JP4246869B2 - オーディオ波形信号再生制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーディオ波形信号再生制御装置に関し、さらに詳細には、記憶手段に記憶された連続した一連のオーディオ波形信号を読み出して再生する際に用いて好適なオーディオ波形信号再生制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子楽器の分野においては、所謂、タイム・ストレッチと称される時間軸圧縮伸長の技術を利用して、記憶手段に記憶しておいた連続した一連のオーディオ波形信号を、それぞれ異なる音高で複数音並行して発音することができるようにした電子楽器が提案されている。
【0003】
この種の電子楽器として、例えば、特開平10−116082号公報に開示されたものがあるが、この特開平10−116082号公報には、さらに、オーディオ波形信号の発音開始を新たに指示したときに、当該オーディオ波形信号が既に発音中であれば、当該オーディオ波形信号の当該発音中の位置に連続する位置から当該新たな発音を開始するとともに、当該発音中の楽音も並行して発音するようにした技術が開示されている。
【0004】
ここで、特開平10−116082号公報に開示された上記した技術をより詳細に説明すると、例えば、図11に示すように、ある電子楽器において、第1発音チャンネルと第2発音チャンネルとの2個の発音チャンネルを備え、波形メモリのアドレスstart(先頭アドレス)からアドレスend(最終アドレス)までにオーディオ波形信号が記憶されているものとする。
【0005】
そして、第1発音チャンネルにおけるオーディオ波形信号の再生位置を示すポインタとして、ポインタsphase1を備えているものとする。
【0006】
上記したポインタsphase1は、第1の発音指示としての第1の押鍵たる押鍵1の押鍵タイミング(t0)においてアドレスstartから進行を開始し、ユーザーによって設定された所望の速度でアドレスendまで進行する。
【0007】
なお、ポインタsphase1は、押鍵1が押鍵されている間は進行し続けるものであるが、オーディオ波形信号の最終アドレスであるアドレスendに到達した後も押鍵1が押鍵され続けられている場合には、ポインタsphase1がアドレスendを越えて進行しないように、ポインタsphase1の進行が制限されている。
【0008】
即ち、この電子楽器は、楽音を生成するための発音チャンネルとして第1発音チャンネルと第2発音チャンネルとを備えており、第1発音チャンネルにおいては、ポインタsphase1が示す位置たるアドレスcur_sphase付近のオーディオ波形信号に従って、ユーザーによって指示された音高、即ち、押鍵1された鍵に対応した音高で再生すべきオーディオ波形信号を生成して楽音が再生されるものである。
【0009】
さらに、第2発音チャンネルにおいては、オーディオ波形信号の再生位置を示すポインタとして、ポインタsphase1とは異なる別のポインタであるポインタsphase2を備えているものとする。
【0010】
ここで、第1発音チャンネルが発音中である時刻t1に、第2の発音指示として第2の押鍵たる押鍵2があると、ポインタsphase2は第1発音チャンネルのポインタsphase1の値を引用して、以下、第1発音チャンネルのポインタsphase1と同じ値を示しながら進行する。
【0011】
その結果として、第2発音チャンネルでは、第1発音チャンネルのポインタsphase1が示す位置付近のオーディオ波形信号に従って、ユーザーによって指示された音高、即ち、押鍵2された鍵に対応した音高で再生すべきオーディオ波形信号を生成して楽音が再生されることになる。
【0012】
即ち、第1発音チャンネルと第2発音チャンネルとでは、第1発音チャンネルにおけるオーディオ波形信号の再生位置と同じ位置において、それぞれ指示された音高(即ち、第1発音チャンネルに関しては押鍵1で指示された音高であり、第2発音チャンネルに関しては押鍵2で指示された音高である。)で波形信号が再生されることになる。
【0013】
ここで、上記した特開平10−116082号公報に開示された技術によれば、全ての発音を一旦停止してから新たな発音を指示した場合には、一連のオーディオ波形信号の先頭アドレスから新たな発音指示に対応する発音を開始するようになされている。
【0014】
一方、上記したような一連のオーディオ波形信号の再生を時間経過に従って進めながら、さらに音高を時間的に変化させることができるものにおいて、和音演奏のように、ユーザーからの演奏操作により複数音を発音しながら、かつ、その音高を変化させたい場合がある。
【0015】
ところで、和音を鍵盤で押鍵して演奏する場合において、その和音の音高を変化させるために鍵盤の押鍵位置を変化しようとすると、鍵盤の全鍵が離鍵状態になってしまうことがある。そのような場合に、上記した特開平10−116082号公報に開示された技術によれば、オーディオ波形信号の再生位置が先頭アドレスに戻ってしまうことになり、こうした再生は不自然で好ましくないことが指摘されていた。
【0016】
こうした不自然さを改善するために、鍵盤の全鍵が離鍵状態になった場合には、オーディオ波形信号の再生位置の進行を当該離鍵状態になった位置で停止するようにし、再度押鍵があると当該停止した位置から再び再生を開始するようにした再生方法も提案されている。
【0017】
しかしながら、本願出願人の実験の結果によれば、このような再生方法でも、発音のタイミングが詰まったような感じになってしまい、楽音信号の再生装置としては好ましくない結果が生じてしまうという問題点があった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記したような従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記した従来の技術の有する種々の欠点を排除し、自然な楽音を再生することのできるようにしたオーディオ波形信号再生制御装置を提供しようとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、連続した一連のオーディオ波形信号を記憶した記憶手段と、上記記憶手段に記憶されたオーディオ波形信号の再生および再生停止を指示する発音制御情報を入力する発音制御情報入力手段と、上記発音制御情報入力手段によって入力された再生を指示する発音制御情報に基づいて、上記記憶手段に記憶された上記オーディオ波形信号の再生位置を示すものであって、上記オーディオ波形信号の先頭位置から所定の進行速度で変化する再生位置情報を発生する再生位置情報発生手段と、上記発音制御情報入力手段によって入力された発音制御情報と上記再生位置情報発生手段によって発生された再生位置情報とに基づいて、上記記憶手段に記憶されたオーディオ波形信号を再生する再生手段と、上記再生位置情報発生手段によって発生された再生位置情報の示す再生位置の変化を継続することを指示するホールド情報を入力するホールド情報入力手段と、上記発音制御情報入力手段によって入力された発音制御情報が再生を指示している状態から再生停止を指示している状態となり再び再生を指示した際に、上記ホールド情報入力手段によって入力されたホールド情報が再生位置の変化を継続することを指示している場合には、上記発音制御情報入力手段によって入力された発音制御情報が再生を指示している状態から再生停止を指示している状態となり再び再生を指示したときに、上記再生手段による上記記憶手段に記憶されたオーディオ波形信号の再生が、上記発音制御情報入力手段によって入力された、先の再生を指示する発音制御情報に基づいて継続して変化した場合の再生位置から開始されるように再生位置情報を制御する制御手段とを有するようにしたものである。
【0020】
従って、本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、オーディオ波形信号の再生を行っている状態から再生を停止し、その後に再生を開始する場合において、再生停止中においても継続してオーディオ波形信号の再生位置が変化した場合の再生位置から再生を開始することができる。
【0021】
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、上記ホールド情報入力手段は、オン/オフを切り換え操作するペダル・スイッチであり、オン/オフの切り換え操作に応じて、上記再生位置情報発生手段によって発生された再生位置情報の示す再生位置の変化を継続することを指示するようにしたものである。
【0022】
従って、本発明のうち請求項2に記載の発明によれば、ペダル操作でのオン/オフの切り換えにより、オーディオ波形信号の再生を行っている状態から再生を停止し、その後に再生を開始する場合において、再生停止中においても継続してオーディオ波形信号の再生位置が変化した場合の再生位置から再生を開始することを選択することができる。
【0023】
なお、1つのオーディオ波形信号を異なる音高で同時に再生することが可能なものに対して本発明を適用することができ、その場合には音高と再生位置とを独立に制御することが可能となる。
【0024】
また、本発明は、時間軸圧縮伸長技術を利用したオーディオ波形再生技術に適用することができる。
【0025】
さらに、本発明においては、オーディオ波形信号の再生の手法は限定されるものではなく、種々の手法を用いることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるオーディオ波形信号再生制御装置の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0027】
なお、以下に説明する実施の形態は、図11に関して上記において説明したような、記憶手段としての波形メモリに記憶されたオーディオ波形信号に関して、再生位置情報たるポインタsphaseで示す付近のオーディオ波形信号を使用しながら、指示された音高で当該オーディオ波形信号を再生するようにしたものである。
【0028】
なお、以下の説明においては、本発明の理解を容易にするために、図11に関して上記において説明したような従来の技術を適用できる技術内容の説明は省略し、本発明の実施に関連する技術内容である、再生位置情報たるポインタsphaseに関するオーディオ波形信号の生成について詳細に説明するものとする。
【0029】
図1には、本発明によるオーディオ波形信号再生制御装置の実施の形態の一例を示すブロック構成図が示されているが、このオーディオ波形信号再生制御装置は、後述するように、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)16が4個の発音チャンネル(発音チャンネル1、発音チャンネル2、発音チャンネル3および発音チャンネル4(図6参照))を構成するものとし、当該4個の発音チャンネルにより4音を同時に発音することができるものとする。
【0030】
そして、このオーディオ波形信号再生制御装置は、その全体の動作の制御を中央処理装置(CPU)10を用いて制御するように構成されている。
【0031】
このCPU10には、バスを介して、CPU10ならびに後述するDSP16の動作を制御するためのプログラムなどが記憶されたリード・オンリ・メモリ(ROM)12と、CPU10によるプログラムの実行に必要な各種レジスタ群などが設定されたワーキング・エリアとしてのランダム・アクセス・メモリ(RAM)14と、4個の発音チャンネルを構成するDSP16と、各種の操作子群18と、鍵盤20と、ホールド・スイッチ22と、表示装置24とが接続されている。
【0032】
また、DSP16には、記憶手段としての波形メモリ26が接続されるとともにデジタル/アナログ変換器(D/A)28が接続されている。
【0033】
さらに、D/A28には増幅器30が接続されており、増幅器30にはスピーカー32が接続されている。
【0034】
以下、上記したオーディオ波形信号再生制御装置を構成する各構成要素の中で、本発明の実施に関連する主要な構成要素について詳細に説明する。
【0035】
まず、ROM12は、上記したように、CPU10ならびにDSP16の動作を制御するためのプログラムなどを記憶した記憶手段である。なお、DSP16の動作を制御するためのプログラムは、ROM12からCPU10を介してDSP16へ転送される。
【0036】
次に、RAM14は、上記したように、CPU10によるプログラムの実行に必要な各種レジスタ群などが設定されたワーキング・エリアとして使用される記憶手段である。
【0037】
そして、CPU10は、ROM12に記憶されたプログラムに従って動作し、操作子群18、鍵盤20ならびにホールド・スイッチ22の操作状態を検出して、当該検出した操作状態に応じた動作の制御をしたり、あるいは、表示装置24における表示状態の制御をしたり、あるいは、DSP16を制御したりする制御手段である。
【0038】
また、波形メモリ26は、このオーディオ波形信号再生制御装置により再生する連続した一連のオーディオ波形信号を記憶している記憶手段である。
【0039】
次に、DSP16は、波形メモリ26に記憶されているオーディオ波形信号を再生するための演算処理を行うデジタル信号処理手段である。即ち、DSP16は、波形メモリ26に記憶されているオーディオ波形信号から、再生すべきオーディオ波形信号を算出する処理を行うものである。
【0040】
さらに、D/A28は、DSP16で算出された再生すべきオーディオ波形信号(デジタル信号)をアナログ信号に変換して出力する信号変換手段である。なお、D/A28から出力されたアナログ信号は、増幅器30を介して、スピーカー32から聴取し得る楽音として空間に放音されることになる。
【0041】
次に、操作子群18について説明すると、操作子群18には、波形メモリ26に記憶されたオーディオ波形信号の中から再生の処理の対象として所望のオーディオ波形信号を選択するための操作子などの他に、各種の動作を指示するための操作子が設けられているが、以下においては、本発明の実施に関連する操作子として、時間圧伸量設定操作子とモード設定操作子とについてのみ説明することとし、その他の操作子については公知の技術を適用できるものであるのでその説明を省略する。
【0042】
まず、時間圧伸量設定操作子について説明すると、この時間圧伸量設定操作子は、オーディオ波形信号を再生するときにおける時間軸上の時間圧伸量を設定するための操作子である。なお、時間圧伸量設定操作子によって設定された時間圧伸量を示す値は、レジスタTCOMPに記憶され設定される。
【0043】
ここで、レジスタTCOMPの設定値が「TCOM>1」であるときには、オーディオ波形信号を再生するときに時間軸圧縮して再生するものであり、また、レジスタTCOMPの設定値が「TCOM=1」であるときには、オーディオ波形信号を再生するときに時間軸圧縮も時間軸伸長もせずに再生するものであり、また、レジスタTCOMPの設定値が設定値が「TCOM<1」であるときには、オーディオ波形信号を再生するときに時間軸伸長して再生するものである。
【0044】
次に、モード設定操作子について説明すると、このモード設定操作子は、あるオーディオ波形信号に基づいて複数音再生する場合に、当該複数音間で同期再生するか否かの再生モードを設定する操作子である。なお、モード設定操作子によって設定された再生モードを示す値は、レジスタMODEに記憶され設定される。
【0045】
ここで、レジスタMODEの設定値が「MODE=1」のときには、オーディオ波形信号を複数音再生する場合に同期再生するものである。即ち、鍵盤20が全鍵離鍵状態から最初に押鍵されたその最初の発音開始指示により、オーディオ波形信号の再生位置を示す再生位置情報たるポインタsphaseの進行が始まり、その後の鍵盤20の押鍵による発音開始指示による発音は、当該再生位置情報たるポインタsphaseの進行に同期してオーディオ波形信号を再生することにより行われる。
【0046】
また、レジスタMODEの設定値が「MODE=0」のときには、オーディオ波形信号を複数音再生する場合に非同期再生するものである。即ち、鍵盤20の押鍵による発音開始指示毎にそれぞれの発音チャンネルの再生位置情報たるポインタsphaseの進行が始まり、それぞれの発音チャンネルにおける発音は、それぞれの再生位置情報たるポインタsphaseの進行に基づいてオーディオ波形信号を再生することにより行われるものであり、発音チャンネル間の同期関係はない。
【0047】
次に、鍵盤20は、オーディオ波形信号の再生および再生停止を指示する発音制御情報を入力するとともに、音高のシフト量を指示する演奏操作装置である。なお、音高のシフト量は、鍵盤20の演奏操作によって押鍵した鍵の音高データ(「鍵盤20の演奏操作によって押鍵した鍵の音高データ」は、CPU10のレジスタKEYPに設定され記憶される。)と基準となる音高として予め定めた音高データ(「基準となる音高として予め定めた音高データ」は、CPU10のレジスタORGPに設定され記憶される。)との音程に従って指示されるものである。
【0048】
また、ホールド・スイッチ22は、鍵盤20の全鍵が離鍵状態においても、オーディオ波形信号の再生位置を変化させるか否かを示すホールド情報の設定を行うオン(ON)/オフ(OFF)切り換え式の操作子である。そして、このホールド・スイッチ22は、両手を用いた鍵盤20の演奏操作と並行して操作することが望ましいものであるため、足で操作してオン/オフを切り換え可能なペダル・スイッチとして構成することが好ましい。
【0049】
なお、ホールド・スイッチ22によって設定されたオーディオ波形信号の再生位置を変化させるか否かの設定を示す値は、ホールド情報としてレジスタHOLDに記憶され設定される。
【0050】
ここで、ホールド・スイッチ22がオンされると、レジスタHOLDの設定値が「HOLD=1」に設定され、鍵盤20の全鍵が離鍵状態においてオーディオ波形信号の再生位置を変化させる処理が行われることになる(なお、以下においては、適宜に、「鍵盤20の全鍵が離鍵状態においてオーディオ波形信号の再生位置を変化させる」ことを「ホールドする」と称する。)。
【0051】
一方、ホールド・スイッチ22がオフされると、レジスタHOLDの設定値が「HOLD=0」に設定され、鍵盤20の全鍵が離鍵状態においてオーディオ波形信号の再生位置を変化させない処理が行われることになる(なお、以下においては、適宜に、「鍵盤20の全鍵が離鍵状態においてオーディオ波形信号の再生位置を変化させない」ことを「ホールドしない」と称する。)。
【0052】
そして、このオーディオ波形信号再生制御装置においては、操作子群18のモード設定操作子によるモード設定とホールド・スイッチ22によるホールド設定との関係に応じて、次に説明するようにそれぞれ異なる動作が実現されるものである。
【0053】
即ち、「MODE=1」(同期再生する)の場合において、「HOLD=1」(ホールドする)のときには、鍵盤20の全鍵が離鍵されて全発音が停止され、その後に鍵盤20が再び押鍵されて発音が指示された場合でも、鍵盤20の押鍵による最初の発音開始の指示で進行が始まった再生位置情報たるポインタsphaseに基づいて、オーディオ波形信号の再生が行われる。
【0054】
また、「MODE=1」(同期再生する)の場合において、「HOLD=0」(ホールドしない)のときには、鍵盤20の押鍵により発音が1つでも続いているときは、鍵盤20の押鍵による最初の発音開始の指示で進行が始まった再位置情報たるポインタsphaseに基づいて再生されることになるが、鍵盤20の全鍵が離鍵されて全発音が停止され、その後に鍵盤20が再び押鍵されて発音が指示されたときは、オーディオ波形信号の先頭アドレスから発音が開始される。
【0055】
次に、「MODE=0」(非同期再生する)の場合において、「HOLD=1」(ホールドする)のときには、鍵盤20の全鍵が離鍵されてそれぞれの発音チャンネル毎に発音が停止され、その後に鍵盤20が再び押鍵されて再び発音が指示されても、それぞれの発音チャンネルにおいては、それぞれの発音チャンネルに関して鍵盤20の押鍵による最初の発音開始の指示で進行が始まった再生位置情報たるポインタsphaseに基づいて再生される。
【0056】
また、「MODE=0」(非同期再生する)の場合において、「HOLD=0」(ホールドしない)のときには、鍵盤20の全鍵が離鍵されてそれぞれの発音チャンネル毎に発音が停止され、その後に鍵盤20が再び押鍵されて再び発音が指示されたときには、それぞれの押鍵毎のタイミングに従ってオーディオ波形信号の先頭アドレスから発音が開始される。
【0057】
以上の構成において、このオーディオ波形信号再生制御装置においては、電源を投入されると、図2のフローチャートに示すCPU10のメイン・ルーチンが高速で繰り返し実行されることになる。
【0058】
なお、以下の説明ならびにフローチャートにおいて、ローマ字の大文字で示す処理はCPU10における処理を示し、ローマ字の小文字で示す処理はDSP16における処理を示すものとする。
【0059】
即ち、このオーディオ波形信号再生制御装置に電源が投入されると、図2のフローチャートに示すCPU10のメイン・ルーチンが起動されることになり、始めに、各種のレジスタ群を初期値に設定する初期設定の処理を行う(ステップS202)。具体的には、操作子群18、鍵盤20ならびにホールド・スイッチ22の操作状態を検出し、CPU10のレジスタTCOMP、レジスタMODE、レジスタHOLD、レジスタCGATE、レジスタP_SHIFTならびにレジスタGATEを初期値に設定し、DSP16のレジスタtcomp、レジスタmode、レジスタhold、レジスタcgate、レジスタp_shiftならびにレジスタgateを初期値に設定するものである。
【0060】
上記したステップS202の処理を終了すると、ステップS204の処理へ進み、メイン・ルーチンのサブ・ルーチンとして、操作子群処理ルーチンを実行する。この操作子群処理ルーチンにおいては、操作子群18を走査し、操作子群18の操作に対応してレジスタを設定する処理が実行されることになるが、その詳細は、図3に示すフローチャートを参照しながら後述する。
【0061】
上記したステップS204の処理を終了すると、ステップS206の処理へ進み、メイン・ルーチンのサブ・ルーチンとして、鍵盤処理ルーチンを実行する。この鍵盤処理ルーチンにおいては、鍵盤20を走査し、鍵盤20の鍵操作に対応してレジスタを設定する処理が実行されることになるが、その詳細は、図4に示すフローチャートを参照しながら後述する。
【0062】
上記したステップS206の処理を終了すると、ステップS208の処理へ進み、メイン・ルーチンのサブ・ルーチンとして、ホールド・スイッチ処理ルーチンを実行する。このホールド・スイッチ処理ルーチンにおいては、ホールド・スイッチ22を走査し、ホールド・スイッチ22の操作に対応してレジスタを設定する処理が実行されることになるが、その詳細は、図5に示すフローチャートを参照しながら後述する。
【0063】
そして、上記したステップS208の処理を終了すると、ステップS204の処理へ戻り、電源を遮断されるまで、ステップS204、ステップS206およびステップS208の処理を順次繰り返し実行する。
【0064】
次に、図3に示すフローチャートを参照しながら、操作子群処理ルーチンについて説明する。
【0065】
なお、この操作子群処理ルーチンにおいては、本来は操作子群18を構成する全ての操作子に関する処理が行われるものであるが、以下の説明においては理解を容易にするために、本発明の実施に関連する時間圧伸量設定操作子ならびにモード設定操作子の処理についてのみ詳細に説明するものとし、その他の操作子の処理については、公知の技術を援用することによりその詳細な説明は省略する。
【0066】
また、この操作子群処理ルーチンにおいて設定されるレジスタTCOMPならびにレジスタMODEはCPU10のレジスタであり、この操作子群処理ルーチンにおいて設定されるレジスタtcompならびにレジスタmodeはDSP16のレジスタである。
【0067】
まず、操作子群処理ルーチンが起動されると、操作子群18を構成する各種の操作子の走査を行い(ステップS302)、操作子群18を構成する各種の操作子の操作状態に変化があるか否かを判断する(ステップS304)。
【0068】
このステップS304の判断処理において、操作子群18を構成する各種の操作子の操作状態に変化がないと判断された場合には、そのままメイン・ルーチンへリターンする。
【0069】
一方、ステップS304の判断処理において、操作子群18を構成する各種の操作子の操作状態に変化があると判断された場合には、ステップS306の処理へ進み、時間圧伸量設定操作子の操作状態に変化があるか否かを判断する。
【0070】
ステップS306の判断処理において、時間圧伸量設定操作子の操作状態に変化があると判断された場合には、時間圧伸量設定操作子の操作状態の変化に応じてレジスタTCOMPの値を更新する(ステップS308)。
【0071】
ステップS308の処理を終了すると、ステップS310の処理へ進み、レジスタTCOMの値をDSP16のレジスタtcompに設定する。
【0072】
そして、ステップS308の処理を終了した場合には、ステップS312の処理へ進む。
【0073】
一方、ステップS306の判断処理において、時間圧伸量設定操作子の操作状態に変化がないと判断された場合には、ステップS312の処理へジャンプして進む。
【0074】
そして、ステップS312の処理においては、モード設定操作子の操作状態に変化があるか否かを判断する。
【0075】
ステップS312の判断処理において、モード設定操作子の操作状態に変化があると判断された場合には、モード設定操作子の操作状態の変化に応じてレジスタMODEの値を更新する(ステップS314)。
【0076】
ステップS314の処理を終了すると、ステップS316の処理へ進み、レジスタMODEの値をDSP16のレジスタmodeに設定する。
【0077】
そして、ステップS316の処理を終了すると、操作子群処理ルーチンを終了してメイン・ルーチンへリターンする。
【0078】
一方、ステップS312の判断処理において、モード設定操作子の操作状態に変化がないと判断された場合には、ステップS318へ進み、その他の処理として時間圧伸量設定操作子およびモード設定操作子以外の各種の操作子の操作状態の変化に応じた処理を行い、ステップS318の処理を終了すると、操作子群処理ルーチンを終了してメイン・ルーチンへリターンする。
【0079】
次に、図4に示すフローチャートを参照しながら、鍵盤処理ルーチンについて説明する。
【0080】
なお、この鍵盤処理ルーチンにおいて設定されるレジスタGATE、レジスタP_SHIFT、レジスタCGATE、レジスタKEYP、レジスタORGPはCPU10のレジスタであり、この鍵盤処理ルーチンにおいて設定されるレジスタgate、レジスタp_shift、レジスタcgateはDSP16のレジスタである。
【0081】
なお、レジスタGATE、レジスタP_SHIFT、レジスタgateならびにレジスタp_shiftは、DSP16によって構成される発音チャンネル毎に設けられており、従ってこの実施の形態においては、それぞれ4つのレジスタが設けられているものである。
【0082】
ここで、鍵盤処理ルーチンに関する以下の説明の理解を容易にするために、上記した各レジスタの内容を詳細に説明しておく。
【0083】
(1)レジスタGATE
発音チャンネル毎に当該発音チャンネルが発音中であるか否かを示す情報を記憶するレジスタであり、各発音チャンネル毎に設定されている。なお、「GATE=1」で「発音」を表し、「GATE=0」で「消音」を表す。
【0084】
(2)レジスタP_SHIFT
オーディオ波形信号を再生するときの音高を表す情報、具体的には、記憶されたオーディオ波形信号の音高のシフト量を示す情報を記憶するレジスタであり、各発音チャンネル毎に設定されている。
【0085】
(3)レジスタCGATE
オーディオ波形信号を発音中であるか否かを示す情報を記憶するレジスタであり、全発音チャンネルに共通して1つ設定されている。「CGATE=1」で少なくとも1音が発音中である状態を表し、「CGATE=0」で1音も発音されていない状態を表す。
【0086】
(4)レジスタKEYP
鍵盤20の操作鍵の情報を記憶するレジスタであり、記憶されたオーディオ波形信号の音高のシフト量を算出するときに使用する。
【0087】
(5)レジスタORGP
記憶されたオーディオ波形信号をオリジナルの音高で再生するときの音高情報、即ち、予め定められた音高情報を記憶するレジスタであり、記憶されたオーディオ波形信号の音高のシフト量を算出するときに使用する。
【0088】
そして、鍵盤処理ルーチンが起動されると、鍵盤20を構成する各鍵の走査を行い(ステップS402)、鍵盤20を構成する各鍵の鍵操作状態に変化があるか否かを判断する(ステップS404)。
【0089】
このステップS404の判断処理において、鍵盤20を構成する各鍵の鍵操作状態に変化があるとは判断されなかった場合には、そのままメイン・ルーチンへリターンする。
【0090】
一方、ステップS404の判断処理において、鍵盤20を構成する各鍵の鍵操作状態に変化があると判断された場合には、ステップS406の処理へ進み、鍵盤20を構成する各鍵の鍵操作状態の変化が押鍵であるか離鍵であるかを判断する。
【0091】
ステップS406の処理において、鍵盤20を構成する各鍵の鍵操作状態の変化が押鍵であると判断された場合には、ステップS408の処理へ進み、その押鍵が全ての鍵が離鍵された状態からの新たな押鍵、即ち、最初の押鍵であるか否かを判断する。
【0092】
このステップS408の判断処理において、その押鍵が全ての鍵が離鍵された状態からの新たな押鍵であると判断された場合には、ステップS410の処理へ進んでレジスタCGATEに「1」を設定し、それからステップS414の処理へ進む。
【0093】
一方、ステップS408の判断処理において、その押鍵が全ての鍵が離鍵された状態からの新たな押鍵ではないと判断された場合には、ステップS412の処理へ進み、発音チャンネルの中に発音中でない空きチャンネルが存在するか否かを判断する。
【0094】
このステップS412の処理において、空きチャンネルが存在しないと判断された場合には、そのままメイン・ルーチンへリターンする。
【0095】
一方、ステップS412の処理において、空きチャンネルが存在すると判断された場合には、ステップS414の処理へ進むことになる。
【0096】
そして、ステップS414の処理においては、押鍵された鍵の音高データを得て、レジスタKEYPに設定して記憶する。
【0097】
上記したステップS414の処理を終了すると、各チャンネル毎の処理を順次に行うことになる。即ち、各チャンネル毎の処理として、押鍵を空きチャンネルに割り当ててパラメータ設定の準備を行い(ステップS416)、「KEYP/ORGP」の値をレジスタP_SHIFTに設定するとともにレジスタGATEに「1」を設定し(ステップS418)、DSP16のレジスタp_shiftとレジスタgateにレジスタP_SHIFTとレジスタGATEの値を設定し(ステップS420)、それからステップS432の処理へ進む。
【0098】
一方、ステップS406の判断処理において、鍵盤20を構成する各鍵の鍵操作状態の変化が離鍵であると判断された場合には、ステップS422の処理へ進み、鍵盤20の全鍵が離鍵であるか否かを判断する。
【0099】
このステップS422の判断処理において、鍵盤20の全鍵が離鍵であると判断された場合には、ステップS424の処理へ進んでレジスタCGATEに「0」を設定し、それからステップS426の処理へ進む。
【0100】
一方、ステップS422の判断処理において、鍵盤20の全鍵が離鍵であるとは判断されなかった場合には、そのままステップS426の処理へ進む。
【0101】
そして、ステップS426の処理においては、割り当てられていた発音チャンネルを選択してパラメータ設定の準備を行う。
【0102】
上記したステップS426の処理を終了すると、ステップS428の処理へ進んでレジスタGATEに「0」を設定し、それからステップS430へ進んでDSP16のレジスタgateにレジスタGATEの値を設定する。
【0103】
そして、上記したステップS430の処理を終了すると、ステップS432の処理へ進む。
【0104】
ステップS432においては、DSP16のレジスタcgateにレジスタCGATEの値を設定し、それからメイン・ルーチンへリターンする。
【0105】
ここで、ステップS416において、押鍵を空きチャンネル、即ち、発音中でない発音チャンネルに割り当てる際には、最も後に空きチャンネルとなった発音チャンネルから優先的に割り当てる処理を行う。その理由は、非同期再生のときに、先に発音していた発音チャンネルに優先的に割り当てるためである。
【0106】
また、同期再生のみを行う場合には、上記したような空きチャンネルの優先的な割り当ての処理を行う必要はなく、空きチャンネルになった順番など適宜の手法で割り当てを行えばよい。
【0107】
次に、図5に示すフローチャートを参照しながら、ホールド・スイッチ処理ルーチンについて説明する。
【0108】
なお、このホールド・スイッチ処理ルーチンにおいて設定されるレジスタHOLDはCPU10のレジスタであり、このホールド・スイッチ処理ルーチンにおいて設定されるレジスタholdはDSP16のレジスタである。
【0109】
まず、ホールド・スイッチ処理ルーチンが起動されると、ホールド・スイッチ22の走査を行い(ステップS502)、ホールド・スイッチ22の操作状態に変化があるか否かを判断する(ステップS504)。
【0110】
ステップS504の判断処理において、ホールド・スイッチ22の操作状態に変化がないと判断された場合には、そのままメイン・ルーチンへリターンする。
【0111】
一方、ステップS504の判断処理において、ホールド・スイッチ22の操作状態に変化があると判断された場合には、ステップS506の処理へ進み、ホールド・スイッチ22がオン(ON)であるか、あるいは、ホールド・スイッチ22がオフ(OFF)であるかを判断する。
【0112】
ステップS506の判断処理において、ホールド・スイッチ22がオン(ON)であると判断された場合には、ステップS508へ進んでレジスタHOLDに「1」を設定し、一方、ステップS506の判断処理において、ホールド・スイッチ22がオフ(OFF)であると判断された場合には、ステップS510へ進んでレジスタHOLDに「0」を設定する。
【0113】
そして、ステップS508の処理またはステップS510の処理を終了すると、ステップS512の処理へ進み、レジスタHOLDの値をDSP16のレジスタholdに設定する。このステップS512の処理を終了すると、メイン・ルーチンへリターンする。
【0114】
次に、DSP16において実行される処理をハードウェア構成的に示したブロック図である図6を参照しながら、DSP16において実行される処理について説明する。
【0115】
即ち、DSP16は、波形生成手段とレジスタとを備えており、波形生成手段は、発音チャンネル1、発音チャンネル2、発音チャンネル3および発音チャンネル4の4個の発音チャンネル毎に、再生すべきオーディオ波形信号を生成する再生波形演算手段16aと位置情報たるポインタsphaseを生成する位置情報発生手段16bとを備えている。
【0116】
ここで、再生波形演算手段16aは、レジスタgateの値が「1」のとき、再生すべきオーディオ波形信号を出力するものである。具体的には、位置情報発生手段16bで生成される位置情報たるポインタsphaseに従って、波形メモリ26からオーディオ波形信号を読み出し、当該読み出したオーディオ波形信号に基づいて、音高情報たるレジスタp_shiftの値に対応した音高のオーディオ波形信号を生成して出力するものである。
【0117】
また、位置情報発生手段16bの動作の詳細については、図10に示すフローチャートを参照しながら後述するが、位置情報たるポインタsphaseは、レジスタtcompの値に従って進行速度が設定されるものである。なお、レジスタtcompの値が負の場合には、位置情報たるポインタsphaseは時間軸上の逆方向に進行してオーディオ波形信号を逆方向に再生することになり、レジスタtcompの値が「0」の場合には、時間軸上で進行が停止して再生が停止することになる。
【0118】
なお、図6に示されているように、DSP16のレジスタtcomp、レジスタmode、レジスタholdおよびレジスタcgateは、4個の発音チャンネル(発音チャンネル1、発音チャンネル2、発音チャンネル3および発音チャンネル4)に共通に設定されており、DSP16のレジスタp_shiftおよびレジスタgateは、4個の発音チャンネル(発音チャンネル1、発音チャンネル2、発音チャンネル3および発音チャンネル4)毎にそれぞれ設けられている。
【0119】
また、図7には、波形メモリ26に記憶されているオーディオ波形信号のデータ構成が示されている。
【0120】
ここで、波形メモリ26に記憶されているオーディオ波形信号は、波形関連データと波形データとよりなるものである。
【0121】
そして、波形関連データは、波形データの先頭アドレス(wave start)および波形データの最終アドレス(wave end)とその他関連データとよりなるものである。その他関連データは、DSP16の再生波形演算手段16aにおいて再生すべきオーディオ波形信号の演算に必要なその他の関連データも記憶しているが、本発明の実施と関連するものではないのでその詳細は省略する。
【0122】
一方、波形データは、オーディオ波形信号の本体を示すデータであり、例えば、PCM波形データである。
【0123】
次に、図8に示すDSP16のメイン・ルーチンのフローチャートを参照しながら、DSP16において実行されるメイン処理を説明する。このメイン・ルーチンは、所定のサンプリング周期毎の割り込み処理により実行されるものであり、このメイン・ルーチンにおいて用いられる処理変数nは、DSP16により構成される発音チャンネルを表している。従って、この実施の形態においては、DSP16により構成される発音チャンネル数は「4」であるので、「n=4」に設定されている。
【0124】
そして、このメイン・ルーチンが起動されると、まず、処理変数nを「1」に初期化する(ステップS802)。
【0125】
ステップS802の処理を終了すると、ステップS804の処理へ進み、このDSP16のメイン・ルーチンのサブ・ルーチンとして、波形生成手段処理ルーチンを実行する。なお、波形生成手段処理ルーチンの詳細については、図9に示すフローチャートを参照しながら後述する。
【0126】
そして、ステップS804の処理を終了すると、ステップS806の処理へ進み、処理変数nが「4」以上であるか否かを判断する。
【0127】
ここで、ステップS806の判断処理において、処理変数nが「4」以上でないと判断された場合には、全ての発音チャンネル(DSP16により構成される4個の発音チャンネル)に対してステップS804における波形生成手段処理ルーチンを実行していないため、ステップS808へ進んで処理変数nを「1」インクリメントし、ステップS804へ戻って処理を繰り返す。
【0128】
一方、ステップS806の判断処理において、処理変数nが「4」以上であると判断された場合には、全ての発音チャンネル(DSP16により構成される4個の発音チャンネル)に対してステップS804における波形生成手段処理ルーチンを実行したことになるため、DSP16のメイン・ルーチンを終了する。
【0129】
次に、図9に示す波形生成手段処理ルーチンのフローチャートを参照しながら、DSP16のメイン・ルーチンにおけるステップS804の処理で実行される波形生成手段処理ルーチンについて説明する。
【0130】
この波形生成手段処理ルーチンが起動されると、まず、図6の位置情報発生手段16bに対応する波形生成手段処理ルーチンのサブ・ルーチンとして位置情報発生手段処理ルーチンを実行する(ステップS902)。なお、この位置情報発生手段処理ルーチンの詳細については、図10に示すフローチャートを参照しながら後述する。
【0131】
そして、ステップS902の処理を終了すると、ステップS904の処理へ進み、図6の位置情報発生手段16bに対応する再生波形演算手段処理を実行する。なお、この図6の位置情報発生手段16bに対応する再生波形演算手段処理に関しては、公知の技術を適用することができるものであるので、その詳細な説明は省略する。
【0132】
さらに、上記したステップS904の処理を終了すると、ステップS906の処理へ進み、前述の再生波形演算手段処理で算出した演算波形信号を出力する処理を実行する。なお、演算波形信号を出力する処理に関しては、公知の技術を適用することができるものであるので、その詳細な説明は省略する。
【0133】
そして、上記したステップS906の処理を終了すると、DSP16のメイン・ルーチンへリターンするものである。
【0134】
次に、図10に示す位置情報発生手段処理ルーチンのフローチャートを参照しながら、波形生成手段処理ルーチンのステップS902の処理で実行される位置情報発生手段処理ルーチンについて説明する。
【0135】
この位置情報発生手段処理ルーチンが起動されると、まず、レジスタholdの値が「hold=1」に設定されているか否かを判断する(ステップS1002)。
【0136】
このステップS1002の判断処理において、レジスタholdの値が「hold=1」に設定されていないと判断された場合には、ステップS1006の処理へジャンプして進む。
【0137】
一方、ステップS1002の判断処理において、レジスタholdの値が「hold=1」に設定されていると判断された場合には、ステップS1004の処理へ進み、レジスタg_regの値が「g_reg=1」に設定されているか否かを判断する。
【0138】
そして、ステップS1004の判断処理において、レジスタg_regの値が「g_reg=1」に設定されていないと判断された場合にはステップS1006の処理へ進み、一方、レジスタg_regの値が「g_reg=1」に設定されていると判断された場合にはステップS1014の処理へジャンプして進む。
【0139】
そして、ステップS1006の処理においては、レジスタmodeの値が「mode=1」であるか、あるいは、「mode=0」であるかが判断される。
【0140】
このステップS1006の処理において、レジスタmodeの値が「mode=1」であると判断された場合には、ステップS1008の処理へ進んでレジスタcgateの値をレジスタg_regに設定した後に、ステップS1012の処理へ進み、一方、ステップS1006の処理において、レジスタmodeの値が「mode=0」であると判断された場合には、ステップS1010の処理へ進んでレジスタgateの値をレジスタg_regに設定した後に、ステップS1012の処理へ進む。
【0141】
そして、ステップS1012の処理においては、レジスタg_regが立上りであるか否かが判断され、レジスタg_regが立上りではないと判断された場合にはステップS1014の処理へ進み、一方、レジスタg_regが立上りであると判断された場合にはステップS1018の処理へジャンプして進む。
【0142】
ステップS1014の処理においては、ポインタsphaseの値とレジスタtcompの値とを加算し(「sphase+tcomp」)、その加算結果の値によりポインタsphaseの値を更新する。
【0143】
ステップS1014の処理を終了すると、ステップS1016の処理へ進み、オーディオ波形信号の波形データの先頭アドレス(wave start)の値がポインタsphaseの値より大きいか否かを判断する。
【0144】
そして、ステップS1016の判断処理において、オーディオ波形信号の波形データの先頭アドレス(wave start)の値がポインタsphaseの値より大きいと判断された場合には、ステップS1018の処理へ進み、オーディオ波形信号の波形データの先頭アドレス(wave start)の値によりポインタsphaseを更新し、それからステップS1020へ進む。
【0145】
一方、ステップS1016の判断処理において、オーディオ波形信号の波形データの先頭アドレス(wave start)の値がポインタsphaseの値より大きいとは判断されなかった場合には、ステップS1020の処理へジャンプして進む。
【0146】
ステップS1020の処理においては、ポインタsphaseの値がオーディオ波形信号の波形データの最終アドレス(wave end)の値より大きいか否かを判断する。
【0147】
そして、ステップS1020の判断処理において、ポインタsphaseの値がオーディオ波形信号の波形データの最終アドレス(wave end)の値より大きいと判断された場合には、ステップS1022の処理へ進み、オーディオ波形信号の波形データの最終アドレス(wave end)の値によりポインタsphaseを更新し、それからステップS1024へ進む。
【0148】
一方、ステップS1020の判断処理において、ポインタsphaseの値がオーディオ波形信号の波形データの最終アドレス(wave end)の値より大きいとは判断されなかった場合には、ステップS1024の処理へジャンプして進む。
【0149】
ステップS1024の処理においては、ポインタsphaseの値を出力し、ステップS1024の処理を終了すると、波形生成手段処理ルーチンへリターンする。
【0150】
従って、この位置情報発生手段処理ルーチンにおいては、レジスタHOLDの値が「HOLD=0」のとき、レジスタg_regの値が立上りであることを検出すると、ポインタsphaseの値をオーディオ波形信号の波形データの先頭アドレス(wave start)の値にリセットしているが、レジスタHOLDの値が「レジスタHOLD=1」のときに、レジスタg_regの値が「g_reg=1」であることを検出すると、ポインタsphaseの値をオーディオ波形信号の波形データの先頭アドレス(wave start)の値にリセットする処理をジャンプして行わないようして、ポインタsphaseの値がオーディオ波形信号の波形データの先頭アドレス(wave start)の値にリセットされることを防いでいる。
【0151】
その結果として、レジスタHOLDの値が「レジスタHOLD=1」のときに、レジスタg_regの値が「g_reg=1」である場合には、ポインタsphaseの値がオーディオ波形信号の波形データの先頭アドレス(wave start)の値に更新されずに、再び発音が指示された際に、発音停止中においてもポインタsphaseが継続して変化しているような効果が生じるものである。
【0152】
ここで、モードが非同期モードのときには、各発音チャンネル毎のレジスタg_regの値が「g_reg=1」の場合に、各発音チャンネル毎におけるポインタsphaseの変化が始まる。
【0153】
また、モードが同期モードのときいは、いずれか1つの発音チャンネルの発音が始まると、全ての発音チャンネルのポインタsphaseの変化が始まるものである。
【0154】
なお、上記した実施の形態においては、再生位置情報たるポインタsphaseの変化が継続するものとして説明したが、これに限られるものではないことは勿論であり、再生位置情報たるポインタsphaseの変化は、実際には継続していなくても良い。即ち、再生位置情報たるポインタsphaseの変化は停止しておき、停止時間を測って再生開始時に停止時間に対応した分だけ再生位置をジャンプして進めるようにしてもよい。
【0155】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、従来の技術の有する種々の欠点を排除することができ、自然な楽音を再生することができるようになるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるオーディオ波形信号再生制御装置の実施の形態の一例を示すブロック構成図である。
【図2】CPUのメイン・ルーチンのフローチャートである。
【図3】操作子群処理ルーチンのフローチャートである。
【図4】鍵盤処理ルーチンのフローチャートである。
【図5】ホールド・スイッチ処理ルーチンのフローチャートである。
【図6】DSPにおいて実行される処理をハードウェア構成的に示したブロック図である。
【図7】波形メモリに記憶されているオーディオ波形信号のデータ構成を示す説明図である。
【図8】DSPのメイン・ルーチンのフローチャートである。
【図9】波形生成手段処理ルーチンのフローチャートである。
【図10】位置情報発生手段処理ルーチンのフローチャートである。
【図11】従来の技術の処理内容を示す説明図である。
【符号の説明】
10 中央処理装置(CPU)
12 リード・オンリ・メモリ(ROM)
14 ランダム・アクセス・メモリ(RAM)
16 デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)
18 操作子群
20 鍵盤
22 ホールド・スイッチ
24 表示装置
26 波形メモリ
28 デジタル/アナログ変換器(D/A)
30 増幅器
32 スピーカー
Claims (2)
- 連続した一連のオーディオ波形信号を記憶した記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたオーディオ波形信号の再生および再生停止を指示する発音制御情報を入力する発音制御情報入力手段と、
前記発音制御情報入力手段によって入力された再生を指示する発音制御情報に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記オーディオ波形信号の再生位置を示すものであって、前記オーディオ波形信号の先頭位置から所定の進行速度で変化する再生位置情報を発生する再生位置情報発生手段と、
前記発音制御情報入力手段によって入力された発音制御情報と前記再生位置情報発生手段によって発生された再生位置情報とに基づいて、前記記憶手段に記憶されたオーディオ波形信号を再生する再生手段と、
前記再生位置情報発生手段によって発生された再生位置情報の示す再生位置の変化を継続することを指示するホールド情報を入力するホールド情報入力手段と、
前記発音制御情報入力手段によって入力された発音制御情報が再生を指示している状態から再生停止を指示している状態となり再び再生を指示した際に、前記ホールド情報入力手段によって入力されたホールド情報が再生位置の変化を継続することを指示している場合には、前記発音制御情報入力手段によって入力された発音制御情報が再生を指示している状態から再生停止を指示している状態となり再び再生を指示したときに、前記再生手段による前記記憶手段に記憶されたオーディオ波形信号の再生が、前記発音制御情報入力手段によって入力された、先の再生を指示する発音制御情報に基づいて継続して変化した場合の再生位置から開始されるように再生位置情報を制御する制御手段と
を有するオーディオ波形信号再生制御装置。 - 請求項1に記載のオーディオ波形信号再生制御装置において、
前記ホールド情報入力手段は、オン/オフを切り換え操作するペダル・スイッチであり、オン/オフの切り換え操作に応じて、前記再生位置情報発生手段によって発生された再生位置情報の示す再生位置の変化を継続することを指示する
ものであるオーディオ波形信号再生制御装置。
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