JPWO2003099592A1 - 着磁タイヤ - Google Patents
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Abstract
スチールコードよりなるベルトの素線の一部を硬質磁性材料で形成し、あるいは、トレッド部に硬質磁性材料を配設して、着磁タイヤを構成することにより、タイヤの外部に設けた磁気センサで十分検出できるピークを有する磁力パターンを具えた着磁タイヤを提供する。
Description
技術分野
本発明は、磁力パターンを設けた着磁タイヤに関し、特に、この着磁タイヤからの磁界を磁気センサで検出して得られるタイヤの変形状態に基づいて車両をリアルタイムに制御するシステムや、タイヤに着磁された磁力パターンの情報を磁気センサで読み取ってこのタイヤを装着する車両を識別するシステム等に用いられるものに関する。
背景技術
タイヤの変形状態をリアルタイムに計測しこの情報に基づいて車両を制御したり、あるいは、この情報を監視して車両の安全な走行に寄与させたりすることが提案されている。
例えば、タイヤの変形状態に基づいてABS(アンチスキッドブレーキシステム)の制御を行おうとする検討がなされている。すなわち、車両に用いられるABSの性能を高めるためには、できるだけ大きい路面摩擦係数の状態で、ロック、アンロックの制御を行うことが効果的であり、この路面摩擦係数は、一定の路面状態では、車輪のスリップ率に関係するため、ABSは、最大の路面摩擦係数に対応するスリップ率の付近でロック、アンロックを制御するように設計されていて、従来のABSでは、測定された車両の速度と車輪の回転速度とに基づいてスリップ率を計算し、このスリップ率が一定の範囲に入るよう制動を自動制御する方式が一般的であるが、この方法は路面状態が一定の条件においては有効であるものの実際には路面状況は大きく変化しスリップ率からだけでは最適な路面摩擦係数が得られないという問題があるため、路面がタイヤに作用する周方向および垂直方向の力を測定してこれらの測定した力から直接摩擦係数を求める方法が検討されている。そして、この方法は、作用力の働く方向のひずみを計測しこの計測されたひずみと既知のタイヤの剛性とからそれぞれの方向の作用力を求めようとするものである。
この例の他に、タイヤのひずみ、すなわち変形を計測してこれを車両の制御に利用するものとして、路面から受けるタイヤの軸方向のひずみを計測しこれから同様にしてタイヤ軸方向の路面摩擦係数を求めて車両の横方向のスリップを制御するシステムや、車軸直下のタイヤの半径方向のひずみを計測してこれに基づいて内圧の異常を検出するシステムなども検討されている。
そして、これらのシステムにおけるタイヤの変形の測定方法としてこれを磁気的に測定することも検討されている。すなわち、何らかの手段により、タイヤの所定部分、例えばトレッド部を着磁して周方向に所定の磁力パターンを形成しておき、車両の非回転部分に設けられた磁気センサで、タイヤの回転に伴ってその磁力パターンが生起する磁界の磁束密度の時間変化を検知すれば、タイヤの変形に伴って磁力パターンが変化し磁気センサで検出する磁束密度も変化するので、磁束密度の変化からタイヤの変形を知ることができる。そして、この方法においては精度よく安定した磁力パターンをタイヤに設けることが重要となる。
このような磁力パターンが着磁されたタイヤは、タイヤの変形を測定すること以外にも利用することができ、例えば、タイヤの磁力パターンに車両を識別する情報をコーディングしておき、この磁力パターンを磁気センサを用いて読み取ることにより車両を識別するシステムも提案されていて、このシステムにおいても精度よく安定した磁力パターンをタイヤに形成することが重要である。
一方、タイヤのトレッド部に磁力パターンを形成したタイヤとしては、スチールコード製のベルトを着磁したものが知られていて、特開平10−151918号公報に記載のものが公知である。このタイヤは、車両の自立航法式ナビゲーションシステムに必要な車両速度を算出するために用いられるものであり、このナビゲーションシステムでは、周方向に沿って所定の磁力パターンで着磁されたスチールコード製ベルトを具えたタイヤを装着し、タイヤの回転に伴って変化する磁界を磁気センサで検知し、磁界の時間変化からタイヤの回転速度を計測して車両速度を算出している。
しかしながら、スチールコード製ベルトを着磁しただけのタイヤは、タイヤの回転速度の計測には用いることができても、タイヤの変形状態をリアルタイムに計測する目的のためには、スチールコードが軟質磁性材料であるため、磁化が弱く、十分に機能させることができないことが分かってきた。すなわち、より短い時間間隔でリアルタイムにタイヤの変形を測定しようとすれば、タイヤを一回転する間に、磁気センサで検出される磁化ピークの数ができるだけ多くなるようトレッド部に磁力パターンを形成することが望ましいが、磁化ピークの数が増えれば、隣接するピーク同士の間隔が接近し、ピークの大きさは必然的に小さくなってしまい、ピークを一つ一つ識別することが難しくなってしまうという問題が分かってきた。
また、着磁タイヤに車両識別情報をコーディングする目的に用いる場合、多くの異なる車両を識別するためには、コーディングできるビット数を増やす必要があり、そのためには、磁極の間隔を狭くしなければならず、磁化ピークが小さくなるという必然の結果をもたらし、この場合も同様に、磁極のピークの検出が困難隣が識別情報のデコーディングが不可能となってしまう。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その磁力パターンのピーク同士の間隔を密にするとともにそのピークの大きさを磁気センサで十分検知できるタイヤを提供することを目的とするものである。
発明の開示
上記目的を達成するため、この発明はなされたものであり、その要旨構成ならびに作用を以下に示す。
(1)
本発明は、少なくとも一層の、スチールコードよりなるベルト層で構成され、所定の磁力パターンを有するベルトを具えたタイヤであって、
スチールコードを構成する素線のうち少なくとも一本を硬質磁性材料で形成してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、フェライトや、ネオジ鉄ボロンを代表とする希土類磁石などの硬質磁性材料を素線として含んだスチールコードよりなるベルト層でベルトを構成するので、このスチールコードを着磁することにより、隣接するピークの間隔が狭くても尖った高い磁化ピークをもつ磁力パターンを得ることができ、したがってこの磁力パターンを有するベルトから発生する磁界を磁気センサで検出した場合、磁気センサで検出される磁束密度のピークは先鋭なものとなるのでピークの識別を確実に行うことができる。そして、このピークに関する情報から、タイヤの変形度合いを測定したり、あるいは、タイヤにコーディングされた識別情報をデコーディングしたりすることができる。
なおここで、「磁力パターン」とは、磁化した物体の表面から放射される磁界の、この表面に垂直な成分の磁束密度を、この表面上の所定の方向に沿った変化として表したものであり、具体的には、この物体の表面に近接させた、ガウスメータなどの磁気センサを、その検出方向が物体の表面に直角な磁力線を捉えるように、姿勢を制御して移動させ、この磁気センサに現れる磁束密度の大きさを縦軸に、所定の方向に沿った位置を横軸にとって表したものがこの物体の磁力パターンとなる。
(2)
本発明は、(1)に記載するところにおいて、前記硬質磁性材料を、フェライト磁石、希土類磁石もしくはアルニコ磁石としてなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、硬質磁性材料を、フェライト磁石、希土類磁石もしくはアルニコ磁石としたので、磁気センサで検出される磁界を強いものとするとともに、スチールコードに高い保磁力を具えさせて磁気センサで検出される磁界に対するタイヤ半径方向外方からの磁界の影響を遮断することができる。
(3)
本発明は、(1)もしくは(2)に記載するところにおいて、前記硬質磁性材料で形成される素線を、スチールコードの外周面に螺旋に巻き付けてなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、硬質磁性材料で形成される素線をスチールコードの外周面に巻き付けて設けたので、硬質磁性材料の素線から放射される磁力線を、スチールコードを構成するスチールの素線に磁気シールドされることがなく車軸に向けた磁気センサに到達させることができるので、高いピーク磁化をもつ磁力パターンを得ることができる。
(4)
本発明は、(1)もしくは(2)に記載するところにおいて、前記硬質磁性材料で形成される素線を、スチールコードの外周面を構成する素線の内側に配設してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、硬質磁性材料で形成される素線をスチールコードの外周面を構成する素線の内側に配設したので、この硬質磁性材料の素線と、スチールコードの周囲のゴムとの接着を確保するための接着層を設ける必要がなく、従来のスチールコードとゴムとの接着技術を活用することができる。
(5)
本発明は、(1)〜(4)のいずれかに記載するところにおいて、前記硬質磁性材料よりなる素線を有するスチールコードを、少なくとも、半径方向最内側のベルト層に配設してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、硬質磁性材料よりなる素線を有するスチールコードを、少なくとも、半径方向最内側のベルト層に配設したので、複数層のベルト層でベルトを構成する場合においても、タイヤ半径方向内側に向けて磁力線を放射して、車軸に設けた磁気センサに検出される磁界を形成することができる。
(6)
本発明は、(1)〜(5)のいずれかに記載するところにおいて、ベルトを配設したタイヤを着磁して、磁力パターンを形成してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤは、硬質磁性材料をタイヤに配設する段階では、磁化されていない状態で形成し、タイヤとして完成したあと、着磁器などを用いてこれを着磁して磁力パターンを形成するものであり、このことにより、タイヤの加硫完了まで、タイヤあるいは部材を磁化のない状態でハンドリングできるので、これが、製造の過程で周囲の強磁性体を吸引したり、あるいは周囲の磁気記憶媒体のメモリを消去したりする、磁気に起因する問題に対する対策を講じる必要がないことに加え、タイヤ完成後着磁するので、タイヤがその製造過程で偶発的に着磁されていたとしてもこの影響を消去することができ、よって、所期した磁力パターンを正確に得ることができる。
(7)
本発明は、車両の車軸への装着姿勢において、車軸に取り付けられた磁気センサで検出される磁界を発生する磁力パターンが着磁されたタイヤであって、
トレッド部に、この磁力パターンを形成する硬質磁性材料を配設してなる着磁タイヤである。
本発明に係るこの着磁タイヤによれば、フェライトや、ネオジ鉄ボロンを代表とする希土類磁石などの硬質磁性材料がトレッド部に配設されているので、この硬質磁性材料を着磁することにより、隣接するピークの間隔が狭くても尖った高い磁化ピークをもつ磁力パターンを得ることができ、したがってこの磁力パターンをトレッド部に設けたタイヤを回転し、車軸の非回転部分に取り付けた磁気センサで磁束密度を連続的に検出したとき、先鋭なピークを有する磁束密度の時間変化を得るることができ、よって、この時間変化から、前述のようにしてタイヤの変形度合いを求めることができる。
(8)
本発明は、(7)に記載するところにおいて、スチールコードよりなるベルトを具え、このベルトの半径方向内側に前記硬質磁性材料を配設してなる着磁タイヤである。
タイヤ、特に、ラジアルタイヤのトレッド部に配設されるベルトのコードはスチール製のものが用いられるのが通例であり、この場合、前記硬質磁性材料をスチール製コードのベルトの半径方向外側に設けると、この硬質磁性材料から半径方向内側に向かう磁力線の大半は、透磁率の高いスチールコードを通る磁路を形成し、車軸に取り付けた磁気センサが検出できる磁力線の数は大きく減じられてしまうので、この磁気センサで先鋭なピークを有する磁束密度の時間変化をえることができなくなってしまう。
(9)
本発明は、(7)もしくは(8)に記載するところにおいて、前記硬質磁性材料をゴム材料に磁性粉体を混合分散した磁性ゴムで構成してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、硬質磁性材料を磁性ゴムで構成したので、ゴム材料よりなるタイヤの一つの構成部材として、タイヤの大きな変形に追従して変形することができ、よってタイヤの変形を妨げることもないし、また、硬質磁性材料自身がタイヤの変形によって損傷を受けることもない。
(10)
本発明は、(9)に記載するところにおいて、磁性ゴムよりなる薄肉のシートをタイヤ中心軸の回りに環状に配設してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、磁性ゴムの薄肉シートをトレッド部に環状に配設したので、トレッド部の全厚さに大きく変えることなく磁力パターンを形成することができ、しかも、この磁性ゴムシートを、加硫前のグリーンタイヤを成型する際にタイヤの一構成部材として巻回して貼り付け、あるいは、加硫後のタイヤのトレッド部内周面に貼り付けて形成することができるので、着磁タイヤを簡易に製造することができる。
(11)
本発明は、(7)〜(10)のいずれかに記載するところにおいて、硬質磁性材料を配設したタイヤを着磁して、磁力パターンを形成してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤは、硬質磁性材料をタイヤに配設する段階では、磁化のない状態で形成し、タイヤとして完成したあと、着磁器などを用いてこれを着磁して磁力パターンを形成するものであり、このことにより、タイヤの加硫完了まで、タイヤあるいは部材を磁化のない状態でハンドリングできるので、これが、製造の過程で周囲の強磁性体を吸引したり、あるいは周囲の磁気記憶媒体のメモリを消去したりする、磁気に起因する問題に対する対策を講じる必要がないことに加え、タイヤ完成後着磁するので、タイヤがその製造過程で偶発的に着磁されていたとしてもこの影響を消去することができ、よって、所期した磁力パターンを正確に得ることができる。
(12)
本発明は、(1)〜(11)のいずれかに記載するところにおいて、磁力パターンを周方向に沿って形成してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、磁力パターンを周方向に沿って形成したので、この方向に磁化ピークを数多く形成させることができ、磁気センサで検出される磁束密度のピークは、より短い時間間隔で現れるので、ピークから得られる情報をもとに算出されるタイヤの変形も、より短い時間間隔でリアルタイムにこれを捉えることができ、よって例えばこれを車両の制動制御に用いようとした場合には、よりレスポンスの速い制御を行うことができる。
(13)
本発明は、(12)に記載するところとにおいて、極性の異なる磁極を周方向に交互に配設して磁力パターンを形成してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、磁力パターンの磁極からの磁力線の向きはタイヤの赤道面に平行な面内に形成されるが、極性の異なる隣接する磁極をこの面内での所定傾斜角度をもって対向させて配置することができるので、磁気センサの半径方向位置に応じてこの傾斜角度を適宜選択することにより、磁気センサの半径方向取り付け位置に関係なく、磁気センサ近傍の磁束密度を調整してその検出能力を確保することができる。
(14)
本発明は、(12)に記載するところにおいて、極性の異なる磁極を幅方向に対向させて配置し、それぞれの磁極の強さを周方向に変化させるとともに、磁極の強さの絶対値の分布がタイヤの赤道面に対して対称となるよう磁力パターンを形成してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、両磁極を幅方向に対向させて配置したので、両磁極のタイヤ幅方向間隔を広げれば、タイヤの半径方向内側に向かう磁力線はタイヤの中心の近くまで膨らむよう形成させることができ、車軸に取り付けた磁気センサで十分な感度で検知させることができる。しかも、周方向に沿って変化する磁極の強さの絶対値、すなわち、極性を無視した磁極の強さの分布は赤道面に対して対称になるよう磁力パターンを形成したので、磁力線の延在方向を正確にタイヤの子午線面内に形成させることができ、そして、磁気センサを子午線方向の磁力線の数を検出するよう指向させて取り付けておけば、タイヤを回転した時に磁気センサが検知する磁力線の数は、タイヤの周方向に設けられた磁力パターンの変化を忠実に表すものとなる。このことは、トレッド部の周方向に細かいピッチで磁化ピークを形成しても、これを十分な感度の磁束密度の変化として検出することを可能にする。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の第一の実施形態について図1ないし図9に基づいて説明する。図1は、この実施形態の着磁タイヤ1を、リム11に装着した姿勢で示す断面図である。タイヤ1のトレッド部2には、それぞれ、タイヤ1を一周する二層の、スチールコードよりなるベルト層で構成されたベルト3が設けられている。そして、タイヤ1を装着するリム11は車両の車軸10の回転部分を構成するハブ12に固定され、ハブ12は車軸10の非回転部分を構成するアクスルケース13に軸支され、一方、MIセンサ(磁気インピーダンスセンサ)等で構成される磁気センサ14は、このアクスルケース13に固定連結されている。
図2(a)は、ベルト3のそれぞれのベルト層を構成するスチールコード5の斜視図である。このスチールコード5は七本のスチール素線6を撚り合わせたものの外側に、一本の硬質磁性材料よりなる素線7を、螺旋状に巻きつけて形成されていて、このスチールコード5は高い残留磁化を有することができる。
この実施形態に用いるスチールコード5として、図2(a)に示すものの他、図2(b)〜図2(d)に断面図で例示する構造のものを用いることもできる。図2(b)および図2(c)に示すものは、ともに七本撚り構造よりなるが、それぞれコア素線、シース素線の一本を硬質磁性材料よりなる素線7で形成し、他の素線をスチール素線6で形成したものであり、また、図2(d)に示すものは、十九本撚り構造よりなり、最外層の内側に隣接する層を構成する素線のうち二本を硬質磁性材料よりなる素線7で形成し、他の素線をスチール素線6で形成したものである。
図2(a)と図2(c)とに示すスチールコード5を有するベルト3では、硬質磁性材料よりなる素線7が、直接スチールコード5の外表面に配設されているので、硬質磁性材料よりなる素線7から放射される磁力線が他のスチール素線6に磁気シールドされることがなく、強い磁力パターンを有することができ、一方、図2(b)と図2(d)とに示すスチールコード5を有するベルト3では、硬質磁性材料よりなる素線7が、直接スチールコード5の外表面に露出して配設されていないので、スチールコードとゴムとの接着に際して、従来の確立した接着技術を用いることができ、接着不良に起因して発生する可能性のある問題を回避することができる。
スチールコード5を形成するには、素線を撚り合わせてコードにする段階で、素線を巻いたボビンのうち、一部のボビンを硬質磁性材料よりなる素線7を巻いたものとしておき、これらのボビンからそれぞれの素線6、7を巻き出し、従来の撚り機にて撚り合わせることによりスチールコード5を形成することができる。そして、グリーンタイヤを成型する段階で、このスチールコード5よりなるそれぞれのベルト層を巻き付けてベルト3を形成し、グリーンタイヤを加硫したあと、加硫されたタイヤの、ベルト3に対応する部分の内周面上を、着磁器等を所定の順で移動させながら押し当てることにより、所定の磁力パターンを着磁した着磁タイヤ1を得ることができる。また、硬質磁性材料よりなる素線7に用いる材料としては、フェライト、あるいは、ネオジ鉄ボロン、サマリウムコバルトなどの希土類磁石材料や、アルニコ磁石材料などから、適宜加工性等を考慮して選定して用いる。
以上のように構成したスチールコード5よりなるベルト3は、単に、軟質磁性材料であるスチールコードよりなるベルトを着磁したタイヤでは得られない高い磁化のピークを有する磁力パターンを着磁タイヤ1に付与することができる。
図3は、タイヤ内面から見たベルト3を平面に展開して磁極の配置を示す展開図である。矢印Dで示す方向がタイヤの幅方向、矢印Cで示す方向がタイヤの周方向であり、また、NとSとは磁極のピーク位置を示す。図3に示す例では、タイヤの幅方向に均一な磁化を有し、タイヤの周方向には所定のピッチで極性が反転するよう磁極が配置されている。
図4は、図3に示す直線L1に沿った磁力パターンを示すチャートである。この磁力パターンは、タイヤ一周の間にそれぞれ四個のN極とS極のピークを有するものである。図5は、ベルト3上のそれぞれの磁極に対して出入りする磁力線とこれを検出する磁気センサ14との、タイヤの軸線方向から見た配置を示す配置図である。磁気センサ14は、車軸直下のトレッド部2からの磁界の変化を検出するように、車軸の真下に配置されている。
磁力線はタイヤ1の赤道面に平行に延在し、また、磁気センサ14もこの方向の磁力線を検出するような姿勢で設けられていて、着磁タイヤ1を回転させたとき、磁極と磁気センサ14とが同一半径上に位置する着磁タイヤ1の回転位置では、磁気センサ14が検出する磁束密度はもっとも小さく、隣接する両磁極の中間点と磁気センサ14とが同一半径上に位置する着磁タイヤ1の回転位置で磁束密度はもっとも大きくなる。
図6は、磁気センサ14が検出する磁束密度の時間変化を示すグラフである。曲線M1は、着磁タイヤ1には、垂直方向にも周方向にも外力が作用していないときの磁束密度の変化を表し、曲線M2は、着磁タイヤ1に外力が作用したときの磁束密度変化を表す。図6にはまた、着磁タイヤ1の回転に伴って、車軸の回転部分の周上の一箇所が車軸の非回転部分の所定位置を通過するときに発信するパルスSを、時間軸を合わせて示しているが、パルスSの発生タイミングはタイヤ各一回転の位相原点となる。
タイヤが一周する間に、ベルト3の極数に対応して、磁気センサ14で検出する磁束密度のピークもN極、S極それぞれ四個ずつ現れる。タイヤに荷重がかかると、タイヤの軸下直下のタイヤ高さが小さくなるので、磁気センサ14とタイヤの軸下の磁極との距離が短くなり、その結果検出される磁束密度は大きくなり、磁束密度のピークN1の大きさは、曲線M2が示すように、タイヤに垂直荷重が作用していない時の磁束密度を表す曲線M1のものよりΔFだけ大きくなり、このことより、垂直荷重とΔFとの関係式を予め作成しておけば、計測されたΔFから垂直荷重を逆算して求めることができる。
一方、着磁タイヤ1に摩擦力が作用したときは、タイヤ1のトレッド部2と軸心との間にねじれが発生し、トレッド部2は、このねじれ変形の分だけ軸心より位相が遅れて回転する。このトレッド部2の軸心に対するねじれ角度をθとしたとき、曲線M2上において、ピークN1は、曲線M1上のそれに対して、角度θに相当する時間だけ遅れてあらわれ、位相原点のパルスSを検出してからピークN1を検出するまでの時間をt、相前後するパルスSの間の時間をT、磁束密度のピークN1を発生させるタイヤ1の回転位置と位相原点との差をΘとすると、角度θは、比例計算によって式(1)に基づいて求めることができる。そして、摩擦力の大きさと、θとの関係式を予め求めておくことにより、計測されたtおよびTと、既知のΘとから、式(1)を用いてθを逆算して求めることができる。
θ=(t/T)x360−Θ (1)
以上、ベルト3上の磁極を図3のとおりに配置した場合について、着磁タイヤ1に作用する垂直力および摩擦力を求める方法を例示したが、ベルト3上の磁極の配置はこれに限定されるものではなく、別の磁極の配置例を次に示す。図7は、着磁したベルト3を、タイヤ内面から見てこれを平面に展開して示した展開図である。矢印Dで示す方向がタイヤの幅方向、矢印Cで示す方向がタイヤの周方向であり、また、NとSとは磁極のピーク位置を示す。この着磁タイヤ1においては、その幅方向の一方の側にN極を、他方の側にS極を配置するとともにそれぞれの磁極の強さを周方向に沿って変化させ、その変化を互いに同期させて設けたものである。
図8(a)、図8(b)および図8(c)は、それぞれ、図7の直線L2、L3およびL4に沿った磁力パターンを示すチャートである。また、図9(a)と図9(a)とは、ベルト3上のそれぞれの磁極からでる磁力線とこれを検出する磁気センサ14との配置をタイヤ子午線断面上で示す配置図であり、図9(a)は、ベルト3上の磁極のピークが車軸の真下に位置した状態で示し、図9(b)は、磁極の谷間が車軸の真下に位置した状態で示したものである。また、磁気センサ14は、車軸直下のトレッド部2のからの磁界の変化を検出するように、車軸の真下に配置されている。
図9(a)、図9(b)に示すように、磁力線は着磁タイヤ1の子午線面に平行に延在し、また、磁気センサ14もこの方向の磁力線を検出するような姿勢で設けられていて、着磁タイヤ1を回転させたとき、磁極のピークと磁気センサ14とが同一半径上に位置する着磁タイヤ1の回転位置で磁気センサ14が検出する磁束密度はもっとも大きく、磁極の谷間と磁気センサ14とが同一半径上に位置する着磁タイヤ1の回転位置で磁束密度はもっとも小さくなる。
このように配置した着磁タイヤ1と磁気センサ14とを用いてこのタイヤ1に作用する力を求める方法についての説明は、前述の、図3に示す磁極配置の場合と同様であるのでこれを省略する。
以上、この着磁タイヤ1の応用例として、着磁タイヤ1からの磁界を磁気センサ14で検知し、その結果に基づいてタイヤの変形度合いを特定する例を説明したが、この他の応用例として、タイヤを着磁する段階で、タイヤの周方向に沿って所定のピッチで離隔して配置された所定数のそれぞれの点に対し着磁したりしなかったりすることにより、このタイヤが装着される車両の車両自己識別番号をコーディングした磁力パターンを形成しておき、車両を走行させてこのタイヤを、前記所定数の数だけの磁気センサを並べた平板上を転動させ、それぞれの磁気センサが、タイヤ磁力パターン上の対応するビットの磁化の有無を検出して、このタイヤにコーディングされた車両自己識別番号をデコーディングするシステムも提案されている。
次に、本発明の第二の実施形態について図10に基づいて説明する。図10は、この実施形態の着磁タイヤ1Aを、リム11に装着した姿勢で示す断面図である。なお、図10において、第一の実施形態と同じ部分に同じ符号を付した。タイヤ1Aのトレッド部2Aには、タイヤ1Aを一周して配置されたスチールコード製ベルト3A、および、インナーライナ8の半径方向内側に配置され、タイヤ内周面上を一周する磁性ゴム層4が設けられている。そして、タイヤ1Aを装着するリム11は車両の車軸10の回転部分を構成するハブ12に固定され、ハブ12は車軸10の非回転部分を構成するアクスルケース13に軸支され、一方、MIセンサ(磁気インピーダンスセンサ)等で構成される磁気センサ14は、このアクスルケース13に固定連結されている。
この磁性ゴム層4を有する着磁タイヤ1Aを形成するには、配合ゴムに硬質磁性材料よりなる磁粉を混合・分散させたコンパウンドを押出してシート状にし、次いで、このシートを単独でタイヤ成型ドラムに巻回して、もしくは、これをインナーライナ8のゴムシートに予めプリセットしておき、このプリセットしたインナーライナ8のゴムシートをタイヤ成型ドラムに巻回して、グリーンタイヤを形成し、これを加硫してタイヤを作る。その後、着磁器の磁極をタイヤ内周面の磁性ゴム層4上の所定位置に当接もしくは近接させることにより、タイヤを着磁して着磁タイヤ1を完成する。なお、押出しの際、磁粉の配向を所定の方向に揃えることは、ピーク磁化の大きいパターンを形成する上で重要である。
上述の方法では、磁性ゴム層4を、グリーンタイヤを成型する段階で貼り付けたが、代わりに、加硫タイヤ完成後に、これをタイヤの内周面のインナーライナ8の半径方向内側に、接着剤等を用いて貼着することも可能である。加硫タイヤ完成後に磁性ゴム層4を設けるこの方法は、従来のタイヤに、後から磁力パターンを形成する場合に有利である。
ここで、磁性ゴム層4に配合する磁粉としては、フェライト、あるいは、ネオジ鉄ボロン、サマリウムコバルトなどの希土類磁石や、アルニコ磁石などの硬質磁性材料を用いる。このことにより、単に、軟質磁性材料であるスチールコードよりなるベルトを着磁したタイヤでは得られない高い磁化ピークを有する磁力パターンを着磁タイヤ1Aに付与することができる。
図11は、タイヤ内面から見た磁性ゴム層4を平面に展開して磁極の配置を示す展開図である。矢印Dで示す方向がタイヤの幅方向、矢印Cで示す方向がタイヤの周方向であり、また、NとSとは磁極のピーク位置を示す。図2に示す例では、タイヤの幅方向に均一な磁化を有し、タイヤの周方向には所定のピッチで極性が反転するよう磁極が配置されている。図11に示すように、磁極を構成する物質は互いに違うものの、第二の実施形態の磁極配置は、第一の実施形態の磁極配置と同一であり、したがって、第二の実施形態においても、第一の実施形態と全く同じ磁力パターン、磁界が形成され、その結果、その磁界を検出する方法、検出された磁界の時間変化からタイヤの変形を求める方法についても、第一の実施形態に説明した通りのものとなる。これについての詳細の説明はここでは省略する。
以上示した磁性ゴム層4に着磁した磁極と磁気センサ14の配置の例で明らかなように、タイヤ1Aがスチールコードよりなるベルト3Aを有する場合は、磁性ゴム層4をベルト3Aの半径方向内側に配置することが重要である。なぜならば、これをベルト3Aの半径方向外側に配設した場合、磁性ゴム層4から発生する磁力線のほとんどはスチールコードを通る磁路を形成してしまい、リム11の半径方向内側に配置された磁気センサ14の位置での磁束密度のレベルは非常に小さくなってしまうからである。
なお、前述の実施形態のほか、磁性ゴム層を、タイヤの表面に設ける代わりにタイヤ内部の他のタイヤ構成部材の間に配設することも可能であり、さらに、磁性ゴム層の代わりに、磁石焼結体あるいはプラスチックボンド磁石の小片をタイヤ表面に貼り付けて着磁したものも可能である。
産業上の利用可能性
以上述べたところから明らかなように、本発明によれば、スチールコードよりなるベルトの素線の一部を硬質磁性材料で形成し、あるいは、トレッド部に硬質磁性材料を配設して、着磁タイヤを構成したので、タイヤの外部に設けた磁気センサで十分検出できるピークを有する磁力パターンをこのタイヤに具えさせることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る第一の実施形態の着磁タイヤの断面図である。
図2は、スチールコードの斜視図ならびに断面図である。
図3は、ベルトの磁極配置を示す展開図である。
図4は、ベルトの磁力パターンを示すチャートである。
図5は、磁極と磁気センサの配置を示す配置図である。
図6は、磁気センサが検出する磁束密度の時間変化のグラフである。
図7は、ベルトの磁極配置を示す展開図である。
図8は、ベルトの磁力パターンを示すチャートである。
図9は、磁極と磁気センサの配置を示す配置図である。
図10は、本発明に係る第二の実施形態の着磁タイヤの断面図である。
図11は、タイヤ内面から見た磁性ゴム層を平面に展開して磁極の配置を示す展開図である。
本発明は、磁力パターンを設けた着磁タイヤに関し、特に、この着磁タイヤからの磁界を磁気センサで検出して得られるタイヤの変形状態に基づいて車両をリアルタイムに制御するシステムや、タイヤに着磁された磁力パターンの情報を磁気センサで読み取ってこのタイヤを装着する車両を識別するシステム等に用いられるものに関する。
背景技術
タイヤの変形状態をリアルタイムに計測しこの情報に基づいて車両を制御したり、あるいは、この情報を監視して車両の安全な走行に寄与させたりすることが提案されている。
例えば、タイヤの変形状態に基づいてABS(アンチスキッドブレーキシステム)の制御を行おうとする検討がなされている。すなわち、車両に用いられるABSの性能を高めるためには、できるだけ大きい路面摩擦係数の状態で、ロック、アンロックの制御を行うことが効果的であり、この路面摩擦係数は、一定の路面状態では、車輪のスリップ率に関係するため、ABSは、最大の路面摩擦係数に対応するスリップ率の付近でロック、アンロックを制御するように設計されていて、従来のABSでは、測定された車両の速度と車輪の回転速度とに基づいてスリップ率を計算し、このスリップ率が一定の範囲に入るよう制動を自動制御する方式が一般的であるが、この方法は路面状態が一定の条件においては有効であるものの実際には路面状況は大きく変化しスリップ率からだけでは最適な路面摩擦係数が得られないという問題があるため、路面がタイヤに作用する周方向および垂直方向の力を測定してこれらの測定した力から直接摩擦係数を求める方法が検討されている。そして、この方法は、作用力の働く方向のひずみを計測しこの計測されたひずみと既知のタイヤの剛性とからそれぞれの方向の作用力を求めようとするものである。
この例の他に、タイヤのひずみ、すなわち変形を計測してこれを車両の制御に利用するものとして、路面から受けるタイヤの軸方向のひずみを計測しこれから同様にしてタイヤ軸方向の路面摩擦係数を求めて車両の横方向のスリップを制御するシステムや、車軸直下のタイヤの半径方向のひずみを計測してこれに基づいて内圧の異常を検出するシステムなども検討されている。
そして、これらのシステムにおけるタイヤの変形の測定方法としてこれを磁気的に測定することも検討されている。すなわち、何らかの手段により、タイヤの所定部分、例えばトレッド部を着磁して周方向に所定の磁力パターンを形成しておき、車両の非回転部分に設けられた磁気センサで、タイヤの回転に伴ってその磁力パターンが生起する磁界の磁束密度の時間変化を検知すれば、タイヤの変形に伴って磁力パターンが変化し磁気センサで検出する磁束密度も変化するので、磁束密度の変化からタイヤの変形を知ることができる。そして、この方法においては精度よく安定した磁力パターンをタイヤに設けることが重要となる。
このような磁力パターンが着磁されたタイヤは、タイヤの変形を測定すること以外にも利用することができ、例えば、タイヤの磁力パターンに車両を識別する情報をコーディングしておき、この磁力パターンを磁気センサを用いて読み取ることにより車両を識別するシステムも提案されていて、このシステムにおいても精度よく安定した磁力パターンをタイヤに形成することが重要である。
一方、タイヤのトレッド部に磁力パターンを形成したタイヤとしては、スチールコード製のベルトを着磁したものが知られていて、特開平10−151918号公報に記載のものが公知である。このタイヤは、車両の自立航法式ナビゲーションシステムに必要な車両速度を算出するために用いられるものであり、このナビゲーションシステムでは、周方向に沿って所定の磁力パターンで着磁されたスチールコード製ベルトを具えたタイヤを装着し、タイヤの回転に伴って変化する磁界を磁気センサで検知し、磁界の時間変化からタイヤの回転速度を計測して車両速度を算出している。
しかしながら、スチールコード製ベルトを着磁しただけのタイヤは、タイヤの回転速度の計測には用いることができても、タイヤの変形状態をリアルタイムに計測する目的のためには、スチールコードが軟質磁性材料であるため、磁化が弱く、十分に機能させることができないことが分かってきた。すなわち、より短い時間間隔でリアルタイムにタイヤの変形を測定しようとすれば、タイヤを一回転する間に、磁気センサで検出される磁化ピークの数ができるだけ多くなるようトレッド部に磁力パターンを形成することが望ましいが、磁化ピークの数が増えれば、隣接するピーク同士の間隔が接近し、ピークの大きさは必然的に小さくなってしまい、ピークを一つ一つ識別することが難しくなってしまうという問題が分かってきた。
また、着磁タイヤに車両識別情報をコーディングする目的に用いる場合、多くの異なる車両を識別するためには、コーディングできるビット数を増やす必要があり、そのためには、磁極の間隔を狭くしなければならず、磁化ピークが小さくなるという必然の結果をもたらし、この場合も同様に、磁極のピークの検出が困難隣が識別情報のデコーディングが不可能となってしまう。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その磁力パターンのピーク同士の間隔を密にするとともにそのピークの大きさを磁気センサで十分検知できるタイヤを提供することを目的とするものである。
発明の開示
上記目的を達成するため、この発明はなされたものであり、その要旨構成ならびに作用を以下に示す。
(1)
本発明は、少なくとも一層の、スチールコードよりなるベルト層で構成され、所定の磁力パターンを有するベルトを具えたタイヤであって、
スチールコードを構成する素線のうち少なくとも一本を硬質磁性材料で形成してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、フェライトや、ネオジ鉄ボロンを代表とする希土類磁石などの硬質磁性材料を素線として含んだスチールコードよりなるベルト層でベルトを構成するので、このスチールコードを着磁することにより、隣接するピークの間隔が狭くても尖った高い磁化ピークをもつ磁力パターンを得ることができ、したがってこの磁力パターンを有するベルトから発生する磁界を磁気センサで検出した場合、磁気センサで検出される磁束密度のピークは先鋭なものとなるのでピークの識別を確実に行うことができる。そして、このピークに関する情報から、タイヤの変形度合いを測定したり、あるいは、タイヤにコーディングされた識別情報をデコーディングしたりすることができる。
なおここで、「磁力パターン」とは、磁化した物体の表面から放射される磁界の、この表面に垂直な成分の磁束密度を、この表面上の所定の方向に沿った変化として表したものであり、具体的には、この物体の表面に近接させた、ガウスメータなどの磁気センサを、その検出方向が物体の表面に直角な磁力線を捉えるように、姿勢を制御して移動させ、この磁気センサに現れる磁束密度の大きさを縦軸に、所定の方向に沿った位置を横軸にとって表したものがこの物体の磁力パターンとなる。
(2)
本発明は、(1)に記載するところにおいて、前記硬質磁性材料を、フェライト磁石、希土類磁石もしくはアルニコ磁石としてなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、硬質磁性材料を、フェライト磁石、希土類磁石もしくはアルニコ磁石としたので、磁気センサで検出される磁界を強いものとするとともに、スチールコードに高い保磁力を具えさせて磁気センサで検出される磁界に対するタイヤ半径方向外方からの磁界の影響を遮断することができる。
(3)
本発明は、(1)もしくは(2)に記載するところにおいて、前記硬質磁性材料で形成される素線を、スチールコードの外周面に螺旋に巻き付けてなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、硬質磁性材料で形成される素線をスチールコードの外周面に巻き付けて設けたので、硬質磁性材料の素線から放射される磁力線を、スチールコードを構成するスチールの素線に磁気シールドされることがなく車軸に向けた磁気センサに到達させることができるので、高いピーク磁化をもつ磁力パターンを得ることができる。
(4)
本発明は、(1)もしくは(2)に記載するところにおいて、前記硬質磁性材料で形成される素線を、スチールコードの外周面を構成する素線の内側に配設してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、硬質磁性材料で形成される素線をスチールコードの外周面を構成する素線の内側に配設したので、この硬質磁性材料の素線と、スチールコードの周囲のゴムとの接着を確保するための接着層を設ける必要がなく、従来のスチールコードとゴムとの接着技術を活用することができる。
(5)
本発明は、(1)〜(4)のいずれかに記載するところにおいて、前記硬質磁性材料よりなる素線を有するスチールコードを、少なくとも、半径方向最内側のベルト層に配設してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、硬質磁性材料よりなる素線を有するスチールコードを、少なくとも、半径方向最内側のベルト層に配設したので、複数層のベルト層でベルトを構成する場合においても、タイヤ半径方向内側に向けて磁力線を放射して、車軸に設けた磁気センサに検出される磁界を形成することができる。
(6)
本発明は、(1)〜(5)のいずれかに記載するところにおいて、ベルトを配設したタイヤを着磁して、磁力パターンを形成してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤは、硬質磁性材料をタイヤに配設する段階では、磁化されていない状態で形成し、タイヤとして完成したあと、着磁器などを用いてこれを着磁して磁力パターンを形成するものであり、このことにより、タイヤの加硫完了まで、タイヤあるいは部材を磁化のない状態でハンドリングできるので、これが、製造の過程で周囲の強磁性体を吸引したり、あるいは周囲の磁気記憶媒体のメモリを消去したりする、磁気に起因する問題に対する対策を講じる必要がないことに加え、タイヤ完成後着磁するので、タイヤがその製造過程で偶発的に着磁されていたとしてもこの影響を消去することができ、よって、所期した磁力パターンを正確に得ることができる。
(7)
本発明は、車両の車軸への装着姿勢において、車軸に取り付けられた磁気センサで検出される磁界を発生する磁力パターンが着磁されたタイヤであって、
トレッド部に、この磁力パターンを形成する硬質磁性材料を配設してなる着磁タイヤである。
本発明に係るこの着磁タイヤによれば、フェライトや、ネオジ鉄ボロンを代表とする希土類磁石などの硬質磁性材料がトレッド部に配設されているので、この硬質磁性材料を着磁することにより、隣接するピークの間隔が狭くても尖った高い磁化ピークをもつ磁力パターンを得ることができ、したがってこの磁力パターンをトレッド部に設けたタイヤを回転し、車軸の非回転部分に取り付けた磁気センサで磁束密度を連続的に検出したとき、先鋭なピークを有する磁束密度の時間変化を得るることができ、よって、この時間変化から、前述のようにしてタイヤの変形度合いを求めることができる。
(8)
本発明は、(7)に記載するところにおいて、スチールコードよりなるベルトを具え、このベルトの半径方向内側に前記硬質磁性材料を配設してなる着磁タイヤである。
タイヤ、特に、ラジアルタイヤのトレッド部に配設されるベルトのコードはスチール製のものが用いられるのが通例であり、この場合、前記硬質磁性材料をスチール製コードのベルトの半径方向外側に設けると、この硬質磁性材料から半径方向内側に向かう磁力線の大半は、透磁率の高いスチールコードを通る磁路を形成し、車軸に取り付けた磁気センサが検出できる磁力線の数は大きく減じられてしまうので、この磁気センサで先鋭なピークを有する磁束密度の時間変化をえることができなくなってしまう。
(9)
本発明は、(7)もしくは(8)に記載するところにおいて、前記硬質磁性材料をゴム材料に磁性粉体を混合分散した磁性ゴムで構成してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、硬質磁性材料を磁性ゴムで構成したので、ゴム材料よりなるタイヤの一つの構成部材として、タイヤの大きな変形に追従して変形することができ、よってタイヤの変形を妨げることもないし、また、硬質磁性材料自身がタイヤの変形によって損傷を受けることもない。
(10)
本発明は、(9)に記載するところにおいて、磁性ゴムよりなる薄肉のシートをタイヤ中心軸の回りに環状に配設してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、磁性ゴムの薄肉シートをトレッド部に環状に配設したので、トレッド部の全厚さに大きく変えることなく磁力パターンを形成することができ、しかも、この磁性ゴムシートを、加硫前のグリーンタイヤを成型する際にタイヤの一構成部材として巻回して貼り付け、あるいは、加硫後のタイヤのトレッド部内周面に貼り付けて形成することができるので、着磁タイヤを簡易に製造することができる。
(11)
本発明は、(7)〜(10)のいずれかに記載するところにおいて、硬質磁性材料を配設したタイヤを着磁して、磁力パターンを形成してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤは、硬質磁性材料をタイヤに配設する段階では、磁化のない状態で形成し、タイヤとして完成したあと、着磁器などを用いてこれを着磁して磁力パターンを形成するものであり、このことにより、タイヤの加硫完了まで、タイヤあるいは部材を磁化のない状態でハンドリングできるので、これが、製造の過程で周囲の強磁性体を吸引したり、あるいは周囲の磁気記憶媒体のメモリを消去したりする、磁気に起因する問題に対する対策を講じる必要がないことに加え、タイヤ完成後着磁するので、タイヤがその製造過程で偶発的に着磁されていたとしてもこの影響を消去することができ、よって、所期した磁力パターンを正確に得ることができる。
(12)
本発明は、(1)〜(11)のいずれかに記載するところにおいて、磁力パターンを周方向に沿って形成してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、磁力パターンを周方向に沿って形成したので、この方向に磁化ピークを数多く形成させることができ、磁気センサで検出される磁束密度のピークは、より短い時間間隔で現れるので、ピークから得られる情報をもとに算出されるタイヤの変形も、より短い時間間隔でリアルタイムにこれを捉えることができ、よって例えばこれを車両の制動制御に用いようとした場合には、よりレスポンスの速い制御を行うことができる。
(13)
本発明は、(12)に記載するところとにおいて、極性の異なる磁極を周方向に交互に配設して磁力パターンを形成してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、磁力パターンの磁極からの磁力線の向きはタイヤの赤道面に平行な面内に形成されるが、極性の異なる隣接する磁極をこの面内での所定傾斜角度をもって対向させて配置することができるので、磁気センサの半径方向位置に応じてこの傾斜角度を適宜選択することにより、磁気センサの半径方向取り付け位置に関係なく、磁気センサ近傍の磁束密度を調整してその検出能力を確保することができる。
(14)
本発明は、(12)に記載するところにおいて、極性の異なる磁極を幅方向に対向させて配置し、それぞれの磁極の強さを周方向に変化させるとともに、磁極の強さの絶対値の分布がタイヤの赤道面に対して対称となるよう磁力パターンを形成してなる着磁タイヤである。
この着磁タイヤによれば、両磁極を幅方向に対向させて配置したので、両磁極のタイヤ幅方向間隔を広げれば、タイヤの半径方向内側に向かう磁力線はタイヤの中心の近くまで膨らむよう形成させることができ、車軸に取り付けた磁気センサで十分な感度で検知させることができる。しかも、周方向に沿って変化する磁極の強さの絶対値、すなわち、極性を無視した磁極の強さの分布は赤道面に対して対称になるよう磁力パターンを形成したので、磁力線の延在方向を正確にタイヤの子午線面内に形成させることができ、そして、磁気センサを子午線方向の磁力線の数を検出するよう指向させて取り付けておけば、タイヤを回転した時に磁気センサが検知する磁力線の数は、タイヤの周方向に設けられた磁力パターンの変化を忠実に表すものとなる。このことは、トレッド部の周方向に細かいピッチで磁化ピークを形成しても、これを十分な感度の磁束密度の変化として検出することを可能にする。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の第一の実施形態について図1ないし図9に基づいて説明する。図1は、この実施形態の着磁タイヤ1を、リム11に装着した姿勢で示す断面図である。タイヤ1のトレッド部2には、それぞれ、タイヤ1を一周する二層の、スチールコードよりなるベルト層で構成されたベルト3が設けられている。そして、タイヤ1を装着するリム11は車両の車軸10の回転部分を構成するハブ12に固定され、ハブ12は車軸10の非回転部分を構成するアクスルケース13に軸支され、一方、MIセンサ(磁気インピーダンスセンサ)等で構成される磁気センサ14は、このアクスルケース13に固定連結されている。
図2(a)は、ベルト3のそれぞれのベルト層を構成するスチールコード5の斜視図である。このスチールコード5は七本のスチール素線6を撚り合わせたものの外側に、一本の硬質磁性材料よりなる素線7を、螺旋状に巻きつけて形成されていて、このスチールコード5は高い残留磁化を有することができる。
この実施形態に用いるスチールコード5として、図2(a)に示すものの他、図2(b)〜図2(d)に断面図で例示する構造のものを用いることもできる。図2(b)および図2(c)に示すものは、ともに七本撚り構造よりなるが、それぞれコア素線、シース素線の一本を硬質磁性材料よりなる素線7で形成し、他の素線をスチール素線6で形成したものであり、また、図2(d)に示すものは、十九本撚り構造よりなり、最外層の内側に隣接する層を構成する素線のうち二本を硬質磁性材料よりなる素線7で形成し、他の素線をスチール素線6で形成したものである。
図2(a)と図2(c)とに示すスチールコード5を有するベルト3では、硬質磁性材料よりなる素線7が、直接スチールコード5の外表面に配設されているので、硬質磁性材料よりなる素線7から放射される磁力線が他のスチール素線6に磁気シールドされることがなく、強い磁力パターンを有することができ、一方、図2(b)と図2(d)とに示すスチールコード5を有するベルト3では、硬質磁性材料よりなる素線7が、直接スチールコード5の外表面に露出して配設されていないので、スチールコードとゴムとの接着に際して、従来の確立した接着技術を用いることができ、接着不良に起因して発生する可能性のある問題を回避することができる。
スチールコード5を形成するには、素線を撚り合わせてコードにする段階で、素線を巻いたボビンのうち、一部のボビンを硬質磁性材料よりなる素線7を巻いたものとしておき、これらのボビンからそれぞれの素線6、7を巻き出し、従来の撚り機にて撚り合わせることによりスチールコード5を形成することができる。そして、グリーンタイヤを成型する段階で、このスチールコード5よりなるそれぞれのベルト層を巻き付けてベルト3を形成し、グリーンタイヤを加硫したあと、加硫されたタイヤの、ベルト3に対応する部分の内周面上を、着磁器等を所定の順で移動させながら押し当てることにより、所定の磁力パターンを着磁した着磁タイヤ1を得ることができる。また、硬質磁性材料よりなる素線7に用いる材料としては、フェライト、あるいは、ネオジ鉄ボロン、サマリウムコバルトなどの希土類磁石材料や、アルニコ磁石材料などから、適宜加工性等を考慮して選定して用いる。
以上のように構成したスチールコード5よりなるベルト3は、単に、軟質磁性材料であるスチールコードよりなるベルトを着磁したタイヤでは得られない高い磁化のピークを有する磁力パターンを着磁タイヤ1に付与することができる。
図3は、タイヤ内面から見たベルト3を平面に展開して磁極の配置を示す展開図である。矢印Dで示す方向がタイヤの幅方向、矢印Cで示す方向がタイヤの周方向であり、また、NとSとは磁極のピーク位置を示す。図3に示す例では、タイヤの幅方向に均一な磁化を有し、タイヤの周方向には所定のピッチで極性が反転するよう磁極が配置されている。
図4は、図3に示す直線L1に沿った磁力パターンを示すチャートである。この磁力パターンは、タイヤ一周の間にそれぞれ四個のN極とS極のピークを有するものである。図5は、ベルト3上のそれぞれの磁極に対して出入りする磁力線とこれを検出する磁気センサ14との、タイヤの軸線方向から見た配置を示す配置図である。磁気センサ14は、車軸直下のトレッド部2からの磁界の変化を検出するように、車軸の真下に配置されている。
磁力線はタイヤ1の赤道面に平行に延在し、また、磁気センサ14もこの方向の磁力線を検出するような姿勢で設けられていて、着磁タイヤ1を回転させたとき、磁極と磁気センサ14とが同一半径上に位置する着磁タイヤ1の回転位置では、磁気センサ14が検出する磁束密度はもっとも小さく、隣接する両磁極の中間点と磁気センサ14とが同一半径上に位置する着磁タイヤ1の回転位置で磁束密度はもっとも大きくなる。
図6は、磁気センサ14が検出する磁束密度の時間変化を示すグラフである。曲線M1は、着磁タイヤ1には、垂直方向にも周方向にも外力が作用していないときの磁束密度の変化を表し、曲線M2は、着磁タイヤ1に外力が作用したときの磁束密度変化を表す。図6にはまた、着磁タイヤ1の回転に伴って、車軸の回転部分の周上の一箇所が車軸の非回転部分の所定位置を通過するときに発信するパルスSを、時間軸を合わせて示しているが、パルスSの発生タイミングはタイヤ各一回転の位相原点となる。
タイヤが一周する間に、ベルト3の極数に対応して、磁気センサ14で検出する磁束密度のピークもN極、S極それぞれ四個ずつ現れる。タイヤに荷重がかかると、タイヤの軸下直下のタイヤ高さが小さくなるので、磁気センサ14とタイヤの軸下の磁極との距離が短くなり、その結果検出される磁束密度は大きくなり、磁束密度のピークN1の大きさは、曲線M2が示すように、タイヤに垂直荷重が作用していない時の磁束密度を表す曲線M1のものよりΔFだけ大きくなり、このことより、垂直荷重とΔFとの関係式を予め作成しておけば、計測されたΔFから垂直荷重を逆算して求めることができる。
一方、着磁タイヤ1に摩擦力が作用したときは、タイヤ1のトレッド部2と軸心との間にねじれが発生し、トレッド部2は、このねじれ変形の分だけ軸心より位相が遅れて回転する。このトレッド部2の軸心に対するねじれ角度をθとしたとき、曲線M2上において、ピークN1は、曲線M1上のそれに対して、角度θに相当する時間だけ遅れてあらわれ、位相原点のパルスSを検出してからピークN1を検出するまでの時間をt、相前後するパルスSの間の時間をT、磁束密度のピークN1を発生させるタイヤ1の回転位置と位相原点との差をΘとすると、角度θは、比例計算によって式(1)に基づいて求めることができる。そして、摩擦力の大きさと、θとの関係式を予め求めておくことにより、計測されたtおよびTと、既知のΘとから、式(1)を用いてθを逆算して求めることができる。
θ=(t/T)x360−Θ (1)
以上、ベルト3上の磁極を図3のとおりに配置した場合について、着磁タイヤ1に作用する垂直力および摩擦力を求める方法を例示したが、ベルト3上の磁極の配置はこれに限定されるものではなく、別の磁極の配置例を次に示す。図7は、着磁したベルト3を、タイヤ内面から見てこれを平面に展開して示した展開図である。矢印Dで示す方向がタイヤの幅方向、矢印Cで示す方向がタイヤの周方向であり、また、NとSとは磁極のピーク位置を示す。この着磁タイヤ1においては、その幅方向の一方の側にN極を、他方の側にS極を配置するとともにそれぞれの磁極の強さを周方向に沿って変化させ、その変化を互いに同期させて設けたものである。
図8(a)、図8(b)および図8(c)は、それぞれ、図7の直線L2、L3およびL4に沿った磁力パターンを示すチャートである。また、図9(a)と図9(a)とは、ベルト3上のそれぞれの磁極からでる磁力線とこれを検出する磁気センサ14との配置をタイヤ子午線断面上で示す配置図であり、図9(a)は、ベルト3上の磁極のピークが車軸の真下に位置した状態で示し、図9(b)は、磁極の谷間が車軸の真下に位置した状態で示したものである。また、磁気センサ14は、車軸直下のトレッド部2のからの磁界の変化を検出するように、車軸の真下に配置されている。
図9(a)、図9(b)に示すように、磁力線は着磁タイヤ1の子午線面に平行に延在し、また、磁気センサ14もこの方向の磁力線を検出するような姿勢で設けられていて、着磁タイヤ1を回転させたとき、磁極のピークと磁気センサ14とが同一半径上に位置する着磁タイヤ1の回転位置で磁気センサ14が検出する磁束密度はもっとも大きく、磁極の谷間と磁気センサ14とが同一半径上に位置する着磁タイヤ1の回転位置で磁束密度はもっとも小さくなる。
このように配置した着磁タイヤ1と磁気センサ14とを用いてこのタイヤ1に作用する力を求める方法についての説明は、前述の、図3に示す磁極配置の場合と同様であるのでこれを省略する。
以上、この着磁タイヤ1の応用例として、着磁タイヤ1からの磁界を磁気センサ14で検知し、その結果に基づいてタイヤの変形度合いを特定する例を説明したが、この他の応用例として、タイヤを着磁する段階で、タイヤの周方向に沿って所定のピッチで離隔して配置された所定数のそれぞれの点に対し着磁したりしなかったりすることにより、このタイヤが装着される車両の車両自己識別番号をコーディングした磁力パターンを形成しておき、車両を走行させてこのタイヤを、前記所定数の数だけの磁気センサを並べた平板上を転動させ、それぞれの磁気センサが、タイヤ磁力パターン上の対応するビットの磁化の有無を検出して、このタイヤにコーディングされた車両自己識別番号をデコーディングするシステムも提案されている。
次に、本発明の第二の実施形態について図10に基づいて説明する。図10は、この実施形態の着磁タイヤ1Aを、リム11に装着した姿勢で示す断面図である。なお、図10において、第一の実施形態と同じ部分に同じ符号を付した。タイヤ1Aのトレッド部2Aには、タイヤ1Aを一周して配置されたスチールコード製ベルト3A、および、インナーライナ8の半径方向内側に配置され、タイヤ内周面上を一周する磁性ゴム層4が設けられている。そして、タイヤ1Aを装着するリム11は車両の車軸10の回転部分を構成するハブ12に固定され、ハブ12は車軸10の非回転部分を構成するアクスルケース13に軸支され、一方、MIセンサ(磁気インピーダンスセンサ)等で構成される磁気センサ14は、このアクスルケース13に固定連結されている。
この磁性ゴム層4を有する着磁タイヤ1Aを形成するには、配合ゴムに硬質磁性材料よりなる磁粉を混合・分散させたコンパウンドを押出してシート状にし、次いで、このシートを単独でタイヤ成型ドラムに巻回して、もしくは、これをインナーライナ8のゴムシートに予めプリセットしておき、このプリセットしたインナーライナ8のゴムシートをタイヤ成型ドラムに巻回して、グリーンタイヤを形成し、これを加硫してタイヤを作る。その後、着磁器の磁極をタイヤ内周面の磁性ゴム層4上の所定位置に当接もしくは近接させることにより、タイヤを着磁して着磁タイヤ1を完成する。なお、押出しの際、磁粉の配向を所定の方向に揃えることは、ピーク磁化の大きいパターンを形成する上で重要である。
上述の方法では、磁性ゴム層4を、グリーンタイヤを成型する段階で貼り付けたが、代わりに、加硫タイヤ完成後に、これをタイヤの内周面のインナーライナ8の半径方向内側に、接着剤等を用いて貼着することも可能である。加硫タイヤ完成後に磁性ゴム層4を設けるこの方法は、従来のタイヤに、後から磁力パターンを形成する場合に有利である。
ここで、磁性ゴム層4に配合する磁粉としては、フェライト、あるいは、ネオジ鉄ボロン、サマリウムコバルトなどの希土類磁石や、アルニコ磁石などの硬質磁性材料を用いる。このことにより、単に、軟質磁性材料であるスチールコードよりなるベルトを着磁したタイヤでは得られない高い磁化ピークを有する磁力パターンを着磁タイヤ1Aに付与することができる。
図11は、タイヤ内面から見た磁性ゴム層4を平面に展開して磁極の配置を示す展開図である。矢印Dで示す方向がタイヤの幅方向、矢印Cで示す方向がタイヤの周方向であり、また、NとSとは磁極のピーク位置を示す。図2に示す例では、タイヤの幅方向に均一な磁化を有し、タイヤの周方向には所定のピッチで極性が反転するよう磁極が配置されている。図11に示すように、磁極を構成する物質は互いに違うものの、第二の実施形態の磁極配置は、第一の実施形態の磁極配置と同一であり、したがって、第二の実施形態においても、第一の実施形態と全く同じ磁力パターン、磁界が形成され、その結果、その磁界を検出する方法、検出された磁界の時間変化からタイヤの変形を求める方法についても、第一の実施形態に説明した通りのものとなる。これについての詳細の説明はここでは省略する。
以上示した磁性ゴム層4に着磁した磁極と磁気センサ14の配置の例で明らかなように、タイヤ1Aがスチールコードよりなるベルト3Aを有する場合は、磁性ゴム層4をベルト3Aの半径方向内側に配置することが重要である。なぜならば、これをベルト3Aの半径方向外側に配設した場合、磁性ゴム層4から発生する磁力線のほとんどはスチールコードを通る磁路を形成してしまい、リム11の半径方向内側に配置された磁気センサ14の位置での磁束密度のレベルは非常に小さくなってしまうからである。
なお、前述の実施形態のほか、磁性ゴム層を、タイヤの表面に設ける代わりにタイヤ内部の他のタイヤ構成部材の間に配設することも可能であり、さらに、磁性ゴム層の代わりに、磁石焼結体あるいはプラスチックボンド磁石の小片をタイヤ表面に貼り付けて着磁したものも可能である。
産業上の利用可能性
以上述べたところから明らかなように、本発明によれば、スチールコードよりなるベルトの素線の一部を硬質磁性材料で形成し、あるいは、トレッド部に硬質磁性材料を配設して、着磁タイヤを構成したので、タイヤの外部に設けた磁気センサで十分検出できるピークを有する磁力パターンをこのタイヤに具えさせることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る第一の実施形態の着磁タイヤの断面図である。
図2は、スチールコードの斜視図ならびに断面図である。
図3は、ベルトの磁極配置を示す展開図である。
図4は、ベルトの磁力パターンを示すチャートである。
図5は、磁極と磁気センサの配置を示す配置図である。
図6は、磁気センサが検出する磁束密度の時間変化のグラフである。
図7は、ベルトの磁極配置を示す展開図である。
図8は、ベルトの磁力パターンを示すチャートである。
図9は、磁極と磁気センサの配置を示す配置図である。
図10は、本発明に係る第二の実施形態の着磁タイヤの断面図である。
図11は、タイヤ内面から見た磁性ゴム層を平面に展開して磁極の配置を示す展開図である。
Claims (14)
- 少なくとも一層の、スチールコードよりなるベルト層で構成され、所定の磁力パターンを有するベルトを具えたタイヤであって、
スチールコードを構成する素線のうち少なくとも一本を硬質磁性材料で形成してなる着磁タイヤ。 - 前記硬質磁性材料を、フェライト磁石、希土類磁石もしくはアルニコ磁石としてなる請求の範囲第1項に記載の着磁タイヤ。
- 前記硬質磁性材料で形成される素線を、スチールコードの外周面に螺旋に巻き付けてなる請求の範囲第1もしくは2項に記載の着磁タイヤ。
- 前記硬質磁性材料で形成される素線を、スチールコードの外周面を構成する素線の内側に配設してなる請求の範囲第1もしくは2項に記載の着磁タイヤ。
- 前記硬質磁性材料よりなる素線を有するスチールコードを、少なくとも、半径方向最内側のベルト層に配設してなる請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の着磁タイヤ。
- ベルトを配設したタイヤを着磁して、磁力パターンを形成してなる請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載の着磁タイヤ。
- 車両の車軸への装着姿勢において、車軸に取り付けられた磁気センサで検出される磁界を発生する磁力パターンが着磁されたタイヤであって、
トレッド部に、この磁力パターンを形成する硬質磁性材料を配設してなる着磁タイヤ。 - スチールコードよりなるベルトを具え、このベルトの半径方向内側に前記硬質磁性材料を配設してなる請求の範囲第7項に記載の着磁タイヤ。
- 前記硬質磁性材料をゴム材料に磁性粉体を混合分散した磁性ゴムで構成してなる請求の範囲第7もしくは8項に記載の着磁タイヤ。
- 磁性ゴムよりなる薄肉のシートをタイヤ中心軸の回りに環状に配設してなる請求の範囲第9項に記載の着磁タイヤ。
- 硬質磁性材料を配設したタイヤを着磁して、磁力パターンを形成してなる請求の範囲第7〜10項のいずれかに記載の着磁タイヤ。
- 磁力パターンを周方向に沿って形成してなる請求の範囲第1〜11項のいずれかに記載の着磁タイヤ。
- 極性の異なる磁極を周方向に交互に配設して磁力パターンを形成してなる請求の範囲第12項に記載の着磁タイヤ。
- 極性の異なる磁極を幅方向に対向させて配置し、それぞれの磁極の強さを周方向に変化させるとともに、磁極の強さの絶対値の分布がタイヤの赤道面に対して対称となるよう磁力パターンを形成してなる請求の範囲第12項に記載の着磁タイヤ。
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