JP4244407B2 - 暖房便座ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトイレで使用する便座に暖房機能を有する暖房便座ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の暖房便座は図10に示すように、内部に電気発熱体を有する便座部31と、便フタ32と、これらの後方に、これらの横幅とほぼ同じ大きさの横幅を有し、かつ内部に電気発熱体の電源制御部35と、便座部31および便フタ32の回動支持部34と、便器への取り付け部36とを有する本体部33を配設した構成となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の暖房便座ユニットでは、本体部が便座部および便フタと同じ横幅を有するため、本体部の横幅が大きくなり、さらに便座部の後方に配した本体部に電源制御部、便座部および便フタの回動支持部、便器への取り付け部を設けているので、その分便座ユニット全体の縦方向の長さも大きくなり、また便器と本体部との接触面積も大きくなり、その接触面の汚れが清掃できないという課題を有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、電気発熱体を有する便座と、便ふたと、前記電気発熱体を電気的に制御する電源制御部と、前記便座部および前記便ふたの回動ヒンジ部と、この回動ヒンジ部を支持し、かつ、便器に固定する便座固定具よりなり、前記回動ヒンジ部の外側に筒状突出部を設け、この筒状突出部を通して電気発熱体と電源制御部の配線接続を行うとともに、前記筒状突出部に前記電源制御部を嵌合係止するように構成したものである。
【0005】
上記発明によれば、暖房便座ユニット全体の大きさを便座と同じ大きさに構成でき、また便器と便座固定部との接触面積を少なくでき、コンパクト性、手入れ性、操作性に優れた経済的な暖房便座ユニットを得ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、電気発熱体を有する便座と、便フタと、前記電気発熱体を電気的に制御する電源制御部と、前記便座部および前記便フタの回動ヒンジ部と、この回動ヒンジ部を支持し、かつ、便器に固定する便座固定具よりなり、前記回動ヒンジ部の外側に筒状突出部を設け、この筒状突出部を通して電気発熱体と電源制御部の配線接続を行うとともに、前記筒状突出部に前記電源制御部を嵌合係止するように構成したものであり、コンパクト性、お手入れ性、操作性、経済性の向上がはかれ、かつ電源制御部の固定も容易で、組立性の向上、メンテナンス性の向上などがはかれる
【0007】
また、電源制御部を便座の回動ヒンジ部の外側の軸心延長上に配設することにより、便座開閉時の電源制御部および配線などへの機械的ストレスも少なく、簡単な構成で安価に品質信頼性の向上がはかれる。
【0008】
さらに、便座の回動ヒンジ部の外側に筒状突出部を設け、この筒状突出部を通して電気発熱体と、電源制御部の配線接続を行うとともに、前記筒状突出部に前記電源制御部を嵌合係止するように構成したものであり、これにより電源制御部の固定も容易で、組立性の向上、メンテナンス性の向上などがはかれる。
【0009】
また、便座の回動ヒンジ部の外側の筒状突出部と電源制御部との嵌合はOリングなどのパッキンを介した水密嵌合としたもので、これにより電源制御部への尿、水などの侵入が防止でき、防水信頼性の高い暖房便座が得られる。
【0010】
さらに、便座および便フタの回動ヒンジ部を中空筒状部とし、前記便座および便フタの回動ヒンジ部と、便座固定具の穴部を貫通して支持軸を挿入することにより、回動軸をはずして、便座、便フタの分解清掃などのお手入れが容易となる。
【0011】
また、便座および便フタの回動ヒンジ部の中空筒状部に各々回転ダンパー機構を装着する構成とすることにより、便座部および便ふたの閉動作時の衝撃が緩和され、閉動作時の騒音の発生防止など快適使用性の向上がはかれる。
【0012】
さらに、回転ダンパー機構は非円形中空断面を有する内筒と、非円形外周を有する外筒と、前記内筒と、前記外筒の嵌合内部空間に設けたオリフィス機構と粘性流動体および逆止弁よりなり、かつ前記内筒と、前記外筒を摺動可能に気密嵌合した構成としたものであり、これにより便座、便フタへの装着位置決めも容易にでき高品質で組立、分解性に優れた経済的な暖房便座を得ることが可能となる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0014】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の暖房便座ユニットの外観斜視図である。また図2は暖房便座ユニットの便器への取付状態を示す外観斜視図である。また図3は便座ヒンジ部の部分断面図である。
【0015】
図1、図2および図3において、便座1および便フタ2はおのおのその後端部を回動ヒンジとして接合され、便器に便座固定具4で固定されている。また、便座1の回動ヒンジ部10の一方には電気発熱体5に接続した電源制御部3が便座1と一体に設けられている。
【0016】
ここで電源制御部を便座の回動ヒンジ部に配設する構成とすることにより、余分のスペースをとらず、また便器との取り付け接触面積も小さくなり、コンパクト性、便器面の清掃性の向上、経済性の向上がはかれるものである。
【0017】
(実施例2)
図4、図5は本発明の実施例2の暖房便座ユニットの電源制御部の例を示すもので、図4は便座の回動ヒンジ部と電源制御部の接合状態を示す部分断面図である。また図5は便座の回動ヒンジ部と電源制御部との接続前の状態を示す斜視図である。
【0018】
図4、図5において、便座1から独立して設けた電源制御部3は便座1の片方の回動ヒンジ部10の外側に設けた筒状突出部11の中を通して引き出した便座1の電気発熱体5の配線の一部を、筒状突出部11の外側の軸心延長上に設けた電源制御P板3aに配線接続するとともに、この筒状突出部11の外径に電源制御部3のケース3bを嵌合係止している。また、筒状突出部11の外周にはOリングなどのパッキン12が装着されており、電源制御部3と筒状突出部11を水密嵌合している。
【0019】
ここで、電源制御部は便座と分離して便座の回転ヒンジ部の軸心上に設け、かつ水密嵌合となっているため、便座開閉時の電源制御部への機械的ストレスも少なく、また電源制御部および便座内部への尿、水の侵入が防止でき品質信頼性の高い防水性が得られると同時に、電源制御部をはずして便座、便フタの丸洗い清掃も可能となり、また電源制御部のみの組立、メンテナンスも容易となる。
【0020】
(実施例3)
図6は本発明の実施例3の暖房便座ユニットの便座および便フタのダンパーと便座取付具の組立状態を示す概念斜視図である。
【0021】
図6において、便座1および便フタ2の回動ヒンジ部の軸芯上の中空筒状部1a、2aに、便座ダンパー6および、便フタダンパー7を嵌合装着し、便座ダンパー6の軸心穴と、便フタダンパー7の軸心穴と、便座固定具3の穴部を貫通して支持軸8を挿入して回動可能に支持している。
【0022】
(実施例4)
図7は本発明の実施例4の暖房便座ユニットの回転ダンパー機構の外観斜視図である。
【0023】
図8は回転ダンパー機構の軸方向断面図である。図9(a)、(b)は回転ダンパー機構の動作状態概念および構造例を示す径方向断面図である。
【0024】
図7、図8及び図9において回転ダンパー機構は非円形外周を有する外筒22の内部に非円形中空内断面を有する内筒21と、オリフィス機構23と、逆止弁25とを装着し、空間部を粘性流動体24で充満し、これらをふた27で密閉している。また、内筒21の表面に設けたOリング26により、外筒22を回動方向に摺動可能に気密嵌合して構成されている。そして、内筒21には同様の断面形状を持つ支持軸8が嵌合挿入され、一方外筒はその外周形状と同様の断面形状を持つ便座あるいは便フタのヒンジ部の中空筒状部1a、1bに嵌合して使用される。
【0025】
なお図9(a)、(b)に示すように逆止弁25は、内筒21と、外筒22の相対的回転方向に応じて開閉し、粘性流動体24がオリフィス機構23を通過する抵抗を制御し、ダンパー作用を発生する。
【0026】
ここで外筒の表面を非円形とし、内筒の軸心を非円形中空形状にすることにより、複数の同一形状のダンパーを外周、内周に嵌合する筒あるいは軸を用いて同一軸上に配置して、回転方向の支持固定も容易に確実に行え、製品全体のコンパクト化とコスト低減になる。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかのように本発明の暖房便座ユニットによれば次の効果が得られる。
【0028】
電気発熱体を有する便座と、便ふたと、前記電気発熱体を電気的に制御する電源制御部と、前記便座部および前記便ふたの回動ヒンジ部と、この回動ヒンジ部を支持し、かつ、便器に固定する便座固定具よりなり、前記電源制御部を前記便座部の回動ヒンジ部に配設する構成とすることにより、余分のスペースをとらず、また便器との取り付け接触面積も小さくなり、コンパクト性、便器面の清掃性の向上、経済性の向上がはかれる。
【0029】
また、電源制御部を便座の回動ヒンジ部の外側の軸心延長上に配設することにより、便座開閉時の電源制御部および配線などへの機械的ストレスも少なく、簡単な構成で安価に品質信頼性が向上する。
【0030】
さらに、電源制御部は便座と分離して、便座の回動ヒンジ部の外側に設けた筒状突出部に嵌合係止して設け、かつ、この筒状突出部を通して電気発熱体と、電源制御部の配線接続を行うように構成することにより、電源制御部の着脱固定も容易で、組立性、メンテナンス性が向上するとともに、電源制御部をはずして便座、便フタの丸洗い清掃も可能となる。
【0031】
また、便座の回動ヒンジ部と電源制御部との嵌合はOリングなどのパッキンを介した水密嵌合とすることにより電源制御部への尿、水などの侵入が防止でき、防水信頼性の高い暖房便座が得られる。
【0032】
さらに、便座および便フタの回動ヒンジ部を中空筒状部とし、前記便座および便フタの回動ヒンジ部と、便座固定具の穴部を貫通して支持軸を挿入することにより、回動軸をはずして、便座、便フタの分解清掃などの手入れが容易となる。
【0033】
また、便座および便フタの回動ヒンジ部の中空筒状部に各々回転ダンパー機構を装着する構成とすることにより、便座部および便ふたの閉動作時の衝撃が緩和され、閉動作時の騒音の発生防止など快適使用性が向上する。
【0034】
さらに、回転ダンパー機構は非円形中空断面を有する内筒と、非円形外周を有する外筒と、前記内筒と、前記外筒の嵌合内部空間に設けたオリフィス機構と粘性流動体および逆止弁よりなり、かつ前記内筒と、前記外筒を摺動可能に気密嵌合した構成としたものであり、これにより便座、便フタへの装着位置決めも容易にでき高品質で組立、分解性に優れた経済的な暖房便座を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の暖房便座ユニットの外観斜視図
【図2】 同暖房便座ユニットの便器への取付状態を示す外観斜視図
【図3】 同暖房便座ユニットの便座ヒンジ部の部分断面図
【図4】 本発明の実施例2の暖房便座ユニットの便座の回動ヒンジ部と電源制御部の接合状態を示す部分断面図
【図5】 同暖房便座ユニットの便座の回動ヒンジ部と電源制御部との接続前の状態を示す斜視図
【図6】 本発明の実施例3の暖房便座ユニットの便座および便フタのダンパーと便座取付具の組立状態を示す分解斜視図
【図7】 本発明の実施例4の暖房便座ユニットの回転ダンパー機構の外観斜視図
【図8】 同暖房便座ユニットの回転ダンパー機構の軸方向断面図
【図9】 (a)同暖房便座ユニットの回転ダンパー機構の非動作状態を示す断面図
(b)同暖房便座ユニットの回転ダンパー機構の動作状態を示す断面図
【図10】 従来の暖房便座ユニットの細部構成を示す斜視図
【符号の説明】
1 便座部
1a 便座の回動ヒンジ部の中空筒状部
2 便フタ
2a 便フタの回動ヒンジ部の中空筒状部
3 電源制御部
3a 電源制御P板
3b ケース
4 便座取付具
5 電気発熱体
6 便座ダンパー
7 便フタダンパー
8 支持軸
10 回動ヒンジ部
11 筒状突出部
12 パッキン
21 内筒
22 外筒
23 オリフィス機構
24 粘性流動体
25 逆止弁
26 Oリング

Claims (5)

  1. 電気発熱体を有する便座と、この便座に対応した便フタと、前記電気発熱体を電気的に制御する電源制御部と、前記便座部および前記便フタの回動ヒンジ部と、この回動ヒンジ部を支持し、かつ便器に固定する便座固定具よりなり、前記回動ヒンジ部の外側に筒状突出部を設け、この筒状突出部を通して電気発熱体と電源制御部の配線接続を行うとともに、前記筒状突出部に前記電源制御部を嵌合係止する暖房便座ユニット。
  2. 便座の回動ヒンジ部の外側の筒状突出部と電源制御部との嵌合はパッキンを介した水密嵌合とした請求項1記載の暖房便座ユニット。
  3. 便座および便フタの回動ヒンジ部を中空筒状部とし、前記便座および便フタの回動ヒンジ部と、便座固定具の穴部を貫通して支持軸を挿入してなる請求項1または2記載の暖房便座ユニット。
  4. 便座および便フタの回動ヒンジ部の中空筒状部に各々回転ダンパー機構を装着した請求項3記載の暖房便座ユニット。
  5. 回転ダンパー機構は非円形中空断面を有する内筒と、非円形外周を有する外筒と、前記内筒と前記外筒の嵌合内部空間に設けたオリフィス機構と粘性流動体および逆止弁よりなり、前記内筒と前記外筒を摺動可能に気密嵌合した請求項4記載の暖房便座ユニット。
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