明 細 書
フエノキシピリジン誘導体又はその塩 技術分野
本発明は、医薬、殊に Na+/Ca2+交換体阻害薬として有用な新規フ:
ジン誘導体又はその塩、 及び該化合物を有効成分とする医薬に関する 背景技術
Na+/Ca2+交換体は、 細胞膜を介する Na+の電気化学的エネルギー勾配を利用し て、 細胞内 Ca2+濃度を調節するトランスポーターである。 通常、 心筋細胞にお いて Na+/Ca2+交換体は、 心拍ごとに筋小胞体から放出される Ca2+を細胞外へ汲 み出す主要な役割を担っている。 この Ca2+輸送の向きをフォワードモード (以 下、 「forward mode」 と言う。) と呼んでいる。 一方、 虚血 Z再灌流障害時等の細 胞内に Na+が蓄積する状況下では、 Ca2+を細胞外から流入させる主要な経路とし て働く。 この Ca2+輸送の向きをリパースモード (以下、 「reverse mode」 と言う。) と呼んでいる。
forward modeの阻害は、 細胞内 Ca2+濃度を上昇させることによって、 心機能 をはじめとする全身循環動態に影響を及ぼすと考えられている。 他方、 reverse modeは、 虚血 Z再灌流障害、 心不全、 腎不全、 不整脈時に引き起こされる Ca2+ 過剰流入の主要経路と考えられていることから、 reverse mode阻害薬は、 上記病 態の治療薬となる可能性が考えられる (非特許文献 1、 非特許文献 2 )。
従って、 forward modeに対する reverse modeの選択性を有する Na+/Ca2+交換体 阻害薬は、 正常心機能や全身循環動態に影響を与えない、 新規な虚血 Z再灌流 障害、 心不全、 腎不全、不整脈等の治療薬となりうるため、 forward modeに対す る reverse modeの選択性の高い、 Na+/Ca2+交換体阻害薬の開発が期待されている。
従来、 前記の Na+/Ca2+交換体阻害薬としては、 下記一般式 (I I ) で示される フエノキシピリジン誘導体又はその塩が日本国特許出願公開特開平 11-92454号 公報 (特許文献 1 ) に、 及び下記一般式 (I I I ) で示されるフエノキシピリ ジン誘導体又はその塩が日本国特許出願公開特開平 11-49752号公報 (特許文献 2 ) に開示されている。
(式中の記号は該公報参照)
上記特開平 11-92454号公報及ぴ特開平 11-49752号公報には、 いくつかのフヱ ノキシピリジン誘導体又はその塩が開示されているが、 いずれの公報にも本発 明化合物である一般式 (I ) で示される化合物、 即ち、 一般式 (I I ) におい て R3がピリジルである化合物、 及ぴ一般式 (I I I ) において Xがアミド結合 -ピリジル若しくはアミ ド結合-低級アルキレン-ピリジルである化合物について は、 何ら記載はない。 しかも、 上記の二つの公報においては、 記載の化合物の Na+/Ca2+交換体阻害活性については記載があるものの、 forward modeに対する reverse modeの選択 '["生については言及されていない。
また、 上記以外にも、 前記の Na+/Ca2+交換体阻害薬として、 2-フ工
リン誘導体が日本国特許出願公開特開 2000-355537号公報 (特許文献 3 )、 国際 公開 WO 99/20598号パンフレツト (特許文献 4 )、国際公開 WO 98/43943号パン フレット (特許文献 5 )及び日本国特許出願公開特開平 10-218844号公報 (特許 文献 6 ) に、 フエノキシアルキルアミン誘導体が日本国特許出願公開特開平 11-302235号公報 (特許文献 7 ) に、 イソチォゥレア誘導体が日本国特許出願公 開特開平 9-67336号公報 (特許文献 8 ) に、 キナゾリノン誘導体が日本国特許出
願公開特開平 7-41465号公報 (特許文献 9 ) に開示されている。 し力 し、 これら のいずれの公報にも、 本発明にかかるフエノキシピリジン誘導体については、 何らの記载もなく、 forward modeに対する reverse modeの選択性についても言及 されていない。
このような状況下、 forward modeに対する高い reverse mode舉択性を有し、 Na+/Ca2+交換体阻害作用を有する薬剤の開発が切望されている。
【非特許文献 1】 トシォマッダ ら (Toshio Matsuda et al.)、 「Na+-Ca2+ Exchanger: Physiology and PharmacologyJ、 ジヤノ ニーズ ンャーナノレ オフ ファーマコロジー (Japanese Journal of Pharmacology) , 日本国、 1997年、 第 74 卷、 ρ.1-20。
【非特許文献 2】ブラウシュタイン ら(Mordecai P. Blaustein et al.)、「Sodium I Calcium Exchange: Its Physiological Implications J、 フィン才口ンカノレ レビユース、 (Physiological Reviews)、ァメリ力合衆国、 1999年、第 79卷、第 3号、 p.763-854。
【特許文献 1】 日本国特許出願公開特開平 11-92454号公報
【特許文献 2】 日本国特許出願公開特開平 11-49752号公報
【特許文献 3】 日本国特許出願公開特開 2000-355537号公報
【特許文献 4】 国際公開 WO 99/20598号パンフレッ ト
【特許文献 5】 国際公開 WO 98/43943号パンフレッ ト
【特許文献 6】 日本国特許出願公開特開平 10-218844号公報
【特許文献 Ί】 日本国特許出願公開特開平 11-302235号公報
【特許文献 8】 日本国特許出願公開特開平 9-67336号公報
【特許文献 9】 日本国特許出願公開特開平 7-41465号公報 発明の開示
本発明者等は、 虚血 Z再灌流障害、 心不全、 腎不全、 不整脈に対する有効性 が期待できる Na +/Ca2+交換体阻害作用を有する化合物について、さらに鋭意研究 したところ、 本発明の新規なフエノキシピリジン誘導体又はその塩が Na+/Ca2+
交換体に対して優れた阻害作用を有し、さらに forward modeに対する高い reverse mode選択性を有することを見出し、 本発明を完成させたものである。
従って、 本発明は、 Na
+/Ca
2+交換体阻害薬として有用な、 下記一般式 (I ) で 示される新規なフエノキシピリジン誘導体
[式中の記号は以下の意味を示す。
Ar: フエニル若しくはチェニル。 なお、 これらの基は、 それぞれ置換されて いてもよい。
-A-: -NHCO-B-又は- CONH-B -。
-B-: 単結合又は低級アルキレン。
Pyr: 置換されていてもよいピリジル。
R1及び R2: 同一又は異なって、 1つ以上のハロゲンで置換されていてもよい低 級アルキル、 ハロゲン又は水素原子。
n: 0〜4の整数。
m: 0〜3の整数。
但し、 n又は mが 2以上の整数であるとき、それぞれの R1及び R2は異なってい てもよい。];
好ましくは、上記一般式( I ) において、 -A-が- NHCO-又は- CONHC¾-であり、 Pyrが置換されていてもよいピリジン- 3-ィル若しくはピリジン- 4-ィルである化 合物;
より好ましくは、 上記一般式 (I ) において、 -A-が- NHCO-又は- CONHC¾-で あり、 Pyrが置換されていてもよいピリジン- 3-ィノレ若しくはピリジン- 4-ィルで あり、 Arが置換されていてもよいフエニルである化合物;
さらに好ましくは、 上記一般式 (I ) において、 -A-が- NHCO-又は- CONHCHr であり、 Pvrが置換されていてもよいピリジン- 3-ィル若しくはピリジン- 4-ィルで
あり、 Arが置換されていてもよいフエニルであり、 n及び mが 0である化合物; 特に好ましくは、 上記一般式 (I ) で表される化合物のうち、
N-[(2-アミノピリジン- 4-ィル)メチル ]-6-{4-[(3-フルォロベンジル)ォキシ]フエノ キシ }ニコチンアミド、
N-(6-{4-[(3-フルォロベンジル)ォキシ]フエノキシ }ピリジン- 3-ィル) -4-メチルニ コチンアミ ド、
N-(6-{4-[(3-フルォ口べンジノレ)ォキシ]フエノキシ }ピリジン- 3-ィル) -4,6-ジメチ ルニコチンアミド、
N-[(2-Tミノピリジン -4-ィノレ)メチル] -6-(4-ベンジルォキシフエノキシ)二コチン アミ ド、
N-[(2-ァミノピリジン- 4-ィル) メチル] -6-{4-[(3,4-ジフルォロベンジル)ォキシ] フエノキシ }ニコチンアミ ド、
N-[(2-ァミノピリジン- 4-ィル)メチル ]-6-{4-[(4-フルォロベンジル)ォキシ]フエノ キシ }ニコチンアミド、
N-[6-(4-ベンジルォキシフエノキシ)ピリジン -3-ィノレ] -4-メチルニコチンアミ ド、 N-(6-{4-[(3-ク口口ベンジル)ォキシ]フエノキシ }ピリジン- 3-ィル) -4-メチルニコ チンアミド、
N-[(2-ァミノピリジン- 4-ィル)メチル] -6-{4-[(3-二ト口ベンジル)ォキシ]フエノキ シ}ニコチンアミ ド、
N-[(2-ァミノピリジン- 4-ィノレ)メチル] -6-{4-[(3-シァノベンジル)ォキシ]フエノキ シ}ニコチンアミド、
N-(6-{4-[(2-フルォロベンジノレ)ォキシ]フエノキシ }ピリジン- 3-ィル) -4-メチルニ コチンアミド、
N-(6-{4-[(4-フルォロベンジノレ)ォキシ]フエノキシ }ピリジン- 3-ィル) -4-メチルニ コチンアミ ド、
N-[(2-ァミノピリジン- 4-ィノレ)メチル] -6-{4-[(4-二ト口ベンジル)ォキシ]フエノキ シ}ニコチンアミド、
N-[(2-ァミノピリジン- 4-ィノレ)メチル -6-{4-[(3-トリフルォロメチルベンジル)ォキ シ]フエノキシ }ニコチンアミ ド、
N-(6-{4-[(2-クロロべンジノレ)ォキシ]フエノキシ }ピリジン- 3-ィル) -4-メチルニコ チンアミド、
N-(6-{4-[(2,5-ジフルォ口ベンジル)ォキシ]フエノキシ }ピリジン- 3-ィル) -4-メチ ノレニコチンアミ ド、
N-(6-{4-[(3,5-ジフルォロベンジル)ォキシ]フエノキシ }ピリジン- 3-ィル) -4-メチ ルニコチンアミ ド、
N-(6-{4-[(3,4-ジフルォ口ベンジル)ォキシ]フエノキシ }ピリジン -3-ィル) -4-メチ ルニコチンアミ ド、
N-[(2-ァミノピリジン- 4-ィル)メチル] -6-{4-[(3,5-ジフルォロベンジル)ォキシ] フエノキシ }ニコチンアミド、
N-[(2-ァミノピリジン- 4-ィル)メチル] -6-{4-[(2,4-ジフルォ口べンジノレ)ォキシ] フエノキシ }ニコチンアミ ド、 若しくは、
N-[(2-ァミノピリジン- 4-ィル)メチル] -6-{3-フルォ口- 4-[(3-フルォロベンジル)ォ キシ]フエノキシ }ニコチンアミ ド、
又はその製薬学的に許容される塩;あるいは、 これらのいずれかの化合物を有 効成分とする医薬組成物; Na+/Ca2+交換体阻害薬である医薬組成物;急性期及び 慢性期の腎疾患の治療及び/若しくは予防のための医薬組成物;糖尿病性腎症 の治療及びノ若しくは予防のための医薬組成物;あるいは、 心筋梗塞、 心不全 若しくは不整脈の治療及び/又は予防のための医薬組成物;に関する。
本発明のフエノキシピリジン誘導体は、 フエノキシピリジンのピリジン環 3 位に、 アミド結合又はアミド結合-低級アルキレンを介してピリジルが置換して いる点に構造上の特徴を有し、 この特徴により Na+/Ca2+交換体における forward modeに対する高レ、 reverse mode選択性が達成される。さらに、本発明化合物は、 Na+/Ca2+交換体阻害体に対する阻害作用を有する点に薬理上の特徴を有する。 本発明化合物についてさらに説明すると、 次の通りである。
本明細書の一般式の基の定義において、「低級」なる語は、特に断らない限り、 炭素数 1乃至 6個の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。 従って、 「低級アルキ ル」とは、 C1-6の直鎖又は分枝状のアルキルを意味し、具体的には例えばメチル、 ェチノレ、 プロピル、 イソプロピル.、 ブチル、 tert-プチル、 ペンチノレ、 ネオペンチ ル、 へキシルが挙げられ、 好ましくは、 C1-3アルキルのメチル、 ェチル、 プロピ ル、 イソプロピルである。 また、 「低級アルキレン」 とは、 C1-6の直鎖又は分枝 状のアルキレンを意味し、 具体的には例えばメチレン、 エチレン、 メチルメチ レン、 プロピレン、 ジメチノレメチレン、 ブチレン、 ペンチレン、 へキシレンが 挙げられ、好ましくは、 C1-3アルキレンのメチレン、エチレン、メチルメチレン、 プロピレン、 メチノレエチレン、 ジメチルメチレン、 ェチルメチレンである。
「ハロゲン」 としては、 フルォロ、 クロ口、 ブロモ及びョードが挙げられる。 従って 「1つ以上のハロゲンで置換されていてもよい低級アルキル」 とは、 置換 基を有さない上記低級アルキル (メチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル等) の他、 1つ以上の上記ハロゲンで置換されていてもよい上記低級アルキルを意味 し、 具体的には例えば、 フルォロメチル、 ジフルォロメチル、 トリフノレオロメ チノレ、 ト yフルォロェチル、 ペンタフノレオロェチノレ、 クロロメチノレ、 プロモメ チルが挙げられる。
Arにおける、 置換が許容された 「フエエル若しくはチェニル」 において許容 される置換基としては、 通常これらの環に置換することが許容される基であれ ばいずれでもよく、 具体的には例えばハロゲンで置換されていてもよい低級ァ ルキル、 ハロゲン、 シァノ、 ニトロが挙げられ、 好ましくはハ口ゲンで置換さ れていてもょレ、低級アルキル、 ハロゲンであり、 特に好ましくはメチル、 トリ フルォロメチル、 フルォロ、 クロ口である。 上記置換基は、 それぞれの環のい ずれの位置に結合していてもよく、 また許容される限り複数置換していてもよ レ、。 複数置換される場合、 それぞれの基は異なっていてもよい。
Pyrにおける 「置換されていてもよいピリジル」 及び 「置換されていてもよい ピリジン- 3-ィル若しくはピリジン- 4-ィル」において許容される置換基としては、
通常これらの環に置換することが許容される基であればいずれでもよく、 具体 . 的には例えばハロゲンで置換されていてもよい低級アルキル、 1つ又は 2つの低 級アルキルで置換されていてもよいァミノ、 ハロゲンが挙げられ、 好ましくは 低級アルキル、 低級アルキルで置換されていてもよいァミノ、 が挙げられ、 特 に好ましくはメチル、 ェチル、 ァミノ、 メチルァミノ、 ェチルァミノである。 上記置換基は、 それぞれの環のいずれの位置に結合していてもよく、 また許容 される限り複数置換していてもよい。 複数置換される場合、 それぞれの基は異 なっていてもよい。
本発明化合物には、 置換基の種類により、 アミド結合等に基づく幾何異性体 や互変異性体が存在する場合があるが、 本発明はこれらの異性体の分離された もの、 あるいはそれらの混合物をもすベて包含する。 また本発明化合物は、 置 換基の種類によっては、 不斉炭素原子を含む場合があり、 これに基づく光学異 性体が存在しうる。 本発明はこの光学異性体の混合物や単離されたものをすベ て包含する。 また、 本発明には、 本発明化合物を放射性同位元素でラベルイ匕し た化合物も包含される。
また、 本発明の化合物は、 酸付加塩を形成する場合もあり、 かかる塩が製薬 学上許容されうる塩である限りにおいて本発明に包含される。 具体的には、 塩 酸、 臭化水素酸、 ョゥ化水素酸、 硫酸、 硝酸、 リン酸等の無機酸や、 ギ酸、 酢 酸、 プロピオン酸、 シユウ酸、 マロン酸、 コハク酸、 フマル酸、 マレイン酸、 乳酸、 リンゴ酸、 酒石酸、 クェン酸、 メタンスルホン酸、 エタンスルホン酸、 P-トルエンスルホン酸、ァスパラギン酸又はグルタミン酸等の有機酸との酸付カロ 塩が挙げられる。 さらに、 本発明は、 本発明化合物及びその製薬学上許容され る塩の各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形を有する物質も包含する。 なお、 本発明の化合物には、 生体内において代謝されて前記一般式 (I ) を有する化 合物又はその塩に変換される化合物、 いわゆるプロドラッグもすベて包含され る。本発明のプロドラッグを形成する基としては、 Prog. Med. 5, 2157-2161, 1985. や、 廣川書店 1990年刊 「医薬品の開発」 第 7卷 分子設計 163-198に記載され
ている基が挙げられる (
本発明化合物及びその製薬学的に許容される塩は、 その基本骨格あるいは置 換基の種類に基づく特徴を利用し、 種々の公知の合成法を適用して製造するこ とができる。 以下に代表的な製造法を例示する。 なお、 官能基の種類によって は、 当該官能基を原料乃至中間体の段階で適当な保護基、 即ち容易に当該官能 基に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。 し かるのち、 必要に応じて保護基を除去し、 所望の化合物を得ることができる。 このような官能基として例えば水酸基やカルボ二ル基、 ァミノ基等を挙げるこ とができ、それらの保護基としては例えばグリーン(Greene)及びウッツ(Wuts) 著、 「Protective Groups in Organic Synthesis (third edition)」 (以下、 「PGOS」 とレヽ う。) に記載の保護基を挙げることができ、 これらを反応条件に応じて適宜用い ればよい。
(第一製法)
(式中、 Ar、 B、 Pyr、 R R
2、 n及ぴ mは前述の意味を示す。 Xは脱離基を、 PG
1はフエノール性水酸基の保護基を、 Yは脱離基若しくは水酸基を示す。 以下 同様。)
本製法は、 式 (g) で示される保護されていてもよいニコチン酸誘導体又はそ の反応性誘導体と、 式 (h) で示される保護されていてもよいアミン誘導体又は その塩とを常法によりアミ ド化し、 必要により保護基を除去することにより本 発明化合物 (1-1) を製造する方法である。
第五工程において、 化合物 (g) の反応性誘導体としては、 メチルエステル、 ェチルエステル、 tert-ブチルエステル等の通常のエステル;酸クロリ ド、 酸プロ ミ ド等の酸ハライド;酸アジド; N-ヒ ドロキシベンゾトリァゾール、 ρ-ニトロフエ ノールゃ N-ヒドロキシスクシンイミ ド等との活性エステル;対称型酸無水物; アルキル炭酸、 P-トルエンスルホン酸等との混合酸無水物が挙げられる。
また、 化合物 (g) を遊離酸で反応させるとき、 あるいは活性エステルゃ酸ハ ライドを単離せずに反応させるとき等は、 ジシクロへキシルカルポジイミ ド、 カルボエルジイミダゾール、 ジフエニルホスホリルァジド、 ジェチルホスホリ ルシア二ドゃ 1_ェチル _3-(3-ジメチルァミノプロピル)カルボジィミ ド塩酸塩等 の縮合剤を使用するのが好適である。
反応は使用する反応性誘導体や縮合剤によっても異なるが、 通常ジク口ロメ タン、 ジクロロェタン、 クロ口ホルム、 四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類; ベンゼン、 トルエン、 キシレン等の芳香族炭化水素類;エーテル、 テトラヒ ド 口フラン (THF)、 ジォキサン等のエーテル類;酢酸ェチル (EtOAc) 等のエス テル類; ァセトニトリル、 Ν,Ν-ジメチルホルムアミ ド (DMF) ゃジメチノレスノレ ホキシド (DMSO) 等の反応に不活性な有機溶媒中、 冷却下、 冷却乃至室温下、 あるいは室温乃至加熱下に行われる。
なお、 反応に際して、 化合物 (g) 若しくは化合物 (h) を過剰に用いたり、 N-メチルモルホリン、 トリメチルァミン、 Ν,Ν-ジメチルァ二リン、 ピリジン、 4-(Ν,Ν-ジメチルァミノ)ピリジン、 ピコリン、 ルチジン等の塩基の存在下に反応
させるのが反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。 また、 ピリジン塩 酸塩、 ピリジン P-トルエンスルホン酸塩、 N,N-ジメチルァニリン塩酸塩等の弱 塩基と強酸からなる塩を用いてもよい。 ピリジンは溶媒とすることもできる。 特に、 ァセトニトリル、 DMF等の溶媒中、 ピリジン、 Ν,Ν-ジメチルァニリン 等の塩基を用いて、 又はピリジンを溶媒として用いて反応させるのが好適であ る。
第五工程に用いられる原料化合物 (g) は、 上記反応式で示されるように、 式 (a)で示される 2位に脱離基を有するニコチノ-トリル誘導体の 2位を、式(b) で示される一方の水酸基が保護されているジヒドロキノン誘導体で置換するこ とにより式(c)で示されるフエノキシニコチノニトリル誘導体とし(第一工程)、 脱保護反応 (第二工程)、 フエノール性水酸基の求核置換反応 (第三工程)、 カロ 水分解反応 (第四工程) を経ることにより製造することができる。
第一工程の置換反応は、無溶媒で、 あるいは芳香族炭化水素類、エーテル類、 ハロゲン化炭化水素類、 DMF、 ジメチルァセトアミ ド、 N-メチノレピロリ ドン、 DMSO、 エステル類、 ァセトニトリル等の反応に不活性な溶媒、 又はメタノール
(MeOH)、 エタノール (EtOH)、 2-プロパノール等のアルコール系溶媒中、 ィ匕 合物 (a) と化合物 (b) とを等モル乃至一方を過剰量用い、 室温乃至加熱還流 下に行うことができる。 化合物によっては、 有機塩基 (好ましくは、 トリェチ ルァミン、ジィソプロピルェチルァミン、 N-メチルモルホリン、ピリジン、 4-(N,N- ジメチルァミノ)ピリジン) 又は金属塩塩基 (好ましくは、 炭酸カリウム、 炭酸 セシウム、 水酸化ナトリウム、 水素化ナトリウム) の存在下に行うのが有利な 場合がある。
脱離基を示す Xとしては、 ハロゲン、 メチルスルホニルォキシ、 P-トルエン スノレホニルォキシ、 トリフノレ才ロメタンスノレホニノレ才キシ、 メチルスルファ二 ル、 1H-ベンゾトリアゾール -1-ィルォキシ等が挙げられ、 好ましくはハロゲン、 メチノレスノレホニノレオキシ、 -トノレエンスルホニノレオキシである。
第二工程の脱保護反応は、 化合物 (c) の保護基の種類に応じて、 PGOSに記
載の反応条件を適宜用いればよい。 また、 その他の方法として、 例えば、 ベン ジルエーテル保護体において、 トリフルォロ酢酸等の強酸性溶液中、 ペンタメ チルベンゼンを作用させて脱保護する方法が挙げられる。
第三工程のフヱノール性水酸基の求核置換反応は、式(d)で示されるフエノー ル誘導体の、式(e)で示される Yを有する化合物に対する求核置換反応である。 Yが脱離基、例えばハロゲン、 メチルスルホ -ルォキシ、 P-トルエンスルホニル 才キシ、 トリフノレ才ロメタンスルホニノレオキシ、 メチルスルファニル、 1I-I-ベン ゾトリァゾール -1-ィルォキシ等を示す場合には、 通常の 0-アルキル化反応を用 いることができる。 好ましくは、 ァセトニトリル、 DMF、 DMSO、'エーテル類 等の反応に不活性な溶媒中、 化合物 (d) と化合物 (e) を等モル乃至一方を過 剰量用い、 冷却下、 冷却乃至室温下、 あるいは室温乃至加熱下に、 炭酸力リウ ム、 炭酸ナトリウム、 炭酸セシウム、 水酸ィ匕ナトリウム、 水酸化カリウム等の 塩基の存在下に行うことができる。
また、 Yが水酸基を示す場合には、 エーテル類、 DMF、 N-メチルピロリ ドン 等の非プロトン性の反応に不活性な溶媒中、 トリフエ-ルホスフィン等の有機 ホスフィン、 及ぴァゾジカルボン酸ジェチル、 ァゾジカルボン酸ジイソプロピ ル等のァゾジカルボン酸ジアルキルの存在下、 光延反応条件下にて行うことが できる (Synthesis, 1981, ppl) 。
第四工程の加水分解反応は、 シァノ基を加水分解してカルボキシル基に変換 する反応であればいずれの反応でも用いることができるが、 式 (f) で示される フニノキシニコチノ二トリル誘導体の他の官能基の性質を考慮して反応条件を 選択する必要がある。 好ましくは、 水、 アルコール系溶媒若しくはエーテル類 又はそれらの混合溶媒中、 冷却下、 冷却乃至室温下、 あるいは室温乃至加熱下 に、 水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム等の強塩基を作用させる方法を挙げる ことができる。
(第二製法)
(式中、 PG2はカルボキシル基の保護基を示す。 以下同様。)
また、 第一製法で用いられる原料化合物 (g) は、 上記反応式で示されるよう に、 化合物 (d) に対して、 加水分解反応 (第一工程)、 カルボキシル基の保護 反応 (第二工程)、 フ ノール性水酸基の求核置換反応 (第三工程)、 脱保護反 応 (第四工程) を経ることにより製造することもできる。
第一工程の加水分解反応は、 第一製法第四工程に準じて行うことができる。 第二工程の力ルポキシル基の保護反応は、 PGOSに記載のカルボキシル基の保 護反応を適宜用いることができる。 好ましくは、 メ トキシカルボニル、 ェトキ シカルボニル、 tert-ブトキシカルボニル等のアルコキシカルボ-ル基として保護 する方法を挙げることができ、 PGOSに記載の方法に準じて行うことができる。 第三工程のフエノール性水酸基の求核置換反応は、 第一製法第三工程に準じ て行うことができる。
第四工程の脱保護反応は、 化合物 (k) の保護基の種類に応じて、 PGOSに記 载の反応条件を適宜用いることができる。
(第三製法)
又はその反応性誘導体
本製法は、 式 (p) で示される保護されていてもよい 5-アミノビリジン誘導体 又はその塩と、 式 (q) で示される保護されていてもよいカルボン酸誘導体又は その反応性誘導体とを常法によりアミ ド化し、 必要により保護基を除去するこ とにより本発明化合物 (1-2) を製造する方法である。
第五工程において、 化合物 (q) の反応性誘導体としては、 前述のものが挙げ られ、 好ましくは酸ハライドである。 また、 本工程は、 第一製法第五工程に準 じて行うことができる。
第五工程に用いられる原料化合物 (p) は、 上記反応式で示されるように、 式 (1)で示される 2位に脱離基を有する 5-二ト口ピリジン誘導体の 2位を、式(b) で示される一方の水酸基が保護されているジヒ ドロキノン誘導体で置換するこ とにより式 (m) で示される 5-ニトロ- 2-フエノキシピリジン誘導体とし (第一 工程)、 脱保護反応 (第二工程)、 フ ノール性水酸基の求核置換反応 (第三ェ 程)、 還元反応 (第四工程) を経ることにより製造することができる。
第一工程の置換反応は、 第一製法第一工程に準じて行うことができる。
第二工程の脱保護反応は、 第一製法第二工程に準じて行うことができる。
第三工程のフエノール性水酸基の求核置換反応は、 第一製法第三工程に準じ て行うことができる。
第四工程の還元反応は、 二トロ基を還元してアミノ基に変換する反応であれ ばいずれの反応でも用いることができるが、 式 (0) で示される 5-ニトロ- 2-フエ ノキシピリジン誘導体の他の官能基の性質を考慮して反応条件を選択する必要 がある。 好ましくは、 水、 アルコール系溶媒若しくはエーテル類又はそれらの 混合溶媒中、室温乃至加熱下に、塩化アンモニゥム等のアンモユウム塩存在下、 還元鉄、 二塩化スズ等の還元性を有する金属を作用させる方法を挙げることが できる。
このようにして製造された本発明化合物は、 遊離のまま、 又は常法による造 塩処理を施しその塩として単離 '精製される。 単離 ·精製は抽出、 濃縮、 留去、 結晶化、 濾過、 再結晶、 各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を適用し て行われる。
各種の異性体は異性体間の物理化学的性質の差を利用して常法により単離で きる。 例えばラセミ化合物は、 例えば酒石酸等の一般的な光学活 I"生酸とのジァ ステレオマー塩に導き光学分割する方法などの一般的なラセミ体分割法により、 光学的に純粋な異性体に導くことができる。 また、 ジァステレオ混合物は、 例 えば分別結晶化又は各種クロマトグラフィーなどにより分離できる。 また、 光 学活性な化合物は適当な光学活性な原料を用いることにより製造することもで さる。 産業上の利用可能性
本発明の化合物及ぴその塩は forward modeに対して reverse mode選択的な Na+/Ca2+交換体阻害作用を有する。 即ち、 虚血 Z再灌流障害、 心不全、 腎不全、 不整脈時に引き起こされる Ca2+過剰流入を阻害する作用を有する。
従って、 本発明化合物はこれらの作用に基づき、 細胞内 Ca2+過剰流入抑制作 用により、 心筋梗塞、 狭心症、 心不全、 高血圧、 末梢動脈閉塞症、 上室性不整 脈、 心室性不整脈、 脳梗塞、 糖尿病、 血栓症、 急性期及び慢性期の腎疾患、 急 性腎不全、 慢性腎不全、 糖尿病性腎症、 骨粗鬆症の予防及び Z又は治療、 並び に、 血栓溶解療法、 血管形成術、 冠動脈バイパス手術及び臓器移植施行時の細 胞保護に有用である。
本発明化合物の薬理作用は以下の試験方法により確認された。
( 1 ) Na+/Ca2+交換体阻害試験
文献(Iwamoto, J. Biol. Chem. 1996, 271, pp2239l)記載の方法に準じて NCX 1.1 の高発現細胞を調整し、 前記文献記載の方法に準じて、 被験化合物の reverse mode阻害活性を測定した。 NCX 1.1発現細胞に I mM ゥヮバイン、 10 モ ネンシンを含む lO mM Tris / HEPES緩衝液(146 mM Na+、 pH 7.4)を加え、 37 °C で 30分間インキュベーションした。 目的濃度の被験化合物若しくは溶媒、 及び 0.1-4 mM (55.5 kBq / ml) の45 CaCl2、 I mM ゥヮバイン、 10 μ Μベラパミルを 含む Na-free 10 mM Tris I HEPES緩衝液 (pH 7.4) 若しくは 10 mM Tris I HEPES 緩衝液 (146 mM Na+、 pH 7.4) を加え、 10 mM LaCl3を含む ice-cold wash緩衝液 で洗浄した。 0.1 M水酸化ナトリゥム水溶液にて細胞を溶解し、放射活性を測定 した。 Na-free緩衝液を用いたときの値から 146 mM Na+緩衝液を用いたときの値 を差し引いて Ca2+ reverse mode活性とした。
NCX 1.1発現細胞を用いて、ィオノマイシンによる calcium killing assayによつ て被験化合物の forward mode阻害活性を測定した。 細胞の生死の判別にはクリ スタルバイオレツトを用いた。 この方法によって得られた化合物の阻害活性は、 前記文献記載の方法で得られた forward mode阻害活性値とよく一致した。
被験化合物は DMSO溶液とし、 その阻害効果は溶媒処置群と比較することに より評価した。 これらの試験結果を表 1に示す。
これらの試験結果を表 1に示す。
(表 1 )
表中、対照化合物とは、上記特許文献 1 (日本国特許出願公開特開平 11-92454 号公報) の実施例 24に開示されている化合物であり、 構造は以下に示すとおり である。
以上の結果から、 本発明化合物は NaVCa
2+交換体阻害活性を有し、 さらに forward modeに対する高い reverse modeの選択性を有するため、正常心機能や全 身循環動態に影響の極めて小さい、新規な虚血/再灌流障害、心不全、腎不全、 不整脈の治療薬及び Z又は予防薬として有用であることが示された。
( 2 ) ラット経口投与試験
24時間絶食させた 7週齢の S.D.系雄性ラットに、 0.5%メチルセルロース水溶 液に懸濁させた 30 mg/kgの被験化合物を経口投与した。 投与 2時間後あるいは 8 時間後にペントバルビタールナトリゥム麻酔下に下大動脈より採血した。 3000rpm で 15 分間遠心分離して得られた血漿画分の一定量を (1 ) 記載の Na+/Ca2+交換体 reverse mode阻害試験の系に添加し、 reverse mode阻害率を測定
した。各被験化合物の経口投与 2及ぴ 8時間後の血漿画分の reverse mode阻害率 を用いて経時変化曲線 (投与 0、 2、 8時間後の計 3点) を作成し、 曲線から阻 害率下面積 (AUC) を求めた。
これらの試験結果を表 2に示す。
(表 2 )
表中、対照化合物とは、上記特許文献 1 (日本国特許出願公開特開平 11-92454 号公報) の実施例 24に開示されている化合物であり、 表 1における対照化合物 と同一の化合物である。
以上の結果から、本発明化合物が良好な経口活性を有することが確認された。 特に、 対照化合物と比較し、 経口活性が大幅に向上したことは極めて意外であ り、 これは本発明化合物の特徴である、 フエノキシピリジンのピリジン環 3位 に、 アミド結合又はアミド結合-低級アルキレンを介してピリジルが置換してい ることにより達成されたものと考えられる。
( 3 ) 糖尿病性早期腎症モデルに対する効果
本発明化合物のストレブトゾトシン (STZ)誘発糖尿病性早期腎症モデルに対 する効果について検討した。
8週齢の Wistar系雄性ラット (日本チヤ一ルス · リバー) に STZ 50 mg/kgを ペントバルビタールナトリゥム麻酔下に静脈内投与し、糖尿病を惹起した。 STZ 投与翌日より、 0.5%メチルセル口ース水溶液に懸濁させた 30 mg/kgの被験化合 物を 1 日 2回 3週間経口投与した。 対照化合物として、 リシノプリル 10 mg/kg を 1 日 1回 3週間経口投与した。 STZ投与後翌日より 3週目に 24時間採尿を行 レ、、 尿中アルブミン含量を測定した。
これらの試験結果を表 3に示す。 なお、 数値は平均値土標準偏差 (各群にお ける個体数 1 1 - 1 4 ) で示し、 表中 「*」 は、 Vehicle群に対し危険率 5%にお ける検定で有意差を有することを示す。
(表 3 )
以上の結果から、 本発明化合物は糖尿病性早期腎症モデルにおいて優れた尿 中アルブミン漏出抑制効果を有し、 腎疾患の治療に有用であることが確認され た。
本発明の医薬は、 一般式 (I ) で示される本発明化合物の 1種以上と、 通常 製剤化に用いられる、 薬剤用担体、 賦形剤、 その他添加剤を用いて、 通常使用 されている方法によって調製することができる。 投与は錠剤、 丸剤、 カプセル 剤、 顆粒剤、 散剤、 液剤等による経口投与、 静注、 筋注等の注射剤、 又は坐剤、 経鼻、 経粘膜、 経皮などによる非経口投与のいずれの形態であってもよい。 本発明による経口投与のための固体組成物としては、 錠剤、 散剤、 顆粒剤等 が用いられる。 このような固体組成物においては、 1つ以上の活性物質が、 少な くとも 1つの不活性な希釈斉【)、 例えば乳糖、 マンニトール、 ブドウ糖、 ヒ ドロ キシプロピルセルロース、 ί教結晶セルロース、 デンプン、 ポリビニルピロリ ド ン、 メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。糸且成物は、常法に従つ て、 不活性な希釈剤以外の添加剤、 例えばステアリン酸マグネシウムのような 滑沢剤、 繊維素グリコ一ル酸カルシゥムのような崩壊剤、 ラタトースのような 安定化剤、 グルタミン酸又はァスパラギン酸のような溶解補助剤等を含有して いてもよい。 錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、 ゼラチン、 ヒ ドロキシプロピ ノレセノレロース、 ヒ ドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の糖衣又は
胃溶性若しくは腸溶性のフィルムで被覆してもよ!/、。
経口投与のための液体組成物は、 薬剤的に許容される乳濁剤、 溶液剤、 懸濁 剤、 シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、 例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、 懸濁剤のような補助剤、 甘味剤、 風味剤、 芳香剤、 防腐剤を含有していてもよ レ、。
非経口投与のための注射剤としては、 無菌の水性又は非水性の溶液剤、 懸濁 剤、 乳濁剤を含有する。 水性の溶液剤、 懸濁剤としては、 例えば注射用蒸留水 及ぴ生理食塩水が含まれる。 非水性の溶液剤、 懸濁剤としては、 例えばプロピ レングリコー/レ、 ボリエチレングリコール、 ォリーブ油のような植物油、 エタ ノールのようなアルコール類、 ポリソルベート 80等がある。 このような組成物 は、 さらに防腐剤、 湿潤剤、 乳化剤、 分散剤、 例えばラタトースのような安定 剤、 例えばグルタミン酸ゃァスパラギン酸のような溶解補助剤等のような補助 剤を含んでいてもよい。 これらは例えばバクテリァ保留フィルターを通す濾過、 殺菌剤の配合又は照射によつて無菌化される。 これらはまた無菌の固体組成物 を製造し、 使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもで さる。
通常経口投与の場合、 1 日の投与量は、体重あたり約 0.0001〜50 mg/kg、好まし くは約 0.001〜10 mg/kgが適当で、さらに好ましくは 0.01〜1 mg/kgが適当であり、 これを 1回であるいは 2乃至 4回に分けて投与する。静脈投与される場合は、 1日 の投与量は体重あたり約 0.0001〜1 mg/kg、好ましくは約 0.0001〜0.1 mg/kgが適 当で、 1日 1回乃至複数回に分けて投与する。投与量は症状、年齢、性別等を考慮し て個々の場合に応じて適宜決定される。 発明を実施するための最良の形態
以下、 実施例により本発明を具体的に説明するが、 本発明はこれらの実施例 により何ら制限されるものではない。 なお、 実施例において使用される原料化
合物には新規な物質も含まれており、 そのような原料ィヒ合物の公知物からの製 造法を参考例として説明する。
参考例 1
4-ベンジルォキシフエノール 3.00 gを DMF 20 mlに溶解し、 これに力リゥム tert-ブトキシド 2.02 gを加え、 室温にて 1時間攪拌した。 反応液に 2-ク口口- 5- シァノピリジン 2.18 gを加え、 100 °Cにて 2時間攪拌した。 反応液を冷却後、 氷水に注いで析出した結晶を濾取し、水で洗浄して、 2- [4- (ベンジルォキシ)フエ ノキシ] -5-シァノビリジン 4.47 gを得た。
FAB-MS(M+H)+; 303.
参考例 2
参考例 1の化合物 4.46 gをトリフルォロ酢酸 30 mlに溶解し、これにペンタメ チルベンゼン 6.56 gを加え、室温にて 7時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、 残渣に水とクロ口ホルムを加え、 析出した結晶を濾取し、 水とクロ口ホルムで 洗浄して、 5-シァノ -2-(4-ヒドロキシフエノキシ)ピリジン 2.61 gを得た。
FAB-MS(M+H)+; 213.
参考例 3
参考例 2の化合物 1.06 gをァセトニトリル 15 mlに溶解し、これに炭酸力リゥ ム 0.760 g、 3-フルォロベンジルプロミド 0.644 mlを加え、 80 °Cにて 3時間攪拌 した。 反応液を冷却後、 クロ口ホルムと水を加え分液操作を行った。 有機層を 無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、 減圧下溶媒を留去した。 得られた残渣を EtOHから再結晶し、 5-シァノ -2-{4-[(3-フルォ口ベンジル)ォキシ]フエノキシ }ピ リジン 1.42 gを得た。
得られた 5-シァノ -2-{4-[(3-フルォロベンジノレ)ォキシ]フエノキシ }ピリジン 1.40 gを EtOH 15 mlに懸濁し、 これに 5M水酸化ナトリウム水溶液 (NaOHaq) 8.7 mlを加え、 100 °Cにて 4時間攪拌した。 反応液を冷却後、 減圧下濃縮した。 得られた残渣に 2M塩酸水溶液 (HClaq) を加えて液性を酸性とし、 析出した結 晶を濾取し、水で洗浄して、 6-ί4-[(3-フルォロベンジル)ォキシ 1フエノキシ }ニコ
チン酸 1.51 gを得た。
以下、 上記参考例 3の方法と同様にして表 3に示す参考例 4〜 1 5を、 それ ぞれ対応する原料を使用して製造した。
なお、 表中の記号は以下の意味を示す (以下同様。)。
Rf:参考例番号、 Ex:実施例番号、
Salt:塩 (HC1:塩酸塩、 無記載:フリ一体。 )、
Data:物理化学的データ (MS: FAB-MS(M+H)+、 NMR: (CH3)4Siを内部標準と し、特に記載がない場合は DMSO- を測定溶媒とする 1H-NMRにおけるピー クの δ (ppm)。)、
Ar:—般式中の置換基 (Me:メチル、 Et:ェチル、 Ph:フエニル、 nitro:二ト 口、 cyano:シァノ、 Py: ピリジル、 di:ジ、 tri: トリ。 置換基の前の数字は 置換位置を示し、 従って、 例えば 3,5-diF-Phは 3,5-ジフルオロフヱニルを、 2-N(Me)H-4-Pyは 2-メチルァミノピリジン- 4-ィルを、 2-NH2-6-Me-5-Pyは 2- ァミノ- 6-メチルピリジン- 5-ィルを示す。)。
参考例 1 6
参考例 2の化合物 2.12 gを EtOH 20 mlに懸濁し、 これに 5M NaOHaq 20.0 ml を加え、 100 °Cにて 1 時間攪拌した。 反応液を冷却後、 減圧下濃縮した。 得ら れた残渣に 2M HClaqを加えて液性を酸性とし、析出した結晶を濾取し、水で洗 浄して、 6-(4-ヒドロキシフエノキシ)ニコチン酸 2.18 gを得た。
MeOH 30 mlを- 70°Cにて冷却した後、これに塩化チォニル 3.44 mlを滴下した。 反応液を- 70 °Cにて 10分間攪拌した後、先に得られた 6-(4-ヒドロキシフエノキ シ)ニコチン酸 2.18 gを加え、室温にて 13時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し た後、 得られた残渣に飽和炭酸水素ナトリ.ゥム水溶液を加えて液性を中性とし た。 反応液をクロロホルムで抽出し、 有機層を無水硫酸ナトリゥムで乾燥した 後、 減圧下溶媒を留去した。 得られた残渣を EtOAc-へキサンから再結晶し、 メ チル 6-(4-ヒ ドロキシフエノキシ)ニコチナート 1.50 gを得た。
FAB-MS(M+H)+; 246.
参考例 1 7
参考例 1 6の化合物 0.490 gをァセトニトリノレ 10 mlに溶解し、 これに炭酸力 リゥム 0.553 g、 3-二ト口ベンジルブ口ミ ド 0.518 gを加え、 80 。Cにて 5時間攪 拌した。 反応液を冷却後、 クロ口ホルムと水を加え分液操作を行った。 有機層 を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、 減圧下溶媒を留去した。 得られた残渣を EtOHから再結晶し、メチル 6-{4-[(3-二ト口ベンジル)ォキシ]フエノキシ }ニコチ ナート 0.900 gを得た。
得られたメチル 6-{4-[(3-二トロベンジル)ォキシ]フエノキシ }ニコチナート 0.900 gを MeOH 5 mlと THF 5 mlに溶解し、 これに 1M NaOHaq 4.0 mlを加え、 50 °Cにて 1時間攪拌した。反応液を冷却後、減圧下濃縮した。得られた残渣に 1M HClaqを加えて液性を酸性とし、析出した結晶を濾取し、水で洗浄した。得られた 結晶を EtOHから再結晶し、 6-{4-[(3-二トロベンジル)ォキシ]フエノキシ }ニコチ ン酸 0.470 gを得た。
以下、 上記参考例 1 7の方法と同様にして表 4に示す参考例 1 8〜 2 1を、 それぞれ対応する原料を使用して製造した。
(表 4 )
参考例 2 2
参考例 1 6の化合物 0.736 gを THF 10 mlに溶解し、 これにトリフエニルホス フィン 1.57 gを加え、 氷冷下、 チォフェン- 3-メタノール 0.685 g及ぴジェチルァ ゾジカルボキシラート 0.945 mlの THF溶液 10 mlを滴下し、室温にて 15時間攪 拌した。 反応液に EtOAc と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え分液操作を 行った。 有機層を飽和食塩水で洗浄し、 無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、 減 圧下溶媒を留去した。 得られた残渣をシリカゲル力ラムクロマトグラフィーに 付し、 へキサン- EtOAc (4:1) で溶出し、 メチル 6-{4- [(チオフェン -3-ィノレ)メ ト キシ]フエノキシ }ニコチナート 1.03 gを得た。
得られたメチル 6-{4- [(チォフェン- 3-ィル)メ トキシ]フエノキシ }ニコチナー ト 1.02 gを THF 10 mlに溶解し、 これに MeOH 0.179 ml及び 1M NaOHaq 4.4 ml を加え、 室温にて 6時間攪拌した。 反応液減圧下濃縮した後、 得られた残渣に lM HClaqを加えて液性を酸性とし、 析出した結晶を濾取し、 水で洗浄した。 得 られた結晶を EtOHから再結晶し、 6-{4- [(チォフェン- 3-ィル)メ トキシ]フ'エノキ シ}ニコチン酸 0.792 gを得た。
FAB-MS(M+H)+; 328.
参考例 2 3
2-フルォロ- 4-ヒドロキシァセトフエノン 0.771 gを DMF 15 mlに溶解し、これ に炭酸力リウム 1.04 g及び 2-ク口口- 5-シァノピリジン 0.762 gを加え、 80 °Cにで
2時間攪拌した。 反応液を冷却後、 水に注いで析出した結晶を濾取し、 水で洗浄
して、 4-[ (5-シァノピリジン- 2-ィル)ォキシ ] -2-フルォロアセトフエノン 0.968 g を得た。
FAB-MS(M+H)+; 257.
' 参考例 2 4
参考例 2 3の化合物 0.950 gをクロ口ホルム 15 mlに溶解し、 これにメタクロ 口過安息香酸 (mCPBA) 1.37 gを加え、 室温にて 17時間攪拌した。 反応液に mCPBA 2.29 gを加え、 室温にてさらに 6日間攪拌した。 不溶物を濾去し、 濾液 に氷冷下、 飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、 氷冷下で 1 時間攪拌した。 反 応液を分液し、 有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、 無水硫酸ナ トリゥムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去し、 4-[(5-シァノピリジン- 2-ィル)ォキ シ] -2-フルオロフェニノレ ァセタートを得た。
得られた 4-[(5-シァノピリジン- 2-ィノレ)ォキシ ]-2-フルオロフェニル ァセター トを MeOH 10 ml及び THF 10 mlに溶解し、 lMNaOHaq 5.6mlを加え、室温にて 30分間攪拌した。 反応液を減圧下濃縮した後、 得られた残渣に 1M HClaqをカロ えて液性を酸性とし EtOAcと水を加えて分液操作を行った。 有機層を飽和食塩 水で洗浄し、 無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、 減圧下溶媒を留去した。 得ら れた残渣をシリ力ゲル力ラムクロマトグラフィーに付し、へキサン- EtOAc (2:1) で溶出し、 5-シァノ -2-(3-フルォ口- 4-ヒ ドロキシフエノキシ)ピリジン 0.444 gを 得た。
FAB-MS(M+H)+; 231.
参考例 2 5
参考例 2 4の化合物 0.430gを参考例 3の方法と同様にして 6-{4-[(3-フルォロ ベンジル)ォキシ ]-3-フルオロフエノキシ }ニコチン酸 0.422 gを得た。
FAB-MS(M+H)+; 358.
参考例 2 6
2-クロ口- 5-二トロピリジン 19.8 gを参考例 1の方法と同様にして、 2- [4- (ベン ジルォキシフヱノキシ] -5-二トロピリジン 35.0 gを得た。
FAB-MS(M+H)+; 323.
参考例 2 7
2- [4- (ベンジルォキシ)フエノキシ] -5-二トロピリジン 1.20 gを参考例 2の方法 とと同様にして、 5-ニトロ- 2-(4-ヒ ドロキシフエノキシ)ピリジン 0.61 gを得た。
FAB-MS(M+H)+; 233.
参考例 2 8
2-(4-ヒドロキシフエニル) -5-二トロピリジン 5.81 gをァセトニトリル 60 mlに 溶解し、 これに炭酸力リゥム 5.18 g、 3-フルォロベンジルブ口ミド 3.37 mlを加 え、 80 °Cにて 2時間攪拌した。 反応液を冷却後、 クロ口ホルムと水を加え分液 操作を行った。 有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、 減圧下溶媒を留去 した。 得られた残渣を EtOHから再結晶し、 2-{4-[(3-フルォロベンジル)ォキシ] フエノキシ }-5-二トロピリジン 8.07 gを得た。
得られた 2-{4-[(3-フルォロベンジル)ォキシ]フエノキシ }-5-二トロピリジン 8.07 gを EtOH 100 mlに懸濁し、 これに鉄 6.62 g及び塩化ァンモニゥム 2.54 gの 水溶液 10 mlを加え、 90 °Cにて 3時間攪拌した。反応液に塩化アンモニゥム 2.54 gの水溶液 10 mlを加え、 90 °Cにてさらに 1時間攪拌した。 不溶物を濾去し、 濾 液を減圧下濃縮した。 得られた残渣をクロ口ホルムと NaOHaqを加え分液操作 を行い、 有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、 減圧下溶媒を留去した。 得られた残渣をシリカゲル力ラムクロマトグラフィ一に付し、 クロ口ホルム -MeOH (24:1) で溶出し、 5-ァミノ- 2-{4-[(3-フルォロベンジル)ォキシ]フエノキ シ}ピリジン 6.85 gを得た。
以下、 上記参考例 2 8の方法と同様にして表 5に示す参考例 2 9〜4 5を、 それぞれ対応する原料を使用して製造した。
(表 5 )
参考例 4 6
2-(4-ヒドロキシフエノキシ) -5-二トロピリジン 0.464 gを THF 10 mlに溶解し、 これにトリフエ-ルホスフィン 0.787 gを加え、 氷冷下、 チォフェン- 3-メタノー ル 0.343 g及びジェチルァゾジカルボキシラート 0.472 mlの THF溶液 5 mlを滴 下し、室温にて 23 時間攪拌した。 反応液を減圧下濃縮した後、 得られた残渣を MeOH から再結晶し、 5-ニトロ- 2-{4- [(チォフェン- 3-ィノレ)メ トキシ]フエノキシ } ピリジン 0.604 gを得た。
得られた 5-ニトロ- 2-{4- [(チォフェン- 3-ィノレ)メ トキシ]フエノキシ }ピリジン 0.835 gを EtOH 20 mlに懸濁し、 これに鉄 0.710 g及び塩化アンモニゥム 0.272 g の水溶液 2 mlを加え、 90 °Cにて 2時間攪拌した。 不溶物を濾去し、 濾液を減圧 下濃縮した。 得られた残渣をク口口ホルムと NaOHaq を加え分液操作を行い、 有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、 減圧下溶媒を留去した。 得られた 残渣をへキサン- EtOAcから再結晶し、 5-ァミノ- 2-{4- [(チォフェン- 3-ィル)メ トキ シ]フエノキシ}ピリジン 0.490 gを得た。
FAB-MS(M+H)+; 318.
参考例 4 7
MeOH 15 mlに 10%パラジウム担持炭素を 0.30 g加えた後、 2-(4-ヒドロキシ フエノキシ )-5-ニトロピリジン 6.40 gの EtO Ac溶液 20 mlを加え、水素雰囲気下、 室温にて 7時間撹拌した。 不溶物を濾去した後、濾液を減圧下濃縮し、 5-ァミノ -2-(4-ヒ ドロキシフエノキシ)ピリジン 5.53 gを得た。
FAB-MS(M+H)+; 203.
参考例 4 8
5-ァミノ -2-(4-ヒ ドロキシフエノキシ)ピリジン 1.50 gを DMF 20 mlに溶角 し、 これに氷冷下、 カリウム tert-プトキシド 0.999 gを加え、 続いて 2-二トロべンジ ルブロミ ド 1.60 gを加え、 室温にて 1時間撹拌した。 反応液に水と EtOAcを加 え分液操作を行い、 有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、 減圧下溶媒 を留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ一に付し、 クロ口ホル ム -MeOH (100:3) で溶出し、 5-ァミノ- 2-{4-[(2-二ト口ベンジル)ォキシ]フエノキ シ}ピリジン 1.86 gを得た。
FAB-MS(M+H)+; 338.
以下、 上記参考例 4 8の方法と同様にして表 6に示す参考例 4 9〜 5 0を、 それぞれ対応する原料を使用して製造した。
参考例 5 1
2-ク口口- 5-二トロピリジン 1.66 gを参考例 2 3の方法と同様にして、 2-フルォ 口- 4-[(5-二トロピリジン- 2-ィル)ォキシ]ァセトフエノン 2.65 gを得た。
FAB-MSCM+H)+; 277.
参考例 5 2
4-[(5-二トロピリジン- 2-ィノレ)ォキシ ]-2-スルォロアセトフエノン 2.61 gを参考 例 2 4の方法と同様にして、 2-(3-フルォ口- 4-ヒ ドロキシフエノキシ) -5-二トロピ リジン 1.47 gを得た。
FAB-MS(M+H)+; 251.
参考例 5 3
2-(3-フルォ口- 4-ヒ ドロキシフエノキシ) -5-二トロピリジン 0.500 gを参考例 2 8の方法と同様にして 5-ァミノ- 2-{4-[(3-フルォロベンジル)ォキシ ]-3-フルォロ フエノキシ }ピリジン 0.515 gを得た。
FAB-MS(M+H)+; 329.
参考例 5 4
2-クロ口イソニコチン酸 8.67 g とアンモニア水 76.5 ml をスチール封管中 240 °Cにて 24時間攪拌した。 反応液を冷却後、 減圧下濃縮して、 2-ァミノイソ ニコチン酸を得た。得られた 2-ァミノイソニコチン酸を MeOH lOO mlに溶解し、 これに氷冷下、 濃硫酸 10.0 mlを加え、 加熱環流下、 18時間攪拌した。 反応液を 冷却後、約半量になるまで減圧下濃縮した。反応液に 2M炭酸ナトリゥム水溶液 を加えて液性を塩基性とし、 クロ口ホルムにて抽出操作を行った。 有機層を無 水硫酸ナトリゥムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣に EtOAc とジェチルエーテルを加え、 析出した沈殿を濾取して、 メチル 2-ァミノイソ- コチナ一ト 6.30 gを得た。
FAB-MS(M+H)+; 153.
参考例 5 5
参考例 5 4の化合物 5.97 gを tert-ブタノール 55mlに懸濁し、 これにジ tert- ブチル ジカルボナート 10.3 gを加え、 60 °Cにて 24時間攪拌した。 反応液を冷 却後、 析出した結晶を濾取して、 メチル 2-[(tert-ブトキシカルボニル)ァミノ]ィ ソニコチナート 8.62 gを得た。
FAB-MS(M+H)+; 253.
参考例 5 6
参考例 5 5の化合物 8.83 gを EtOH 140 mlに懸濁し、 これに氷冷下、塩化カル シゥム 5.83 g及ぴ水素化ホウ素ナトリウム 3.97 gを加え、 室温にて 3時間攪拌 した。 反応液に水及ぴ 2-ブタノンを加え、 不溶物を濾去した。 濾液に飽和食塩 水を加え、 分液操作を行った。 有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、 減 圧下溶媒を留去した。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに 付し、 クロ口ホルム- MeOH (24:1) で溶出し、 tert-ブチル [4- (ヒドロキシメチル) ピリジン- 2-ィノレ]力ルバマート 6.95 gを得た。
FAB-MS(M+H)+ ; 225.
参考例 5 7
参考例 5 6の化合物 6.95 gを THF 70 mlに溶解し、 これに氷冷下、 トリェチ ルァミン 5.18 ml及ぴメタンスルホニルクロリ ド 2.64 mlの THF溶液を滴下し、 室温にて 15分間攪拌した。反応液に EtOAcと水を加えて分液操作を行った。有 機層を飽和食塩水で洗浄し、 無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、 減圧下溶媒を 留去して、 tert-ブチル [4- (メタンスルホ二口キシメチル)ピリジン- 2-ィル]カルパ マートを得た。
得られた tert-プチル [4- (メタンスルホニ口キシメチル)ピリジン -2-ィル]カル バマートを DMF 100 mlに溶解し、 これにフタルイミドカリウム 6.32 gを加え、 50 °Cにて 30分間攪拌した。 反応液を冷却後、 水を加えて析出した結晶を瀘取 して、 tert-ブチル {4-[(1,3-ジォキソ -1,3-ジヒ ドロ- 2H-イソインドール- 2-ィノレ)メ チル]ピリジン- 2-イノレ}力ルバマート 10.4 gを得た。
FAB-MS(M+H)+ ; 354.
参考例 5 8
参考例 5 7の化合物 10.4 gを MeOH 100 ml及ぴク口口ホルム 30 mlに溶解し、 これにヒドラジン一水和物 7.17 mlを加え、 室温にて 16時間攪拌した。 析出し た不溶物を濾去し、 濾液にクロ口ホルムと 0.5M NaOHaqを加えて分液操作を 行った。 有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、 減圧下溶媒を留去した。
得られた残渣を EtOH-水から再結晶して、 tert-ブチル [4- (ァミノメチル)ピリジン -2-ィノレ]力ルバマー ト 5.77 gを得た。
FAB-MS(M+H)+; 224.
参考例 5 9
参考例 5 8の化合物 5.77 gを 1,4-ジォキサン 40 mlに溶解し、 これに氷冷下、 濃塩酸 21.5 mlを加え、 室温にて 8時間攪拌した。 反応液を減圧下濃縮し、 得ら れた残渣に 95%EtOH水溶液を加え、 加熱環流下 10分間攪拌した。 反応液を冷 却後、結晶を濾取して、 2-ァミノ -4- (ァミノメチル)ピリジン-塩酸塩 4.85 gを得 た。
FAB-MS(M+H)+; 124.
実施例 1
4-アミノメチルピリジン 1.41 gを THF 60 mlに溶解し、これに氷冷下、 6-{4-[(3- フルォロベンジノレ)ォキシ]フエノキシ }ニコチン酸 4.63 g、 1-ヒドロキシベンゾト リァゾール 0.878 g、 1-(3-ジメチルァミノプロピル) -3-ェチルカルポジィミド塩酸 塩 2.74 gを加え、 室温で 2時間攪拌した。 反応液に EtOAcと NaOHaqを加え分 液操作を行い、 有機層を飽和食塩水で洗浄し、 無水硫酸ナトリウムで乾燥した 後、 減圧下溶媒を留去した。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトダラ フィ一に付し、クロ口ホルム- MeOH (23:2)で溶出し、溶出部を減圧下濃縮した。 得られた残渣を EtOAc 50 mlに溶解し、 これに氷冷下、 4M HCl-EtOAc溶液 3.58 mlを加え、減圧下濃縮した。得られた残渣を EtOAc-EtOHから再結晶し、 6-{4-[(3- フルォ口ベンジル)ォキシ]フエノキシ} -N-[(ピリジン- 4-ィル)メチノレ]ニコチンァ ミド塩酸塩 5.17 gを得た。
以下、 上記実施例 1の方法と同様にして表 7に示す実施例 2〜 2 5を、 対応 する原料を使用して製造した。
なお、 表中の記号は以下の意味を示す (以下同様。)。
R R
2:一般式中の置換基 (The:チェニル。 置換基の前の数字は置換位置を示 し、 従って、 例えば 3-Theはチォフェン- 3-ィルを示す。)。
(表 7続き)
実施例 2 6
5-ァミノ- 2-{4-[(3-フルォロベンジノレ)ォキシ]フエノキシ }ピリジン 0.248 gをク ロロホルム 5 mlに溶解し、 これに氷冷下、 ニコチノイルクロリ ド塩酸塩 0.157 g を加え、室温にて 1時間攪拌した。反応液中にニコチノイルクロリ ド塩酸塩 0.057 gを加え、室温にてさらに 15時間攪拌した。反応液中に析出した結晶を濾過し、 クロ口ホルムで洗浄した。 得られた結晶を EtOH-MeOH から再結晶し、 N-(6-{4-[(3-フルォ口ベンジル)ォキシ]フエノキシ }ピリジン -3-ィノレ)ニコチンァ
ミド塩酸塩 0.273 gを得た。
以下、 上記実施例 2 6の方法と同様にして表 8に示す実施例 2 7〜 5 1を、 対応する原料を使用して製造した。
Ex
Data
(Salt)
NMR:5.14 (2H,s), 7.02-7.10 (5H,m),
7.15-7.20 (1H,m), 7.29-7.32 (2H,m),
7.43-7.48 (1H,m), 7.87-7.90 (1H,m), 8.22
26
(1H,dd), 8.52 (1H,d), 8.68-8.71 (1H,m),
(HCI)
8,93 (1H,d), 9.33 (1H,s), 10.94-10.96
(1H,m).
MS:416.
NMR:2.75 (3H,s), 5.14 (2H,s), 7.02-7.10
(5H,m), 7.14-7.19 (1H,m), 7.29-7.32
Ar:3-F-Ph
27 (2H,m), 7.43-7.48 (1H,m), 7.87 (1H,d), R1:H
(HCI) 8,23 (1H,dd), 8.53 (1H,d), 8.75 (1H,brs),
R2:2-Me-5-Py
9,32 (1H,s), 11.04 (1H,s).
MS:430.
NMR:2.59 (3H,s), 5.14 (2H,s), 7.03-7.09
(5H,m), 7.15-7.19 (1H,m), 7.29-7.32
Ar:3-F-Ph
28 (2H,m), 7.43-7.48 (1H,m), 7.82 (1H,d), R1:H
(HCI) 8.19 (1H,dd), 8.45 (1H,d), 8.78 (1H,brs),
R2:4-Me-3-Py
8.98 (1H,s), 10.99 (1H,s).
MS:430.
NMR:2.58 (3H,s), 2.70 (3H,s), 5.14 (2H,s), 7.02-7.09 (5H,m), 7.15-7.19 (1H,m),
Ar:3-F-Ph
29 7.29-7.32 (2H,m), 7.43-7.48 (1H,m), 7.79 R1:H
(HCI) (1H,s), 8.19 (1H,dd), 8.45 (1H,d
R2:2,4-diMe-5-Py ), 8.78
(1H,brs), 8.93 (1H,s), 11.02 (1H,s).
MS:444.
NMR:2.57 (3H,s), 5.11 (2H,s), 7.00-7.09
Ar:Ph (5H,m), 7.32-7.50 (5H,m), 7.77 (1H,d),
30
R1:H 8.18 (1H,dd
(HCI) ), 8.43 (1H,d), 8.75 (1H,d),
R2:4-Me-3-Py 8.94 (1H,s), 10.89 (1H,s).
(表 8
以下、 表 9 1 1に本発明の別の化合物の構造を示す。 これらは、 上記の製 造法や実施例記載の方法及び当業者にとつて自明である方法、 又はこれらの変 法を用いることにより容易に合成することができる。
なお、 表中の記号は以下の意味を示す。
No:化合物番号。
Β R
12 R
21 A Pyr:一般式中の置換基。
(6拏)
8£
C66.00/C00Zdf/X3d £18000請 OAV
(o τ挲)
6£
C66.00/£00Zdf/X3d £18000/^00^ OAV
(表 1 1 )
No Ar A Pyr
C1 3-F-Ph CONH 4-Me-3-Py
C2 3-F-Ph CONH(CH2)2 4-Me-3-Py
C3 3-F-Ph CONH(CH2)3 4-Me-3-Py
C4 3-F-Ph CONH(CH2)4 4-Me-3-Py
C5 3-F-Ph CONH(CH2)5 4-Me-3-Py
C6 3-F-Ph CONH(CH2)6 4-Me-3-Py
C7 3-F-Ph NHCOCH2 4-Me-3-Py
C8 3-F-Ph NHCO(CH2)2 4-Me-3-Py
C9 3-F-Ph NHCO(CH2)3 4-Me-3-Py
C10 3-F-Ph NHCO(CH2)4 4-Me-3-Py
C11 3-F-Ph NHCO(CH2)5 4-Me-3-Py
C12 3-F-Ph NHCO(CH2)6 4- e-3-Py
C13 3-F-Ph CONH 2,4-di e-5-Py
C14 3-F-Ph CONH(CH2)2 2,4-diMe-5-Py
C15 3-F-Ph CONH(CH2)3 2,4-diMe-5-Py
C16 3-F-Ph NHCOCH2 2,4-diMe-5-Py
C17 3-F-Ph NHCO(CH2)2 2,4-diMe- 5-Py
C18 3-F-Ph NHCO(CH2)3 2,4-diMe-5-Py
C19 3-F-Ph CONH 2-NH2-4-Py
C20 3-F-Ph CONH(CH2)2 2-NH2-4-Py
C21 3-F-Ph CONH(CH2)3 2-NH2-4-Py
C22 3-F-Ph NHCOCHz 2-NH2-4-Py
C23 3-F-Ph NHCO(CH2)2 2-NH2-4-Py
C24 3-F-Ph NHCO(CH2)3 2-NH2-4-Py