JP2009138662A - 内燃機関の停止位置検出装置及び逆転検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの停止位置を精度良く検出できるようにする。
【解決手段】エンジン11の点火や燃料噴射が停止されてエンジン11の回転が停止する際には、クランク軸24の回転に応じてピストン34が上下動して筒内の空気が圧縮・膨張されて筒内圧力が変化するため、クランク角に応じて筒内圧力が変化し、圧縮TDC(圧縮上死点)で筒内圧力が最大値となる。そこで、エンジン11が停止する際に、クランク角センサ26の出力信号に基づいてエンジン11の回転が停止したか否かを判定し、エンジン11の回転が停止したと判定されたときに筒内圧力センサ33で検出した筒内圧力と、圧縮TDCにおいて筒内圧力センサ33で検出した筒内圧力との関係を用いて、圧縮TDC時のクランク角を基準にしてエンジン停止時のクランク角(停止位置)を算出する。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン11の点火や燃料噴射が停止されてエンジン11の回転が停止する際には、クランク軸24の回転に応じてピストン34が上下動して筒内の空気が圧縮・膨張されて筒内圧力が変化するため、クランク角に応じて筒内圧力が変化し、圧縮TDC(圧縮上死点)で筒内圧力が最大値となる。そこで、エンジン11が停止する際に、クランク角センサ26の出力信号に基づいてエンジン11の回転が停止したか否かを判定し、エンジン11の回転が停止したと判定されたときに筒内圧力センサ33で検出した筒内圧力と、圧縮TDCにおいて筒内圧力センサ33で検出した筒内圧力との関係を用いて、圧縮TDC時のクランク角を基準にしてエンジン停止時のクランク角(停止位置)を算出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の停止位置を検出する内燃機関の停止位置検出装置及び内燃機関の回転方向の逆転を検出する内燃機関の逆転検出装置に関する発明である。
一般に、内燃機関の運転中は、クランク角センサとカム角センサの出力信号に基づいて気筒を判別し且つクランク角を検出して点火制御や燃料噴射制御を行うようにしているが、内燃機関の始動時は、スタータにより内燃機関をクランキングして特定気筒の判別が完了するまで(つまり特定気筒の所定クランク角の信号を検出するまで)、最初に点火・噴射する気筒が不明であるという問題がある。
この問題を解決するために、特許文献1(特開昭60−240875号公報)に記載されているように、内燃機関の回転停止時のクランク角(クランク軸の停止位置)をメモリに記憶しておき、次の内燃機関の始動時に、特定気筒の所定クランク角の信号を最初に検出するまでの間は、上記メモリに記憶された内燃機関の回転停止時のクランク角を基準にして点火制御や燃料噴射制御を開始することで、始動性や始動時の排気エミッションを向上させるようにしたものがある。
しかし、イグニッションスイッチがオフ操作されて点火や燃料噴射が停止された後も、暫く内燃機関が惰性で回転するため、イグニッションスイッチのオフ操作時のクランク角を記憶したのでは、実際の内燃機関の停止位置(次の内燃機関の始動位置)を誤判定してしまう。従って、イグニッションスイッチのオフ後も、内燃機関の回転が完全に停止するまで、制御系の電源をオン状態に維持してクランク角の検出を継続する必要があるが、内燃機関の回転が停止する間際に圧縮行程の圧縮圧によって内燃機関の回転方向が逆転する現象が発生することがあるため、内燃機関の停止位置を正確に検出することができない(従来技術では逆転は検出できない)。
そこで、特許文献2(特開2004−245105号公報)に記載されているように、内燃機関が停止する過程で、内燃機関の運動エネルギとその運動を妨げる損失エネルギとを演算して、内燃機関の回転停止挙動を推定し、内燃機関の停止位置を推定するようにしたものがある。
更に、特許文献3(特開2006−57524号公報)に記載されているように、内燃機関が停止する過程で、上記特許文献2と同様の方法で内燃機関の回転停止挙動を推定し、この回転停止挙動に基づいて決定したタイミングで、内燃機関の補機(例えば発電機)の負荷トルクを制御して内燃機関の停止位置を目標停止位置に制御する停止位置制御を実行することで、内燃機関の停止位置を制御するようにしたものがある。
特開昭60−240875号公報(第2頁等)
特開2004−245105号公報(第2頁等)
特開2006−57524号公報(第2頁等)
しかしながら、上記特許文献2のように、内燃機関が停止する過程で、内燃機関の運動エネルギとその運動を妨げる損失エネルギとを演算して内燃機関の停止位置を推定する方法は、内燃機関の製造ばらつき、経時変化、停止直前の運転状態、補機類の動作状況等の影響を受けて停止位置の推定精度が低下しやすく、しかも、演算負荷が大きくなるという課題がある。
また、上記特許文献3のように、内燃機関の停止位置を制御する停止位置制御を実行しても、内燃機関の製造ばらつき、経時変化、停止直前の運転状態、補機類の動作状況等によっては、内燃機関を常に目標停止位置で正確に停止できるとは限らず、内燃機関の停止位置が目標停止位置からずれてしまうことがあり、結果的に停止位置を誤検出することになってしまうことがある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、内燃機関の製造ばらつき、経時変化、停止直前の運転状態、補機類の動作状況等の影響を受けずに、比較的簡単な演算処理で内燃機関の停止位置を精度良く検出できるようにすることにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の停止位置検出装置において、内燃機関の筒内圧力を検出する筒内圧力検出手段を設け、内燃機関の回転が停止したか否かを停止判定手段により判定し、停止判定手段により内燃機関の回転が停止したと判定されたときに、筒内圧力検出手段で検出した筒内圧力に基づいて内燃機関の停止位置を停止位置検出手段により検出するようにしたものである。
内燃機関の点火や燃料噴射が停止されて内燃機関の回転が停止する際には、クランク軸の回転に応じてピストンが上下動して筒内の空気が圧縮・膨張されて筒内圧力が変化するため、クランク角に応じて筒内圧力が変化する。従って、内燃機関の回転が停止したときに検出した筒内圧力を用いれば、内燃機関の製造ばらつき、経時変化、停止直前の運転状態、補機類の動作状況等の影響を受けずに、比較的簡単な演算処理で、内燃機関の回転が停止したクランク角(停止位置)を精度良く検出することができる。
ところで、内燃機関の回転が停止する間際に圧縮行程の圧縮圧によって内燃機関の回転方向が逆転することがあるが、内燃機関の回転方向が逆転して停止した場合には、内燃機関の停止位置を誤検出する可能性がある。
そこで、請求項2のように、内燃機関の回転が停止する過程で筒内圧力検出手段で検出した筒内圧力に基づいて内燃機関の回転方向が逆転したか否かを逆転判定手段により判定し(請求項5参照)、停止判定手段により内燃機関の回転が停止したと判定されたときに逆転判定手段の判定結果と筒内圧力検出手段で検出した筒内圧力とに基づいて内燃機関の停止位置を検出するようにしても良い。
一般に、内燃機関の回転が停止する過程では、圧縮上死点毎に筒内圧力が最大値となり、圧縮上死点毎の筒内圧力がほぼ一定となるが、圧縮行程の途中で内燃機関の回転方向が逆転すると、筒内圧力が圧縮上死点の筒内圧力に到達する前に低下する。従って、内燃機関の回転が停止する過程で筒内圧力を監視すれば、筒内圧力が圧縮上死点の筒内圧力に到達する前に低下したか否かで内燃機関の回転方向が逆転したか否かを精度良く判定することができる。そして、内燃機関の回転方向が逆転したか否かの判定結果と内燃機関の回転が停止したときに検出した筒内圧力とを用いれば、内燃機関の回転方向が逆転せずに停止した場合と、逆転して停止した場合とを区別して、内燃機関の回転が停止したときに検出した筒内圧力に基づいて内燃機関の回転が停止したクランク角を精度良く求めることができ、内燃機関の回転方向が逆転して停止した場合でも、内燃機関の停止位置を精度良く検出することができる。
更に、請求項3のように、停止判定手段により内燃機関の回転が停止したと判定されたときに筒内圧力検出手段で検出した筒内圧力と、圧縮上死点において筒内圧力検出手段で検出した筒内圧力とに基づいて内燃機関の停止位置を検出するようにしても良い。このようにすれば、内燃機関の回転が停止したときに検出した筒内圧力と、圧縮上死点において検出した筒内圧力との関係を用いて、圧縮上死点のクランク角を基準にして内燃機関の回転が停止したクランク角(停止位置)を精度良く検出することができる。
また、請求項4のように、内燃機関の停止位置を検出する停止位置検出手段と、内燃機関のクランク軸が所定クランク角回転する毎にクランク角信号を出力するクランク角センサと、前記クランク角センサから出力されるクランク角信号をカウントしてそのカウント値に基づいてクランク角を検出するクランク角検出手段と、内燃機関の筒内圧力を検出する筒内圧力検出手段と、内燃機関の回転が停止する過程で前記筒内圧力検出手段で検出した筒内圧力に基づいて内燃機関の回転方向が逆転したか否かを判定する逆転判定手段と、内燃機関の回転が停止したか否かを判定する停止判定手段とを備え、前記クランク角検出手段は、前記逆転判定手段により内燃機関の回転方向が逆転したと判定されたときに前記クランク角信号のカウントアップ/ダウンを切り換えて前記クランク角信号をカウントしてそのカウント値に基づいてクランク角を検出し、前記停止位置検出手段は、前記停止判定手段により内燃機関の回転が停止したと判定されたときに前記クランク角検出手段による前記クランク角信号のカウント値に基づいて内燃機関の停止位置を検出するように構成しても良い。
このようにすれば、内燃機関の回転が正転しているときには、クランク角センサから出力されるクランク角信号のカウント値をカウントアップし、内燃機関の回転方向が逆転しているときには、クランク角センサから出力されるクランク角信号のカウント値をカウントダウンするという制御が可能となり、内燃機関の回転方向が逆転した場合でも、クランク角信号のカウント値とクランク角との対応関係を正常に保つことができて、クランク角信号のカウント値からクランク角を精度良く検出することができる。これにより、内燃機関の回転方向が逆転して停止した場合でも、停止時のクランク角信号のカウント値から内燃機関の停止位置を精度良く検出することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図3に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
内燃機関であるエンジン11の吸気ポート12に接続された吸気管13の途中には、スロットルバルブ14が設けられ、このスロットルバルブ14の開度(スロットル開度)がスロットル開度センサ15によって検出される。更に、スロットルバルブ14の下流側には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ18が設けられ、各気筒の吸気ポート12の近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁19が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ31が取り付けられ、各点火プラグ31の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気ポート20に接続された排気管21の途中には、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒22が設置されている。エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ23が設けられている。エンジン11のクランク軸24に取り付けられたシグナルロータ25の外周に対向してクランク角センサ26が設置され、このクランク角センサ26からシグナルロータ25の回転に同期して所定クランク角毎(例えば6℃A又は10℃A毎)にクランク角信号(パルス信号)が出力される。また、エンジン11のカム軸27に取り付けられたシグナルロータ28の外周に対向してカム角センサ29が設置され、このカム角センサ29からシグナルロータ28の回転に同期して所定カム角毎にカム角信号(パルス信号)が出力される。
更に、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に筒内圧力を検出する筒内圧力センサ33(筒内圧力検出手段)が設けられている。この筒内圧力センサ33は、点火プラグ31と一体化したタイプのものを用いても良いし、点火プラグ31とは別体のセンサ部を燃焼室内に臨ませるように取り付けるタイプのものを用いても良い。
これら各種センサの出力は、制御回路(以下「ECU」と表記する)30に入力される。このECU30は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁19の燃料噴射量や点火プラグ31の点火時期を制御すると共に、エンジン運転中に図示しないIGスイッチ(イグニッションスイッチ)のオフ信号又はアイドルストップ信号(アイドルストップ指令)が入力されてエンジン停止指令が発生したときに、点火及び/又は燃料噴射を停止してエンジン11の回転を停止させる。
その際、ECU30は、後述する図2のエンジン停止位置検出ルーチンを実行することで、クランク角センサ26の出力信号に基づいてエンジン11の回転が停止したか否かを判定し、エンジン11の回転が停止したと判定されたときに筒内圧力センサ33で検出した筒内圧力(エンジン停止時の筒内圧力)と、圧縮TDC(圧縮上死点)において筒内圧力センサ33で検出した筒内圧力(圧縮TDC時の筒内圧力)とに基づいてエンジン11の停止位置を検出する。
エンジン11の点火や燃料噴射が停止されてエンジン11の回転が停止する際には、クランク軸24の回転に応じてピストン34が上下動して筒内の空気が圧縮・膨張されて筒内圧力が変化するため、図3に示すように、クランク角に応じて筒内圧力が変化する。この場合、圧縮行程では、クランク角が進角するのに応じて筒内圧力が上昇し、圧縮TDCに達した時点で筒内圧力が最大値となり、その後、膨張行程では、クランク角が進角するのに応じて筒内圧力が低下する。
従って、圧縮TDC付近(圧縮行程又は膨張行程)で停止した気筒のエンジン停止時の筒内圧力と、その気筒の圧縮TDC時の筒内圧力(例えば、最新の圧縮TDC時の筒内圧力又は圧縮TDC時の筒内圧力の平均値等)との関係を用いて、その気筒の圧縮TDC時のクランク角を基準にしてエンジン停止時のクランク角を算出することができ、そのエンジン停止時のクランク角をエンジン11の停止位置として検出することができる。
以下、ECU30が実行する図2のエンジン停止位置検出ルーチンの処理内容を説明する。
図2に示す停止位置検出ルーチンは、ECU30の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう停止位置検出手段としての役割を果たす。尚、IGスイッチのオフ後も暫くの間は、電源回路のメインリレー(図示せず)をオン状態に維持してECU30への通電が継続されて、本ルーチンが実行されるようになっている。
図2に示す停止位置検出ルーチンは、ECU30の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう停止位置検出手段としての役割を果たす。尚、IGスイッチのオフ後も暫くの間は、電源回路のメインリレー(図示せず)をオン状態に維持してECU30への通電が継続されて、本ルーチンが実行されるようになっている。
本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、エンジン停止過程(点火及び/又は燃料噴射が停止されてエンジン11の回転が停止する過程)であるか否かを、例えば、IGスイッチがオフ操作されたか否かによって判定する。
このステップ101で、エンジン停止過程であると判定された場合には、ステップ102に進み、エンジン11の回転が停止したか否かを、例えば、クランク角センサ26からのクランク角信号(パルス信号)が入力されることなく所定時間が経過したか否かによって判定する。このステップ102の処理が特許請求の範囲でいう停止判定手段としての役割を果たす。
このステップ102で、エンジン11の回転が停止したと判定されたときに、ステップ103に進み、圧縮TDC付近(圧縮行程又は膨張行程)で停止した気筒のエンジン停止時の筒内圧力と、その気筒の圧縮TDC時の筒内圧力(例えば、最新の圧縮TDC時の筒内圧力又は圧縮TDC時の筒内圧力の平均値等)との関係を用いて、その気筒の圧縮TDC時のクランク角を基準にしてエンジン停止時のクランク角を求める。
例えば、圧縮行程で停止した場合(筒内圧力のピーク位置を越える前に停止した場合)には、エンジン停止時の筒内圧力と圧縮TDC時の筒内圧力との差又は比等に基づいて、圧縮TDC時のクランク角からエンジン停止時のクランク角までのクランク角幅をマップ又は数式等により求め、そのクランク角幅を圧縮TDC時のクランク角から減算してエンジン停止時のクランク角を求める。
一方、膨張行程で停止した場合(筒内圧力のピーク位置を越えた後に停止した場合)には、エンジン停止時の筒内圧力と圧縮TDC時の筒内圧力との差又は比等に基づいて、圧縮TDC時のクランク角からエンジン停止時のクランク角までのクランク角幅をマップ又は数式等により求め、そのクランク角幅を圧縮TDC時のクランク角に加算してエンジン停止時のクランク角を求める。
尚、エンジン停止時の筒内圧力と圧縮TDC時の筒内圧力とに基づいてエンジン停止時のクランク角を求める方法は、適宜変更しても良い。
このようにして求めたエンジン停止時のクランク角をエンジン11の停止位置として検出してECU30のバックアップRAM32等の不揮発性メモリに記憶して、次回のエンジン始動時に、この停止位置を始動位置とみなして気筒判別して、点火・噴射を開始してエンジン11を始動させる。
以上説明した本実施例1では、エンジン11の回転が停止する際には、クランク角に応じて筒内圧力が変化して圧縮TDCで筒内圧力が最大値となることに着目して、エンジン停止時の筒内圧力と圧縮TDC時の筒内圧力との関係を用いて、圧縮TDC時のクランク角を基準にしてエンジン停止時のクランク角を算出するようにしたので、エンジン11の製造ばらつき、経時変化、停止直前の運転状態、補機類の動作状況等の影響を受けずに、比較的簡単な演算処理で、エンジン停止時の筒内圧力と圧縮TDC時の筒内圧力との関係からエンジン停止時のクランク角(停止位置)を精度良く検出することができる。また、クランク角センサ26によるクランク角検出間隔(クランク角信号の出力間隔)が広い場合は、このクランク角検出間隔よりも細かい間隔でエンジン11の停止位置を検出することも可能である。
次に、図4及び図5を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分については説明を簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
ところで、エンジン11の回転が停止する間際に圧縮行程の圧縮圧によってエンジン11の回転方向が逆転することがあるが、エンジン11の回転方向が逆転して停止した場合には、エンジン11の停止位置を誤検出する可能性がある。
そこで、本実施例2では、後述する図4のエンジン停止位置検出ルーチンを実行することで、エンジン停止過程で圧縮行程にある気筒の筒内圧力が圧縮TDC時の筒内圧力に到達する前に低下したか否かによってエンジン11の回転方向が逆転したか否かを判定するようにしている。
一般に、エンジン停止過程では、圧縮TDC毎に筒内圧力が最大値となり、圧縮TDC毎の筒内圧力がほぼ一定となるが、図5に示すように、圧縮行程の途中でエンジン11の回転方向が逆転すると、筒内圧力が圧縮TDC時の筒内圧力に到達する前に低下する。従って、エンジン停止過程で圧縮行程にある気筒の筒内圧力が圧縮TDC時の筒内圧力に到達する前に低下したか否かを判定すれば、エンジン11の回転方向が逆転したか否かを精度良く判定することができる。
そして、エンジン11の回転方向が逆転せずに停止した場合と、逆転して停止した場合とを区別して、エンジン停止時の筒内圧力と圧縮TDC時の筒内圧力とに基づいてエンジン11の停止位置を検出することで、エンジン11の回転方向が逆転して停止した場合でも、エンジン11の停止位置を精度良く検出できるようにしている。
図4のエンジン停止位置検出ルーチンでは、まず、ステップ201で、エンジン停止過程であるか否か(例えばIGスイッチがオフ操作されたか否か)を判定する。
このステップ201で、エンジン停止過程であると判定された場合には、ステップ202に進み、圧縮行程にある気筒の筒内圧力が圧縮TDC時の筒内圧力に到達する前に低下したか否かによってエンジン11の回転方向が逆転したか否かを判定する。このステップ202の処理が特許請求の範囲でいう逆転判定手段としての役割を果たす。
このステップ202で、エンジン11の回転方向が逆転していないと判定された場合には、ステップ203に進み、逆転フラグを「0」に維持する。その後、上記ステップ202で、エンジン11の回転方向が逆転したと判定された場合には、ステップ204に進み、逆転フラグを「1」にセットする。
この後、ステップ205に進み、エンジン11の回転が停止したか否か(例えば、クランク角センサ26からのクランク角信号が入力されることなく所定時間が経過したか否か)を判定し、このステップ205で、エンジン11の回転が停止したと判定されたときに、ステップ206に進み、逆転フラグ(逆転したか否かの判定結果)及び圧縮TDC付近で停止した気筒のエンジン停止時の筒内圧力と、その気筒の圧縮TDC時の筒内圧力との関係を用いて、その気筒の圧縮TDC時のクランク角を基準にしてエンジン停止時のクランク角(停止位置)を算出する。
例えば、逆転フラグが「1」の場合(エンジン11の回転方向が逆転したと判定された場合)には、圧縮行程でエンジン11の回転方向が逆転して停止したと判断して、エンジン停止時の筒内圧力と圧縮TDC時の筒内圧力との差又は比等に基づいて、圧縮TDC時のクランク角からエンジン停止時のクランク角までのクランク角幅をマップ又は数式等により求め、そのクランク角幅を圧縮TDC時のクランク角から減算してエンジン停止時のクランク角を求める。
一方、逆転フラグが「0」の場合(エンジン11の回転方向が逆転していないと判定された場合)には、前記実施例1で説明した図2のステップ103と同じ方法で、エンジン停止時のクランク角を求める。
このようにして求めたエンジン停止時のクランク角をエンジン11の停止位置として検出してECU30のバックアップRAM32等の不揮発性メモリに記憶する。
以上説明した本実施例2では、エンジン停止過程で圧縮行程にある気筒の筒内圧力が圧縮TDC時の筒内圧力に到達する前に低下したか否かによってエンジン11の回転方向が逆転したか否かを判定するようにしたので、エンジン11の回転方向が逆転したか否かを精度良く判定して、エンジン11の停止位置を検出することができる。しかも、エンジン11の回転方向が逆転せずに停止した場合と、逆転して停止した場合とを区別して、エンジン停止時の筒内圧力と圧縮TDC時の筒内圧力とに基づいてエンジン11の停止位置を検出するようにしたので、エンジン11の回転方向が逆転して停止した場合でも、エンジン11の停止位置を精度良く検出することができる。
尚、上記各実施例1,2では、エンジン停止時の筒内圧力と圧縮TDC時の筒内圧力とに基づいてエンジン11の停止位置を検出するようにしたが、エンジン11が停止する際のスロットル開度等が毎回ほぼ同じで圧縮TDC時の筒内圧力が毎回ほぼ同じ場合には、エンジン停止時の筒内圧力のみに基づいてエンジン11の停止位置を検出するようにしても良い。
次に、図6及び図7を用いて本発明の実施例3を説明する。但し、前記実施例2と実質的に同一部分については説明を簡略化し、主として前記実施例2と異なる部分について説明する。
ECU30は、図7に実線で示すように、クランク角センサ26からクランク角信号(パルス信号)が出力される毎にそのクランク角信号をカウントするクランク角カウンタのカウント値をカウントアップして(1カウントがクランク角信号の出力間隔である例えば6℃A又は10℃Aに相当)、そのカウント値に基づいてクランク角を検出するクランク角検出手段として機能する。
また、ECU30は、後述する図6のエンジン停止位置検出ルーチンを実行することで、エンジン停止過程で圧縮行程にある気筒の筒内圧力が圧縮TDC時の筒内圧力に到達する前に低下したか否かによってエンジン11の回転方向が逆転したか否かを判定し、エンジン11の回転方向が逆転したと判定された場合には、その時点t1 で、図7に点線で示すように、クランク角カウンタのカウント方向をアップ方向からダウン方向に切り換えて、クランク角センサ26からクランク角信号が出力される毎にクランク角カウンタのカウント値をカウントダウンする。そして、エンジン11の回転が停止したと判定されたときに、その時点のクランク角カウンタのカウント値からエンジン停止位置を検出する。
図6のエンジン停止位置検出ルーチンでは、まず、ステップ301で、エンジン停止過程であるか否か(例えば、IGスイッチがオフ操作されたか否か)を判定する。
このステップ301で、エンジン停止過程であると判定された場合には、ステップ302に進み、圧縮行程にある気筒の筒内圧力が圧縮TDC時の筒内圧力に到達する前に低下したか否かによってエンジン11の回転方向が逆転したか否かを判定する。
このステップ302で、エンジン11の回転方向が逆転していないと判定された場合には、ステップ303に進み、クランク角カウンタのカウント方向を正転時のカウント方向であるアップ方向に維持して、クランク角センサ26からクランク角信号が出力される毎にクランク角カウンタのカウント値をカウントアップする。
その後、上記ステップ302で、エンジン11の回転方向が逆転したと判定された場合には、ステップ304に進み、クランク角カウンタのカウント方向を逆転時のカウント方向であるダウン方向に切り換えて、クランク角センサ26からクランク角信号が出力される毎にクランク角カウンタのカウント値をカウントダウンする。
この後、ステップ305に進み、エンジン11の回転が停止したか否か(例えば、クランク角センサ26からのクランク角信号が入力されることなく所定時間が経過したか否か)を判定し、このステップ305で、エンジン11の回転が停止したと判定されたときに、ステップ306に進み、その時点のクランク角カウンタのカウント値からエンジン停止位置を検出する。
以上説明した本実施例3では、筒内圧力に基づいてエンジン11の回転方向が逆転したと判定されたときに、クランク角カウンタのカウント方向を切り換えて、クランク角センサ26からクランク角信号が出力される毎にクランク角カウンタのカウント値をカウントダウンするようにしたので、エンジン11の回転方向が逆転して停止した場合でも、クランク角カウンタのカウント値とクランク角との対応関係を正常に保つことができて、エンジン停止時のクランク角カウンタのカウント値からエンジン停止位置を精度良く検出することができる。
尚、上記各実施例1〜3では、エンジン11の回転が停止したか否かをクランク角センサ26からのクランク角信号が入力されることなく所定時間が経過したか否かによって判定するようにしたが、エンジン11の回転が停止したか否かの判定方法は、適宜変更しても良く、例えば、エンジン11の回転速度が低下する過程で所定回転速度を通過してから所定の停止判定時間が経過したときにエンジン11の回転が停止したと判定するようにしても良い。
11…エンジン(内燃機関)、13…吸気管、14…スロットルバルブ、19…燃料噴射弁、21…排気管、26…クランク角センサ、30…ECU(停止判定手段,停止位置検出手段,逆転判定手段,クランク角検出手段)、31…点火プラグ、33…筒内圧力センサ(筒内圧力検出手段)
Claims (5)
- 内燃機関の回転が停止したときの停止位置を検出する停止位置検出手段を備えた内燃機関の停止位置検出装置において、
内燃機関の筒内圧力を検出する筒内圧力検出手段と、
内燃機関の回転が停止したか否かを判定する停止判定手段とを備え、
前記停止位置検出手段は、前記停止判定手段により内燃機関の回転が停止したと判定されたときに前記筒内圧力検出手段で検出した筒内圧力に基づいて内燃機関の停止位置を検出することを特徴とする内燃機関の停止位置検出装置。 - 内燃機関の回転が停止する過程で前記筒内圧力検出手段で検出した筒内圧力に基づいて内燃機関の回転方向が逆転したか否かを判定する逆転判定手段を備え、
前記停止位置検出手段は、前記停止判定手段により内燃機関の回転が停止したと判定されたときに前記逆転判定手段の判定結果と前記筒内圧力検出手段で検出した筒内圧力とに基づいて内燃機関の停止位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の停止位置検出装置。 - 前記停止位置検出手段は、前記停止判定手段により内燃機関の回転が停止したと判定されたときに前記筒内圧力検出手段で検出した筒内圧力と、圧縮上死点において前記筒内圧力検出手段で検出した筒内圧力とに基づいて内燃機関の停止位置を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の停止位置検出装置。
- 内燃機関の回転が停止したときの停止位置を検出する停止位置検出手段を備えた内燃機関の停止位置検出装置において、
内燃機関のクランク軸が所定クランク角回転する毎にクランク角信号を出力するクランク角センサと、
前記クランク角センサから出力されるクランク角信号をカウントしてそのカウント値に基づいてクランク角を検出するクランク角検出手段と、
内燃機関の筒内圧力を検出する筒内圧力検出手段と、
内燃機関の回転が停止する過程で前記筒内圧力検出手段で検出した筒内圧力に基づいて内燃機関の回転方向が逆転したか否かを判定する逆転判定手段と、
内燃機関の回転が停止したか否かを判定する停止判定手段とを備え、
前記クランク角検出手段は、前記逆転判定手段により内燃機関の回転方向が逆転したと判定されたときに前記クランク角信号のカウントアップ/ダウンを切り換えて前記クランク角信号をカウントしてそのカウント値に基づいてクランク角を検出し、
前記停止位置検出手段は、前記停止判定手段により内燃機関の回転が停止したと判定されたときに前記クランク角検出手段による前記クランク角信号のカウント値に基づいて内燃機関の停止位置を検出することを特徴とする内燃機関の停止位置検出装置。 - 内燃機関の筒内圧力を検出する筒内圧力検出手段と、
内燃機関の回転が停止する過程で前記筒内圧力検出手段で検出した筒内圧力に基づいて内燃機関の回転方向が逆転したか否かを判定する逆転判定手段と
を備えていることを特徴とする内燃機関の逆転検出装置。
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