JP4240866B2 - 光学部品研磨方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学ガラス等の光学材料からなる光学素材を研磨して光学部品を作成する光学部品研磨方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、円筒面状の反射面を有するシリンドリカルミラーや、円筒面状のレンズ面を有するシリンドリカルレンズなどの光学部品の円筒面を形成する方法として、図6に示すリセス皿を使用する方法が知られている。図6は、従来のリセス皿の全体構成を示す図である。また、図7は、図6に示す従来のリセス皿によりシリンドリカルミラーを研磨する手順を説明する拡大断面図である。
【0003】
この方法では、図6(A)の正面図及び図6(B)の上面図に示すように、基材15上にリブ12a〜12hと保持底面13a〜13gが設けられたリセス皿11によって光学素材Wを保持し、研磨具89により光学素材Wの1側面の研磨を行って円筒面を形成する。シリンドリカルミラーの場合には、形成された円筒面上に化学的メッキ法や、真空蒸着等の物理的薄膜形成方法により、銀(Ag)等の反射面を形成する。
【0004】
上記のリセス皿11は、基材15の上面に外部に向って凹となる円筒面を有し、この円筒面上には、8個のリブ12a〜12hが設けられている。リブ12a〜12hは、円筒の中心軸線と平行となるように複数並設されている。
【0005】
また、図7(A)に示すように、リセス皿11の横断面においては、円筒面の外方へ放射状に突出した壁状となっている。また、各リブ12d、12eは、第1保持壁面14d2と、斜面14e1aと、第2保持壁面14e1bを有している。斜面14e1a等の傾斜角は、θ1に設定されている。第1保持壁面14d2、第2保持壁面14e1bは、円筒面の中心軸に向う平面を形成している。また、リブ12d、12eの長手方向は、円筒面の中心軸に平行な方向に、すなわち図7における紙面の手前と奥を結ぶ方向に直線状に延びている。また、基材15と各リブ12a〜12hは、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料により形成されている。
【0006】
これらのリブのうち隣接する一対のリブにより円筒面が区画され、7個の保持底面13a〜13gが形成されている。したがって、リセス皿11には、隣接する一対のリブの側壁面を内側壁とし、この隣接する一対のリブに挟まれた底面を内底面とする溝状の空間(以下、「保持空間」という。)が7個形成されている。各保持空間の幅はすべて等しく設定されている。
【0007】
また、光学素材Wは、クラウン系ガラス、フリント系ガラス等の光学ガラスを含む光学材料からなり、粗加工により略四角柱状に形成され、表面粗さも所定レベルに調整されている。この光学素材Wの1側面S1(以下、「被研磨面」という。)が円筒面状に研磨される。
【0008】
図7は、上記したリセス皿11の中央のリブ12d、12e付近の拡大断面図である。図に示すように、光学素材Wの被研磨面S1と、被研磨面S1に背向する側面S2(以下、「下側面」という。)の幅は、保持底面(例えば13d)の幅よりも微少な余裕代aだけ小さく設定されている。
【0009】
研磨具89の研磨面89Pは、図6(A)に示すように、円筒面状に形成されている。また、光学素材Wの被研磨面S1が円筒面状に研磨された時点では、研磨面89Pの円筒面を構成する円の中心(図示せず)が、リセス皿11の円筒面を構成する円の中心(図示せず)と合致するように設定されている。
【0010】
上記のリセス皿11と研磨具89により光学素材Wの表面を円筒面状に研磨するためには、まず、図7における光学素材Wの4側面のうち被研磨面S1に隣接する2側面の一方の側面S3(以下、「第1素材側面」という。)に接着剤を塗布し、光学素材Wを保持空間、例えば、図7におけるリブ12d、12eと保持底面13dにより形成される保持空間に挿入する。この場合、保持用の接着剤は、液体状の剥離剤の中への浸漬により溶解可能な材料により構成されている。
【0011】
次に、クサビ状部材51の頭部54を、例えば他の部材を介して金槌や木槌等によって衝打することにより、リブの斜面(例えば14e1a)と、光学素材Wの4側面のうち被研磨面S1に隣接する2側面の他方の側面S4(以下、「第2素材側面」という。)との間に、クサビ状部材51を差し込む(図7(B)参照)。この際、クサビ状部材51の斜面52がリブの斜面(例えば14e1a)と密接し、クサビ状部材51の押圧面53は光学素材Wの第2素材側面S4と密接するように配置される。
【0012】
このようにすると、クサビ状部材51の斜面52と押圧面53とがなす角度はθ1に設定されているから、クサビ状部材51は、リブの斜面(例えば14e1a)と光学素材Wの第2素材側面S4との間の空間に差し込まれた「クサビ」として作用する。したがって、クサビ状部材51を図7(B)の下方へ押し込んでいくと、クサビ状部材51の押圧面53は、光学素材Wの第2素材側面S4を図7(B)における左方向へ押圧する。
【0013】
これにより、光学素材Wの第1素材側面S3は、リセス皿11の保持空間の内壁面の一方を構成するリブ内面である第1保持壁面(例えば14d2)に押し付けられる。光学素材Wの第1素材側面S3には接着剤が塗布されているから、光学素材Wの第1素材側面S3は、第1保持壁面(例えば14d2)に接着され保持される。
【0014】
上記のようにしてリセス皿11の各保持空間に光学素材Wを保持させた後は、接着された下側面S2に背向する光学素材Wの被研磨面S1が円筒面に沿って露出するから、この被研磨面S1上に研磨具89の研磨面89Pを当接させ、図6(A)に示すように、研磨面89Pの円筒面を構成する円の中心(図示せず)を揺動中心として揺動させ、なおかつリセス皿11を光学素材Wの長手方向と平行にスライド移動させて、研磨剤を加えることにより、光学素材Wの被研磨面S1を円筒面状に研磨する。研磨は、一般的には、「スムージング」、「磨き」の2段階で行われる。
【0015】
「スムージング」は、粗加工で生じた表面の粗さをより細かくし、寸法を最小精度内に入れるための工程であり、酸化アルミニウムや炭化ケイ素などからなる砥粒と水を加えながら研磨機により加工面を摺り合せることにより研磨する「砂かけ」や、ダイヤモンド砥粒をボンドで結合させ小円板状に形成したペレット砥石に水又は研削液を加えつつ研磨機により摺り合せる「ダイヤモンドスムージング」が行われる。
【0016】
「磨き(ポリッシング)」は、加工面を光学鏡面に仕上げるとともに、その寸法及び形状を最終精度内に入れるための工程であり、酸化第二鉄、酸化セリウムあるいは酸化ジルコニウム等の微粉を含む水スラリーを加工面に塗布、又は循環させつつ研磨機によって摺り合せることにより研磨が行われる。
【0017】
このように、研磨工程においては、順次研磨粗さが細かくなり、最終段階の磨き工程において被研磨面S1は精度の高い光学面S5に仕上げられる。
【0018】
研磨が終了した後は、研磨された光学面S5の形状を測定し、所定の精度が確認された場合は、光学素材Wをリセス皿11から取出す。取出す場合には、光学素材Wを保持させたリセス皿11を剥離剤の中に浸漬し、接着剤を溶解させることにより光学素材Wを取り出す。
【0019】
シリンドリカルミラーを用いた最近の光学機器、例えばカラープリンタやカラー複写機等は、レーザービームをポリゴンミラーで走査して感光体に照射して、走査線に沿った感光体の露光を行っている。このような光学機器において最近では、Y(黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)、B(黒)の色ズレに対して許容される誤差が非常に厳しくなっている。つまり複数色の画像を感光体の全面で精度良く位置合わせを行う必要がある。しかしながら、レンズやポリゴンミラーなどの光学系部材の誤差等に起因して、走査線の直線性が低下し、「BOW(ボウ)」と呼ばれる歪みが発生し、精度良く位置合わせを行うことができず、色ズレを除去することが困難であるという問題が生じている。このBOWによる歪みへの対策として、BOWの誤差を吸収するために光学系、特にシリンドリカルミラーをBOWとは逆方向に湾曲させて調整配置する方法が提案されている(特開平8−146325号公報、特開2000−180778号公報等)。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術の場合、シリンドリカルミラーを光学機器内に組み込んだ後に組立調整が必要となるため、作業が繁雑でなおかつ光学機器内に別途調整機構を形成しなければならず、装置が大掛かりになる、という不具合が生じる。
【0021】
そこで本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、装置に組み込む前から光学機器内のBOWを相殺するような所望のBOWを有するシリンドリカルミラー等の光学部品を得るために、研磨面に所望のBOW歪みを形成させることができる光学部品研磨方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る光学部品研磨方法は、
凹又は凸の円筒面の上に前記円筒の中心軸線と平行となるように複数のリブを並設した研磨用保持具の、前記リブのうち隣接する一対のリブが形成する保持空間内に、光学材料からなり略四角柱状に形成された光学素材を保持させる保持工程と、
前記光学素材の4側面のうち前記円筒面に沿って露出した1側面である被研磨面を研磨する研磨工程と、
研磨が終了した前記光学素材を前記研磨用保持具から取り外す離脱工程を有する光学部品研磨方法において、
前記保持工程においては、前記光学素材の4側面のうち前記被研磨面に隣接する2側面の一方である第1素材側面の長手方向における両端付近の箇所を、第1押付手段により、前記一対のリブの面のうち前記第1素材側面と対向するリブ内面である第1保持壁面から離れる方向に押し付け、次いで、前記光学素材の4側面のうち前記被研磨面に隣接する2側面の他方である第2素材側面の長手方向における中央付近の箇所を、第2押付手段により、前記一対のリブの面のうち前記第2側面と対向するリブ内面である第2保持壁面から離れる方向に押し付け、前記各挿入部材の付近を接着剤により接着し、次いで前記研磨行程を行うことにより、前記円筒の中心軸線に対して湾曲する円筒面状の研磨面を形成すること
を特徴とする。
【0023】
上記の光学部品研磨方法において、好ましくは、前記第1押付手段は、前記第1素材側面と前記第1保持壁面との間の間隙に挿入されクサビ作用により押圧力を付与する第1挿入部材である。
【0024】
また、上記の光学部品研磨方法において、好ましくは、前記第1挿入部材は、平板状の部材である。
【0025】
また、上記の光学部品研磨方法において、好ましくは、前記第2押付手段は、前記第2素材側面と前記第2保持壁面との間の間隙に挿入されクサビ作用により押圧力を付与する第2挿入部材である。
【0026】
また、上記の光学部品研磨方法において、好ましくは、前記第2挿入部材は、平板状の部材である。
【0027】
また、上記の光学部品研磨方法において、好ましくは、前記離脱工程においては、前記接着剤を溶解させる分離液により接着箇所の接着剤を溶解させた後、前記第2挿入部材の脇に三角形断面の第3挿入部材を挿入し、前記第2挿入部材に作用する押圧力を低減させた状態で前記第2挿入部材を抜き、次いで前記第3挿入部材を抜く。
【0028】
また、上記の光学部品研磨方法において、好ましくは、前記第1押付手段は、前記第1保持壁面の長手方向における両端付近の箇所に形成された押付凸部である。
【0029】
また、上記の光学部品研磨方法において、好ましくは、前記第2押付手段は、前記第2保持壁面から突出可能に構成された突出機構である。
【0030】
また、上記の光学部品研磨方法において、好ましくは、
前記突出機構は、
前記リブ内のカム軸に取り付けられ回転可能な偏心カムと、
前記第2保持壁面の中央付近に開設され前記偏心カムの一部を突出可能なカム突出開口を有する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0032】
(1)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態である光学部品研磨方法の手順を説明する第1の図であり、リセス皿の断面を示したものである。また、図2は、本発明の第1実施形態である光学部品研磨方法の手順を説明する第2の図であり、リセス皿の上面から見た図である。
【0033】
図1に示すように、本実施形態の光学部品研磨方法に用いるリセス皿11は、従来の光学部品研磨方法に用いるリセス皿と同様のものである。このリセス皿11は、特許請求の範囲における研磨用保持具に相当している。本実施形態の特徴は、従来とは異なる保持を行い、この状態で研磨を行う点にある。以下、本実施形態の方法について詳細に説明する。
【0034】
まず、図1(A)に示すように、光学素材Wをリセス皿11のリブ間の保持空間の中に配置する。図1(A)は、光学素材Wの長手方向の両端付近の箇所における断面図である。次に、この光学素材Wの第1素材側面S3と、この第1素材側面S3と対向するリセス皿11のリブ内面である第1保持壁面14d2との間に第1挿入部材41を挿入する。第1挿入部材41は、鉄等の金属材料により形成された平板状の部材である。第1挿入部材41の厚さt1は、上記した余裕代(保持底面13d等の長さと光学素材Wの下側面S2の長さとの差)aよりも小さな値に設定されている。また、第1挿入部材41の長さ(図1(A)における上下方向の高さ)は、研磨後の光学素材Wの高さ(下側面S2から研磨後の光学面S5(図7(B)参照)までの高さ)よりも小さな値に設定されている。これは、研磨時に第1挿入部材41が研磨面89Pと干渉しないようにするためである。
【0035】
また、第1挿入部材41は、光学素材Wの長手方向における両端付近の2箇所に1個ずつ計2個配置される。したがって、第1挿入部材41を2個挿入し、光学素材Wの第1素材側面S3を第1挿入部材41の表面に密接させた状態では、図1(A)に示すように、第2保持壁面14e1bの表面と、光学素材Wの第2素材側面S4との間には、図においてδ1で示す余裕がある。δ1の値は、aからt1を差し引いた値となっている。
【0036】
次に、図1(B)に示すように、光学素材Wの第2素材側面S4と、この第2素材側面S4と対向するリセス皿11のリブ内面の垂直面である第2保持壁面14e1bとの間に、第2挿入部材42を挿入する。図1(B)は、光学素材Wの長手方向の中央付近の箇所における断面図である。第2挿入部材42は、鉄等の金属材料により形成された平板状の部材である。第2挿入部材42の厚さt2は、上記したδ1の値よりも大きな値に設定されている。また、第2挿入部材42の長さ(図1(B)における上下方向の高さ)は、研磨後の光学素材Wの高さ(下側面S2から研磨後の光学面S5(図7(B)参照)までの高さ)よりも小さな値に設定されている。これは、研磨時に第1挿入部材41が研磨面89Pと干渉しないようにするためである。
【0037】
また、第2挿入部材42は、光学素材Wの長手方向における中央付近の1箇所に1個配置される。上記したように、第2挿入部材42の厚さt2は、δ1の値よりも大きく、そのままでは挿入できないため、第2挿入部材42の頭部を、他の部材を介して、金槌や木槌等によって衝打することにより、第2素材側面S4と第2保持壁面14e1bとの間に打ち込む。この第2挿入部材42の打ち込み時には、斜面14e1aと第2素材側面S4の隙間を利用し、途中まで挿入した後に、衝打を行うことができる。
【0038】
上記のようにして、2個の第1挿入部材41と、1個の第1挿入部材42を挿入することにより、図2に示す状態で、光学素材Wをリセス皿11の保持空間に保持させることができる。
【0039】
この状態では、光学素材Wの第1素材側面S3の長手方向における両端付近の2箇所は、2個の第1挿入部材41、41により、第1保持壁面14d2から離れる方向に押し付けられており、かつ、光学素材Wの第2素材側面S4の長手方向における中央付近の1箇所は、第2挿入部材42により、第2保持壁面14e1bから離れる方向に押し付けられている。これは、第1挿入部材41が、第1素材側面S3と第1保持壁面14d2との間の間隙に挿入されクサビ作用により押圧力を付与し、第2挿入部材42が、第2素材側面S4と第2保持壁面14e1bとの間の間隙に挿入されクサビ作用により押圧力を付与するためである。
【0040】
このため、光学素材Wは、図2に示すように湾曲している。これは、光学素材Wが弾性によって変形するためである。光学素材Wを形成する光学材料のうち、光学ガラスは、もろく割れやすい材料であるが、微少な弾性変形は可能である。図2に示すような湾曲状態では、光学素材Wの研磨の中心線L1は、光学素材Wの中心線の位置(例えばP1)を通らず、中心線からずれた位置(例えば、光学素材Wの端部ではP2、光学素材Wの中央部ではP3)を通るようになっている。
【0041】
次に、上記の状態で、各挿入部材41、42の付近の箇所に接着剤をしみこませることにより接着を行う。これにより、光学素材Wは、各挿入部材41、42と接着剤を介してリセス皿11に保持される。ここまでの工程は、特許請求の範囲における保持工程に相当している。また、第1挿入部材41は、特許請求の範囲における第1押付手段に相当し、第2挿入部材42は、特許請求の範囲における第2押付手段に相当している。
【0042】
次に、上記のようにして光学素材Wがリセス皿11に湾曲状態で保持された状態で、被研磨面S1を円筒面状に研磨する。研磨の内容は、上記した従来の場合と同様である。この工程は、特許請求の範囲における研磨工程に相当している。
【0043】
次に、研磨が終了した後は、所定の精度が確認された場合は、光学素材Wをリセス皿11から取出す。取出す場合には、光学素材Wを保持させたリセス皿11を剥離剤の中に浸漬し、接着剤を溶解させることにより光学素材Wを取り外す。この工程は、特許請求の範囲における離脱工程に相当している。
【0044】
なお、この離脱工程においては、接着剤を溶解させる分離液により接着箇所の接着剤を溶解させた後、第2挿入部材42の脇に、三角形断面のクサビ状の第3挿入部材(図示せず)を挿入し、第2挿入部材42に作用する押圧力を低減させた状態で、まず第2挿入部材42を抜き、次いで第3挿入部材を抜くようにするとよい。
【0045】
図3は、研磨後にリセス皿11から取り出された光学素材W´(以下、「シリンドリカルミラー」という。)の状態を示す図であり、図3(A)は側面図を、図3(B)は斜視図を、それぞれ示している。リセス皿11から取り外されると、シリンドリカルミラーW´は、その弾性によって湾曲状態から元の略四角柱の状態に戻る。
【0046】
上記したように、研磨時においては、研磨の中心線は、図2に示すように、光学素材Wの端部ではP2、光学素材Wの中央部ではP3を通る直線L1であった。しかし、リセス皿11から取り外され、略四角柱状に戻った研磨後のシリンドリカルミラーW´においては、図3(A)及び図3(B)に示すように、研磨後の光学面S5´は円筒面状となり、かつその円筒面の中心線は、シリンドリカルミラーW´の端部ではP2´、シリンドリカルミラーW´の中央部ではP3´を通る湾曲線L1´となる。
【0047】
このような湾曲した円筒面は、上記したBOWと呼ばれる歪みを有する曲面である。このBOWを示す量は、図3(A)に示すβ、すなわち、中央部における曲面中心(凹面の最も凹んだ位置)P3´と、端部における曲面中心(凹面の最も凹んだ位置)P2´とP4´とを結んだ線との間の距離で表される。曲面中心線L1´が図の上方へ向かって凸状態の場合を「正のBOW」といい、曲面中心線L1´が図の下方へ向かって凸状態の場合を「負のBOW」という。図3(A)及び図3(B)に示した場合は、正のBOWであり、このシリンドリカルミラーW´の上下を逆にすれば、負のBOWのシリンドリカルミラーW´とすることができる。
【0048】
上記のようにして、所望のBOW量βを有するシリンドリカルミラーW´を作製することができる。例えば、光学素材として、下側面S2の幅(図1における第1素材側面S3と第2素材側面S4の距離)が10.0ミリメートルで、長さ(図1における紙面の手前から奥に向かう方向の長さ)が200ミリメートルのものを用い、リセス皿として、保持底面13dの幅(図1における第1保持壁面14d2と第2保持壁面14e1bの距離)が10.3ミリメートルのものを用い、第1挿入部材として、厚さt1が0.25ミリメートルのものを用い、かつ、第2挿入部材として、厚さt2が0.25ミリメートルのものを用いて、上記と同様の研磨を行った結果、0.25ミリメートルのBOW量βを有するシリンドリカルミラーを作製することができた。
【0049】
したがって、上記の各パラメータを適宜に調整することにより、BOW量βの値を適宜に設定することができる。例えば、上記した第1挿入部材41の厚さt1、又は第2挿入部材42の厚さt2の値を薄くすれば、図2に示す研磨時の光学素材Wの湾曲の程度は小さくなるから、研磨後のシリンドリカルミラーW´のBOW量βは上記の場合よりも減少する。
【0050】
逆に、上記した第1挿入部材41の厚さt1、又は第2挿入部材42の厚さt2の値を厚くすれば、図2に示す研磨時の光学素材Wの湾曲の程度は大きくなるから、研磨後のシリンドリカルミラーW´のBOW量βは上記の場合よりも増大する。しかし、光学材料が光学ガラス等の脆性材料の場合には、湾曲の程度を強めると脆性により割れて破壊する場合があるため、この点に注意する必要がある。
【0051】
また、BOW量βは、光学素材Wの下側面S2の幅(図1における第1素材側面S3と第2素材側面S4の距離)と、その長さ(図1における紙面の手前から奥に向かう方向の長さ)の比率にも関係すると考えられる。例えば、光学素材Wの下側面S2の幅に対して光学素材Wの長さが長い場合には、光学素材Wは全体として細長い四角柱状となるため、変形によって湾曲させやすい。逆に、光学素材Wの下側面S2の幅に対して光学素材Wの長さが比較的短い場合には、光学素材Wは全体として短くて太い四角柱状となるため、変形によって湾曲させることが困難となり、湾曲させようとすると、脆性により割れやすい。
【0052】
上記した第1実施形態の研磨方法の場合には、所望のBOW量βを有する円筒曲面となるように光学素材Wを研磨することができる。このため、従来のように、光学系をBOW歪みを吸収させるように逆方向に湾曲させて配置するなどの複雑な対策が不要となるため、光学機器のコストを低減することができる、という利点を有している。
【0053】
(2)第2実施形態
本発明は、上記した第1実施形態以外の構成によっても実現可能である。以下、本発明の第2実施形態について詳細に説明を行う。図4は、本発明の第2実施形態である光学部品研磨方法に用いるリセス皿及び挿入部材の構成及び作用を示す上面図である。
【0054】
この第2実施形態の光学部品研磨方法では、リセス皿21を用いる。このリセス皿21は、特許請求の範囲における研磨用保持具に相当している。リセス皿21の基本的な構成は、従来のリセス皿11とほとんど同様である。すなわち、リセス皿11の場合と同様な基材上の円筒面の上に、この円筒の中心軸線と平行となるように複数のリブ22d、22e等が並設されている。そして、このリセス皿21のうち、隣接する一対のリブ、例えば22dと22eが形成する保持空間内に光学素材Wを保持させるようになっている。
【0055】
また、各リブ22d、22e等の断面形状は、各リブの両端付近を除いて、リセス皿11の場合と同様である。すなわち、リブ22dは、リブ22eと対向する面が、直壁状の第1保持壁面24d2となっている。また、リブ22eは、リブ22dと対向する面が、直壁状の第2保持壁面24e1bとなっており、第2保持壁面24e1bの上方には斜面が接続している。また、保持底面の幅は、第1実施形態の場合と同様である。
【0056】
第2実施形態のリセス皿21が、第1実施形態のリセス皿11と異なる点は、第1保持壁面24d2の両端付近の2箇所に押付凸部26dが設けられている点である。押付凸部26dは、断面形状が略三角形状、半円状、楕円状等となっており、図4の紙面の手前から奥へ向かう方向に直線状に延びる凸部である。また、押付凸部26dの厚さt3は、上記した余裕代(保持底面13d等の長さと光学素材Wの下側面S2の長さとの差)aよりも小さな値に設定されている。
【0057】
押付凸部26dは、リセス皿21の各リブを作製する場合に、切削加工によって形成することができる。あるいは、押付凸部の断面形状を有する板状の部材を別体で作製し、接着や溶接等によって、第1保持壁面24d2の両端付近の2箇所に接合するようにしてもよい。
【0058】
以下、この第2実施形態の光学部品研磨方法について詳細に説明する。まず、光学素材Wを、リセス皿21のリブ間、例えばリブ22dと22eの間の保持空間の中に配置し、光学素材Wの第1素材側面S3を押付凸部26dに密接させる。このようにすると、押付凸部26dの表面と、光学素材Wの第1素材側面S3の端部付近は、1つの直線によって接触する線接触状態となる。線接触している箇所の直線は、押付凸部26dの表面上の直線であって、図4の紙面の手前から奥へ向かう方向に延びる直線である。
【0059】
また、この線接触状態では、第2保持壁面24e1bの表面と、光学素材Wの第2素材側面S4との間には、微少な余裕がある。この余裕値(以下、「δ2」という。)は、上記のaからt3を差し引いた値となっている。
【0060】
次に、上記の状態で、光学素材Wの第2素材側面S4と、この第2素材側面S4と対向するリセス皿21のリブ内面の垂直面である第2保持壁面24e1bとの間に、第2挿入部材42を挿入する。第2挿入部材42は、上記の第1実施形態において用いたものと同様の、鉄等の金属材料により形成された平板状の部材である。この場合、第2挿入部材42の厚さt2は、上記したδ2の値よりも大きな値に設定されている。
【0061】
第2挿入部材42は、光学素材Wの長手方向における中央付近の1箇所に1個配置される。第2挿入部材42の厚さt2は、δ2の値よりも大きいから、そのままでは挿入できないため、第2挿入部材42の頭部を、他の部材を介して、金槌や木槌等によって衝打することにより、第2素材側面S4と第2保持壁面24e1bとの間に打ち込む。この第2挿入部材42の打ち込み時には、第2保持壁面24e1bの上方の斜面と第2素材側面S4の隙間を利用し、途中まで挿入した後に、衝打を行うことができる。
【0062】
上記のようにして、第1保持壁面24d2の両端付近の2個の押付凸部26dと、挿入された1個の第1挿入部材42により、図4に示すような湾曲状態で、光学素材Wをリセス皿21の保持空間に保持させることができる。この保持状態は、第1実施形態の場合と同様である。ここまでの工程は、特許請求の範囲における保持工程に相当している。また、押付凸部26dは、特許請求の範囲における第1押付手段に相当し、第2挿入部材42は、特許請求の範囲における第2押付手段に相当している。
【0063】
以下、第1実施形態の場合と同様にして研磨工程と離脱工程が行われ、第1実施形態の場合と同様なBOWを有するシリンドリカルミラーが作製される。
【0064】
第2実施形態の研磨方法の場合には、第1実施形態の場合と同様の利点、すなわち所望のBOW量βを有する円筒曲面となるように光学素材Wを研磨することができるという効果を有するほか、第1挿入部材の挿入作業が不要となるため、保持工程をさらに簡素化し、能率(作業速度)を向上させることができる、という利点を有している。
【0065】
(3)第3実施形態
本発明は、上記した第1、2実施形態以外の構成によっても実現可能である。以下、本発明の第3実施形態について詳細に説明を行う。図5は、本発明の第3実施形態である光学部品研磨方法に用いるリセス皿及び挿入部材の構成及び作用を示す上面図である。
【0066】
この第3実施形態の光学部品研磨方法では、リセス皿31を用いる。このリセス皿31は、特許請求の範囲における研磨用保持具に相当している。リセス皿31の基本的な構成は、従来のリセス皿11とほとんど同様である。すなわち、リセス皿11の場合と同様な基材上の円筒面の上に、この円筒の中心軸線と平行となるように複数のリブ32d、32e等が並設されている。そして、このリセス皿31のうち、隣接する一対のリブ、例えば32dと32eが形成する保持空間内に光学素材Wを保持させるようになっている。
【0067】
また、各リブ32d、32e等の断面形状は、各リブの中央部付近を除いて、リセス皿11の場合と同様である。すなわち、リブ32dは、リブ32eと対向する面が、直壁状の第1保持壁面34d2となっている。また、リブ32eは、リブ32dと対向する面が、直壁状の第2保持壁面34e1bとなっており、第2保持壁面34e1bの上方には斜面が接続している。また、保持底面の幅は、第1実施形態の場合と同様である。
【0068】
第3実施形態のリセス皿31が、第1実施形態のリセス皿11と異なる点は、第2保持壁面34e1bの中央部付近の1箇所に突出機構36が設けられている点である。
【0069】
この突出機構36は、カム突出開口37と、偏心カム38と、カム軸39を有して構成されている。カム突出開口37は、第2保持壁面34e1bの中央部付近の1箇所に設けられた開口部である。このカム突出開口37の内部には、カム軸39が配置され、カム軸39に偏心カム38が取り付けられている。
【0070】
カム軸39は、図5の紙面の手前から奥に向かう方向に直線状に延びる円柱状の部材である。このカム軸39は、回転可能な状態で支持されている。また、カム軸39には、回転させるための回転ツマミ等の部材(図示せず)が取り付けられている。この回転ツマミは、例えば円盤状等の部材で構成され、光学素材Wの研磨の支障とならないように、例えばリセス皿31の底面側に設けられる。
【0071】
また、回転ツマミの近傍には、カム軸39が回転しないように拘束するストッパー(図示せず)が設けられている。例えば、上記した円盤状の回転ツマミの外周の一部に切欠(凹部)を形成しておき、この切欠に嵌合して回転ツマミが回転できないように拘束する部材等である。
【0072】
偏心カム38は、例えば、鉄等の金属材料からなり、卵形の断面を有する柱状部材で構成され、カム軸39に取り付けられて回転可能な構造となっている。また、カム突出開口37からは、偏心カム38の突出端部が突出可能な構成となっている。
【0073】
以下、この第3実施形態の光学部品研磨方法について詳細に説明する。まず、光学素材Wを、リセス皿31のリブ間、例えばリブ32dと32eの間の保持空間の中に配置する。この場合には、上記したカム軸39の回転ツマミの位置を調節して、偏心カム38がカム突出開口37から突出しないようにしておく。
【0074】
次に、この光学素材Wの第1素材側面S3と、この第1素材側面S3と対向するリセス皿31のリブ内面である第1保持壁面34d2との間に第1挿入部材41を挿入する。第1挿入部材41は、上記の第1実施形態において用いたものと同様の、鉄等の金属材料により形成された平板状の部材である。
【0075】
次に、この状態で、図5に示すように、上記した回転ツマミを回し、偏心カム38の突出端部をカム突出開口37から突出させ、ストッパーにより動かないように拘束する。このようにすると、偏心カム38の突出端部の表面と、光学素材Wの第2素材側面S4の中央部付近は、1つの直線によって接触する線接触状態となる。線接触している箇所の直線は、偏心カム38の表面上の直線であって、図5の紙面の手前から奥へ向かう方向に延びる直線である。
【0076】
また、この場合、偏心カム38が第2保持壁面34e1bから突出する長さは、第1実施形態におけるδ1の値よりも大きな値に設定されている。
【0077】
上記のようにして、第1保持壁面34d2と第1素材側面S3の両端付近に挿入された2個の第1挿入部材41と、回転により突出端部が突出された1個の偏心カム38により、図5に示すような湾曲状態で、光学素材Wをリセス皿31の保持空間に保持させることができる。この保持状態は、第1実施形態の場合と同様である。ここまでの工程は、特許請求の範囲における保持工程に相当している。また、第1挿入部材41は、特許請求の範囲における第1押付手段に相当し、突出機構36は、特許請求の範囲における第2押付手段に相当している。
【0078】
以下、第1実施形態の場合と同様にして研磨工程と離脱工程が行われ、第1実施形態の場合と同様なBOWを有するシリンドリカルミラーが作製される。
【0079】
上記した第3実施形態の研磨方法の場合には、第1実施形態の場合と同様の利点、すなわち所望のBOW量βを有する円筒曲面となるように光学素材Wを研磨することができるという効果を有するほか、第2挿入部材の挿入作業が不要となるため、保持工程をさらに簡素化し、能率(作業速度)を向上させることができる、という利点を有している。
【0080】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0081】
例えば、上記各実施形態においては、研磨される光学部品としてシリンドリカルミラーを例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、他の光学部品、例えばシリンドリカルレンズであってもよい。
【0082】
また、上記各実施形態においては、研磨用保持具であるリセス皿に形成される曲面が外部に向って凹となる円筒面である例について説明したが、本発明はこれには限定されず、リセス皿に形成される曲面は外部に向って凸となる円筒面であってもよい。
【0083】
また、上記各実施形態においては、光学部品研磨用保持具であるリセス皿の円筒面に形成される保持空間の個数が7個の例について説明したが、本発明はこれには限定されず、保持空間は複数個であればよく、奇数、偶数を問わない。また、上記各実施形態に示すように、円筒面の中央部(図1において円筒面の高さが最も低くなる部分)が保持面となる場合だけでなく、円筒面の中央部がリブとなる場合も包含される。
【0084】
また、上記各実施形態においては、第1挿入部材(例えば41)や第2挿入部材(例えば42)が平板状部材である例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成の第1挿入部材、例えば、断面が円形状、楕円形状、半円形状、半楕円形状等となる板状部材であってもよい。
【0085】
また、上記各実施形態においては、第2保持壁面(例えば14e1b)の上方が斜面となっている例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成の第2保持壁面、例えば、上端まで直壁面状の第2保持壁面であってもよい。
【0086】
また、上記した第3実施形態においては、偏心カム(例えば38)を有する突出機構(例えば36)を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成の突出機構を用いてもよい。例えば、直線的な運動が可能なピストンのような部材をカム突出開口の内部に配設し、ピストンを押し出すように構成してもよい。
【0087】
また、本発明は、上記した第2実施形態と第3実施形態を組み合わせた構成、例えば、第1押付手段として、第1保持壁面24d2の両端付近の2箇所に押付凸部26dが設けられ、第2押付手段として、第2保持壁面34e1bの中央部付近の1箇所に突出機構36が設けられた構成であってもよい。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光学部品研磨方法によれば、光学素材の保持工程において、光学素材の第1素材側面の長手方向における両端付近の箇所を、第1押付手段により第1保持壁面から離れる方向に押し付け、次いで、光学素材の第2素材側面の長手方向における中央付近の箇所を、第2押付手段により第2保持壁面から離れる方向に押し付け、各挿入部材の付近を接着剤により接着して保持を行い、次いで研磨行程を行うことにより、円筒の中心軸線に対して湾曲する円筒面状の研磨面を形成するようにしたので、所望のBOW量を有する円筒曲面となるように光学素材を研磨することができる。このため、従来のように、光学系をBOW歪みを吸収させるように逆方向に湾曲させて配置するなどの複雑な対策が不要となるため、光学機器のコストを低減することができる、という利点を有している。
【図面の簡単な説明】

【図1】本発明の第1実施形態である光学部品研磨方法の手順を説明する第1の図である。
【図2】本発明の第1実施形態である光学部品研磨方法の手順を説明する第2の図である。
【図3】図1に示すリセス皿及び挿入部材を用いて研磨されリセス皿から取り出されたシリンドリカルミラーの状態を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態である光学部品研磨方法に用いるリセス皿及び挿入部材の構成及び作用を示す上面図である。
【図5】本発明の第3実施形態である光学部品研磨方法に用いるリセス皿及び挿入部材の構成及び作用を示す上面図である。
【図6】従来のリセス皿の全体構成及び作用を示す図である。
【図7】図6に示す従来のリセス皿によりシリンドリカルミラーを研磨する手順を説明する拡大断面図である。
【符号の説明】
11 リセス皿
12a〜12h リブ
13a〜13g 保持底面
14d1a 斜面
14d1b 第2保持壁面
14d2 第1保持壁面
14e1a 斜面
14e1b 第2保持壁面
14e2 第1保持壁面
15 基材
21 リセス皿
22d、22e リブ
24d2 第1保持壁面
24e1b 第2保持壁面
26d 押付凸部
31 リセス皿
32d、32e リブ
34d2 第1保持壁面
34e1b 第2保持壁面
36 突出機構
37 カム突出開口
38 偏心カム
39 カム軸
41 第1挿入部材
42 第2挿入部材
51 クサビ状部材
52 斜面
53 押圧面
54 頭部
89 研磨具
89P 研磨面
L1〜L3 研磨時中心線
L1´ 研磨後中心線
S1 被研磨面
S2 下側面
S3 第1素材側面
S4 第2素材側面
S5、S5´ 研磨後の光学面
W 光学素材
W´ シリンドリカルミラー
β 湾曲量
θ1 クサビ角

Claims (9)

  1. 凹又は凸の円筒面の上に前記円筒の中心軸線と平行となるように複数のリブを並設した研磨用保持具の、前記リブのうち隣接する一対のリブが形成する保持空間内に、光学材料からなり略四角柱状に形成された光学素材を保持させる保持工程と、
    前記光学素材の4側面のうち前記円筒面に沿って露出した1側面である被研磨面を研磨する研磨工程と、
    研磨が終了した前記光学素材を前記研磨用保持具から取り外す離脱工程を有する光学部品研磨方法において、
    前記保持工程においては、前記光学素材の4側面のうち前記被研磨面に隣接する2側面の一方である第1素材側面の長手方向における両端付近の箇所を、第1押付手段により、前記一対のリブの面のうち前記第1素材側面と対向するリブ内面である第1保持壁面から離れる方向に押し付け、次いで、前記光学素材の4側面のうち前記被研磨面に隣接する2側面の他方である第2素材側面の長手方向における中央付近の箇所を、第2押付手段により、前記一対のリブの面のうち前記第2側面と対向するリブ内面である第2保持壁面から離れる方向に押し付け、前記各挿入部材の付近を接着剤により接着し、次いで前記研磨行程を行うことにより、前記円筒の中心軸線に対して湾曲する円筒面状の研磨面を形成すること
    を特徴とする光学部品研磨方法。
  2. 請求項1記載の光学部品研磨方法において、
    前記第1押付手段は、前記第1素材側面と前記第1保持壁面との間の間隙に挿入されクサビ作用により押圧力を付与する第1挿入部材であることを特徴とする光学部品研磨方法。
  3. 請求項2記載の光学部品研磨方法において、
    前記第1挿入部材は、平板状の部材であることを特徴とする光学部品研磨方法。
  4. 請求項1記載の光学部品研磨方法において、
    前記第2押付手段は、前記第2素材側面と前記第2保持壁面との間の間隙に挿入されクサビ作用により押圧力を付与する第2挿入部材であることを特徴とする光学部品研磨方法。
  5. 請求項4記載の光学部品研磨方法において、
    前記第2挿入部材は、平板状の部材であることを特徴とする光学部品研磨方法。
  6. 請求項5記載の光学部品研磨方法において、
    前記離脱工程においては、前記接着剤を溶解させる分離液により接着箇所の接着剤を溶解させた後、前記第2挿入部材の脇に三角形断面の第3挿入部材を挿入し、前記第2挿入部材に作用する押圧力を低減させた状態で前記第2挿入部材を抜き、次いで前記第3挿入部材を抜くことを特徴とする光学部品研磨方法。
  7. 請求項1記載の光学部品研磨方法において、
    前記第1押付手段は、前記第1保持壁面の長手方向における両端付近の箇所に形成された押付凸部であることを特徴とする光学部品研磨方法。
  8. 請求項1記載の光学部品研磨方法において、
    前記第2押付手段は、前記第2保持壁面から突出可能に構成された突出機構であることを特徴とする光学部品研磨方法。
  9. 請求項8記載の光学部品研磨方法において、
    前記突出機構は、
    前記リブ内のカム軸に取り付けられ回転可能な偏心カムと、
    前記第2保持壁面の中央付近に開設され前記偏心カムの一部を突出可能なカム突出開口を
    有することを特徴とする光学部品研磨方法。
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