JP3760737B2 - ロータンクの電動ハンドル装置の設置構造 - Google Patents

ロータンクの電動ハンドル装置の設置構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、便器に洗浄水を供給するためのロータンクのハンドル装置をロータンクに設置した構造に係り、特にスイッチ操作によりロータンクからの水流出を開始できるよう構成した電動式のロータンクのハンドル装置をロータンクに設置した構造に関する。さらに詳しくは、ロータンクが合成樹脂製であり、このロータンクを覆うようにロータンクカバーが装着される場合に好適なハンドル装置の設置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動式のハンドル装置をロータンクに設置する場合、特開平11−200452号公報のように、ハンドル装置のハウジングから突設されたねじ付きカラムをロータンクのハンドル取付口に挿入し、ナット締めしているが、ナットを何回も回して締め込まなければならず、手間がかかる。
【0003】
ところで、近年、陶器製のロータンクの代わりに合成樹脂製のロータンクと、このロータンクを覆う合成樹脂製のタンクカバーとを備えた「コンソール型」等と称されるタイプの洋風便器が用いられるようになりつつある。
【0004】
このようなコンソール型洋風便器の合成樹脂製のロータンクに対して比較的容易にハンドル装置を設置できる構造が特開平11−200453号公報に記載されている。
【0005】
第4図は同号公報の実施の形態に係るロータンクのハンドル装置の取り付け構造を示す縦断面図、第5図はこのハンドル装置のハウジング内部の構成図、第6,7,8図はハンドル装置の取り付け構造を示す分解斜視図である。
【0006】
合成樹脂製ロータンク(インナータンク)10の側壁面に開口10aが設けられ、この開口10aに合成樹脂製スペーサ11を介してハウジングカバー14のねじ付カラム14aが挿通される。
【0007】
このハウジングカバー14とハウジングベース16とを対面させ、ビス15によって連結することによりハウジング12が構成されている。両者の間にはパッキン17が介在されている。
【0008】
このハウジング12の下部の外側が断熱材18によって囲まれている。なお、第6〜8図では、図面を明瞭とするためにこの断熱材18は図示を省略してある。
【0009】
このハウジング12はロータンク10内に設置され、ねじ付カラム14aの先端がロータンク10を通ってタンクカバー130の外部に突出している。このねじ付カラム14aの先端にストッパリングとしてのCリング84が係着され、該Cリング84がタンクカバー130の外面に係止されている。
【0010】
ハウジングベース16上にモータ20が取り付けられ、モータ20の駆動軸に固着されたウォーム22がウォームホィール24と噛合している。ウォームホィール24と一体のピニオン26が枢軸28,29を介してハウジング12に枢支されている。このピニオン26は、全周が歯となっているインターギヤ30の該歯と噛合している。該インターギヤ30及びそれと一体の駆動側欠歯ギヤ32が、枢軸34,35によってハウジング12に枢支されている。
【0011】
駆動側欠歯ギヤ32の歯と噛合可能な歯を外周の一部に有している従動側欠歯ギヤ36にスピンドル44が挿通されている。
【0012】
スピンドル44は、その先端側が前記ねじ付カラム14aを通ってタンクカバー130外に突出し、ハンドル50のボス部50aが装着されている。スピンドル44の後端側は、欠歯ギヤ36を貫通し、ハウジングベース16から突出している。このハウジングベース16とスピンドル44との間にはリップシール48が設けられている。スピンドル44の後端はL形に折曲し、その最先部にフロート弁引上用のチェーン等の線状体が連結される。
【0013】
第5図に示される通り、前記インターギヤ30の裏面にカム52が設けられている。このカム52は、リング形状のものであり、外周面の一部に凹部54が設けられている。このカム52によって接点が接触又は離反されるスイッチ56が前記ハウジングベース16に取り付けられている。第図の如く、凹部54がスイッチ56に対面しているときには、該スイッチ56の接点は離反している。凹部54がスイッチ56から離れていくと、該スイッチ56の接点が接触し、スイッチオンの状態となる。
【0014】
このスイッチ56及びモータ20に接続されたハーネス58が、ハウジングカバー14の開口60を通ってハウジング外部に引き出されている。
【0015】
開口60は樹脂モールドされて封じられている。前記ねじ付カラム14aの下面側に該カラム14aの長手方向に溝62が延設され、この溝62にハーネス58が引き通されている。このハーネス58は、ロータンク10外に引き出され、且つこのロータンク10とタンクカバー130との間を引き回され、該ハーネス58の先端に設けられたコネクタを介してタンクカバー130内の制御回路基板(図示略)に接続されている。
【0016】
次に、カラム14aを介してハウジング12をロータンク10及びタンクカバー130(カバーリヤ140)に固定する構造の詳細を第6図を参照して説明する。
【0017】
前記の通り、ロータンク10の側壁面に開口10aが設けられている。このロータンク10を囲むタンクカバー130には、この開口10aと対面する位置に開口131が設けられている。これらの開口10a、131はいずれも方形状である。なお、開口10aの下縁にはハーネス58を通すための切欠状部が設けられている。
【0018】
ロータンク10の開口10aの4コーナー部近傍に4個の凸部10bが設けられている。これらの凸部10bは、その先端がタンクカバー130の内面に当接し、ロータンク10とタンクカバー130との間に一定寸法(凸部10bの高さ分)の間隙をあけるためのものである。
【0019】
前記スペーサ11は、カラム14を通すための開口11aを有する。また、この開口11aの周囲4等分位置にそれぞれ突起11bが設けられている。これらの突起11bはロータンクの開口10aの4コーナー部に入り込み、スペーサ11の回り止めを行うためのものである。
【0020】
このスペーサ11は、開口11aの上側よりも下側の長さ(上下方向長さ)が大である。これは、スピンドル44が弁引き上げ動作する際のトルクに対抗するためである。
【0021】
ハウジング12の取り付けに際しては、まずねじ付カラム14aの溝62にハーネス58を押し込む。そして、ハーネス58の先端側をスペーサ11の開口11aに通し、次いでこのねじ付カラム14aの基端側までスペーサ11を差し込んでおく。次に、このねじ付カラム14aの先端側をロータンク10の開口10aとタンクカバー130の開口131にロータンク10の内部側から外方に向って挿入し、ねじ付カラム14aの先端側をタンクカバー130の外部に突出させる。ハーネス58はロータンク10とタンクカバー130との間を引き回す。
【0022】
このねじ付カラム14aの先端側に取付リング70を嵌合させる。この取付リング70は、ロータンク10の外面に重なるリング形状のものである。
【0023】
この取付リング70には、開口131に入り込む4個の爪状の突起(以下、爪という。)72が該リング70の内孔周縁部から突設されている。この4個の爪72が開口131の4隅に入り込むことにより取付リング70がタンクカバー131に対しねじ付カラム14aの軸心回りに回転不能に係合することになる。
【0024】
この取付リング70の内孔には直線状の弦方向部74が設けられており、ねじ付カラム14aの先端側に切欠状に設けられた弦方向部80が該弦方向部74と係合する。前記の通り、爪72が正方形の開口131の4隅に係合して取付リング70の回転が阻止されているところから、これら弦方向部74、80の係合によりねじ付カラム14a及びそれと一体のハウジング12の回転も阻止される。
【0025】
開口10a,131に挿通されたねじ付カラム14aに対し、このように取付リング70を嵌合させた後、Cリング84をねじ付カラム14aのネック部82に係合させる。このネック部82は、ねじ付カラム14aの先端側に周設された溝よりなるものである。第1図の如く、このCリング84をネック部82に係合させることにより取付リング70の抜けが阻止される。そして、前記スペーサ11と取付リング70とでロータンク10及びタンクカバー130を強く挟持する。これにより、ハンドル装置がロータンク10及びタンクカバー130に対し堅固に固定される。
【0026】
このように構成されたハンドル装置において、ロータンク10内に水が貯められている状態にあっては、スピンドル44の後端は下方を向いており、フロート弁はロータンク10の底部の流出口を塞いでいる。この状態で、ハンドル50を手で回すか、又は押しボタンスイッチを操作してモータ20を作動させると、スピンドル44が回転し、フロート弁が引き上げられ、ロータンクから水が流出する。ハンドル50から手を離すと、スピンドル44は元の姿勢に戻り、止水される。
【0027】
なお、押しボタンスイッチを押してモータ20を回転させた場合、ウォームホィール24、ピニオン26、インターギヤ30、駆動側欠歯ギヤ32の順に回転動力が伝達され、欠歯ギヤ32の歯が従動側欠歯ギヤ36の歯と噛み合う。この場合、インターギヤ30が少しでも回転すると、凹部54がスイッチ56から離れてゆき、接点が接触する。従って、押しボタンスイッチから手を離しても、スイッチ56を介して電源からモータ20に給電され、モータ20の回転が継続される。
【0028】
モータ20の回転継続に伴って、欠歯ギヤ32、36同志が噛合し、欠歯ギヤ36が回転する。欠歯ギヤ36の回転に伴って、スピンドル44が回転し、ロータンク10から水が便器に向って放出される。
【0029】
モータ20の回転が継続し、欠歯ギヤ36がさらに時計回り方向に回転され、欠歯ギヤ36の歯列の最後尾側が駆動側欠歯ギヤ32の歯に係合するようになると、従動側欠歯ギヤ36はもはやそれ以上の回転を行ない得ない状態となり、スピンドル44は約90°回転された状態にしばらく保持される。
【0030】
モータ20及び欠歯ギヤ32は、さらに回転を継続し、遂には、欠歯ギヤ32の歯列の最後尾が欠歯ギヤ36の歯列の最後尾から離れ、従動側欠歯ギヤ36が駆動側欠歯ギヤ32から自由になり、自由回転可能となる。このため、欠歯ギヤ32、36の歯列の噛合が解除されると、スピンドル44は第4図に示す後端部が垂下した状態に復帰する。
【0031】
このロータンクのハンドル装置においては、ハウジング12がロータンク10内に配置され、ハーネス58がタンクカバー130の内側に配置されているため、見栄えが良く、悪戯も受けることが無い。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
第4〜8図の構造にあっては、カラム14aを開口10a、131に通しCリング84を装着するだけでハンドル装置を取り付けることができ、ハンドル装置の取り付けがきわめて簡単である。
【0033】
しかしながら、ロータンク10の外側にロータンクカバー130を設置してからでないとハンドル装置の設置ができいないという不便がある。
【0034】
本発明は、ロータンクにきわめて容易に設置することができるハンドル装置と、このハンドル装置のロータンクへの設置構造を提供することを目的とする。
【0036】
本発明のハンドル装置の設置構造は、合成樹脂製のロータンクの側面の上部に電動ハンドル装置を設置した構造であって、該電動ハンドル装置は、ロータンクの弁を引き上げるように先端側が曲っているスピンドルと、該スピンドルを支持すると共にスピンドルの電動回転装置を内蔵したハウジングとを有し、該ハウジングの下方と両側方に延出するフランジを備えたものであり、該ロータンクの側面の上縁から前記ハウジングを装着するための切欠状の装着部が形成されており、該装着部の底辺部と両側面部には、前記フランジが係合した溝が設けられているロータンクの電動ハンドル装置の設置構造において、該溝内の水をロータンク内に流出させる流出口が該装着部の底辺部に設けられていることを特徴とするものである。
【0037】
かかるハンドル装置の設置構造にあっては、ハンドル装置のフランジを装着部の溝に落し込むように嵌め入れることによりハンドル装置をロータンクに固定でき、ハンドル装置の設置が設置がきわめて簡単である。
【0038】
この場合、溝内の水をロータンク内に流出させるための孔又は切欠状の流出口を溝底辺部に設けるのが好ましい。このようにすれば、パッキン等を用いることなく、ロータンク内の水が装着部からロータンク外に流出することが防止される。
【0039】
さらに、この場合、該装着部の底辺の溝に、段部と、該段部よりも下方に凹陥する水路とが設けられており、前記フランジは該段部に係止されており、前記流出口は該水路に連通している構成とすることが好ましい。この構成であれば、溝内の水をきわめてスムーズにロータンク内に排出することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、第1図〜第3図を参照して実施の形態について説明する。合成樹脂製のロータンク4の上縁からハンドル装置1の装着口5が切欠状に形成されている。この装着部5は略方形であり、1対の側辺と底辺とを有している。この装着口5の双方の側辺と底辺とには、1対の内フラップ5a及び外フラップ5bが設けられ、両フラップ5a,5b間に溝6が形成されている。
【0041】
ハンドル装置1は、ハウジング2と、このハウジング2から延出したスピンドル3とを備えており、このハウジング2内にスピンドル3を回転させる電動回転装置が内蔵されている。この電動回転装置の構成は、例えば前記第4〜8図の従来装置と同様のものとされるが、これ以外のものであってもよい。本実施の形態では、スピンドルは電動回転装置によってのみ回転するものとなっているが、前記第4〜8図と同様にスピンドルは手動及び電動のいずれでも回し得るものとされてもよい。
【0042】
このハウジング2は略直方体形状の箱状のものであり、その後面(スピンドル3の突出方向と反対の面)の1対の側辺と底辺とからはみ出すようにフランジ2aが設けられている。このフランジ2aが前記溝6に上方から落し込まれるようにして挿入され、これによりハンドル装置1がロータンク4に装着される。
【0043】
このように、この実施の形態によるとハンドル装置1のロータンク4への装着がきわめて簡単である。コンソール型洋風便器の場合、このロータンク4に覆い被さるようにタンクカバー8が設置されるが、この実施の形態にあっては、タンクカバー8を被せる前にハンドル装置1を装着でき、装着作業がきわめて簡単である。
【0044】
この実施の形態にあっては、第2,3図の通り、装着口5の底辺の溝6にあっては、溝6の底面の溝幅方向の中央に細溝状の水路6bが形成され、この水路6bの両側が段部6aとなっている。フランジ2aはこの段部6aに載るように溝6に装着される。この水路6b内の水をロータンク4内に排出するように水抜き孔7が設けられている。なお、水抜き孔7の代わりに切欠状の水抜き部を設けてもよい。
【0045】
ロータンク4の内側からハンドル装置1に水がかかり、この水がフランジ2aを伝わって溝6内に侵入した場合、この水は溝6内を伝わり落ちて水路6bに入り水抜き孔7からロータンク4内に戻される。従って、フランジ2aにパッキンを設けたり、ハンドル装置の装着後に防水シールテープを貼ったりすることは不要である。ただし、このようなパッキンや防水シールを設けてもよい。
【0046】
また、フラップ5a,5b及びフランジ2aを貫くようにビスを打ってハンドル装置1を固定してもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、ハンドル装置をきわめて簡単にロータンクに装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るロータンクの電動ハンドル装置示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係るロータンクの電動ハンドル装置を示す断面図である。
【図3】実施の形態に係るロータンクの電動ハンドル装置を示す断面図である。
【図4】従来例を示す断面図である。
【図5】従来例に係るロータンクのハンドル装置のハウジング内部の構成図である。
【図6】従来例を示す分解斜視図である。
【図7】従来例を示す分解斜視図である。
【図8】従来例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 ハンドル装置
2 ハウジング
2a フランジ
3 水路
4 ロータンク
5 装着口
5a 内フラップ
5b 外フラップ
6 溝
6a 段部
6b 水路
7 水抜き孔
8 タンクカバー
10 ロータンク
11 スペーサ
11a 開口
11b 突起
12 ハウジング
14 ハウジングカバー
14a ねじ付カラム
16 ハウジングベース
18 断熱材
20 モータ
44 スピンドル
50 ハンドル
58 ハーネス
62 溝
70 取付用リング
84 Cリング
130 タンクカバー

Claims (3)

  1. 合成樹脂製のロータンクの側面の上部に電動ハンドル装置を設置した構造であって
    該電動ハンドル装置は、ロータンクの弁を引き上げるように先端側が曲っているスピンドルと、該スピンドルを支持すると共にスピンドルの電動回転装置を内蔵したハウジングとを有し、該ハウジングの下方と両側方に延出するフランジを備えたものであり、
    該ロータンクの側面の上縁から前記ハウジングを装着するための切欠状の装着部が形成されており、
    該装着部の底辺部と両側面部には、前記フランジが係合した溝が設けられているロータンクの電動ハンドル装置の設置構造において、
    該溝内の水をロータンク内に流出させる流出口が該装着部の底辺部に設けられていることを特徴とするロータンクの電動ハンドル装置の設置構造。
  2. 請求項において、該装着部の底辺の溝に、段部と、該段部よりも下方に凹陥する水路とが設けられており、
    前記フランジは該段部に係止されており、
    前記流出口は該水路に連通していることを特徴とするロータンクの電動ハンドル装置の設置構造。
  3. 請求項1又は2において、該流出口は、水抜き孔又は切欠状の水抜き部であることを特徴とするロータンクの電動ハンドル装置の設置構造。
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