JP4240339B2 - 芳香族炭化水素の製造方法 - Google Patents

芳香族炭化水素の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽質炭化水素より芳香族炭化水素を製造する方法に関する。更に詳細には、本発明は、軽質炭化水素原料を、特定のゼオライト系触媒を含む固定触媒床を有する固定床断熱型反応器に供給し、触媒環化反応を触媒床に関して特定の温度条件下で行なうことを特徴とする軽質炭化水素から芳香族炭化水素を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりZSM−5等のゼオライトを触媒として芳香族炭化水素を製造する方法が知られている。例えば、特公昭56−42639号公報には、パラフィン、オレフィン及び/又はナフテンからなり、炭素数が5以上で芳香族炭化水素の含有量が15重量%以下の炭化水素よりZSM−5類のゼオライトを触媒として芳香族炭化水素を製造する方法が開示されている。特公平4−5712号公報は、C4 以下の飽和炭化水素とC2 〜C4 不飽和炭化水素と直留ナフサとを特定割合で混合した原料よりZSM−5系ゼオライトを触媒として芳香族炭化水素を製造する方法を開示している。
【0003】
また、米国特許第3,845,150号には、ZSM−5系ゼオライト触媒を用いて飽和炭化水素20〜65重量%と不飽和炭化水素20〜50重量%を含む原料を用いることによって、発熱反応をする不飽和炭化水素と吸熱反応をする飽和炭化水素とをヒートバランスした状態で等温反応で芳香族炭化水素に転換する方法が開示されている。
【0004】
特表平3−503656号公報には、低級アルカン及び低級アルケンを含有する供給原料を、第1転化帯域中で酸型中気孔ゼオライトを含む触媒の流動床と接触させて芳香族に富んだ高級脂肪族炭化水素を含有する反応混合物(流出物流)を製造し、該反応混合物を第2帯域中で酸型中気孔ゼオライトを含む触媒の流動床と接触させてアルキル化芳香族に富んだ炭素数5以上のガソリンを含む生成物を製造する方法が開示されている。
【0005】
更に、特開昭63−69888号公報には、特定の活性を有する結晶ゼオライトを用いてC2 〜C12脂肪族炭化水素を少なくとも50重量%含有する原料を芳香族化合物に転化する方法が開示されている。
特開昭63−14732号公報は、亜鉛を含む特定の性質を有するZSM−5型ゼオライトを触媒として軽質炭化水素より芳香族炭化水素を製造する方法を開示している。
また、特開平3−182592号公報は、オレフィンを含む炭化水素原料を、水素を用いて水素化触媒で水素化した後、脱水素環状2量化触媒を含む反応器で脱水素環状2量化反応により芳香族炭化水素を得る方法を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術では、芳香族炭化水素の製造を、構造が簡単で且つ効率がよく工業的に最も望ましい固定床断熱型反応器を使用して実施しようとした場合、目的芳香族炭化水素の収率が低かったり、あるいはコーキングが激しくて安定な運転が困難になる等の問題点があり、固定床断熱型反応器により安定に高収率で目的芳香族炭化水素を製造することは困難であると考えられていた。このため、例えば特開平3−182592号公報記載の方法の如く、原料中のオレフィンをあらかじめ水添した後、脱水素環状2量化反応により芳香族炭化水素を製造する2段階反応を行なうことが必要であるという問題点があった。あるいは、従来は、等温型の反応器や移動床型反応器、流動床型反応器等の複雑な反応装置が必要になるという問題点があった。
【0007】
米国特許第3,845,150号では、特定の飽和炭化水素/不飽和炭化水素重量比を有する原料を用いることにより反応系をヒートバランスさせ、外部からの熱供給がほとんどない状態で多量の熱を供給した場合と同等の芳香族収率を得る方法を開示しているが、系内の温度分布にはなんら言及しておらず、またコーキングによる触媒の活性劣化を減少させて安定に運転する方法についての記述はなんらされていない。
【0008】
更に、特表平3−503656号公報には、転化帯域中で等温反応条件近くに維持することができる量比で低級アルカン及び低級アルケンを含む原料を用いて、アルキル化芳香族に富んだ炭素数5以上のガソリンを含む生成物を製造する方法を開示しているが、この場合は、コーキングによる触媒の活性劣化を流動床型反応器(触媒を用いた反応と触媒の再生の両方を連続的に行なうことができる)を用いて回避している。しかし、この方法に用いる流動床型反応器は構造が複雑でコストが高い。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記従来技術の問題点を克服すべく鋭意研究を重ねた。その結果、驚くべきことに、オレフィン及びパラフィンから選ばれる少なくとも一種を含む軽質炭化水素原料を、ゼオライト系触媒を含む固定触媒床を有する固定床断熱型反応器に供給することにより、該反応器においてゼオライト系触媒と接触させて軽質炭化水素原料の接触環化反応を行なって、軽質炭化水素原料より芳香族炭化水素を製造するに際し、特定の活性を有するゼオライト系触媒を用い、且つ触媒床に関して特定の温度条件下で行なうと、目的芳香族炭化水素を高収率で得ることができ、しかも触媒の活性低下も少なく、長期間安定に製造できることを見出した。本発明は、上記の知見に基づき完成したものである。
【0010】
従って、本発明の1つの主たる目的は、ゼオライト系触媒を用いて、固定床断熱型反応器を使用し、オレフィン及びパラフィンから選ばれる少なくとも一種を含む軽質炭化水素原料から高収率で、長期間安定に芳香族炭化水素を製造するための方法を提供することにある。
【0011】
本発明の上記及び他の諸目的、諸特徴及び諸利益を以下に詳細に説明する。基本的には、本発明によれば、軽質炭化水素から接触環化によって芳香族炭化水素を製造する方法において、オレフィン及びパラフィンから選ばれる少なくとも一種を含む軽質炭化水素原料を、新鮮なゼオライト系触媒及び水蒸気処理ゼオライト系触媒からなる群から選ばれる少なくとも一種であるゼオライト系触媒を含む固定触媒床を有する固定床断熱型反応器に供給することにより、該反応器においてゼオライト系触媒と接触させて軽質炭化水素原料の接触環化反応を行なうに際し、該接触環化反応を、下記の要件(1),(2),(3),(4)を満たす条件下で行なうことを特徴とする芳香族炭化水素の製造方法が提供される。
【0012】
(1)ゼオライト系触媒が、500℃、大気圧下で測定した、該ゼオライト系触媒によるn−ヘキサン分解の初期の1次反応速度定数の値として0.2(sec-1)以上の初期の触媒活性を有する。
(2)触媒床の温度が450〜650℃である。
(3)触媒床が、触媒床の入口から出口までの距離に関して温度分布を有し、該温度分布が少なくとも1つの極大値を持つ。
(4)触媒床の出口の温度が、触媒床の入口の温度に対し±40℃の範囲にある。
【0013】
本発明における「新鮮なゼオライト系触媒」には、水蒸気未処理ゼオライト系触媒だけでなく、改質が達成されない程度水蒸気処理されたものも含まれる。なお、「改質」とは、水蒸気処理において通常意図される脱アルミ度が達成されることを意味する。
【0014】
次に、本発明の理解を容易にするために、まず本発明の基本的構成及び好ましい諸態様を列挙する。
1.軽質炭化水素から接触環化によって芳香族炭化水素を製造する方法において、オレフィン及びパラフィンから選ばれる少なくとも一種を含む軽質炭化水素原料を、実質的に新鮮なゼオライト系触媒及び水蒸気処理ゼオライト系触媒からなる群から選ばれる少なくとも一種であるゼオライト系触媒を含む固定触媒床を有する固定床断熱型反応器に供給することにより、該反応器においてゼオライト系触媒と接触させて軽質炭化水素原料の接触環化反応を行なうに際し、該接触環化反応を、下記の要件(1),(2),(3),(4)を満たす条件下で行なうことを特徴とする芳香族炭化水素の製造方法。
【0015】
(1)ゼオライト系触媒が、500℃、大気圧下で測定した、該ゼオライト系触媒によるn−ヘキサン分解の初期の1次反応速度定数の値として0.2(sec-1)以上の初期の触媒活性を有する。
(2)触媒床の温度が450〜650℃である。
(3)触媒床が、触媒床の入口から出口までの距離に関して温度分布を有し、該温度分布が少なくとも1つの極大値を持つ。
(4)触媒床の出口の温度が、触媒床の入口の温度に対し±40℃の範囲にある。
【0016】
2.該ゼオライト系触媒が実質的にゼオライトからなることを特徴とする前項1に記載の方法。
3.ゼオライト系触媒が、ゼオライトと、周期律表VIII族,Ib族,IIb族及び IIIb族に属する金属及びその化合物から選ばれる少なくとも一種との混合物を包含してなることを特徴とする前項1に記載の方法。
4.ゼオライト系触媒が、ゼオライトと、亜鉛及びその化合物から選ばれる少なくとも一種との混合物を包含してなることを特徴とする前項3に記載の方法。
5.ゼオライト系触媒が、ゼオライトと、亜鉛及びその化合物から選ばれる少なくとも一種、ならびにアルミナとの混合物を包含してなることを特徴とする前項4に記載の方法。
【0017】
6.ゼオライト系触媒が、ゼオライトと、亜鉛及びその化合物から選ばれる少なくとも一種ならびにアルミナの混合物を水蒸気中で熱処理したものとの混合物を包含してなることを特徴とする前項4に記載の方法。
7.ゼオライト系触媒が、ゼオライトとアルミン酸亜鉛との混合物を包含してなることを特徴とする前項4に記載の方法。
8.ゼオライト系触媒中の、亜鉛及びその化合物から選ばれる少なくとも一種の含有量が、亜鉛として5〜25重量%である前項4〜7のいずれかに記載の方法。
【0018】
9.ゼオライト系触媒のゼオライトが、周期律表VIII族,Ib族,IIb族及び IIIb族に属する金属により置換されていることを特徴とする前項1に記載の方法。
10.ゼオライト系触媒のゼオライトが、Si/Al原子比が12以上のゼオライト骨格を有しており、且つ、Naを500重量ppm 以下の濃度で含有している前項1〜9のいずれかに記載の方法。
11.ゼオライト系触媒が、ZSM−5型ゼオライトよりなることを特徴とする前項1〜10のいずれかに記載の方法。
【0019】
12.ゼオライト系触媒が、実質的に新鮮なゼオライト系触媒であることを特徴とする前項1〜11のいずれかに記載の方法。
13.ゼオライト系触媒が、実質的に新鮮なゼオライト系触媒を水蒸気処理することにより得られた水蒸気処理触媒であることを特徴とする前項1〜11のいずれかに記載の方法。
14.ゼオライト系触媒が、実質的にゼオライトからなる実質的に新鮮なゼオライト系触媒を水蒸気処理して得られる水蒸気処理触媒と、周期律表VIII族,Ib族,IIb族及び IIIb族に属する金属及びその化合物から選ばれる少なくとも一種との混合物を包含してなることを特徴とする前項1に記載の方法。
【0020】
15.実質的に新鮮なゼオライト系触媒の水蒸気処理を、該実質的に新鮮なゼオライト系触媒を含む水蒸気処理反応器に、次の工程(a)及び(b)で水蒸気を流通することにより水蒸気処理を行なうことを特徴とする前項13又は14に記載の方法。
(a)水蒸気分圧0.1kg/cm2 以上、温度500〜650℃の水蒸気を水蒸気処理反応器に流通させて、実質的に新鮮なゼオライト系触媒に0.1時間〜3時間接触させ、続いて、
(b)水蒸気の流通を一時的に停止し、水蒸気処理反応器内の残留水蒸気を除去した後、更に水蒸気分圧0.1〜10kg/cm2 、温度515〜700℃の水蒸気であって、上記工程(a)での流通水蒸気温度より高い温度の水蒸気を反応器に流通させ、該工程(b)は少なくとも1回行ない、各工程(b)においては、そこに流される水蒸気と、該工程(b)の前の工程で水蒸気処理されたゼオライト系触媒を接触させる。
【0021】
16.軽質炭化水素原料が、石油系炭化水素材料の高温熱分解装置から得られる生成物のC4 留分、又は該C4 留分よりブタジエン又はブタジエンとi−ブテンを除いた留分;石油系炭化水素材料の高温熱分解装置から得られる生成物のC5 留分、又は該C5 留分からジエン類を除いた留分;熱分解ガソリン;熱分解ガソリンより芳香族炭化水素抽出を行なったラフィネート;FCC−LPG;FCC分解ガソリン;リフォーメートより芳香族炭化水素を抽出したラフィネート;コーカーのLPG;及び直留ナフサより選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする前項1〜15のいずれかに記載の方法。
【0022】
17.軽質炭化水素原料が飽和炭化水素と不飽和炭化水素よりなり、軽質炭化水素原料中の飽和炭化水素の不飽和炭化水素に対する重量比が0.43〜2.33であることを特徴とする前項1〜16のいずれかに記載の方法。
18.環化反応中の固定床断熱型反応器内の圧力が、大気圧〜30kg/cm2 ・Gであって、該軽質炭化水素原料を、重量時間空間速度(WHSV)が0.1〜50hr-1で供給することを特徴とする前項1〜17のいずれかに記載の方法。
【0023】
19.製造された芳香族炭化水素を含む環化反応混合物を、気液分離槽、及び場合によっては蒸留塔、を用いて、芳香族炭化水素に富んだ生成物Aと、水素及び炭素数1〜5の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Bとに分離することを特徴とする前項1〜18のいずれかに記載の方法。
20.製造された芳香族炭化水素を含む環化反応混合物を、気液分離槽、及び場合によっては蒸留塔、を用いて、芳香族炭化水素に富んだ生成物Aと、炭素数4及び5の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Cと水素及び炭素数1〜3の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Dとに分離することを特徴とする前項1〜18のいずれかに記載の方法。
【0024】
21.該気液分離槽にて気液分離する際に使用する冷媒として、石油系炭化水素の高温熱分解を含むエチレン製造プロセスで製造され且つ該プロセスにおいて冷媒として使用されるプロピレンあるいはエチレンよりなる冷媒系を用いることを特徴とする前項19又は20に記載の方法。
22.水素及び炭素数1〜5の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Bの少なくとも一部を、固定床断熱型反応器にリサイクルし、軽質炭化水素原料の一部として用いることを特徴とする前項19に記載の方法。
23.水素及び炭素数1〜5の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Bの少なくとも一部を、石油系炭化水素材料の高温熱分解装置に供給することを特徴とする前項19に記載の方法。
【0025】
24.炭素数4及び5の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Cと水素及び炭素数1〜3の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Dより選ばれる少なくとも一種の少なくとも一部を、固定床断熱型反応器にリサイクルし、軽質炭化水素原料の一部として用いることを特徴とする前項20に記載の方法。
25.炭素数4及び5の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Cと水素及び炭素数1〜3の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Dより選ばれる少なくとも一種の少なくとも一部を、石油系炭化水素材料の高温熱分解装置に供給することを特徴とする前項20に記載の方法。
【0026】
26.芳香族炭化水素に富んだ生成物Aを、更に次の各方法より選ばれる少なくとも一種の方法により処理することを特徴とする前項19〜25のいずれかに記載の方法。
該生成物Aを脱アルキル反応器に導入しベンゼンを得る方法;
該生成物Aを蒸留装置あるいは抽出装置あるいは抽出蒸留装置に導入しベンゼン、トルエン、キシレンを得る方法;
該生成物Aを不均化反応装置あるいは異性化反応装置で処理する方法;及び
該生成物Aをガソリンとブレンドする方法。
【0027】
27.該固定床断熱型反応器への軽質炭化水素原料の供給を一時的に停止し、環化反応の間にゼオライト系触媒上に蓄積したコークを、酸素含有イナートガスを用いて触媒再生帯域において燃焼除去することによって、ゼオライト系触媒を再生することを更に包含することを特徴とする前項1〜26のいずれかに記載の方法。
【0028】
28.上記触媒再生帯域からの排出燃焼用ガスを、循環圧縮機を使用し、加熱炉を通して触媒再生帯域にリサイクルして、該触媒再生帯域、循環圧縮機及び加熱炉の順で配管により連結されている燃焼用ガス循環系を形成し、且つ、新鮮な酸素含有イナートガスを、該燃焼用ガス循環系の触媒再生帯域出口と加熱炉入口との間に位置する第1の入口に、該燃焼用ガスの循環量に対し0.05〜50容量%の量を供給すると共に、該触媒再生帯域からの排出燃焼用ガスを、該加熱炉に達する前に、第1の入口へ供給される上記の新鮮な酸素含有イナートガスの量と実質的に等しい量だけ系外へ放出し、その際、該触媒再生帯域へ導入される燃焼用ガスの酸素含有量が0.01〜10容量%となるように、該新鮮な酸素含有イナートガスの供給量及び酸素含有量を調整することを特徴とする前項27に記載の方法。
【0029】
29.更に、酸素を含有しない新鮮なイナートガスを、上記の第1の入口と同じ入口か又は該燃焼用ガス循環系の触媒再生帯域出口と加熱炉入口との間に第1の入口とは別に設けられている入口である第2の入口に、該燃焼用ガスの循環量に対し10容量%以下の量を供給すると共に、該触媒再生帯域からの排出燃焼用ガスを、該加熱炉に達する前に、第2の入口へ供給される上記の酸素を含有しない新鮮なイナートガスの量と実質的に等しい量だけ付加的に系外へ放出することにより、該触媒再生帯域に流入する燃焼用ガスの水蒸気分圧の上昇を抑制することを包含する前項28に記載の方法。
【0030】
30.該循環圧縮機により圧縮すべき燃焼用ガスを冷却し、且つ、圧縮された燃焼用ガスを、該加熱炉に達する前に加熱することを更に包含し、その際、冷却と加熱を少なくとも1つの熱交換器により行なうことを特徴とする前項29に記載の方法。
31.上記の実質的に新鮮なゼオライト系触媒の水蒸気処理を、配管で連結されている水蒸気処理反応器、循環圧縮機、加熱炉及び少なくとも1つの熱交換器を包含する水蒸気循環系を用いて行なうことを特徴とする前項13〜15のいずれかに記載の方法。
【0031】
32.該水蒸気処理反応器を該断熱型反応器として用いる前項31に記載の方法。
33.該水蒸気循環系を、前項30の方法に記載のゼオライト系触媒の再生用の燃焼用ガス循環系として利用し、その際、該水蒸気処理反応器を、燃焼用ガス循環系における触媒再生帯域を含む触媒再生用反応器としてそのまま用いるか、あるいは、該触媒再生用反応器に代えて且つ水蒸気循環系に用いる水蒸気に代えて燃焼用ガス循環系に用いる燃焼用ガスを用いることを特徴とする前項31又は32に記載の方法。
【0032】
本発明の方法に用いるゼオライト系触媒のゼオライトは、そのゼオライト骨格のSi/Al原子比が2〜60であり、例えば、β−ゼオライト、Ω−ゼオライト、Y−ゼオライト、L−ゼオライト、エリオナイト、オフレタイト、モルデナイト、フェリエライト、ZSM−5、ZSM−8、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−35、ZSM−38等があげられるが、ZSM−5、ZSM−8、ZSM−11等のZSM−5型の結晶性アルミノシリケート又はメタロシリケートが好ましい。ZSM−5型のゼオライトについては、例えば、米国特許第5,268,162号明細書を参照することができる。
【0033】
本発明に用いるゼオライト系触媒としては、実質的にゼオライトからなるものを用いることができるが、上記したゼオライトと、VIII族,Ib族,IIb族、又は IIIb族に属する金属類から選ばれた少なくとも一種の金属及びそれらの化合物(例えば、酸化亜鉛等の脱水素を促進する金属酸化物)からなる群から選ばれる少なくとも一種との混合物を含むものが好ましい。VIII族,Ib族,IIb族, IIIb族に属する金属としては、Zn,Cu,Ag,Ni,Pt,Pd,Gaが更に好ましく、それらのうちでもZn,Ag,Ni,Gaがより好適に用いられる。例えば、ゼオライトと、亜鉛及びその化合物から選ばれる少なくとも一種との混合物を含むことが好ましい。更に、バインダーとしてアルミナ、シリカを併用すると、より好ましい。
【0034】
本発明の方法において、以下に述べる亜鉛及びその化合物から選ばれる少なくとも一種(以下、屡々“亜鉛成分”という)としては、例えば、亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、あるいは硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛等の塩、あるいはアルキル亜鉛等の有機亜鉛化合物があげられる。
【0035】
本発明の方法においては、ゼオライト系触媒は、ゼオライトと、亜鉛成分、及びアルミナの混合物を含むことが好ましい。また、亜鉛成分及びアルミナの混合物を水蒸気中で熱処理したものとゼオライトとの混合物であることも好ましい。いずれの触媒も、下記に詳しく述べるようにして水蒸気処理すると、亜鉛成分とアルミナが反応しアルミン酸亜鉛に変化するため亜鉛が安定化され、環化反応条件下での亜鉛の飛散損失を大幅に低減することができる。また、ゼオライト系触媒がゼオライトとアルミン酸亜鉛との混合物である場合でも同様の効果が得られる。ここでいうアルミン酸亜鉛とは、島津製作所のXD−610等のX線回折装置で観察した場合にJCPDS 5−0669 NBS Circ.,539, Vol. II, 38(1953)に示されるパターンと同一のX線回折パターンを持つものを意味する。
【0036】
本発明の方法において、アルミナとしては、無水アルミナ又はアルミナの水和物があるが、その他に例えば、アルミニウム塩のように加水分解又は加熱分解、酸化等により、無水アルミナ又はアルミナ水和物を生成する原料を使用することもできる。
【0037】
上記したゼオライト系触媒においては、亜鉛及びその化合物から選ばれる少なくとも一種の含有量が、亜鉛として5〜25重量%であることが好ましい。
アルミナを含む場合のアルミナ含有率は、Al2 3 として全触媒に対し5〜50重量%、好ましくは20〜40重量%であり、且つ、アルミナと亜鉛を含む場合は、アルミナと亜鉛のモル比(Al2 3 /Zn)が1以上である。
【0038】
本発明に用いるゼオライトは、いずれもH型あるいは金属置換型として用いることができ、該金属置換型の金属はVIII族,Ib族,IIb族、又は IIIb族に属する金属であることが好ましい。VIII族,Ib族,IIb族, IIIb族に属する金属としては、Zn,Cu,Ag,Ni,Pt,Pd,Gaが更に好ましく、このうちZn,Ag,Ni,Gaがより好適に用いられる。また、更に、上記したように、アルミナ等のバインダー及び/又は酸化亜鉛等の脱水素を促進する金属酸化物等と併用することもできる。
【0039】
ゼオライト中に残存するNaの濃度によって活性が変化することが知られており、ゼオライト系触媒中のNa濃度は低い方がよく、特に500重量ppm 以下であることが好ましい。このことは、ゼオライト骨格のSi/Al原子比が12以上であるゼオライトを用いる場合には、特に重要である。
【0040】
本発明でいうゼオライト骨格のSi/Al原子比とは29Si−NMRから求めたSi/Al原子比を指す。29Si−NMRを用いてゼオライト中のSi/Al原子比を求める方法については「実験化学講座5,NMR」,第4版(日本国 丸善株式会社,1992)232〜233頁に説明されている。
【0041】
本発明の方法に用いるゼオライト系触媒は、実質的に新鮮なゼオライト系触媒を水蒸気処理して得られた水蒸気処理ゼオライト系触媒であることが好ましい。該水蒸気処理により、触媒環化反応中のコーク様物質のゼオライト系触媒上への蓄積を少なくして、触媒の経時活性劣化を低減することができる。
【0042】
上記の水蒸気処理は、例えば、水蒸気分圧0.1〜10kg/cm2 、処理温度500〜800℃、処理時間0.1〜50時間で実施することができる。また、特開平2−115134号に記載の如く、該水蒸気処理を実施すると、ゼオライト、亜鉛成分及びアルミナからなるゼオライト系触媒では、亜鉛が安定化され、反応条件下での亜鉛の蒸発損失を大幅に低減することもできる。
【0043】
ゼオライト及び亜鉛等の他の成分の混合物系よりなる水蒸気処理ゼオライト系触媒を得る方法としては、例えば、(1)まず上記混合物系を提供し、該混合物系を水蒸気処理する方法、(2)実質的にゼオライトからなる実質的に新鮮なゼオライト系触媒を水蒸気処理して得られる水蒸気処理触媒と、周期律表VIII族,Ib族,IIb族及び IIIb族に属する金属及びその化合物から選ばれる少なくとも一種、及び場合によっては更にアルミナ、シリカ等の他の成分と混合する方法、及び(3)上記(2)の方法で得られる混合物を再度水蒸気処理する方法をあげることができる。
【0044】
水蒸気処理によるゼオライトの安定化は、ゼオライト中のアルミニウムが水蒸気処理により部分的に脱離させられる反応(以下、「脱アルミニウム」と称する)によって果たされることが知られているが、工業的規模で安定且つ均一に部分的脱アルミニウムをするためには、該水蒸気処理時に発生する反応熱が大きく、且つ、脱アルミニウム速度の温度依存性が大きいため、該水蒸気処理時の触媒温度コントロールが非常に重要である。
該水蒸気処理によりゼオライト中のアルミニウムは以下の過程を経て脱離すると推定される。
【0045】
【化1】
Figure 0004240339
【0046】
(1)脱アルミニウム反応は2段階で進行する。
(2)第1の反応は可逆反応であり、水蒸気(H2 O)の供給を停止すれば上式の中間体はゼオライト骨格内のアルミニウムとなる。
(3)第1の反応は第2の反応に比べ非常に速い。また、水蒸気処理時に発生する反応熱は該第1反応により生じる。
(4)第2の反応は不可逆反応であり非常に遅い。
第1反応に起因する反応熱は大きくその反応が非常に速いため、水蒸気を過剰に触媒床に供給した場合、水蒸気供給直後に該触媒床全域に亘って温度が上昇し、その後は上記温度上昇が継続せず、流通される水蒸気あるいはイナートガスにより冷却される。
【0047】
図4は、本発明の方法に用いるゼオライト系触媒を水蒸気処理する時の触媒床内の、好ましい均一な温度分布の一例を、好ましくない不均一な温度分布と共に示す図である。図4は、固定床一段断熱型反応器を用いて温度T0 の水蒸気を反応器上部から60分間供給・流通して水蒸気処理を行なった例である。図4において、実線はそれぞれ水蒸気供給開始後からのある時間における反応器内温度分布であり、点線は水蒸気供給開始直後から60分後までのそれぞれの位置における時間平均温度分布である。
【0048】
時間平均温度分布が点線の如き分布であると、反応器入口、即ち、反応器に充填されている触媒床に供給流体が最初に接する部分、に近い触媒の活性は反応器出口の近傍の触媒の活性より高くなり、該水蒸気処理後の活性に分布ができる。つまり、点線で表される時間平均温度分布で水蒸気処理を実施した時の触媒活性を全層に亘って平均した値は、一点鎖線で表される触媒床平均温度(T)で、均一な温度分布で水蒸気処理した時の触媒の活性値と同一になるが、前者の点線の温度分布で処理した場合は、その活性に分布ができる。
【0049】
そのため、該水蒸気処理後の触媒を用いた接触環化反応等において反応器入口付近触媒でのコーキングが激しくなりコーキングによる劣化が大きくなる等の問題がある。従って、十分に活性が安定で且つ高い反応活性を有する触媒を触媒床全域に亘って得るためには、一点鎖線の如き実質的に一定の温度で水蒸気処理を行なうことが好ましい。
【0050】
水蒸気の流通を1段階で行なう方法で脱アルミニウムを実施すると、図4において実線で示す如く触媒床の温度が触媒床上層部と触媒床下層部で異なり、均一な脱アルミニウムの実施が困難になる場合がある。
従って、本発明における水蒸気処理は、以下に示す条件で水蒸気の流通を2段階以上に分けて行なうことがより好適である。
即ち、実質的に新鮮なゼオライト系触媒を含む水蒸気処理反応器に、次の工程(a)及び(b)で水蒸気を流通することにより水蒸気処理を行なうことが好ましい。
【0051】
(a)水蒸気分圧0.1kg/cm2 以上、温度500〜650℃の水蒸気を水蒸気処理反応器に流通させて実質的に新鮮なゼオライト系触媒に0.1時間〜3時間接触させ、続いて、
(b)水蒸気の流通を停止し、水蒸気処理反応器内の残留水蒸気を除去した後、更に水蒸気分圧0.1〜10kg/cm2 、温度515〜700℃の水蒸気であって、上記工程(a)での流通水蒸気温度より高い温度の水蒸気を反応器に流通させ、該工程(b)は少なくとも1回行ない、各工程(b)においては、そこに流される水蒸気と、該工程(b)の前の工程で水蒸気処理されたゼオライト系触媒を接触させる。
【0052】
上記の好ましい態様においては、以下のように水蒸気を2段階以上に分けて流通させると触媒床の上層部と下層部の温度差を低減できるため、安定且つ均一な水蒸気処理を実施することができる。
この好ましい態様における、2段階の水蒸気熱処理の1段階目の工程(a)では、水蒸気分圧0.1kg/cm2 以上、望ましくは0.5〜1kg/cm2 、温度500〜650℃、望ましくは550〜650℃、更に望ましくは600〜620℃の水蒸気を実質的に新鮮なゼオライト系触媒に0.1時間〜3時間、望ましくは0.1〜1時間接触させる。
【0053】
水蒸気は分圧0.1kg/cm2 以上で供給するが、その際水蒸気をイナートガスで希釈してもよい。この場合の水蒸気の濃度は10容量%以上が好ましく、特に好ましくは20〜80%である。イナートガスとしてはゼオライトと接触しH2 Oを発生するもの、例えばアルコール、エーテル等以外から選ばれるが、窒素が特に好適である。水蒸気の重量時間空間速度(WHSV)については、ゼオライト層において水蒸気分圧が変化せず、また偏流等の問題がない条件が好ましく、特に好ましくはWHSVを0.01〜10hr-1に設定するのがよい。
【0054】
水蒸気温度500℃未満では2段階目以降の処理時の反応熱抑制効果が少なく、650℃を越える温度で水蒸気を投入すると、該水蒸気処理で発生する反応熱により触媒床温度が非常に上昇するため、更に高温耐食性に優れた材質を使用する必要がある等の問題もある。また、上記方法による第1段階の水蒸気処理時間が長いと、発生する反応熱により触媒床内に大きな温度分布が生じるため、触媒床内で脱アルミニウムの程度に差ができ該水蒸気処理後の触媒活性に分布が生じる。
【0055】
この2段階の水蒸気熱処理における2段階目の工程(b)では、上記1段階目の工程(a)に続けて水蒸気の供給・流通を停止し、20〜700℃、好ましくは20〜600℃の前記イナートガスで残留水蒸気を除去し、好ましくは触媒床の平均温度が2段階目の水蒸気温度と等しくなるよう、且つ、触媒床の温度分布の最高温度と最低温度の温度差が10℃以下になるまで均一化させる。水蒸気の供給・流通を停止した後、残留水蒸気を除去しないと、この残留水蒸気によって脱アルミニウムが進行し、均一脱アルミニウムに好ましくない。続いて、水蒸気分圧0.1〜10kg/cm2 、望ましくは0.5〜1kg/cm2 、処理温度515〜700℃、望ましくは1段階目の水蒸気処理時に上昇した触媒床の最高温度±10℃の温度の水蒸気を0.1〜50時間、望ましくは0.1〜20時間だけ接触させる。
【0056】
上記(b)の処理は、上記処理工程を含めて2回以上実施してもよい。この2段階目以降の処理で発生する反応熱は1段階目の工程(a)での反応熱量の1/4〜3/5程度になるため、触媒床内温度差も1段階目より小さく抑えることができ、安定で均一な脱アルミニウムが可能となる。
なお、本発明においては、南アフリカ国特許出願第94/7674号(国際特許出願公開第WO95/09050号に対応)に記載の方法で部分的に脱アルミニウムされたゼオライト系触媒を好ましく用いることができる。
【0057】
本発明の方法では反応器として、固定床断熱型反応器を用いる。断熱型反応器に関しては、橋本健治編著「工業反応装置」(日本国 培風館,1984)25〜26頁に記載の反応器を参照することができる。断熱型反応器の例としては、固定床断熱型反応器、移動床断熱型反応器、流動床断熱型反応器があげられるが、本発明の方法には固定床断熱型反応器を用いる。固定触媒床が一段だけの固定床一段断熱型反応器がより好ましいが、触媒床を数段に分割して段間に熱交換器を設けて熱の供給又は除去を行なう中間熱交換・多段断熱型反応器であってもよい。反応に伴い触媒上には炭素質(コーク)が蓄積するため、反応を継続しながらこの炭素質の燃焼除去が可能な2塔切り替え式の固定床一段断熱型反応器が好ましい。
【0058】
本発明の方法におけるオレフィン類及びパラフィン類から選ばれる少なくとも一種を含む軽質炭化水素原料とは、炭素数2以上、90%留出温度190℃以下の炭化水素である。そのようなパラフィン類の例としては、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンをあげることができる。また、そのようなオレフィン類の例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネンがあげられる。上記以外にシクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン等のシクロパラフィン;シクロペンテン、メチルシクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロオレフィン類;及び/又はシクロヘキサジエン、ブタジエン、ペンタジエン、シクロペンタジエン等のジエン類を含んでいてもよい。
【0059】
上記の炭化水素の混合物を原料として用いてもよく、また、該混合物には希釈剤としてN2 ,CO2 ,CO等のイナートガスや、反応に伴い触媒上に蓄積する炭素質(コーク)の生成を抑制するためにH2 ,CH4 を含んでいてもよい。これら希釈剤は、好ましくは20容量%以下、更に好ましくは10容量%以下含むことができ。更に、上記混合物としては、飽和炭化水素と不飽和炭化水素が、その重量比0.43〜2.33で含まれる混合物を用いると特によい。
【0060】
ここでいう飽和炭化水素と不飽和炭化水素の重量比とは、供給される混合物中の重量比を意味し、例えば、後で詳細に説明する図9に示すように反応器40の出口生成物を精製分離手段41によって目的とする芳香族炭化水素と、未反応原料又は副生成物としての非芳香族炭化水素とに分離し、得られる非芳香族炭化水素をリサイクルする場合には、フレッシュフィード43とリサイクル成分42を混合した後の混合物44中の重量比を意味する。
【0061】
混合物としては、上記の炭化水素の混合物、あるいはナフサ等の石油系炭化水素の高温熱分解生成物のC4 留分、又は該C4 留分よりブタジエン又はブタジエンとi−ブテンを除いた留分;石油系炭化水素の高温熱分解生成物のC5 留分、又は該C5 留分からジエン類を除いた留分;熱分解ガソリン;熱分解ガソリンより芳香族炭化水素抽出を行なったラフィネート;FCC−LPG;FCC分解ガソリン;リフォーメートより芳香族炭化水素を抽出したラフィネート;コーカーのLPG;直留ナフサがあげられるが、この内、ナフサ等の石油系炭化水素の高温熱分解生成物のC4 留分;C5 留分;該C4 留分や該C5 留分からブタジエン、i−ブテン、イソプレン、シクロペンタジエンの一部もしくは全部を除いた留分が特に好適に利用でき、該C4 留分、C5 留分の重量比が3/7〜7/3である原料が特に好ましい。
【0062】
上記の混合物は単独に用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。ここでいう高温熱分解生成物とは、スチームクラッキングと呼称される管式熱分解法で用いられる熱分解装置にて生成されたものを意味し、スチームクラッキングについては「ザ・オイル・アンド・ガスジャーナル誌」P220〜222,MAY12,1969に記載されている。
本発明の方法においては、該原料中に不純物としてTBA(ターシャリ−ブチルアルコール)、メタノール等の含酸素化合物が含まれることもある。
【0063】
本発明において、ゼオライト系触媒によるn−ヘキサン分解の初期の1次反応速度定数(以下、屡々、「初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数」と称す)は、図8に示す装置及びゼオライト系触媒を用いてn−ヘキサン分解反応を行ない、用いるゼオライト系触媒の体積、原料n−ヘキサン流量、及び得られる反応生成物中のn−ヘキサン濃度から、下記のようにして求める。
【0064】
即ち、図8において、10mmφの石英反応管29中に下から石英ウール36、触媒35、ラシヒリング32の順で充填し、温度計30で測定した触媒35の温度が500℃の等温になるように温度調節用熱電対34で温度が調整できる電気炉33にて石英反応管29を加熱し、大気圧、重量時間空間速度(WHSV)4hr-1の条件で、原料流入口31よりラシヒリング32を通じて触媒35へn−ヘキサンを供給し、n−ヘキサン供給後0.75時間から1時間の間、即ち、0.25時間、の反応生成物をコンデンサー37にて冷却した後、オイルトラップ38にて更にドライアイス・エタノール冷媒で冷却し、オイルトラップ38中に分離したオイル成分及び発生ガス捕集用バック39中に分離したガス成分をそれぞれ全量採取する。
【0065】
そして、米国,ヒューレット・パッカード社製のFID−TCDガスクロマトグラフィー(HP−5890 シリーズII)にてガス組成を、日本国,島津製作所社製のFIDガスクロマトグラフィー(GC−17A)にてオイル組成を分析して得られる反応生成物中のn−ヘキサン濃度を、用いるゼオライト触媒の体積及び原料n−ヘキサン流量と共に下式に代入して、n−ヘキサン供給後0.75時間から1時間の、ガス及びオイル採取時間0.25時間の平均の、初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数を求める。
【0066】
【数1】
Figure 0004240339
【0067】
上記式中、「ゼオライト系触媒の体積」とは、上記の測定試験において、触媒床に含まれるイナート物質(ラシヒリング、また場合によってはガラスビーズ等)の体積は含まないゼオライト系触媒のみの体積を意味する。このように、ゼオライト系触媒のみの体積を「ゼオライト系触媒の体積」として用い、上式から、ゼオライト系触媒基準の初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数を求める。 本発明では、上記式で求められる初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数(hr-1)を、(sec-1)の単位に換算して用いる。
【0068】
本発明の方法においては、上記したように、ゼオライト系触媒が下記の要件(1)を満足することが必要である。
(1)ゼオライト系触媒が、500℃、大気圧下で測定した、該ゼオライト系触媒によるn−ヘキサン分解の初期の1次反応速度定数の値として0.2(sec-1)以上の初期の触媒活性を有する。
【0069】
ゼオライト系触媒が、上記の初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数の値として0.2(sec-1)より小さい初期の触媒活性を有すると、満足できる芳香族炭化水素収率が得られない。また、長時間安定に芳香族炭化水素を得るためには、初期の触媒活性は0.2〜2(sec-1)であることが好ましい。なお、ここでいう芳香族炭化水素収率とは、原料中の非芳香族炭化水素に対する芳香族収率を意味する。
【0070】
本発明における触媒床の入口(以下、屡々「反応器の入口」という)の温度とは、断熱型反応器に充填されている触媒床に原料流体が最初に接する部分の触媒床の温度であり、本発明の方法における触媒床の出口(以下、屡々「反応器の出口」という)の温度とは、反応混合物流体が最後に接する部分の触媒床の温度である。ここでいう触媒床の温度とは、流体の流れ方向に垂直な平面において、触媒床の中心を0とし、触媒床の中心から反応器内壁面までの距離をdとすると、0〜0.8dの間における温度を指す。
【0071】
また、本発明の方法において、触媒床の入口から出口までの距離に関しての触媒床の温度分布の極大値とは、触媒床の入口から出口までの温度を測定しその温度分布曲線を描いた時の極大温度であり、本発明における極大値とは、遠木幸成編「解析概論」(学術図書出版社,1983)56〜57頁記載の如き、純粋に数学的な意味での極大値である。
本発明の方法においては、触媒床の最低温度が450℃以上であり、最高温度が650℃以下である。
【0072】
本発明においては、触媒床の入口から出口までの温度を測定しその温度分布曲線を描いた時の最低温度が触媒床の温度分布の最低値であり、また、触媒床の入口から出口までの温度を測定しその温度分布曲線を描いた時の最高温度が触媒床の温度分布の最高値である。
上記、触媒床の入口温度や出口温度を含めて、触媒床の温度の測定にはエネルギー管理技術〔熱管理編〕編集委員会編「エネルギー管理技術」(省エネルギーセンター,1989)384〜389頁記載の熱電温度計を使用する。
【0073】
本発明の方法においては、上記(1)の要件を満たす触媒活性を有するゼオライト系触媒を用いて、下記(2)〜(4)の要件を満たす反応条件にて芳香族炭化水素を製造する。
(2)触媒床の温度が450〜650℃である。
(3)触媒床が、触媒床の入口から出口までの距離に関して温度分布を有し、該温度分布が少なくとも1つの極大値を持つ。
(4)触媒床の出口の温度が、触媒床の入口の温度に対し±40℃の範囲にある。
【0074】
上記の如き本発明の方法に従えば、固定床断熱型反応器にて芳香族炭化水素を高収率で安定に製造することができる。ゼオライト系触媒の活性が上記(1)の要件を満足することに加えて、該固定床断熱型反応器の触媒床の温度が上記(2)〜(4)の要件を満足すれば、即ち、図3に示す如く、触媒床の温度450〜650℃、好ましくは490〜600℃、更に好ましくは500〜580℃であって、触媒床の温度分布が少なくとも1つの極大値を持ち、また、触媒床出口温度と入口温度の差が±40℃以内であれば、触媒床へのコーキングも少なく長期間安定的に高収率を維持する運転が実施できる。
【0075】
該極大値を、触媒床の入口から重量時間空間速度(WHSV)が4hr-1となる触媒の位置までの範囲に持つと好ましく、WHSVが80hr-1となる触媒の位置からWHSVが4.5hr-1となる触媒の位置までの範囲に持つと更に好ましい。前述の等温型反応器等の触媒床温度は極大値を持たない。
【0076】
また、該触媒床出口温度が触媒床入口温度に対して−40℃を越えると芳香族炭化水素収率が低く、該触媒床出口温度が触媒床入口温度に対し+40℃を越えると反応域が高温になりコーキングが増大し触媒の活性が急激に低下するため安定な運転が困難である。また、触媒床の温度が450℃未満であると得られる芳香族収率が低く、650℃を越えるとコーキングが増大し触媒の活性が急激に低下するため安定な運転が困難である。
【0077】
ゼオライト系触媒が上記の要件(1)を満足することに加えて該固定床断熱型反応器の触媒床の温度が前記(2)〜(4)の要件を満足すると、要件(1)〜(4)のいずれか1つでも満足しない場合と比較して、芳香族収率も高くなり、且つ、コーキングも少なく長期間安定的に高収率を維持する運転が実施できる。
【0078】
【発明の実施の形態】
以下、図1と図2を参照して、本発明の方法の実施態様について説明する。 図1において、1及び2はそれぞれ軽質炭化水素から芳香族炭化水素を製造するための固定床断熱型反応器である。該固定床断熱型反応器1には、例えば、ナフサ等の石油系炭化水素の高温熱分解生成物のC4 留分、もしくは該C4 留分よりブタジエン又はブタジエンとi−ブテンを除いた留分である原料流体3が供給され、該固定床断熱型反応器2には、ナフサ等の石油系炭化水素の高温熱分解生成物のC5 留分、もしくは該C5 留分よりジエン類を除いた留分である原料流体4が供給される。
【0079】
供給される該原料流体3及び4の重量比は特に限定されず、例えば、該固定床断熱型反応器1へは、温度450〜650℃の原料流体3を、重量時間空間速度(WHSV)0.1〜50hr-1、圧力が大気圧〜30kg/cm2 ・Gの条件下で供給し、該固定床断熱型反応器2へは、原料流体3と同一の温度の原料流体4を、原料流体3を固定床断熱型反応器1へ供給するのと同一の重量時間空間速度(WHSV)及び同一の圧力で、供給する。該固定床断熱型反応器1及び2で生成される反応混合物流体5及び6は、混合されて反応混合物流体7となる。
【0080】
図2において、8は、図1における固定床断熱型反応器1及び2と同一の固定床断熱型反応器である。図1における原料流体3と同一の原料流体9と図1における原料流体4と同一の原料流体10が、図1における原料流体3及び4の供給重量比と同一の重量比で混合されて原料流体11を形成する。該原料流体11は該固定床断熱型反応器8へ、図1における原料流体3及び4の前記固定床断熱型反応器1及び2への供給条件と同一の入口温度、重量時間空間速度(WHSV)、同一の圧力で、供給される。このようにして、反応混合物流体12が得られる。
【0081】
なお、本発明の方法においては、図1を参照して説明した実施態様によって得られる芳香族炭化水素収率よりも、図2を参照して説明した実施態様によって得られる芳香族炭化水素収率の方が高くなる場合が多い。
本発明の方法は上記の実施態様に限定されない。
【0082】
本発明においては、環化反応中の固定床断熱型反応器内の圧力が、大気圧〜30kg/cm2 ・Gであって、該軽質炭化水素原料を、重量時間空間速度(WHSV)が0.1〜50hr-1で供給することが好ましい。
上記の反応器内の圧力とは、反応器の平均の圧力をいい、反応器の入口における圧力と出口における圧力の平均値である。上記反応器の入口圧力、出口圧力の測定にはエネルギー管理技術〔熱管理編〕編集委員会編「エネルギー管理技術」(省エネルギーセンター,1989)398〜406頁記載の圧力計を使用する。
【0083】
また、上記の反応器内の原料流体の重量時間空間速度(WHSV)とは、下式にて求めたものをいう。
WHSV(hr-1)=原料流体供給質量流量(g/hr)/触媒量(g)
上式のうち、原料流体の質量流量はエネルギー管理技術〔熱管理編〕編集委員会編「エネルギー管理技術」(省エネルギーセンター,1989)408〜414頁記載の流量計を用いて測定する。
【0084】
本発明の方法においては、芳香族炭化水素に富む反応混合物を、後述するように、気液分離槽、及び場合によっては蒸留塔、を用いて、主として芳香族炭化水素よりなる生成物と、主として非芳香族炭化水素よりなる生成物とに精製分離することができる。この場合、前者の生成物はそのまま用いてもよいし、脱アルキル等を行なってもよい。また、後者の生成物は、リサイクルしたり、他のプロセスに供給することが好ましい。
【0085】
以下に、本発明の好ましい実施態様を示す添付の図面を参照して、本発明の方法を詳細に説明する。
図5は、本発明の方法における反応混合物の分離の一実施態様を示すフローシートである。図5において、原料流体17は加熱炉13にて加熱され、加熱された原料流体18はゼオライト系触媒を含む固定床断熱型反応器14に供給され、反応混合物流体19を生成する。ここで原料流体17は、前述のオレフィン及びパラフィンからなる群から選ばれる少なくとも一種を含む軽質炭化水素である。
【0086】
軽質炭化水素の具体的な例としては、ナフサ等の石油系炭化水素の高温熱分解生成物のC4 留分、又は該C4 留分よりブタジエン又はブタジエンとi−ブテンを除いた留分;石油系炭化水素の高温熱分解生成物のC5 留分;又は該C5 留分からジエン類を除いた留分;熱分解ガソリン;熱分解ガソリンより芳香族炭化水素抽出を行なったラフィネート;FCC−LPG;FCC分解ガソリン;リフォーメートより芳香族炭化水素を抽出したラフィネート;コーカーのLPG;直留ナフサがあげられる。反応混合物流体19の熱は、原料流体17の予熱のために利用してもよい。
【0087】
反応混合物流体19は冷却用の熱交換器15にて冷却された後、冷却された反応混合物流体20は、目的とする芳香族炭化水素に富んだ生成物Aと、副生成物である水素及び炭素数1〜5のパラフィン、オレフィン、ナフテンよりなる非芳香族炭化水素を主体とする生成物Bの、それぞれの沸点の差を利用して、気液分離槽、及び場合によっては蒸留塔(これにより、気液分離槽により分離された生成物の純度を更に高めることができる)、を包含する分離手段16にて、生成物AとBに分離される。反応混合物流体19は、例えば、上記したように、冷却用の熱交換器15にて冷却し、もしくは原料流体17で冷却した上更に冷却用の熱交換器15で冷却されてもよい。
【0088】
図6は、本発明の方法における反応混合物の分離の他の実施態様を示すフローシートである。図6に示す如く、原料流体17から、図5に示されるのと同様の手順にて反応混合物流体19が生成される。生成した反応混合物流体19は、冷却用の熱交換器15で冷却し、もしくは原料流体17で冷却した上更に冷却用の熱交換器15で冷却されてもよい。冷却された反応混合物流体20は、目的とする芳香族炭化水素に富んだ生成物A、ならびに副生成物である炭素数4及び5の非芳香族炭化水素を主体とする生成物C、水素及び炭素数1〜3の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Dの、それぞれの沸点の差を利用して、気液分離槽、及び場合によっては蒸留塔、を包含する分離手段16にて、生成物A,C及びDに分離される。なお、図5に示される芳香族炭化水素に富んだ生成物Aと図6に示される芳香族炭化水素に富んだ生成物Aとでは組成が異なっていてもよい。
【0089】
図5及び図6中の冷却用の熱交換器15にて使用する冷媒としては冷却水やプロピレン、エチレン、フッ素化合物等があげられるが、設備投資、必要エネルギーを減少させるために、石油系炭化水素の高温熱分解装置を含むエチレン製造プロセスにおいて製造され且つ該プロセスにおいて冷媒として使用されるプロピレンあるいはエチレン冷媒系を用いてもよい。この場合、更に、該エチレン製造プロセスで生成するC4 留分とC5 留分を含む副生成物を軽質炭化水素原料の少なくとも一部として用いてもよい。
【0090】
また、図5及び図6中の原料流体17として、石油系炭化水素をスチームクラッキング装置により高温熱分解し熱分解ガソリン分離器により分離した熱分解ガソリンをC5 分離器により分離したC5 留分を用い、且つ得られた反応混合物19を分離する分離手段16として、該C5 分離器を用いてもよい。
なお、ここでいう気液分離槽とは、化学工学協会編「プロセス機器構造設計シリーズ2 塔槽類」(日本国 丸善,1970)73〜130頁記載のものを意味し、蒸留塔とは化学工学協会編「プロセス機器構造設計シリーズ2 塔槽類」(日本国 丸善,1970)2〜4頁記載のものをいう。また加熱炉とは化学工学協会編「プロセス機器構造設計シリーズ4 加熱炉」(丸善,1970)1〜4頁記載の如き管式加熱炉を意味する。
【0091】
本発明の方法においては、上記方法にて目的芳香族化合物の精製分離をして得られる該生成物Bの少なくとも一部、あるいは、生成物C及び生成物Dより選ばれる少なくとも一種の少なくとも一部をリサイクルし、リサイクルした該生成物を、原料流体17と混合するか、もしくはリサイクルした生成物を、原料流体17を加熱炉13にて加熱して得られる原料流体18と混合してもよい。あるいはまた、リサイクルした該生成物を反応器14の入口ではなく該反応器14内の触媒床の中間部に直接供給し、それによって反応器14内の触媒床の温度が上記の(2)〜(4)の要件を満たすようにしてもよい。
【0092】
本発明の方法において、上記したように例えば、生成物Bの少なくとも一部、あるいはC及びDより選ばれる少なくとも一種の少なくとも一部を反応器へリサイクルする場合の典型的な例を図9に示す。即ち、図9は、本発明の方法における反応生成物のリサイクルの一実施態様を示すフローシートであり、フレッシュフィード43を反応器40に導入して、得られる反応生成物を精製分離手段41によって目的とする芳香族炭化水素と、未反応原料又は副生成物としての非芳香族炭化水素とに分離し、得られる非芳香族炭化水素をリサイクルし、リサイクル成分42をフレッシュフィード43と混合して得られる混合物44を再び反応器40に導入している。
【0093】
また、本発明の方法においては、上記方法にて目的芳香族化合物の精製分離をして得られる生成物Bの少なくとも一部、あるいは、生成物C及び生成物Dより選ばれる少なくとも一種の少なくとも一部を、エチレンプロセスにおける石油系炭化水素の高温熱分解装置に供給することで、該高温熱分解装置を含むエチレンプラントにおいてエチレン、プロピレン、C4 留分、C5 留分、及びベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等の有効製品を回収することもできる。
【0094】
本発明の方法においては、上記方法にて精製分離された芳香族炭化水素に富む生成物Aを、次の各方法より選ばれる少なくとも一種の方法により処理することができる。
該生成物Aを脱アルキル反応器に供給して、水素化脱アルキル反応によりベンゼンを製造する方法;
該生成物Aを、蒸留装置、抽出装置あるいは抽出蒸留装置に導入し、ベンゼン、トルエン、キシレン(以下この3つの物質をまとめて「BTX」と称する)類を得る方法;
該生成物Aを不均化反応装置あるいは異性化反応装置で処理する方法;及び
該生成物Aをガソリンとブレンドする方法。
【0095】
ここでいう脱アルキル反応器とは、石油学会編「新石油化学プロセス」(日本国 幸書房,1986)145〜155頁に記載の如き接触式、熱式脱アルキル法のいずれかの方法に使用される反応器を意味する。蒸留装置とは、化学工学協会編「プロセス設計シリーズ3、分解・加熱・蒸留を中心にする設計」(日本国丸善,1974)183〜206頁に記載の如き蒸留システムに使用される装置を意味する。不均化反応装置とは、石油学会編「新石油化学プロセス」(日本国 幸書房,1986)100〜115頁に記載の如き不均化反応に使用される装置を意味する。
【0096】
異性化反応装置とは、石油学会編「新石油化学プロセス」(日本国 幸書房,1986)69〜88頁に記載の如き異性化反応に使用される装置を意味する。抽出装置及び抽出蒸留装置とは、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を高純度に得るための方法として化学工学協会編「プロセス設計シリーズ3、分解・加熱・蒸留を中心にする設計」(日本国 丸善,1974)206〜213頁に記載されている抽出法、抽出蒸留法、共沸蒸留法に用いられるものをいう。
【0097】
本発明の方法においては、芳香族炭化水素を製造する環化反応に伴うゼオライト系触媒上への炭素質(コーク)の発生を大幅に減少させることができる。しかし、ゼオライト系触媒にコークが蓄積した場合は、固定床断熱型反応器への軽質炭化水素原料の供給を一時的に停止し、環化反応の間にゼオライト系触媒上に蓄積したコークを、酸素含有イナートガスを用いて触媒再生帯域において燃焼除去することによって、ゼオライト系触媒を再生することができる。
【0098】
触媒再生帯域からの排出燃焼用ガスはそのまま大気放出してもよいし、下記に示す如く循環圧縮器を用いてリサイクルしてもよい。いずれの場合も、酸素含有イナートガスを水分吸着剤と接触させることにより水分量を低下させてから用いるとより好適である。酸素含有イナートガスの代表的なものとしては、空気をあげることができる。
【0099】
触媒再生帯域からの排出燃焼用ガスをリサイクルする場合は、該排出燃焼用ガスを、循環圧縮機を使用し、加熱炉を通して触媒再生帯域にリサイクルして、該触媒再生帯域、循環圧縮機及び加熱炉の順で配管により連結されている燃焼用ガス循環系を形成することが好ましい。
【0100】
この場合、新鮮な酸素含有イナートガスを、該燃焼用ガス循環系の触媒再生帯域出口と加熱炉入口との間に位置する第1の入口に、該燃焼用ガスの循環量に対し0.05〜50容量%、好ましくは2.5〜10容量%の量を供給すると共に、該触媒再生帯域からの排出燃焼用ガスを、該加熱炉に達する前に、第1の入口へ供給される上記の新鮮な酸素含有イナートガスの量と実質的に等しい量だけを系外へ放出することができる。上記の新鮮な酸素含有イナートガスについては、該触媒再生帯域へ導入される燃焼用ガスの酸素含有量が0.01〜10容量%、好ましくは0.5〜2容量%となるように、該新鮮な酸素含有イナートガスの供給量及び酸素含有量を調整する。
【0101】
また、更に、酸素を含有しない新鮮なイナートガスを、上記の第1の入口と同じ入口か又は該燃焼用ガス循環系の触媒再生帯域出口と加熱炉入口との間に第1の入口とは別に設けられている入口である第2の入口に、該燃焼用ガスの循環量に対し10容量%以下、好ましくは5容量%以下の量を供給すると共に、該触媒再生帯域からの排出燃焼用ガスを、該加熱炉に達する前に、第2の入口へ供給される上記の酸素を含有しない新鮮なイナートガスの量と実質的に等しい量だけ付加的に系外へ放出することが更に好ましい。この操作により、該触媒再生帯域に流入する燃焼用ガスの水蒸気分圧の上昇を抑制することができる。
【0102】
上記したように、燃焼用ガス循環系に供給する新鮮な酸素含有イナートガスに加えて、酸素を含まない新鮮なイナートガスを供給する場合は、燃焼用ガス循環系内にそれぞれ別の入口から供給してもよいし、また、これらのガスをあらかじめ混合して1つの入口から燃料用ガス循環系内に供給してもよい。
【0103】
図7は、本発明の方法におけるゼオライト系触媒再生の一実施態様を示すフローシートである。図7の燃焼用ガス循環系においては、新鮮な酸素含有イナートガス28及び酸素を含有しない新鮮なイナートガス27をそれぞれ第1及び第2の入口から燃焼用ガス循環系内に供給している。
【0104】
図7において、加熱炉23により350〜600℃、好ましくは390〜580℃、更に好ましくは420〜480℃に加熱されており、燃焼用ガスの循環量に対して0.05〜50容量%、好ましくは2.5〜10容量%の、新鮮な酸素含有イナートガス28(例えば空気)が、コークの付着したゼオライト系触媒を含む触媒再生帯域21に流入する燃焼用ガス24中の酸素濃度が0.01〜10容量%、好ましくは0.5〜2容量%になるように、燃焼用ガス循環系に導入され、導入された新鮮な酸素含有イナートガス28と触媒再生帯域21からの排出燃焼用ガス25よりなる燃焼用ガスが、循環圧縮機22を用いて再び加熱炉23に供給される。
【0105】
また、更に、圧縮されるべき燃焼用ガスが循環圧縮機22に達する前、もしくは圧縮された燃焼用ガスが循環圧縮機22を出て加熱炉23に達する前(図示せず)に、燃焼用ガスの循環量に対し10容量%以下、好ましくは5容量%以下の酸素を含まない新鮮なイナートガス27を導入する。
【0106】
そして、圧縮されるべき燃焼用ガスが循環圧縮機22に達する前、もしくは圧縮された燃焼用ガスが循環圧縮機22を出て加熱炉23に達する前(図示せず)に、上記の新鮮な酸素含有イナートガス28及び酸素を含有しない新鮮なイナートガス27の供給量の合計と実質的に等しい量、例えば、燃焼用ガスの循環量に対し0.05〜60容量%、好ましくは0.05〜20容量%の、触媒再生帯域21からの排出燃焼用ガス25の一部(符号26で示されている)を系外へ放出することにより、系内の全圧を一定に保つことができる。
【0107】
なお、排出燃焼用ガスの一部の放出口は、上記の酸素含有イナートガス及び酸素を含まないイナートガスの供給口の下流に設けてもよい(図示せず)。
以上の操作により、触媒再生帯域21に流入する燃焼用ガス中の水蒸気の分圧の上昇を抑制し、該触媒の活性低下を大幅に抑制することが可能となる。
【0108】
循環圧縮機22から出た燃焼用ガスは、加熱炉23に導入される前に水分吸着剤と接触させて水分量を低下させるとより好適である。イナートガスとしては、ゼオライトと接触しH2 Oを発生する、例えばアルコール、エーテル等以外のものから選ばれるが、窒素がより好適である。
【0109】
本発明においては、固定床断熱型反応器を、接触環化反応に用いるだけでなく、触媒の再生に用いる燃焼用ガス循環系の触媒再生用反応器としても用いることができる。この場合は、接触環化反応系と燃焼用ガス循環系が、前者においては接触環化反応断熱型反応器として機能し、後者においては触媒再生用反応器として機能する1つの反応器を共用することになる。
【0110】
即ち、接触環化反応後、適当に設けたバルブを操作して、該断熱型反応器を接触環化反応系から切り離して、図7に示すような触媒の再生に用いる燃焼用ガス循環系に接続し、そして該循環系に組込むことによって密閉循環系とし、該断熱型反応器を触媒再生反応器として用いる(なお、上記の2塔切り替え式反応器におけるように反応器を2つ用いる場合、又は同様に3つ以上の反応器を用いる場合は、複数の反応器を含む、少なくとも1つの接触環化反応系及び少なくとも1つの燃焼用ガス循環系を、バルブの切り替えによって適切に形成できるように、適当なバルブを設けておく)。
【0111】
あるいは、原料流体の接触環化反応に用いた触媒を断熱型反応器から取り出し、別に設けた触媒再生帯域に移して、図7に示すような燃焼用ガス循環系により再生を行なってもよい。同様に、接触環化反応において原料の加熱に用いた加熱炉を、燃焼用ガス循環系の燃焼用ガスの加熱炉として用いてもよい。
【0112】
更に、循環圧縮機22により圧縮すべき燃焼用ガスを冷却し、且つ、圧縮された燃焼用ガスを、加熱炉23に達する前に加熱してもよい。この場合、冷却と加熱を少なくとも1つの熱交換器を用いて行なうことができる。ここで、循環圧縮機22により圧縮されるべき燃焼用ガスの冷却は、循環圧縮機22の圧縮効率を上げるために行ない、加熱炉23に達する前の、圧縮された燃焼用ガスの加熱は、加熱炉23の負荷を下げるために行なう。
【0113】
熱交換は、触媒再生帯域の出口から循環圧縮機の入口までの配管と、循環圧縮機の出口からの加熱炉の入口までの配管を、1つの熱交換器(図示せず)を通過するように配置して、冷却と加熱を1つの熱交換器で行なってもよい。また、触媒再生帯域の出口から循環圧縮機の入口までの配管と、循環圧縮機の出口から加熱炉の入口までの配管にそれぞれ冷却用及び加熱用の熱交換器(図示せず)を設けて、冷却と加熱を別々の熱交換器で行なってもよい。
【0114】
本発明の方法においては、実質的に新鮮なゼオライト系触媒の水蒸気処理を、配管で連結されている水蒸気処理反応器、循環圧縮機、加熱炉及び少なくとも1つの熱交換器を包含する水蒸気循環系を用いて行なうことができる。この場合、該水蒸気処理反応器を接触環化反応に用いる断熱型反応器として用いることが好ましい。そして、更に、この水蒸気循環系を、上記したゼオライト系触媒の再生用の燃焼用ガス循環系として利用することが好ましい。
【0115】
その際には、該水蒸気処理反応器を、燃焼用ガス循環系における触媒再生帯域を含む触媒再生用反応器としてそのまま用いるか、あるいは、該水蒸気処理反応器を該触媒再生用反応器に代えて用い、更に、水蒸気循環系に用いる水蒸気に代えて燃焼用ガス循環系に用いる燃焼用ガスを用いる。本発明においては、該水蒸気処理反応器を該断熱型反応器及び該触媒再生用反応器としても用いることが好ましい。
【0116】
なお、ここでいう循環圧縮機とは、日本機械学会編「機械工学便覧 改訂第6版」(日本機械学会,1977)第10編 空気機械,11〜46頁に記載の容積型圧縮機又は容積型送風機、遠心圧縮機又は遠心送風機、軸流圧縮機又は軸流送風機等を意味する。
【0117】
【実施例】
次に、実施例及び比較例によって本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はそれらによって限定されるものではない。
【0118】
実施例1
アンモニウムイオン型ZSM−5結晶性アルミノシリケート(Si/Al原子比46)60重量部とγ−アルミナ15重量部及び硝酸亜鉛25重量部を混練後、押し出し成形を実施し、直径1.6mm、長さ4〜6mmに成形した。次いで、120℃、4時間乾燥後、500℃、3時間焼成し、亜鉛を10重量%含むZSM−5ゼオライト成形触媒を得た。
次にこの触媒を固定床一段断熱型反応器に触媒床として充填し、水蒸気を40容量%含む水蒸気−窒素混合ガスを、圧力1kg/cm2 ・G、温度650℃の条件下で該触媒床に5時間供給・流通した。
【0119】
次に、このゼオライト成形触媒の初期の触媒活性を求めるため、図8に示す等温型反応装置を用いて等温でのn−ヘキサン転化反応試験を行なった。具体的には、前記の方法に従って、大気圧、温度500℃、重量時間空間速度(WHSV)の4hr-1の条件で、ガスオイル採取時間0.25時間の平均の初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数を求めたところ、0.28(sec-1)であった。
【0120】
次に、不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比が0.43〜2.33の範囲内となるよう、表2に示すC5 留分と表1に示すC4 留分を3:7(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比1.54)を530℃に加熱し、上記の固定床一段断熱型反応器に供給して接触環化反応を行なった。反応開始10時間後及び5日後の反応結果を反応条件と共に表3に示す。
【0121】
比較例1
原料として、表2に示すC5 留分(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比0.37)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を実施した。反応開始10時間後及び5日後の反応結果を反応条件と共に表3に示す。
【0122】
比較例2
原料として、表1に示すC4 留分(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比3.00)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を実施した。反応開始10時間後及び5日後の反応結果を反応条件と共に表3に示す。
表3に示される比較例1と2の結果より、反応条件が本発明の(1)〜(4)の要件の全てを満たしていないと、収率が低くなったり安定な運転が不可能である等の不具合が生じることがわかる。
【0123】
実施例2
固定床一段断熱反応器内の圧力を1kg/cm2 ・Gとしたこと以外は比較例2と同様の操作を実施した。反応開始10時間後及び3日後の反応結果を反応条件と共に表4に示す。表4には比較例2の反応開始10時間後及び3日後の結果も示した。
【0124】
実施例3
表1に示すC4 留分(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比3.00)を530℃に加熱し、実施例1と同様の方法で得られた触媒床が充填された固定床一段断熱型反応器に供給し、そこで得られた反応生成物を気液分離槽と蒸留塔を用いて芳香族炭化水素に富んだ生成物Aと、炭素数4及び5の非芳香族炭化水素を主体とした生成物Cと水素及び炭素数1〜3の非芳香族炭化水素を主体とした生成物Dとに分離した後、生成物Cを該固定床一段断熱型反応器に供給、リサイクルさせた。この場合も、反応条件は本発明の(1)〜(4)の要件を全て満たした。反応開始10時間後及び3日後の反応結果を反応条件と共に表4に示す。
表4より、原料組成にかかわらず、反応条件が本発明の(1)〜(4)の要件を全て満たすと高収率で安定な運転が可能であることがわかる。
【0125】
比較例3
アンモニウムイオン型ZSM−5結晶性アルミノシリケート(Si/Al原子比46)60重量部とγ−アルミナ15重量部及び硝酸亜鉛25重量部を混練後、押し出し成形を実施し、直径1.6mm、長さ4〜6mmに成形した。次いで、120℃、4時間乾燥後、500℃、3時間焼成し、亜鉛を10重量%含むZSM−5ゼオライト成形触媒を得た。
次にこの触媒を固定床一段断熱型反応器に触媒床として充填し、水蒸気を40容量%含む水蒸気−窒素混合ガスを、圧力1kg/cm2 ・G、温度650℃の条件下で該触媒床に1時間供給・流通した。
【0126】
次に、このゼオライト成形触媒の等温でのn−ヘキサンの転化反応試験を実施例1と同一の方法で実施したところ、初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数は0.55(sec-1)であった。
次に、不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比が0.43〜2.33の範囲外である、表2に示すC5 留分(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比0.37)を530℃に加熱し、上記の固定床一段断熱型反応器に供給した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表5に示す。
【0127】
比較例4
表1に示すC4 留分(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比3.00)を用いたこと以外は比較例3と同様の操作を実施した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表5に示す。
【0128】
実施例4
表2に示すC5 留分と表1に示すC4 留分を3:7(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比1.54)を用いたこと以外は比較例3と同様の操作を実施した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表5に示す。
【0129】
表5より、上記の条件では、C5 留分100%の原料を反応させて得られる生成物(比較例3)と、C4 留分100%の原料を反応させて得られる生成物(比較例4)をそれぞれ3:7の重量比で混合した場合の芳香族収率(54.7重量%)(以下、「計算芳香族収率」という)より、実施例4においてC5 留分とC4 留分を3:7の重量比で混合したものを反応させて得られる芳香族収率(56.7重量%)の方が大きいことがわかる。なお、上記の計算芳香族収率は「比較例3の芳香族収率×0.3+比較例4の芳香族収率×0.7」の計算で求められたものである。
また、表5中には比較例3と4及び実施例4について反応開始5日後の芳香族収率を示したが、この結果より、実施例4の条件では高収率で安定な運転が可能であることがわかる。
【0130】
比較例5
比較例3と同様の方法で得られたZSM−5ゼオライト成形触媒を固定床一段断熱型反応器に触媒床として充填し、水蒸気を40容量%含む水蒸気−窒素混合ガスを、圧力1kg/cm2 ・G、温度650℃の条件下で該触媒床に5時間供給・流通した。
次にこのゼオライト成形触媒の等温でのn−ヘキサン転化反応試験を実施例1と同一の方法で実施したところ、初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数は0.28(sec-1)であった。
次に、不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比が0.43〜2.33の範囲外である、表2に示すC5 留分(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比0.37)を500℃に加熱し、上記の固定床一段断熱型反応器に供給した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表5に示す。
【0131】
比較例6
表1に示すC4 留分(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比3.00)を用いたこと以外は比較例5と同様の操作を実施した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表5に示す。
【0132】
実施例5
表2に示すC5 留分と表1に示すC4 留分を3:7(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比1.54)を用いたこと以外は比較例5と同様の操作を実施した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表5に示す。
表5に示されるように、実施例5の芳香族収率(51.2重量%)は、比較例5と比較例6の芳香族収率から求めた計算芳香族収率(49.3重量%)よりも高い。
【0133】
比較例7
比較例3と同様の方法で得られたZSM−5ゼオライト成形触媒を比較例5と同一の条件で水蒸気熱処理した。
次にこのゼオライト成形触媒の等温でのn−ヘキサン転化反応試験を実施例1と同一の方法で実施したところ、初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数は0.28(sec-1)であった。
次に、表2に示すC5 留分(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比0.37)を450℃に加熱し、上記の固定床一段断熱型反応器に供給した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表5に示す。
【0134】
比較例8
表1に示すC4 留分(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比3.00)を用いたこと以外は比較例7と同様の操作を実施した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表5に示す。
【0135】
比較例9
比較例3と同様の方法で得られたZSM−5ゼオライト成形触媒を比較例5と同一の条件で水蒸気熱処理した。
次に、不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比が0.43〜2.33の範囲内となるよう、表2に示すC5 留分と表1に示すC4 留分を3:7(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比1.54)を450℃に加熱し、上記の固定床一段断熱型反応器に供給した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表5に示す。
【0136】
表5に示されるように、C5 留分とC4 留分を3:7で混合したものを比較例9の条件で反応させて得られる芳香族収率(43.9重量%)は、比較例7の芳香族収率と比較例8の芳香族収率から求めた計算芳香族収率(44.7重量%)より低い。
【0137】
実施例6
アンモニウムイオン型ZSM−5結晶性アルミノシリケート(Si/Al原子比46)60重量部とγ−アルミナ15重量部及び硝酸亜鉛25重量部を混練後、押し出し成形を実施し、直径1.6mm、長さ4〜6mmに成形した。次いで、120℃、4時間乾燥後、500℃、3時間焼成し、亜鉛を10重量%含むZSM−5ゼオライト成形触媒を得た。
次にこの触媒を固定床一段断熱型反応器に触媒床として充填し、水蒸気を40容量%含む水蒸気−窒素混合ガスを、圧力1kg/cm2 ・G、温度650℃の条件下で該触媒床に5時間供給・流通した。
【0138】
次にこのゼオライト成形触媒の等温でのn−ヘキサン転化反応試験を実施例1と同一の方法で実施したところ、初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数は0.28(sec-1)であった。
次に、表2に示すC5 留分と表1に示すC4 留分を6:4(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比0.86)を530℃に加熱し、上記の固定床一段断熱型反応器に供給した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表6に示す。
【0139】
比較例10
初期の触媒活性が0.2(sec-1)未満となるようゼオライト系触媒の水蒸気熱処理の時間を40時間にしたこと以外は実施例6と同様の操作を実施した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表6に示す。
【0140】
実施例7
アンモニウムイオン型ZSM−5結晶性アルミノシリケート(Si/Al原子比46)46.4重量部とγ−アルミナ11.6重量部及びアルミン酸亜鉛42重量部を混練後、押し出し成形を実施し、直径1.6mm、長さ4〜6mmに成形した。次いで、120℃、4時間乾燥後、500℃、3時間焼成し、亜鉛を20重量%含むZSM−5ゼオライト成形触媒を得た。
【0141】
次にこの触媒を固定床一段断熱型反応器に触媒床として充填し、水蒸気を40容量%含む水蒸気−窒素混合ガスを、圧力1kg/cm2 ・G、温度650℃の条件下で該触媒床に5時間供給・流通した。
次に、表2に示すC5 留分と表1に示すC4 流分を6:4(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比0.86)を530℃に加熱し、上記の固定床一段断熱型反応器に供給した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表6に示す。
【0142】
比較例11
残存するNaの濃度が3000wtppm となるようにNa型ZSM−5結晶性アルミノシリケート(Si/Al原子比46)をイオン交換してアンモニウムイオン型のZSM−5結晶性アルミノシリケートとした。該アンモニウムイオン型ZSM−5結晶性アルミノシリケート60重量部とγ−アルミナ15重量部及び硝酸亜鉛25重量部を混練後、押し出し成形を実施し、直径1.6mm、長さ4〜6mmに成形した。次いで、120℃、4時間乾燥後、500℃、3時間焼成し、亜鉛を10重量%含むZSM−5ゼオライト成形触媒を得た。
なお、触媒中のNa濃度は、触媒を1N−HCl水溶液に入れ5分間加熱後濾過し、濾液を原子吸光分析装置(島津製作所社製AA−640−12)にて分析した。
【0143】
次にこの触媒を固定床一段断熱型反応器に触媒床として充填し、水蒸気を40容量%含む水蒸気−窒素混合ガスを、圧力1kg/cm2 ・G、温度650℃の条件下で該触媒床に5時間供給・流通した。
次にこのゼオライト成形触媒の等温でのn−ヘキサン転化反応試験を実施例1と同一の方法で実施したところ、初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数は0.05(sec-1)であった。
【0144】
次に、表2に示すC5 留分と表1に示すC4 留分を6:4(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比0.86)を530℃に加熱し、上記の固定床一段断熱型反応器に供給した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表7に示す。
なお、実施例6で使用した触媒のNa濃度を上記と同じ方法で測定したところ110wtppm であった。比較のため、Na濃度を含めた実施例6の結果も表7に示す。
【0145】
実施例8
接触環化反応によって得られた反応生成物を気液分離槽と蒸留塔を用いて芳香族炭化水素に富んだ生成物Aと、炭素数4及び5の非芳香族炭化水素を主体とした生成物Cと水素及び炭素数1〜3の非芳香族炭化水素を主体とした生成物Dとに分離し、生成物Cを該固定床一段断熱型反応器に供給、リサイクルさせた他は実施例6と同様の操作を行なった。
【0146】
即ち、アンモニウムイオン型ZSM−5結晶性アルミノシリケート(Si/Al原子比46)60重量部とγ−アルミナ15重量部及び硝酸亜鉛25重量部を混練後、押し出し成形を実施し、直径1.6mm、長さ4〜6mmに成形した。次いで、120℃、4時間乾燥後、500℃、3時間焼成し、亜鉛を10重量%含むZSM−5ゼオライト成形触媒を得た。
【0147】
次にこの触媒を固定床一段断熱型反応器に触媒床として充填し、水蒸気を40容量%含む水蒸気−窒素混合ガスを、圧力1kg/cm2 ・G、温度650℃の条件下で該触媒床に5時間供給・流通した。
次にこのゼオライト成形触媒の等温でのn−ヘキサン転化反応試験を実施例1と同一の方法で実施したところ、初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数は0.28(sec-1)であった。
【0148】
次に、表2を示すC5 留分と表1に示すC4 留分を6:4(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比0.86)を530℃に加熱し、上記の固定床一段断熱型反応器に供給し、そこで得られた反応生成物を気液分離槽と蒸留塔を用いて芳香族炭化水素に富んだ生成物Aと、炭素数4及び5の非芳香族炭化水素を主体とした生成物Cと水素及び炭素数1〜3の非芳香族炭化水素を主体とした生成物Dとに分離した後、生成物Cを該固定床一段断熱型反応器に供給、リサイクルさせた。なお、上記生成物A,C,Dの分離には冷媒として、エチレン製造プロセスで製造されて冷媒として用いられるプロピレン冷媒を共用した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表8に示す。表8に示すように、実施例6よりも実施例8の方がC6 〜C9 芳香族収率が大きい。
【0149】
実施例9
得られた炭素数4及び5の非芳香族炭化水素を主体とした生成物Cを固定床一段断熱型反応器にリサイクルせずに管型熱分解装置へ供給して熱分解する他は実施例8と同様の操作を行なった。
即ち、実施例8と同様の方法で得られたZSM−5ゼオライト成形触媒を実施例8と同一の条件で水蒸気熱処理した。
【0150】
次に、表2に示すC5 留分と表1に示すC4 留分を6:4(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比0.86)を530℃に加熱し、上記の固定床一段断熱型反応器に供給し、そこで得られた反応生成物を、エチレン製造プロセスで製造されて用いられるプロピレン冷媒を共用する気液分離槽と蒸留塔を用いて芳香族炭化水素に富んだ生成物Aと、炭素数4及び5の非芳香族炭化水素を主体とした生成物Cと水素及び炭素数1〜3の非芳香族炭化水素を主体とした生成物Dとに分離した。次に、該生成物Cを管型熱分解装置へ、常圧、スチーム希釈比0.35、COT(Coil Outlet Temperature)が825℃、接触時間0.32sec の条件で熱分解した。結果を表9に示す。
【0151】
実施例10
得られた炭素数4及び5の非芳香族炭化水素を主体とした生成物Cを固定床一段断熱反応器にリサイクルせず、得られた芳香族炭化水素に富んだ生成物Aに脱アルキル反応を行なった他は実施例8と同様の操作を行なった。
即ち、実施例8と同様の方法で得られたZSM−5ゼオライト成形触媒を実施例8と同一の条件で水蒸気熱処理した。
【0152】
次に、表2に示すC5 留分と表1に示すC4 留分を6:4(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比0.86)を530℃に加熱し、上記の固定床一段断熱型反応器に供給し、そこで得られた反応生成物を、エチレン製造プロセスで製造されて用いられるプロピレン冷媒を共用する気液分離槽と蒸留塔を用いて芳香族炭化水素に富んだ生成物Aと、炭素数4及び5の非芳香族炭化水素を主体とした生成物Cと水素及び炭素数1〜3の非芳香族炭化水素を主体とした生成物Dとに分離した。次に、該生成物Aをトータル芳香族転化率70%の条件で脱アルキル反応を実施した。結果を表10に示す。
【0153】
実施例11
(i)アンモニウムイオン型ZSM−5結晶性アルミノシリケート(Si/Al原子比46)60重量部とγ−アルミナ15重量部及び硝酸亜鉛25重量部を混練後、押し出し成形を実施し、直径1.6mm、長さ4〜6mmに成形した。次いで、120℃、4時間乾燥後、500℃、3時間焼成し、亜鉛を10重量%含むZSM−5ゼオライト成形触媒を得た。
【0154】
(ii)次に第1段階処理として、この触媒を固定床一段断熱型反応器に触媒床として充填し、窒素流通下で触媒層温度を600℃に加熱し、水蒸気を40容量%含む水蒸気−窒素混合ガスを、圧力1kg/cm2 ・G(水蒸気分圧0.8kg/cm2 )、温度600℃、水蒸気の重量時間空間速度(WHSV)0.08hr-1の条件下で該触媒床に10分間供給・流通した。触媒床を水蒸気の流通方向に沿って7等分し、それぞれの触媒床での水蒸気供給後の温度の経時変化を測定した。
【0155】
次いで第2段階処理として水蒸気の供給・流通を停止し、窒素で反応器内に残存する水蒸気を除去し、触媒床全体の温度を640℃に一定にした。更に、640℃に加熱した水蒸気を40容量%含む水蒸気−窒素混合ガスを圧力1kg/cm2 ・G(水蒸気分圧0.8kg/cm2 )、温度640℃に一定にされた触媒床に水蒸気の重量時間空間速度(WHSV)0.08hr-1の条件下で14分間供給・流通した。この時も上記と同様に触媒床の温度変化を測定した。
なお、上気水蒸気処理は、触媒の燃焼による再生に用いる循環圧縮機、熱交換器、加熱炉、配管を使用して実施した。
【0156】
(iii) 次にこのゼオライト成形触媒の脱アルミニウムの状態を評価するため、n−ヘキサンの転化反応試験を行なった。ゼオライト触媒のSi/Al原子比と初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数とは比例関係にあることはよく知られている。よって、上記等分した触媒床の各ブロックから触媒を抜き出し、それぞれの触媒について実施例1と同一の方法で初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数を求めた。
【0157】
この触媒の活性、及び水蒸気処理時の最上部触媒の平均温度と最下部触媒の平均温度をその他の反応条件と共に表11に示す。ここで、表11中の初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数はゼオライトの脱アルミニウム率と対応する。 なお、ここでいう最上部触媒とは7等分した触媒床の最も上層部の触媒のことを意味し、最下部触媒とは7等分した触媒床の最も下層部の触媒のことを意味する。また、最上部触媒の平均温度と最下部触媒の平均温度は、それぞれの上部から下部までの温度の平均値である。
【0158】
次に、表2に示すC5 留分と表1に示すC4 留分を6:4(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比0.86)を530℃に加熱し、上記の固定床一段断熱型反応器に供給した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表11に示す。
上記反応後、最上部触媒を抜き出し、触媒上に生成したコークの量を、日本国Yanaco社製CHN CORDER MT−5型を用いて測定した。
【0159】
実施例12
実施例11の工程(i)と同様の方法でZSM−5ゼオライト成形触媒を得た。次に、実施例11の工程(ii)の第2段階処理を行なわない他は実施例11と同様に操作して、ゼオライト成形触媒の水蒸気処理を行なった。即ち、ゼオライト成形触媒を固定床一段断熱型反応器に充填し、窒素流通下で触媒床を600℃に加熱し、水蒸気を40容量%含む水蒸気−窒素混合ガスを、圧力1kg/cm2 ・G(水蒸気分圧0.8kg/cm2 )、温度600℃、水蒸気の重量時間空間速度(WHSV)0.08hr-1の条件下で1時間供給・流通した。触媒床を7等分し、それぞれの触媒床での水蒸気供給後の温度変化を測定した。
【0160】
次に実施例11の工程(iii) と同様の方法で触媒の活性評価を実施した。反応器最上部、中部、最下部の触媒の活性、及び水蒸気処理時の最上部触媒の平均温度と最下部触媒の平均温度を表11に示す。
【0161】
次に、表2に示すC5 留分と表1に示すC4 留分を6:4(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比0.86)を530℃に加熱し、上記の固定床一段断熱型反応器に供給した。反応開始10時間後の反応結果を反応条件と共に表11に示す。
また、実施例11と同様にして、最上部触媒を抜き出し、触媒上に生成したコークの量を測定した。測定結果を、実施例11で測定したコークの量に対する相対量として表11に示す。
表11より、水蒸気処理を2段階で実施すると、触媒床上部でのコーキングを効果的に抑制できることがわかる。
【0162】
実施例13
アンモニウムイオン型ZSM−5結晶性アルミノシリケート(Si/Al原子比46)60重量部とγ−アルミナ15重量部及び硝酸亜鉛25重量部を混練後、押し出し成形を実施し、直径1.6mm、長さ4〜6mmに成形した。次いで、120℃、4時間乾燥後、500℃、3時間焼成し、亜鉛を10重量%含むZSM−5ゼオライト成形触媒を得た。
次にこの触媒を固定床一段断熱型反応器に触媒床として充填し、水蒸気を40容量%含む水蒸気−窒素混合ガスを、圧力1kg/cm2 ・G、温度650℃の条件下で該触媒床に5時間供給・流通した。
【0163】
(i)次に、表2に示すC5 留分と表1に示すC4 留分を6:4(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比0.86)を530〜550℃に加熱し、上記の固定床一段断熱型反応器に2日間供給した。
【0164】
(ii)次に該原料の供給を停止し、触媒上に蓄積した炭素質(コーク)を、図7に示す如きコーク燃焼用ガス循環回路を用いて、以下の条件で約2日間で燃焼除去することにより触媒を再生した。
酸素濃度 0.8〜1.2容量%
燃焼用ガスの循環量 5000m3 /hr(0℃、大気圧下)
再生系外放出ガス量 7.3〜9.2容量%
GHSV 530hr-1
圧力 5kg/cm2 ・G
温度 420〜520℃
なお、触媒の再生においては、図7に示すガス27(新鮮イナートガス)(以下、メークアップガスという)の量を、燃焼用ガスに対し3.5容量%とし、ガス28(酸素含有イナートガス)の量を3.8〜5.7容量%とした。
【0165】
上記触媒の再生(ii)に続いて、前記(i)と同様の方法の軽質炭化水素の接触環化反応と前記(ii)と同様の触媒再生とを繰り返し実施した。
第1回目の接触環化反応の条件と結果、及び、再生75回目の触媒を用いた反応についての反応条件と結果を表12に示す。
なお、ここでGHSV(体積時間空間速度)とは下式にて求めたものをいう。
GHSV(hr-1)=燃焼用ガスの循環量(Nm3 /hr)/触媒量(m3
【0166】
実施例14
触媒再生時のメークアップガス27の燃焼用ガスに対する量が0.1容量%であり、再生系外放出ガス量が3.9〜5.8容量%である以外は実施例13と同様の操作を実施した。第1回目の接触環化反応の条件と結果、及び、再生75回目の触媒を用いた反応についての反応条件と結果を表13に示す。
【0167】
比較例12
アンモニウムイオン型ZSM−5結晶性アルミノシリケート(Si/Al原子比46)60重量部とγ−アルミナ15重量部及び硝酸亜鉛25重量部を混練後、押し出し成形を実施し、直径1.6mm、長さ4〜6mmに成形した。次いで、120℃、4時間乾燥後、500℃、3時間焼成し、亜鉛を10重量%含むZSM−5ゼオライト成形触媒を得た。
次にこの触媒を固定床一段断熱型反応器に触媒床として充填し、水蒸気を80容量%含む水蒸気−窒素混合ガスを、圧力1kg/cm2 ・G、温度550℃の条件下で該触媒床に1時間供給・流通した。
【0168】
次にこのゼオライト成形触媒の等温でのn−ヘキサン転化反応試験を実施例1と同一の方法で実施したところ、初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数は3(sec-1)であった。
次にこのゼオライト触媒を、n−ヘキサン転化反応試験で用いたのと同様の10mmφの石英製反応管(等温型反応器)に触媒として充填し、該反応管を電気炉で外部加熱して触媒床全体の温度を538℃に一定にした。
【0169】
次に、n−ペンタン/1−ペンテンを60/40(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比0.66)を538℃に加熱して上記の等温型反応器に供給し、大気圧で反応させた。反応開始5時間後の結果を表13に示す。又上記石英製反応管、及び電気炉を含む反応装置の概略図を図8に示す。表13に示すように、5時間後の芳香族収率は高いが、5日後の芳香族収率が低く、長期的に高い芳香族収率を維持することができない。
【0170】
比較例13〜15
アンモニウムイオン型ZSM−5結晶性アルミノシリケート(Si/Al原子比46)60重量部とγ−アルミナ15重量部及び硝酸亜鉛25重量部を混練後、押し出し成形を実施し、直径1.6mm、長さ4〜6mmに成形した。次いで、120℃、4時間乾燥後、500℃、3時間焼成し、亜鉛を10重量%含むZSM−5ゼオライト成形触媒を得た。
次にこの触媒を固定床一段断熱型反応器に触媒床として充填し、水蒸気を80容量%含む水蒸気−窒素混合ガスを、圧力1kg/cm2 ・G、温度700℃の条件下で該触媒床に2時間供給・流通した。
【0171】
次にこのゼオライト成形触媒の等温でのn−ヘキサン転化反応試験を実施例1と同一の方法で実施したところ、初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数は0.3(sec-1)であった。
次に、表2に示すC5 留分(不飽和炭化水素/飽和炭化水素重量比0.37)を530℃に加温し、上記の固定床一段断熱型反応器に供給し、大気圧、WHSV=0.8hr-1の条件で反応させた(比較例13)。反応開始5時間後の結果を表13に示す。
また、原料として、表2に示すC5 留分のうち飽和炭化水素のみを用いた他は比較例13と同様の操作を行なった(比較例14)。結果を表13に示す。
また、原料として、表2に示すC5 留分のうち不飽和炭化水素のみを用いた他は比較例13と同様の操作を行なった(比較例15)。結果を表13に示す。
【0172】
表13に示されるように、比較例13の芳香族収率(22.9重量%)は比較例14と比較例15の芳香族収率から求められる計算芳香族収率(29.8重量%)より小さい。なお、上記の計算芳香族収率は下記のようにして求められるものである。
(i)表2に示すC5 留分(炭素数5以下の成分)の各成分の量は下記の通りり。
【0173】
【表1】
Figure 0004240339
【0174】
(ii)従って、飽和炭化水素の量は72.9重量%で、不飽和炭化水素の量は27.1重量%。
(iii) 表13に示すように、比較例14(飽和炭化水素のみ使用)の芳香族収率は19.7重量%で、比較例15(不飽和炭化水素のみ使用)の芳香族収率は56.8重量%。
(iv)従って、計算芳香族収率は下記の式で求められる。
(19.7×72.9+56.8×27.1)/100=29.8重量%
【0175】
【表2】
Figure 0004240339
【0176】
【表3】
Figure 0004240339
【0177】
【表4】
Figure 0004240339
【0178】
【表5】
Figure 0004240339
【0179】
【表6】
Figure 0004240339
【0180】
【表7】
Figure 0004240339
【0181】
【表8】
Figure 0004240339
【0182】
【表9】
Figure 0004240339
【0183】
【表10】
Figure 0004240339
【0184】
【表11】
Figure 0004240339
【0185】
【表12】
Figure 0004240339
【0186】
【表13】
Figure 0004240339
【0187】
【表14】
Figure 0004240339
【0188】
【表15】
Figure 0004240339
【0189】
【表16】
Figure 0004240339
【0190】
【表17】
Figure 0004240339
【0191】
【表18】
Figure 0004240339
【0192】
【発明の効果】
以上の如き本発明の方法に従えば、構造が簡単で且つ効率がよく工業的に最も望ましい固定床断熱型反応器を用いて、オレフィン及び/又はパラフィンを含む軽質炭化水素から芳香族炭化水素を高収率で得ることができ、しかも触媒の活性低下も少なく、長期間安定な運転が可能となる。本発明の方法は、石油化学工業、石油精製に広く利用することができ、特に芳香族化合物や高オクタン価ガソリンの製造に有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の一実施態様を示すフローシートである。
【図2】本発明の方法の他の実施態様を示すフローシートである。
【図3】本発明の方法における触媒床内温度分布の一例を示す図である。
【図4】本発明の方法に用いるゼオライト系触媒を水蒸気処理する時の触媒床内の、好ましい均一な温度分布の一例を、好ましくない不均一な温度分布と共に示す図である。
【図5】本発明の方法における反応混合物の分離の一実施態様を示すフローシートである。
【図6】本発明の方法における反応混合物の分離の他の実施態様を示すフローシートである。
【図7】本発明の方法におけるゼオライト系触媒再生の一実施態様を示すフローシートである。
【図8】本発明の方法に用いるゼオライト系触媒の活性の測定に用いる等温型反応装置の概略図である。
【図9】本発明の方法における反応生成物のリサイクルの一実施態様を示すフローシートである。
【符号の説明】
1 固定床断熱型反応器
2 固定床断熱型反応器
3 原料流体
4 原料流体
5 反応混合物流体
6 反応混合物流体
7 反応混合物流体
8 固定床断熱型反応器
9 原料流体
10 原料流体
11 原料流体
12 反応混合物流体
13 加熱炉
14 固定床断熱型反応器
15 熱交換器
16 分離手段(気液分離槽及び/又は蒸留塔)
17 原料流体
18 原料流体
19 反応混合物流体
20 反応混合物流体
21 触媒再生帯域
22 循環圧縮機
23 加熱炉
24 燃焼用ガス
25 排出燃焼用ガス
26 排出燃焼用ガスの一部
27 イナートガス
28 酸素を含むイナートガス
29 石英反応管
30 温度計
31 原料流入口
32 ラシヒリング
33 電気炉
34 温度調整用熱電対
35 触媒
36 石英ウール
37 コンデンサー
38 オイルトラップ(ドライアイス・エタノール)
39 発生ガス補修用バック
40 反応器
41 精製分離手段
42 リサイクル成分
43 フレッシュフィード
44 混合物
(A) 芳香族炭化水素に富んだ生成物
(B) 水素及び炭素数1〜5のパラフィン、オレフィン、ナフテンの非芳香族炭化水素生成物
(C) 炭素数4及び5の非芳香族炭化水素を主体とした生成物
(D) 水素及び炭素数1〜3を主体とした炭化水素生成物

Claims (33)

  1. 軽質炭化水素から接触環化によって芳香族炭化水素を製造する方法において、オレフィン及びパラフィンから選ばれる少なくとも一種を含む軽質炭化水素原料を、新鮮なゼオライト系触媒及び水蒸気処理ゼオライト系触媒からなる群から選ばれる少なくとも一種であるゼオライト系触媒を含む固定触媒床を有する固定床断熱型反応器に供給することにより、該反応器においてゼオライト系触媒と接触させて軽質炭化水素原料の接触環化反応を行なうに際し、該接触環化反応を、下記の要件(1),(2),(3),(4)を満たす条件下で行なうことを特徴とする芳香族炭化水素の製造方
    法。
    (1)ゼオライト系触媒が、500℃、大気圧下で測定した、該ゼオライト系触媒によるn−ヘキサン分解の初期の1次反応速度定数の値として0.2(sec-1)以上の初期の触媒活性を有する。
    (2)触媒床の温度が450〜650℃である。
    (3)触媒床が、触媒床の入口から出口までの距離に関して温度分布を有し、該温度分布が少なくとも1つの極大値を持つ。
    (4)触媒床の出口の温度が、触媒床の入口の温度に対し±40℃の範囲にある。
  2. 該ゼオライト系触媒がゼオライトからなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. ゼオライト系触媒が、ゼオライトと、周期律表VIII族,Ib族,IIb族及び IIIb族に属する金属及びその化合物から選ばれる少なくとも一種との混合物を包含してなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. ゼオライト系触媒が、ゼオライトと、亜鉛及びその化合物から選ばれる少なくとも一種との混合物を包含してなることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. ゼオライト系触媒が、ゼオライトと、亜鉛及びその化合物から選ばれる少なくとも一種、ならびにアルミナとの混合物を包含してなることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. ゼオライト系触媒が、ゼオライトと、亜鉛及びその化合物から選ばれる少なくとも一種ならびにアルミナの混合物を水蒸気中で熱処理したものとの混合物を包含してなることを特徴とする請求項4に記載の方
    法。
  7. ゼオライト系触媒が、ゼオライトとアルミン酸亜鉛との混合物を包含してなることを特徴とする請求項4に記載の方法。
  8. ゼオライト系触媒中の、亜鉛及びその化合物から選ばれる少なくとも一種の含有量が、亜鉛として5〜25重量%である請求項4〜7のいずれかに記載の方法。
  9. ゼオライト系触媒のゼオライトが、周期律表VIII族,Ib族,IIb族及び IIIb族に属する金属により置換されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. ゼオライト系触媒のゼオライトが、Si/Al原子比が12以上のゼオライト骨格を有しており、且つ、Naを500重量ppm 以下の濃度で含有している請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. ゼオライト系触媒が、ZSM−5型ゼオライトよりなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. ゼオライト系触媒が、新鮮なゼオライト系触媒であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. ゼオライト系触媒が、新鮮なゼオライト系触媒を水蒸気処理することにより得られた水蒸気処理触媒であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  14. ゼオライト系触媒が、ゼオライトからなる新鮮なゼオライト系触媒を水蒸気処理して得られる水蒸気処理触媒と、周期律表VIII族,Ib族,IIb族及び IIIb族に属する金属及びその化合物から選ばれる少なくとも一種との混合物を包含してなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 新鮮なゼオライト系触媒の水蒸気処理を、該新鮮なゼオライト系触媒を含む水蒸気処理反応器に、次の工程(a)及び(b)で水蒸気を流通することにより水蒸気処理を行なうことを特徴とする請求項13又は14に記載の方法。
    (a)水蒸気分圧0.1kg/cm2 以上、温度500〜650℃の水蒸気を水蒸気処理反応器に流通させて、新鮮なゼオライト系触媒に0.1時間〜3時間接触させ、続いて、(b)水蒸気の流通を一時的に停止し、水蒸気処理反応器内の残留水蒸気を除去した後、更に水蒸気分圧0.1〜10kg/cm2 、温度515〜700℃の水蒸気であって、上記工程(a)での流通水蒸気温度より高い温度の水蒸気を反応器に流通させ、該工程(b)は少なくとも
    1回行ない、各工程(b)においては、そこに流される水蒸気と、該工程(b)の前の工程で水蒸気処理されたゼオライト系触媒を接触させる。
  16. 軽質炭化水素原料が、石油系炭化水素材料の高温熱分解装置から得られる生成物のC4 留分、又は該C4 留分よりブタジエン又はブタジエンとi−ブテンを除いた留分;石油系炭化水素材料の高温熱分解装置から得られる生成物のC5 留分、又は該C5 留分からジエン類を除いた留分;熱分解ガソリン;熱分解ガソリンより芳香族炭化水素抽出を行なったラフィネート;FCC−LPG;FCC分解ガソリン;リフォーメートより芳香族炭化水素を抽出したラフィネート;コーカーのLPG;及び直留ナフサより選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  17. 軽質炭化水素原料が飽和炭化水素と不飽和炭化水素よりなり、軽質炭化水素原料中の飽和炭化水素の不飽和炭化水素に対する重量比が0.43〜2.33であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 環化反応中の固定床断熱型反応器内の圧力が、大気圧〜30kg/cm2 ・Gであって、該軽質炭化水素原料を、重量時間空間速度(WHSV)が0.1〜50hr-1で供給することを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 製造された芳香族炭化水素を含む環化反応混合物を、気液分離槽、及び場合によっては蒸留塔、を用いて、芳香族炭化水素に富んだ生成物Aと、水素及び炭素数1〜5の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Bとに分離することを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 製造された芳香族炭化水素を含む環化反応混合物を、気液分離槽、及び場合によっては蒸留塔、を用いて、芳香族炭化水素に富んだ生成物Aと、炭素数4及び5の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Cと水素及び炭素数1〜3の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Dとに分離することを特徴とする請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  21. 該気液分離槽にて気液分離する際に使用する冷媒として、石油系炭化水素の高温熱分解を含むエチレン製造プロセスで製造され且つ該プロセスにおいて冷媒として使用されるプロピレンあるいはエチレンよりなる冷媒系を用いることを特徴とする請求項19又は20に記載の方法。
  22. 水素及び炭素数1〜5の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Bの少なくとも一部を、固定床断熱型反応器にリサイクルし、軽質炭化水素原料の一部として用いることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  23. 水素及び炭素数1〜5の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Bの少なくとも一部を、石油系炭化水素材料の高温熱分解装置に供給することを特徴とする請求項19に記載の方法。
  24. 炭素数4及び5の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Cと水素及び炭素数1〜3の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Dより選ばれる少なくとも一種の少なくとも一部を、固定床断熱型反応器にリサイクルし、軽質炭化水素原料の一部として用いることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  25. 炭素数4及び5の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Cと水素及び炭素数1〜3の非芳香族炭化水素を主体とする生成物Dより選ばれる少なくとも一種の少なくとも一部を、石油系炭化水素材料の高温熱分解装置に供給することを特徴とする請求項20に記載の方法。
  26. 芳香族炭化水素に富んだ生成物Aを、更に次の各方法より選ばれる少なくとも一種の方法により処理することを特徴とする請求項19〜25のいずれかに記載の方法。該生成物Aを脱アルキル反応器に導入しベンゼンを得る方法;該生成物Aを蒸留装置あるいは抽出装置あるいは抽出蒸留装置に導入しベンゼン、トルエン、キシレンを得る方法;該生成物Aを不均化反応装
    置あるいは異性化反応装置で処理する方法;及び該生成物Aをガソリンとブレンドする方法。
  27. 該固定床断熱型反応器への軽質炭化水素原料の供給を一時的に停止し、環化反応の間にゼオライト系触媒上に蓄積したコークを、酸素含有イナートガスを用いて触媒再生帯域において燃焼除去することによって、ゼオライト系触媒を再生することを更に包含することを特徴とする請求項1〜26のいずれかに記載の方法。
  28. 上記触媒再生帯域からの排出燃焼用ガスを、循環圧縮機を使用し、加熱炉を通して触媒再生帯域にリサイクルして、該触媒再生帯域、循環圧縮機及び加熱炉の順で配管により連結されている燃焼用ガス循環系を形成し、且つ、新鮮な酸素含有イナートガスを、該燃焼用ガス循環系の触媒再生帯域出口と加熱炉入口との間に位置する第1の入口に、該燃焼用ガスの循環量に対し0.05〜50容量%の量を供給すると共に、該触媒再生帯域からの排出燃焼用ガスを、該加熱炉に達する前に、第1の入口へ供給される上記の新鮮な酸素含有イナートガスの量と等しい量だけ系外へ放出し、その際、該触媒再生帯域へ導入される燃焼用ガスの酸素含有量が0.01〜10容量%となるように、該新鮮な酸素含有イナートガスの供給量及び酸素含有量を調整することを特徴とする請求項27に記載の方法。
  29. 更に、酸素を含有しない新鮮なイナートガスを、上記の第1の入口と同じ入口か又は該燃焼用ガス循環系の触媒再生帯域出口と加熱炉入口との間に第1の入口とは別に設けられている入口である第2の入口に、該燃焼用ガスの循環量に対し10容量%以下の量を供給すると共に、該触媒再生帯域からの排出燃焼用ガスを、該加熱炉に達する前に、第2の入口へ供給される上記の酸素を含有しない新鮮なイナートガスの量と等しい量だけ付加的に系外へ放出することにより、該触媒再生帯域に流入する燃焼用ガスの水蒸気分圧の上昇を抑制することを包含する請求項28に記載の方法。
  30. 該循環圧縮機により圧縮すべき燃焼用ガスを冷却し、且つ、圧縮された燃焼用ガスを、該加熱炉に達する前に加熱することを更に包含し、その際、冷却と加熱を少なくとも1つの熱交換器により行なうことを特徴とする請求項29に記載の方法。
  31. 上記の新鮮なゼオライト系触媒の水蒸気処理を、配管で連結されている水蒸気処理反応器、循環圧縮機、加熱炉及び少なくとも1つの熱交換器を包含する水蒸気循環系を用いて行なうことを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の方法。
  32. 該水蒸気処理反応器を該断熱型反応器として用いる請求項31に記載の方法。
  33. 該水蒸気循環系を、請求項30の方法に記載のゼオライト系触媒の再生用の燃焼用ガス循環系として利用し、その際、該水蒸気処理反応器を、燃焼用ガス循環系における触媒再生帯域を含む触媒再生用反応器としてそのまま用いるか、あるいは、該水蒸気処理反応器を該触媒再生用反応器に代えて用い、更に、水蒸気循環系に用いる水蒸気に代えて燃焼用ガス循環系に用い
    る燃焼用ガスを用いることを特徴とする請求項31又は32に記載の方法。
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