JP4244702B2 - 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びその成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びその成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びその成形品に関し、さらに詳しくは、リサイクルされたポリエステル樹脂を含んでいても成形品の耐衝撃性、引裂強度に優れ、成形加工に適した流動性を持つ熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性ポリエステルは、容器、フィルム、及び筐体などのさまざまな成形品として使用されている。特に飲料用等のペットボトルは安価で強度が優れている点で、多量に使用されており、それからリサイクル(回収)された樹脂の活用は社会的に重要である。ところが熱可塑性ポリエステルは、一般に容易に加水分解して分子量低下し、低粘度化するため加工成形が困難になり、加水分解による分子量低下のために成形品の物性が低下する、比重が高く成形品が重い、耐衝撃性が低い、という問題がある。
そこで、加工成形性が良く、軽量で、耐衝撃性の高いポリオレフィンを熱可塑性ポリエステルにブレンドする方法があるが、熱可塑性ポリエステルとポリオレフィンとは相容性が低く、単純な物理ブレンドではマクロな相分離構造を形成し、得られた樹脂組成物は機械的特性に劣り、耐衝撃性が低かった。
【0003】
これらの欠点を克服する方法として、ポリオレフィン樹脂に酸無水物を導入する方法(例えば、特許文献1参照)、末端エポキシ変性ポリプロピレンを相容化剤として使用する方法(例えば、特許文献2参照)、エポキシ基含有エチレン共重合体を特定量配合する方法(例えば、特許文献3参照)等が知られている。しかし、酸無水物で変性したり、グリシジルメタクリレートでオレフィン系樹脂を変性しても、熱可塑性ポリエステルとポリオレフィンとの相容性が不十分な場合がある。特に再利用することが求められている、リサイクルされたポリエステル樹脂を使用する場合、ポリエステル樹脂の構造、分子量などは種々雑多であり、また、一旦成形されたものは加水分解を起こしたりして物性が低下しているため、これを原料として用いると流動性が高すぎ、目的とする機械強度や耐衝撃性能を備えた成形品、特にインフレーションフィルムを得ることが困難であった。
そこで、本出願人は特許文献4記載の官能基をもつ水添ジエン系重合体を相容化剤として使用を試みたが、この相容化剤は引張強度など機械的特性には改良がみられるが、流動性を上げることが困難で、加工方法によっては加工成形できない問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開昭55−21430号公報
【特許文献2】
特開平8−134283号公報
【特許文献3】
特開2002−206052号公報
【特許文献4】
欧州特許出願公開第1245585号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、リサイクルされたポリエステル樹脂を含んでいても成形加工性が良く、耐衝撃性、引裂強度などの機械的特性に優れた成形品が得られる熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びその成形品を提供することを目的とする。
【0006】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、2種以上の官能基含有化合物を熱可塑性ポリエステルとポリオレフィンにブレンドすることにより、成形加工性が良く、耐衝撃性、引裂強度などの機械的特性に優れた成形品が得られる熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記の熱可塑性樹脂組成物、その製造方法及びそれを用いた成形品が提供される。
[1](イ)熱可塑性ポリエステル1〜99質量部と(ロ)ポリオレフィン99〜1質量部(ただし、(イ)+(ロ)=100質量部)、並びに(ハ)分子中にカルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、及びオキサゾリン基からなる群から選ばれる官能基を有する少なくとも2種の官能基含有化合物0.1〜30質量部を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、上記(イ)成分が、ポリエチレンテレフタレートであり、上記(ロ)成分が、エチレン系重合体であり、上記(ハ)成分が、(ハ−1)エポキシ基含有エチレン系重合体、並びに、(ハ−2)アルコキシシリル基を含有する水素添加ジエン系重合体を含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物
[2](イ)熱可塑性ポリエステルの一部又は全部がリサイクルされた熱可塑性ポリエステルであることを特徴とする上記[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[3](ハ−2)成分が、下記重合体ブロックB、並びに、下記重合体ブロックA及び/又は下記重合体ブロックCを有し、且つ、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が水素添加されたアルコキシシリル基を含有する水素添加ジエン系重合体である上記[1]又は[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
A:芳香族ビニル化合物単位を50質量%を超えて含有する重合体ブロック
B:共役ジエン化合物単位を50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3,4−結合含量が30%以上90%以下である重合体ブロック
C:共役ジエン化合物単位を50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3,4−結合含量が30%未満である重合体ブロック
[4]押出機を用い(イ)成分、(ロ)成分並びに(ハ)成分を温度150〜350℃、混練時間20分以下、剪断速度100〜10,000秒−1で混練することを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[5]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
[6]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなるインフレーションフィルム。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の熱可塑性樹脂組成物の実施の形態を具体的に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂体組成物は(イ)熱可塑性ポリエステル1〜99質量部と(ロ)ポリオレフィン99〜1質量部(ただし、(イ)+(ロ)=100質量部)、並びに(ハ)分子中にカルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、及びオキサゾリン基からなる群から選ばれる官能基を有する少なくとも2種の官能基含有化合物0.1〜30質量部を含有することを特徴とする。
以下、各構成要素ごとにさらに具体的に説明する。
【0009】
(イ)熱可塑性ポリエステル
本発明で用いられる(イ)熱可塑性ポリエステル(以下「(イ)成分」ともいう)としては、ジカルボン酸(あるいは、そのエステル誘導体)とジオール(あるいは、そのエステル誘導体)とを主成分とする縮合反応により得られる重合体ないしは共重合体が挙げられる。
【0010】
ジカルボン酸の例としてはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族環状ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられ、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく用いられる。また、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0011】
ジオールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族環状ジオール等が挙げられ、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、少量であればポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の分子量5,000以下の長鎖ジオールを1種単独で又は2種以上を使用することができる。
【0012】
上記熱可塑性ポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体、ポリプロピレンテレフタレート/イソフタレート共重合体、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体、ポリヘキサメチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体、ポリシクロヘキサン−1,4−ジメチロールテレフタレート/イソフタレート共重合体、ポリネオペンチルテレフタレート/イソフタレート共重合体、ポリエチレンナフタレート等が挙げられ、これらのうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく用いられる。
なかでも、ポリエチレンテレフタレート(PET)が市場性から特に好ましい。
また、環状のラクトン、例えばβ−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン等の開環重合によって得られるポリラクトン等も用いることができる。
これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に用いられる熱可塑性ポリエステルの分子量は特に制限されないが、重量平均分子量で1,000〜100万、好ましくは5,000〜50万である。また、固有粘度[η]としては0.1〜2.0、好ましくは0.3〜1.5、特に好ましくは0.5〜1.2である。
さらに、得られる熱可塑性樹脂組成物の機械的特性及び成形加工性のバランスを損なわない範囲で、熱可塑性ポリエステルの一部又は全部として、リサイクルされた熱可塑性ポリエステルを使用することができる。リサイクルされた熱可塑性ポリエステルは「リサイクルPET樹脂」としてウィズウェイストジャパン社、東京ペットボトルリサイクル社、西日本ペットボトルリサイクル社等で再生処理されている。
リサイクルされた熱可塑性ポリエステルの固有粘度[η]は、通常0.1〜1.5の範囲内である。本発明では、好ましくは固有粘度[η]0.3〜1.2、特に好ましくは固有粘度[η]0.5〜1.0のリサイクルされた熱可塑性ポリエチレンテレフタレート(PET)が使用される。
リサイクルPET樹脂と成形加工等の熱履歴を受けていない純正のPET樹脂(バージンPET樹脂)との使用割合は特に制限されないが、環境性と経済性の点からリサイクルPET樹脂を多用することが好ましく、例えば25%以上、好ましくは40%以上が使用できる。また、全量リサイクルPET樹脂を使用することもできる。
さらにリサイクルPET樹脂の形状は特に制限は無く、例えばフレーク状、ペレット状の形状のリサイクルPET樹脂が使用できる。
【0013】
(ロ)ポリオレフィン
本発明で用いられる(ロ)ポリオレフィン(以下「(ロ)成分」ともいう)は、1種又は2種以上のエチレン及び/又はαオレフィンを高圧法又は低圧法のいずれかの方法で重合して得られる重合体である。αオレフィンの例としては、プロペン(以下「プロピレン」という。)、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン等の炭素数3〜12のα−オレフィンが挙げられる。
【0014】
上記(ロ)ポリオレフィンの例としては、ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・1−ブテン共重合体、ポリ1−ブテン、等が挙げられ、これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体及びエチレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合体のうちの非共役ジエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等が好ましい。
上記(ロ)ポリオレフィンとしては、エチレンを構造単位として有するポリエチレン又はエチレン・α−オレフィン共重合体などのエチレン系重合体が好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体のエチレン含量としては、エチレン系重合体を100モル%とした場合に50〜95モル%(より好ましくは60〜90%)であることが好ましい。エチレン系重合体を構成するαオレフィンとしては、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。
【0015】
また、エチレン系重合体のメルトフローレート(MFR)は、ASTM−D1238に従い190℃、21.2N荷重下で測定された値として、好ましくは0.01〜100g/10分、より好ましくは0.1〜100g/10分である。MFRが100g/10分を超えると強度が低下し、0.01g/10分未満では熱可塑性樹脂組成物の混練加工性、押出加工性等が不十分となる。
【0016】
(ハ)官能基含有化合物
本発明で用いられる(ハ)官能基含有化合物(以下「(ハ)成分」ともいう)は、分子中にカルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、及びオキサゾリン基からなる群から選ばれる少なくとも1種類の官能基を含有する。
(ハ)成分を少なくとも2種使用することで混練時に(イ)熱可塑性ポリエステルと反応して溶融粘度を増大させるとともに、(イ)熱可塑性ポリエステルと(ロ)ポリオレフィンとの相容性を増大させることができる
【0017】
上記(ハ)官能基含有化合物としては、官能基含有単量体又は官能基含有重合体を使用することができる。
官能基含有単量体の例としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族環状ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸、4,4’−p−ターフェニレンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族環状ジオール、ビスフェノールA、2,3,5−トリメチルハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ、トリメチロールプロパンジグリセロール、ペンタエリスリトール、レゾルシンなどのポリオール、1,3−トリメチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,7−ヘプタメチレンジアミン、1,8−オクタメチレンジアミン、2−メチル−1,8−オクタメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン、1,11−ウンデカンメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、1,13−トリデカメチレンジアミン、1,14−テトラデカメチレンジアミン、1,15−ペンタデカメチレンジアミン、1,16−ヘキサデカメチレンジアミン、1,17−ヘプタデカメチレンジアミン、1,18−オクタデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシレンメタン、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシレンプロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−ジシクロヘキシレンメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジンなどの脂環族ジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジ(m−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフォン、4,4’−ジ(p−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフォン、ベンジジン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5−ジメチルフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、2,4−ジアミノトルエン、2,2’−ジメチルベンジジンなどの芳香族ジアミン、ジエチルトリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミン、3,3’,4,4’−テトラアミノジフェニルスルホンなどのポリアミン、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、o−トリジンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネートなどのジイソシアネート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブテントリカルボン酸ジグリシジルエステル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、N,N’−ジグリシジルアニリン、N,N’−ジグリシジル−o−トルイジンなどのジグリシジル、トリスエポキシプロピルイソシアヌレート、ブテンカルボン酸トリグリシジルエステル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルなどのポリグリシジル、N,N−ジエチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチル−N,N’−ジエタノールアミン、N,N’−ジブチルエタノールアミン、モノジ−トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、3−アミノプロパノール、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、2−アミノ−4−クロロフェノール、ロイコ−1,4−ジアミノアントラキノンなどのヒドロキシルアミンが挙げられる。
【0018】
更に、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基を含有する(メタ)アクリロイル化合物も官能基含有化合物として挙げられる。
【0019】
【化1】
Figure 0004244702
【0020】
[上記一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Aはヘテロ原子を含んでも良い炭素数1〜20の炭化水素基、又は単結合であり、Xはアルコキシシリル基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、又はオキサゾリン基であり、qは1〜3の整数を示す。]
【0021】
官能基含有重合体は、官能基含有単量体の単独重合体、又は官能基含有単量体と該単量体と共重合し得る他のビニル単量体との共重合体、あるいはグラフト重合体若しくは官能基含有単量体の縮合体などが挙げられる。なかでも(ハ−1)官能基含有オレフィン系重合体及び/又は(ハ−2)官能基含有水素添加ジエン系重合体が好適に使用される。
【0022】
(ハ−1)官能基含有オレフィン系重合体としては、(メタ)アクリル酸とエチレンを含有するカルボキシル基含有エチレン系重合体、無水マレイン酸とエチレンを含有する無水マレイン酸変性エチレン系重合体、上記一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基含有化合物とエチレンを含有する(メタ)アクリロイル基含有エチレン系重合体、下記一般式(2)で表されるエポキシ基含有化合物とエチレンを含有するエポキシ基含有エチレン系重合体などが挙げられる。
【0023】
【化2】
Figure 0004244702
【0024】
[上記一般式(2)中、Rは炭素数2〜18のアルケニル基であり、Xカルボニルオキシ基、メチレンオキシ基、又はフェニレンオキシ基を示す。]
官能基含有オレフィン系重合体の具体例としては、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体をNa、Zn、Mgなどの金属イオンにより一部が中和したアイオノマー、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体のけん化物、エチレン・(メタ)アクリロイル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル・無水マレイン酸共重合体、エチレン・ビニルイソシアネート共重合体、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体、エポキシ変性エチレン・プロピレン共重合体、ヒドロキシル変性ポリエチレン、ヒドロキシル変性エチレン・プロピレン共重合体などが挙げられる。
なお、(ハ1)官能基含有オレフィン系重合体中に付与する官能基の量は、電気物性、耐湿性などの特性の低下しない範囲で、得られる熱可塑性樹脂組成物の機械的特性と成形加工性のバランスが良くなるように付与すればよいが、好ましくは重合体一分子鎖当たり0.01〜1,000個、特に好ましくは0.1〜500個である。
【0025】
(ハ−2)官能基含有水素添加ジエン系重合体としては、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物をアニオン重合して得られる共役ジエン系重合体のうち、共役ジエンに由来する二重結合の少なくとも80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上が水素添加(以下、水素添加を「水添」ということもある)された水添ジエン系重合体であって、かつ官能基を含有するもので、たとえば、以下の重合体が挙げられる。
【0026】
(a)共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を、アミノ基を有する有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合し、その後、該重合体を水素添加した重合体。
(b)共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物と、アミノ基を有する不飽和単量体とを有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合し、その後、該重合体を水素添加した重合体。
(c)共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合し、得られた重合体の活性点に、アルコキシシラン化合物を反応させた重合体とし、その後、該重合体を水素添加した重合体。
(d)共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合し、得られた重合体の活性点に、エポキシ化合物又はケトン化合物又は下記一般式(3)〜(7)を除く含窒素化合物を反応させた重合体とし、その後、該重合体を水素添加した重合体。
(e)共役ジエン化合物又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合し、得られた重合体を水素添加した重合体に上記一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基含有化合物、上記一般式(2)で表されるエポキシ基含有化合物又は無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種を溶液中又は押し出し機等の混練機中で反応させて得られる重合体。
【0027】
上記「共役ジエン化合物」としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセン、クロロプレン等が挙げられる。この中で、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
上記「芳香族ビニル化合物」としては、スチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジン等が挙げられる。この中で、スチレン及びtert−ブチルスチレンが好ましい。
【0028】
(a)の方法で使用するアミノ基を有する有機アルカリ金属化合物としては、下記一般式(3)又は(4)が挙げられる。
【0029】
【化3】
Figure 0004244702
【0030】
【化4】
Figure 0004244702
【0031】
[上記一般式(3)中、R及びRは両方とも炭素数3〜18のトリアルキルシリル基であるか、又はどちらか一方が上記トリアルキルシリル基であり、他方が炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基若しくは炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。また、上記一般式(3)及び(4)中のRは、炭素数1〜20のアルキレン基又はアルキリデン基である。更に、上記一般式(4)中のRは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。]
【0032】
上記一般式(3)又は(4)で表される有機アルカリ金属化合物の具体例としては、3−リチオ−1−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]アミノプロパン(CAS No.289719−98−8)、2−リチオ−1−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]アミノエタン、3−リチオ−2,2−ジメチル−1−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]アミノプロパン、2,2,5,5−テトラメチル−1−(3−リチオプロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、2,2,5,5−テトラメチル−1−(3−リチオ−2,2−ジメチル−プロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、2,2,5,5−テトラメチル−1−(2−リチオエチル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン、3−リチオ−1−[N−(tert−ブチル−ジメチルシリル)−N−トリメチルシリル]アミノプロパン、3−リチオ−1−(N−メチル−N−トリメチルシリル)アミノプロパン、3−リチオ−1−(N−エチル−N−トリメチルシリル)アミノプロパンなどが挙げられる。
【0033】
(b)〜(e)の方法で使用する有機アルカリ金属化合物としては、有機リチウム化合物、有機ナトリウム化合物等が挙げられ、特にn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物が好ましい。
【0034】
(b)の方法で使用するアミノ基を有する不飽和単量体としては、下記一般式(5)又は(6)で表される化合物が挙げられる。
【0035】
【化5】
Figure 0004244702
【0036】
【化6】
Figure 0004244702
【0037】
[上記一般式(5)及び(6)中、R及びRは、両方とも炭素数3〜18のトリアルキルシリル基であるか、又はどちらか一方が上記トリアルキルシリル基であり、他方が炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基若しくは炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。また、上記一般式(6)中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基又はアルキリデン基である。更に、上記一般式(5)及び(6)中のnは1〜3の整数である。]
【0038】
上記一般式(5)又は(6)で表される不飽和単量体の具体例としては、p−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]スチレン、p−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノメチル]スチレン、p−{2−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]エチル}スチレン、m−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]スチレン、p−(N−メチル−N−トリメチルシリルアミノ)スチレン、p−(N−メチル−N−トリメチルシリルアミノメチル)スチレンなどが挙げられる。
【0039】
また、(c)の方法で使用するアルコキシシラン化合物としては、下記一般式(7)で表される化合物が挙げられる。
10 (4−m−n)Si(OR11 (7)
[上記一般式(7)中、R10は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数1〜100のオルガノシロキシ基であり、R10が複数ある場合は、各R10は同じ基でも異なる基でもよい。R11は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基であり、R11が複数ある場合は、各R11は同じ基でも異なる基でもよい。XはN原子を含む極性基を有する置換基であり、Xが複数ある場合は、各Xは同じ基でも異なる基でもよく、また、各Xは独立の置換基でも環状構造を形成していてもよい。mは1、2又は3であり、nは1、2又は3の整数を示す。mとnの和は1〜4の整数である。]
【0040】
上記一般式(7)で表されるアルコキシシラン化合物の具体例としては、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルジメチルエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルジメチルメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルジメチルエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルジメチルメトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルジメチルエトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルジメチルメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルジメチルエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルジメチルメトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(メチルジメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(メチルジエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(ジメチルメトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(ジメチルエトキシシリル)−1−プロパンアミンなどが挙げられる。
【0041】
(d)の方法で使用するエポキシ化合物としてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が、ケトン化合物としてはアセトン、ベンゾフェノン等が、上記一般式(3)〜(7)を除く含窒素化合物としては下記一般式(8)で表される化合物が挙げられる
1213C=N−Y (8)
[上記一般式(8)中、R12及びR13はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。また、Yは水素原子、炭素数3〜18のトリアルキルシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基又は炭素数1〜100のオルガノシロキシ基である。]
一般式(8)で表される化合物の具体例としてN−ベンジリデンメチルアミン、N−ベンジリデンエチルアミン、N−ベンジリデンブチルアミン、N−ベンジリデンアニリンなどが挙げられる。
【0042】
(e)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物を有機アルカリ金属化合物の存在下でブロック共重合し、得られた重合体を水素添加した重合体に上記一般式(1)の(メタ)アクリロイル基含有化合物、上記一般式(2)のエポキシ化合物又は無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種を溶液中又は押出機等の混練り機中で反応させて得られる重合体の具体例としては、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン・プロピレンスチレンブロック共重合体、無水マレイン酸変性スチレン−エチレン・ブチレン・プロピレンスチレンブロック共重合体、エポキシ変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、エポキシ変性スチレン−エチレン・プロピレンスチレンブロック共重合体、エポキシ変性スチレン−エチレン・ブチレン・プロピレンスチレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0043】
また、官能基含有水素添加ジエン系重合体における芳香族ビニル化合物の重合単位と共役ジエン化合物の重合単位との含有量の割合は、質量比で0/100〜80/20、好ましくは3/97〜60/40の範囲である。
【0044】
官能基含有水素添加ジエン系重合体は、次に例示する構成単位からなる重合体ブロック(A)、(B)及び(C)によって構成されるものとすることができ、少なくとも1種の重合体ブロック(B)並びに、少なくとも1種の重合体ブロック(A)及び/又は少なくとも1種の重合体ブロック(C)を有するものが好ましく用いられる。
(A):芳香族ビニル化合物を50質量%を超えて含有する重合体ブロック
(B):共役ジエン化合物を50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3,4−結合含量が30%以上90%以下である重合体ブロック
(C):共役ジエン化合物を50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3,4−結合含量が30%未満である重合体ブロック
また、(A)(B)(C)の重合体ブロックが2種以上の化合物からなる共重合体ブロックであるときは、得られる熱可塑性樹脂組成物の目的に応じて、芳香族ビニル化合物又は共役ジエン化合物の含有量が共重合体ブロック中で連続的に変化するいわゆるテーパー型、若しくはランダム型にすることができる。
【0045】
上記「少なくとも1種の重合体ブロック(B)並びに、少なくとも1種の重合体ブロック(A)及び/又は少なくとも1種の重合体ブロック(C)を有する重合体」の例としては、(A)−(B)、[(A)−(B)] −Y、(A)−(B)−(C)、(C)−(B)−(C)、(A)−(B)−(A)、[(A)−(B)−(C)] −Y、[(A)−(B)−(A)] −Y、(A)−(B)−(A)−(B)、[(A)−(B)−(A)−(B)] −Y、(A)−(B)−(A)−(B)−(A)、[(A)−(B)−(A)−(B)−(A)] −Y、[(B)−(A)] −Y、(B)−(A)−(B)−(C)、(B)−(A)−(C)−(A)、[(C)−(A)−(B)−(C)] −Y、などが挙げられる(但し、x≧2であり、Yはカップリング剤の残基である)。
ペレット形状にする場合は、水添ジエン系重合体の外側のブロック成分として少なくとも1つ以上の(A)及び/又は(C)重合体ブロックを含むことが好ましい。
【0046】
上記カップリング剤としては、例えば、ハロゲン化合物、エポキシ化合物、カルボニル化合物、ポリビニル化合物等が挙げられる。上記カップリング剤として具体的には、例えばメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、テトラクロロシラン、ジブロモエタン、エポキシ化大豆油、ジビニルベンゼン、テトラクロロ錫、ブチルトリクロロ錫、テトラクロロゲルマニウム、ビス(トリクロロシリル)エタン、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、ジメチルテレフタル酸、ジエチルテレフタル酸、ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0047】
官能基含有水素添加ジエン系重合体の分子量は特に限定されないが、GPC法におけるポリスチレン換算による重量平均分子量で3万〜200万、好ましくは4万〜100万、更に好ましくは5万〜50万である。
尚、官能基含有水素添加ジエン系重合体に付与する官能基の量は、電気特性、耐湿性などの特性の低下しない範囲で、得られる熱可塑性樹脂組成物の機械的特性と成形加工性のバランスが良くなるように付与すればよいが、好ましくは重合体一分子鎖あたり0.01〜100個、特に好ましくは0.1〜30個である。
【0048】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記(イ)熱可塑性ポリエステル1〜99質量部と(ロ)ポリオレフィン99〜1質量部(ただし、(イ)+(ロ)=100質量部)、並びに2種以上の上記(ハ)官能基含有化合物の合計量を0.1〜30質量部含有されていることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物で、好ましくは、(イ)が60〜90質量部と(ロ)が10〜40質量部からなる混合物100質量部に対して2種以上の(ハ)官能基含有化合物は1〜15質量部、好ましくは2〜12質量部、特に好ましくは3〜10質量部である。
また別の態様として、(イ)が10〜40質量部と(ロ)が90〜60質量部からなる混合物100質量部に対して2種以上の(ハ)官能基含有化合物は1〜15質量部、好ましくは2〜12質量部、特に好ましくは3〜10質量部である。
【0049】
また、(ハ)成分として2種の官能基含有化合物を使用する場合のその使用割合は、得られる熱可塑性樹脂組成物の機械的特性と成形加工性のバランスが良くなるように付与される。2種の官能基含有化合物の組み合せは、(イ)熱可塑性ポリエステルと反応して溶融粘度を増大させるものと、(イ)熱可塑性ポリエステルと(ロ)ポリオレフィンとの相容性を増大させるものとの組み合せが好ましく使用される。具体的には(ハ−1)としてエポキシ基含有エチレン系重合体及び/又は無水マレイン酸変性エチレン系重合体と(ハ−2)としてアミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、及びエポキシ基の少なくとも1種を含有する水素添加ジエン系重合体が好ましく、なかでも、(ハ−1)としてエポキシ基含有エチレン系重合体と(ハ−2)としてアミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、エポキシ基の少なくとも1種を含有する水素添加ジエン系重合体との組み合せが特に好ましい。
(ハ−1)としてエポキシ基含有エチレン系重合体を使用すると、得られる熱可塑性樹脂組成物の成形性が向上して好ましい。
また、(ハ−2)としてアミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、エポキシ基の少なくとも1種を含有する水素添加ジエン系重合体を使用すると、得られる熱可塑性樹脂組成物の機械的特性が向上して好ましい。
(ハ−1)官能基含有オレフィン系重合体と(ハ−2)官能基含有水素添加ジエン系重合体との使用割合は(ハ−1)/(ハ−2)として1/9〜9/1、好ましくは2/8〜8/2、特に好ましくは2/8〜6/4である。
【0050】
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、本発明の目的の達成を損なわない程度に(イ)、(ロ)、(ハ)以外の重合体を適宜配合してもよい。
【0051】
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、上記各成分の他、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。例えば、無機充填剤を添加することができる。無機充填剤を含有させることにより、熱可塑性樹脂組成物に難燃性、強度及び剛性等の好ましい性質を付与することができるので好ましい。また、無機充填剤の含有量については特に限定はなく、要求される性能を満足させるために種々の含有量とすることができる。無機充填剤の含有量は、通常は、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、1〜90質量部、好ましくは2〜80質量部、特に好ましくは5〜70質量部である。かかる範囲とすることにより、熱可塑性樹脂組成物の物性を阻害することなく、難燃性や強度等の性質を付与することができるので好ましい。
【0052】
無機充填剤としては、例えば水酸化マグネシウムの他、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、燐酸塩化合物、カーボン、ガラスビーズ、ガラスパウダー、アスベスト、マイカ、タルク、シリカ、ゼオライト、カオリン、ケイ砂、ケイ石、石英粉、シラス、金属繊維等の無機繊維、及びチタン酸カリウムウィスカー等の無機ウィスカー等が挙げられる。そして、これらのうちの1種又は2種以上を用いることができる。また、無機充填剤は、無処理のまま用いてもよいが、各重合体との親和性や界面結合力を高める等の目的で、脂肪酸(ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等)又はその金属塩、パラフィン、ワックス、ポリエチレンワックス又はそれらの変性物、有機ボラン、有機チタネート、シランカップリング剤、アルミカップリング剤等で表面処理を施したものを用いることもできる。
【0053】
これらの中で無機難燃剤として、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、酸化錫等が挙げられる。これらのうち、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムが有用であると共に工業的に入手し易く好ましい。本発明では、水酸化マグネシウムは難燃効果が高く特に好ましい。また、この場合、無機難燃剤の難燃効果を高めるために、ポリリン酸アンモニウム系難燃剤やリン酸エステルなどのリン系難燃剤、シリコーン化合物、石英硝子などや、難燃助剤として水ガラス、フリット、ドリップ防止のための窒化珪素短繊維などを配合して用いることもできる。
【0054】
その他の添加剤として、老化防止剤、耐候剤、金属不活性剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の安定剤、防菌・防黴剤、分散剤、軟化剤、可塑剤、架橋剤、共架橋剤、加硫剤、加硫助剤、発泡剤、発泡助剤等を用いることができる。
【0055】
熱可塑性樹脂組成物の製造方法
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等の公知の混練機、及びそれらを組み合わせた混練機により溶融混練する方法、また射出成形機でドライブレンドする方法等を挙げることができる。
【0056】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(イ)、(ロ)、及び(ハ)成分すべてを一括して溶融混練してもよく、2種以上の(ハ)成分をあらかじめ予備溶融混練したのち、(イ)、(ロ)の成分を溶融混練してもよい。
また、(ハ)成分として(ハ−1)官能基含有オレフィン系重合体と(ハ−2)官能基含有水素添加ジエン系重合体とを使用する場合、(イ)と(ハ−1)成分をあらかじめ溶融混練した後、(ロ)と(ハ−2)成分を更に加えて溶融混練すると、流動性が低くできるためインフレーション成形やブロー成形に使用する場合に好ましい。
【0057】
混練温度と混練時間は望まれる熱可塑性樹脂組成物や混練機の種類等の条件により任意に選ぶことができるが、押出機中での混練温度は150〜350℃、混練時間は30秒以上20分以下、剪断速度は100〜10,000秒−1で混練することが好ましい。混練温度が350℃又は混練時間が20分を越えると熱可塑性ポリエステルの熱劣化が問題となり、成形品の物性の低下や外観の悪化が生じることがある。混練時間が30秒未満では混練が不十分である。尚、リサイクルされた熱可塑性ポリエステルを使用する場合は、混練り前に、予め乾燥させ熱可塑性ポリエステル中の水分量を好ましくは0.1質量%以下、特に好ましくは0.05質量%以下にしておくことが望ましい。
【0058】
このようにして得られた熱可塑性樹脂組成物は射出成形、押出成形、インフレーション成形、回転成形、プレス成形、中空成形、カレンダー成形、及びブロー成形等の公知の方法で成形することが可能である。
【0059】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃性、引裂強度に優れ、成形加工に適した流動性を有するため、食品包装容器、各種トレー、シート、チューブ、フィルム、繊維、積層物、コーティング材、コネクタやプリント基板、モーターのカバーや電球ソケットカバー等の電気・電子部品、コンピュータ等のOA機器や家電の筐体、インジェクションコイルカバー、エンジンカバー、及びホイールカバーのような自動車用部品、精密部品、窓サッシのような土木・住宅関連建材、ハンガー、椅子、及び、ごみ箱のような家庭用雑貨等の各種工業部品等に用いられる。中でも、耐衝撃性、引裂強度に優れ、成形加工に適した流動性のような性能が求められるインフレーションフィルムに好適に使用される。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例及び比較例における各種化学組成並びに物性の評価は、以下に示す方法で行った。
【0061】
〔1〕官能基含有水素添加ジエン系重合体の評価方法
(1)ビニル結合含量(1,2−及び、3,4−結合含量)
赤外吸収スペクトル法(モレロ法)によって求めた。
(2)結合スチレン含量
赤外吸収スペクトル法により、検量線を作成し求めた。
(3)重量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー社製、HLC−8120)を用いてポリスチレン換算で求めた。
(4)MFR(メルトフローレート)
JIS K7210に従い、230℃、21.2N荷重の条件で測定した。
(5)変性率(個/ポリマー)
重合体中の官能基の割合であり、下記の式により表される。
変性率=官能基(個)/ポリマー(一分子鎖)
Analy.Chem.564(1952)記載のアミン滴定法による定量により求めた。即ち、官能基含有水素添加ジエン系重合体を精製後、有機溶剤に溶解し、指示薬としてメチルバイオレットを用い、溶液の色が紫から水色に変化するまでHClO/CHCOOHを滴定することにより求めた。
(6)共役ジエンの水添率
四塩化炭素を溶媒に、270MHz、H−NMRスペクトルから算出した。
〔2〕熱可塑性ポリエステルの評価方法
(7)固有粘度[η]
熱可塑性ポリエステルをフェノール/テトラクロロエタン(質量比1/1)の混合溶媒に110℃で30分間保持することにより溶解させ0.1g/dl溶液を得た。この溶液の相対粘度(ηrel)を、ウベローデ型毛細粘度管を用いて30℃で測定した。この測定を0.2g/dl、0.5g/dl、及び1g/dlの各濃度で作製した溶液についても同様に行ない、濃度C(g/dl)に対する(ηrel−1)/Cの値をグラフにプロットし、C=0における(ηrel−1)/Cの値を外挿により求め、固有粘度η(dl/g)とした。
(8)水分量
カールフィシャー法により求めた。
【0062】
〔3〕インフレーションフィルムの評価方法
(9)成形加工性
所定の配合の原料をインフレーション成形法によりフィルムを作成する際に、以下の基準で成形加工性を判断した。
○:熱可塑性樹脂組成物の粘度が適正であり、問題なくインフレーション成形ができる。
△:熱可塑性樹脂組成物の粘度が低いためバブルが不安定で、フィルムの折り幅や厚みが時間と共に変動して、インフレーション成形が困難である。
×:熱可塑性樹脂組成物の粘度が低すぎるため、バブルを形成できずインフレーション成形ができない。
(10)外観
得られたインフレーションフィルムに対して、以下の基準で外観を目視で判断した。
○:フィルム表面に凹凸や穴が認められず、均一な外観。
×:フィルム表面に凹凸、穴、分散不良が認められ不均一な外観。
(11)耐衝撃性
得られたフィルムをJIS Z1707に準拠してフィルム打ち抜き強度を測定し、これをフィルムの厚さ(mm)で割った数値を耐衝撃性の指標とした。
(12)引裂強度
JIS K6732に従い、フィルムの横方向のエルメンドルフ引裂荷重を測定し、これをフィルムの厚さ(mm)で割った数値を引裂強度の指標とした。
【0063】
〔4〕原料
実施例、比較例及び評価の配合処方に用いた成分原料を以下に示す。
[1]
成分(イ−1):リサイクルされたポリエチレンテレフタレート(R−PET)(固有粘度[η]0.6、よのペットボトルリサイクル社製)
成分(イ−2):バージンのポリエチレンテレフタレート(商品名「RT523C」、固有粘度[η]0.7、日本ユニペット社製)
[2]
成分(ロ):線状低密度ポリエチレン(LLDPE)(商品名「UF440」、日本ポリケム社製)
[3]
成分(ハ−1−1):エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体(EGMA)(商品名「レクスパールRA3150」、日本ポリオレフィン社製)
成分(ハ−1−2):無水マレイン酸変性エチレン・プロピレンゴム(MAH−EP)(商品名「T7761」、JSR社製)
成分(ハ−2−1〜ハ−2−8):下記の製造例により得られた官能基含有水素添加ジエン系重合体
【0064】
製造例1 官能基含有水素添加ジエン系重合体(ハ−2−1)の製造
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、テトラヒドロフラン(750g)、スチレン(2,000g)、及び3−リチオ−1−N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロパン(14.4g)を加え、50℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を20℃として1,3−ブタジエン(2,500g)を添加して断熱重合した。30分後、スチレン(500g)を添加し、さらに重合を行った。重合が完結したのち、水素ガスを0.4MPa−Gの圧力で供給し、20分間撹拌し、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムと反応させ、水素化リチウムとした。反応溶液を90℃にし、チタノセンジクロリドを使用して水添反応を行った。水素の吸収が終了した時点で、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留により除去することによって、構造がA−B−A型の官能基含有水素添加ジエン系重合体(ハ−2−1)を得た。
得られた官能基含有水素添加ジエン系重合体の水添率は98%、重量平均分子量は10万、水添前ポリマーの結合スチレン含量は50重量%、ポリブタジエンブロックのビニル結合含量は80%、MFRは2.7g/10分であった。
【0065】
製造例2 官能基含有水素添加ジエン系重合体(ハ−2−2)の製造
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、テトラヒドロフラン(750g)、スチレン(500g)、及び2,2,5,5−テトラメチル−1−(3−リチオプロピル)−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン(14.5g)を加え、重合開始温度50℃にて断熱重合した。反応完結後、温度を20℃として1,3−ブタジエン(4,250g)を添加して断熱重合した。30分後、スチレン(250g)を添加し、さらに重合を行った。重合が完結したのち、製造例1と同様に水添反応及び溶媒除去することによって、構造がA−B−A型の官能基含有水素添加ジエン系重合体(ハ−2−2)を得た。
得られた官能基含有水素添加ジエン系重合体の水添率は97%、重量平均分子量は12万、水添前ポリマーの結合スチレン含量は15重量%、ポリブタジエンブロックのビニル結合含量は78%、MFRは22.1g/10分であった。
【0066】
製造例3 官能基含有水素添加ジエン系重合体(ハ−2−3)の製造
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、テトラヒドロフラン(750g)、スチレン(500g)、n−ブチルリチウム(4.5g)を加え、50℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を20℃として1,3−ブタジエン(4250g)を添加して断熱重合した。30分後、スチレン(250g)を添加し、さらに重合を行った。活性点に4−{2−[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ]エチル}スチレン(37g)を加え、30分反応させた。反応完結後、製造例1と同様に水添反応及び溶媒除去することによって、構造がA−B−A型の官能基含有水素添加ジエン系重合体(ハ−2−3)を得た。得られた官能基含有水素添加ジエン系重合体の水添率は99%、重量平均分子量は12万、水添前ポリマーの結合スチレン含量は15重量%、ポリブタジエンブロックのビニル結合含量は79%、MFRは17.4g/10分であった。
【0067】
製造例4 官能基含有水素添加ジエン系重合体(ハ−2−4)の製造
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、脱気・脱水したシクロヘキサン(30kg)、1,3−ブタジエン(1,000g)を仕込んだ後、テトラヒドロフラン(1.5g)及びn−ブチルリチウム(4g)を加え、60℃からの断熱重合を40分行った。反応終了後、反応液を30℃とした後、テトラヒドロフラン(60g)、1,3−ブタジエン(3,750g)を加え断熱重合を行った。転化率がほぼ100%になった後、さらにスチレン(250g)を加え、ジエン系重合体の重合を行った。ついでN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン(17g)を加え、上記ジエン系重合体の活性点に30分反応させた。反応完結後、製造例1と同様に水添反応及び溶媒除去することによって、構造がC−B−A型の官能基含有水素添加ジエン系重合体(ハ−2−4)を得た。
得られた官能基含有水素添加ジエン系重合体の水添率は99%、重量平均分子量は14万、水添前ポリマーの結合スチレン含量は5重量%、重合1段目ポリブタジエンブロックのビニル結合含量は15%、重合2段目ポリブタジエンブロックのビニル結合含量は42%、MFRは2.4g/10分であった。
【0068】
上記(ハ−2−1〜ハ−2−4)と同様にして、表1の官能基含有水素添加ジエン系重合体になるように、単量体種類、単量体量、変性剤種類、変性剤量、触媒量、重合温度、重合時間等を変化させて、官能基含有水素添加ジエン系重合体(ハ−2−5〜ハ−2−6)を製造した。
【0069】
製造例5 官能基含有水素添加ジエン系重合体(ハ−2−7)の製造
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、テトラヒドロフラン(1.25g)、1,3−ブタジエン(1,500g)、及びn−ブチルリチウム(4.3g)を加え、70℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を20℃としてテトラヒドロフラン(750g)及び1,3−ブタジエン(3,500g)を添加して断熱重合した。次いで、この系内にN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン(8g)を加えて30分間反応させた。反応完結後、製造例1と同様に水添反応及び溶媒除去することによって、構造がC−B−C型の官能基含有水素添加ジエン系重合体(ハ−2−7)を得た。
得られた官能基含有水素添加ジエン系重合体の水添率は97%、重量平均分子量は30万、水添前ポリマーの重合1段目ポリブタジエンブロックのビニル結合含量は14%、重合2段目ポリブタジエンブロックのビニル結合含量は80%、MFRは0.7g/10分であった。
【0070】
製造例6 官能基含有水素添加ジエン系重合体(ハ−2−8)の製造
窒素置換された内容積50リットルの反応容器に、シクロヘキサン(25kg)、テトラヒドロフラン(750g)、スチレン(500g)、及びn−ブチルリチウム(4.2g)を加え、50℃からの断熱重合を行った。反応完結後、温度を20℃として1,3−ブタジエン(4,250g)を添加して断熱重合した。30分後、スチレン(250g)を添加し、さらに重合を行った。活性点にベンジリデンエチルアミン(7.8g)を加え、30分反応させた。そして、反応溶液を80℃以上にして系内に水素を導入した。次いで、Pd−BaSO触媒(13g)を加え、水素圧2.0MPaを保つようにして1時間反応させた。反応後、反応溶液を常温、常圧に戻して反応容器より抜き出し、次いで、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒を水蒸気蒸留除去することによって、構造がA−B−A型の官能基含有水素添加ジエン系重合体(ハ−2−8)を得た。
得られた官能基含有水素添加ジエン系重合体の水添率は98%、重量平均分子量は13万、水添前ポリマーの結合スチレン含量は15重量%、ポリブタジエンブロックのビニル結合含量は80%、MFRは4.4g/10分であった。
【0071】
【表1】
Figure 0004244702
【0072】
成分(ハ−2−9):無水マレイン酸変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(MAH−SEBS;構造A−B−A型)(商品名「タフテックM1913」、旭化成社製)
【0073】
〔5〕熱可塑性樹脂組成物の製造
参考例1
除湿乾燥機により150℃で8時間乾燥して水分量0.02質量%の(イ−1)R−PETを7kg、(ロ)LLDPEを3kg、(ハ−1−1)EGMAを300g、製造例1で得られた官能基含有水素添加ジエン系重合体(ハ−2−1)を300gペレットブレンドした後、二軸押出機(PCM45II−33.5、池貝社製)を用い、設定温度260℃、スクリュー回転数200rpm、剪断速度2200秒−1でコンパウンドし、ストランドカッターによりペレットを8.5kg得た。該ペレットを除湿乾燥機により80℃で24時間乾燥して水分量0.01質量%とした後、インフレーション成形機(50mm単軸押出機、L/D=26)と100mm丸ダイを用い、ニップ1mm、ブロー比2.5、引き取り速度20m/min、設定温度280℃で、厚さ30μmのチューブ状フィルムを成形した。該フィルムについて、その物性を上記の方法により評価した。その結果を表2に示す。
【0074】
参考例2〜6、実施例1〜9、比較例1〜7
表2〜3に示す配合で参考例1と同様に成形及び評価し、その結果を表2及び表3に示す。
【0075】
【表2】
Figure 0004244702
【0076】
【表3】
Figure 0004244702
【0077】
表2〜表3の結果から、(イ)成分、(ロ)成分を含み、かつ、(ハ)成分としてエポキシ基含有エチレン系重合体、及び、アルコキシシリル基含有水素添加ジエン系重合体を含む実施例1〜9はいずれもインフレーションフィルム成形性には問題がなく、耐衝撃性、引裂強度に特に優れていた。一方、比較例1及び比較例2は(イ)成分からなるもので、また、比較例3は(イ)成分と(ロ)成分からなり、(イ)成分が多い場合であるが、比較例1〜3ともに(ハ)成分を含まないため、インフレーション成形ができなかった。比較例7は(イ)成分と(ロ)成分からなり、(ロ)成分が多い場合であるが、(ハ)成分を含まないため、インフレーション成形困難であった。また、比較例4〜6は(ハ)成分が1種のみであるため、インフレーション成形ができないか、できても外観が不良で耐衝撃性、引裂強度も充分ではないことが分かる。
【0078】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性重合体組成物は、成形加工性と機械的特性のバランスに優れた材料で、食品包装容器、各種トレー、シート、チューブ、フィルム、繊維、積層物、コーティング材、コネクタやプリント基板、モーターのカバーや電球ソケットカバー等の電気・電子部品、コンピュータ等のOA機器や家電の筐体、インジェクションコイルカバー、エンジンカバー、及び、ホイールカバーのような自動車用部品、精密部品、窓サッシのような土木・住宅関連建材、ハンガー、椅子、及び、ごみ箱のような家庭用雑貨等の各種工業部品等に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. (イ)熱可塑性ポリエステル1〜99質量部と(ロ)ポリオレフィン99〜1質量部(ただし、(イ)+(ロ)=100質量部)、並びに(ハ)分子中にカルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、及びオキサゾリン基からなる群から選ばれる官能基を有する少なくとも2種の官能基含有化合物0.1〜30質量部を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、上記(イ)成分が、ポリエチレンテレフタレートであり、上記(ロ)成分が、エチレン系重合体であり、上記(ハ)成分が、(ハ−1)エポキシ基含有エチレン系重合体、並びに、(ハ−2)アルコキシシリル基を含有する水素添加ジエン系重合体を含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物
  2. (イ)熱可塑性ポリエステルの一部又は全部がリサイクルされた熱可塑性ポリエステルであることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. (ハ−2)成分が、下記重合体ブロックB、並びに、下記重合体ブロックA及び/又は下記重合体ブロックCを有し、且つ、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも80%が水素添加されたアルコキシシリル基を含有する水素添加ジエン系重合体である請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
    A:芳香族ビニル化合物単位を50質量%を超えて含有する重合体ブロック
    B:共役ジエン化合物単位を50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3,4−結合含量が30%以上90%以下である重合体ブロック
    C:共役ジエン化合物単位を50質量%を超えて含有し、その1,2−及び3,4−結合含量が30%未満である重合体ブロック
  4. 押出機を用い(イ)成分、(ロ)成分並びに(ハ)成分を温度150〜350℃、混練時間20分以下、剪断速度100〜10,000秒−1で混練することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなるインフレーションフィルム。
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