JP4243460B2

JP4243460B2 - 消臭粉粒体

Info

Publication number: JP4243460B2
Application number: JP2002192037A
Authority: JP
Inventors: 正信山口
Original assignee: 株式会社アクター
Priority date: 2002-07-01
Filing date: 2002-07-01
Publication date: 2009-03-25
Anticipated expiration: 2022-07-01
Also published as: JP2004033351A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トイレ、押入れ、冷蔵庫の様な湿気、臭気が立ち込め易い空間内に置く様にした消臭剤として使用する消臭粉粒体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、かかる消臭剤として、わさびが有する消臭・抗菌・防虫・抗黴性を利用したものが見受けられ、これは、わさび抽出成分を粉末にしてサイクロデキストリン等により粒状に固めた無数の消臭粉粒体を通気性を有する袋内に充填して製品化されている。そして、湿気でサイクロデキストリンを溶解させたり、最初に水に浸してサイクロデキストリンを部分的に溶解させて、露出したわさび抽出成分の粉末に湿気が接触することで、抽出成分が水分に溶解し水分の蒸散と共に抽出成分も蒸散させて、空気中の臭気成分と中和して消臭効果を挙げる様にしている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記消臭剤を前者の方法で使用する場合、各消臭粉粒体に接触した空気中の極微量な水分により抽出成分が蒸散するため、効きが非常に遅く且つ悪く、又後者の方法で使用する場合、必要以上に早く消臭効果が無くなってしまう等解決せねばならない課題があった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来技術に基づく、消臭効果の効きが遅いか、直ぐになくなってしまう課題に鑑み、ワサビ粉末造粒体の外側に、例えばサイクロデキストリンの様な水溶性を有する材質から成る固化層を形成し、該固化層の外側に、例えばアルミナ粉末の様なセラミックス粉末を付着させて形状保持層を形成し、該形状保持層の外側に、例えば塩化カルシウム粉末の様な吸湿剤と炭酸カルシウム粉末を付着させて吸湿層を形成した無数の消臭粉粒体を使用することによって、空気中の水分を吸湿層で積極的に吸収した後、その水分の一部が吸湿層から毛細管現象により序々に消臭粉粒体の中心側に移行し、最終的に固化層を溶解させてワサビ粉末造粒体に到達した水分により成分が溶解し、水分の蒸散と共に抽出成分も蒸散させる様にして、上記課題を解決する。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
本発明に係る吸湿性を有する消臭剤にあっては、無数の消臭粉粒体１、1a…により構成し、各消臭粉粒体１、1a…の中心に、ワサビの抽出成分を乾燥粉砕した粉末を粒状に固めたワサビ粉末造粒体２があり、該ワサビ粉末造粒体２の外側に、例えばサイクロデキストリンの様な水溶性を有する材質から成る固化層３を形成し、該固化層３の外側に、例えばアルミナ粉末の様なセラミックス粉末を付着させて形状保持層４を形成し、該形状保持層４の外側に、例えば塩化カルシウム粉末の様な吸湿剤と炭酸カルシウム粉末を付着させて吸湿層５を形成している。
【０００６】
上記消臭粉粒体１、1a…は、主に通気性を有するが透水性を有しない材質から成る密封袋６内に充填して利用するのが望ましい。その理由は、先ず水分吸収により吸湿層５がゲル状になり、更に進行すると消臭粉粒体１、1a…が崩れてバラバラになり、その状態になると非常に取り扱い難くなってしまうことにある。
【０００７】
次に本発明に係る消臭粉粒体の作用について説明する。
空気中の水分を吸湿層５で積極的に吸収した後、その水分の一部が吸湿層５から形状保持層４を毛細管現象により序々に消臭粉粒体１、1a…の中心側に移行し、最終的に固化層３を溶解させてワサビ粉末造粒体２に到達した水分によりワサビの抽出成分が序々に溶解し、水分の蒸散と共に抽出成分も序々に蒸散される。
そして、蒸散されたワサビの抽出成分が有する、臭気の中和消臭効果、空間内の抗菌効果及び防虫・防黴効果により、快適空間にすることが可能になる。
【０００８】
【発明の効果】
要するに本発明は、ワサビ粉末造粒体２の外側に水溶性を有する固化層３を形成したので、そのままでは脆いワサビ粉末造粒体２の形状をある程度保持することが出来、固化層３は到達した水分により溶解してしまうため、水分を確実にワサビ粉末造粒体２まで到達させることが出来る。
又、固化層３の外側にセラミックス粉末を付着させて形状保持層４を形成したので、ワサビ粉末造粒体２の外側にある程度固い形状保持層４することで、消臭粉粒体１、1a…の形状をある程度保持することが出来、而も吸湿層５が吸収した水分を一気にワサビ粉末造粒体２に到達させずに、毛細管現象により少量毎に序々に到達させることが出来るため、必要以上の抽出成分を一気に蒸散させることを防止出来、抽出成分の無駄使いを無くすことが出来る。
又、形状保持層４の外側に、塩化カルシウム粉末と炭酸カルシウム粉末を付着させて吸湿層５を形成したので、消臭効果のために必要な水分を空気中から積極的に吸収することが出来るため、水に浸さなくても消臭効果を早く効かせることが出来る。
よって、上記効果が相俟って、ワサビの抽出成分を効率良く序々に蒸散させることが出来るため、長期間有効的に消臭効果等を維持することが出来、使用期間を飛躍的に長期化することが出来る等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る消臭粉粒体の拡大断面図である。
【図２】図１の消臭粉粒体を充填した密封袋の正面図である。
【符号の説明】
２ワサビ粉末造粒体
３固化層
４形状保持層
５吸湿層

Claims

ワサビ粉末造粒体の外側に水溶性を有する固化層を形成し、該固化層の外側にセラミックス粉末を付着させて形状保持層を形成し、該形状保持層の外側に、塩化カルシウム粉末と炭酸カルシウム粉末を付着させて吸湿層を形成したことを特徴とする消臭粉粒体。