JP4243165B2 - 化学的酸素要求量測定方法及びシステム並びに光反応器 - Google Patents

化学的酸素要求量測定方法及びシステム並びに光反応器 Download PDF

Info

Publication number
JP4243165B2
JP4243165B2 JP2003374477A JP2003374477A JP4243165B2 JP 4243165 B2 JP4243165 B2 JP 4243165B2 JP 2003374477 A JP2003374477 A JP 2003374477A JP 2003374477 A JP2003374477 A JP 2003374477A JP 4243165 B2 JP4243165 B2 JP 4243165B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photocatalyst
solution
oxidant
amount
oxygen demand
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003374477A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005140531A (ja
Inventor
知則 坪井
義男 平野
昌二 本水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Chugoku Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chugoku Electric Power Co Inc filed Critical Chugoku Electric Power Co Inc
Priority to JP2003374477A priority Critical patent/JP4243165B2/ja
Publication of JP2005140531A publication Critical patent/JP2005140531A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4243165B2 publication Critical patent/JP4243165B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

この発明は、化学的酸素要求量測定方法及びシステム並びに光反応器に関する。
産業排水、下水、湖沼水、河川水等の水質を管理するための指標として、化学的酸素要求量(COD)が利用されている。CODとは、測定対象の試料溶液に含まれる有機物等を酸化剤により酸化するときに消費される酸化剤の量を、酸素の量に換算した値であり、従って含有有機物の量を反映すると考えられる。
CODを手作業にて測定する方法は、JIS K 0102で公定されている。ところが、JISで定められた方法によると、試料溶液のサンプリングから分析結果を得るまでに約1.5時間という比較的長い時間を要する。また、この方法によると、測定に熟練を要するため、測定者の熟練度に応じて測定結果にバラツキが生じる等の問題もある。
これに対して、上記JIS法よりも簡単、迅速且つ正確にCODの測定を行うためのCOD測定法が提案されている。例えば、試料溶液中の有機物等を酸化するための酸化剤として、触媒不存在の状態で過マンガン酸カリウムやセリウムを使用したり、白金触媒存在下で過マンガン酸カリウムを使用したり、電解調製コバルトを使用したりして、フローインジェクション分析法(FIA法)によりCOD自動測定を行う方法がある。
一方、COD測定に酸化チタン等の光触媒を利用した発明も知られている。(例えば特許文献1、特許文献2参照。)例えば酸化チタンに紫外線を照射すると、酸化チタンの価電子帯の電子が伝導帯へ励起され、価電子帯には電子の抜け跡として正孔が生じる。正孔は非常に強い酸化力をもつため、水に溶存酸素がある場合、この溶存酸素を用いて有機物を酸化し、分解する。上記発明は、この点に着目したものであり、有機物を分解する際に消費される溶存酸素の消費量を直接測定することにより、測定対象溶液のCODを測定する。
特開2001−41949号公報 特開平6−148172号公報
しかし、触媒を用いず過マンガン酸カリウムやセリウムを使用する場合、酸化反応を起こさせるために反応温度を100〜150℃とし、長さ10〜20mの反応コイルを用いる必要がある。また、白金触媒存在下で過マンガン酸カリウムを使用する場合でも、反応温度を約100℃とする必要がある。
また、光触媒を用いて測定対象溶液中の溶存酸素量を直接測定する上記手法は、溶存酸素の少ない溶液には適用できない。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、幅広い種類の測定対象溶液のCODを簡単、迅速且つ正確に測定することを可能とする化学的酸素要求量測定方法及びシステム並びに光反応器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の化学的酸素要求量測定方法は、測定対象溶液と、前記測定対象溶液中の化学的酸素要求量成分を酸化する所定の初期量の酸化剤を含む酸化剤溶液とを混合して混合溶液を得る工程と、光を照射した光触媒に、前記混合溶液を接触させる工程と、光触媒接触後における前記混合溶液中の前記酸化剤の量を検出する工程と、前記酸化剤の初期量及び前記光触媒接触後における前記酸化剤の量より、光触媒接触後の前記酸化剤の減少量を算出する工程と、算出した前記酸化剤の減少量に基づいて、前記測定対象溶液中の化学的酸素要求量を算出する工程とを備える。
また、本化学的酸素要求量測定方法においては、前記光触媒は、酸化チタンであることが好ましい(請求項2)。
また、本化学的酸素要求量測定方法においては、前記酸化剤は、過マンガン酸塩、セリウム(IV)及び二クロム酸塩からなる群から選択されるのが好ましい(請求項3)。
また、本化学的酸素要求量測定方法においては、少なくとも前記混合溶液を得る前記工程と、前記光触媒に前記混合溶液を接触させる前記工程と、前記酸化剤の量を検出する前記工程とをフローインジェクション分析法により行うことが好ましい(請求項4)。
上記「フローインジェクション分析法」とは、小径(0.5〜1.0mm程度)のチューブ等に測定対象の試料溶液を注入し、この試料溶液の流れの中に反応試薬を混合し両者を反応させた後、吸光光度法・蛍光光度法等で混合溶液の吸光度等を検出する方法であり、JIS K 0126に規定された分析法である。
また、光を照射した光触媒に前記混合溶液を接触させる前記工程は、光源と、前記光源に巻回された透明なチューブと、光触媒を担持し、前記チューブに充填され、酸化チタンがコーティングされたガラス製粒子とを備える光反応容器に、前記ガラス製粒子が担持する前記光触媒に前記光源から光を照射し、測定対象溶液と、酸化剤を含む酸化剤溶液とを混合して得られた混合溶液を前記チューブに取り込む工程を含むこととする。
また、化学的酸素要求量を測定するために用いられる光反応器は、光源と、前記光源に巻回された透明なチューブと、光触媒を担持し、前記チューブに充填され、酸化チタンがコーティングされたガラス製粒子とを備え、前記ガラス製粒子が担持する前記光触媒に前記光源から光を照射し、測定対象溶液と、酸化剤を含む酸化剤溶液とを混合して得られた混合溶液を前記チューブに取り込むことにより、光を照射した前記光触媒に前記混合溶液を接触させる。
また、本発明の化学的酸素要求量測定システムは、測定対象溶液と、前記測定対象溶液中の化学的酸素要求量成分を酸化する所定の初期量の酸化剤を含む酸化剤溶液とを混合して混合溶液を作成する溶液混合装置と、光を照射した光触媒に、前記混合溶液を接触させる光反応器と、光触媒接触後における前記混合溶液中の前記酸化剤の量を検出する検出手段と、前記酸化剤の初期量及び前記光触媒接触後における前記酸化剤の量より、光触媒接触後の前記酸化剤の減少量を算出する第一の算出手段と、算出した前記酸化剤の減少量に基づいて、前記測定対象溶液中の化学的酸素要求量を算出する第二の算出手段とを備える。
本発明によれば、幅広い種類の測定対象溶液のCODを簡単、迅速且つ正確に測定することを可能とする化学的酸素要求量測定方法及びシステム並びに光反応器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、実施例を挙げながら詳細に説明する。なお、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載する発明の実施の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
本発明の化学的酸素要求量測定方法は、測定対象溶液と、所定の初期量の酸化剤(溶存酸素を除く)を含む酸化剤溶液とを混合して混合溶液を得る工程と、光を照射した光触媒に、混合溶液を接触させる工程と、光触媒接触後における混合溶液中の酸化剤の量を検出する工程と、酸化剤の初期量及び光触媒接触後における酸化剤の量より、光触媒接触後の酸化剤の減少量を算出する工程と、算出した酸化剤の減少量に基づいて、測定対象溶液中の化学的酸素要求量を算出する工程とを備える。
このような構成によれば、光触媒によって酸化剤を用いたときの反応速度が促進され、測定対象溶液中の化学的酸素要求量(COD)成分を迅速に酸化分解できるとともに、この酸化分解に伴う酸化剤の量の変化を算出できるので、測定対象溶液中の化学的酸素要求量を簡単且つ正確に測定することが可能となる。
以上の構成を有する本発明の化学的酸素要求量測定方法は、一例として、次のように実施することができる
まず、測定対象溶液と、所定の初期量の酸化剤を含む酸化剤溶液とを混合して混合溶液を得る。
測定対象溶液には、例えば、産業排水、下水、湖沼水、河川水等の水質管理の対象となるもの、化学実験で使用される水、製造プロセスで使用される工業用水、あるいは実験用に調製したCOD成分含有溶液が含まれる。本発明によれば、上記測定対象溶液の他どのような溶液についても、そのCOD値を測定することが可能である。以下の実施例では、実験用に調製したCOD成分含有溶液(D−グルコース水溶液)を用いた。
酸化剤溶液に含まれる酸化剤は、電子受容体を意味し、例えば、過マンガン酸塩、セリウム(IV)や二クロム酸塩のほか、過塩素酸塩、過酸化水素、過硫酸塩等を用いることができるが、光触媒の効果と相俟って、COD成分を効率的に酸化することができるものであれば何でもよい。以下の実施例では、過マンガン酸塩、セリウム(IV)又は二クロム酸塩を酸化剤として主に使用した。本発明者の実験により、これらの酸化剤は、光触媒の作用と相俟って測定対象溶液に含まれるCOD成分を酸化する効果が特に顕著であり、これら過マンガン酸塩、セリウム(IV)又は二クロム酸塩を酸化剤として用いれば、COD測定を迅速且つ効果的に行うことができることが分かった。
混合溶液を得る方法としては、例えば、測定対象溶液と酸化剤溶液とをビーカー等に入れてスターラ等を使って混合する方法や、FIA法におけるように、異なるチューブからそれぞれ導入した酸化剤溶液と測定対象溶液とを両チューブの合流点で混合させる方法等、どのようなものを用いてもよい。以下の実施例では、FIA法による方法を採用した。
次に、光を照射した光触媒に、混合溶液を接触させる。
光触媒は、例えば酸化チタン(TiO)、CdS、CdSe、GaP、ZnO、SrTiO、InP、GaAs、BaTiO、KNbO、Fe、Ta、WO、SnO、Bi、NiO、CuO、SiC、SiO、MoS、InPb、RuO、CeO等が考えられるが、酸化剤を用いたときの反応速度を促進することができるものであれば何でもよい。以下の実施例では、酸化チタンを光触媒として使用した。酸化チタンは無毒で安価なので、これを用いれば、COD測定を安全に且つ低コストで行うことができる。
光触媒に照射する光は、紫外線、ブラックライトのほか、光触媒の価電子帯と伝導帯との間のバンドギャップエネルギー以上のエネルギーを有し光触媒を活性化できるような光の成分を含むものであればどのようなものでもよい。以下の実施例では、アナタース型酸化チタンを光触媒として用いたので、387nm以下の波長の紫外線を含む光を照射することとする。
光触媒と混合溶液とを接触させる方法としては、光触媒粒子を混合溶液に添加してスターラ等を使って溶液を撹拌して光触媒と接触させる方法や、光触媒粒子を充填したカラムに混合溶液を通液して光触媒と接触させる方法や、内周面に光触媒を塗布した容器に混合溶液を投入してスターラ等を使って溶液を撹拌して光触媒と接触させる方法等、どのようなものを用いてもよい。以下の実施例では、光触媒(酸化チタン)を担持したガラスビーズをチューブに充填して、チューブに混合溶液を通液する方法を採用した。
次に、混合溶液中の酸化剤の量を検出する。その方法としては、滴定分析法、重量分析法や、分光測光、電位差測定、ポーラログラフィー、電導度測定、偏光測定等の機器分析法等、どのようなものを用いてもよい。以下の実施例では、FIA法を用いて分光測光により酸化剤の量を検出した。このように、FIA法を採用してCOD測定を行えば、簡単、迅速、且つ正確にCOD測定を行うことが可能となる。
次に、酸化剤の初期量及び光触媒接触後における酸化剤の量より光触媒接触後の酸化剤の減少量を算出して、算出した酸化剤の減少量に基づいて測定対象溶液中の化学的酸素要求量を算出する。その方法としては、例えば、手計算により、混合溶液中の酸化剤の量の検出結果(例えば滴定曲線や吸収スペクトル)から光触媒接触後の酸化剤の濃度の減少量を算出して、酸化剤の減少量を、測定溶液中の酸素の量に換算する方法や、コンピュータを用いてこれらの計算を自動的に行う手法等、どのようなものを用いてもよい。以下の実施例では、混合溶液中の酸化剤の量を検出するための吸光検出器に接続されたコンピュータを用いて、酸化剤の減少量を算出して、測定対象溶液中の化学的酸素要求量を算出することとした。
また、測定対象溶液と酸化剤溶液とを混合して得られた混合溶液を光触媒と接触させるために、光源と、光源に巻回された透明なチューブと、光触媒を担持し、チューブに充填されたガラス製粒子とを備えた光反応器であって、ガラス製粒子が担持する光触媒に光源から光を照射し、測定対象溶液と、酸化剤を含む酸化剤溶液とを混合して得られた混合溶液をチューブに取り込むことにより、光を照射した光触媒に混合溶液を接触させるような光反応器を用いてもよい。
このように構成された光反応器を用いれば、光触媒に対して効率的に光を照射できるとともに、酸化剤溶液と測定対象溶液との混合溶液を光触媒に効率的に接触させることができ、測定対象溶液に含まれるCOD成分の酸化を促進することが可能となる。
なお、光源は、低圧水銀ランプやブラックライトランプのほか、蛍光灯、WIランプ等、光触媒の価電子帯と伝導帯との間のバンドギャップエネルギー以上のエネルギーを有し光触媒を活性化できるような光を発する光源であればどのようなものであってもよい。
また、光反応器を単体として用いて、光触媒接触後における混合容器中の酸化剤の量を別体の検出装置を用いて検出してもよいし、上記光反応器のチューブの出口を下流の検出装置に接続してFIA法によるシステムを構築してもよい。
本発明の一実施例として、フローインジェクション分析法(FIA法)を用いたCOD測定システムについて以下説明する。
==システム構成例==
<全体構成例>
図1は、本実施例におけるFIA法COD測定システム1を示す概略構成図である。本実施例のCOD測定システム1は、キャリア溶液Cを送液するためのキャリア送液管10と、反応試薬Oxを送液するための反応試薬送液管11と、送液に使用するポンプ12と、キャリア送液管10中のキャリア溶液Cに試料溶液(COD標準液)Sを導入するためのサンプルインジェクタ13と、キャリア送液管10と反応試薬送液管11との合流点14の下流に設けられた光反応器20と、光反応器20の下流に設けられた吸光検出器30と、吸光検出器30の検出信号を記録する記録用処理装置40と、背圧コイル50と、吸光検出器30の検出信号に基づいて各種演算を行うコンピュータ60とを備える。
本実施例のCOD測定システム1では、キャリア送液管10や反応液送液管11等の配管に、内径0.5mmのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)チューブを用いた。ポンプ12には、ダブルプランジャーポンプを用いた。サンプルインジェクタ13には、六方バルブ(サンプル量100μl)を用いた。吸光検出器30には、波長可変可視分光検出器を用いた。記録用処理装置40には、クロマトグラフィーデータ処理システムを用いた。背圧コイル50には、内径0.25mm、長さ1.5mのPTFEチューブを用いた。コンピュータ60は、吸光検出器30の検出信号、試料溶液Sの容量、反応試薬Oxの酸化剤濃度等のデータに基づいて、試料溶液S中のCODを算出できるものであればどのような形態であってもよく、例えば吸光検出器30に組み込まれたものであってもよいし、いわゆるパソコンのように光検出器30とは別体であってもよい。
<光反応器20の構成例>
光反応器20について説明する。図2は、本実施例のCOD測定システム1の光反応器20を示す概略構成図である。光反応器20は、紫外線ランプ21と、この紫外線ランプ21に巻き付けられた光触媒カラム22とを備える。本実施例では、紫外線ランプ21として低圧水銀ランプ(254nm、4W)又はブラックライトランプ(352nm、4W)を用いた。また、本実施例の光触媒カラム22は、図3に示すように、内径1mm、長さ1mのPTFE製のチューブ23と、このチューブ23に充填された、酸化チタン(TiO)をコーティングした直径0.2mmのガラスビーズ24とを備える。なお、本実施例では、光を効率よく利用するために、光を透過し易いガラスビーズ24を用いた。
このような光反応器20を用いて、試料溶液Sに含まれるCOD成分を酸化反応させる。すなわち、合流点14(図1参照)で混合されたキャリア溶液C、反応試薬Ox及び試料溶液Sを、チューブ23の入口25を介して光反応器20に供給する。光反応器20の中で、紫外線照射された酸化チタンガラスビーズ24と溶液とが接触すると、光触媒反応が起こる。反応後、溶液はチューブ23の出口26を介して光反応器20から排出され、吸光検出器30へ送液される。なお、上記光触媒反応については、以降詳細に説明する。
==検量線の作成==
次の条件下において、上記COD測定システム1を用いて検量線を作成した。
<実験条件>
キャリア溶液Cとして、超純水(18.3MΩ・cm−1)を使用した。反応試薬Oxには、1.0×10−3M過マンガン酸カリウム、0.9M硫酸、及び1%リン酸の混合溶液を用いた。反応試薬Oxの調製には、上記超純水を使用した。
試料溶液S(COD標準液)として、D−グルコースを所定量秤量し、これを上記超純水に溶解して、5000mg/lのD−グルコース標準液を調製した。そして、上記COD測定システム1により検量線を作成するのに用いるために、上記の通り調製したD−グルコース標準液を適宜正確に希釈して、5ppm、10ppm、20ppm、30ppm、40ppm、50ppm、60ppmの標準溶液を調製した。
酸化チタンには、アナタース型TiO、30%ゾル溶液を用い、これを上述したガラスビーズ24にコーティングして使用した。その他の試薬類は、分析試薬特級グレードのものを使用した。
上述したように、サンプルインジェクタ13としての六方バルブのサンプル量は100μlとした。また、吸光検出器30は、フローセル光路長10mm、容量8μlとし、反応試薬Oxに用いた過マンガン酸カリウムの特性を考慮して、測定波長を525nmに設定した。
以上のような条件下で、COD測定システム1を用いて検量線を作成した。実験の手順は次の通りとした。
室温(25℃)で、上記の通り調製したキャリア溶液C及び反応試薬Oxをそれぞれ流速0.3ml/分で送液した。一定間隔おきにサンプルインジェクタ(六方バルブ)13を切り替えて、上述した通りに調製した5ppm、10ppm、20ppm、30ppm、40ppm、50ppm、60ppmのD−グルコース標準溶液を試料溶液Sとしてそれぞれ数回キャリア溶液C中へ導入した。
<結果>
図4に、COD測定システム1を用いて上記実験条件下で得られたフローシグナルを示す。以降より詳細に説明するが、光反応器20内では、酸化チタンの正孔が試料溶液S中のCOD成分(ここではD−グルコース)を酸化する一方で、反応試薬Ox中の過マンガン酸イオン(MnO )がMn2+に還元され減少すると考えられる。過マンガン酸イオンの減少により溶液全体が減色するため、吸光度が減少する。したがって、図4に示すように、吸光検出器30の信号は、負のピークとなって現れる。
図5に、COD測定システム1を用いて上記実験条件下で得られた検量線を示す。図5に示すように、特に0〜30ppmの範囲で、良好な結果の検量線を得ることができた。相対標準偏差(RSD)は、5ppm、10ppm、20ppm、30ppmの場合、それぞれ、1%、0.8%、0.2%、0.1%であった。検出限界(S/N=3)は0.1ppmであった。
すなわち、本実施例のCOD測定システム1によれば、上記検量線に基づいて、室温で、且つ、数分程度の短時間のうちに、再現性の良いCOD測定が可能である。特に、0〜30ppmの範囲で、非常に良好な結果が得られる。
==光触媒及び酸化剤によるCOD成分の酸化促進効果==
光触媒によって酸化反応の反応速度を促進しCOD成分の酸化を促進させる、本発明の酸化促進効果について検討する実験を行った。実験は、図1のシステムを用いて室温(25℃)で行った。反応試薬Oxとしては、上記と同様に、1.0×10−3M過マンガン酸カリウム、0.9M硫酸、及び1%リン酸の混合溶液を用いた。また、上記と同様に、光触媒としては、酸化チタンを用い、光触媒カラム22としては、酸化チタンコーティングした0.2mmのガラスビーズ24を直径1mmのPTFEチューブ23に充填したものを用いた。(以下、この光触媒カラム22をサンプルAとする。)また比較のため、酸化チタンコーティングの無いガラスビーズを直径1mmのPTFEチューブに充填したビーズカラム(以下、サンプルBとする)についても実験した。試料溶液S(COD標準液)には、上記と同様に、D−グルコース溶液(5ppm、10ppm)を用いた。紫外線ランプ21としては、上記と同様に、低圧水銀ランプ(UVランプ:波長254nm)と、ブラックライトランプ(BLランプ:波長352nm)を用いた。
図6に、上記実験による結果を示す。図6から明らかなように、紫外線照射が無い場合、サンプルA、Bのいずれのカラムについても光触媒反応による酸化反応(吸光度の減少)は全く認められなかった。一方、紫外線を照射した場合、光触媒カラム22(サンプルA)においては、352nmのブラックライトを用いた場合の方が254nmのUVの場合よりもやや大きな効果があることが分かったが、いずれの場合においても大きな酸化促進効果があることが認められた。
ビーズカラム(サンプルB)については、254nmのUVランプを用いた場合に僅かに酸化促進効果(吸光度の減少)が認められるに過ぎなかった。これはつまり、室温では、酸化剤(例えば過マンガン酸カリウム)の作用のみによっては、十分な酸化促進効果が得られないことを意味している。そして、光触媒カラム(サンプルA)とビーズカラム(サンプルB)との間における吸光度の差に、光触媒の酸化促進効果が現れているといえる。すなわち、光触媒と酸化剤とを組み合わせて用いることにより、室温にて優れた酸化促進効果が得られることが分かった。
また、図示はしなかったが、反応試薬Ox(酸化剤溶液)としてセリウム(Ce4+)及び硫酸の混合溶液を用いた場合、並びに二クロム酸カリウム及び硫酸の混合溶液を用いた場合にも同様の酸化促進効果があり、いずれもCOD測定に適用できることが分かった。
また、上記実験では、白金触媒による酸化促進方法(内径1mm、長さ3mの白金チューブを用い、溶液を100℃に加熱)と比べて、約2倍のピーク高さが得られた。
==光触媒反応についての考察==
光触媒及び酸化剤がCOD成分の酸化分解にどのように寄与するかについて、酸化チタン及び過マンガン酸カリウムを例にとって考察する。
上述したように、酸化チタン(光触媒の例)に紫外線を照射すると、酸化チタンの価電子帯の電子が伝導帯へ励起され、価電子帯には電子の抜け跡として正孔が生じる。アナタース型酸化チタンの場合、価電子帯と伝導帯とのエネルギー差(バンドギャップエネルギー)は3.2eVであるが、これは波長387nmの光のエネルギーに相当するので、これより大きいエネルギーを有する光(すなわちこれより短波長の光)を酸化チタンに照射すると、電子が励起して正孔が生じる。正孔は非常に強い酸化力をもつため、水に溶存酸素がある場合、この溶存酸素を用いて有機物を酸化し、分解する。
ところで、電子の反応は正孔の反応と比較して起こりにくいため、何ら処理を施さない場合は、電子と正孔とが再結合して元の状態に戻り、光触媒反応が進まなくなってしまう。逆に、電子の反応を促進させることができれば、正孔による酸化反応も促進させることができ、光触媒反応の効率を向上させることができると考えられる。
そこで、測定対象溶液(試料溶液S)に、酸化剤の例としての過マンガン酸カリウム(反応試薬Ox)を混合し、紫外線照射した酸化チタンに接触させる。すると、次の反応式1に示すように、反応試薬Oxの過マンガン酸イオン(MnO )が電子受容体となってマンガンイオン(Mn2+)に還元され、これによって、電子と正孔とが再結合することが防止されると考えられる。
MnO +8H+5e → Mn2++4HO・・・反応式1
これにより、酸化チタンの正孔は、効率的にCOD成分を酸化することができ、COD成分の酸化分解が促進されると考えられる。
COD成分の酸化分解に伴い、過マンガン酸イオンも分解され減少するので、溶液の色が減退する。本実施例では、このような溶液の減色を吸光検出器30で検出し、この検出結果に基づいて、測定対象溶液たる試料溶液SのCODを測定するのである。
なお、光触媒の触媒反応機構は原理的には上述したものと同じなので、上述したような他の光触媒を用いることも可能である。また、上述したように、反応試薬Ox(酸化剤溶液)として例えばセリウム(Ce4+)及び硫酸の混合溶液を用いた場合、並びに二クロム酸カリウム及び硫酸の混合溶液を用いた場合にも同様の酸化促進効果が認められたので、過マンガン酸塩以外に、セリウム(IV)及び二クロム酸塩を酸化剤として用いることも可能であるといえる。これら酸化剤と光触媒との反応機構は、上述したものに同様であると考えられる。
==その他の考察==
<ガラスビーズの触媒活性>
本実施例では、直径0.2mmのガラスビーズ24に酸化チタンをコーティングすることとした。以下、本実施例の優位性、酸化チタンの焼成方法の違いに起因する相違点、及び他の粒径のガラスビーズを使用することの可否等について検討する。
表1に示すように、直径0.2mm及び1.0mmのガラスビーズに0.6%のチタニアゾルを吸着させた後、乾燥させ、350℃及び550℃で1時間焼成した。これら4種類のガラスビーズのうち、直径0.2mmのものは内径1mmのPTFEチューブ(長さ1m)に、直径1.0mmのものは内径2mmのPTFEチューブ(長さ1m)に充填して4種類の充填カラムを作成した。これら充填カラム(表1中、サンプルA〜D)と、対照として、直径0.2mm及び1.0mmのコーティング無しのガラスビーズをPTFEチューブに充填したカラム(表1中、サンプルE、F)を用いて、触媒活性の評価試験を行った。
Figure 0004243165
評価試験には、図7に概略的に示すようなフロー系のシステムを用いた。各充填カラムにメチレンブルー水溶液を流し、カラム出口の吸光度が安定した時点で紫外線を照射し、時間毎の吸光度を測定した。メチレンブルーは、青色の有機色素であり、紫外線との反応性が殆どなく紫外線によっては分解されないが、光触媒反応によって発生するヒドロキシラジカル(・OH)やスーパーオキシド(O )により可逆的に分解されて退色するか無色になる。このような性質を光触媒の分解性能評価に利用する。
上記評価試験の結果を図8に示す。酸化チタンをコーティングしたサンプルA〜Dについては、紫外線照射から0.3分後から吸光度の低下が始まり、1分弱で吸光度はゼロになった。よって、サンプルA〜Dは、触媒活性があることが確認できた。特に、図8に示すように、直径0.2mm、550℃焼成のガラスビーズが触媒活性に優れていることが分かった。また、上記実施例で採用した直径0.2mmのガラスビーズ以外にも、他の粒径のガラスビーズを用いても酸化チタンの触媒活性が得られることが分かった。
<ガラスビーズの耐酸性>
本実施例では、反応溶液Oxに0.9Mの硫酸を加えて硫酸酸性下で過マンガン酸カリウムを用いることとした。以下、本実施例の条件下におけるチタニア焼成ガラスビーズの耐酸性、及び硫酸濃度の変更の可否等について検討する。
各種濃度の硫酸水溶液に、チタニア焼成ガラスを6週間浸漬した。そして、浸漬後の各溶液中のTi濃度を分析した。その分析結果を図9に示す。図9から明らかなように、硫酸濃度が10Mを超えたあたりからTi濃度が急激に増加した。しかし、上記実施例で採用した0.9Mの濃度では、ガラスビーズの耐酸性に全く問題がないことが分かった。また、10M以下であれば、他の濃度でも同様に問題がないことが分かった。
<光源>
本実施例では、光源として、低圧水銀ランプ(UVランプ:波長254nm)又はブラックライトランプ(BL:波長352nm)からなる紫外線ランプ21を用いることとした。以下、本実施例の優位性、及び異なる種類の光源の使用の可否等について検討する。
酸化チタンコーティングした0.2mmのガラスビーズを直径1mmのPTFEチューブに充填した光触媒カラム(図10(b)参照)、及び充填物の無い、直径1mmの空のPTFEチューブ(空カラム;図10(a)参照)のそれぞれに、UVランプ(UV)、ブラックライトランプ(BL)、蛍光灯、及びWIランプ(WI)を用いて光を照射した。他の条件は上記実施例と同様にして、上記COD測定システム1を用いて実験を行った。
上記実験の結果を図10に示す。図10(a)に示すように、空カラムの場合、ブラックライトランプ、蛍光灯、及びWIランプによるCOD成分の酸化促進効果(吸光度の減少)は認められなかった。一方、図10(b)に示すように、光触媒カラムの場合は、蛍光灯及びWIランプでも、若干の酸化促進効果が認められた。これは次のような理由によると考えられる。前述したように、アナタース型酸化チタンのバンドギャップエネルギーは、波長387nmの光のエネルギーに相当する。蛍光灯及びWIランプには、強度は小さいものの、387nmよりも短い波長の光が含まれているため、これらの光源により光を照射した場合にも、酸化チタンにおいて電子の励起・正孔の生成が起こり、これに起因してCOD成分の酸化分解が生じたものと考えられる。
以上より、UVランプ及びブラックライトランプを用いた場合に非常に優れた酸化促進効果が認められることが分かった。また、光触媒のバンドギャップエネルギー相当のエネルギーを有する光の波長よりも短い波長の光を照射できる光源であれば、上記実施例で採用したUVランプ及びブラックライトランプ以外にも、蛍光灯やWIランプ等を適宜採用できることが分かった。
なお、反応試薬Oxに用いた過マンガン酸カリウムは、その吸収スペクトルにおいて、280〜370nm付近及び480〜570nm付近の2箇所に吸収ピークがあることが知られている。しかし、上記実験結果からすると、過マンガン酸カリウムの光吸収ピークの波長は本測定の反応に寄与しないことが分かった。
<反応試薬の過マンガン酸カリウム・硫酸の濃度>
本実施例では、反応試薬Ox中の過マンガン酸カリウムの濃度を1.0×10−3Mとし、硫酸濃度を0.9Mとした。以下、本実施例のCOD測定システム1において採用可能な各試薬の濃度範囲を、上記システム1の吸光検出器30の感度を考慮しつつ検討する。
試料溶液(COD標準液)には、前述した実施例と同様に、D−グルコース溶液(5ppm(サンプルA)、10ppm(サンプルB))を用いた。過マンガン酸カリウムについては、0.25×10−3〜1.25×10−3Mの濃度範囲で吸光検出器30の感度への影響を検討した。硫酸については、0.6〜1.2Mの濃度範囲で検討した。他の条件は上記実施例と同様にして、上記COD測定システム1を用いて実験を行った。
反応試薬中の過マンガン酸カリウム濃度と吸光度との関係を表すグラフを図11に示す。過マンガン酸カリウムの濃度の増加に伴い感度(吸光度の減少度合い)が増加するが、1.25×10−3Mの場合、ベースラインの吸光度が吸光検出器30の測定範囲(1Abs.:10%T)を超えるため測定不可となった(図11参照)。また、反応試薬中の硫酸濃度と吸光度との関係を表すグラフを図12に示す。硫酸に関しては、検討した濃度範囲では感度(吸光度)への影響はほとんど見られなかった(図12参照)。
以上より、各試薬の濃度については、上記実施例で採用したものに限らず、その他の濃度も採用可能であることが分かった。
<反応試薬のリン酸添加濃度>
反応試薬中の過マンガン酸イオンの一部が、紫外線や酸化チタンにより分解されて二酸化マンガンとなり、これが光触媒カラム22のガラスビーズ24表面に析出して光触媒反応を阻害する。これを防止するために、本実施例では、反応試薬に1%のリン酸を添加した。以下、本実施例のCOD測定システム1において採用可能なリン酸濃度について検討する。
試料溶液(COD標準液)には、前述した実施例と同様に、D−グルコース溶液(5ppm(サンプルA、C)、10ppm(サンプルB、D))を用いた。紫外線ランプとして、低圧水銀ランプ(サンプルA、B)及びブラックライトランプ(サンプルC、D)を用いた。反応試薬には、約0.1〜約1.5%の各濃度のリン酸を添加した。他の条件は上記実施例と同様にして、上記COD測定システム1を用いて実験を行った。
反応試薬中のリン酸濃度と吸光度との関係を表すグラフを図13に示す。リン酸濃度1%以上の場合、感度(吸光度の減少度合い)がほぼ一定であるのに対し、1%未満の場合、感度(吸光度の減少度合い)が低下することが分かった(図13参照)。また、リン酸濃度0.1%の場合、ガラスビーズの表面が黒色となり、リン酸濃度0.5%の場合、表面が褐色となることが分かった。この着色は、二酸化マンガンがガラスビーズに析出した結果であると考えられる。以上より、リン酸濃度を1%以上とするのが好ましいことが分かった。
以上説明したように、本発明によれば、幅広い種類の測定対象溶液のCODを簡単、迅速且つ正確に測定することを可能とするCOD測定方法及びCOD測定システムを提供することができる。本発明によれば、従来法のように、高い反応温度を確保する必要がないし、測定方法及び測定システムの構成を簡易なものとすることができる。したがって、オンサイトでCOD測定を行うことも可能となる。また、本発明によれば、光触媒により反応速度が促進された酸化剤を使ってCOD成分の酸化を行うので、測定対象溶液中の溶存酸素が少ない溶液にも適用することができる。
本発明の一実施例としてのCOD測定システムを示す概略構成図である。 本発明の一実施例としてのCOD測定システムの光反応器を示す概略構成図である。 本発明の一実施例としての光反応器の光触媒カラムを示す概略構成図である。 本発明の一実施例としてのCOD測定システムの吸光検出器からのフローシグナルの一例を示すチャートである。 本発明の一実施例としてのCOD測定システムにより得られた検量線の一例を示すグラフである。 光触媒及び酸化剤による酸化促進効果についての実験結果を示すグラフである。 酸化チタンをコーティングしたガラスビーズの触媒活性評価試験に用いるフロー系システムの一例を示す概略構成図である。 酸化チタンをコーティングしたガラスビーズの触媒活性評価試験の結果を示すグラフである。 各種濃度の硫酸水溶液に対するチタニア焼成ガラスビーズの耐酸性試験の結果を示すグラフである。 光触媒カラム及び空のカラムに、各種光源から光を照射したときの結果を示すグラフである。 反応試薬中の過マンガン酸カリウム濃度と吸光度との関係を表すグラフである。 反応試薬中の硫酸濃度と吸光度との関係を表すグラフである。 反応試薬中のリン酸濃度と吸光度との関係を表すグラフである。
符号の説明
1 COD測定システム 10 キャリア送液管
11 反応試薬送液管 12 ポンプ
13 サンプルインジェクタ(六方バルブ)
14 合流点 20 光反応器
21 紫外線ランプ 22 光触媒カラム
23 チューブ 24 ガラスビーズ
25 入口 26 出口
30 吸光検出器 40 記録用処理装置
50 背圧コイル 60 コンピュータ
C キャリア溶液
Ox 反応試薬
S 試料溶液

Claims (7)

  1. 測定対象溶液と、前記測定対象溶液中の化学的酸素要求量成分を酸化する所定の初期量の酸化剤を含む酸化剤溶液とを混合して混合溶液を得る工程と、
    光を照射した光触媒に、前記混合溶液を接触させる工程と、
    光触媒接触後における前記混合溶液中の前記酸化剤の量を検出する工程と、
    前記酸化剤の初期量及び前記光触媒接触後における前記酸化剤の量より、光触媒接触後の前記酸化剤の減少量を算出する工程と、
    算出した前記酸化剤の減少量に基づいて、前記測定対象溶液中の化学的酸素要求量を算出する工程と
    を備えることを特徴とする化学的酸素要求量測定方法。
  2. 前記光触媒は、酸化チタンであることを特徴とする、請求項1に記載の化学的酸素要求量測定方法。
  3. 前記酸化剤は、過マンガン酸塩、セリウム(IV)及び二クロム酸塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化学的酸素要求量測定方法。
  4. 少なくとも前記混合溶液を得る前記工程と、前記光触媒に前記混合溶液を接触させる前記工程と、前記酸化剤の量を検出する前記工程とをフローインジェクション分析法により行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の化学的酸素要求量測定方法。
  5. 光を照射した光触媒に前記混合溶液を接触させる前記工程は、
    光源と、前記光源に巻回された透明なチューブと、光触媒を担持し、前記チューブに充填され、酸化チタンがコーティングされたガラス製粒子とを備える光反応容器に、
    前記ガラス製粒子が担持する前記光触媒に前記光源から光を照射し、測定対象溶液と、酸化剤を含む酸化剤溶液とを混合して得られた混合溶液を前記チューブに取り込む工程を含むこと
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化学的酸素要求量測定方法。
  6. 化学的酸素要求量を測定するために用いられる光反応器であって、
    光源と、前記光源に巻回された透明なチューブと、光触媒を担持し、前記チューブに充填され、酸化チタンがコーティングされたガラス製粒子とを備え、
    前記ガラス製粒子が担持する前記光触媒に前記光源から光を照射し、測定対象溶液と、酸化剤を含む酸化剤溶液とを混合して得られた混合溶液を前記チューブに取り込むことにより、光を照射した前記光触媒に前記混合溶液を接触させること
    を特徴とする光反応器。
  7. 測定対象溶液と、前記測定対象溶液中の化学的酸素要求量成分を酸化する所定の初期量の酸化剤を含む酸化剤溶液とを混合して混合溶液を作成する溶液混合装置と、
    光を照射した光触媒に、前記混合溶液を接触させる光反応器と、
    光触媒接触後における前記混合溶液中の前記酸化剤の量を検出する検出手段と、
    前記酸化剤の初期量及び前記光触媒接触後における前記酸化剤の量より、光触媒接触後の前記酸化剤の減少量を算出する第一の算出手段と、
    算出した前記酸化剤の減少量に基づいて、前記測定対象溶液中の化学的酸素要求量を算出する第二の算出手段と
    を備えることを特徴とする化学的酸素要求量測定システム。
JP2003374477A 2003-11-04 2003-11-04 化学的酸素要求量測定方法及びシステム並びに光反応器 Expired - Fee Related JP4243165B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003374477A JP4243165B2 (ja) 2003-11-04 2003-11-04 化学的酸素要求量測定方法及びシステム並びに光反応器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003374477A JP4243165B2 (ja) 2003-11-04 2003-11-04 化学的酸素要求量測定方法及びシステム並びに光反応器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005140531A JP2005140531A (ja) 2005-06-02
JP4243165B2 true JP4243165B2 (ja) 2009-03-25

Family

ID=34686186

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003374477A Expired - Fee Related JP4243165B2 (ja) 2003-11-04 2003-11-04 化学的酸素要求量測定方法及びシステム並びに光反応器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4243165B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102706946A (zh) * 2011-03-28 2012-10-03 同济大学 一种快速测定难氧化废水cod的方法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007271335A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Chugoku Electric Power Co Inc:The Cod測定システム
JP4767064B2 (ja) * 2006-03-30 2011-09-07 中国電力株式会社 Cod測定システム及びそれに用いる塩化物イオン除去装置
JP2008058038A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Kyoritsu Rikagaku Kenkyusho:Kk 化学分析用液体試料処理装置
JP6337235B2 (ja) * 2014-02-27 2018-06-06 学校法人東海大学 医療用インジケータ、および医療用滅菌容器
KR102018179B1 (ko) * 2017-06-13 2019-09-04 서울시립대학교 산학협력단 반 연속흐름 코일반응기 기반 저온고압 산화법을 이용한 화학적 산소요구량(CODcr)의 분석장치 및 분석방법
CN110118738B (zh) * 2019-05-14 2020-04-17 同济大学 一种水质化学需氧量检测剂的制备与使用方法
CN113758770A (zh) * 2020-06-06 2021-12-07 赵辉 一种快速测定含氯废水中cod含量的方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102706946A (zh) * 2011-03-28 2012-10-03 同济大学 一种快速测定难氧化废水cod的方法
CN102706946B (zh) * 2011-03-28 2014-09-17 同济大学 一种快速测定难氧化废水cod的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005140531A (ja) 2005-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kim et al. Photocatalytic sensor for the determination of chemical oxygen demand using flow injection analysis
Hislop et al. The Photochemical generation of hydroxyl radicals in the UV− vis/Ferrioxalate/H2O2 System
KR101229577B1 (ko) 총 유기탄소 측정방법 및 장치
EP0634646B1 (en) Method of and apparatus for analyzing nitrogen compounds and phosphorus compounds contained in water
JP4243165B2 (ja) 化学的酸素要求量測定方法及びシステム並びに光反応器
US5244811A (en) Method and system for determining organic matter in an aqueous solution
Kim et al. Relationship between theoretical oxygen demand and photocatalytic chemical oxygen demand for specific classes of organic chemicals
JP5854122B2 (ja) 全窒素測定装置
Liu et al. Evaluation of photodegradation performance by paper microzones
Farooq et al. Spectrochemical analysis of ozone density for pulsed plasma discharge in oxygen–water mixture
Yu et al. Determination of chemical oxygen demand using UV/O 3
Bi et al. High-throughput analysis of photocatalytic reactivity of differing TiO2 formulations using 96-well microplate reactors
JP2706290B2 (ja) 水溶液中の有機物を測定する方法及び装置
Skillen et al. Photocatalytic radical species: An overview of how they are generated, detected, and measured
JPH06148172A (ja) Codの測定方法
JP4767064B2 (ja) Cod測定システム及びそれに用いる塩化物イオン除去装置
Rodman et al. Conversion of chromium (III) propionate to chromium (VI) by the Advanced Oxidation Process: Pretreatment of a biomimetic complex for metal analysis
JP2009204431A (ja) 化学的酸素要求量の測定方法
JP2001056332A (ja) 水質分析装置
JP2001041950A (ja) 水質分析計
WO2014174818A1 (ja) 酸化物質定量方法および酸化物質定量装置
JP2000356631A (ja) 全有機体炭素測定方法及び装置
JP2004251833A (ja) 全窒素測定方法および装置
Velázquez-Palenzuela et al. Photo-oxidation of nitrite anions in aqueous solution for the benchmarking of nano-TiO2 photocatalytic coatings
JP2001041949A (ja) 化学的酸素要求量測定装置及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080527

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081202

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081226

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140109

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees