JP2004251833A - 全窒素測定方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紫外線照射により試料中の窒素化合物をNO3 − に変換するように構成された全窒素測定装置Dであって、前記紫外線の照射強度および照射時間を限定して、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させるようにしてある。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、液体試料中の全窒素の定量分析に用いられる全窒素分析方法および装置に関し、特に、例えば海水等の液体試料中の全窒素の定量分析に適した全窒素分析方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特許第3093633号公報
JIS K 0102に規定される全窒素測定法のうち、45.2の紫外吸光光度法は、最も簡便な方法であり多くの自動測定装置に採用されている。この紫外吸光光度法の内容は、以下の通りである。
【0003】
試料にペルオキソ二硫酸カリウムのアルカリ性溶液を加え、約120℃に加熱して窒素化合物を硝酸イオンに変えるとともに有機物を分解する。この溶液のpHを2〜3とした後、硝酸イオンによる波長220nmの吸光度を測定して定量するのである。この方法は、試料中の有機物が分解されやすく、少量であり、また、試験に影響する量の臭化物イオン、クロムなどを含まない場合に適用する。
【0004】
ところで、前記紫外吸光光度法において、試料を約120℃に加熱して窒素化合物を硝酸イオンに変えるというステップは、オートクレーブ内に試料を投入することで行うことができるが、前記オートクレーブは、高い耐熱性、耐圧性、耐薬品性等を有することが不可欠であって、その製造にはセラミックスや特殊金属合金材等の特殊な材料が必要であることから、高価で、また、寿命も短く、さらに、その取り扱いに危険が伴うという難点があった。
【0005】
そこで、上記のステップを、紫外線照射を用いた酸化分解法により試料中の窒素化合物を硝酸イオンに変えるというステップに置換し、前記オートクレーブを不要とした自動測定装置が製作されている。この紫外線酸化分解法を採用した自動測定装置を使用するには、この装置を用いて行った測定の結果と、JIS法に則って行った測定の結果との間に良い相関関係が得られるという条件が満たされていなければならない。一般には、例えば、フィールド試験において試料液(排水)を測定した場合、両者の結果の差異が10%以内であれば、前記自動測定装置を排水の全窒素自動監視計器として使用することを推奨できる。
【0006】
前記紫外線酸化分解法を採用した自動測定装置は、オートクレーブ等の高温加熱器が必要なく、取り扱いが安全である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記紫外線酸化分解法を採用した自動測定装置を用いて種々の試料液について測定を繰り返した結果、試料液によってはその再現性などが不十分となることがあった。このような現象が生じる原因についてはまだ明らかではないが、海水などやハロゲン化物の塩分を多く含む溶液を試料液としたときに上記のような現象の発生が顕著となる傾向があることから、本発明者らは上記現象の原因を以下のように考えた。
【0008】
すなわち、前記自動測定装置では、紫外線照射を行うステップの後、ペルオキソ二硫酸カリウムの分解により生じた活性酸素のはたらきによって、全窒素化合物、溶解性有機化合物、塩素イオン等が酸化される。そして、このとき、着目物質である全窒素成分はNO3 − に酸化され、同時に、例えば、海水を試料液としてあれば、海水に含まれる多量の塩素イオン(Cl− )の一部が酸化されて次亜塩素酸イオン(ClO− )が生成されることとなる。この場合、臭素イオン(Br− )が含まれると、前記次亜塩素酸イオンのほか次亜臭素酸イオン等が同時に生成し、前記活性酸素が消費される。また、水分子が分解してOHラジカルを生成し再結合により過酸化水素が生成し易くなる。そのため、全窒素成分のNO3 − への酸化反応が不十分となり、一部NO2 − が発生することとなる。
【0009】
そして、窒素化合物の一部がNO2 − となった状態では、波長220nmの吸光度を測定しても、図2に示すように、NO2 − の220nmの波長の吸光度はNO3 − の吸光度の約1/3以下であり、得られる測定値が、試料内に実際に存在する窒素化合物の量(濃度)に対応する値より小さくなるため、窒素化合物の定量を正確に行えないこととなる。図2は、同じモル濃度(2mgN/L)のKNO3 溶液およびKNO2 溶液について、光の波長と吸光度との関係を示すグラフである。
【0010】
尚、海水試料の測定の場合、臭素イオン濃度(実際には食塩濃度を導電率計などで調べて海水中の臭素イオン比率から知ることができる)に応じた補正曲線を用いて前記活性酸素を消費させる干渉成分の影響を少なくすることができ、また、上記特許文献1に記載の方法によって測定を行うことでも前記干渉成分の影響を少なくすることができるが、いずれの方法でも、測定対象とする試料が海水に限定されることとなっていた。
【0011】
また、全窒素成分としては、例えば、硫酸アンモニウム、チオシアン酸ナトリウム、尿素、p−ニトロフェノール、スルファニルアミド、L−グルタミン酸、亜硝酸ナトリウム、塩化ヒドロキシルアンモニウムなどの化合物が代表的なものとして挙げられるが、酸化反応が遅い化合物(全窒素成分)が試料中に含まれる場合、上述した紫外線照射によって試料中に生じる酸素ラジカルやヒドロキシルラジカルの寿命が極めて短いことから、前記化合物の酸化分解反応(すなわち、NO3 − に分解される反応)が完結しないことがあり、このような場合にも、正確な測定が行えないという問題があった。
【0012】
本発明は上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、試料液の種類にかかわらず、再現性などの向上を図り、正確な測定を行うことが可能な全窒素測定方法および装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の全窒素測定方法は、紫外線照射により試料中の窒素化合物をNO3 − に変換するステップを有する全窒素測定方法であって、前記紫外線の照射強度および照射時間を限定して、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させた後、試料の吸光度を測定する(請求項1)。
【0014】
詳しくは、試料にペルオキソ二硫酸カリウムおよびアルカリ性溶液を加えるステップと、この試料に紫外線を照射するステップと、前記試料のpHを酸性とするステップと、波長220nmまたはその前後の波長の吸光度を測定して定量するステップとをこの順に有する全窒素測定方法であって、前記紫外線の照射強度および照射時間を限定して、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させた後、試料の吸光度を測定する(請求項2)。
【0015】
また、試料にペルオキソ二硫酸カリウムおよびアルカリ性溶液を加えるステップと、この試料に紫外線を照射しつつ、酸化剤を時間をあけて1回以上加えるステップと、前記試料のpHを酸性とするステップと、波長220nmまたはその前後の波長の吸光度を測定して定量するステップとをこの順に有する全窒素測定方法であって、前記紫外線の照射強度および照射時間を限定して、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させた後、試料の吸光度を測定するとしてもよい(請求項3)。
【0016】
また、試料にペルオキソ二硫酸カリウムおよび他の酸化剤およびアルカリ性溶液を加えるステップと、この試料に紫外線を照射するステップと、前記試料のpHを酸性とするステップと、波長220nmまたはその前後の波長の吸光度を測定して定量するステップとをこの順に有する全窒素測定方法であって、前記紫外線の照射強度および照射時間を限定して、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させた後、試料の吸光度を測定するとしてもよい(請求項4)。
【0017】
一方、本発明の全窒素測定装置は、紫外線照射により試料中の窒素化合物をNO3 − に変換するように構成された全窒素測定装置であって、前記紫外線の照射強度および照射時間を限定して、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させるようにしてある(請求項5)。
【0018】
詳しくは、試料にペルオキソ二硫酸カリウムのアルカリ性溶液を加えた後、紫外線を照射し、続いて、前記試料のpHを酸性とした後、波長220nmまたはその前後の波長の吸光度を測定して定量するように構成された全窒素測定装置であって、前記紫外線の照射強度および照射時間を限定して、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させるようにしてある(請求項6)。
【0019】
上記の構成により、試料液の種類にかかわらず、再現性などの向上を図り、正確な測定を行うことが可能な全窒素測定方法および装置を提供することが可能となる。
【0020】
すなわち、従来の全窒素測定方法および装置では、海水など塩分を含む試料の全窒素測定を行おうとしても、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率の変化が大きかったことから正確な測定が不可能であったが、本発明の全窒素測定方法および装置では、試料に対して紫外線を照射するときに、紫外線の照射強度および照射時間を所定以上に限定して、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させるようにしてあることから、再現性、直線性が確保される精度の高い測定を行うことができるのである。
【0021】
また、試料に紫外線を照射しつつ、酸化剤を時間をあけて1回以上加えるとした場合には、紫外線照射により前記酸化剤が分解することで生じる酸素ラジカルやヒドロキシルラジカルの濃度をより長い時間にわたり高く維持できるため、試料中に酸化反応が遅い全窒素成分を含む化合物が存在している場合でも、精度の高い測定を行うことが可能となる。
【0022】
また、試料にペルオキソ二硫酸カリウムのアルカリ性溶液とともに他の酸化剤を加えるとした場合には、前記酸化剤を適宜に選択することにより、試料中に酸化反応を起こしにくい難分解性の有機化合物などの全窒素成分を含む化合物が存在している場合でも、精度の高い測定を行うことが可能となる。例えば、前記酸化剤として過酸化水素を選択した場合には、試料中に難分解性の有機化合物であるハロゲン化炭化水素や界面活性剤等が存在していても、前記過酸化水素により効果的に酸化分解することができるのである。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例に係る全窒素測定方法を実施するための全窒素測定装置Dの構成を概略的に示す説明図である。
前記全窒素測定装置Dは、例えば、試料中の全窒素を自動で測定する全窒素自動測定装置であり、試料取入口1と、この試料取入口1からの試料を計量するための試料計量部2と、この試料計量部2にて計量された試料Sを希釈するための手段としての希釈槽3と、混合槽4と、紫外線酸化分解器5と、この紫外線酸化分解器5を経た後の試料を計量するための計量管6と、測定セル7と、排出口8と、ブランク水取入口9と、このブランク水取入口9からのブランク水を収容し、ブランク水を前記希釈槽3へと供給するためのブランク水タンク10と、前記計量管6に塩酸溶液(あるいは硫酸溶液でもよい)を供給するための溶液タンク11と、前記混合槽4にアルカリ性溶液としての水酸化ナトリウム水溶液およびペルオキソ二硫酸カリウム水溶液をそれぞれ供給するためのアルカリ性溶液タンク(以下、水酸化ナトリウム水溶液タンクという)12およびペルオキソ二硫酸カリウム水溶液タンク13とを備えている。
【0024】
前記試料取入口1と試料計量部2との間には、送液手段としてのポンプPが接続されている。
【0025】
前記希釈槽3は、前記試料をブランク水によって所定倍に希釈するためのものであり、希釈槽3において希釈された試料は、前記混合槽4へと送られる。なお、前記試料の濃度が十分低い場合には、希釈槽3における試料の希釈は行われず、前記試料取入口1からの試料はそのまま前記混合槽4へと送られることになる。
【0026】
前記紫外線酸化分解器5は、紫外線ランプ51と、前記混合槽4からの試料を収容する分解槽52と、この分解槽52内を加熱するための加熱手段(ヒータ)53とを有している。
【0027】
前記紫外線ランプ51は、例えば、所定の波長を有する紫外線(例えば、185nmの波長を有する紫外線および/または254nmの波長を有する紫外線)を照射するための冷陰極型低圧水銀ランプからなる。なお、前記紫外線ランプ51は冷陰極型低圧水銀ランプに限るものではなく、例えば、熱陰極型の低圧水銀ランプなど他のランプであってもよい。
【0028】
前記測定セル7は、光源71と、セル本体72と、検出器73とを有している。
【0029】
前記光源71は、例えば、パルス点灯型のキセノンランプからなり、この光源71とセル本体72との間には、干渉フィルタ(図示せず)が配置され、光源71が所定の波長を有する紫外線(例えば、波長220nmまたはその前後の波長の紫外線)をセル本体72に照射するように構成されている。
【0030】
前記ブランク水タンク10の下流側には、送液手段としてのポンプPが接続されており、さらに、その下流側には、三方電磁弁15を介して2つの流路が接続されている。そして、三方電磁弁15の下流側に接続される一方の流路は前記希釈槽3に接続されており、他方の流路は前記混合槽4に接続されている。
【0031】
次に、上記の構成からなる全窒素測定装置Dを用いて行う全窒素測定方法について説明する。
前記全窒素測定方法は、試料にペルオキソ二硫酸カリウムのアルカリ性溶液を加える(本実施例では、前記ペルオキソ二硫酸カリウムおよびアルカリ性溶液を別々に加える)第1ステップと、この試料に紫外線を照射する第2ステップと、前記試料を酸性とする(詳しくは、試料のpHを2〜3またはその前後とする)第3ステップと、波長220nmまたはその前後の波長の吸光度を測定して定量する第4ステップとをこの順に有しており、以下のようにして行われる。
【0032】
まず、前記試料取入口1からの試料は、試料計量部2において計量され、所定量の試料が希釈槽3に送られる。
【0033】
ここで、前記試料を希釈する必要がある場合には、前記ブランク水タンク10からのブランク水が希釈槽3へと送られる。なお、試料が十分低い濃度である場合には、ブランク水の希釈槽3への供給は行われない。
【0034】
そして、希釈槽3内の試料は、前記混合槽4へと送られる。この混合槽4では、前記試料と、前記水酸化ナトリウム水溶液タンク12およびペルオキソ二硫酸カリウム水溶液タンク13からの水酸化ナトリウム水溶液およびペルオキソ二硫酸カリウム水溶液とが混合される。これにより、前記第1ステップが完了する。
【0035】
この第1ステップの後、エアーバブリングによりこの試料を攪拌するステップを設けてもよい。なお、前記エアーバブリングは、例えば、前記混合槽4に空気導入管(図示せず)を接続し、この空気導入管から圧縮空気を混合槽4内に導入することによって行うことができる。
【0036】
続いて、前記混合槽4内にて混合された試料は、前記加熱手段53によって60℃に保たれた分解槽52内に収容され、分解槽52内に収容された試料に対して前記紫外線ランプ51から紫外線が照射される。そして、この紫外線照射により試料中の窒素化合物が硝酸イオン(NO3 − )に変換されることとなる。これにより、前記第2ステップが完了する。
【0037】
その後、前記試料は、計量管6へと送られて一定量計量され、そこに前記溶液タンク11からの塩酸溶液が注入されて、試料のpHを2〜3とする調整がなされる。以上で、前記第3ステップが完了する。
【0038】
前記第3ステップが完了した後、前記試料は測定セル7内へと送られ、この測定セル7において、波長220nmの紫外吸光度の測定が行われる。そして、図示していない演算処理部において、前記吸光度に基づいて所定の処理が行われ、試料に含まれる全窒素の濃度が得られるのである。この場合、ダーク補正やゼロ点補正などを併せて行うことにより、より精度の高い結果を得ることができる。以上で、前記第4ステップが完了する。
【0039】
ここで、本実施例では、上記第2ステップの紫外線照射において、前記紫外線ランプ51からの紫外線の照射強度および照射時間を限定するように構成してある。
【0040】
すなわち、上記第2ステップにおいて紫外線照射を行った後、ペルオキソ二硫酸カリウムの分解により生じた活性酸素のはたらきによって、全窒素化合物、溶解性有機化合物、塩素イオン等が酸化される。そして、このとき、着目物質である全窒素成分はNO3 − に酸化され、同時に、例えば、海水を前記試料としてあれば、海水に含まれる多量の塩素イオン(Cl− )の一部、臭素イオン(Br− )が酸化されて次亜塩素酸イオン(ClO− )および次亜臭素酸イオン(BrO− )が生成されることとなる。この場合、前記次亜塩素酸イオンほか酸化物イオンの生成に前記活性酸素が消費されるため、全窒素成分のNO3 − への酸化反応が不十分となり、一部NO2 − が発生し、試料内は、以下の式(1)で示される化学平衡反応が成立する状態となる。
ここで、RX は還元物質、OX は酸化物質である。
【0041】
海水測定の場合、ハロゲン化酸化物(ClO− やBrO− )により水分子が酸化され生成した過酸化水素H2 O2 が前記還元物質RX として作用することが考えられ、式(1)は次のように表される。
【0042】
そして、前記第2ステップの紫外線照射による紫外線の照射強度が弱く、かつ照射時間が短いと、過酸化水素の生成が少なく、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率が不安定となり、結果として、測定の再現性が悪くなることとなる。
【0043】
そこで、本実施例では、前記紫外線ランプ51からの紫外線の照射強度および照射時間を所定以上に限定することによって、すなわち、前記紫外線の照射強度を大きくし、照射時間を長くすることによって、試料中に含まれるNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させるように構成してある。そのためには、例えば、前記紫外線の照射時間が30分の場合、紫外線ランプ51の強度は、試料の体積が30mLであれば10W以上、1mLであれば4W以上が必要である。
【0044】
上述のように、前記紫外線の照射強度および照射時間は、試料の体積に応じて設定するのであるが、紫外線の照射強度および照射時間と試料の体積との関係は、前記分解槽52の構造や、試料と紫外線ランプ51との接近距離などの要因によっても異なってくるため、それらの要因を考慮して前記紫外線の照射強度および照射時間を設定することが好ましい。
【0045】
上記第2ステップにおいて、前記紫外線ランプ51からの紫外線の照射強度および照射時間を所定以上に限定して紫外線照射を行うことにより、上記第4ステップにおいて得られる吸光度は、再現性のよいものとなる。そして、このように得られた吸光度から、予めKNO3 標準液や(NH4 )2 SO4 標準液などの標準液およびゼロ水(ブランク水)を用いて同様に測定して作成しておいた検量線等に基づいて、試料に含まれる全窒素の濃度を精度良く得ることができるのである。
【0046】
ここで、断面10mm角のセル内に1mgN/LのKNO3 (硝酸カリウム)標準液および1mgN/Lの(NH4 )2 SO4 (硫酸アンモニウム)標準液をそれぞれ収容し、220nmの波長の吸光度について、紫外線ランプ51の照射強度を変えて測定したのであり、その結果を図3(A)に示す。また、同様に、紫外線ランプ51の照射強度を一定(2W)とし、かつ、その照射時間を変えて、硝酸カリウム標準液および硫酸アンモニウム標準液の吸光度を測定したのであり、その結果を図3(B)に示す。
【0047】
図3(A)に示す結果から明らかなように、硝酸カリウム標準液および硫酸アンモニウム標準液のいずれの吸光度も、紫外線ランプ51の照射強度が大きくなるにつれて低下し、かつ、前記吸光度曲線は、ある値(図3(A)では約0.1)に近づく漸近線となっていることがわかる。
【0048】
また、図3(B)に示す結果から明らかなように、硝酸カリウム標準液および硫酸アンモニウム標準液のいずれの吸光度も、紫外線ランプ51の照射時間が長くなるにつれて低下し、かつ、前記吸光度曲線は、ある値(図3(B)では約0.1)に近づく漸近線となっていることがわかる。
【0049】
これは、海水試料に見られる現象であり、(NH4 )2 SO4 (硫酸アンモニウム)についてみてみると、紫外線照射初期には(NH4 )2 SO4 のNH4 イオンの分解酸化反応が起こり、NO3 − を生成するが、紫外線の照射強度の影響や時間経過により共存する還元物質(例えば過酸化水素)の存在で、その一部がNO2 − に還元されるものと推定される。
【0050】
そして、紫外分解酸化法は、JISK0102に示す化学分析法の酸化反応時間に合わせて1サンプル測定時間を1時間としている。試料計量、アルカリ化ペルオキソ二硫酸カリウム液添加後に紫外線照射を行い、時間は通常約30分間要する。従って、これらの操作を自動化する場合、図3(A)および(B)における吸光度曲線がほぼ平坦となる部分で測定を行うように、紫外線の照射強度および照射時間を設定すれば、NO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させた状態で測定できるのであり、ひいては測定精度の大幅な向上が確保できることとなる。
【0051】
なお、例えば、試料を海水とした場合には、第2ステップにおける紫外線照射が終了した後に、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率は、おおよそ1:2となって安定するのであり、この比率に基づき、実際のNO3 − 濃度を得られたNO3 − 濃度の約3倍と見積もって演算処理を行うことにより、試料に含まれる全窒素の濃度が正確に得られることとなる。
【0052】
ここで、全窒素成分としては、例えば、硫酸アンモニウム、チオシアン酸ナトリウム、尿素、p−ニトロフェノール、スルファニルアミド、L−グルタミン酸、亜硝酸ナトリウム、塩化ヒドロキシルアンモニウムなどの化合物が代表的なものとして挙げられる。これらの化学物質に対してNO3 への酸化分解反応効率つまりN分(NO3 )回収率は、成分・化合物により異なるが、紫外線酸化分解法ではおおよそ92.5%以上である。これは純水ベースの場合のN分回収率なので、模擬海水ベースではさらにN分回収率が低くなる。原因は、試料液のアルカリ性化時に、Ca、Mg塩類の白濁沈殿の生成し、紫外線が試料液深部まで通過せず、紫外線の光線強度が著しく低下するためである。そのため、可能な場合には、試料が純水ベースか模擬海水ベース(海水ベース)かなどの情報をも利用して、N分回収率の数値などを適宜に補正した上で、測定結果の導出過程に供するように本実施例の全窒素測定方法および全窒素測定装置Dを構成してもよい。
【0053】
上記の構成からなる全窒素測定方法および全窒素測定装置Dでは、従来の全窒素測定方法および装置では正確な測定が不可能であった海水など塩分を含む試料について、再現性、直線性が確保できる精度の高い測定を行うことが可能となる。
【0054】
また、紫外線照射を長時間行うようにしてあることから、この紫外線照射に用いる紫外線ランプ51の強度が多少低下しても、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させることが可能となる。
【0055】
さらに、試料中に共存する他の成分の濃度に影響を受けることなく、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させることが可能となる。
【0056】
ここで、本実施例の前記第2ステップを、単に試料に紫外線を照射するだけでなく、試料に紫外線を照射しつつ、酸化剤を時間をあけて1回以上(好ましくは2回以上)試料に加える(添加する)ステップとして構成してもよい。
【0057】
詳しくは、前記酸化剤としては、例えばペルオキソ二硫酸カリウムや過酸化水素を用いることができる。そして、一定時間おきに(例えば、5分おきに)試料に添加するのであり、例えば、1回目の添加を開始してから最後の添加が完了するまでの所要時間が15分程度となるように設定すればよい。
【0058】
すなわち、例えば、前記ペルオキソ二硫酸カリウムは紫外線照射により約5分程度で分解が完了するのであり、前記ステップにおいて約5分間隔で試料にペルオキソ二硫酸カリウムを逐次添加することによって、ペルオキソ二硫酸カリウムの分解により発生する酸素ラジカル濃度をより長い時間にわたり高く維持することができるのである。なお、前記ペルオキソ二硫酸カリウムを添加する間隔は、5分未満でもよいし、5分よりも多少長くてもよい。
【0059】
上記のように、酸化剤を一定時間おきに加えることにより、酸化反応が遅い窒素化合物であっても、その酸化分解反応を確実に完了させることができ、ひいてはより精度の高い測定を行うことが可能となるのである。
【0060】
また、本実施例の前記第1ステップを、試料に前記ペルオキソ二硫酸カリウムおよびアルカリ性溶液を加えるのではなく、試料に、ペルオキソ二硫酸カリウムおよびこのペルオキソ二硫酸カリウムとは異なる他の酸化剤およびアルカリ性溶液を加えるステップとして構成してもよい。
【0061】
前記酸化剤としては、例えば過酸化水素を選択できる。過酸化水素の添加は、試料中に難分解性の有機化合物、例えば、ハロゲン化炭化水素や界面活性剤等が含まれている場合に特に有効である。また、前記過酸化水素は、紫外線照射後5分程度で分解反応が完了し、220nm付近の紫外線吸光度測定には何ら影響を与えない。
【0062】
上記のように、前記第1ステップにおいて適宜の酸化剤を加えることにより、試料中に酸化反応の反応速度が遅かったり、酸化反応を起こしにくい難分解性の有機化合物などの全窒素成分を含む化合物が存在している場合でも、酸化反応を短時間で完了させることができ、ひいては精度の高い測定を行うことが可能となる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、試料液の種類にかかわらず、再現性などの向上を図り、正確な測定を行うことが可能な全窒素測定方法および装置を提供することが可能となる。
【0064】
すなわち、従来の全窒素測定方法および装置では、海水など塩分を含む試料の全窒素測定を行おうとしても、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率の変化が大きかったことから正確な測定が不可能であったが、本発明の全窒素測定方法および装置では、試料に対して紫外線を照射するときに、紫外線の照射強度および照射時間を所定以上に限定して、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させるようにしてあることから、再現性、直線性が確保される精度の高い測定を行うことができる。
【0065】
また、試料中に共存する他の成分の濃度に影響を受けることなく、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る全窒素測定方法を実施するための全窒素測定装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図2】同じモル濃度(2mgN/L)のKNO3 溶液およびKNO2 溶液について、光の波長と吸光度との関係を概略的に示すグラフである。
【図3】(A)は、KNO3 溶液および(NH4 )2 SO4 溶液の吸光度と、紫外線ランプの強度との関係を概略的に示すグラフであり、(B)は、KNO3 溶液の吸光度と、紫外線ランプの照射時間との関係を概略的に示すグラフである。
【符号の説明】
D…全窒素測定装置。
Claims (6)
- 紫外線照射により試料中の窒素化合物をNO3 − に変換するステップを有する全窒素測定方法であって、前記紫外線の照射強度および照射時間を限定して、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定せた後、試料の吸光度を測定することを特徴とする全窒素測定方法。
- 試料にペルオキソ二硫酸カリウムおよびアルカリ性溶液を加えるステップと、この試料に紫外線を照射するステップと、前記試料のpHを酸性とするステップと、波長220nmまたはその前後の波長の吸光度を測定して定量するステップとをこの順に有する全窒素測定方法であって、前記紫外線の照射強度および照射時間を限定して、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させた後、試料の吸光度を測定することを特徴とする全窒素測定方法。
- 試料にペルオキソ二硫酸カリウムおよびアルカリ性溶液を加えるステップと、この試料に紫外線を照射しつつ、酸化剤を時間をあけて1回以上加えるステップと、前記試料のpHを酸性とするステップと、波長220nmまたはその前後の波長の吸光度を測定して定量するステップとをこの順に有する全窒素測定方法であって、前記紫外線の照射強度および照射時間を限定して、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させた後、試料の吸光度を測定することを特徴とする全窒素測定方法。
- 試料にペルオキソ二硫酸カリウムおよび他の酸化剤およびアルカリ性溶液を加えるステップと、この試料に紫外線を照射するステップと、前記試料のpHを酸性とするステップと、波長220nmまたはその前後の波長の吸光度を測定して定量するステップとをこの順に有する全窒素測定方法であって、前記紫外線の照射強度および照射時間を限定して、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させた後、試料の吸光度を測定することを特徴とする全窒素測定方法。
- 紫外線照射により試料中の窒素化合物をNO3 − に変換するように構成された全窒素測定装置であって、前記紫外線の照射強度および照射時間を限定して、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させるようにしてあることを特徴とする全窒素測定装置。
- 試料にペルオキソ二硫酸カリウムおよびアルカリ性溶液を加えた後、紫外線を照射し、続いて、前記試料のpHを酸性とした後、波長220nmまたはその前後の波長の吸光度を測定して定量するように構成された全窒素測定装置であって、前記紫外線の照射強度および照射時間を限定して、試料中に存在するNO3 − 濃度とNO2 − 濃度との比率を安定させるようにしてあることを特徴とする全窒素測定装置。
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