JP2013513642A - 新規フェニルヒドラゾン誘導体および医薬としてのその使用 - Google Patents

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Abstract

一般式(I)
【化1】
Figure 2013513642

の化合物、その調製方法、このような化合物を含む前記化合物を含む医薬組成物ならびに肝臓および心血管疾患などのメタボリックシンドロームと関連している疾患を治療または予防するためのその使用。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規フェニルヒドラゾン誘導体、その調製方法、このような化合物を含む医薬組成物ならびに肝臓および心血管疾患などのメタボリックシンドロームと関連している疾患を治療または予防するためのその使用に関する。
メタボリックシンドロームは、「X症候群」、インスリン抵抗性症候群または代謝異常症候群としても表され、患者の生涯の極めて初期に発生し始めることもある、複雑な多重遺伝子性の病態である。この症候群は、先進工業国においてますますよく見られるようになった。一人の個体におけるさまざまな代謝リスク因子を特徴とする。メタボリックシンドロームは、インスリンの正常作用に対する組織反応性が損なわれているインスリン抵抗性と呼ばれる全身性代謝障害と密接に関連している。一般に数十年かけて発症するゆっくりとしたプロセスである。この病態は、様々な相関のある、または相関のない代謝因子を暗示する。一般に、前糖尿病性段階の疾患であると考えられている。
メタボリックシンドロームは、異常なレベルのトリグリセリド、コレステロール、高比重リポタンパク質(HDL)、グルコースおよびインスリン、また過剰な体重、血圧上昇、血栓形成促進性状態および/または炎症促進性状態にもつながる代謝障害を特徴とする。例えば、II型糖尿病のアテローム生成性脂質異常症は、空腹時血糖の上昇(>100mg/kg)、高レベルのトリグリセリド(150mg/dl超)、男性について40mg/dlおよび女性について50mg/dl未満の低い高比重リポタンパク質コレステロールレベル(HDLc)ならびに変わりやすい低比重リポタンパク質コレステロール(LDLc)レベル(100mg/dl未満または100mg/dl超)を特徴とするが、肥満症と関連していることが極めて多い高トリグリセリド血症は、リポタンパク質の構造に入るトリグリセリドの極めて高い増大(200mg/dl超)を特徴とする。
The Third report of the National Cholesterol Education Program Expert Panel on Detection: evaluation, and treatment of high blood cholesterol in adults(Adult treatment panal III、2002年、Circulation、106:3143〜3421頁、Albertini K.G.M.M.ら 2009年、Circulation、120:1640〜1645頁において更新)によって、メタボリックシンドロームが、心血管疾患のリスクを高める独立因子として最近指定された。上記で言及された代謝障害のすべてが、心血管および肝臓関連疾患、中でも、狭心症、心筋梗塞、血栓症、心不全、アテローム血栓症、脳虚血、緑内障および脂肪肝、インスリン抵抗性および耐糖能異常などの病態の発生に実際につながる。これらの病態は、動脈プラーク、肝臓小胞および高血糖症の発生と関連し得る。
動脈プラークの形成は、泡沫マクロファージ中に蓄積する酸化リポタンパク質および動脈壁上のカルシウムの漸進的な蓄積を含む。プラーク中の多数の泡沫マクロファージの存在によって脆弱になり、破裂のエピソードが引き起こされる。アテローム性動脈硬化症プラークの破裂および血小板血栓の形成は、急性プロセスについては、疾患の重篤な合併症:冠動脈および脳梗塞ならびに突然死の原因である。したがって、疾患の重篤度は、プラークの大きさ、その安定性およびこのプラークの破裂によって血栓が形成される方法に応じて大きく変わる。この事象は、免疫応答に加えて慢性炎症状態を含むことが多い。
メタボリックシンドロームの因子は、アテローム血栓症における関与に加えて、糖尿病関連疾患の発生とも関連している。被験体が、脂質異常症(dyslipydemia)とインスリン抵抗性の両方を患っている場合には、心血管虚脱を有するリスクは、著しく増大する。(Diabetes 2003年、52、1210〜1214頁中、Alexander CM、et col. −NCEP defined metabolic syndrome,diabetes and prevalence of coronary heart disease among NHANES III participants age 50 years and older)。
一般に、動脈プラーク、インスリン抵抗性または耐糖能異常の発生は、両方とも、真の心血管病原因子であり、アテローム性動脈硬化症と糖尿病間の関連性を表す循環酸化リポタンパク質のレベルと直接相関し得ることが認められている。酸化低比重リポタンパク質(LDL)、肥満症および2型糖尿病間の関連性は実際に実証されており、2型糖尿病の患者では、酸化LDLのレベルは大幅に高いといういくつかの証拠が実証されている(例えば、Ehara S.ら 2001年、Circulation Res.103−1955〜1960頁、Schwenke D.Cら 2003年 Diabetes care 26:1149〜1155頁、Njajou O.T.ら 2009年 Diabetes Metab.Res.Rev.25:733〜739頁、Sigurdardottir C.ら 2002年、J.Int.Med.252:440〜447頁参照)。これらの酸化リポタンパク質は、単球/マクロファージ(marcophages)、筋肉細胞、肝細胞および内皮細胞によって捕獲され、その過剰の蓄積は、多数の細胞内脂質小胞の出現、脂質毒性、過酸化物蓄積および解糖(gycolysis)の減少につながる(Sukharov S. 2009年 Circulation Research、99:191〜200頁)。このような脂質毒性は、細胞アポトーシスを開始し、脆弱なプラークの出現につながり、破裂およびアテローム血栓症ならびにグルコース代謝機能不全を助長する。これらの酸化リポタンパク質の細胞受容体は、「スカベンジャーファミリー」と一般に呼ばれる膜レシーバのファミリーに属する。例えば、SRAI、SRBI、LOXIおよびCD36は、このファミリーの一部である。
アテローム性動脈硬化症の発生におけるこれらのレシーバの生理病理学およびその制御が研究されている。例えば、J.Clin.Invest.2000年、105、1049〜1057頁中、Febbraio et colにおいて、CD36が、マクロファージおよび内皮細胞のレベルで酸化リポタンパク質の主要なレシーバであるということが実証されている。アテローム発生(atherogenosis)マウスにおいて、このレシーバのコーディング遺伝子を無効にすると、動脈プラークの77%超が阻害される。CD36は、高脂血症、酸化的ストレス、インスリン抵抗性と心不全との間の関連を確立するスカベンジャーの一例であるということも実証されている。さらに、高血糖症に付随する高脂血症は、マクロファージ増殖と動脈プラークの成長とを刺激することも一般に認められている。
結果として、マクロファージ筋肉細胞または内皮細胞による酸化リポタンパク質の捕獲の制御と阻害とを可能にする化合物は、糖尿病関連心血管疾患の治療および/または予防において極めて有用であり得る。
極めて活発な薬理学的研究および外科手術の分野における大きな進歩にもかかわらず、心血管疾患、冠動脈アクシデント、脳虚血、糖尿病および脂肪肝は、依然として、先進工業国における死亡または病弱の主因である。
これまでに、これらの疾患を治療または予防するために、種々の治療選択肢が利用可能となっている。
スタチンまたエゼチミブなどの脂質低下剤は、承認された有効性を有している。スタチンは、コレステロール合成に直接的に関与している3−ヒドロキシ−メチルグルタリル補酵素Aレダクターゼの阻害剤である。スタチンは、コレステロールレベルを効率的に低下させ、トリグリセリドレベルをより制限された程度ではあるが低下させる。このアプローチに関連する問題は、インスリン抵抗性患者のアテローム生成性脂質異常症は、スタチン治療に十分に反応しないということである。
スタチンよりも効率的でないエゼチミブなどのその他の薬剤は、コレステロールの腸管吸収を阻害する。したがって、これらの分子は、高LDLcレベルを有する患者の大部分に対して第一次予防および第二次予防として推奨されている。しかし、臨床試験によって、心血管のリスクに関する脂質低下剤の医学的な利益は、わずか30〜35%であると示された。これらの使用は、治療中止を必要とする望ましくない有害事象を伴うことがある。多くの場合、筋病変、肝臓毒性および不耐性現象が観察される。
アテローム生成性脂質異常症の治療には、フィブラートまたはフィブリン酸誘導体またはナイアシンなどのニコチン酸誘導体も推奨されている。脂質異常症は、複合脂質プロフィール:低コレステロールレベル、高トリグリセリドレベルおよび低HDLcレベルを有する種々の患者に影響を及ぼす。フィブラートの使用によって、心血管アクシデントのリスクがおよそ40%低下する。残念なことに、それらを使用することは、多くの患者において不耐性、肝臓毒性および筋病変による望ましくない効果を伴い、これらの化合物がスタチンと関連する場合には、これらの二次的効果は長期間さらに増加する。したがって、このような関連はハイリスク患者を治療のためだけに使用される。
動脈プラークの破裂に起因する血栓性のアクシデントは、一般に、アセチルサリチル酸、チエノピリジンまたはチアノピリジンなどの抗血栓薬で治療される。
したがって、両方ともハイリスクの心血管疾患を誘発する、アテローム性動脈硬化症につながる脂質異常と、高血糖症につながるインスリン抵抗性の両方を治療できる新規化合物が必要である。
日本特許出願JP11−110637には、本発明の化合物を包含する一般式のアセチルヒドラゾン誘導体の広いファミリーならびに様々な糖尿病合併症および老人病を治療するためのその使用が開示されている。しかし、本発明の化合物は、その特許出願において具体的には開示されていない。
国際特許出願WO2005/082882には、本発明の化合物を包含する一般式のヒドラジド誘導体の広いファミリーおよび心血管疾患を治療するためのその使用が開示されている。しかし、本発明の化合物は、その特許出願において具体的には開示されていない。
さらに、特許出願JP11/110637およびWO2005/082882において開示される多数のアリールヒドラゾン誘導体は、遺伝毒性であることがわかっており、心血管疾患を治療または予防するためのこのような化合物の治療的使用は、後者の慢性の長期間投与を暗示するので、これは大きな欠点である。
したがって、前記化合物と少なくとも同程度に有効であり、遺伝毒性を示さない新規化合物を同定することは、高い妥当性がある。
得られた結果を示す図。 得られた結果を示す図。 得られた結果を示す図。 得られた結果を示す図。 得られた結果を示す図。
本発明は、特に、心血管疾患を治療または予防するための、また、遺伝毒性を全く示さない、医薬組成物中の活性物質として有用である新規フェニルヒドラゾン誘導体をまさに目的とする。
したがって、本発明は、一般式(I):
Figure 2013513642
[式中、
−RおよびRは、水素原子、アミノ基、ヒドロキシ基、C−C−アルコキシ、式(CH−(Y)−(CH−Zの基(式中、rおよびtは、0、1、2、3、4または5であるよう互いに独立に選択され;sは、0または1であり;Yは、酸素原子、アミノ基、カルボキシ基であるよう選択され、Zは、メチルもしくはエチル基などのC−C−アルキルまたはトリフルオロメチル基などの1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであるよう選択される)であるよう互いに独立に選択され;
−R、RおよびRは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、C−C−アルケニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシまたはC−C−シクロアルキルであるよう互いに独立に選択され;
−Rは、水素原子、ヒドロキシ基またはC−C−アルキルであるよう選択され;
−R、R、R、R10およびR11は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、−OR12または−COR12であるように互いに独立に選択され、ここで、R12は、アミノ基、C−C−アルキルまたは−NR1314を表し、ここで、R13およびR14は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、アリールラジカルであるように互いに独立に選択されるか、またはR13およびR14は、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、C−C−アルケニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシもしくはC−C−シクロアルキルから選択される1個もしくはさらなる置換基で任意に置換された3−、4−、5−もしくは6員の非縮合複素環を一緒になって形成してもよい]
の新規フェニルヒドラゾン誘導体ならびにその薬学的に許容される塩に関する。
本発明との関連で、
−ハロゲンは、塩素、臭素、ヨウ素またはフッ素を意味し;
−カルボキシは、−C(=O)OHを意味し;
−カルボニルは、−C(=O)−を意味し;
−アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基ならびにこれらの用語を含有する部分は、直鎖であっても、分岐であってもよく;
−「炭素環」は、もっぱら炭素原子のみを含有する任意の飽和または部分不飽和または芳香環を示す。好ましくは、「炭素環」は、フェニル基を示し;
−「複素環」は、同一であっても異なっていてもよいN、OおよびSから選択される1個または2個のヘテロ原子を含有する任意の飽和または部分不飽和または芳香環を示す。好ましくは、「複素環」は、1個または2個の窒素原子を含有する任意の飽和または部分不飽和または芳香環を示す。より好ましくは、「複素環」は、ピリジン部分、ピリミジン部分、ピラジン部分、ピリダジン部分、ピロール部分、イミダゾール部分またはピラゾール部分を示し;
−「薬学的に許容される塩」は、生理学的に許容される薬学的なタイプの酸、中でも、酢酸、塩酸、桂皮酸、クエン酸、ギ酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸(hydrolodic)、フッ化水素酸、マロン酸、メタンスルホン酸(methanesulphconic)、シュウ酸、ピクリン酸、マレイン酸、乳酸、ニコチン酸、フェニル酢酸、リン酸、コハク酸および酒石酸(tartric)の塩、アンモニウム、ジエチルアミン、ピペラジン、ニコチンアミド、尿素、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、リチウム、メチルアミノ、ジメチルアミノ、トリメチルアミノおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩を示し;
−「薬学的に有効な量」は、本明細書に記載される様々な病状の症状を軽減できる化合物または組成物の量を意味する。
本発明の化合物は、泡沫マクロファージ細胞の形成を阻害し、メタボリックシンドロームによる代謝障害の出現を低下する。さらに、本発明の化合物は、基本のAMES型試験を用いてまたは染色体異常試験を用いて試験した場合に突然変異誘発活性を全く示さなかった。本発明の化合物は、脂質が詰まった細胞の形成と高血糖症の両方を低減する能力を有する。したがって、それらは、アテローム生成性糖尿病とその関連の心血管疾患および肝臓疾患とを治療するために非常に注目される。
本発明は、一般式(I)の化合物に関する。好ましくは、本発明による一般式(I)の化合物は、以下の特徴を個々に、または組み合わせにおいて持つ:
−RおよびRは、水素原子、アミノ基、ヒドロキシ基、C−C−アルコキシであるように互いに独立に選択され;より好ましくは、RおよびRは、水素原子であるよう選択され;
−Rは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メチル基またはエチル基などのC−C−アルキル;C−C−アルケニル;C−C−アルキニル;トリフルオロメチル基などの1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであるよう選択され;より好ましくは、Rは、水素原子であるよう選択され;
−Rは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メチル基またはエチル基などのC−C−アルキル;C−C−アルケニル;C−C−アルキニル;トリフルオロメチル基などの1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであるよう選択され;より好ましくは、Rは、水素原子であるよう選択され;
−Rは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メチル基またはエチル基などのC−C−アルキル;C−C−アルケニル;C−C−アルキニル;トリフルオロメチル基などの1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであるよう選択され;より好ましくは、Rは、水素原子であるよう選択され;
−Rは、水素原子であるよう選択され;
−Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、−OR12または−COR12であるよう選択され、ここで、R12は、アミノ基またはメチル基もしくはエチル基などのC−C−アルキルを表し;より好ましくは、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、−OR12であるよう選択され、ここで、R12は、メチルまたはエチルであり;
−Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、−OR12または−COR12であるよう選択され、ここで、R12は、アミノ基またはメチル基もしくはエチル基などのC−C−アルキルを表し;より好ましくは、Rは、水素原子、ハロゲン原子またはヒドロキシ基であるよう選択され;
−Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、−OR12または−COR12であるよう選択され、ここで、R12は、アミノ基またはメチル基もしくはエチル基などのC−C−アルキルを表し;より好ましくは、Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、−OR12であるよう選択され、ここで、R12は、メチルまたはエチルであり;
−R10は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、−OR12または−COR12であるよう選択され、ここで、R12は、アミノ基またはメチル基もしくはエチル基などのC−C−アルキルを表し;より好ましくは、R10は、水素原子、ハロゲン原子またはヒドロキシ基であるよう選択され;
ならびに/あるいは
−R11は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、−OR12または−COR12であるよう選択され、ここで、R12は、アミノ基またはメチル基もしくはエチル基などのC−C−アルキルを表し;より好ましくは、R11は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、−OR12であるよう選択され、ここで、R12は、メチルまたはエチルである。
最終的に、本発明の化合物は、以下の化学式:
Figure 2013513642
に対応する[1−(2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル)−メチリデン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−ヒドラジドである。
本発明による化合物は、当業者に公知の反応に従って調製してもよい。したがって、本発明はまた、一般式(I)の化合物の調製方法に関する。したがって、本発明のさらなる態様によれば、以下の反応スキーム:
Figure 2013513642
[式中、R〜R11は、上記で定義のとおりである]
に従う、上記で定義される式(I)の化合物の調製方法が提供され、
ここで、前記方法は、0℃〜50℃の温度で第三アミン塩基の存在下、非プロトン性溶媒中で実施する。
これによる方法は、個々に、または組み合わせにおいて採用される、以下の実験条件下で実施されることが好ましい:
−非プロトン性溶媒は、無水(anhydric)ジメチルホルムアミド(DMF)またはエタノールであるよう選択され;
−第三アミン塩基は、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)であるよう選択され;
−この方法は、室温で実施され;および/または
−この方法は、不活性の雰囲気下で実施される。
本発明はまた、有効成分として、薬学的に有効な量の上記で定義される一般式(I)の化合物を含む医薬組成物に関する。好ましくは、本発明による医薬組成物は、0,5〜20mgの上記で定義される式(I)の化合物を含有する。
本発明はまた、「スタチン」などのコレステロール合成を低下する脂肪低下剤、ロサルタンなどのアンジオテンシンII変換酵素阻害剤;抗カルシウム剤;抗血栓薬;β遮断薬;ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体のクラス(PPARクラス)のメンバーの阻害剤;フェノフィブラートなどのトリグリセリド合成または代謝の阻害剤;トログリタゾンまたはピオグリタゾンなどのインスリン抵抗性を高めることができる薬剤から選択される1種またはさらなる有効成分と関連して薬学的に有効な量の一般式(I)の化合物を含む医薬組成物に関する。
本発明による医薬組成物は、製薬の分野において一般に使用される任意の形態下で製剤してもよい。例として、これらは、塩もしくは電解質、スコルビックアシッド(scorbic acid)の塩、水もしくは緩衝溶液、コロイド溶液、セルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリレート、ワックス、タンパク質に基づく物質または活性化合物を溶解できる任意のその他の物質もしくは活性化合物を治療作用のために利用可能にできる任意のその他の物質などの薬剤ベクターを含み得る。
本発明の組成物は、注射用形態で、または経口もしくは非経口経路によって、スプレーの形態で鼻腔経路によって、直腸もしくは経膣経路によって、リザーバーもしくはディスペンサーの移植によって、または製薬の分野において使用される任意のその他の薬剤形態において投与してもよい。
これらの組成物の注射用形態は、水性または油性懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、例えば、1,3−ブタンジオールなどの非毒性溶媒または希釈剤を使用することによって、この分野において使用される任意のプロセスに従って製剤してよい。許容される溶媒の中でも、水、緩衝溶液、リンゲル液または等張性塩溶液を使用することが可能である。その他の許容される希釈剤は、合成モノもしくはジグリセリド、長鎖アルコールまたはカルボキシメチルセルロースなどの分散剤または医薬懸濁液の形成において使用される任意のその他の希釈液もしくは乳化剤から形成され得る。経口経路によって投与される本発明の医薬組成物は、カプセル剤、錠剤もしくは水性懸濁液の形態またはエマルジョンの形態であり得る。これらの製剤は、風味を減弱または改善しようと意図される化合物を含有する可能性がある。
本発明の医薬組成物は、生成物を、周囲温度で固体であり活性化合物を放出するために直腸温度で液体の、非刺激性、非アレルギー性賦形剤と混合することによって坐剤形態で投与してもよい。このような製剤は、例えば、蜜蝋、ポリエチレングリコールまたはココアバターを使用してもよい。
本発明による医薬組成物は、泡沫マクロファージ細胞の形成を阻害するのに、およびメタボリックシンドロームによる代謝障害の出現を低下させるのに有用である。それらは、腹部脂肪の蓄積による体重増加を低下させる特性、総コレステロールおよび遊離コレステロールレベルおよび動脈壁上へのトリグリセリドの沈着の増大を低下する特性ならびにアテローム性プラークにおけるマクロファージの蓄積を低下する特性を有する。したがって、本発明はまた、脂質代謝障害と関連している疾患、中でも、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、異常リポタンパク血症、カイロミクロン血症、脂肪異栄養症および高血糖症を治療または予防するための、上記で定義される医薬組成物に関する。本発明はまた、これらの機能不全と関連している障害、特に、肥満症、II型糖尿病、インスリン抵抗性、耐糖能異常および関連心血管疾患、中でも、心室機能不全を伴うか、伴わない拡張性および収縮性機能不全、アテローム性動脈硬化症、心不全、脳虚血(卒中)ならびに脂肪肝を治療または予防するための、上記で定義される医薬組成物に関する。
さらに、本発明による医薬組成物はまた、脂質小胞蓄積を低下する特性を有するので、本発明はまた、脂肪肝および脂質小胞蓄積を治療または予防するための医薬組成物に関する。
さらに、本発明による医薬組成物はまた、動脈壁の狭窄を低減する特性を有するので、本発明はまた、再狭窄を治療または予防するための医薬組成物に関する。
本発明はさらに、脂質代謝障害と関連している疾患、中でも、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、異常リポタンパク質血症、カイロミクロン血症、脂肪異栄養症および高血糖症の予防的または根治的治療のための医薬品を調製するための、上記で定義される式(I)の化合物の使用に関する。本発明はまた、これらの機能不全と関連している障害、特に、肥満症、II型糖尿病、インスリン抵抗性および耐糖能異常ならびに関連心血管疾患、中でも、心室機能不全を伴うか、伴わない拡張性および収縮性機能不全、アテローム性動脈硬化症、心不全、脳虚血(卒中)ならびに脂肪肝の予防的または根治的治療のための医薬品を調製するための、上記で定義される式(I)の化合物の使用に関する。
さらに、本発明による医薬組成物はまた、脂質小胞蓄積を低減する特性を有するので、本発明はまた、脂肪肝および脂質小胞蓄積の予防的または根治的治療のための医薬品を調製するための、上記で定義される式(I)の化合物の使用に関する。
さらに、本発明による式(I)の化合物はまた、動脈壁の狭窄を低減する特性を有するので、本発明はまた、再狭窄の予防的または根治的治療のための医薬品を調製するための、上記で定義される式(I)の化合物の使用に関する。
最後に、本発明はさらに、脂質代謝障害と関連している疾患、中でも、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、異常リポタンパク質血症、カイロミクロン血症、脂肪異栄養症および高血糖症を予防的または根治的に治療する方法に関する。本発明はまた、上記で定義される式(I)の化合物を個体に投与して、これらの機能不全と関連している障害、特に、肥満症、II型糖尿病、インスリン抵抗性耐糖能異常および関連心血管疾患、中でも、心室機能不全を伴うか、伴わない拡張性および収縮性機能不全、アテローム性動脈硬化症、心不全、脳虚血(卒中)ならびに脂肪肝を予防的または根治的に治療する方法に関する。
さらに、本発明による医薬組成物はまた、脂質小胞蓄積を低減する特性を有するので、本発明はまた、上記で定義される式(I)の化合物を個体に投与して、脂肪肝および脂質小胞を予防的または根治的に治療する方法に関する。
さらに、本発明による式(I)の化合物はまた、動脈壁の狭窄を低減する特性を有するので、本発明はまた、上記で定義される式(I)の化合物を個体に投与して、再狭窄を予防的または根治的に治療する方法に関する。
本発明をここで、以下の化合物の表および例に関連して、限定されない方法で例示する。
例1
[1−(2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル)−メチリデン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボヒドラジド(化合物1)の調製
Figure 2013513642
マグネチックスターリングを備えた乾燥三口フラスコ中に、5mlの無水DMF中に溶解した、176mgの市販の酸イミダゾール[1,2]ピリジン−6−カルボキシリックヒドラジド(1.0mmol)を入れる。
110μl(1.5mmol)のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を加えた後、溶液を周囲温度で10分間撹拌する。
この溶液に、182mg(1.0mmol)の4,6−ジメトキシルサリチルアデヒド(dimethoxylsalicyladehyde)を加え、媒体を周囲温度で24時間撹拌する。反応の進行は、出発材料の完全な消費まで、HPLC分析によってモニタリングする。溶媒を蒸発させた後、得られた固体残渣を、溶解したアセトニトリル中で結晶化し、酢酸エチルで洗浄し、再結晶化する。最終結晶をジエチルエーテルに溶解する。
精製された生成物、[1−(2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル)−メチリデン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボヒドラジド(化合物1)は、褐色を帯びた固体である(307mg、収率91%)。
融点=251〜253℃
RMN H(DMSO−d,300MHz)δ:3.77(s,3H),3.82(s,3H),6.14(s,2H),7.68(s,3H),8.10(s,1H),8.81(s,1H),9.21(s,1H),12.10(s,1H),12.34(s,1H)
MS(ESI)m/z:341.0[M+H]+。
例2
治療活性
2.1 細胞培養
細胞内小胞における脂質の取り込み(captation)および蓄積に対する本発明の化合物の効果を実証するために、永久細胞のいくつかの株を使用してもよい。これらの細胞は、リポタンパク質、改変リポタンパク質、酸化またはアセチル化された、例えば、トリグリセリドまたは遊離脂肪酸およびカイロミクロンを取り込むことができる。これらの細胞は、自身を泡沫細胞に形質転換する能力を有し、したがって、多くがアテローム生成表現型を示す。例として、リポタンパク質を含有する培地の存在下で、THP1、U937、KG1細胞または活性化され得、分化され得る任意のその他の細胞、例えば、内皮細胞、単球/マクロファージ、平滑筋細胞または脂肪細胞を使用することが可能である。
リポタンパク質または脂肪酸の特定の膜受容体を発現するよう遺伝子改変されているその他の種類の細胞を使用してもよい。
これらの膜受容体は、SRAI、SRAII、SRBI、CD36、LOX1または脂肪酸受容体ファミリーFABPのメンバーなどのタンパク質を含有するスカベンジャー分子のファミリーの一部を形成し得る。
本例では、化合物1の存在下または非存在下で、泡沫マクロファージの形成の際に観察される脂質小胞の形成と蓄積とを測定するために、濃度10−7Mのホルボール12−ミリステート−13−アセテート(PMA)の作用下で分化させたTHP1細胞種の細胞を使用した。
細胞を、CO2インキュベーター中、37℃で、1%、2%、5%もしくは10%の胎児ウシ血清(FCS)、100ユニット/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、200mMのL−グルタミンを含有するRPMI−1640培地中、またはNEM培地中、1,2 ar 5x10個細胞/mlの密度で96ウェルプレート中で培養する。培養培地は2日毎に置換する。
細胞内の脂質小胞の蓄積は、小胞を可視化するためにオイルレッドOタイプの蛍光マーカーを含有する溶液を使用し、PBS培地中のパラホルムアルデヒドを用いて固定した後のTHP1細胞を使用して測定した。小胞が豊富な細胞の像を、CCDカメラを備えた顕微鏡と分析に必要なソフトウェアとを使用して分析した。
THP1細胞EACC(5.10個細胞/ml)は、10%胎児ウシ血清(FCS)、200mMのL−グルタミン、100ユニット/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシン(5%CO2を含むインキュベーター中、37℃で、Invitrogen−life Technologies)を含有するRPMI−1640培地中で維持し、培養した。培地は、2〜3日毎に置換した。
THP1の分化を誘導するために、10−7のホルボール−12−ミリステート−13−アセテート(Sigma)を含有するその培養培地中で、1.25 10個細胞/ウェルを、96ウェル培養プレートのウェル中に、37℃、5%C02で24時間置いた。
分化したTHP1を続いて、試験される化合物(10−5Mから10−9Mの間の濃度)の存在下または非存在下でシアン化物−3(1.5μg/ml)を加えたoxLDLとともに37℃、5%CO2で24時間インキュベートした。4%パラホルムアルデヒドを用いて細胞を固定した後、Hoescht 33342(10μg/ml)を用いて周囲温度で20分間、核を標識した。2回洗浄した後、CCDカメラと一体になった蛍光顕微鏡を使用して、シアニン−3およびHoescht 33342の16画像/ウェルのシグナルをとった。各像を分析し、MetaMorphsoftware(Universal Imaging)を用いて定量化した。
化合物1を用いて得られた結果を図1および2に報告する。
これらの結果は、本発明の化合物が、細胞内脂質が詰まった小胞の形成を用量依存的に低減できることを明示する。
2.2−IP注射による前糖尿病性ラットの治療
化合物1のインビボ活性を試験するために雄の肥満のズッカー糖尿病肥満(ZDF(fa/fa)ラットを使用した。この動物モデルは、高血糖症とインスリン抵抗性とを発症している。
この例では、6週齢の雄の前糖尿病性ZDFラット(Charles River)に、ラット固形飼料および水を自由に与える。肥満のラットを、対照および処理群に分ける(サブグループあたりn=6)。
化合物1をPEG300に溶解し、10mg/kgの用量で、1日1回、3週間の間IP注射によって投与する。
グルコース血漿レベルは、グルコースオキシダーゼ法を使用する市販のキット(Sigma Chemical Co.)によって測定できる。得られた結果を図3に報告する。これらの結果は、化合物1が、糖尿病動物モデルにおいてグルコースの血漿レベルを大幅に低下することを明示する。
血清トリグリセリドのアッセイは、市販のキットを使用して酵素的に実施してもよい。要約すれば、トリグリセリドを、グリセロールと脂肪酸とを生成するようリパーゼで処理する。ATPの存在下で、グリセロールは、グルコキナーゼによって、グリセロール−3−リン酸に形質転換される。続いて、グリセロール−3−リン酸は、ジヒドロキシアセトンに形質転換され、過酸化水素水(H202)が生じ、過酸化水素水は、パラクロロフェノール、アミノ−4−アンチピリンおよびペルオキシダーゼの存在下でキノンイミンの形成によって検出され得る。続いて、キノンイミン呈色の強度を505nmで測定する。この呈色は、サンプル中に存在するトリグリセリドの量に比例する。得られた結果を図4に報告する。これらの結果は、化合物1が、IP注射によって投与された場合に、肥満および糖尿病動物モデルにおいて循環トリグリセリドを大幅に低下できることを明示する。
2.3 経口投与による前糖尿病性ラットの治療
例2.2に記載される実験プロトコールを使用して血糖およびトリグリセリドの血漿レベルに対する化合物の効果を評価するために、例2.2と同様の実験に従ってZDFラットを使用した。
化合物をPEG300に溶解し、一連の8ラットに2週間経口投与した。
化合物1を用いて得られた結果を、以下の表1および図5に報告する。
Figure 2013513642
これらの結果は、化合物1が、経口投与された場合に、肥満および糖尿病動物モデルにおいて循環トリグリセリドを大幅に低下できることを明示する。
例3
インビトロ遺伝子突然変異試験
遺伝子突然変異は、サルモネラ・チフィムリウムのアミノ酸要求株を使用してインビトロで評価できる。この試験のための種々のプロトコールが公開されている(Ames B.N.ら Mutation Res.1975年、31、347〜364頁およびGatehouse D.ら Mutation Res.1994年、312、217〜233頁)。この細菌逆突然変異試験の原理は、試験株中に存在する突然変異を復帰させ、細菌の必須アミノ酸を合成する機能を回復させる突然変異を検出するというものである。復帰変異体細菌は、親の試験株によって要求されるアミノ酸の不在下で増殖するその能力によって検出される。
本例では、TA100、TA98、TA102、TA1537およびTA1535において、種々の用量で遺伝子突然変異を検出するために、ガイドラインOECD TG471(すなわち、AMES試験)を使用した。
狭い間隔によって分離された、広範な濃度にわたる処理を、Aroclor1254誘導した動物に由来する代謝活性化(S−9)の非存在下と存在下の両方で実施した。化合物を無水分析等級ジメチルスルホキシド(DMSO)中で製剤し、使用した最高濃度は、予備細胞毒性距離測定実験(Range-Finder Experiment)に従って決定した。
得られた結果を、以下の表2に報告する。
Figure 2013513642
これらの結果は、化合物1が、WO2005/082882において開示される化合物CGP02−01と比較して突然変異活性を示さないことを明示する。

Claims (14)

  1. 一般式(I):
    Figure 2013513642
    [式中、
    およびRは、水素原子、アミノ基、ヒドロキシ基、C−C−アルコキシ、式(CH−(Y)−(CH−Zの基(式中、rおよびtは、0、1、2、3、4または5であるよう互いに独立に選択され;sは、0または1であり;Yは、酸素原子、アミノ基、カルボキシ基であるよう選択され、Zは、メチルもしくはエチル基などのC−C−アルキルまたはトリフルオロメチル基などの1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであるよう選択される)であるよう互いに独立に選択され;
    、RおよびRは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、C−C−アルケニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシまたはC−C−シクロアルキルであるよう互いに独立に選択され;
    は、水素原子、ヒドロキシ基またはC−C−アルキルであるよう選択され;
    、R、R、R10およびR11は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、−OR12または−COR12であるように互いに独立に選択され、ここで、R12は、アミノ基、C−C−アルキルまたは−NR1314を表し、ここで、R13およびR14は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、アリールラジカルであるように互いに独立に選択されるか、またはR13およびR14は、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルチオ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、C−C−アルケニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1〜5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシもしくはC−C−シクロアルキルから選択される1個もしくはさらなる置換基で任意に置換された3−、4−、5−もしくは6員の非縮合複素環を一緒になって形成してもよい]
    の化合物ならびにその薬学的に許容される塩。
  2. およびRが両方とも水素原子であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  3. 、RおよびRが水素原子であることを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
  4. が水素原子であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
  5. 、RおよびR11が、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基または−OR12であるよう互いに独立に選択され、ここで、R12が、メチルまたはエチルであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
  6. およびR10が、水素原子、ハロゲン原子またはヒドロキシ基であるよう互いに独立に選択されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
  7. [1−(2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル)−メチリデン]−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボヒドラジド。
  8. 以下の反応スキーム:
    Figure 2013513642
    [式中、R〜R11は、請求項1に定義のとおりである]
    に従って、請求項1から7のいずれかに記載の化合物を調製する方法であって、
    非プロトン性溶媒中、第三アミン塩基の存在下、0℃〜50℃の温度で実施される、方法。
  9. 有効成分として、薬学的に有効な量の請求項1から7のいずれかに記載の化合物を含む医薬組成物。
  10. 脂質代謝障害と関連している疾患を治療または予防するための請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、異常リポタンパク血症、カイロミクロン血症、脂肪異栄養症および高血糖症を治療または予防するための請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 肥満症、II型糖尿病、インスリン抵抗性、耐糖能異常または関連心血管疾患を治療または予防するための請求項10に記載の医薬組成物。
  13. 脂肪肝および脂質小胞蓄積を治療または予防するための請求項10に記載の医薬組成物。
  14. 再狭窄を治療または予防するための請求項10に記載の医薬組成物。
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