JP4244651B2 - エンジン停止位置推定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン停止位置を推定する機能を備えたエンジン停止位置推定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エンジン運転中は、クランク角センサとカム角センサの出力信号に基づいて気筒を判別し且つクランク角を検出して点火制御や燃料噴射制御を行うようにしているが、エンジン始動時は、スタータによりエンジンをクランキングして特定気筒の判別を完了するまで(つまり特定気筒の所定クランク角の信号を検出するまで)、最初に点火・噴射する気筒が不明であるという問題がある。
【0003】
この問題を解決するために、特許文献1(特開昭60−240875号公報)に示すように、エンジン停止時のクランク角(クランク軸の停止位置)をメモリに記憶しておき、次のエンジン始動時に、特定気筒の所定クランク角の信号を最初に検出するまでの間は、上記メモリに記憶されたエンジン回転停止時のクランク角を基準にして点火制御や燃料噴射制御を開始することで、始動性や始動時の排気エミッションを向上させるようにしたものがある。
【0004】
しかし、イグニッションスイッチがオフ操作されて点火や燃料噴射が停止された後も、暫くエンジンが惰性で回転するため、イグニッションスイッチのオフ操作時のクランク角を記憶したのでは、実際のエンジン停止位置(次のエンジン始動位置)を誤判定してしまう。従って、イグニッションスイッチのオフ後も、エンジン回転が完全に停止するまで、制御系の電源をオン状態に維持してクランク角の検出を継続する必要があるが、エンジン回転が停止する間際に圧縮行程の圧縮圧によってエンジン回転が逆転する現象が発生するため、エンジン停止位置を正確に検出することができない(逆転は検出できない)。
【0005】
また、特許文献2(特開平11−107823号公報)に示すように、イグニッションスイッチがオフされた瞬間のエンジン運転状態(吸気管圧力、エンジン回転速度)に基づいて、クランク軸が慣性により回転して停止するまでの回転量(TDC数)を演算し、イグニッションスイッチがオフされる直前に燃料が噴射された気筒と、前記停止するまでの回転量(TDC数)とから、エンジン停止位置を推定して、次のエンジン始動時の順次噴射における最初の気筒を推定するようにしたものがある。
【0006】
【特許文献1】
特開昭60−240875号公報(第2頁等)
【特許文献2】
特開平11−107823号公報(第2頁等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献2では、エンジンが持つ慣性の運動エネルギを予めマッチングして記憶しているにすぎず、停止過程において運動エネルギの変化を予測していないため、エンジンの製造公差、経時変化、エンジンフリクションの変化(例えばエンジンオイルの油温変化による粘度の違い等)によるバラツキにより、クランク軸が慣性により回転して停止するまでの回転量(TDC数)の推定を誤る可能性がある。このため、前記特許文献2では、エンジン停止位置を精度良く推定することは困難であり、その結果、エンジン始動時の最初の噴射気筒や点火気筒を誤判定して、始動性や始動時の排気エミッションを悪化させてしまう可能性がある。
【0008】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、エンジン停止位置を精度良く推定することができて、始動性や始動時の排気エミッションを向上させることができるエンジン停止位置推定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のエンジン停止位置推定装置は、エンジン停止指令に基づいて点火及び/又は燃料噴射を停止してエンジン回転を停止させるエンジン停止手段を備え、エンジンの運動を表すパラメータを第1のパラメータ算出手段により算出すると共に、エンジンの運動を妨げるパラメータを第2のパラメータ算出手段により算出し、エンジン回転を停止させる過程で、エンジンの運動を表すパラメータとエンジンの運動を妨げるパラメータとに基づいて、次の気筒の圧縮上死点までにエンジンが停止するか否かを繰り返し判定し、エンジン停止位置を停止位置推定手段により推定する。この場合、エンジンの運動を表すパラメータやエンジンの運動を妨げるパラメータを算出する過程で、エンジンの製造公差、経時変化、エンジンフリクションの変化(例えばエンジンオイルの油温変化による粘度の違い等)によるバラツキを考慮することができるため、これらのパラメータからエンジン停止位置を従来よりも精度良く推定することができ、始動性や始動時の排気エミッションを従来よりも向上させることができる。また、エンジンの運動を表すパラメータを、決められた算出タイミングで順次算出する場合は、今回算出されたパラメータと前回算出されたパラメータとを比較すれば、その変化分が前回の算出タイミングから今回の算出タイミングまでにエンジンの運動を妨げた量に相当する。従って、請求項のように、エンジンの運動を妨げるパラメータは、今回算出された運動を表すパラメータと前回算出された運動を表すパラメータに基づいて算出するようにすれば良い。
【0010】
燃料噴射、点火を停止する正規のエンジン停止は、運転者が自分の意思でエンジンの運転を停止するエンジン手動停止の場合と、燃費改善効果を狙ったアイドルストップシステムによるエンジン自動停止の場合がある。従って、エンジン停止指令が発生したか否かは、請求項2のように、イグニッションスイッチオフ信号とアイドルストップオン信号のいずれかにより判断すれば良い。尚、アイドルストップシステムを搭載していない車両では、イグニッションスイッチオフ信号のみで、エンジン停止指令が発生しているか否かを判定するようにすれば良いことは言うまでもない。
【0011】
また、エンジン停止指令が発生して燃料噴射と点火が停止されても、エンジンは、慣性で暫く回転し続け、もともと持っていた運動エネルギが全て奪われた時点でエンジン回転が停止する。この停止過程において、エンジンの動きを確認してエンジン停止位置を推定するためには、エンジンの運動を表すパラメータを考慮する必要がある。
【0012】
そこで、請求項3のように、エンジンの運動を表すパラメータとして、エンジンの運動エネルギ、エンジン回転速度、クランク軸角速度、ピストンの移動速度のうち少なくとも一つを算出するようにすれば良い。エンジンの運動エネルギ、エンジン回転速度、クランク軸角速度、ピストンの移動速度は、エンジンの運動を表す代表的なパラメータである。
【0013】
この場合、エンジンの運動を表すパラメータの算出タイミングをエンジンの運動を妨げるパラメータの算出タイミングに同期させるため、請求項4のように、エンジンの運動を表すパラメータの算出は、720℃Aをエンジンの気筒数で除算したクランク角度分の間隔毎のタイミングで行なえば良い。
【0014】
また、エンジンの運動を表すパラメータを、その算出タイミングにおいて正確に算出するには、請求項5のように、エンジンの運動を表すパラメータ算出タイミングにおける瞬間的な値を算出するようにすれば良い。
【0015】
また、前述のように、エンジンの停止には、もともとエンジンが持つエネルギを奪っていくエンジンの運動を妨げるパラメータが大きく影響する。この運動を妨げるパラメータとしては、請求項6のように、エンジンのポンプ損失、各部の摩擦損失、各補機の駆動損失の少なくとも一つを考慮するようにすれば良い。
【0016】
また、エンジンの運動を妨げるパラメータを、エンジン回転速度やクランク軸角速度、ピストンの移動速度といったエンジンの回転速度に関わる値を低下させる量として考える場合は、請求項7のように、エンジンの運動を妨げるパラメータを、エンジンの運動に関わる部分の質量、回転運動の径、エンジンの慣性モーメントのうち少なくとも一つを考慮して算出するようにすれば良い。
【0017】
また、エンジンの運動を妨げるパラメータは、エンジンオイルの粘度やエンジンの負荷の経時変化等に影響を受けるため、各停止過程に合った最新の値を用いることが望ましい。そこで、請求項8のように、エンジンの運動を妨げるパラメータは、停止過程で少なくとも一回は算出するようにすると良い。
【0019】
また、図2に示した4気筒エンジンの行程状態と、図3に示した6気筒エンジンの行程状態から明らかなように、720℃Aをエンジンの気筒数で除算したクランク角度分の間隔を基準間隔とすると、任意のどのクランク角度から取っても、全気筒で考えれば、吸気、圧縮、膨張、排気の4行程を全て含んでいる。つまり、エンジンの運動を妨げる各損失はこの基準間隔を単位として発生している。従って、請求項のように、エンジンの運動を妨げるパラメータとして、720℃Aをエンジンの気筒数で除算したクランク角度の間にエンジンの運動が妨げられる量を算出するようにすれば良い。
【0020】
また、エンジン停止位置を推定するためには、未来の運動を表すパラメータを予測し、それに基づいてエンジンがどの位置で停止するか判断すれば良い。現在のエンジンの運動エネルギがその運動を妨げる仕事により奪われることで、未来のエンジンの運動が決定されるため、請求項10のように、今回算出された前記運動を表すパラメータと前記運動を妨げるパラメータとに基づいて未来の運動を表すパラメータを予測し、この未来の運動を表すパラメータの予測値に基づいてエンジン停止位置を推定するようにすると良い。
【0021】
また、請求項11のように、720℃Aをエンジンの気筒数で除算したクランク角度分未来における運動を表すパラメータを予測するようにすると良い。このようにすれば、エンジンの運動を妨げる損失による仕事発生の単位周期を考慮して未来の運動を表すパラメータの予測値を算出することができ、エンジン停止位置の推定精度を向上させることができる。
【0022】
また、請求項12のように、未来の運動を表すパラメータの予測値と前記運動を妨げるパラメータとに基づいて更に未来の運動を表すパラメータを予測するようにしても良い。このようにすれば、1つ未来の予測値から2つ未来の予測値を算出でき、更に、2つ未来の予測値から3つ未来の予測値を算出できるという具合に、エンジン回転停止と判断されるまで予測値の算出を何回でも繰り返すことができ、エンジン停止位置の推定をエンジン停止過程の早期の段階で行なうことができる。
【0023】
また、エンジン停止過程でエンジンがもともと持っている運動エネルギが損失によりどんどん奪われ、エンジンの運動を表すパラメータがどんどん小さくなってゆき、ピストンが圧縮TDC(上死点)を乗り越えることができなくなった段階で、エンジンが停止する。従って、請求項13のように、未来の運動を表すパラメータの予測値が所定値以下になってピストンが圧縮TDCを乗り越えることができなくなったと判断されるときに、当該予測値のクランク角付近でエンジン回転が停止すると推定するようにすれば良い。これにより、エンジン停止位置を精度良く推定することができる。
【0024】
上記請求項10〜13に係る発明は、未来の運動を表すパラメータを予測するようにしたが、この予測を行なわない場合は、請求項15のように、前記第2のパラメータ算出手段により算出した前記運動を妨げるパラメータに基づいてエンジン停止判定値を算出し、前記エンジン停止手段によりエンジン回転を停止させる過程で前記第1のパラメータ算出手段により算出した前記運動を表すパラメータと前記エンジン停止判定値とを比較してエンジン停止位置を推定するようにすると良い。つまり、エンジン停止過程で、所定の間隔でエンジンの運動を表すパラメータを算出して、これをエンジン停止判定値と比較する処理を繰り返し、エンジンの運動を表すパラメータがエンジン停止判定値以下になった時点で、エンジンが停止すると推定する。この場合、エンジンの製造公差、経時変化、エンジンフリクションの変化(例えばエンジンオイルの油温変化による粘度の違い等)によるバラツキをエンジン停止判定値に反映させることができるので、エンジン停止位置を精度良く推定することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
[実施形態(1)]
以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図6に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の構成を概略的に説明する。エンジン11の吸気ポート12に接続された吸気管13の途中には、スロットルバルブ14が設けられ、このスロットルバルブ14の開度(スロットル開度)TAがスロットル開度センサ15によって検出される。吸気管13には、スロットルバルブ14をバイパスするバイパス通路16が設けられ、このバイパス通路16の途中に、アイドルスピードコントロールバルブ(以下「ISCバルブ」と表記する)17が設けられている。スロットルバルブ14の下流側には、吸気管圧力PMを検出する吸気管圧力センサ18が設けられ、各気筒の吸気ポート12の近傍には、燃料噴射弁19が取りつけられている。
【0026】
一方、エンジン11の排気ポート20に接続された排気管21の途中には、排気ガス浄化用の触媒22が設置されている。エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温THWを検出する冷却水温センサ23が設けられている。エンジン11のクランク軸24に取付けられたシグナルロータ25の外周に対向してクランク角センサ26が設置され、このクランク角センサ26からシグナルロータ25の回転に同期して所定クランク角毎(例えば30℃A毎)にクランクパルス信号CRSが出力される。また、エンジン11のカム軸27に取付けられたシグナルロータ28の外周に対向してカム角センサ29が設置され、このカム角センサ29からシグナルロータ28の回転に同期して所定のカム角でカムパルス信号CASが出力される。
【0027】
これら各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)30に入力される。このECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、各種センサで検出したエンジン運転状態に応じて、燃料噴射弁19の燃料噴射量や噴射時期、点火プラグ31の点火時期、ISCバルブ17のバイパス空気量等を制御すると共に、エンジン運転中にイグニッションスイッチのオフ信号又はアイドルストップ信号(アイドルストップ指令)が入力されたときには、点火及び/又は燃料噴射を停止してエンジン回転を停止させる(この機能が特許請求の範囲でいうエンジン停止手段に相当する)。
【0028】
更に、このECU30は、クランクパルス信号CRSとカムパルス信号CASSに基づいて、クランク角判定、エンジン回転速度の演算と記憶、運動エネルギの演算と記憶、運動を妨げる仕事量の演算と記憶、未来の運動エネルギ予測値の演算、未来のエンジン回転速度予測値の演算、エンジン停止位置(例えばエンジン停止時の各気筒の行程状態)の推定を行なう。このエンジン停止位置の情報は、バックアップRAM32等の書き換え可能な不揮発性メモリ(記憶手段)に記憶され、次のエンジン始動時に、このエンジン停止位置の記憶情報を用いて燃料噴射制御や点火制御を開始する。
【0029】
ここで、図4に示すエンジン停止過程のタイムチャートを用いてエンジン停止位置の推定方法を説明する。本実施形態(1)では、エンジンの運動を表すパラメータとして、各圧縮TDCにおける瞬間のエンジン回転速度(以下「瞬時回転速度」と表記する)を用いる。ECU30は、クランクパルス信号CRSの出力間隔からクランク軸24が例えば30℃A回転するのに要する時間を計測して、瞬時回転速度Neを算出する。
【0030】
ここで、図4のi番目の圧縮TDC(以下、単に「TDC(i) 」と表記する)におけるエネルギの収支について考える。本実施形態(1)では、エンジンの運動を妨げる仕事として、ポンプ損失、各部の摩擦損失、各補機の駆動損失を考慮する。TDC(i-1) の時点で、エンジンが持っている運動エネルギをE(i-1) とすると、次のTDC(i) に到達するまでに、この運動エネルギE(i-1) が前記各損失による仕事により奪われ、E(i) まで減少する。このエネルギ収支の関係は、次の(1)式のように表される。
【0031】
E(i) =E(i-1) −W ……(1)
ここで、Wは、TDC(i-1) からTDC(i) までの間に前記各損失により奪われた仕事量を全て加算したものである。
【0032】
また、エンジンの運動を回転運動とみなして、次の(2)式のように表すことができる。
E=J×2π×Ne ……(2)
ここで、Eはエンジンのもつ運動エネルギ、Jはエンジン毎に決まる慣性モーメント、Neは瞬時回転速度である。
この(2)式を用いることで、前記(1)式のエネルギ収支の関係を次の(3)式で表される瞬時回転速度変化の関係に置き換えることができる。
【0033】
【数1】
Figure 0004244651
【0034】
本実施形態(1)では、上記(3)式の右辺の第2項をエンジンの運動を妨げるパラメータCstopとし、次の(4)式のように定義する。
【0035】
【数2】
Figure 0004244651
【0036】
このエンジンの運動を妨げるパラメータCstopは、上記(3)式と(4)式から導き出される次の(5)式を用いて算出する。
Cstop=Ne(i-1)−Ne(i) ……(5)
【0037】
また、エンジンの運動を妨げるパラメータCstopは、上記(4)式で定義されるように、TDC間の各損失による運動を妨げる仕事量Wと慣性モーメントJにより決まる。エンジン停止過程のような低回転の運動条件では、図5に示すように、運動を妨げる仕事として考慮したポンプ損失、各部の摩擦損失、各補機の駆動損失はエンジン回転速度Neに依らずほぼ一定値となる。従って、エンジンの運動を妨げる仕事量Wは、エンジン停止過程のどのTDC間においてもほぼ一定値となる。加えて、慣性モーメントJは各エンジンに固有の値であるため、エンジンの運動を妨げるパラメータCstopはエンジンの停止過程の期間ではほぼ一定値となる。
【0038】
従って、実測による現在の瞬時回転速度Ne(i) と、前記(5)式を用いて算出したTDC間に運動を妨げるパラメータCstopとを用いて、次の(6a)式又は(6b)式により、一つ未来のTDC(i+1) における瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値を算出することができる。
【0039】
【数3】
Figure 0004244651
【0040】
ここで、Ne(i)<Cstopの場合は、現在エンジンが持っている運動エネルギE(i) よりも、TDC間の運動を妨げる仕事量Wが大きくなる時であり、演算結果が虚数になるのを避けるため、Ne(i+1)=0とする。
【0041】
本実施形態(1)では、一つ未来のTDC(i+1) における瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値を予め設定された停止判定値Nthと比較することで、エンジン回転が停止するかどうかを判断し、エンジン停止位置における各気筒の行程状態を推定する。
【0042】
以上説明した本実施形態(1)のエンジン停止位置の推定は、ECU30によって図6に示すエンジン停止位置推定プログラムに従って実行される。本プログラムは、TDC毎に起動され、特許請求の範囲でいう停止位置推定手段としての役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101とステップ102のどちらかで「Yes」と判定されるか否かで、エンジン停止指令が発生しているか否かを判定する。すなわち、ステップ101で、イグニッションスイッチ(以下「IGスイッチ」と表記する)がオフ(OFF)であると判定された場合、又は、ステップ102で、アイドルストップ指令がオン(ON)と判定された場合のいずれかであれば、エンジン停止指令が発生していると判断してステップ103以降の処理を実行し、エンジン停止位置を推定する。
【0043】
一方、ステップ101、102で、共に「No」と判定された場合、つまり、IGスイッチがオン状態で且つアイドルストップ指令がオフ状態であれば、エンジンは燃焼を続けて、停止過程に無いと判断され、エンジン停止位置の推定を行なわずに本プログラムを終了する。
【0044】
前述したように、ステップ101とステップ102のどちらかで「Yes」と判定されれば、エンジンは停止過程にあると判断して、ステップ103に進み、前回のTDC(i-1) での瞬時回転速度Ne(i-1) と現在のTDC(i) での瞬時回転速度Ne(i) を用い、前記(5)式を用いてエンジンの運動を妨げるパラメータCstopを算出する。このステップ103の処理が特許請求の範囲でいう第2のパラメータ算出手段としての役割を果たす。
【0045】
パラメータCstopの算出後、ステップ104〜106において、一つ未来のTDC(i+1) における瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値を次のようにして算出する。まず、ステップ104で、Ne(i)≧Cstopであるか否かを判定し、Ne(i)≧Cstopであれば、ステップ105に進み、前記(6a)式を用いて一つ未来のTDC(i+1) における瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値を算出する。
【0046】
これに対し、Ne(i)<Cstopであれば、ステップ106に進み、一つ未来のTDC(i+1) における瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値を0とする。
瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値の算出後、ステップ107に進み、一つ未来のTDC(i+1) における瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値を予め設定された停止判定値Nthと比較することで、エンジン回転がTDC(i+1) を乗り越えて次の行程に進むか、それともTDC(i+1) を乗り越えられずに停止するかを判定する。つまり、一つ未来のTDC(i+1) における瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値が停止判定値Nthを上回れば、エンジンは一つ未来のTDC(i+1) を乗り越えて回り続けると判定され、本プログラムを終了する。
【0047】
これに対し、一つ未来のTDC(i+1) における瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値が停止判定値Nthを下回れば、現在のTDC(i) においてエンジンが持っている運動エネルギが運動を妨げる仕事量により残り少なくなり、次のTDC(i+1) を乗り越えられずにエンジン回転が停止すると判定され、次のステップ108に進む。
【0048】
このステップ108では、エンジンが現在のTDC(i) から次のTDC(i+1) の間に停止すると推定されているため、このエンジン停止位置における各気筒の行程状態(例えば吸気行程気筒と圧縮行程気筒)の情報をエンジン停止位置の推定結果としてバックアップRAM32に記憶して、本プログラムを終了する。
【0049】
その後、エンジンを始動する際には、バックアップRAM32に記憶されているエンジン停止位置における各気筒の行程情報をエンジン始動当初の各気筒の行程情報として用いて、最初の点火気筒や噴射気筒を判定して、燃料噴射制御や点火制御を開始する。
【0050】
以上説明した本実施形態(1)では、エンジンのもつ運動エネルギEとその運動を妨げるパラメータCstopとから、次のTDC(i+1) における瞬時回転速度Ne(i+1) を予測する数式(6a)、(6b)を導き出し、この数式(6a)、(6b)を用いて、エンジン停止過程で、TDC毎に、次のTDC(i+1) における瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値を算出するようにしたので、エンジン回転が停止するまでのエンジン回転速度の挙動を精度良く予測することができる。そして、この次のTDC(i+1) における瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値が停止判定値Nthを下回る否かで、エンジン回転が停止するか否かを判定するようにしたので、エンジン停止位置の各気筒の行程情報を従来より精度良く推定することができる。従って、このエンジン停止位置の各気筒の行程情報をバックアップRAM32に記憶しておけば、エンジン始動時に、このエンジン停止位置の各気筒の行程情報をエンジン始動当初の各気筒の行程情報として用いて、最初の点火気筒や噴射気筒を精度良く判定して、燃料噴射制御や点火制御を開始することができ、始動性及びエンジン始動時の排気エミッションを向上させることができる。
【0051】
[実施形態(2)]
上記実施形態(1)では、一つ未来のTDCにおける瞬時回転速度の予測値でエンジン回転が停止するか否かを判定するようにしているため、エンジン停止位置は、エンジン回転が停止する間際でなければ推定することができない。
【0052】
そこで、本発明の実施形態(2)では、未来の瞬時回転速度の予測値と運動を妨げるパラメータを用いて、更に未来の瞬時回転速度を予測するという処理を、エンジン回転停止と判断されるまで繰り返すことで、エンジン回転が停止する間際でなくても、エンジン停止位置を推定できるようにしている。
【0053】
以下、本実施形態(2)のエンジン停止位置の推定方法を図7のタイムチャートを用いて説明する。エンジン停止過程のあるTDC(i) において、前記実施形態(1)と同様の方法で、エンジンの運動を妨げるパラメータCstopと一つ未来のTDC(i+1) における瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値を算出する。
【0054】
前述したように、エンジンの運動を妨げるパラメータCstopは、エンジン停止過程の期間ではほぼ一定値となるため、算出したCstopとNe(i+1) を用いて、次の(7a)、(7b)式により、現在より二つ未来のTDC(i+2) における瞬時回転速度Ne(i+2) の予測値を算出する。
【0055】
【数4】
Figure 0004244651
【0056】
このようにして、未来のTDCにおける瞬時回転速度の予測値を算出する処理を、その瞬時回転速度の予測値が停止判定値を下回るまで繰り返し実行し、瞬時回転速度の予測値が停止判定値を下回ったTDCの手前でエンジン回転が停止すると推定する。
【0057】
以上説明した本実施形態(2)のエンジン停止位置の推定は、図8に示すエンジン停止位置推定プログラムによって実行される。本プログラムは、TDC毎に起動される。本プログラムが起動されると、まず、ステップ200とステップ201で、前記実施形態(1)と同様の方法で、エンジン停止指令が発生しているか否か(IGスイッチOFF又はアイドルストップONであるか否か)を判定し、エンジン停止指令が発生していなければ、エンジンは停止過程に無いと判断して、エンジン停止位置の推定を行なわずに本プログラムを終了する。
【0058】
これに対し、エンジン停止指令が発生していれば、ステップ202に進み、エンジン停止指令が発生してから所定回目(例えば2回目又は3回目)のTDCであるか否かを判定し、所定回目のTDCでなければ、エンジン停止位置の推定を行なわずに本プログラムを終了し、所定回目のTDCになるまで待機する。このように、所定回目のTDCになるまで待機することで、次のステップ203で算出するエンジンの運動を妨げるパラメータCstopを安定した状態で算出できる。
【0059】
そして、エンジン停止指令が発生してから所定回目のTDCになった時点で、ステップ203に進み、前記実施形態(1)と同様に、前回のTDC(i-1) での瞬時回転速度Ne(i-1) と現在のTDC(i) での瞬時回転速度Ne(i) を用いて前記(5)式によってエンジンの運動を妨げるパラメータCstopを算出する。
【0060】
この後、ステップ204に進み、瞬時回転速度の予測回数をカウントする予測回数カウンタjに初期値「1」をセットする。この後、ステップ205、206、207で、まず一つ未来のTDC(i+1) における瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値を前記実施形態(1)と同様の方法で算出する。
【0061】
そして、次のステップ208で、この一つ未来の瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値が予め設定された停止判定値Nthを下回るか否かで、一つ未来のTDC(i+1) を乗り越えられずにエンジン回転が停止するか否かを判定する。その結果、一つ未来の瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値が停止判定値Nthを上回っている(エンジンが一つ未来のTDC(i+1) を乗り越えて回り続ける)と判定されれば、ステップ209に進み、予測回数カウンタjを1だけ増加して、ステップ205、206、207の処理に戻り、前回算出した一つ未来の瞬時回転速度Ne(i+1) の予測値と運動を妨げるパラメータCstopを用いて、二つ未来のTDC(i+2) における瞬時回転速度Ne(i+2) の予測値を算出する。
【0062】
その後、ステップ208で、この二つ未来の瞬時回転速度Ne(i+2) の予測値が停止判定値Nthを下回るか否かで、二つ未来のTDC(i+2) を乗り越えられずにエンジン回転が停止するか否かを判定する。その結果、二つ未来の瞬時回転速度Ne(i+2) の予測値が停止判定値Nthを上回っている(エンジンが二つ未来のTDC(i+2) を乗り越えて回り続ける)と判定されれば、再び、ステップ209に進み、予測回数カウンタjを1だけ増加して、上述したステップ205〜209の処理を繰り返す。
【0063】
以上のようにして、未来の瞬時回転速度Ne(i+j) の予測値の算出を、それが停止判定値Nthを下回るようになるまで繰り返し、未来の瞬時回転速度Ne(i+j) をTDC間隔で順次予測していく。
【0064】
そして、未来の瞬時回転速度Ne(i+j) の予測値が停止判定値Nthを下回った時点で、その瞬時回転速度Ne(i+j) のTDC(i+j) の手前でエンジン回転が停止すると判定して、テップ210に進み、停止が判定されたTDC(i+j) からそれより一つ過去のTDC(i+j-1) までの間における各気筒の行程状態(例えば吸気行程気筒と圧縮行程気筒)をエンジン停止位置の推定結果としてバックアップRAM32に記憶する。例えば、三つ未来のTDC(i+3) における瞬時回転速度Ne(i+3) の予測値が停止判定値Nthを下回ったと判定されれば、二つ未来のTDC(i+2) から三つ未来のTDC(i+3) までの間にエンジン回転が停止すると判定して、TDC(i+2) からTDC(i+3) までの間における各気筒の行程状態をエンジン停止位置の推定結果として記憶する。
【0065】
以上説明した本実施形態(2)では、未来の瞬時回転速度Ne(i+j) の予測値と運動を妨げるパラメータCstopを用いて、更に未来の瞬時回転速度Ne(i+j+1) を予測する処理を、エンジン回転停止と判断されるまで何回でも繰り返すことができ、エンジン停止位置の推定をエンジン停止過程の早期の段階で行なうことができる利点がある。
【0066】
[実施形態(3)]
上記各実施形態(1)、(2)では、未来の瞬時回転速度を予測して、この瞬時回転速度の予測値が予め設定された停止判定値を下回るか否かで、エンジン回転が停止するか否かを判定するようにしたが、未来の瞬時回転速度を予測しない場合は、エンジンの運動を妨げるパラメータに基づいてエンジン停止判定値を算出し、エンジン停止過程で実測した瞬時回転速度を上記エンジン停止判定値と比較してエンジン停止位置を推定するようにしても良い。
【0067】
以下、これを具体化した本発明の実施形態(3)を図9乃至図11に基づいて説明する。まず、本実施形態(3)のエンジン停止位置の推定方法をを図9に示すタイムチャートを用いて説明する。エンジン停止過程のあるTDC(i) において、前記実施形態(1)、(2)と同様の方法で、エンジンの運動を妨げるパラメータCstopを算出する。このパラメータCstopと予め設定しておいたTDC乗り越え限界回転速度Nlim とを用いて、下記の(8)式によりエンジンが次のTDCまでに停止するか否かのエンジン停止判定値Nthを算出する。そして、エンジン停止過程で実測した瞬時回転速度がこのエンジン停止判定値Nth以下になった時点で、エンジンが次のTDCまでの間で停止すると判断して、エンジン停止位置の各気筒の行程状態を推定し、その推定結果をバックアップRAM32に記憶する。
【0068】
【数5】
Figure 0004244651
【0069】
以上説明した本実施形態(3)のエンジン停止位置の推定は、図10と図11に示す各プログラムによって実行される。以下、これら各プログラムの処理内容を説明する。
【0070】
図10に示すエンジン停止判定値算出プログラムは、TDC毎に起動される。本プログラムが起動されると、まず、ステップ301とステップ302で、前記実施形態(1)と同様の方法で、エンジン停止指令が発生しているか否か(IGスイッチOFF又はアイドルストップONであるか否か)を判定し、エンジン停止指令が発生していなければ、エンジンは停止過程に無いと判断して、エンジン停止判定値Nthを算出せずに本プログラムを終了する。
【0071】
これに対し、エンジン停止指令が発生していれば、ステップ303に進み、前回のTDC(i-1) で実測した瞬時回転速度Ne(i-1) と現在のTDC(i) で実測した瞬時回転速度Ne(i) を用い、前記(5)式によってエンジンの運動を妨げるパラメータCstopを算出する。
【0072】
この後、ステップ304に進み、TDCを乗り越えられない限界の回転速度として予め設定された値Nlim と、上記ステップ303で算出したエンジンの運動を妨げるパラメータCstopとを用いて、前記(8)式により、エンジンが停止するか否かを判定するためのエンジン停止判定値Nthを算出して本プログラムを終了する。
【0073】
一方、図11に示すエンジン停止位置推定プログラムは、上記図10のステップ304でエンジン停止判定値Nthを算出する毎に起動される。本プログラムが起動されると、まずステップ311で、現在の瞬時回転速度Ne(i) の実測値を上記ステップ304で算出したエンジン停止判定値Nthと比較し、現在の瞬時回転速度Ne(i) の実測値がエンジン停止判定値Nthを上回っていれば、エンジンが次のTDC(i+1) を乗り越えて回り続けると判断して、本プログラムを終了する。
【0074】
これに対し、現在の瞬時回転速度Ne(i) の実測値がエンジン停止判定値Nthを下回れば、次のTDC(i+1) の手前でエンジン回転が停止すると判断して、ステップ312に進み、現在のTDC(i) から次のTDC(i+1) までの各気筒の行程状態を、エンジン停止位置の推定結果としてバックアップRAM32に記憶する。
【0075】
以上説明した本実施形態(3)では、エンジンの運動を妨げるパラメータCstopを用いてエンジン停止判定値Nthを算出するようにしたので、エンジンの製造公差、経時変化、エンジンフリクションの変化(例えばエンジンオイルの油温変化による粘度の違い等)によるバラツキをエンジン停止判定値Nthに反映させることができ、エンジン停止過程の瞬時回転速度を予測しなくても、エンジン停止位置を精度良く推定することができる。
【0076】
尚、前記各実施形態(1)〜(3)では、エンジンの運動を表すパラメータとしてエンジン回転速度(瞬時回転速度)を用いたが、クランク軸角速度、ピストンの移動速度等を用いても良い。
【0077】
[実施形態(4)]
また、エンジンの運動を表すパラメータとして運動エネルギを用いても良い。以下、これを具体化した本発明の実施形態(4)を図12に示すタイムチャートを用いて説明する。前回のTDC(i-1) と現在のTDC(i) において実測した瞬時回転速度Ne(i-1) とNe(i) 、及び、予め算出しておいたエンジンの慣性モーメントJを用いて、前記(2)式により、TDC(i-1) 、TDC(i) における運動エネルギE(i-1) 、E(i) を算出する。本実施形態(4)では、この運動エネルギEを、エンジンの運動を表すパラメータとして用いる。
【0078】
そして、前記各実施形態(1)〜(3)と同様に、エンジンの運動を妨げる仕事として、ポンプ損失、各部の摩擦損失、各補機の駆動損失を考慮すると、TDC(i-1) 、TDC(i) 間で発生するエンジンの運動を妨げる全仕事量は、次の(9)式のようにTDC(i-1) 、TDC(i) における運動エネルギE(i-1) 、E(i) の差分によって求めることができる。
W=E(i-1) −E(i) ……(9)
本実施形態(4)では、このエンジンの運動を妨げる仕事量Wを、運動を妨げるパラメータとして用いる。
【0079】
前述したように、運動を妨げる仕事として考慮したポンプ損失、各部の摩擦損失、各補機の駆動損失はエンジン停止過程で回転速度に依らずほぼ一定である。従って、運動を妨げる仕事量Wはエンジン停止過程のどのTDC間においてもほぼ一定値となる。従って、エンジンの現在の運動エネルギE(i) と運動を妨げる仕事量Wを用いて、次の(10)式により一つ未来のTDC(i+1) における運動エネルギE(i+1) の予測値を算出することができる。
E(i+1) =E(i) −W ……(10)
【0080】
本実施形態(4)では、未来のTDC(i+1) におけるエンジンの運動エネルギE(i+1) の予測値を停止判定値Ethと比較して、エンジン回転が停止するかどうかを判断し、エンジン停止位置における各気筒の行程状態を推定する。
【0081】
以上説明した本実施形態(4)のエンジン停止位置の推定は、図13に示すエンジン停止位置推定プログラムによって実行される。本プログラムは、TDC毎に起動される。本プログラムが起動されると、まず、ステップ401とステップ402で、前記実施形態(1)と同様の方法で、エンジン停止指令が発生しているか否か(IGスイッチOFF又はアイドルストップONであるか否か)を判定し、エンジン停止指令が発生していなければ、エンジンは停止過程に無いと判断して、エンジン停止位置の推定を行なわずに本プログラムを終了する。
【0082】
これに対し、エンジン停止指令が発生していれば、ステップ403に進み、現在のTDC(i) における瞬時回転速度Ne(i) の実測値と、予め算出しておいたエンジンの慣性モーメントJを用いて、前記(2)式により、現在のTDC(i) における運動エネルギE(i) を算出する。
【0083】
この後、ステップ404に進み、前回のTDC(i-1) で算出した運動エネルギE(i-1) と、現在のTDC(i) で算出した運動エネルギE(i) との差分をとってエンジンの運動を妨げる仕事量Wを求める。そして、次のステップ405で、現在の運動エネルギE(i) とエンジンの運動を妨げる仕事量Wとの差分をとって、一つ未来のTDC(i+1) における運動エネルギE(i+1) の予測値を算出する。
【0084】
この後、ステップ406に進み、一つ未来のTDC(i+1) における運動エネルギE(i+1) の予測値を予め設定された停止判定値Ethと比較することで、エンジン回転がTDC(i+1) を乗り越えて次の行程に進むか、それともTDC(i+1) を乗り越えられずに停止するかを判定する。つまり、一つ未来のTDC(i+1) における運動エネルギE(i+1) が停止判定値Ethを上回れば、エンジンは一つ未来のTDC(i+1) を乗り越えて回り続けると判定され、本プログラムを終了する。
【0085】
これに対し、一つ未来のTDC(i+1) における運動エネルギE(i+1) が停止判定値Ethを下回れば、次のTDC(i+1) を乗り越えられずにエンジン回転が停止すると判定され、次のステップ407に進む。
【0086】
このステップ407では、エンジンが現在のTDC(i) から次のTDC(i+1) の間に停止すると推定されているため、このエンジン停止位置における各気筒の行程状態(例えば吸気行程気筒と圧縮行程気筒)の情報をエンジン停止位置の推定結果としてバックアップRAM32に記憶して、本プログラムを終了する。
【0087】
以上説明した本実施形態(4)のように、エンジンの運動を表すパラメータとして運動エネルギを用い、エンジンの運動を妨げるパラメータとして運動を妨げる仕事量の総和を用いても、前記各実施形態(1)〜(3)と同様に、エンジン停止位置を精度良く推定することができる。
【0088】
尚、上記各実施形態(1)〜(4)では、クランクパルス信号CRSの出力間隔(例えば30℃A間)に要する時間から算出される瞬時回転速度を用いたが、その他の方法で算出された回転速度を用いてもよい。
【0089】
また、上記各実施形態(1)〜(4)では、エンジン停止位置の推定演算をTDC毎に実行するようにしたが、720℃Aをエンジンの気筒数で除算した間隔で演算を行なえば、どのクランク角度を演算タイミングとしても良い。
【0090】
また、上記各実施形態(1)〜(4)では、エンジン停止位置の推定結果としてエンジン停止時の各気筒の行程状態(例えば吸気行程気筒と圧縮行程気筒)を記憶するようにしたが、例えば、エンジン停止位置のクランク角の範囲を記憶するようにしても良い。
【0091】
また、上記各実施形態(1)、(2)、(4)では、停止判定値Nth、Ethを予め設定した固定値としたが、これらの実施形態において、前記実施形態(3)と同様に、エンジンの運動を妨げるパラメータCstop等に基づいて停止判定値Nth、Ethを算出するようにしても良い。
【0092】
その他、本発明は、4気筒エンジンに限定されず、3気筒以下又は5気筒以上のエンジンにも適用して実施することができ、また、図1に示すような吸気ポート噴射エンジンに限定されず、筒内噴射エンジンやリーンバーンエンジンにも適用して実施できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)におけるエンジン制御システム全体を示す図
【図2】4気筒エンジンの各気筒の行程状態を示す図
【図3】6気筒エンジンの各気筒の行程状態を示す図
【図4】 実施形態(1)のエンジン停止位置の推定方法を説明するタイムチャート
【図5】ガソリンエンジンのエンジン回転速度と各種の損失の大きさの関係を示す図
【図6】実施形態(1)のエンジン停止位置推定プログラムの処理流れを示すフローチャート
【図7】実施形態(2)のエンジン停止位置の推定方法を説明するタイムチャート
【図8】実施形態(2)のエンジン停止位置推定プログラムの処理流れを示すフローチャート
【図9】実施形態(3)のエンジン停止位置の推定方法を説明するタイムチャート
【図10】実施形態(3)のエンジン停止判定値算出プログラムの処理流れを示すフローチャート
【図11】実施形態(3)のエンジン停止位置推定プログラムの処理流れを示すフローチャート
【図12】実施形態(4)のエンジン停止位置の推定方法を説明するタイムチャート
【図13】実施形態(4)のエンジン停止位置推定プログラムの処理流れを示すフローチャート
【符号の説明】
11…エンジン、13…吸気管、14…スロットルバルブ、16…バイパス通路、17…ISCバルブ、19…燃料噴射弁、26…クランク角センサ、29…カム角センサ、30…ECU(エンジン停止手段,第1のパラメータ算出手段,第2のパラメータ算出手段,停止位置推定手段)、32…バックアップRAM(記憶手段)。

Claims (14)

  1. エンジン停止指令に基づいて点火及び/又は燃料噴射を停止してエンジン回転を停止させるエンジン停止手段と、
    エンジンの運動を表すパラメータを算出する第1のパラメータ算出手段と、
    エンジンの運動を妨げるパラメータを算出する第2のパラメータ算出手段と、
    前記エンジン停止手段によりエンジン回転を停止させる過程で前記二つのパラメータ算出手段で算出されたエンジンの運動を表すパラメータとエンジンの運動を妨げるパラメータとに基づいて、次の気筒の圧縮上死点までにエンジンが停止するか否かを繰り返し判定し、エンジン停止位置を推定する停止位置推定手段とを備え、
    前記第2のパラメータ算出手段は、前記第1のパラメータ算出手段により今回算出された前記運動を表すパラメータと前回算出された前記運動を表すパラメータとに基づいてエンジンの運動が妨げられる量を算出することを特徴とするエンジン停止位置推定装置。
  2. 前記エンジン停止指令は、イグニッションスイッチオフ信号とアイドルストップオン信号のいずれかにより発生することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの停止時気筒状態推定手段。
  3. 前記第1のパラメータ算出手段は、前記運動を表すパラメータとして、エンジンの運動エネルギ、回転速度、クランク軸角速度、ピストンの移動速度の少なくとも一つを算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン停止位置推定装置。
  4. 前記第1のパラメータ算出手段は、720℃Aを前記エンジンの気筒数で除算したクランク角度分の間隔毎に前記運動を表すパラメータを算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジン停止位置推定装置。
  5. 前記第1のパラメータ算出手段は、算出タイミングにおいて瞬間的な値を算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエンジン停止位置推定装置。
  6. 前記第2のパラメータ算出手段は、前記運動を妨げるパラメータとして、ポンプ損失、各部の摩擦損失、各補機の駆動損失の少なくとも一つを算出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエンジン停止位置推定装置。
  7. 前記第2のパラメータ算出手段は、前記運動を妨げるパラメータを、エンジンの運動に関わる部分の質量と回転運動の径、エンジンの慣性モーメントのうち少なくとも一つを考慮して算出することを特徴とする請求項6に記載のエンジン停止位置推定装置。
  8. 前記第2のパラメータ算出手段は、前記エンジン停止によりエンジン回転を停止させる過程で前記運動を妨げるパラメータを少なくとも一回は算出することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のエンジン停止位置推定装置。
  9. 前記第2のパラメータ算出手段は、720℃Aを前記エンジンの気筒数で除算したクランク角度の間にエンジンの運動が妨げられる量を算出することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のエンジン停止位置推定装置。
  10. 前記停止位置推定手段は、前記第1のパラメータ算出手段により今回算出された前記運動を表すパラメータと前記運動を妨げるパラメータとに基づいて未来の運動を表すパラメータを予測し、この未来の運動を表すパラメータの予測値に基づいてエンジン停止位置を推定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のエンジン停止位置推定装置。
  11. 前記停止位置推定手段は、720℃Aを前記エンジンの気筒数で除算したクランク角度分未来における運動を表すパラメータを予測することを特徴とする請求項10に記載のエンジン停止位置推定装置。
  12. 前記停止位置推定手段は、前記未来の運動を表すパラメータの予測値と前記運動を妨げるパラメータとに基づいて更に未来の運動を表すパラメータを予測することを特徴とする請求項10又は11に記載のエンジン停止位置推定装置。
  13. 前記停止位置推定手段は、前記未来の運動を表すパラメータの予測値が所定値以下になったときに、当該予測値のクランク角の手前でエンジン回転が停止すると推定することを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載のエンジン停止位置推定装置。
  14. 前記停止位置推定手段は、前記第2のパラメータ算出手段により算出した前記運動を妨げるパラメータに基づいてエンジン停止判定値を算出し、前記エンジン停止手段によりエンジン回転を停止させる過程で前記第1のパラメータ算出手段により算出した前記運動を表すパラメータと前記エンジン停止判定値とを比較してエンジン停止位置を推定することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のエンジン停止位置推定装置。
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