4−1で得た変性シリコーン化合物2.2gをテフロン製の型に入れ、窒素雰囲気下150℃で5時間加熱することにより変性シリコーン化合物の硬化物を得た。該硬化物の熱物性をTGAにより測定した。アルゴン雰囲気におけるTd(5%重量減少温度)は496℃であった。1000℃における重量残は78%であった。
実施例5−1
粒径が30〜60メッシュの水酸化マグネシウム7.4gを石英焼成管に仕込み、0.4kPaの減圧下において350℃で3時間熱分解して5.1gの酸化マグネシウムを得、塩基性触媒として次ぎの反応に使用した。
100mlのガラス製容器の内部に磁気撹拌子を設置し、容器内を高純度窒素ガスで置換した。続いて容器内に原料のポリ(メチルハイドロジェンシロキサン)2.42g、フェニルアセチレン2.03g(20mmol)溶媒としてトルエン40mlを仕込んだ。撹拌しながら先に得た酸化マグネシウム5.1gを窒素シール下で加えた。30℃で1時間、40℃で1時間、50℃で1時間、60℃で1時間、さらに80℃で2時間撹拌後、反応液をポリフロンフィルターで濾過し触媒を除去した。さらに濾液を濃縮後、60℃で12時間減圧乾燥させ3.06gの目的生成物である変性シリコーン化合物が得られた。収率は69%であった。GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量は26200であった。
元素分析の測定値は、炭素51.2%、水素5.1%であった。
H−NMR(ppm,CDCl)0.1〜0.4(Si−C−)、4.8(Si)、6.9〜8.2(Ph−H)。
IR(cm−1)837、1116、1241、2162、2941。
次に、この新規な変性シリコーン化合物の熱物性をTGAにより測定した。アルゴン雰囲気におけるTd(5%重量減少温度)は544℃であった。1000℃における重量残は85%であった。
実施例5−2
実施例5−1で得られた変性シリコーン化合物1.9gをテフロン製の型に入れ、窒素雰囲気下150℃で5時間加熱することにより変性シリコーン化合物硬化物を得た。該硬化物の熱物性をTGAにより測定した。アルゴン雰囲気におけるTd(5%重量減少温度)は548℃であった。また1000℃における重量残は86%であった。
実施例6−1
100mlのガラス製容器の内部に磁気撹拌子を設置し、容器内を高純度窒素ガスで置換した。続いて容器内に原料のポリ(メチルハイドロジェンシロキサン)2.41g、フェニルアセチレン2.05g(20mmol)及び触媒としてビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム0.334g(0.04mmol)、溶媒としてトルエン20mlを仕込み40℃で6時間撹拌後させた。反応液をヘキサン80mlに分散させて触媒を沈殿させ、ガラスフィルターで濾過した。さらに濾液を濃縮後、60℃で12時間減圧乾燥させ3.37gの目的生成物である変性シリコーン化合物が得られた。収率は76%であった。GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量は21400であった。元素分析の測定値は、炭素49.7%、水素6.4%であった。
H−NMR(ppm,CDCl)0.1〜0.4(Si−C−)、4.7(Si)、5.9〜6.3(C=C−)、6.9〜8.1(Ph−H)。IR(cm−1)841、962、1107、1264、1670、2115、2961。
次に、この新規な変性シリコーン化合物の熱物性をTGAにより測定した。アルゴン雰囲気におけるTd(5%重量減少温度)は511℃であった。1000℃における重量残は74%であった。
実施例6−2
実施例6−1で得られた変性シリコーン化合物2.2gをテフロン製の型に入れ、窒素雰囲気下150℃で5時間加熱することにより変性シリコーン化合物硬化物を得た。該硬化物の熱物性をTGAにより測定した。アルゴン雰囲気におけるTd(5%重量減少温度)は518℃であった。また1000℃における重量残は78%であった。

Claims (8)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004247376
    (式中、R 及びR は水素または一価の有機基、R は二価の有機基、R 及びR は互いに同じであっても異なっていても良い一価の有機基である。R は−C≡C−で表される二価の炭素炭素不飽和結合基であり、R 及びR は互いに同じであっても異なっていても良い水素または一価の有機基である。kは0または1である。yは0を超えかつ1未満、x及びzは0以上1未満のx+y+z=1を満たす数である。但しR が水素でない場合はxは0ではない。mは3以上の正の数を示す。
    但し各構成要素は任意に配列していても良い。さらに()x、()y及び()zで示される構造については定義された構造であれば2種以上の異なった構造を含んでも良い。さらにはR は(O−R −R −R である1価の有機基でもよい。)で表されるSi−H結合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物。
  2. 上記一般式(1)において、R が一価の有機基、R が−C≡C−、k=1である、請求項1に記載のSi−H結合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物。
  3. 一般式(2)
    Figure 0004247376
    (式中、R は一価の有機基、R 、R 、R 及びR は請求項1記載のR 、R 、R 及びR と同義である。R は二価の有機基である。xは0を超えかつ1未満、y”、y”’、y””及びzは0以上1未満であり、x+y”+y”’+y””+z=1を満たす数である。ただしy”とy”’は同時に0にならない。mは3以上の正の数を示す。Pは[]m中に記載のポリマーの組成を示す。但し各構成要素は任意に配列していても良い。)で表される請求項1に記載のSi−H結合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物。
  4. 一般式(3)
    Figure 0004247376
    (式中、R 、R 、R 及びR は請求項1記載のR 、R 、R 及びR と同義である。x、w”はいずれも0以上1未満であり、zは0以上、1未満であり、wは0以上1以下で、x+w+w”+z=1を満たす数である。ただしwとw”は同時には0にはならない。また、R が水素である場合はx及びwはともに0でも良い。R が水素でない場合はxおよびwは同時に0にはならない。mは3以上の正の数である。但し各構成要素は任意に配列していても良い。)で表される請求項1に記載のSi−H結合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物。
  5. 一般式(5)
    Figure 0004247376
    (式中、R 、R 及びR は請求項1記載のR 、R 及びR と同義である。R 10 は一価の有機基である。q、r、s、t、u及びvはいずれも0以上1未満でq+r+s+t+u+v=1を満たす数である。ただしr、s、uは同時に0にはならない。またq、r、tは同時に0にはならない。mは3以上の正の数である。但し各構成要素は任意に配列していても良い。)で表される請求項1に記載のSi−H結合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の変成シリコン化合物を熱及び/または触媒を用いて得られる硬化物。
  7. 一般式(7)
    Figure 0004247376
    (式中、R 、R 及びR は請求項1記載のR 、R 及びR と同義である。x’+y’は0を超えかつ1以下、z’は0以上1未満であり、x’+y’+z’=1を満たす数である。nは3以上の正の数を示す。)で表されるH−シリコーン類を、HO−R −C≡C−R (式中、R およびR は請求項1記載のR およびR と同義である。)で表されるアルキニルアルコール及び/またはHO−R −C≡C−R −OH(式中、R は請求項1記載のR と同義である。R は請求項3記載のR と同義である。)で表されるアルキニレンジオール類と脱水素的に反応させることを特徴とする請求項2または3に記載のSi−H結合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物の製造方法。
  8. 一般式(8)
    Figure 0004247376
    式中、R 及びR は請求項1記載のR 及びR と同義である。x’、w’及びz ’はいずれも0以上1未満であり、x’+w’+z’=1を満たす数である。ただしx’とw’は同時に0にならない。nは3以上の正の数である。但し各構成要素は任意に配列していても良い。)で表されるH−シリコーン類とHO−R −C≡C−R (式中、R およびR は請求項1記載のR およびR と同義である。)で表されるアルキニルアルコールを脱水素縮合用触媒の存在下に反応させることを特徴とする請求項4に記載のSi−H結合と炭素炭素三重結合を有する変性シリコーン化合物の製造方法。
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