JP4243249B2 - タイヤ、タイヤの形成方法、タイヤ外部磁界低減装置およびタイヤを装着した車両 - Google Patents

タイヤ、タイヤの形成方法、タイヤ外部磁界低減装置およびタイヤを装着した車両 Download PDF

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Description

本発明は、スチールコードが配列された一層以上のベルト層よりなるベルトを具えしかも外部に形成する磁界の小さいタイヤ、このタイヤの形成方法、このタイヤの形成方法に用いるタイヤ外部磁界低減装置、および、このタイヤを装着した車両に関する。
スチールコードが配列されたベルト層よりなるベルトを具えたタイヤは広く用いられている。そして、このようなタイヤは、特開平10−307145号公報に記載されているように、スチールコードに残留する磁化に起因して、外部に検出可能な磁界を形成し、その磁界の程度は、この磁界を検出して磁界の時間変化からタイヤ回転数を算出し車両の走行距離を推定するに十分な大きさである。
ところで近年、タイヤに作用する力から直接、摩擦係数を推定するため、タイヤの所定部分、例えば、タイヤのトレッド部の所定部分に小片磁石を貼り付けこの磁石からの磁界の変化からトレッド部の変位を求め、その変位からタイヤに作用する力を逆算するタイヤの変位測定方法や、タイヤの所定部分に小片磁石を貼り付けて、磁石からの磁界が温度によって変化することを利用してタイヤのこの部分の温度の異常を検出するタイヤの温度検出方法などが検討されている。
当然ながら、これらの方法においては、小片磁石からの磁界を高い精度で検出することが重要であり、そのためには小片磁石以外からの磁界を抑制しなければならないが、従来のタイヤでは、前述のように、スチールコードの残留磁化に起因して発生する磁界が影響して十分な磁界の検出精度を得ることができずそれらの方法を達成するのが難しかった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、タイヤに小片磁石を貼り付けてこの磁石が形成する磁界を測定してタイヤの特性を求める際に、この磁界測定に影響を与えるような磁場を形成することのないタイヤ、このタイヤの形成方法、タイヤ外部磁界低減装置、および、このタイヤを装着した車両を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明はなされたものであり、その要旨構成ならびに作用効果を以下に示す。
(1)本発明は、スチールコードが配列された一層以上のベルト層よりなるベルトを具えたタイヤにおいて、タイヤ表面上のすべての点に対して、それぞれの点から法線方向外側に5mmだけ離隔した点において形成する磁界の強さが、いずれの方向に対しても、0.15mT以下であるタイヤである。
本発明のタイヤ1によれば、タイヤ表面上のすべての点に対して、それぞれの点に立てた表面法線方向外側に5mmだけ離隔した点において形成する磁界の強さが、いずれの方向に対しても、0.15mT以下であるので、タイヤ1に小片磁石を貼り付けてこの磁石の形成する磁界を測定してタイヤの特性を求める際に、この磁界測定に影響を与えるような磁場を形成することを防止できる。
(2)本発明は、(1)において、ベルトを複数のベルト層で構成し、それぞれのベルト層のスチールコードを、隣接して積層された二つのベルト層同士でタイヤ赤道面に対して逆向きに傾斜して配列するとともに、スチールコードの表面磁力をその両端部分だけに局在化させ、スチールコードのタイヤ幅方向同じ側に位置する端部分における表面磁力を、同一ベルト層内では同じ極性のものとし、隣接して積層された二つのベルト層同士では異なる極性のものとしてなるタイヤである。
(3)本発明は、(1)もしくは(2)のタイヤを形成するに際して、棒状磁石をタイヤ幅方向に向く姿勢でタイヤ外周面に当接または近接させて、タイヤ回転軸に対する棒状磁石の姿勢を一定に保持しながら、タイヤの外周部をタイヤ一周以上タイヤに対して相対回転させたあと、棒状磁石をタイヤ回転軸から遠ざける操作を基本操作とするとき、タイヤを加硫したあとタイヤの使用を完了するまでのいずれかの時点で、この基本操作を連続して複数回行って、タイヤ外部に形成される磁界の強さを減じるタイヤの形成方法である。
(4)本発明は、(3)において、前記基本操作において、棒状磁石をタイヤに対して相対回転する際の回転角を、スチールコードのタイヤ周方向に沿った延在長さに対応する回転角に360度を加えた角度以上とするタイヤの形成方法である。
(5)本発明は、(3)もしくは(4)において、タイヤを回転してタイヤのバランスを測定するタイヤバランサにタイヤをセットすることによりタイヤを回転して、前記基本操作を行うタイヤの形成方法である。
(6)本発明は、(3)もしくは(4)において、車両に装着されたタイヤを地面から離隔したあと、タイヤを車両に装着したままタイヤを回転して、前記基本操作を行うタイヤの形成方法である。
(7)本発明は、(3)〜(6)のいずれかのタイヤの形成方法に用いられる、タイヤの外部磁界を減じる装置であって、
タイヤを把持して回転するタイヤ回転駆動手段と、前記棒状磁石と、棒状磁石をタイヤに対してタイヤ半径方向外側に段階的に離隔する磁石変位駆動手段とを具えてなるタイヤ外部磁界低減装置である。
(8)本発明は、(1)もしくは(2)のタイヤを装着してなる車両である。
図1は、本発明にかかる実施形態のタイヤを示す子午線断面図である。
図2は、スチールコードの配列を示すベルトの平面展開図である。
図3は、スチールコードの長さ方向の表面磁力分布を示す模式図である。
図4は、タイヤ外部磁界低減装置を示す斜視図である。
図5は、図4の“A”部を拡大して表わす磁石の磁極配置を示す斜視図である。
図6は、タイヤに対して相対移動させる磁石の軌跡を示す軌跡図である。
図7は、スチールコード単体の磁力を変化させる実験における、スチールコードと磁石との相対配置を示す斜視図である。
図8は、図7に示す実験においてスチールコードの表面磁力分の変化を示すグラフである。
図9は、図8に続く変化のグラフである。
図10は、タイヤ外部磁界低減装置の他の実施態様を示す斜視図である。
図11は、従来例のタイヤが形成する磁界を表わすグラフである。
図12は、実施例のタイヤが形成する磁界を表わすグラフである。
図13は、磁石シート貼付けた従来例のタイヤが形成する磁界を表わすグラフである。
図14は、磁石シート貼付けた実施例のタイヤが形成する磁界を表わすグラフである。
以下、本発明の実施形態について図1ないし図10に基づいて説明する。図1はこの実施形態のタイヤ1をその子午線面において示す断面図であり、図2は、このタイヤのベルトをタイヤ半径方向外側からみたときの、スチールコードの配列を示すベルトの平面展開図である。図2において、Cはタイヤ周方向を表す。
タイヤ1は、トレッド部2に配設されたベルト5を具え、このベルト5は、スチールコード13を配列した内層側のベルト層3とスチールコード14を配列した外層側のベルト層4とをタイヤ半径方向に積層してなり、スチールコード13および14はともにタイヤ赤道面Eに対して角度αだけ傾斜するがそれぞれの傾斜の向きは、タイヤ赤道面に関し互いに逆向きに傾斜して配列される。
そして、スチールコード13および14はともに、その表面磁力が両端部分だけに局在化し、ベルト5の一方のタイヤ幅方向端部W1においては、内層側ベルト層3のスチールコード13の端部分での表面磁力はすべてN極の極性を有し、一方、外層側ベルト層4のスチールコード14の端部分での表面磁力はすべてS極の極性を有し、これとは逆に、ベルト5の他方のタイヤ幅方向端部W2においては、スチールコード13の端部分での表面磁力はすべてS極の極性を有し、一方、スチールコード14の端部分での表面磁力はすべてN極の極性を有する。
ここで、表面磁力とは、スチールコードの外表面において検出される磁力の大きさをいい、スチールコードの表面から放射される磁力線の密度を意味する。
図3は、以上に説明した、スチールコード13、14の長さ方向に沿った表面磁力の分布を、横軸にタイヤ幅方向位置をとり、縦軸に表面磁力の大きさをとって表した模式図であり、図3(a)および図3(b)はそれぞれスチールコード13およびスチールコード14の表面磁力分布を示すもので、いずれの図においても、横軸の左方端はベルト幅方向端W1、右方端はベルト幅方向端W2に合致する位置を表し、縦軸の正側はN極側を、負側はS極側を表す。
このように磁化されて配列されたスチールコード13および14は、その両端部分にのみ表面磁力が局在化されているので、磁力線を外部に放射する部分は両端部分に限定され、しかも、一方のベルト層に配列されたスチールコード13(14)の端部分のタイヤ半径方向すぐ近傍には、他方のベルト層に配列されたスチールコード14(13)の端部分が必ず存在し、これら互いに近接する端部分同士は異なる極性の表面磁力をもっているので、磁力線のほとんどは、これらの端部分同士間に延在するものとなり、外部に漏洩する磁力線を大幅に抑制して、タイヤ外部に形成する磁界を大きく低減することができる。
以上説明したことは、両端にそれぞれN極とS極とを有する複数個の棒状磁石を、N極とS極とを吸引させあって環状に繋げたとき、外部に形成される磁界はほとんどゼロとなることと同様の原理である。
そして、このような構成を有するタイヤ1は、外部に形成する磁界が小さいので、このタイヤ1に小片磁石を貼付けてこの小片磁石からの磁界だけを感度よく検知することができる。さらに、このタイヤ1は外部に磁界を形成しないだけで、スチールコードの内部には大きな磁化が存在しそれぞれの磁化が内部で磁路を形成しているので、タイヤが走行中に受ける外部磁場に対して高い抗磁力を具えさせることができ、例えば、走行中のタイヤのベルトが外部磁場によって表面磁力を再着磁されるのを抑えることができる。
次に、タイヤ1を形成する方法について説明する。図4は、タイヤ1を形成するのに用いられるタイヤ外部磁界低減装置20を示す斜視図、図5は、図4の“A”部分を拡大して棒状磁石21の磁極配置と磁力線の放射態様とを図4と同じ向きで示す斜視図である。
このタイヤ外部磁界低減装置20は、タイヤ1を回転させながらバランスを測定するタイヤバランサ25の回転駆動部分を兼用して構成され、タイヤ1を装着するタイヤバランス測定用リム11、このリム11をモータ駆動により回転するタイヤ回転駆動手段23、棒状磁石21、および、棒状磁石21を段階的にタイヤ1の半径方向外側に変位する磁石変位駆動手段24を具える。さらに、図示しないが、タイヤ回転駆動手段23と磁石変位駆動手段24とを協働させてタイヤ1と棒状磁石21とを相対移動させる際の棒状磁石21の軌跡を制御する相対移動制御手段も具える。また、棒状磁石21は、タイヤ1の回転軸と平行で、かつ、N極とS極の間に放射される磁力線が赤道面内に延在してベルト5と交わるような姿勢で、タイヤ1の外周面に当接もしくは近接させて配置される。なお、このタイヤ外部磁界低減装置20は、タイヤバランサ25の回転駆動部分を兼用して構成されているので、タイヤ外部磁界低減のためのコストを抑えることができる。
図6は、タイヤ1に対して相対移動する磁石21の軌跡を、タイヤを静止したものとしてタイヤ軸方向から見て示す軌跡図である。すなわち、図6は、回転するタイヤ1上の点から見たときの棒状磁石21の軌跡を示すものである。図6を参照して、この装置20を用いてタイヤ1を形成する方法について説明する。まず、棒状磁石21をタイヤ1の外周面からd1だけ離隔させた点S1に配置する。次いでタイヤ1の回転を開始し、タイヤ1が1周よりα1の角度だけ余計に回った点F1でタイヤ1の回転を停止し棒状磁石21を半径方向外側に距離d2だけ変位させて点S2に移動させる。次いで、タイヤ1の回転を再開しタイヤ1が1周よりα2の角度だけ余計に回った点F2でタイヤ1の回転を停止し棒状磁石21を半径方向外側に距離d2だけ変位させて点S3に移動させる。同様にして、棒状磁石21を、さらにF3、S4、F4、S5、F5の順に移動し、そのあとタイヤを装置20から取り出す。
このように、このタイヤの形成方法は、タイヤの回転を開始しタイヤ1が1回転より所定角度だけ余計に回った点でタイヤの回転を停止し棒状磁石21をタイヤ半径方向外側に所定距離だけ変位させる操作を基本操作としてこの基本操作を複数回、図6に示す例では5回、連続して行うことを特徴し、この連続操作により、図3に示す表面磁力分布をもつスチールコード13、14を具えたタイヤ1を形成することができる。
次に、このタイヤの形成方法の原理について説明する。図7〜図9は、1本のスチールコードSCの近くに磁石Mを配置して磁石MをスチールコードSCの長さ方向にその一端から他端まで変位させる実験を説明するための図であり、図7は、スチールコードSCと磁石Mとの相対配置を示す斜視図、図8および図9は、磁石Mの位置によって変化する表面磁力分布を、横軸にスチールコードSCの長さ方向位置をとり縦軸にN極を正、S極を負として表わす表面磁力の大きさをとって、磁石Mの位置ごとに順に示すグラフである。この実験においては、磁石Mを、スチールコードSCの一方の端Aから他方の端Bまで、磁極Sが端Aの側に磁極Nが端Bの側に位置する姿勢を保って変位させる。
図7(a)は、磁石MをスチールコードSCから十分離隔した点P0に待機させた初期状態におけるスチールコードSCの表面磁力分布を示し、この状態において、表面磁力は端AでS極、端BでN極となり、これらの端以外の部分においては表面磁力が存在しないよう磁化されているものとする。
図7(b)、図7(c)、図8(a)、図8(b)および図8(c)は、それぞれ、磁石Mを点P1、P2、P3、P4および点P5まで順に移動させたときのスチールコードSCの表面磁力分布を示し、この磁石の移動操作は、スチールコードSCに残留する表面磁力を一旦リセットしながら、新たな表面磁力のピークをスチールコードSCの長さ方向に沿って形成してこれを磁石Mの移動と共に順次移動させるものであり、このことによって、磁石MをスチールコードSCから十分離隔した位置P5まで退出させた最終状態において、端A付近と端B付近とだけにそれぞれN極およびS極の表面磁力を形成することができる。
そして、この実験結果を参照して、前述の図6に示す基本操作を説明すると、棒状磁石21をタイヤ1の周方向一方から他方に向かって相対移動させた時、この操作は、スチールコード13、スチールコード14のいずれに対しても、周方向一方から他方に向かうコードの長さ方向に沿って磁石Mを移動ことを意味し、その結果、前述の実験結果に基づいて、スチールコード13、14の両端部分以外の部分の表面磁力をほぼゼロとするとともに、コード13に対しても、コード14に対しても周方向一方の側の端部分には同じ一方の極、例えばN極の表面磁力を形成し、周方向の他方の側の端部分には同じ他方の極、例えばS極の表面磁力を形成する。
そして、スチールコード13と14とはタイヤ赤道面Eに関し逆向きに傾斜して配列されているので、このことはとりもなおさず、ベルト5の一方のタイヤ幅方向端部W1においては、内層側ベルト層3のスチールコード13の端部分での表面磁力はすべてN極の極性を有するが、外層側ベルト層4のスチールコード14の端部分での表面磁力はすべてS極の極性を有し、これとは逆に、ベルト5の他方のタイヤ幅方向端部W2においては、スチールコード13の端部分での表面磁力はすべてS極の極性を有するが、スチールコード14の端部分での表面磁力はすべてN極の極性を有する、という結果をもたらすことを意味する。
しかしながら、タイヤ1の外周面に沿わせて棒状磁石21を相対移動させる場合は、前述の1本のスチールコードSCに沿って磁石Mを移動させる実験とは異なり、ベルト層3、4は無端状に形成されているので、棒状磁石21を図6の点F1で停止させたとき、点F1にある棒状磁石21に対向して位置するスチールコード13、14では、コードの中央付近に磁石21が位置していて、図8(b)、図8(c)、図9(a)あるいは図9(b)に示すような表面磁力分布を有することとなり、したがって、棒状磁石21と対向する周方向位置のベルト部分だけはそれがスチールコードの端部分でなくても表面磁力のピークが残ってしまう。
前記基本操作を複数回行うのは、このようにして残留する表面磁力のピークを徐々に減じるために行うものであり、複数回の基本操作により、棒状磁石21と対向する周方向位置に残った表面磁力を一旦リセットするとともに、前よりは新たに弱い表面磁力の部分を別の周方向位置に形成するという操作を繰り返して、最終操作では、十分に小さな表面磁力のピークだけが残る分布のベルト5を形成することができる。以上が、前述のタイヤの外部に形成する磁界を減ずるタイヤの形成方法の原理であり、極めて容易にタイヤ1を形成することができる。
ここで、図6に示す角度α1、α2、‥‥は、スチールコード13、14のタイヤ周方向に沿った延在長さに対応する回転角とするのが好ましく、このことにより、全周すべてのスチールコード13、14についてそれぞれの長さ方向の両端間を移動させることができ、残留する表面磁力を確実にリセットすることができる。
また、半径方向外側に移動されたあとの磁石21は、その時点までにスチールコード13、14に残留する表面磁力をリセットするに十分な大きさの磁界をベルト5に形成する必要があり、磁石21のタイヤ1からの最終離隔距離は、磁石21がベルト5に残留させる表面磁力が十分小さくなるよう設定されなければならず、これらのことを勘案して、棒状磁石21を段階的に半径方向外側に変位させる際の距離d2、d3、・・・を決める必要がある。
なお、前述の方法において、磁石21をタイヤ1から離隔変位させる際に、一旦タイヤ1の回転を停止するものとしたが、タイヤ1を一旦停止させずに複数の基本操作にわたって回転を連続さても同様の効果をえることができる。また磁石の長さは、タイヤ幅方向と同等以上とするのが好ましく、このことにより、スチールコードの端部まで確実に表面磁力を調整することができる。
図10は、他の実施態様のタイヤ外部磁力低減装置30を示す斜視図である。
この装置30は、車両15に装着されたタイヤ1を車両15から取り外すことなく、タイヤ1が外部に形成する磁界を低減するものであり、この装置30は、タイヤ1もしくはタイヤ1を組み付けるリムを把持するチャック32、チャック32を回転するタイヤ回転駆動手段33、棒状磁石31、棒状磁石31をタイヤ半径方向外側に変位させる磁石変位駆動手段34、および、図示しないが、タイヤ1と棒状磁石31とを相対移動させる際の棒状磁石21の軌跡を制御する相対移動制御手段を具える。
それぞれの手段の機能の詳細や、この装置30を用いてタイヤを形成する方法については、すでに、図4に示した装置20について説明したものと同様であるので説明を省略するが、この態様の装置30が装置20となる点は、第一に、車両15にタイヤ1を装着したまま、外部に形成する磁界を抑制したタイヤ1を形成することであり、そのため、前述の基本操作を開始する前に、車両をジャッキアップする等してタイヤを地面から浮かせる必要がある点であり、第二に、車両15を所定の位置に固定することは難しいので、車両15およびそれぞれのタイヤ1の配置に合わせて、タイヤ回転駆動手段33および磁石変位駆動手段34をセットする必要がありそのためこれらの手段は可搬に構成されていなければならない点である。
この装置30は車両15にタイヤを装着したままそれが形成する外部磁界を減じることができるので、走行中に着磁されたタイヤ1についても簡易にその処理を行うことができる。
従来のタイヤ(従来例)に前述の基本操作を連続させて行うことにより、図1に示す本実施形態のタイヤ(実施例)を形成し、これらのタイヤが形成する外部磁界を測定して比較した。図11および図12は、それぞれ、従来例および実施例のタイヤにつき、これらが形成する外部磁界をタイヤ周方向成分、タイヤ半径方向成分、タイヤ幅方向成分についてタイヤ周方向一周にわたって測定し、磁束密度で表わした磁界の強さを縦軸に、タイヤの周方向位置を横軸にとって表わすグラフである。この測定は、ホール素子を用いて磁界を計測するガウスメータを用いて行い、磁界の検出位置は、タイヤ赤道面上のタイヤ外周面から5mmだけ離れた位置とした。
これらのタイヤの関連する主要緒元は次のとおりである。
タイヤサイズ:195/60R15
ベルト層数:2
ベルト層幅(mm):内層 152、外層 140
スチールコードの赤道面に対する傾斜角度(度):内層 24、外層 24
スチールコード打ち込み数(本/50mm):内層 34、外層 50
また、実施例のタイヤを形成する際用いた磁石の強さは中心部表面で80mT、基本操作においてタイヤを回転する角度はすべて720度、基本操作の回数は3回、一回ごとに磁石を遠ざける距離は5mmとした。
図11、図12から明らかなように、従来のタイヤでは最大0.5mT以上あった磁界成分を、上述のような基本操作を連続して繰り返すことにより、外部磁界がほぼ0.1mT以下となる実施例のタイヤを形成することができた。
また、図13、図14は、それぞれ、従来例のタイヤおよび実施例のタイヤに、周上4カ所、タイヤ赤道面上に位置するタイヤ内周面に表裏で極性を異ならせた小片磁石を貼付けたとき、これらのタイヤが形成する外部磁界を、タイヤ赤道面上タイヤ外周面けら半径方向外側に5mm離した位置に配置したガウスメータで全周にわたって測定したものであり、図11、12と同様、磁界の強さを縦軸に、タイヤの周方向位置を横軸にとって表わすグラフである。貼付けた小片磁石は、30mm角の大きさであり、またフェライトをゴム組成物中に分散したものを成型したボンド磁石である。
図13、図14から明らかなように、小片磁石単体によって形成される磁界は、0.3mT程度であり、従来例のタイヤにおいては、ベルト5に起因する最大磁界成分は0.5mT以上あるので、従来例のタイヤに小片磁石を貼付けた場合、小片磁石によって形成された磁界とスチールコードに起因する磁界とを区別することが難しいが、実施例のタイヤではベルトによる磁界を抑制したので小片磁石による磁界だけを抽出することができる。
以上述べたところから明らかなように、本発明のタイヤは、外部に磁界を形成しないので、小片磁石を貼り付けてこの磁石の形成する磁界を測定して求められたタイヤの特性や、その特性から導かれる車両の走行状状態を検知する用途に用いることができる。

Claims (8)

  1. スチールコードが配列された一層以上のベルト層よりなるベルトを具えたタイヤにおいて、タイヤ表面上のすべての点に対して、それぞれの点から法線方向外側に5mmだけ離隔した点において形成する磁界の強さが、いずれの方向に対しても、0.15mT以下であるタイヤ。
  2. ベルトを複数のベルト層で構成し、それぞれのベルト層のスチールコードを、隣接して積層された二つのベルト層同士でタイヤ赤道面に対して逆向きに傾斜して配列するとともに、スチールコードの表面磁力をその両端部分だけに局在化させ、スチールコードのタイヤ幅方向同じ側に位置する端部分における表面磁力を、同一ベルト層内では同じ極性のものとし、隣接して積層された二つのベルト層同士では異なる極性のものとしてなる請求の範囲第1項に記載のタイヤ。
  3. 請求の範囲第項1もしくは2項に記載されたタイヤを形成するに際して、棒状磁石をタイヤ幅方向に向く姿勢でタイヤ外周面に当接または近接させて、タイヤ回転軸に対する棒状磁石の姿勢を一定に保持しながら、タイヤの外周部をタイヤ一周以上タイヤに対して相対回転させたあと、棒状磁石をタイヤ回転軸から遠ざける操作を基本操作とするとき、タイヤを加硫したあとタイヤの使用を完了するまでのいずれかの時点で、この基本操作を連続して複数回行って、タイヤ外部に形成される磁界の強さを減じるタイヤの形成方法。
  4. 前記基本操作において、棒状磁石をタイヤに対して相対回転する際の回転角を、スチールコードのタイヤ周方向に沿った延在長さに対応する回転角に360度を加えた角度以上とする請求項3に記載のタイヤの形成方法。
  5. タイヤを回転してタイヤのバランスを測定するタイヤバランサにタイヤをセットすることによりタイヤを回転して、前記基本操作を行う請求の範囲第3もしくは4項に記載のタイヤの形成方法。
  6. 車両に装着されたタイヤを地面から離隔したあと、タイヤを車両に装着したままタイヤを回転して、前記基本操作を行う請求の範囲第3もしくは4項に記載のタイヤの形成方法。
  7. 請求の範囲第3〜6項のいずれかのタイヤの形成方法に用いられる、タイヤの外部磁界を減じる装置であって、
    タイヤを把持して回転するタイヤ回転駆動手段と、前記棒状磁石と、棒状磁石をタイヤに対してタイヤ半径方向外側に段階的に離隔する磁石変位駆動手段とを具えてなるタイヤ外部磁界低減装置。
  8. 請求の範囲第1もしくは2項に記載のタイヤを装着してなる車両。
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