JP4245412B2 - アミド化合物顕色剤、感熱リライト媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロイコ系感熱リライト媒体などで使用される顕色剤に関し、その様な顕色剤が使用されたロイコ系感熱リライト媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録媒体の一つに、記録層が発色剤として機能する電子供与性呈色化合物としてロイコ系染料と、顕色剤として機能する電子受容性化合物とを含有するものがあり、所定の温度でロイコ系染料と顕色剤とが反応し、発色反応が進行して、記録層に画像が記録される。そして、この様なロイコ系染料と顕色剤とを利用する感熱記録媒体のうち、熱可逆的に記録層の画像を記録および消去できるものが提案され、感熱リライト媒体として実用化が試みられている。
【0003】
ロイコ系の感熱リライト媒体においては、媒体を発色温度で加熱してロイコ系染料と顕色剤とを反応させ発色させて画像を形成した後、媒体を急冷することで画像を保持する。この際、顕色剤が非結晶的な状態に凍結され、画像が保持されると考えられている。一方、画像を消去する際には、発色温度か発色温度より僅かに低温まで媒体を加熱した後、媒体を徐冷することで画像を消去する。この際には、顕色剤の結晶が成長し画像が消去されると考えられている。
【0004】
また、他の考え方として、例えば、ある材料系では80〜150℃付近に消色温度域があり、150〜250℃域に発色温度域があり、その材料系を発色温度域で加熱し発色後に急冷すると、冷却過程で材料系が消色温度域を短時間で通過するため、消色が事実上進行せず、画像が保持されると考えられる。一方、発色後に材料系を徐冷すると、冷却過程で材料系が消色温度域を長時間で通過するため、消色が進行し、画像が消去されると考えられる。
【0005】
以上の様なロイコ系感熱リライト媒体に要求される基本性能として、画像を記録する工程においては画像を良好に形成でき、その後に画像を安定に保存できること、一方、画像を消去する工程においては、画像を高速に完全に消去できること等がある。
【0006】
上記の様な画像を記録する際に要求される性能と画像を消去する際に要求される性能とは拮抗する関係にあり、これらの基本性能をバランス良く実現するためには顕色剤の選択が重要である。この様な観点から、これまで種々の顕色剤が提案されており、例えば、フェノール等のヒドロキシ芳香族炭化水素基を有する顕色剤(特許文献1及び2)、機塩系の顕色剤(特許文献3)等が提案されている。
【0007】
また、特に高い性能が期待されるものとして、アミド結合およびアミド結合に類似の結合を有する顕色剤(特許文献4〜14)も提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−119440号公報
【特許文献2】
特開平09−295458号公報
【特許文献3】
国際公開第90/11898号パンフレット
【特許文献4】
特開平07−068934号公報
【特許文献5】
特開平07−179043号公報
【特許文献6】
特開平05−124360号公報
【特許文献7】
特開2003−127553号公報
【特許文献8】
特開2003−127554号公報
【特許文献9】
特開2003−127555号公報
【特許文献10】
特開2003−127545号公報
【特許文献11】
特開2002−240438号公報
【特許文献12】
特開2001−105731号公報
【特許文献13】
特開2001−105739号公報
【特許文献14】
特開2000−141901号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ロイコ系感熱リライト媒体に付いては以上の様に多数の検討がなされているものの、画像形成性、画像完全消去性および画像保存安定性などの要求性能をバランス良く実現することは難しく、ロイコ系感熱リライト媒体の本格的な実用化は未だ達成されていないのが現状である。
【0010】
特に、上述した様な従来提案されてきたアミド結合を有する顕色剤を用いたとしても、画像形成性、画像完全消去性および画像保存安定性などの要求性能を全てバランス良く実現することは難しいのが現状である。
【0011】
そこで、本発明においては、画像形成性、画像完全消去性および画像保存安定性の何れに付いてもバランス良く性能が向上されたロイコ系感熱リライト媒体を実現できる顕色剤、及びその様な顕色剤が使用されたロイコ系感熱リライト媒体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明によれば、下記一般式(III)で示されるアミド化合物から実質的になる顕色剤が提供される。
【0013】
【化2】
【0014】
ただし、一般式(III)中、nは20〜30の自然数である。
【0015】
また、この様な顕色剤とロイコ系染料とを含有する記録層を具備する感熱リライト媒体が提供される。
【0016】
本発明で使用する顕色剤は、フェニル基およびアミド結合で挟まれスペーサーとして機能するアルキレン基と、末端にアルキル基とを有しており、これらの脂肪族炭化水素基の炭素数が、融点およびガラス転移温度などの熱力学観点から重要である。
【0017】
これらの炭素数が最適なフェニル基を有するアミド化合物を顕色剤として使用することで、ロイコ系感熱リライト媒体の画像形成性、画像完全消去性および画像保存安定性などの全ての性能をバランス良く向上できる。
【0018】
この観点から、スペーサーの炭素数を2とすることで、特に高性能なロイコ系感熱リライト媒体を実現でき、スペーサーがエチレン基のフェニル基を有するアミド化合物を顕色剤として使用する。
【0019】
また、同様の観点から、R1の炭素数は20以上とし、21以上がより好ましく、一方、30以下とし、28以下がより好ましく、26以下が更に好ましく、25以下が最も好ましい。
【0020】
また、同様の観点から、R1としては、ヘンエイコシル基(炭素数21のアルキル基)、ドコシル基(炭素数22のアルキル基)、トリコシル基(炭素数23のアルキル基)、テトラコシル基(炭素数24のアルキル基)及びペンタコシル基(炭素数25のアルキル基)が好ましく、必要に応じて夫々のアルキル基を有する顕色剤を併用することもできる。
【0021】
以上の様な顕色剤の中でも、例えば、N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ドコサンアミド、N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]トリコサンアミド、N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]テトラコサンアミド、N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ペンタコサンアミド及びN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ヘキサコサンアミド等が好ましく、必要に応じて2種以上を併用することもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0023】
(顕色剤)
顕色剤の例として、以下の一般式(II)で示される化合物を挙げることができる。
【0024】
【化3】
【0025】
ただし、一般式(II)中、mは1〜3の自然数であり、nは20〜30の自然数である。
【0026】
上記の顕色剤の性能は、フェニル基およびアミド結合は挟まれたスペーサーとして機能するアルキレン基の炭素数に強く依存する。この理由から、スペーサーとして炭素数が2のエチレン基のフェニル基を有するアミド化合物を顕色剤として使用する。
【0027】
更に、上記の顕色剤の性能は、アミド結合側の末端のアルキル基の炭素数にも強く依存する。この理由から、nは20以上とし、21以上がより好ましく、22以上が更に好ましく、一方、30以下とし、28以下がより好ましく、26以下が更に好ましく、25以下が最も好ましい。
【0028】
また、アミド結合の方向としては、フェニル基側からNHCOとCONHとがあるが、消色性の観点から、NHCOが好ましい。
【0029】
以上の様な顕色剤の中でも、例えば、以下の一般式(III)で示される化合物が好ましい。
【0030】
【化4】
【0031】
ただし、一般式(III)中、nは20〜30の自然数である。
【0032】
上記の顕色剤の性能は、フェニル基およびアミド結合は挟まれたスペーサーとして機能するアルキレン基の炭素数に強く依存する。この理由から、スペーサーとして炭素数が2のエチレン基のフェニル基を有するアミド化合物を顕色剤として使用する。
【0033】
更に、上記の顕色剤の性能は、アミド結合側の末端のアルキル基の炭素数にも強く依存する。この理由から、nは20以上とし、21以上がより好ましく、22以上が更に好ましく、一方、30以下とし、28以下がより好ましく、26以下が更に好ましく、25以下が最も好ましい。
【0034】
加えて、顕色剤の融点は、顕色剤の結晶化を左右するため、重要である。具体的には、ロイコ系感熱リライト媒体に画像を記録する工程において画像を良好に形成し安定に保存する観点から、顕色剤の融点は80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましく、100℃以上が更に好ましい。一方、印字に必要なエネルギーを下げるという観点または媒体の部材の劣化を抑えるという観点から、顕色剤の融点は200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましく、150℃以下が更に好ましい。
【0035】
以上で説明した顕色剤は必要に応じて2種類以上を併用することもできる。また、記録層全体に対する顕色剤の添加量は、普通1〜90質量%の範囲とする。
【0036】
(ロイコ系染料)
ロイコ系染料は、顕色剤との組合わせを考慮して注意深く選択するが、例えば以下の一般式(A)及び(B)に示される様な化合物を使用する。
【0037】
【化5】
【0038】
【化6】
【0039】
(式中、R11は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し;R12は炭素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基または置換されていてもよいフェニル基を表し;R13は水素原子、炭素数1〜2のアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し;R14は水素原子、メチル基、ハロゲン原子または置換されていてもよいアミノ基を表す。なお、フェニル基に対する置換基は、メチル基、エチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基;ハロゲン原子の何れかである。また、アミノ基に対する置換基は、アルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基の何れかであり、ここの置換基はアルキル基、ハロゲン原子またはアルコキシ基である。)
また、ロイコ系染料の具体例として、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン2−アニリノ−3−メチル−6−(ジ−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリクロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−(2,4−ジメチルアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−(N−エチル−p−トルイジノ)−3−メチル−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン等を使用する。
【0040】
また、2−アニリノ−6−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチル−2,4,−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−エチルアミノ−6−(N−エチル−2,4,−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−ジメチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジエチルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−メチル−アニリノ)フルオラン、2−ジプロピルアミノ−6−(N−エチル−アニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−エチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p−クロロアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−プロピル−p−クロロアニリノ)フルオラン等を使用する。
【0041】
また、2,3−ジメチル−6−ジメチルアミノフルオラン、3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−ジプロピルアミノフルオラン、3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−クロロ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロロアニリノ)−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−トルイジノ)フルオラン等も使用する。
【0042】
更に、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−パルミチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾイルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N−メチル−P−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−P−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシカルボニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、4−メトキシ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−クロロ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジル−p−トリフルオロメチルアニリノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フルオラン、2−メシジノ−4′,5′−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフルオロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−(α−ナフチルアミノ)−3,4−ベンゾ−4′−ブロモ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−n−プロピル−p−トリフルオロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、2−(ジ−N−p−クロロフェニル−メチルアミノ)−6−ピロリジノフルオラン、2−(N−n−プロピル−m−トリフルオロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−n−オクチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジアリルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エトキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラン等も使用する。
【0043】
また、ベンゾロイコメチレンブルー、2−〔3,6−ビス(ジエチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)キサンチル〕安息香酸ラクタム、2−〔3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロロアニリノ)キサンチル〕安息香酸ラクタム、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフタリド、3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4,5−ジクロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメトキシアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−クロロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)フタリド、3−(2−ヒドロキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)フタリド、3−(2−メトキシ−4−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−ヒドロキシ−4−クロロ−5−メトキシフェニル)フタリド、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレンスピロ(9,3′)−6′−ジメチルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−7−アザフタリド、6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン、6′−ブロモ−2′−メトキシ−ベンゾインドリノ−スピロピラン等も使用する。
【0044】
また、具体的には、トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、キサンテン系化合物、チアジン系化合物およびスピロ系化合物などを使用する。
【0045】
トリアリールメタン系化合物としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4,7−ジアザフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−7−アザフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−4−アザフタリド等を使用する。
【0046】
また、ジフェニルメタン系化合物としては、4,4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等を使用する。
【0047】
また、キサンテン系化合物としては、ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェノキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等を使用する。
【0048】
また、チアジン系化合物としては、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等を使用する。
【0049】
また、スピロ系化合物としては、3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等を使用する。
【0050】
以上で説明してきたロイコ系染料は必要に応じて2種類以上を併用することもできる。また、記録層全体に対するロイコ系染料の添加量は、普通0.1〜85質量%の範囲とする。
【0051】
(バインダー)
記録層の形成に用いられるバインダーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系共重合体、ポリピニルアルコール、ポリビニルアセタール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類などの樹脂材料を使用する。これらのバインダー樹脂は記録層のマトリクスとして機能し、組成物の各材料は記録消去の熱印加などによって片寄ることなく均一に分散した状態を保つ。この様な観点から、バインダー樹脂としては耐熱性の高い樹脂が好ましく、熱、紫外線、電子線などで架橋された樹脂なども好ましい。
【0052】
また、記録層の強度および耐熱性などを向上する目的で、水系バインダーを使用することも可能である。この様なバインダーとしては、例えば、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のラテックス類などを使用する。
【0053】
これらのバインダー樹脂には耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましいが、最近になって、プリペイドカード、ストアドカードといった付加価値の高い記録媒体が用いられることが多くなり、それに伴い、耐熱性、耐水性および接着性などの高耐久品が要求されるようになってきている。このような要求に対しては、硬化性樹脂が特に好ましい。
【0054】
硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、電子線硬化樹脂、紫外線硬化樹脂などを使用する。
【0055】
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等の水酸基、カルボキシル基が架橋剤と反応し硬化するもの等を使用する。この際の架橋剤としては、例えば、イソシアネート類、アミン類、フェノール類、エポキシ類などを使用する。
【0056】
電子線および硬化線樹脂に用いられるモノマーとしては、アクリル系に代表される単官能性モノマー、二官能モノマー、多官能モノマー等を使用し、特に紫外線架橋の際には光重合開始剤および光重合促進剤などを使用する。
【0057】
(消色助剤)
記録層の発色感度を調節するための添加剤として、熱可融性物質を記録層中に含有させることもできる。熱可融性物質としては、60℃〜200℃の融点を有するものが好ましく、特に80℃〜180℃の融点を有するものが好ましい。この様な化合物としては、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどのワックス類、2−ベンジルオキシナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポリエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体などを使用する。
【0058】
(保護層)
サーマルヘッド等を用いた印字では、熱と圧力のため記録層の表面が変形し、いわゆる打痕ができる場合がある。また、擦傷などにより記録層が劣化する場合もある。これらの不具合を抑制するために、感熱リライト媒体の表面に保護層を設けることが好ましい。保護層には、ポリビニルアルコール、スチレン無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂のほか、アクリル系およびエポキシ系などの紫外線硬化樹脂および電子線硬化樹脂などが使用できる。また、保護層中には、シリカ、チタニア、紫外線吸収剤などの添加剤を含有させることもできる。
【0059】
(添加剤)
記録層および保護層には、強度および耐熱性を向上するために、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂等の顔料、その他に、ヘッド摩耗防止、スティッキング防止等の目的でステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類を、また、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、さらに界面活性剤、蛍光染料、紫外線吸収剤などを含有させることもできる。
【0060】
(リライト媒体)
リライト媒体は、シート状などの基体シート(支持体)に記録層溶液を塗工し硬化して記録層を形成後、更に、保護層溶液を塗工し硬化して保護層を形成することで作製する。
【0061】
基体シート(支持体)としては、通常の紙の他に、合成紙、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン及び塩化ビニル等の合成フィルムを用いることもできる。これらの合成フィルムを用いる場合には、基体シートの表面にマット処理およびコロナ処理などの表面処理を施す場合もある。
【0062】
特に、リライトカードの場合は、基材シートとして携帯に要する剛性を具備するものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム,ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル系樹脂フィルム;ポリスチレンフィルム;アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体フィルム;三酢酸セルロースフィルム;ポリカーボネートフィルム;アート紙,コート紙,上質紙、合成紙などの一般的な紙類;金属箔;セラミックシート等を使用する。これらの場合、基体シートの厚さは100〜1000μm程度とする。
【0063】
リライトカードは、ポイントカード、プリペイドカード、ディスプレー、電子黒板、チッケト、入場券、鉄道およびバス等の回数券、鉄道およびバス等の定期券、電話カード、診療券、クレジットカード、キャッシュカード、ワードプロセッサ及びパーソナルコンピーター用の一時的出力材料、高速道路通行券、キャッシュカード、会員証、IDカード、ICカード等で使用できる。
【0064】
なお、記録層の上下には、保護層に加え、クリーニング層、増感層などの機能層を積層することもできる。
【0065】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、特に明記しない限り、試薬等は市販の高純度品を使用した。
【0066】
(評価方法)
ロイコ系の感熱リライトシートの画像形成性、画像の完全消去性および画像の保存安定性を、以下の様に評価した。
【0067】
(ア)画像形成性:市販の感熱カードプリンターを用いてロイコ系感熱リライトシートに試験画像を印字した。印字の際の印加エネルギーは0.7mJ/dotであり、発色後ロイコ系感熱リライトシートを室温まで急冷した。その後、マクベス光学濃度計を用いて試験画像の初期光学濃度およびロイコ系感熱リライトシートの地肌の光学濃度を測定し、画像形成性として、初期光学濃度から地肌光学濃度を差引いた値を(実質初期光学濃度)評価した。
【0068】
(イ)画像の完全消去性:試験画像が形成された感熱リライトシートを消色温度(120℃)で5〜30秒間加熱し、試験画像を完全消去した。その後、完全消去後の試験画像の光学濃度(完全消去光学濃度)を測定し、試験画像の初期光学濃度に対する消去後の試験画像の光学濃度(画像残存率)として評価した。
【0069】
(ウ)画像の保存安定性:試験画像が形成された感熱リライトシートを50℃、湿度25%で48時間保温し、その後の試験画像の光学濃度(画像保存光学濃度)を測定した。この測定結果を用いて、感熱リライトシートの保存安定性を、試験画像の初期光学濃度に対する保温後の試験画像の光学濃度(画像保存率)として評価した。
【0070】
(実施例1)ロイコ系感熱リライトシート1
顕色剤として以下の式で示されるN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ドコサンアミド(融点:115℃)を使用した。
【0071】
【化7】
【0072】
これと、ロイコ系染料として山本化成社製の黒発色カラーフォーマー(商品名:Black15)と、バインダーとして積水化学工業社製ポリビニルブチラール(商品名:BX−1)の10質量%MEK溶液とを、顕色剤:ロイコ系染料:バインダーの固形分の質量比が4:1:2となるよう混合し、振とう分散機で1時間分散し、記録層溶液を調製した。また、東亞合成社製アクリル化合物(商品名:アロニックスM310)95質量部と、日本チバガイギー社製の開始剤(商品名:バイキュア55)5質量部と、日本シリカ社製シリカ(商品名:ニップシールE200)10質量部とを混合し、振とう分散機で15分間分散し、保護層溶液を調製した。その後、上記で得られた記録層溶液をポリエチレンテレフタレート製シート上にワイヤーバー法で塗工し、80℃で2分乾燥して記録層を形成した。更に、形成された記録層上に保護層溶液を塗工し、紫外線により硬化させて保護層を形成し、ロイコ系感熱リライトシート1を作製した。
【0073】
ロイコ系感熱リライトシート1の画像形成性、画像完全消去性および画像保存安定性を評価し、結果を表1に示した。これより、ロイコ系感熱リライトシート1は、画像形成性、画像完全消去性および画像保存安定性の何れに付いても十分な性能を有していることが分った。
【0074】
(実施例2)ロイコ系感熱リライトシート2
顕色剤としてN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ドコサンアミドに代えて、以下の式で示されるN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]トリコサンアミドを使用した以外は、ロイコ系感熱リライトシート1と同様にしてロイコ系感熱リライトシート2を作製し、性能を評価した。表1より明らかな通り、ロイコ系感熱リライトシート2は、画像形成性、画像完全消去性および画像保存安定性の何れに付いても十分な性能を有していることが分った。
【0075】
【化8】
【0076】
(実施例3)ロイコ系感熱リライトシート3
顕色剤としてN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ドコサンアミドに代えて、以下の式で示されるN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]テトラコサンアミド(融点:118℃)を使用した以外は、ロイコ系感熱リライトシート1と同様にしてロイコ系感熱リライトシート3を作製し、性能を評価した。表1より明らかな通り、ロイコ系感熱リライトシート3は、画像形成性、画像完全消去性および画像保存安定性の何れに付いても十分な性能を有していることが分った。
【0077】
【化9】
【0078】
(実施例4)ロイコ系感熱リライトシート4
顕色剤としてN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ドコサンアミドに代えて、以下の式で示されるN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ペンタコサンアミドを使用した以外は、ロイコ系感熱リライトシート1と同様にしてロイコ系感熱リライトシート4を作製し、性能を評価した。表1より明らかな通り、ロイコ系感熱リライトシート4は、画像形成性、画像完全消去性および画像保存安定性の何れに付いても十分な性能を有していることが分った。
【0079】
【化10】
【0080】
(実施例5)ロイコ系感熱リライトシート5
顕色剤としてN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ドコサンアミドに代えて、以下の式で示されるN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ヘキサコサンアミド(融点:121℃)を使用した以外は、ロイコ系感熱リライトシート1と同様にしてロイコ系感熱リライトシート5を作製し、性能を評価した。表1より明らかな通り、ロイコ系感熱リライトシート5は、画像形成性、画像完全消去性および画像保存安定性の何れに付いても十分な性能を有していることが分った。
【0081】
【化11】
【0082】
【表1】
【0083】
(比較例1)ロイコ系感熱リライトシート6
顕色剤としてN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ドコサンアミドに代えて、以下の式で示されるN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]イコサンアミドを使用した以外は、ロイコ系感熱リライトシート1と同様にしてロイコ系感熱リライトシート6を作製し、性能を評価した。
【0084】
【化12】
【0085】
(比較例2)ロイコ系感熱リライトシート7
顕色剤としてN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ドコサンアミドに代えて、以下の式で示されるN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)メチル]ドコサンアミドを使用した以外は、ロイコ系感熱リライトシート1と同様にしてロイコ系感熱リライトシート7を作製し、性能を評価した。
【0086】
【化13】
【0087】
(比較例3)ロイコ系感熱リライトシート8
顕色剤としてN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ドコサンアミドに代えて、以下の式で示されるN−(4−ヒドロキシフェニル)ドコサンアミドを使用した以外は、ロイコ系感熱リライトシート1と同様にしてロイコ系感熱リライトシート8を作製し、性能を評価した。
【0088】
【化14】
【0089】
(比較例4)ロイコ系感熱リライトシート9
顕色剤としてN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ドコサンアミドに代えて、以下の式で示されるN−ドコシル−4−ヒドロキシベンズアミドを使用した以外は、ロイコ系感熱リライトシート1と同様にしてロイコ系感熱リライトシート9を作製し、性能を評価した。
【0090】
【化15】
【0091】
【表2】
【0092】
【発明の効果】
一般式(I)で示されるアミド化合物から実質的になる顕色剤を使用することにより、ロイコ系感熱リライト媒体の画像形成性、画像完全消去性および画像保存安定性などの全ての性能をバランス良く向上できる。
Claims (3)
- 前記一般式(I)の化合物はN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ドコサンアミド、N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]トリコサンアミド、N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]テトラコサンアミド、N−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ペンタコサンアミド及びN−[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ヘキサコサンアミドからなる群より選ばれる1種以上のアミド化合物である請求項1記載の顕色剤。
- 請求項1または2記載の顕色剤とロイコ系染料とを含有する記録層を具備する感熱リライト媒体。
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