JP4242765B2 - 血管壁選択的なacat阻害剤 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、医薬として、具体的にはアシル コエンザイム A コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤として、より具体的には高脂血症、各種動脈硬化症の予防・治療・改善剤として、各種動脈硬化症としてさらに具体的には冠動脈硬化疾患の予防・治療・改善剤である有用な新規化合物、その製造方法、及びそれを用いた医薬組成物、ならびにその中間体に関する。
背景技術
近年、生活水準の向上に基づく高カロリー、高コレステロール食を含む欧米型食生活への変化ならびに人口の高齢化に伴い、高脂血症およびこれに起因する動脈硬化性疾患が急増してきており、これが一つの社会問題を呈している。これまでの高脂血症および動脈硬化症の薬物療法は主として原因となる血中の脂質を低下させることに重点が置かれており、動脈硬化病巣そのものを標的として治療するものではなかった。アシル コエンザイム A:コレステロール アシルトランスフェラーゼ(ACAT)はコレステロールからコレステロールエステルへの合成を触媒する酵素であり、コレステロールの代謝と消化管での吸収に重要な役割を果たすものである。小腸上皮細胞において遊離コレステロールのエステル化を行うACAT酵素を阻害することは腸管からのコレステロールの吸収を阻害し、また、肝臓においてはACAT阻害に基づくコレステロールエステルの生成阻害が肝臓から血中への超低比重リポ蛋白質(VLDL)の分泌を抑制し、これらの結果により血中コレステロールの低下作用へとつながると考えられる。
これまでのACAT阻害剤の多くはこれら小腸、肝臓のACAT酵素に作用し、抗高脂血症剤として血中コレステロールの低下作用を期待するものであった。例えば、米国特許第4716175号の明細書には2,2−ジメチル−N−(2,4,6−トリメトキシフェニル)ドデカンアミドが、欧州特許第372445号には N’−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−[5−(4,5−ジフェニル−1H−イミダゾール−2−イルチオ)ペンチル]−N−ヘプチルウレアなどがACAT阻害剤として記載されている。
しかしながら、これまでの多くのACAT阻害剤は抗高脂血症剤として血中コレステロールの低下作用に重点を置き、その作用発現のための大量投与から臨床試験の段階で腸管出血、腸管障害、下痢や肝障害などの副作用が多発し、臨床開発を困難にしてきている。
さらに、この他にWO92/09582号にはイミダゾールの2位が置換された化合物:5−[2−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−3−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−2H−ベンゾピラン−6−イル]オキシ−2,2−ジメチル−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ペンタンアミドが、欧州特許477778号にはイミダゾールの4,5位に置換基を有する化合物:N−ブチル−N’−[2−[3−(5−エチル−4−フェニルイミダゾール−1−イル)プロポキシ]−6−メチルフェニル]尿素が開示されている。さらに、N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−(テトラデシルチオ)アセトアミド(WO92/09572号明細書参照)、N−[5−(4,5−ジフェニル−1H−イミダゾール−2−イルチオ)ペンチル]−N−ヘプチル−2−ベンゾオキサゾールアミン(WO93/23392号明細書参照)などの化合物も開示されている。
そもそも動脈硬化症は血管の内膜肥厚と脂質蓄積という特徴的な病変であるが、最近の研究によると動脈硬化病巣の形成に中心的な役割を果たしているマクロファージの泡沫化を抑えることにより動脈硬化病巣そのものの退縮が期待できるとされている。粥状動脈硬化症の病巣にマクロファージ由来の泡沫細胞(コレステロールエステルを脂肪滴として細胞内に貯蔵している。)が観察され、このマクロファージの泡沫化が病変の進展に深く関わっているとされている。また、動脈硬化病変部位の血管壁のACAT活性が亢進しており、血管壁にコレステロールエステルが蓄積していることが報告されている[ギリーズ,P.J.等,Exp.Mol.Pathol.,44,329−339(1986)]。
ACAT阻害剤によるコレステロールのエステル化の阻害は細胞内に遊離コレステロールを産みだし、これが高比重リポ蛋白質(HDL)により取り去られ肝臓に運ばれて(HDLによる逆転送)代謝されるので病変部位でのコレステロールエステルの蓄積が抑制されることが期待される[リ,L等、Biochim.Biophys.Acta.2001 15,1530(1):111−22]。この結果、直接的な抗動脈硬化作用が得られるものと考えられる。ACATには小腸に存在するタイプと血管壁に存在するタイプの二つのサブタイプが存在することが報告されている[キヌーネン,P.M.等Biochemistry 27,7344−7350(1988)]が、これまでACAT阻害剤の研究の多くは小腸、肝臓に存在するタイプの酵素を用いて行われていた[トモダ H.等J.Antibiotics 47,148−153(1994)]。
本発明者らは血管壁に存在するタイプのACAT酵素を選択的に阻害する薬剤が、臓器非選択的な阻害剤に比べてより副作用の少ない動脈硬化症などの予防、治療、改善剤に成りうると考えた。そのような阻害剤を目指し鋭意検討を行った結果、本発明者は次式の一般式(A)
Figure 0004242765
(式中、
Figure 0004242765
は、置換基を有していてもよいベンゼン、ピリジン、シクロヘキサン、又はナフタレンの2価残基、又は、基
Figure 0004242765
を示し、
Arは、置換基を有していてもよいアリール基を示し、
Xは、−NH−、酸素原子又は硫黄原子を示し、
Yは、−NR−、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド又はスルホンを示し、
Zは、単結合又は−NR−を示し、
は、水素原子、低級アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は、置換基を有していてもよいシリル低級アルキル基を示し、
は、水素原子、低級アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は、置換基を有していてもよいシリル低級アルキル基を示し、
1は、0乃至15の整数を示し、
mは、2又は3の整数を示し、
nは、0乃至3の整数を示す。)
で表される化合物、これらの塩又はこれらの溶媒和物が水溶性を有し優れたACAT阻害作用を併せ持つ化合物であることを見出してきた(特願平11−500471号、WO98/54153号参照)。
そして、ACAT阻害作用を持つ化合物について、その薬効だけでなく実際の医薬品候補となるべく条件をさらに追求すると、試験管内(in vitro)試験におけるACAT阻害作用のみが優れているだけでは不充分であり、良好な経口吸収性を示し、かつ、然るべき動脈硬化モデルの動物試験などの生体内試験において、その優れた薬理効果が確認されなければならない。
このような観点から先の発明(特願平11−500471号)における化合物をさらに検討してみると、特願平11−500471号の実施例に具体的に記載の化合物のなかにはACAT阻害作用は優れているものの、併せて良好な経口吸収性を示し、かつ、然るべき動脈硬化モデルの動物試験などの生体内試験において充分な薬物濃度を保持することができるという点においては必ずしも充分なものが開示されていなかった。
このように、先の発明(特願平11−500471号)の明細書に具体的に記載された化合物群からACAT阻害活性及びマクロファージ選択性(又は、血管壁選択性)をある程度維持し、かつ、経口吸収性や生体内試験における薬物濃度の保持などの諸条件を満足する優れた化合物を見出すことはできず、実際の医薬品としてはACAT阻害活性及びマクロファージ選択性をある程度維持し、かつ、経口吸収性などが優れた化合物の創製が医薬品の条件をより満たすものであり、さらなる開発が望まれていた。
発明の開示
本発明は、実際の医薬品として、ACAT阻害活性及びマクロファージ選択性をある程度維持し、かつ、経口吸収性及び生体内試験における薬物濃度の保持が優れた新規な化合物、その製造方法、及びそれを用いた医薬組成物、並びにその中間体を提供するものである。
本発明は、次式
Figure 0004242765
で表される2−[4−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−(2,6−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、この塩又はこの溶媒和物、及びその製造方法に関する。
また、本発明は、前記式で表される化合物、この塩又はこの溶媒和物、及び薬学的に許容される担体とからなる医薬組成物に関する。
さらに本発明は、前記式で表される化合物を製造するための中間体となる次式、
Figure 0004242765
(式中、Xはハロゲン原子を示す。)
で表される化合物、2−ハロ−N−(2,6−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド又はその塩に関する。
発明を実施するための最良の形態
本発明者らは、先に優れたACAT阻害活性及び選択性を有する化合物を提供してきた(特願平11−500471号)。そして、特願平11−500471号における実施例に記載の化合物のなかからACAT阻害活性の優れている次の5つの化合物についてACAT阻害活性をさらに詳細に検討してみた。
実施例−24の化合物:N−[2,4−ビス(メチルチオ)−6−メチル−3−ピリジル]−2−[4−[2−(ベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]アセトアミド
Figure 0004242765
実施例−25の化合物:N−[2,4−ビス(メチルチオ)−6−メチル−3−ピリジル]−2−[4−[2−(オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]アセトアミド
Figure 0004242765
実施例−75の化合物:2−[4−[2−(ベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−(2,6−ジイソプロピル−4−メトキシフェニル)アセトアミド
Figure 0004242765
実施例−78の化合物:2−[4−[2−(ベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−[2,6−ジイソプロピル−4−(2−エトキシエチル)オキシフェニル]アセトアミド
Figure 0004242765
実施例−85の化合物:2−[4−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)アセトアミド
Figure 0004242765
これらの5つの化合物のACAT阻害活性を次の表1に記載する。
Figure 0004242765
実施例−24の化合物は、ACAT阻害活性、特にJ774細胞におけるIC50が9nMと最も強く好ましいが、マクロファージ選択性(IC50(HepG2)/IC50(J774))が約7倍と低く、目的とする医薬品の候補化合物として充分なものということはできなかった。
一方、実施例−25の化合物及び実施例−75の化合物はマクロファージ選択性(IC50(HepG2)/IC50(J774))が96倍以上という顕著な作用を示すが、他の化合物と比較しJ774細胞における阻害強度が特に優れているとは言い難く、これらの化合物もまた目指す医薬品の候補化合物として充分なものということはできなかった。
これらの化合物の中でマクロファージ選択性(IC50(HepG2)/IC50(J774))及びJ774細胞における阻害強度の両方の程度が実際の医薬品候補としてバランスよく満足している化合物としては、実施例−78及び85の化合物が挙げられる。
これらの実施例−78及び85の化合物について経口吸収性試験を実施したところ、実施例−78の化合物はラット飽食下30mg/kg投与時における経口吸収性試験ではCmaxが14.8ng/mLで、AUCが29.8ng・hr/mLであり、実施例−85の化合物では、Cmaxが17.6ng/mLで、AUCが71.8ng・hr/mLであった。この結果をまとめて次の表2に示す。
Figure 0004242765
これらの化合物は、ACAT阻害活性及びマクロファージ選択性については充分であるが、その経口吸収性及び薬物血中濃度が低く、生体内において血管壁で優れた薬理効果を持続的に発現させるのに充分な経口吸収性を示すものとしては充分ではなかった。
そこで本発明者らは、実際の医薬品として使用し得るための充分な経口吸収性を示す有効成分をさらに検討するために、優れた細胞系ACAT阻害活性及びマクロファージ選択性を有する実施例−85の化合物に着目した。この化合物とほぼ同等な試験管内試験における細胞系ACAT阻害活性を維持し、かつ、経口吸収性が大幅に改善された化合物が生体内への吸収率を上げ生物学的利用能をさらに高くし、病変部位への直接的な動脈硬化治療を狙えるものと考え、この化合物をリード化合物として各種の誘導体を検討した。
化合物の経口吸収性を改善する方法としては、化合物の水溶性を増加させることが考えられ、このためにリード化合物中に水酸基やカルボキシル基などの極性の比較的大きな親水性の基を導入することが考えられるが、このような極性の大きな基の導入はACAT阻害活性やその選択性に著しい影響を与えるおそれがある。
そこで、まずこの点を特願平11−500471号に具体的に記載されている化合物について検討してみた。特願平11−500471号の実施例−72に記載されている次式、
Figure 0004242765
で表される化合物である2−[4−[2−(ベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−(2,6−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミドは、実施例−1に記載されている次式、
Figure 0004242765
で表される化合物である2−[4−[2−(ベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)アセトアミドのアミド基に結合するフェニル基の4位に水酸基が導入された形になっている化合物であり、これらの化合物についてそのACAT阻害活性及びラットを用いた飽食下の経口吸収性試験(投与量30mg/kg)を行った。その結果を次の表3及び表4に示す。
Figure 0004242765
Figure 0004242765
実施例−72の化合物のCmaxは470ng/mL、AUCは1095ng・hr/mLとなり、元の実施例−1の化合物に比べてCmaxの値では約4.3倍の経口吸収性の改善効果があることがわかった(表4参照)。そして、これらの化合物では水酸基の導入により、ACAT阻害活性については著しい変化は見られなかったが(表3参照)、これらの化合物はいずれもその絶対値において優れたACAT阻害剤ということはできない。
次に、ACAT阻害活性及び選択性の優れた実施例−85の化合物について水酸基の導入を検討するために、実施例−85の化合物のアミド基に結合するフェニル基の3位に水酸基を導入した次式、
Figure 0004242765
で表される2−[4−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−(2,6−ジイソプロピル−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(以下、比較化合物という。)では、細胞系ACAT阻害強度IC50が460nM(J774)となり、ACAT阻害活性が大幅に低下した。リード化合物である特願平11−500471号における実施例−85の化合物のその値は19nMであるから、実に約24倍もの活性の低下になった。
しかし、水酸基の導入によりある程度の水溶性の改善がおこなえるので、この水酸基の導入に着目し、さらに検討した結果、意外にも当該フェニル基の4位に水酸基を導入した本発明の化合物が極度の活性の低下を招くことなく、優れた経口吸収性や薬物血中濃度を有することを見出した。
リード化合物の実施例−85の化合物のアミド基に結合するフェニル基の4位に水酸基が導入された本発明の化合物である2−[4−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−(2,6−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミドの塩酸塩は、試験管内試験(in vitro)のACAT阻害居性試験でIC50(J774)が65nMで、IC50(HepG2)が2900nMであり、J774細胞における阻害強度をそれ程損なうことなく、選択性(IC50(HepG2)/IC50(J774))は45倍となり、リード化合物に比べてもより選択的な阻害活性を示した。この結果を先に示した比較化合物と併せて次の表5に示す。
Figure 0004242765
さらに、この本発明の化合物の日本薬局方I液における水溶性を検討したところ、水溶性はリード化合物の0.1mg/mLから0.5mg/mLと5倍の増大を示した。そして、ラットを用いた飽食下の経口吸収性試験(投与量30mg/kg)においては、投与媒体として水/PEG400(1:4)の場合では、Cmax(薬物最大血中濃度)が141ng/mL、AUCが486ng・hr/mLを示した。この値は、特願平11−500471号の実施例−85の化合物と比べ約8倍の経口吸収性が増大したことになる。また、投与媒体として0.5%メチルセルロース(MC)懸濁液の場合では、Cmaxが167ng/mL、AUCが639ng・hr/mLとなり、約9.4倍という大幅な経口吸収性の改善が見られた。これらの結果をまとめて次の表6に示す。
Figure 0004242765
この結果を踏まえて、さらに本発明の化合物について動脈硬化モデル動物試験を行った。動脈硬化モデル動物試験は、ロバートらの方法[ロバート J.N.等、Atherosclerosis 137,77−85(1998)参照]に準じ、F1Bハムスターを用いた脂質負荷モデルにおいて弓部大動脈の脂質沈着面積を測定し、薬剤の脂質沈着抑制効果を検討した。対照薬剤として特願平11−500471号における最も強力なACAT阻害活性を有する実施例−24の化合物及び先の文献に報告されている、N−[2−(2,4,6−トリイソプロピルフェニル)アセチル]スルファミン酸 2,6−ジイソプロピルフェニルエステル(特表平8−510256号,WO94/26702号の例−5(Example−5)の化合物。以下、CI−1011という。)を用いた。試験の結果を次の表7に示す。
Figure 0004242765
表中の、CEはコレステロール・エステルを、FCは遊離コレステロールをそれぞれ示す。
また、これらの結果をグラフにしたものを第1図〜第6図として示す。第1図は本発明の化合物の結果であり、第2図はCI−1011の結果であり、第3図は特願平11−500471号の実施例−24の化合物の結果である。第1図〜第3図の縦軸は対照に対する相対比(%)であり、横軸は投与量(mg/kg)をそれぞれ示し、白抜き部分は脂質沈着面積を、黒塗り部分は血漿総コレステロールをそれぞれ示す。第1図〜第3図中のアスタリスク(*又は**)は有意差があることを示している(*:P<0.05,**:P<0.01,Dunnett検定)。
また、第4図は本発明の化合物の結果であり、第5図はCI−1011の結果であり、第6図は特願平11−500471号の実施例−24の化合物の結果である。第4図〜第6図の縦軸は対照に対する相対比(%)であり、横軸は投与量(mg/kg)をそれぞれ示し、白丸印(○)は大動脈脂質沈着比を、菱形印(◇)は血漿総コレステロールの対照に対する相対比を、黒四角印(■)は肝臓におけるコレステロール・エステル/遊離コレステロールの比率の対照に対する相対比を、黒三角印(▲)は小腸におけるコレステロール・エステル/遊離コレステロールの比率の対照に対する相対比を、バツ印(×)は副腎におけるコレステロール・エステル/遊離コレステロールの比率の対照に対する相対比をそれぞれ示す。
これらの相対比は次の式で示される。
相対比(%)=(投与(CE/FC))/(対照(CE/FC))×100
これらの結果から、本発明の化合物は、血漿コレステロール(第1図〜第3図の黒塗り部分、第4図〜第6図の菱形印)の著しい低下を伴うことなく脂質沈着抑制(第1図〜第3図の白抜き部分、第4図〜第6図の白丸印)は投与量が3mg/kgより有効であった。一方、マクロファージ選択性(IC50(HepG2)/IC50(J774))が低い実施例−24の化合物及び対照薬剤(CI−1011)の脂質沈着抑制はそれぞれ3mg/kg、1mg/kgより有効であったが、いずれも血漿コレステロールの顕著な低下を伴っており、これは直接血管壁に作用が生じる好ましい結果ということはできなかった。
これらの結果、本発明の化合物が従来のACAT阻害剤とは異なり、血中脂質の変動とは独立に血管壁のACATを直接かつ選択的に阻害し、脂質沈着抑制を発揮したことが示された。
さらに、この生体内(in vivo)試験の結果は、先の試験管内(in vitro)試験における細胞選択性を反映していることが、即ち、ACAT阻害剤が血管壁の組織に選択的に作用したことは各組織における脂質構成:コレステロール・エステル(CE)/遊離コレステロール(FC)の比率を検討することにより判明することが示された。
また、本発明の化合物の投与量、特に10及び30mg/kgにおける肝臓、小腸、副腎のCE/FCの比率と弓部大動脈脂質沈着の抑制率とは顕著な乖離を示し、肝臓で2.6−2.8倍、小腸で3.1−4.2倍、副腎で3.4−4.2倍程の組織選択性を示した。一方、対照薬剤(CI−1011)及び実施例−24の化合物の投与における各組織では、殆ど連動し変化し顕著な乖離は見出せなかった。ここに従来のACAT阻害剤、即ち、肝臓、小腸に作用し血中脂質を低下させ、ひいては抗動脈硬化作用に寄与するタイプとは異なり、本発明の化合物は血管壁への直接、選択的作用を有する新しいタイプのACAT阻害剤であることが特徴づけられた。
即ち、本発明は、新しいタイプの血管壁に選択的なACAT阻害剤を実現し、その完成に至った。本発明は優れたACAT阻害活性を有する化合物を提供するものであり、特に選択的なACAT阻害作用を示すことは副作用の少ない医薬組成物として動脈硬化症の治療剤として有用であり、医薬品としての適用範囲を広げるものである。
本発明の化合物の酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、及び、メタンスルホン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩などがあげられる。また、溶媒和物としては、製造時、精製時などに用いた溶媒、例えば、水、アルコールなどが付加したものであり、ACAT阻害作用などに悪影響を及ぼさないものであれば特に制限されるものではない。溶媒和物としては水和物が好ましい。
本発明の化合物は種々の公知の方法で製造することができ、特に制限されるものではなく、例えば、特願平11−500471号に記載の方法に従って製造することができる。より具体的には、例えば次に示す方法により製造することができる。
Figure 0004242765
(式中、Rは保護壁を、Xは脱離基を示す。)
(1)4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンの1位の窒素原子に保護基が結合した化合物(II)を、塩化メタンスルホニルなどを用いて末端の水酸基を活性化した化合物(III)とし、ついでこれに2−メルカプト−7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール(IV)を反応させて、対応する4−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]−1−ピペラジンの1位保護基体(V)とする。
(2)前記(1)で得られた1位保護基体(V)の1位の保護基を脱保護して1−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン又はその塩(VI)とする。
(3)前記(2)で得られた化合物(VI)に2−ハロ−N−(2,6−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(VII)を反応させて、目的の2−[4−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−(2,6−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(I)を製造することができる。
化合物(II)における窒素原子の保護基としては、ペプチド合成などに使用される各種の保護基を使用することができる。好ましい保護基としてはベンジルオキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル基、2−トリメチルシリルエチルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
化合物(II)に、例えばメシル化、トシル化等のスルホニル化反応を行なうことにより化合物(III)が得られる。スルホニル化反応は通常の方法を利用できるが、例えば塩化メタンスルホニル、メタンスルホン酸無水物、メタンスルホニルフルオリド、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリドなどのスルホン酸エステル化剤を用いる方法が好ましい。この反応は溶媒中で塩基の存在下で行われる。溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン(THF)、塩化メチレン、クロロホルムなどが挙げられ、塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリンなどの有機塩基を使用することができる。
化合物(III)と化合物(IV)の反応は溶媒中で塩基の存在下で行われる。
溶媒としては、例えば、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられるが、中でもN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素金属類などの無機塩基、ピリジン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基を使用することができるが、特に炭酸カリウムが好ましい。反応は20〜150℃で、0.1〜20時間、好ましくは、60〜90℃で、1〜5時間で反応を終了させることができる。
化合物(V)の脱保護の反応は、保護基に応じて公知の方法により行うことができる。
得られた化合物(VI)と化合物(VII)との反応は、前記(1)の工程に準じて行なうことができるが、化合物(VI)を酸付加塩としてから本反応を行なうことが好ましい。酸としては、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸を用いることが特に好ましい。
化合物(VII)における脱離基のハロゲンとしては、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子が挙げられる。
本発明の化合物は、ACAT阻害作用及び/又は細胞内コレステロール輸送阻害作用を有し、高脂血症治療剤又は動脈硬化治療剤などとして医療分野で有用である。特に、本発明の化合物は、血管壁に存在するタイプのACAT酵素を選択的に阻害する作用を示すことから、非選択的なACAT阻害剤に比べて副作用が少ないこと、更に水溶性を示すことから経口吸収の改善が期待され、医薬の有効成分として好ましい。
本発明の医薬組成物は、本発明の化合物、その酸付加塩又は溶媒和物を有効成分とするものであり、この有効成分を単独で又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、希釈剤などの担体からなるものである。本発明の医薬組成物は、ACAT阻害剤、細胞内コレステロール輸送阻害剤、血中コレステロール低下剤、又は、マクロファージ泡沫化抑制剤としての薬効を有するものである。すなわち、本発明の医薬組成物は、高脂血症、動脈硬化症、頸部及び脳動脈硬化症、脳血管障害、虚血性心疾患、冠状動脈硬化症、腎硬化症、動脈硬化性腎硬化症、細動脈硬化性腎硬化症、悪性腎硬化症、虚血性腸疾患、急性腸管膜血管閉塞症、慢性腸管アンギーナ、虚血性大腸炎、大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症(ASO)などの疾患の治療、予防用の医薬組成物として有用である。
本発明の医薬組成物は、各種の薬学的に許容される担体を用いて、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末剤、注射剤、坐剤等に製剤化することができる。
これらの製剤は公知の方法で製造することができる。例えば経口投与用製剤とする場合には、本発明の化合物を澱粉、マンニトール、乳糖等の賦形剤:カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤:結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤:タルク、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤:軽質無水ケイ酸等の流動性向上剤などを適宜組み合わせて処方することにより製造することができる。
本発明の医薬組成物は、経口投与又は非経口投与により投与される。
本発明の医薬組成物の投与量は、患者の体重、年齢、性別、症状等によって異なるが、本発明の化合物として、通常成人の場合、1日1〜1000mg、好ましくは5〜200mgを1〜3回に分けて投与するのが好ましい。
本発明の化合物のACAT阻害作用などは以下に示す実施例に記載の方法で試験した。
実施例
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
J774細胞およびHepG2細胞におけるACAT阻害活性試験の方法
(抗泡沫化作用)
J774細胞またはHepG2細胞を24穴プレートに播種し、J774細胞はDulbecco’s modified Eagle’s培地,HepG2細胞はEagle’s Minimum Essential培地を用い(それぞれ10% 牛胎児血清を含む)を用い、37℃,5%COインキュベーターにて24時間培養した。10μg/mLの25−ヒドロキシコレステロール及び検体を含む各培養液0.5mLに交換後さらに18時間培養した。培地を除きPBSで2回洗浄後1.5mLのヘキサン:イソプロパノール(3:2)で抽出し濃縮乾固した。抽出物を0.2mLの10%Triton X−100を含むイソプロパノールに溶解し、総コレステロール(TC)及び遊離コレステロール(FC)をそれぞれコレステロールEテストワコー(和光純薬工業)、遊離コレステロールEテストワコー(和光純薬工業)で測定した。細胞の抽出残渣を0.25mLの2N NaOHに37℃、30分で可溶化し、BCA Protein Assay Reagent(Pierce)で蛋白量を測定した。TCとFCの差から蛋白あたりのコレステロールエステル量を算出し、コントロールとの対比計算からIC50値を求めた。
実施例2
ラット経口吸収性の試験方法
飽食条件下のラット3匹に本発明の化合物の溶液(水:PEG400=1:4の混合液に溶解)あるいは0.5%メチルセルロース(MC)懸濁液として30mg/kgで強制経口投与した。投与後の血液を経時的に採取し下記の方法で血漿中の濃度を測定した。また、同様に特願平11−500471号の実施例−85の化合物の溶液(PEG400に溶解)として30mg/kgで強制経口投与し、血漿中濃度を測定した。
実施例3
本発明化合物の血漿中濃度の測定方法
血漿150μLに1mol/Lグリシン緩衝液(pH8)及び内部標準物質として類縁化合物:特願平11−500471号の実施例−98の化合物:2−[4−[2−(4,5,6−トリメトキシベンゾチアゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)アセトアミド(500ng/mL)0.2mLを添加、攪拌後、イソプロパノール/n−ヘキサン(5:95)溶液6mLで抽出した。有機層(上層)を分取後、窒素気流下に溶媒を留去した後、残渣を移動相(下記参照)0.2mLで溶解後、80μLを以下の分析条件により測定した。
検出条件:(検出器;シングルステージ四重極型質量分析計、
イオン化法;大気圧化学イオン化法、
ネブライザー温度;475℃、
コロナ電圧;3kV、
モニタリングイオン;m/z565(本発明の化合物の水素付加
イオン),579(特願平11−500471号実施例−98の
化合物の水素付加イオン))
分離条件:(カラム;GLサイエンス社製InertsilODS3V
(3.0mmφ×150mm)、
カラム温度;45℃、
移動相;0.1%ギ酸アンモニウム(pH4)/メタノール/ア
セトニトリルを7:3:10で混合した溶液、
流速;1.0mL/min)
実施例4
特願平11−500471号実施例−78の化合物の血漿中濃度の測定方法
血漿150μLに0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液及び内部標準物質として類縁化合物特願平11−500471号の実施例−85の化合物:2−[4−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)1チル]ピペラジン−1−イル]−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)アセトアミド(500ng/mL)0.2mLを添加、攪拌後、イソプロパノール/ヘキサン(5:95)溶液6mLで抽出した。有機層を分取後、窒素気流下に溶媒を留去した後、残渣を移動相(下記参照)0.2mLで溶解後、80μLを以下の高速液体クロマトグラフィーの条件により測定した。
検出条件:(検出器;シングルステージ四重極型質量分析計、
イオン化法;大気圧化学イオン化法、
ネブライザー温度;475℃、
コロナ電圧;3kV、
モニタリングイオン;m/z569(実施例−78の化合物の水
素付加イオン),549(実施例−85の化合物の水素付加
イオン))
分離条件:(カラム;Waters社製Symmetry RP8
(3.0mmφ×150mm)、
カラム温度; 45℃、
移動相; 0.1%ギ酸アンモニウム(pH4)/メタノール/
アセトニトリルを7:3:10で混合した溶液、
流速;0.8mL/min)
実施例5
特願平11−500471号の実施例−85の化合物の血漿中濃度の測定方法
血漿150μLに0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液及び内部標準物質として類縁化合物:特願平8−158743号の実施例−28:8−(ベンズイミダゾール−2−イルチオ)−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)オクタンアミド(500ng/mL)0.2mLを添加、攪拌後、イソプロパノール/ヘキサン(5:95)溶液6mLで抽出した。有機層を分取後、窒素気流下に溶媒を留去した後、残渣を移動相(下記参照)0.2mLで溶解後、80μLを以下の高速液体クロマトグラフィー条件により測定した。
検出条件:(検出器;シングルステージ四重極型質量分析計、
イオン化法;大気圧化学イオン化法、
ネブライザー温度;475℃、
コロナ電圧;3kV、
モニタリングイオン;m/z549(実施例−85の水素付加イ
オン),452(実施例−28の水素付加イオン))
分離条件:(カラム;Waters社製Symmetry RP8
(3.0mmφ×150mm)、
カラム温度;45℃、
移動相;0.1%ギ酸アンモニウム(pH4)/メタノール/ア
セトニトリルを7:3:10で混合した溶液、
流速; 0.8mL/min)
実施例6
動脈硬化モデル動物の試験方法
ロバートらの方法に準じ、動脈硬化モデル動物実験:FBハムスターを用いた脂質負荷モデルにおいて弓部大動脈の脂質沈着面積を測定し、本発明化合物の脂質沈着抑制効果を検討した[ロバート J.N.等、Atherosclerosis 137,77−85(1998)参照]。対照薬剤は、特願平11−500471における最も強力なACAT阻害活性を有する実施例−24の化合物および先の文献に報告されているCI−1011:N−[2−(2,4,6−トリイソプロピルフェニル)アセチル]スルファミン酸2,6−ジイソプロピルフェニルエステル(特表平8−510256,WO94/26702,例−5)を用いた。
日本チャールスリバー(株)より入手したBioFB系雄性ハムスターに各群6匹となるようにランダムに割り当て群分けを行った。8週齢より高脂肪食(0.3%コレステロール、10%ココナツ油)を10週間負荷し、薬物は混餌で投与した。10週後、採血を行い、血漿コレステロールを測定した。さらに大動脈を10%ホルマリン液にて灌流固定後摘出した。これを切開し、オイルレッドO(Oil Red O)を用いて大動脈に沈着した脂質を染色し、その染色面積は画像解析装置を用い計測した。
薬物調製および投与方法
高脂肪食(0.3%コレステロール、10%ココナツ油)は、コレステロール:ココナツ油:飼料(CE−2)=0.03:1:9の配合比で調製した。なお、対照群には、高脂肪食を与え投与期間は10週間とした。投与量の設定は、予備検討より100mg/kg投与を上限とし、血漿総コレステロールの低下が認められない用量より公比3とし、4用量とした。
群構成
Figure 0004242765
観察および検査方法
血中および組織中(肝臓、小腸、副腎)脂質濃度
非絶食下のハムスターを麻酔し開腹して腹部大静脈を露出させ、約2.5mLを採血した。採取した血液を3000rpmで15分遠心して血漿を分取し、血漿総コレステロール(TC)はコレステロールE−テストワコー(コレステロールオキシダーゼ・DAOS法)、遊離コレステロール(FC)は遊離コレステロールE−テストワコー(コレステロールオキシダーゼ・DAOS法)を用いてそれぞれ測定した。
約500mgの肝臓と小腸、および副腎を摘出し生理食塩液で洗浄後、組織中脂質濃度を測定した。測定に際しては、肝臓および小腸に組織中脂質抽出液として10mLのクロロホルム:メタノール=2:1を入れてポリトロンホモジナイザーPT3100を用い3000rpmでホモジェナイズし、4℃で一晩静置した。抽出液を1500rpmで15分間遠心分離し、上清の0.2mLを真空ポンプで蒸発乾固した後にイソプロパノール50μLで溶解して、各脂質を同様のキットによりTC、FCを定量した。副腎は、はさみで細切した後に0.5mLのクロロホルム:メタノール=2:1を入れ、4℃で一晩静置した。これを1500rpmで15分間遠心分離し、上清0.2mLを分取して真空ポンプで蒸発乾固した後に、イソプロパノール50μLで溶解してTCおよびFCをキットにより定量した。
薬剤投与群の血漿総コレステロール(TC)は対照群のTCに対する相対比を指標とし、臓器はTCとFCの差をCE(コレステロールエステル)とし各臓器における脂質構成比:CE/FCの比率を求め、それらを各対照に対する相対比を算出し指標とした。即ち、これらの指標は対照群を100%とし、薬剤投与群の肝臓、小腸に対するACAT阻害作用による血漿TC低下作用を指標に、また、各臓器に対するACAT阻害作用によるCE/FC比の変動を指標にするため、以下の式で算出した。
血漿総コレステロールの指標(%)
=(薬剤投与群のTC/対照群のTC)×100
各臓器における脂質構成比の指標(%)
=(薬剤投与群のCE/FC/対照群のCE/FC)×100
大動脈における脂質沈着面積
採血終了後、心尖部に18−G注射針を刺し、生理食塩液(120mmHg)で約5分間灌流した。さらに、10%中性ホルマリン緩衝液(120mmHg)で約5分間灌流した。弓部および胸部大動脈を摘出して、10%ホルマリン緩衝液中で固定した。固定後、大動脈の小彎と一部の大彎を切開して、オイルレッドO(Oil red O)染色を行った。これをゴム板上に開いて張り付け、オイルレッドO(Oil red O)染色部の面積および内腔表面の面積をオリンパス画像解析装置により測定した。各群の各例でオイルレッドO(Oil red O)染色部の面積を内腔表面の面積に対する比を求め、これを大動脈脂質沈着率とした。大動脈脂質沈着抑制率は、薬剤投与群の大動脈脂質沈着率を対照群の大動脈脂質沈着率に対する比を求め、これをACAT阻害作用による大動脈沈着抑制率の指標とした。
以下の式で指標を算出した。
大動脈脂質沈着率(%)
=[オイルレッドO(Oil red O)染色部の面積]/(内腔表面
の面積)×100
大動脈脂質沈着抑制率(%)
=(各群の大動脈脂質沈着率)/(対照群の大動脈脂質沈着率)×100
実施例7
製造実施例
tert−ブチル 4−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]−1−ピペラジンカルボキシラートの製造:
tert−ブチル 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンカルボキシラート(30.00g,0.130mol)のTHF(200mL)溶液にトリエチルアミン(17.14g,0.169mol)および4−ジメチルアミノピリジン(1.59g,13.0mmol)を加え、氷冷下、塩化メタンスルホニル(17.91g,0.156mol)のTHF(100mL)溶液を滴下し、30分間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をDMF(300mL)に溶解し、特願平11−500471号の実施例−85に記載の方法で得られる2−メルカプト−7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール(28.55g,0.130mol)、18−クラウン−6(1.72g,6.51mmol)および炭酸カリウム(21.60g,0.156mol)のDMF(500mL)溶液中に80℃で滴下し、同温で30分間攪拌した。反応液を減圧濃縮し得られた残渣を水および酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル600g,展開溶媒ヘキサン/アセトン=5/1)を用いて精製し、目的化合物39.82g(収率71%)を淡褐色油状物として得た。
IR(neat)cm−1:2977,1699,1506,1493,1432.
H−NMR(CDCl)δ:
1.46(9H,s),2.49(4H.t,J=4.9Hz),2.83(2H,t,J=6.8Hz),3.43(4H,t,J=4.9Hz),3.49(2H,t,J=6.8Hz),7.37(1H,t,J=8.1Hz),7.47(1H,d,J=8.1Hz),7.75(1H,d,J=8.1Hz).
元素分析:C1924S として
計算値:C,52.89;H,5.61;N,9.74;F,13.21.
実測値:C,53.07;H,5.69;N,9.76;F,13.11.
実施例8
1−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン・2トリフルオロ酢酸塩の製造:
tert−ブチル 4−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]−1−ピペラジンカルボキシラート(37.92g,87.9mmol)を氷冷下トリフルオロ酢酸(200mL)に溶解し、同温で15分間攪拌した。氷冷下反応液にエーテルを加えて析出した結晶を濾取し、エーテル洗浄の後、減圧乾燥し、目的化合物47.46g(収率97%)を微黄色粉末晶として得た。
融点:155−156℃
IR(KBr)cm−1:3026,2421,1683,1511,1596.
H−NMR(d−DMSO)δ:
2.75−2.90(4H,m),2.91−3.04(2H,m),3.05−3.22(4H,m),3.56(2H,t,J=6.8Hz),7.54(1H,t,J=8.0Hz),7.67(1H,d,J=8.0Hz),7.96(1H,d,J=8.0Hz),8.70(1H,br s).
元素分析:C1818S として
計算値:C,38.65;H,3.24;N,7.51.
実測値:C,38.60;H,3.25;N,7.51.
実施例9
2−ブロモ−N−(2,6−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミドの製造:
4−アミノ−3,5−ジイソプロビルフェノール(特願平11−500471号の実施例−72に記載された方法により合成)(8.77g,45.4mmol)の塩化メチレン(100mL)溶液に氷冷撹拌下、N,N−ジメチルアニリン(6.60g,54.5mmol)の塩化メチレン(100mL)溶液を滴下した。引き続きブロモアセチルブロミド(10.1g,49.9mmol)の塩化メチレン(75mL)溶液をゆっくりと滴下し、室温で30分間撹拌した。反応液が約100mLになるまで溶媒を留去し、水(100mL)および飽和重曹水(100mL)を加えて約2時間氷冷した。析出した結晶を濾取し、1N塩酸で洗浄した。得られた結晶をクロロホルム(100mL)およびメタノール(25mL)に溶解し、1N塩酸で3回洗浄した。さらに有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して目的化合物12.28g(収率86%)を褐色針状晶として得た。
融点:196−197℃
IR(KBr)cm−1:3288,2966,1665,1593,1534.
H−NMR(CDCl)δ:
1.18(12H,d,J=6.8Hz)、2.98(2H,sept,J=6.8Hz)、4.08(2H,s)、6.64(2H,s)、7.57(1H,brs).
EIMSm/z(相対強度):315(M+1)、313(M−1)、220(100)。
元素分析:C1420BrNOとして
計算値:C,53.51; H,6.42; N,4.46.
実測値:C,53.50; H,6.33; N,4.28.
実施例10
2−[4−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−(2,6−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド・塩酸塩の製造:(本発明の化合物)
1−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン・2トリフルオロ酢酸塩(40.00g,71.5mmol)のアセトニトリル懸濁液(1L)に室温で炭酸水素ナトリウム(24.03g,0.286mol)を加え、同温で1時間攪拌した。氷冷下反応液に2−ブロモ−N−(2,6−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド(22.47g,71.5mmol)および炭酸カリウム(14.82g,0.107mol)を順次加え、室温で20時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し得られた残渣を水およびクロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル400g,展開溶媒 ヘキサン/アセトン=2/1→1/1)を用いて精製し、アセトン−ヘキサンから再結晶し、遊離体の2−[4−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−(2,6−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド39.37g(収率98%)を微黄色粉末晶として得た。
この遊離体のアミド(34.71g,61.5mmol)のメタノール溶液(150mL)に氷冷下、4N塩化水素酢酸エチル溶液(16.9mL,67.6mmol)を滴下し、同温で10分間攪拌した。反応液に同温にてエーテルを加えて析出した結晶を濾取し、エーテルで洗浄の後、減圧乾燥し、目的化合物34.35g(収率93%)を無色粉末晶として得た。
融点:258−259℃
IR(KBr)cm−1:3440,2967,1661,1609,1594.
H−NMR(d−DMSO,120℃)δ:
1.12(12H,d,J=6.8Hz),2.97(2H,sept,J=6.8Hz),3.05−3.24(10H,m),3.66(2H,t,J=6.8Hz),3.78(2H,s),6.57(2H,s),7.54(1H,t,J=7.8Hz),7.63(1H,d,J=7.8Hz),7.92(1H,d,J=7.8Hz),9.10(1H,br s).
元素分析:C2836ClFS として
計算値:C,55.95;H,6.04;N,9.32;Cl,5.90;F,9.48.
実測値:C,55.80;H,6.01;N,9.23;Cl,5.92;F,9.31.
実施例11
2−[4−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−(2,6−ジイソプロピル−3−ヒドロキシフェニル)アセトアミドの製造:(比較化合物)
特願平11−500471号の実施例−87で得られた2−[4−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−(2,6−ジイソプロピル−3−ニトロフェニル)アセトアミドを、同特許明細書の実施例−59に記載の方法に準じ、還元し得られた2−[4−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−(3−アミノ−2,6−ジイソプロピルフェニル)アセトアミドを得た。これを同特許明細書の実施例−61に記載の方法と同様に反応させて、処理し、目的化合物を無色結晶として得た。
融点:82−84℃
IR(KBr)cm−1:3314,1667,1595,1505,1330.
H−NMR(CDCl)δ:
1.16(6H,d,J=6.8Hz),1.34(6H,d,J=6.8Hz),2.60−2.77(8H,m),2.85(2H,t,J=6.8Hz),2.89(1H,sept,J=6.8Hz),3.14(1H,sept,J=6.8Hz),3.20(2H,s),3.50(2H,t,J=6.8Hz),5.82(1H,br s),6.65(1H,d,J=8.5Hz),6.99(1H,d,J=8.5Hz),7.34(1H,t,J=7.8Hz),7.47(1H,d,J=7.8Hz),7.75(1H,d,J=7.8Hz),8.58(1H,br s).
EIMS m/z(relative intensity):564(M),346(100).
産業上の利用可能性
本発明は、実際の医薬品としてACAT阻害活性及びマクロファージ選択性を維持し、かつ、経口吸収性が優れた新規な化合物、及びそれを用いた医薬組成物、並びにその中間体を提供するものである。
本発明の化合物は、経口吸収性が優れ高い血中濃度を保持することができると同時に、ACAT阻害剤として血管壁選択的に極めて優れた作用効果を有し、医薬品の有効成分として極めて選択性に優れた物質である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の化合物の動脈硬化モデル動物試験における脂質沈着面積(白抜き)及び血漿総コレステロール(TC)(黒塗り)における結果を示すグラフである。第1図の縦軸は対照に対する相対比(%)であり、横軸は投与量(mg/kg)をそれぞれ示す。
第2図は、比較化合物CI−1011の動脈硬化モデル動物試験における脂質沈着面積(白抜き)及び血漿総コレステロール(TC)(黒塗り)における結果を示すグラフである。第2図の縦軸は対照に対する相対比(%)であり、横軸は投与量(mg/kg)をそれぞれ示す。
第3図は、比較化合物の特願平11−500471号の実施例−24の化合物の動脈硬化モデル動物試験における脂質沈着面積(白抜き)及び血漿総コレステロール(TC)(黒塗り)における結果を示すグラフである。第3図の縦軸は対照に対する相対比(%)であり、横軸は投与量(mg/kg)をそれぞれ示す。
第4図は、本発明の化合物の動脈硬化モデル動物試験における大動脈脂質沈着の対照に対する相対比(白丸印(○))、血漿総コレステロールの対照に対する相対比(菱形印(◇))、肝臓におけるコレステロール・エステル/遊離コレステロールの比率の対照に対する相対比(黒四角印(■))、小腸におけるコレステロール・エステル/遊離コレステロールの比率の対照に対する相対比(黒三角印(▲))、副腎におけるコレステロール・エステル/遊離コレステロールの比率の対照に対する相対比(バツ印(×))を示すグラフである。第4図の縦軸は対照に対する相対比(%)であり、横軸は投与量(mg/kg)を示す。
第5図は、比較化合物CI−1011の動脈硬化モデル動物試験における大動脈脂質沈着の対照に対する相対比(白丸印(○))、血漿総コレステロールの対照に対する相対比(菱形印(◇))、肝臓におけるコレステロール・エステル/遊離コレステロールの比率の対照に対する相対比(黒四角印(■))、小腸におけるコレステロール・エステル/遊離コレステロールの比率の対照に対する相対比(黒三角印(▲))、副腎におけるコレステロール・エステル/遊離コレステロールの比率の対照に対する相対比(バツ印(×))を示すグラフである。第4図の縦軸は対照に対する相対比(%)であり、横軸は投与量(mg/kg)を示す。
第6図は、比較化合物の特願平11−500471号の実施例−24の化合物の動脈硬化モデル動物試験における大動脈脂質沈着の対照に対する相対比(白丸印(○))、血漿総コレステロールの対照に対する相対比(菱形印(◇))、肝臓におけるコレステロール・エステル/遊離コレステロールの比率の対照に対する相対比(黒四角印(■))、小腸におけるコレステロール・エステル/遊離コレステロールの比率の対照に対する相対比(黒三角印(▲))、副腎におけるコレステロール・エステル/遊離コレステロールの比率の対照に対する相対比(バツ印(×))における結果を示すグラフである。第4図の縦軸は対照に対する相対濃度(%)であり、横軸は投与量(mg/kg)を示す。

Claims (2)

  1. 次式
    Figure 0004242765
    で表される2−[4−[2−(7−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール−2−イルチオ)エチル]ピペラジン−1−イル]−N−(2,6−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド、この塩又はこの溶媒和物。
  2. 次式
    Figure 0004242765
    で表される化合物、この塩又はこの溶媒和物、及び薬学的に許容される担体とからなるACAT阻害作用を有する医薬組成物。
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