JP4244753B2 - エレベータのローラガイド装置 - Google Patents

Description

本発明はガイドレールに沿って昇降するエレベータかご等の昇降体に設置されて、昇降体の昇降を案内するローラガイド装置の改良に関するものである。

図５，図６は一般的なローラガイド装置の一例を示すもので、図５はかごの正面図、図６は図５のＸ−Ｘ線矢視詳細図である。図において、１はエレベータかごで、かご室２，かご枠３から構成されている。４は一対のガイドレールで、かご枠３の上下に配置されたローラガイド装置５がガイドレール４に係合してかご１の昇降を案内している。
ローラガイド装置５は、ガイドレール４のガイド部４ａに三方向から接するウレタンやゴム等からなるローラ６と、これら各ローラ６をベアリング７を介して回動自在に支持するシャフト８及びカラー９と、シャフト８を基盤１０に対してガイド部４ａ方向に位置移動可能に支持する回動レバー１１と、この回動レバー１１をガイド部４ａ方向に回動付勢するばね１２と、シャフト８をレバー１１に固定するナット１３からなっている。

前記ローラガイド装置５の構成では、製作誤差や据付誤差によりガイドレール４がねじれている場合、かご１の走行中に振動や騒音を発生する可能性がある。そこでローラ６をガイドレール４のねじれに追従できる構成にしたローラガイド装置が提案されている（特許文献１参照）。

この従来例は間接式油圧エレベータに関するものであり、図７はエレベータを概念的に示す側面図、図８は図７のローラガイド装置の拡大図、図９は図８の平面図、図１０はローラガイド装置の作動状態を示す図９相当図である。図において、２０はかご１に連結された主ロープや油圧ジャッキなどからなる駆動装置、４ｂはガイドレール４のガイド部４ａの頂面、４ｃは側面、２９は頂面４ｂを転動する頂面ローラ、３０は側面４ｂを転動する案内ローラ、３１は案内ローラ３０の幅方向の中心線３０ａ上にくるようにかご１に立設された軸、３２は一側が軸３１に枢支され他側に水平軸３３が固定された腕体で、水平軸３３に案内ローラ３０が枢支されている。

このローラガイド装置では、ガイド部４ａを介して軸３１と案内ローラ３０が対峙して配置され、軸３１を中心に案内ローラ３０が回動可能に配置されている。したがって、ガイドレール４がねじれて側面４ｃが傾いている場合には、図１０に示すように、かご１の走行に伴って案内ローラ３０は軸３１を中心に回動し、側面４ｃと案内ローラ３０との接触状態が維持され、かご１の振動や騒音の発生を抑制することができる。
特開平１―２３６１８５号公報

前記従来技術では、間接式油圧エレベータのように、案内ローラがガイドレールのガイド部の一側面のみを転動する場合には有効であるが，構造上回動可能な案内ローラは1個しか設置できないため，図５，６のようにガイド部の三方向にローラが接するタイプのエレベータには適用できないという問題がある。また頂面ローラの軸はかご１に固定されたままなので、頂面ローラはガイドレールのねじれに追従できないという問題がある。

本発明は、かご等の昇降体に設けられたローラガイド装置において、昇降体の走行方向を軸として、ローラガイド装置全体を昇降体に対して回動可能にしたものである。
また、ローラガイド装置の回動可能な具体的構成として、かご等の昇降体側には円弧型レール、ローラガイド装置側には円弧型レールに沿ってローラガイド装置の回動を案内する案内装置を設けた構成にしたものであり、更に案内装置の例として直動ベアリングを使用したものである。
更に前記ローラガイド装置の回動方向にダンパーを設け、また前記ローラガイド装置の各ローラのガイドレールに接する部分を外側に膨らんだ曲面形状にしたものである。

本発明によればガイドレールがねじれている場合でも、かご等の昇降体の走行中に振動や騒音が発生することを抑制することができる。

本発明の実施の形態を図により説明する。図１はローラガイド装置の正面図、図２は図１の平面図、図３は図１の側面図で、説明の都合上一部を断面にしてある。図４（ａ），（ｂ）は図２のＡ部詳細図である。図において、４０はかごに固定されたベース４１に取り付けられた円弧型のレールであり、後述の各ローラ６１，６２の幅方向の中心線の延長線が交わる位置を中心とした円弧型をしている。５０はローラガイド装置であり、躯体５１に３箇所配置した直動ベアリング５２によって円弧型レール４０上に揺動可能に設置されている。５３は躯体５１に形成された突起部で、ベース４１の一対の立設部４２との間にダンパー５４が設けられおり、躯体５１を図１〜３の位置で保持している。

６１はガイドレール４のガイド部４ａの頂面４ｂを転動する頂面ローラ、６２は側面４ｃを転動する一対の側面ローラである。６３は躯体５１に枢着された回転レバーで、中間にローラ６１又は６２が枢着され、躯体５１の立設部５５との間にばね等が設けられて、ローラ６１，６２をガイド部４ａ方向へ付勢している。また回転レバー６３の上部と立設部５５との間にはダンパー５６が設けられている。

本実施の形態のローラガイド装置５０を設けたかごが走行中に、ガイドレール４がねじれている個所に差し掛かったとき、ガイドレール４のねじれに応じて、直動ベアリング５２が円弧型レール４０上を移動してローラガイド装置５０が揺動し、各ローラ６１，６２は頂面４ｂ，側面４ｃ上をスムーズに転動することができる。これにより、かごの振動、騒音の発生を抑制することができる。

尚、エレベータの状況に応じて、躯体５１の回転変位、ローラ６１，６２の並進変位に対して、ダンパー５４，５６の弾性・減衰値が最適となるように設定しておくことにより、ローラガイド装置５０の過剰揺動を抑え，スムーズな動作を実現できる。。
また各ローラ６１，６２のガイド部４ａの頂面４ｂ，側面４ｃを転動する部分は図４（ａ）に示すように曲面にすることにより、従来存在した図４（ｂ）の角部６０をなくている。これにより，ガイドレール４のねじりに対するローラ６１，６２の走行抵抗を少なくしている。

更に前記ローラガイド装置５０において、躯体５１をアルミ製にすることにより、ローラガイド装置５０がかごに与える慣性力を下げ、防振・防音効果をより上げることができる。また、回転レバー６３の躯体５１への枢着部分に高精度可動節を使用することにより、回転レバー６３の意図しない方向への変位を防止し、ダンパー５６の設定をより有効にできる。
また前記実施形態では、躯体５１は直動ベアリング５２によって円弧型レール４０上に揺動可能に設置されているが、直動ベアリングに限ることはなく、ローラやシューなど案内機能を有する案内装置であればよい。

本発明の実施の形態を示す図で、ローラガイド装置の正面図である。 図１の平面図である。 図１の側面図である。 図２のＡ部詳細図である。 一般的なエレベータかごの正面図である。 図５のＸ−Ｘ線矢視詳細図である。 エレベータを概念的に示す側面図である。 図７のローラガイド装置の拡大図である。 図８の平面図である。 ローラガイド装置の作動状態を示す図９相当図である。

符号の説明

１ かご
４ ガイドレール
５，５０ ローラガイド装置
６，２９，３０，６１，６２ ローラ
４０ 円弧型レール
５２ 直動ベアリング（案内装置）
５４，５６ ダンパー

Claims (3)

1. ガイドレールに沿って昇降する昇降体に設けられ前記ガイドレールのガイド部の頂面を転動するローラと、同じく側面を転動するローラとを有するローラガイド装置において、
   前記昇降体側には、前記各ローラの幅方向の中心線の延長線が交わる位置であって前記昇降体の走行方向を中心軸とする円弧型レールを設け、前記ローラガイド装置側には前記円弧型レールに沿って前記ローラガイド装置の回動を案内する直動ベアリングを設け、前記ローラガイド装置の躯体と前記昇降体側との間には前記ローラガイド装置の回動方向に作用するダンパーを設けたことを特徴とするエレベータのローラガイド装置。
2. ガイドレールに沿って昇降する昇降体に設けられた複数のローラを有するローラガイド装置において、
   前記昇降体側には、平面的に見て前記各ローラの各回転軸からほぼ等距離であって前記昇降体の走行方向を中心軸とする円弧型レールを設け、前記ローラガイド装置側には前記円弧型レールに沿って前記ローラガイド装置の回動を案内する直動ベアリングを設け、前記ローラガイド装置の躯体と前記昇降体側との間には前記ローラガイド装置の回動方向に作用するダンパーを設けたことを特徴とするエレベータのローラガイド装置。
3. 前記ローラガイド装置の各ローラの前記ガイドレールに接する部分は外側に膨らんだ曲面形状になっていることを特徴とする請求項１又は２に記載のエレベータのローラガイド装置。

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