JP3877432B2 - ペット用排泄物吸収材の製造方法 - Google Patents

ペット用排泄物吸収材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は猫や犬等のペットのトイレの敷材として使用されるペット用排泄物吸収材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ここで敷材とは、飼育小動物の便器はもとより、飼育動物の飼育箱、巣箱、籠などの底面に敷設するものを意味する。排泄物吸収材とは、このような敷材のうち、便器などに敷設しておき、飼育小動物の排泄した尿を吸収し、かつ保持するためのものである。また、飼育小動物とは、一般にペットとして飼育される猫や犬、その他の小動物である。
【0003】
これらのペット用排泄物吸収材には、基本的性能として、ペット類の排泄した尿を確実に吸収する尿吸収能力、尿を吸収した吸収材粒体相互が結合して団塊を形成する団塊生成力、尿の臭いを抑える脱臭・消臭能力が要求されるが、更に、それ自体の重量を軽いものとして運搬や取扱いを容易にするハンドリング性も併せて要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ペット用排泄物吸収材の前記のような基本性能のうち、特に見掛比重の低下に力点をおき、構造的に見掛比重を小さくし得るペット用排泄物吸収材であって、その他の基本性能については、小さな見掛比重を維持しつつ、材料の選定その他の簡単な処理によって容易に確保することのできるペット用排泄物吸収材の製造方法を提供することを解決の課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の(請求項対応)は、水溶性高分子物質の水溶液を、小孔を通じて、該小孔を通過した液粒が形を保持し得る高さから塩化物の水溶液中に滴下し、該塩化物の水溶液中で、該水溶性高分子物質の液粒をゲル化して粒状物とし、次いで、該粒状物の表面に尿吸収材の粉末を被覆し、その後、これを乾燥させて内部の水溶性高分子物質の粒状物の水分を蒸発させることにより中空粒状物に構成するペット用排泄物吸収材の製造方法である。
従って、本発明のペット用排泄物吸収材の製造方法によれば、製造されるペット用排泄物吸収材の見掛比重が小さくなって、その運搬や取扱いが容易となる。
この見掛比重は尿吸収材の材料を種々選択することや中空粒状物の直径及び/又は厚みを変えること等で自由に設定することができる。
また前記尿吸収材の材料をその目的に応じて選択することによって、可燃性のもの、土壌中で分解可能なもの、尿の吸収能力の高いもの、団塊生成力の強いもの、消臭能力の高いもの、臭いをそれらの中に閉じ込め得るもの等とすることができる。
それらの尿吸収材として、前記無機質材の粉末又は前記天然有機質材のいずれを採用した場合であれ、白色系又は淡色系のものを採用した場合は、見た目に優しく部屋の中に置いた時に清潔感を与えるものとなる。
更に、前記尿吸収材に団塊生成材を添加すると、製造されたペット用排泄物吸収材は、尿を吸収した際に、前記中空粒状物が相互に結合して団塊を形成し、尿が他に移ることなく該団塊内に保持されて、尿がかかった部分だけが他と区別され、その部分だけを簡単に除去し得ることとなる。それ故経済的でありかつ衛生的でもある。
前記団塊生成材は、前記尿吸収材を構成する材料が形を保持する性質を持たないタイプのものである場合には、尿吸収材を構成するそれらの材料相互を結合する接着剤としても作用し、強固な中空粒状物を形成する材料になる。
更に尿吸収材に消臭剤を添加すれば、得られるペット用排泄物吸収材は、吸収した尿のアンモニア臭を主体とした悪臭を吸着したり分解したりして無臭に近い状態とすることができるので、室内に置いても不快感や違和感を与えないものとなる。
以上のように、本発明のペット用排泄物吸収材の製造方法によれば、優れた効果を有するペット用排泄物吸収材を、安全、安価かつ容易に製造することができる。
【0011】
本発明の2(請求項2対応)は、本発明ののペット用排泄物吸収材の製造方法に於いて、前記水溶性高分子物質としてアルギン酸ナトリウムの0.5〜2.5%水溶液を、前記塩化物の水溶液として塩化カルシウムの4〜6%水溶液を、それぞれ採用したペット用排泄物吸収材の製造方法である。
従って、本発明の2のペット用排泄物吸収材の製造方法によれば、小孔より滴下して液粒を造る工程に於いて、形が整って安定した壊れ難い液粒を作ることができる。また、該液粒をゲル化する時にはその進行速度適度の速さで行うことができ、それぞれの水溶液濃度の割合が適度であるためにゲル化の硬さも適度となって、尿吸収材の粉末を被覆した粒体を乾燥させる際には、これが容易となる。更に、上記アルギン酸ナトリウム及び塩化カルシウムはいずれも人の食品の製造に使用されるものであり、ペットにとっても極めて安全なものとなる。
【0012】
本発明の(請求項対応)は、本発明ののペット用排泄物吸収材の製造方法に於いて、前記水溶性高分子物質としてアルギン酸ナトリウムの0.5〜2.5%水溶液を、前記塩化物の水溶液として塩化カルシウムの4〜6%水溶液を、それぞれ採用し、かつ前記小孔の径を4mmとした場合に、前記液粒が形を保持し得る高さとして180〜220mmの高さを採用したペット用排泄物吸収材の製造方法である。
従って、本発明ののペット用排泄物吸収材の製造方法によれば、アルギン酸ナトリウム0.5〜2.5%水溶液の液粒を4mm径の小孔から塩化カルシウム4〜6%水溶液の液面に滴下させた場合に、該液粒の形が確実に整った良好なものとなり、液粒にならずに流れてしまったり、滴下の衝撃によって液粒の形が壊れる等の問題が生じることはない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
初めに本発明のペット用排泄物吸収材の製造方法によって製造されるペット用排泄物吸収材について説明する。これは、中空粒状物に構成したものであり、尿吸収材を主成分とし、これに必要により団塊生成材や消臭材を添加したものである。
【0014】
前記尿吸収材としては、無機質材の粉末又は天然有機質材の粉末のいずれか一方を採用し、又は双方の混合物を採用することができる。上記無機質材としては、ベントナイト、ゼオライト、石膏等の鉱物の粉末が、天然有機質材としては、木粉、パルプ粉、紙粉等の粉末等が用いられ、それぞれの単独で又は双方を併用して用いることができる。
また、尿の吸収性を高めるために、合成有機質材である高吸水性ポリマー(高吸水性樹脂)を用いることもできる。
【0015】
なお前記尿吸収材として有機質材だけを用いて尿吸収材を構成した場合には、焼却処理が可能な排泄物吸収材が得られ、使用後の処理が一層容易となる。
更に、これらの尿吸収材の色相としては、白色系又は淡色系のものが、外観の見た目が優しく清潔感を与えるものであって好ましく用いることができる。
【0016】
前記団塊生成材としては、澱粉、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、キサンタンガム、ビーンガム、カラーギンナン、グルテン等の粉末を単独で又は併用して用いることができる。またその使用量は、尿吸収材に対して3〜5%程度の割合とするのが適当である。
【0017】
通常、これらの団塊生成材は、尿を吸収した時に、前記中空粒状物が相互に結合して団塊を形成し、尿が他に移ることなく団塊中に保持され、尿がかかった部分のみを除去し得るようにすることと、尿吸収材を構成する材料が保形成を持たないようなものである場合には、それらの材料相互を結合する接着剤として働いて、強固な中空粒状物を形成することとを目的として尿吸収材に添加されるものである。
【0018】
前記消臭材としては、クエン酸、琥珀酸あるいはリンゴ酸等の天然又は合成の酸性物質が、尿のアンモニア臭を主体とした悪臭を除去する目的で添加される。その添加量は、尿吸収材に対して3%程度の割合とするのが適当である。
【0022】
次に本発明のペット用排泄物吸収材の製造方法について説明する。
初めに、前記中空粒状構造の核となる粒状物を製造をする。
先ず、水溶性高分子物質の水溶液を、小孔を通じて、該小孔を通過した液粒が形を保持し得る高さから塩化物の水溶液中に滴下し、該塩化物の水溶液中で、該水溶性高分子物質の液粒をゲル化させて粒状物とし、これを適当な手段で取り出す。
【0023】
その後、この粒状物を利用して中空粒状物を構成する。
しかして、引き続いて、前記のようにして取り出した粒状物の表面に尿吸収材の粉末を被覆し、その後、すぐにこれを乾燥させて内部の水溶性高分子物質の粒状物の水分を蒸発させ、これを縮小させることにより、中空粒状物を構成するものである。
【0024】
前記水溶性高分子物質としては、安全性とコストを考慮して、通常はアルギン酸ナトリウムが好ましく用いられ、これの水溶液濃度としては0.5〜2.5%程度が好ましく用いられる。
【0025】
ここでアルギン酸ナトリウム水溶液の濃度が0.5%以下では、アルギン酸ナトリウム水溶液を滴下した後の液粒の形が不安定でゲル化した粒体が柔らかくて崩れ易い。
逆に、濃度が2.5%以上では、アルギン酸ナトリウム水溶液の粘性が高くなり過ぎ、そこから滴下するための小孔の孔径が4mm程度であることを前提とすると、該溶液の滴下がし難くなり、生成したゲル粒は硬くて崩れないが後の工程での乾燥し難いものとなる。更に、濃度が3%以上では溶液の粘性が一層高くなって、上記のような前提条件では、滴下が全くできなくなる。
【0026】
また、前記水溶性高分子物質としては、アルギン酸ナトリウムの他に、アルギン酸プロピレングリコールエステル、繊維素グリコール酸ナトリウム、繊維素グリコール酸カルシウム、澱粉グリコール酸ナトリウム、澱粉燐酸エステルナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース等の単独又は2種以上を併用して用いることもできる。
【0027】
前記小孔の孔径としては、採用する前記水溶性高分子物質によって変わってくるが、アルギン酸ナトリウムを採用しその水溶液濃度が0.5〜2.5%である場合には、通常、4mm程度が適当である。この程度の孔径の場合は滴下した液粒の形が、適切な滴下高さを設定すれば、安定したものとなって好ましい。
【0028】
前記水溶性高分子物質としてアルギン酸ナトリウムの0.5〜2.5%水溶液を、前記塩化物の水溶液として塩化カルシウムの4〜6%水溶液を、それぞれ採用し、前記小孔を4mm径とした場合には、前記液粒が形を保持し得る高さとしては、塩化カルシウムの4〜6%水溶液の液面から180〜220mm程度の高さが適当である。この高さとすることにより、アルギン酸ナトリウムの液粒は、形が整った良好なものが得られ易くなる。
高さがこれより低いと液粒が流れて形状が不安定なものとなり、逆に、これより高いと液面に滴下した時の衝撃によって、液粒が壊れてしまい不都合である。
【0029】
前記塩化物の水溶液としては、塩化カルシウム、塩化亜鉛、塩化マグネシウム等を含む二価以上の金属イオンを生成する塩化物の水溶液を用いることができるが、通常は、適度なゲル化の進行速度を有することから塩化カルシウムの水溶液が好ましい。
該塩化カルシウムの水溶液濃度としては4〜6%程度が、適度な時間(40〜60秒)で適度な硬さにアルギン酸ナトリウムの液粒をゲル化することができるので好ましい。
ここで塩化カルシウムの水溶液濃度が3.5%以下ではゲル化が不安定でゲル化に要する時間も長くなり能率が悪く、また、1.5%以下では液粒をゲル化できない。
逆に、6.5%以上ではゲル化は十分に進み表面が綺麗な液粒となるが、この上に被覆する尿吸収材の乗りが悪くなり、また、被覆させた尿吸収材が剥離し易くなって被覆が安定しないものとなる。更に、ゲル化の進行が速すぎて作業性が悪く、且つ、ゲル化が進み過ぎて硬くなり、乾燥縮小し難い粒状物となる。
【0030】
更に、製造方法について工程を追って具体的に説明する。
初めに、適度の大きさの容器に塩化カルシウムの4〜6%濃度の水溶液を入れてアルギン酸ナトリウムの液粒のゲル化溶液として用意しておく。
【0031】
一方、0.5〜2.5%濃度のアルギン酸ナトリウム水溶液を底に孔径4mm程度の小孔を多数開けた容器に入れて、高さ180〜220mm程度の位置から滴下させ、滴下させた液粒を前記予め用意した塩化カルシウム4〜6%濃度の水溶液で受けて、アルギン酸ナトリウムの液粒を約40〜60秒間かけてゲル化させ、粒状物を造る。
【0032】
次いで、該粒状物をスクリーン又はザルによって前記塩化カルシウム溶液から分離し(回収した前記塩化カルシウム溶液は前記容器に戻して循環使用する)、該粒状物の表面が濡れたままの状態で、前記尿吸収材の粉末上に転送して、該粒状物の表面を該尿吸収材で厚さ0.5〜2.0mm程度にほぼ均一に被覆する。
【0033】
更に、その後すぐにこれを乾燥機に送ってゆっくり流動させながら乾燥して、前記粒状物の内部の水分を蒸発させると、外径1〜10mm、厚さ0.5〜2.0mm程度の中空構造のペット用排泄物吸収材が得られる。
【0034】
【実施例】
次に実施例によって本発明を具体的に説明するが、これは本発明の効果を説明するためのもので、これによって本発明が限定されるものではない。
【0035】
<実施例1>
縦300mm、横400mm、深さ350mm程度の容器に5%濃度の塩化カルシウム水溶液を深さ250mm程度入れて置く。次いで、これとは別の容器であって底に孔径4mmの小孔を多数開けた容器に1.5%濃度のアルギン酸ナトリウム水溶液を入れ、高さ200mmの位置より、前記容器の底の小孔から滴下させ、滴下したアルギン酸ナトリウムの液粒を前記5%濃度の塩化カルシウム水溶液に落とし込んで、該液粒を約50秒間でゲル化させて粒状物とし、ザルを用いて該粒状物を塩化カルシウム水溶液から分離し、濡れたままの状態で平型の容器に入れた下記素材1の上に転送して、容器を振動させながら、該粒状物の表面を該素材1で均一になるように被覆する。
次いでこれを流動乾燥機に入れて、ゆっくり流動しながら温度90°Cで15分間乾燥して実施例1のペット用排泄物吸収材を得た。
〔素材1〕
ベントナイト 100重量部
【0036】
<実施例2>
実施例1の素材1を下記素材2に置き換えた他は、実施例1と同様にして実施例2のペット用排泄物吸収材を得た。
〔素材2〕
ベントナイト 100重量部
メチルセルロース 3重量部
【0037】
<実施例3>
実施例1の素材1を下記素材3に置き換えた他は、実施例1と同様にして実施例3のペット用排泄物吸収材を得た。
〔素材3〕
木粉 100重量部
メチルセルロース 3重量部
【0038】
<実施例4>
実施例1の素材1を下記素材4に置き換えた他は、実施例1と同様にして実施例4のペット用排泄物吸収材を得た。
〔素材4〕
木粉 100重量部
石膏 5重量部
メチルセルロース 5重量部
【0039】
<実施例5>
実施例1の素材1を下記素材5に置き換えた他は、実施例1と同様にして実施例5のペット用排泄物吸収材を得た。
〔素材5〕
木粉 100重量部
石膏 5重量部
メチルセルロース 5重量部
クエン酸 3重量部
【0040】
<実施例6>
実施例1の素材1を下記素材6に置き換えた他は、実施例1と同様にして実施例6のペット用排泄物吸収材を得た。
〔素材6〕
紙粉 100重量部
メチルセルロース 3重量部
【0041】
<実施例7>
実施例1の素材1を下記素材7に置き換えた他は、実施例1と同様にして実施例7のペット用排泄物吸収材を得た。
〔素材7〕
紙粉 100重量部
石膏 5重量部
メチルセルロース 3重量部
【0042】
<実施例8>
実施例1の素材1を下記素材8に置き換えた他は、実施例1と同様にして実施例8のペット用排泄物吸収材を得た。
〔素材8〕
紙粉 100重量部
石膏 5重量部
メチルセルロース 5重量部
クエン酸 3重量部
【0043】
<比較例1>
実施例2で用いた素材2を適量の水によって混練し、造粒機に掛けて直径4mm程度の粒状物に造粒し、これを流動乾燥機で温度90°Cで10分間乾燥し、最後に篩にかけて3.5mm前後の粒状物を得、これを比較例1のペット用排泄物吸収材とした。
【0044】
<比較例2>
実施例3で用いた素材3を適量の水によって混練し、造粒機に掛けて直径4mm程度の粒状物に造粒し、これを流動乾燥機で温度90°Cで10分間乾燥し、最後に篩にかけて3.5mm前後の粒状物を得、これを比較例2のペット用排泄物吸収材とした。
【0045】
<比較例3>
実施例6で用いた素材6を適量の水によって混練し、造粒機に掛けて直径4mm程度の粒状物に造粒し、これを流動乾燥機で温度90°Cで10分間乾燥し、最後に篩にかけて3.5mm前後の粒状物を得、これを比較例3のペット用排泄物吸収材とした。
【0046】
<比較例4>
市販の紙を材料とした3mm前後の柱状の排泄物吸収材を比較例4とした。
【0047】
<比較例5>
市販の木を材料とした4mm前後の棒状の排泄物吸収材を比較例5とした。
【0048】
<比較例6>
市販のベントナイトを材料とした3mm前後の柱状の排泄物吸収材を比較例6とした。
【0049】
実施例1〜8及び比較例1〜6で得た各ペット用排泄物吸収材を試験試料として、各々につき、次に示す各測定項目を対応して示した測定方法によって測定し、その結果を表1にまとめた。
【0050】
<測定項目及び測定方法>
見掛比重:直径5cm、高さ5cm、内容量100mlの予め重量を測定してある円筒形容器中に高さ20cmの位置から試料を落とし、その開口部から試料の落下物が盛り上がるまでになった時点でその開口部縁ですり切り、試料が入った状態の容器重量を測定する。測定重量値から該容器の重量値を差し引き、得られた値を100で除して得た値を見掛比重とする。
即ち、見掛比重=内容物の重量(g)/100(ml)
【0051】
吸収量:試料10gを200mlのビーカーに入れ、1%食塩水を少しづつ試料上に注ぎ、水が吸い切れなくなった時点を終点としてその重量を測定する。測定重量値から試料重量値を差し引き、得られた重量値を食塩水の体積値に換算して吸水量とする。(単位:ml)
【0052】
脱臭力:試料20gを300ccの三角フラスコに入れ、該試料に10%アンモニア水0.1gを滴下し、直ちに密閉する。10分後にガス検知管にてフラスコ内のアンモニアの残留濃度を測定する。(単位:ppm)
【0053】
【表1】
Figure 0003877432
【0054】
表1に示した各データによって明らかなように、見掛比重に関して見ると、ベントナイトを主材とする実施例1又は2では、その値は0.21又は0.24となっているが、実施例1と同一の配合である比較例1のそれは0.74であり、ベントナイトを主材とする市販の吸収材である比較例6のそれは0.80である。しかして実施例1及び2は、比較例1及び6に対して、同一又は殆ど同一の配合で、概ね1/3〜1/4の見掛比重になっており、充分、見掛比重を低下させ得ることが分かる。
【0055】
木粉を主材とする実施例3〜5の見掛比重は0.11〜0.15であり、そのうちの実施例3と同一の配合の比較例2のそれは0.31であり、木粉を主材とする市販の吸収材である比較例5のそれは0.28である。しかして実施例3〜5は、比較例2及び5に対して、同一又は殆ど同一の配合で、概ね1/2の見掛比重となっており、ベントナイトを主材とする場合と比較して比較例との差が小さくなっているが、充分、見掛比重を低下させ得ることが分かる。
【0056】
紙粉を主材とする実施例6〜8の見掛比重は0.15〜0.18であり、そのうちの実施例6と同一の配合の比較例3のそれは0.28であり、紙粉を主材とする市販の吸収材である比較例4のそれは0.27である。しかして実施例6〜8は、比較例3及び4に対して、同一又は殆ど同一の配合で、概ね2/3〜1/2の見掛比重となっており、前記ベントナイトや上記木粉を主材とする場合と比較して比較例との差が小さくなっているが、充分、見掛比重を低下させ得ることが分かる。
【0057】
実施例と比較例との見掛比重の差は、ベントナイトを主材とする場合に最も大きいが、これはベントナイトの真比重が最も大きいからであ。
木粉を主材とする場合と紙粉を主材とする場合とでは、その順で、比較例との見掛比重の差が小さくなっている。これも概ね、主材となっている木粉の真比重が紙粉のそれより大きいためと考えられるが、前記比較例との見掛比重との差の違いは大きくないので、他の要素が原因となっている可能性もある。
【0058】
しかして実施例によれば、主材となる尿吸収材の真比重が大きいものほど見掛比重の低下に寄与し得ることが分かる。
いずれにしても実施例のペット用排泄物吸収材は、以上のように、見掛比重が小さく、単位表面積当たりの重量が軽いので製品の運搬や持運びが容易なものとなっていることが判る。
【0059】
また、吸水量に関して見ると、ベントナイトを主材とする実施例1及び2の場合が27.0ml又は26.0mlであるのに対して、同一又はほぼ同様の主材からなる比較例1及び6の場合は13.3ml又は15.0mlであり、実施例1及び2は比較例1及び6に対して1.7〜2倍程度の吸水量を有することが分かる。
木粉を主材とする実施例3〜5の場合が42.0〜45.0mlであるのに対して、同一又はほぼ同様の主材からなる比較例2及び5の場合は37.5ml又は18.0mlであり、この場合は、実施例3〜5は比較例2及び5に対して、1.12〜2.5倍程度の吸水量を有することが分かる。
更に紙粉を主材とする実施例6〜8の場合が、36.0〜43.0mlであるのに対して、同一又はほぼ同様の主材からなる比較例3及び4の場合は、35.0ml又は12.0mlであり、この場合は、実施例6〜8は比較例3及び4に対して、1.03〜3.5倍程度の吸水量を有することが分かる。
【0060】
しかして実施例は、比較例の対応するものと比べて、いずれも優れた吸水量を示しており、中空にしたことにより、同外径であれば、使用材料の量は減少したにも拘らず、尿の吸収能力が増したことが分かる。
【0061】
脱臭力に関して見ると、脱臭材としてクエン酸を配合した実施例5と実施例8ではアンモニア残留濃度が15ppmを示しており、脱臭材を配合しない他の実施例及び比較例と比べると、それらの1/4〜1/20の残留濃度であり、極めて優れた脱臭性を示している。
それぞれ同一の配合で構成した実施例2と比較例1とを比較すると、前者のアンモニア残留濃度が160ppmであるのに対し、後者のそれは170ppmであり、実施例3と比較例2とを比較すると、前者のアンモニア残留濃度が250ppmであるのに対し、後者のそれは250ppmであり、実施例6と比較例3とを比較すると、前者のアンモニア残留濃度が300ppmであるのに対し、後者のそれは500ppmである。しかして脱臭材を採用しない場合は、実施例と比較例には殆ど差がないか、若しくは若干優れた程度である。
【0067】
【発明の効果】
本発明ののペット用排泄物吸収材の製造方法によれば、製造されるペット用排泄物吸収材の見掛比重が小さくなって、その運搬や取扱いが容易となる。
この見掛比重は尿吸収材の材料を種々選択することや中空粒状物の直径及び/又は厚みを変えること等で自由に設定することができる。
また前記尿吸収材の材料をその目的に応じて選択することによって、可燃性のもの、土壌中で分解可能なもの、尿の吸収能力の高いもの、団塊生成力の強いもの、消臭能力の高いもの、臭いをそれらの中に閉じ込め得るもの等とすることができる。
それらの尿吸収材として、前記無機質材の粉末又は前記天然有機質材のいずれを採用した場合であれ、白色系又は淡色系のものを採用した場合は、見た目に優しく部屋の中に置いた時に清潔感を与えるものとなる。
更に、前記尿吸収材に団塊生成材を添加すると、製造されたペット用排泄物吸収材は、尿を吸収した際に、前記中空粒状物が相互に結合して団塊を形成し、尿が他に移ることなく該団塊内に保持されて、尿がかかった部分だけが他と区別され、その部分だけを簡単に除去し得ることとなる。それ故経済的でありかつ衛生的でもある。
前記団塊生成材は、前記尿吸収材を構成する材料が形を保持する性質を持たないタイプのものである場合には、尿吸収材を構成するそれらの材料相互を結合する接着剤としても作用し、強固な中空粒状物を形成する材料になる。
更に尿吸収材に消臭剤を添加すれば、得られるペット用排泄物吸収材は、吸収した尿のアンモニア臭を主体とした悪臭を吸着したり分解したりして無臭に近い状態とすることができるので、室内に置いても不快感や違和感を与えないものとなる。
以上のように、本発明のペット用排泄物吸収材の製造方法によれば、優れた効果を有するペット用排泄物吸収材を、安全、安価かつ容易に製造することができる。
【0068】
本発明ののペット用排泄物吸収材の製造方法によれば、小孔より滴下して液粒を造る工程に於いて、形が整って安定した壊れ難い液粒を作ることができる。
また、該液粒をゲル化する時には適度の進行速度でゲル化を行うことができ、それぞれの水溶液濃度の割合が適度であるためにゲル化の硬さも適度となって、乾燥させる時には乾燥が容易となる。
更に、これらの材料は人間の食品の製造に使用されるものであって、ペットにとっても極めて安全なものとなる。
【0069】
本発明ののペット用排泄物吸収材の製造方法によれば、アルギン酸ナトリウム0.5〜2.5%水溶液の液粒を塩化カルシウム4〜6%水溶液の液面に滴下させた時に、液粒の形が整った良好なものが得られ、液粒にならなかったり、滴下の衝撃によって液粒の形が壊れることがない。

Claims (3)

  1. 水溶性高分子物質の水溶液を、小孔を通じて、該小孔を通過した液粒が形を保持し得る高さから塩化物の水溶液中に滴下し、該塩化物の水溶液中で、該水溶性高分子物質の液粒をゲル化して粒状物とし、次いで、該粒状物の表面に尿吸収材の粉末を被覆し、その後、これを乾燥させて内部の水溶性高分子物質の粒状物の水分を蒸発させることにより中空粒状物に構成するペット用排泄物吸収材の製造方法。
  2. 前記水溶性高分子物質としてアルギン酸ナトリウムの0.5〜2.5%水溶液を、前記塩化物の水溶液として塩化カルシウムの4〜6%水溶液を、それぞれ採用した請求項1のペット用排泄物吸収材の製造方法。
  3. 前記水溶性高分子物質としてアルギン酸ナトリウムの0.5〜2.5%水溶液を、前記塩化物の水溶液として塩化カルシウムの4〜6%水溶液を、それぞれ採用し、かつ前記小孔の径を4 mm とした場合に於いて、
    前記液粒が形を保持し得る高さとして180〜220 mm の高さを採用した請求項1のペット用排泄物吸収材の製造方法。
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