JP2004177282A - ずれ量測定装置およびタイヤ周方向力測定センサ - Google Patents

ずれ量測定装置およびタイヤ周方向力測定センサ Download PDF

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由紀夫 青池
Takahisa Shizuku
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Abstract

【課題】回転する物体上の二領域間のずれ量を回転速度に依存しない方法で測定する装置、タイヤ周方向の力を回転速度に依存せずに測定するタイヤ周方向力測定センサの提供。
【解決手段】ずれ量測定装置は、両端間で磁界を形成する磁気エレメントと、この磁界を測定する磁気センサとを具え、磁気エレメントは、領域の一方に固定された櫛形磁石と、他方の領域に固定された一対の高透磁率の棒状磁性体とからなり、櫛形磁石は前記所定方向に等間隔に並んだ三つの磁極を有し、これらの三つの磁極は前記所定方向に直交する方向に向き、両端の磁極は中央の磁極と逆極性となり、前記一対の棒状磁性体は磁極と平行に延在するとともに前記ずれ量がゼロの状態下で櫛形磁石の三つの磁極の互いに隣接する二極間に形成される磁力線を横切ってこれら両極の中央にそれぞれ配置され、それぞれの棒状磁性体の櫛形磁石から遠い側の端を磁気エレメントの両端としてなるものとする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二領域間のずれ量の測定装置、特には、タイヤの所定部分の歪みの測定装置、および、車両のアンチスキッドブレーキシステム(以下「ABS」という)の高精度化のため、この歪み測定測定の結果から導かれるタイヤ周方向に作用する力を測定するタイヤ周方向力測定センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に用いられるABSの性能を高めるためは、できるだけ大きい路面摩擦係数の状態で、ロック、アンロックの制御を行うことが効果的であり、この路面摩擦係数は、一定の路面状態では、車輪のスリップ率に依存するため、ABSは、最大の路面摩擦係数を与えるスリップ率の近傍でロック、アンロックを制御するように設計される。
【0003】
このことから、従来のABSでは、スリップ率を、測定した車両の速度および車輪の回転速度から計算して求め、このスリップ率が所定の範囲に入るよう制動を自動制御する方式が一般的である。
【0004】
しかしながら、スリップ率を制御して最適の路面摩擦係数を得ようとするこの方法は一定の路面では有効であるが、実際の走行においては、路面材質、天候等によりスリップ率と路面摩擦係数との関係が大きく左右され、スリップ率を所定範囲内に制御しても最適路面摩擦係数が得られないという問題があった。このため、路面がタイヤに作用する周方向および垂直方向の力を測定して、この測定した力から直接摩擦係数を求め、求めた摩擦係数が最適なものとなるよう制動を制御するることが望ましい。このタイヤに作用する力を求める方法として、以下のような方法が提案されている(例えば、特許文献1。)。
【0005】
この従来の力の測定方法は、タイヤの一方のサイドウォール部の、同一半径上で半径方向位置の異なる二つの基準点のそれぞれに磁石を配置した磁石対を、複数対、タイヤの中心軸の周りに互いに離隔して配設するとともに、それぞれの基準点に対応する半径方向位置に、磁気センサを車両に固定して設けておき、タイヤの回転に従い相対変位するそれぞれの基準点とこれらに対応する磁気センサとが真正面に対向して位置するタイミングを、磁気センサで検出される磁束密度のピークが現れるタイミングとして捉え、このタイミングの各基準点に対する相互の時間ずれから、磁石対内の基準点の相対位置のずれ量、および、磁石対間の基準点の相対位置のずれ量を算出し、次いでこれらの相対位置のずれ量をもとにタイヤの周方向および垂直方向のひずみを計算し、計算されたひずみと既知のタイヤ剛性とから周方向および垂直方向に作用する力を求めるものである。
【0006】
しかしながら、この方法は、時間のずれから、基準点間の相対ずれ量を計算するにあたり、常に変化する車輪の回転速度のデータを取りこんで計算する必要があり、制御が複雑になるとともに、車輪の回転速度の精度に影響されて、計算の精度が悪化するという問題があった。さらに、この方法は装置が重くなる等の問題もあった。
【0007】
ここで、周方向の力および垂直方向の力のうち、垂直方向の力は輪荷重であるので種々の測定方法が提案されているが、周方向力の測定に関しては、高精度でタイヤ回転速度に依存しない測定方法が未だ提案されていない。
【0008】
【特許文献1】
特表平10−506346号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、回転する物体上の二領域間のずれ量、特には回転するタイヤ上の二点間のずれ量を、高精度にしかもこの物体の回転速度に依存しない方法で測定するずれ量測定装置、および、このずれ量の測定装置を応用した、路面摩擦係数の高精度な測定に必要な、タイヤの接地面に作用するタイヤ周方向の力を高精度でかつタイヤ回転速度に依存せずに測定することのできるタイヤ周方向力測定センサを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明はなされたものであり、その要旨構成を以下に示す。
【0011】
請求項1に記載のずれ量測定装置は、二つの領域間の所定方向へのずれ量を測定するずれ量測定装置であって、
両端間で磁界を形成する磁気エレメントと、この磁界を測定する磁気センサとを具え、
前記磁気エレメントは、前記領域の一方に固定された櫛形磁石と、他方の領域に固定された一対の高透磁率の棒状磁性体とからなり、櫛形磁石は前記所定方向に等間隔に並んだ三つの磁極を有し、これらの三つの磁極は前記所定方向に直交する方向に向き、両端の磁極は中央の磁極と逆極性となり、前記一対の棒状磁性体は磁極と平行に延在するとともに前記ずれ量がゼロの状態下で櫛形磁石の三つの磁極の互いに隣接する二極間に形成される磁力線を横切ってこれら両極の中央にそれぞれ配置され、
それぞれの棒状磁性体の櫛形磁石から遠い側の端を磁気エレメントの両端としてなるものである。
【0012】
この発明のずれ量測定装置の測定原理を、図1および図2を参照して説明する。図1は、二つの領域RとRとの間で所定方向Xへのずれが発生していない状態下の櫛形磁石2、棒状磁性体3A、3B、および、磁気センサ4の相対配置を示す配置図であり、図2は、ずれが発生した状態におけるこれらの配置図である。この発明に係るずれ量測定装置8は、一方の領域Rに固定された櫛形磁石2と、他方の領域Rに固定された一対の棒状磁性体3A、3Bとよりなる磁気エレメント1および磁気センサ4を具え、櫛形磁石2は、所定方向Xに等間隔に並んだ三つの磁極5A、5B、5Cを有し、これらの磁極5A、5B、5Cは互いに平行で所定方向Xに直交する方向Yに向いていて、両端の磁極5A、5Cは中央の磁極5Bとは逆極性となっている。図1においては、磁極5A、5CがS極、磁極5BがN極として例示され、また、磁力線の向きは、N極からS極に向かう向きに矢印が付されている。
【0013】
図1に示すように、一対の棒状磁性体3A、3Bは、領域RとRとの間のずれ量がゼロの状態において、隣接する二対の磁極間、すなわち、5Aと5Bとの間、ならびに、5Bと5Cとの間に形成される磁力線を横切ってそれぞれ対応する両極の中央に配置され、また、これらの棒状磁性体3A、3Bは、磁極の向きと平行な方向Yに延在し、棒状磁性体3A、3Bのそれぞれの櫛形磁石2から遠い側の端6Aと6Bとは、磁気エレメント1の両端を構成している。
【0014】
磁気センサ4は、領域Rに固定されるとともに棒状磁性体3A、3Bのそれぞれの端6Aと6Bとの間に形成される磁力線を検出するよう配置されている。しかしながら、図1に示す状態においては、ずれ量測定装置8は、中央の磁極5Bの中央を通り方向Yに平行な直線Yに関し対称であるので、端6A、6Bの間には磁界が形成されず磁気センサ4で検出される磁界はゼロとなる。
【0015】
図2(a)に示すように、領域Rが領域Rに対して右側にずれ量αだけ相対変位をした時、櫛形磁石2と一対の棒状磁性体3A、3Bとは、それぞれ、領域RとRとに固定されているので、櫛形磁石2も棒状磁性体3A、3Bに対して右側の方向にαだけ相対変位して、棒状磁性体3Aが磁極5Aに接近するとともに棒状磁性体3Bも磁極5Bに接近し、その結果磁気センサ4には左向きの磁界が検出され、検出される磁界の大きさはずれ量αに比例する。
【0016】
また、領域Rが領域Rに対して左側にずれ量αだけ相対変位をした時は、同様にして、図2(b)に示すように、磁気センサ4には、右向きの、ずれ量αに比例した大きさの磁界が検出される。
【0017】
上記のような構成をしてなるこのずれ量測定装置8によれば、ずれ量と磁気センサ4で検出される磁界の大きさとの関係式を予め準備しておくことにより、検出された磁界の大きさからずれ量の向きと大きさとを逆算して求めることができる。そして、このずれ量測定装置8は磁気的にずれ量を求めるので、電気的あるいは光学的な方法ではノイズが大きく高精度なずれ量の検出が難しい状況下でも、高い精度でこれを測定することができる。
【0018】
請求項2に記載のタイヤ周方向力測定センサは、タイヤの接地面に作用する周方向の力を測定するタイヤ周方向力測定センサにおいて、
両端間で磁界を形成する磁気エレメントと、この磁界を測定する磁気センサとを具え、
前記磁気エレメントは、タイヤの第一の部分に固定された櫛形磁石と、周方向力の作用下で前記第一の部分に対して周方向に相対変位するタイヤの第二の部分に固定された一対の高透磁率の棒状磁性体とからなり、櫛形磁石はタイヤ周方向に等間隔に並んだ三つの磁極を有し、これらの三つの磁極はタイヤ子午線方向に向き、両端の磁極は中央の磁極と逆極性となり、前記一対の棒状磁性体はタイヤ子午線方向に延在するとともに前記相対変位がゼロの状態下で櫛形磁石の三つの磁極の互いに隣接する二極間に形成される磁力線を横切ってこれら両極の中央にそれぞれ配置され、
それぞれの棒状磁性体の櫛形磁石から遠い側の端を磁気エレメントの両端としてなるものである。
【0019】
本発明のタイヤ周方向力測定センサは、上述のような構成をしているので、前述のずれ量測定装置の測定原理を用いて、櫛形磁石が固定されているタイヤの第一の部分と一対の棒状磁性体が固定されているタイヤの第二の部分との周方向のずれ量を求めることができ、タイヤに作用する周方向力と、このずれ量との関係を予め準備しておくことにより、この関係式にずれ量を代入して周方向力を逆算して求めることができる。そして、この周方向力測定センサによれば、磁気センサの検知する磁界の強さだけから周方向力を求めることができるのでタイヤの回転速度と無関係に力の測定をすることができる。
【0020】
請求項3に記載のタイヤ周方向力測定センサは、請求項2に記載するところにおいて、前記櫛形磁石の、棒状磁性体に近い側の部分と、棒状磁性体の、櫛形磁石に近い側の部分との少なくとも一方を、タイヤ表面に対して相対変位可能に設けてなるものである。
【0021】
前述の説明より明らかなように、このタイヤ周方向力測定センサは、櫛形磁石および棒状磁性体のそれぞれのタイヤに固定された部分のうち互いにもっとも接近した部分同士の周方向の相対変位を測定して力を求めるものであり、この互いにもっとも接近した部分の離隔距離が大きければ大きいほど、同じ周方向力であっても相対変位は大きくなる。このタイヤ周方向力測定センサによれば、前記櫛形磁石の、棒状磁性体に近い側の部分と、棒状磁性体の、櫛形磁石に近い側の部分との少なくとも一方がタイヤ表面に固定されていないため、前記離隔距離を大きくすることができ、しかも、櫛形磁石の磁極と棒状磁性体とは相変わらず近接させて、検出する磁力を高いまま保持することができるので、同じ力の変化量に対して高い磁力の変化量を得ることができ、高感度に力を測定することができる。
【0022】
請求項4に記載のタイヤ周方向力測定センサは、請求項2もしくは3に記載するところにおいて、前記磁気エレメントの両端をタイヤのビード部近傍に配置し、磁気センサを、そのタイヤを装着する車輪の非回転部分に設けてなるものである。
【0023】
車輪の回転する部分に磁気センサを設けた場合、車体側から電力を供給することがむつかしく、そのためセンサに電池を内蔵させて対処することとなるがこの場合電池の早期消耗という問題がある。このタイヤ温度センサによれば、磁気エレメントが電源を必要としないことに加え、電源の必要な磁気センサを車輪の非回転部分に設けたので、磁気センサの電力は車両の主電源装置から供給することができ、電源供給の問題を解消することができる。
【0024】
そして、車輪の非回転部分、すなわち、リムの半径方向内側に設けられた磁気センサは、磁界を形成する磁気エレメントの両端に近接して配置されることが感度の点で望ましく、本発明のタイヤ周方向力測定センサは、磁気エレメントの両端をタイヤのビード部近傍に配置したので、この点で好ましい。
【0025】
請求項5に記載のタイヤ周方向力測定センサは、請求項2〜4のいずれかに記載するところにおいて、櫛形磁石を形成する磁性材料として、希土類磁性材料を用いてなるものである。
【0026】
このタイヤ周方向力測定センサによれば、前述の作用の他、永久磁石として希土類磁性材料を用いるので、櫛形磁石より放射される磁力線を強いものとすることができ、その結果、磁気エレメントの両端に形成される磁界の大きさも大きくすることができ、高感度に力を検出することができる。
【0027】
請求項6に記載のタイヤ周方向力測定センサは、請求項2〜5のいずれかに記載するところにおいて、櫛形磁石を、磁性粉をゴムに混合分散して形成してなるものである。
【0028】
このタイヤ周方向力測定センサによれば、櫛形磁石を、磁性粉をゴムに混合分散して形成してので、この櫛形磁石はタイヤの大きな変形に対して追従することができ、よって、これがタイヤからはがれたり、タイヤの正常な変形を阻害したり、あるいは、この櫛形磁石が壊れたりするのを防止することができる。
【0029】
請求項7に記載のタイヤ周方向力測定センサは、請求項2〜6のいずれかに記載するところにおいて、棒状磁性体を、波状に折り曲げられた高透磁率の線状磁性体を棒状磁性体の長さ方向に延在させこの線状磁性体をゴムで被覆して形成してなるものである。
【0030】
このタイヤ周方向力測定センサによれば、波状に折り曲げられた線状磁性体を棒状磁性体の長さ方向に延在させこの線状磁性体をゴムで被覆して棒状磁性体を形成したので、タイヤに貼り付けられた棒状磁性体はタイヤの動きに追従して変形することができ、これがタイヤからはがれたり、タイヤの正常な変形を阻害したり、あるいは、この櫛形磁石が壊れたりするのを防止することができる。
【0031】
しかも、この棒状磁性体の透磁率はその長さ方向に延在する線状磁性体の総長さに依存するが、棒状磁性体がタイヤの変形に追従して伸縮しても、波形に折り曲げられている線状磁性体の総長さは変化せずその結果棒状磁性体の透磁率も一定に保持されるので、棒状磁性体が貼付けられたタイヤ部分の変形に依存することのない、純粋に櫛形磁石と棒状磁性体との相対変位だけに依存する高精度なタイヤ周方向力測定センサを提供することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図3ないし図8に基づいて説明する。図3はこの実施形態のタイヤ周方向力測定センサ10が取り付けられている車両の車軸部分を示す断面図、図4は磁気エレメント11の配置を示すタイヤの斜視図、そして、図5は、磁気エレメント11をタイヤ内側からみた時の展開図である。図5において、Tはタイヤ周方向を表わす矢印である。タイヤ19のサイドウォール部17のトレッド部18寄りの部分の内側表面に、櫛形磁石12が貼り付けれ、櫛形磁石12に近接した位置からビード部16までのタイヤ内側表面に、タイヤ子午線方向に延在する二本の棒状磁性体13A、13Bが貼り付けられていて、櫛形磁石12と二本の棒状磁性体13A、13Bとで磁気エレメント11を構成する。
【0033】
櫛形磁石12は、周方向に等間隔に並んだ三つの磁極21A、21B、21Cを有し、両端の磁極21A、21Cは同極性、中央の磁極21Bは両端の磁極21A、21Cと異極性に構成され、例えば、磁極21A、21CはS極、磁極21BはN極とされている。これらの磁極はタイヤ半径方向内側に向いて配置されている。
【0034】
一対の棒状磁性体13A、13Bは半径方向内外に延在し、それらの半径方向外側端22A、22Bを櫛形磁石の磁極に対向させ、磁気エレメント11の両端をそれぞれ構成する棒状磁性体13A、13Bの半径方向内側の端23A、23Bをタイヤのビード部に位置させている。そして、半径方向外側端22A、22Bの周方向位置は、周方向力が作用しない状態において、それぞれ隣接する二つの磁極の中央に配置され、すなわち、棒状磁性体13Aの端22Aは、磁極21Aと21Bとの中央に、棒状磁性体13Bの端22Bは、磁極21Bと21Cとの中央に位置している。
【0035】
そして、櫛形磁石12および一対の棒状磁性体13A、13Bは、ともにタイヤの内周面に貼付けられて固定されているが、櫛形磁石12の、棒状磁性体13A、13Bに近い側の部分と、棒状磁性体13A、13Bの、櫛形磁石12に近い側の部分、すなわち、図5において帯域Aで示した部分は、タイヤに貼付けられておらずタイヤに対して相対変位可能に設けられている。
【0036】
一方、車軸25の非回転部分を構成するアクスルケース28には、ハブ27が軸支され、タイヤ19を装着するリム26はハブ27に固定されていて、磁気センサ14が、アクスルケース28の軸心の直下部分の、タイヤ19のビード部16に近い幅方向位置に取り付けられている。
【0037】
そして、タイヤ周方向力測定センサ10は、櫛形磁石12および棒状磁性体13A、13Bよりなる磁気エレメント11と、この磁気センサ14とで構成される。なおここで、もしリム26が磁性材料よりなるものとした場合、磁気エレメント11の両端間で形成される磁界はリム26により磁気シールドされ磁気センサ14によって検知されなくなるので、リム26はアルミニウム等の非磁性の材料より形成する必要がある。
【0038】
ここで、櫛形磁石12は、磁石材料よりなる磁性粉を配合ゴムに分散混合してできた材料をシート状にして形成され、また、それぞれの磁極は、この材料を磁極配置に対応する磁場中で射出成型、圧縮成型もしくは押出成型して形成されるか、成形されたシート状磁性体を後から着磁して形成される。このようにして形成された櫛形磁石12は高い可撓性を有するので、タイヤ19の大きな変形にも追従して変形することができる。
【0039】
櫛形磁石12を構成するボンド磁性体の磁性粉は、安価なフェライトを用いることもできるが、ネオジウム鉄ボロン、サマリウムコバルトあるいはサマリウム鉄窒素などの希土類磁石や、アルニコ磁石などを用いることにより、強い磁界を放射することができ有利である。
【0040】
図6は、棒状磁性体13A、13Bの構成を示す斜視図である。棒状磁性体13A、13Bは、ゴム等の可撓性材料中に波形あるいはかぎ型等に癖付けされて連続する高透磁率の線状磁性体24を多数、長さ方向に配列されてなっている。そして、これらの線状磁性体24は、棒状磁性体13A、13Bの半径方向外側端22A、22Bに生じた磁界変化をタイヤ19のビード部16の近傍の半径方向内側端23A、23Bまで伝達する磁路として機能するとともに、各線状磁性体24は癖付けされていることにより、タイヤの走行に際しても、無理な応力を発生させることなく追従して変形することができ、しかもこの変形によって各線状磁性体24の長さや太さが変化することがないのでその透磁率を一定にすることができ、半径方向外側端22A、22Bの磁界変化をそのままビード部16近傍に伝達することができる。
【0041】
次に、このタイヤ周方向力測定センサの作動について以下に説明する。図1および図2を参照して前述したように、周方向力がゼロで、櫛形磁石12と一対の棒状磁性体13A、13Bとの相対変位がゼロのときは、棒状磁性体13A、13Bの半径方向内側端23A、23Bの間には磁界が形成されないが、相対変位が発生すると、そのずれ量の大きさ、方向に応じた磁界が、半径方向内側端23A、23Bの間に形成される。そして、この周方向のずれ量は、タイヤのこの部分の剛性を比例定数として周方向力に比例するので、半径方向内側端23A、23Bの間に形成される磁界の大きさを測定することにより、周方向力を逆算して求めることができる。このとき、櫛形磁石12の固定部分と棒状磁性体13A、13Bの固定部分との離隔距離Aを大きくすることにより、同じ周方向力変化に対して周方向のずれ量を大きくすることができ、その分、磁力変化の感度を上げることができる。
【0042】
図7は、磁気エレメント11の両端となる、棒状磁性体13A、13Bの半径方向内側端23A、23Bの間に形成される磁界による磁力線とこれを検出する磁気センサ14との配置を図3のVII−VII矢視に対応させて示す配置図である。図7において、磁気エレメント11は、周方向に90度ずつ離隔して配置され、そのうち、接地部分に到達したタイヤ部分には接地面からの周方向力が作用するので接地部分の回転位置にある磁気エレメント11が形成する磁界は大きく、一方、他の回転位置にある磁気エレメント11にはタイヤに作用する周方向力がほとんどないので、磁気エレメント11が形成する磁界は小さい。磁気エレメント11が、磁気センサ14にもっとも接近する回転位置、すなわち、軸直下を通過するとき磁気センサが検知する磁界はもっとも強くなり、磁気センサが検知する磁束密度のピークが検出される。
【0043】
図8は、タイヤ19を回転させたとき磁気センサ14が検出する磁束密度の時間変化を、縦軸に磁束密度の大きさ、横軸に経過時間Tをとって示すグラフである。タイヤ19が回転して、磁気エレメント11が軸直下に位置したとき、磁気センサ14が検出する磁束密度はピークPA1〜PA4を現す。ピークPA1〜PA8の磁束密度のピーク値φ〜φは、それぞれの磁気エレメント11がタイヤ軸直下を通過する瞬間の周方向力に対応して変化するので、測定されたピーク値φ〜φから、既知のピーク値と周方向力との関係式を用いて、周方向力を逆算ことができる。さらに、図8において、ピークPA1〜PA3はN向きの磁束密度、ピークPA4〜PA8はS向きの磁束密度であり、この図から明らかなように、タイヤに作用する周方向力の正負に応じて磁束密度も正負に変化し、このことにより、磁束密度の時間変化から、タイヤに働く周方向の力の値だけでなく、この力が加速力か制動力かも判定することができる。
【0044】
この実施形態においては、磁気センサ14を車輪の固定部分に設けたが、これを車輪の回転部分、例えば、タイヤ内圧を保持するリムの半径方向外側部分に取り付けることもできる。この場合、磁気エレメント一個に対して磁気センサを一個を対応させて設けることとなる。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたところから明らかなように、この発明にタイヤ周方向力測定センサによれば、タイヤの接地面に作用するタイヤ周方向の力を高精度でかつタイヤ回転速度に依存せずに測定することができ、また、このセンサを汎用化して、高精度でかつ回転速度によらない、二領域間のずれ量測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のずれ量測定装置の測定原理を説明する、ずれ量がゼロの状態における櫛形磁石、棒状磁性体および磁気センサの配置図である。
【図2】ずれ量が生じた状態における図1に対応する配置図である。
【図3】本発明の実施形態の周方向力測定センサが取り付けられている車両の車軸部分を示す断面図である。
【図4】磁気エレメントの配置を示す斜視図である。
【図5】磁気エレメントを示す展開図である。
【図6】棒状磁性体の構成を示す斜視図である。
【図7】磁力線と磁気センサとの配置を示す、図1の断面VII−VII断面における配置図である。
【図8】磁気センサが検出する磁束密度の時間変化のグラフである。
【符号の説明】
1 磁気エレメント
2 櫛形磁石
3A、3B 棒状磁性体
4 磁気センサ
5A、5B、5C 磁極
6 リム
6A、6B 棒状磁性体の端
8 ずれ量測定装置
10 タイヤ周方向力測定センサ
11 磁気エレメント
12 櫛形磁石
13A、13B 棒状磁性体
14 磁気センサ
16 ビード部
17 サイドウォール部
18 トレッド部
19 タイヤ
21A、21B、21C 磁極
22A、22B 棒状磁性体の半径方向外側端
23A、23B 棒状磁性体の半径方向内側端
24 線状磁性体
25 車軸
26 リム
27 ハブ
28 アクスルケース
R1、R2 領域

Claims (7)

  1. 二つの領域間の所定方向へのずれ量を測定するずれ量測定装置であって、
    両端間で磁界を形成する磁気エレメントと、この磁界を測定する磁気センサとを具え、
    前記磁気エレメントは、前記領域の一方に固定された櫛形磁石と、他方の領域に固定された一対の高透磁率の棒状磁性体とからなり、櫛形磁石は前記所定方向に等間隔に並んだ三つの磁極を有し、これらの三つの磁極は前記所定方向に直交する方向に向き、両端の磁極は中央の磁極と逆極性となり、前記一対の棒状磁性体は磁極と平行に延在するとともに前記ずれ量がゼロの状態下で櫛形磁石の三つの磁極の互いに隣接する二極間に形成される磁力線を横切ってこれら両極の中央にそれぞれ配置され、
    それぞれの棒状磁性体の櫛形磁石から遠い側の端を磁気エレメントの両端としてなるずれ量測定装置。
  2. タイヤの接地面に作用する周方向の力を測定するタイヤ周方向力測定センサにおいて、
    両端間で磁界を形成する磁気エレメントと、この磁界を測定する磁気センサとを具え、
    前記磁気エレメントは、タイヤの第一の部分に固定された櫛形磁石と、周方向力の作用下で前記第一の部分に対して周方向に相対変位するタイヤの第二の部分に固定された一対の高透磁率の棒状磁性体とからなり、櫛形磁石はタイヤ周方向に等間隔に並んだ三つの磁極を有し、これらの三つの磁極はタイヤ子午線方向に向き、両端の磁極は中央の磁極と逆極性となり、前記一対の棒状磁性体はタイヤ子午線方向に延在するとともに前記相対変位がゼロの状態下で櫛形磁石の三つの磁極の互いに隣接する二極間に形成される磁力線を横切ってこれら両極の中央にそれぞれ配置され、
    それぞれの棒状磁性体の櫛形磁石から遠い側の端を磁気エレメントの両端としてなるタイヤ周方向力測定センサ。
  3. 前記櫛形磁石の、棒状磁性体に近い側の部分と、棒状磁性体の、櫛形磁石に近い側の部分との少なくとも一方を、タイヤ表面に対して相対変位可能に設けてなる請求項2に記載のタイヤ周方向力測定センサ。
  4. 前記磁気エレメントの両端をタイヤのビード部近傍に配置し、磁気センサを、そのタイヤを装着する車輪の非回転部分に設けてなる請求項2もしくは3のいずれかに記載のタイヤ周方向力測定センサ。
  5. 櫛形磁石を形成する磁性材料として、希土類磁性材料を用いてなる請求項2〜4のいずれかに記載のタイヤ周方向力測定センサ。
  6. 櫛形磁石を、磁性粉をゴムに混合分散して形成してなる請求項2〜5のいずれかに記載のタイヤ周方向力測定センサ。
  7. 棒状磁性体を、波状に折り曲げられた高透磁率の線状磁性体を棒状磁性体の長さ方向に延在させこの線状磁性体をゴムで被覆して形成してなる請求項2〜6のいずれかに記載のタイヤ周方向力測定センサ。
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