JP4239906B2 - 中継コネクタと電気部品との接続構造 - Google Patents

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Description

本発明は、中継コネクタと電気部品との接続構造に関する。
例えば、自動車のオートマティックトランスミッションにおいては、ケース内に配される機器に油圧制御のためのソレノイドバルブが複数設けられており、これらソレノイドバルブを外部回路に接続するための中継コネクタがケース内外に貫通した状態で取り付けられている。中継コネクタの内側の嵌合部には、内部コネクタが嵌合されるとともにこの内部コネクタから引き出された電線の端部には、複数のコネクタが設けられ、これら各コネクタが各ソレノイドバルブのコネクタ部に対して嵌合接続されるようになっている。なおこのような接続構造の一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。
特開平6−223903号公報
ところが、上記した接続構造では、各ソレノイドバルブに対して各コネクタを個別に接続する必要があるため、作業工数が多くて作業性が芳しくないという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、作業性の向上を図ることを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、ケース内に配される機器にブラケットによって取り付けられる複数の電気部品と、外部回路に電気的に接続される中継コネクタとを接続するものであって、前記中継コネクタには、複数の電気部品用嵌合部が一体に設けられ、中継コネクタの組み付けに伴って、前記各電気部品用嵌合部が前記各電気部品に設けられたコネクタ部に対して一括して嵌合されるようになっており、前記電気部品は、前記電気部品用嵌合部と前記コネクタ部との嵌合方向と略直交する軸線を有する本体部を備え、この本体部から前記コネクタ部が前記嵌合方向に沿って突出する形態とされており、前記電気部品には、前記電気部品用嵌合部に対して嵌合方向と略直交する方向に相対変位させることで芯合わせが可能な調芯手段として前記ブラケットが取り付けられ、前記電気部品は、前記ブラケットに対して前記本体部の軸線方向に沿ってスライド可能とされ且つ前記本体部の軸線周りに回動可能とされることで、前記嵌合方向と略直交する2方向に相対変位可能とされており、複数の前記電気部品は、前記本体部の軸線周りの回動に伴う相対変位方向に沿って並んで配されており、前記電気部品を前記電気部品用嵌合部と嵌合可能となる姿勢に位置決めするための位置決め手段が設けられている構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記位置決め手段は、前記中継コネクタと前記機器とのいずれか一方に設けられた第1位置決めピンと、他方側に設けられるとともに組み付けに伴って前記第1位置決めピンを受け入れ可能な第1位置決め凹部とを有し、且つ前記電気部品用嵌合部と前記電気部品とのいずれか一方に設けられた第2位置決めピンと、他方側に設けられるとともに組み付けに伴って前記第2位置決めピンを受け入れ可能な第2位置決め凹部とを有しているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記位置決め手段は、前記中継コネクタに先立って組み付けられるアライメントプレートにより構成され、このアライメントプレートには、各コネクタ部を挿通するとともに各コネクタ部を前記電気部品用嵌合部に対して嵌合可能となる姿勢に支持可能な挿通孔が設けられるとともに、この挿通孔の周縁には、組み付け時に各コネクタ部に対して摺接されることで各コネクタ部を挿通孔内に挿通するよう案内可能な案内面が設けられているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記位置決め手段は、前記中継コネクタと前記機器とのいずれか一方に設けられた位置決めピンと、他方側に設けられるとともに組み付け時に前記位置決めピンが挿入可能な位置決め溝とを有し、且つ前記位置決めピンを位置決め溝に沿って組付方向と略直交する方向へ移動させるのに伴って、前記各コネクタ部の外面を押圧することで各コネクタ部を電気部品用嵌合部に対して嵌合可能となる姿勢に案内可能な案内部を有しているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
中継コネクタを組み付けると、各電気部品用嵌合部が各電気部品のコネクタ部に対して一括して嵌合されるとともに各電気部品が中継コネクタを介して外部回路に接続される。従って、従来のように各電気部品を個別に接続する場合と比較して作業性の向上を図ることができる。しかも、組み付け時には、位置決め手段によって調芯手段を備えた電気部品電気部品用嵌合部と嵌合可能となる姿勢に位置決めがなされるとともに、調芯手段により芯合わせされつつ両者が嵌合されるから、嵌合動作が円滑なものとなり、もって接続作業性が良好なものとなっている。
<請求項2の発明>
中継コネクタを組み付けると、まず第1位置決めピンが第1位置決め凹部内に進入することで、中継コネクタと機器とが位置決めされる。続いて、第2位置決めピンが第2位置決め凹部内に進入することで、電気部品用嵌合部とコネクタ部とが位置決めされつつ調芯手段によって両者の芯合わせがなされ、両者の嵌合が円滑に行われる。
<請求項3の発明>
先にアライメントプレートを組み付けると、各コネクタ部が案内面に案内されることで、調芯手段によって電気部品用嵌合部に対して嵌合可能となる姿勢に芯合わせされつつ挿通孔内に挿通されて同姿勢に支持される。その後、中継コネクタを組み付けることで、各電気部品用嵌合部が予め芯合わせされた各コネクタ部に対して円滑に嵌合される。本発明によれば、電気部品や中継コネクタに位置決めのための格別な構造を設ける必要がない。
<請求項4の発明>
中継コネクタを組み付ける際に、位置決めピンを位置決め溝に挿入するとともに、中継コネクタを操作することで位置決めピンを位置決め溝に沿って組付方向と略直交する方向へ移動させる。このとき、案内部が各コネクタ部の外面を押圧することで、調芯手段によって各コネクタ部が電気部品用嵌合部に対して嵌合可能となる姿勢へと芯合わせされるので、両者の嵌合が円滑になされる。本発明によれば、電気部品側に位置決めのための格別な構造を設ける必要がない。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図12によって説明する。この実施形態1では、自動車のオートマティックトランスミッションのケースC内に配されるバルブボディ30に油圧制御用のソレノイドバルブ20が複数(2つ)取り付けられ、これらソレノイドバルブ20が、中継コネクタ10を介して外部回路に対して電気的に接続されるものを示す。なお、以下では上下方向について図3や図4を基準とし、また水平方向について図1に示す矢線X,Y方向を基準とする。
中継コネクタ10は、図1,図3及び図4に示すように、内部に複数本のバスバーを埋設した合成樹脂製のコネクタハウジング11を有しており、このうちケースCの一面に形成された開口部Hに貫通した状態で取り付けられる部分が、外部回路に接続された外部コネクタ(図示せず)を嵌合可能な外部回路用嵌合部12とされる。この外部回路用嵌合部12には、上下に延出する連結部13を介して横長な配電盤14が連結されており、この配電盤14には、ソレノイドバルブ20と嵌合可能なバルブ用嵌合部15がX方向に沿って2つ並んだ状態で一体に設けられている。バルブ用嵌合部15は、配電盤14の下面から下方へ突出する略角筒状に形成されており、その先端部内周縁には、コネクタ部22の嵌合動作を案内すべくテーパ面15aが周設されている。バルブ用嵌合部15内には、バスバーにおける下側の端部が突出した状態で配され、ここがソレノイドバルブ20との接続部15bとされている。接続部15bは、バルブ用嵌合部15内にてX方向に2本並んだ状態で配されている。またバスバーのうち上側の端部は、外部回路用嵌合部12内に配されて、外部コネクタの端子と導通接続されるようになっている。なお外部回路用嵌合部12の外周面には、開口部Hの周面に密着して開口部Hをシール可能なシールリング12aが嵌着されている。
ソレノイドバルブ20は、図2ないし図4に示すように、内部にコイル(図示せず)などを設けた略円柱状をなす本体部21を有しており、この本体部21における一方の端部が箱型のバルブボディ30の側面に挿入された状態でブラケット40により取り付けられ、バルブボディ30内の油路における油圧を制御できるようになっている。ソレノイドバルブ20は、X方向に沿って2つ並んだ状態で配されている。本体部21のうちバルブボディ30外に突出した部分には、上方から見て四角形をなす略ブロック状のコネクタ部22が上方へ突出して設けられており、このコネクタ部22の先端部外周縁には、バルブ用嵌合部15内への嵌合動作を案内すべくテーパ面22aが周設されている。このコネクタ部22内には、コイルのリード線に接続された端子金具23が一対並んだ状態で収容されている。この端子金具23の接触片23aが中継コネクタ10の接続部15bに対して弾性接触可能とされている。このコネクタ部22とバルブ用嵌合部15との嵌合方向は、上下方向に沿った方向とされ、バルブボディ30に対する中継コネクタ10の組付方向と同方向に設定されている。
ソレノイドバルブ20は、ブラケット40に対して図示水平方向(嵌合方向と略直交する方向)に沿って相対変位可能に取り付けられ、これにより相手のバルブ用嵌合部15に対して芯合わせされるようになっており、つまりソレノイドバルブ20には調芯手段が備えられている。詳しくは、ソレノイドバルブ20の本体部21には、コネクタ部22が設けられた先端側よりも径寸法が小さい小径部24が設けられており、ここにブラケット40が取り付けられている。ブラケット40は、全体が略L字型をなしており、このうち上記小径部24に嵌められる垂直部分41の先端部が小径部24の周面に沿って略環状に形成されることで、本体部21が垂直部分41に対して軸線周りに回動変位できるようになっている。これにより、コネクタ部22がバルブ用嵌合部15に対してX方向に相対変位可能とされている。また本体部21の回動可能範囲は、図示しないストッパによって規制可能とされ、例えばコネクタ部22がほぼ鉛直をなす姿勢から左右に約5度ずつの角度範囲に規制できる。一方、ブラケット40の垂直部分41に対して本体部21の小径部24が摺接することで、本体部21が垂直部分41に対して軸線方向(Y方向)に沿ってスライド可能とされている。これにより、コネクタ部22がバルブ用嵌合部15に対してY方向に相対変位可能とされている。またブラケット40のうち水平部分42がバルブボディ30に対してねじなどにより固定される。
そして、中継コネクタ10とソレノイドバルブ20及びバルブボディ30には、ソレノイドバルブ20をバルブ用嵌合部15と嵌合可能となる姿勢に位置決めするための位置決め手段が備えられている。詳しくは、中継コネクタ10の配電盤14におけるX方向両端位置には、略円柱状をなす第1位置決めピン16が一対、バルブ用コネクタ部22よりもさらに下方位置まで突出して設けられている。第1位置決めピン16の先端部周面には、先細り状となるようテーパ面16aが周設されている。これに対して、バルブボディ30の上面におけるX方向両端位置には、上記第1位置決めピン16を受け入れ可能な第1位置決め凹部31が一対設けられている。第1位置決め凹部31は、上方から見て四角形状をなすとともにその先端部周面には、先端側ほど受け入れ間口が広くなるようテーパ面31aが周設されている。中継コネクタ10をバルブボディ30に対して組み付ける過程で、第1位置決めピン16が第1位置決め凹部31内に挿入されてその周面同士が摺接することで、中継コネクタ10をバルブボディ30に対してX,Y方向について位置決めできるようになっている。
さらには、ソレノイドバルブ20の本体部21における他方側の端部には、コネクタ部22よりもさらに上方へ突出する第2位置決めピン25が設けられている。第2位置決めピン25は、略円柱状に形成されるとともにコネクタ部22よりも上方位置まで突出する高さを有している。第2位置決めピン25の先端部周面には、先細り状となるようテーパ面25aが周設されている。また第2位置決めピン25は、連結部26によりコネクタ部22の側面に連結されている。これに対して、中継コネクタ10の配電盤14には、バルブ用嵌合部15と同じ高さまで突出するとともにその側面に連結される突出部が一対設けられ、ここに第2位置決めピン25を受け入れ可能な第2位置決め凹部17がそれぞれ設けられている。第2位置決め凹部17は、下方から見て略四角形状に形成されるとともにその先端部周面には、先端側ほど受け入れ間口が広くなるようテーパ面17aが周設されている。また第2位置決め凹部17の周縁部とコネクタ部22とは、連結部26を挿通できるよう互いに連通して形成されている。中継コネクタ10をバルブボディ30に対して組み付ける過程で、バルブ用嵌合部15内にコネクタ部22が嵌合する前の段階で、第2位置決めピン25が第2位置決め凹部17内に挿入されてその周面同士が摺接することで、上記調芯手段によりコネクタ部22がX,Y方向に変位してバルブ用嵌合部15内に嵌合できる姿勢に矯正されるようになっている。
本実施形態は以上のような構造であり、続いてその作用を説明する。両ソレノイドバルブ20をバルブボディ30に対して取り付けた後、中継コネクタ10の組み付け作業を行う。中継コネクタ10をバルブボディ30に向けて下降させていくと、まず第1位置決めピン16が第1位置決め凹部31内に挿入される。このとき、中継コネクタ10とバルブボディ30とがX,Y方向について位置ずれしていたとしても、図5及び図6に示すように、第1位置決めピン16及び第1位置決め凹部31のテーパ面16a,31a同士が摺接されることで、その位置ずれが矯正されるよう配電盤14(中継コネクタ10)がX,Y方向に誘導される。
組み付けがさらに進行すると、コネクタ部22がバルブ用嵌合部15内に嵌合される手前の段階で、第2位置決めピン25が第2位置決め凹部17内に挿入される。このとき、バルブボディ30に対する各ソレノイドバルブ20の取付位置が正規位置からずれていたり、またブラケット40に対してコネクタ部22が正規姿勢から軸線周りや軸線方向に位置ずれするなどして、コネクタ部22がバルブ用嵌合部15に対してX,Y方向について位置ずれしていたとしても、図7及び図8に示すように、第2位置決めピン25及び第2位置決め凹部17のテーパ面17a,25a同士が摺接されることで、ブラケット40に対してソレノイドバルブ20が軸線周りに回動したり、軸線方向に沿って進退して、コネクタ部22がバルブ用嵌合部15に対して嵌合できるような正規姿勢に矯正される。
このようにコネクタ部22とバルブ用嵌合部15とが予め芯合わせされるので、そのまま組み付けが進行するのに伴って、コネクタ部22がバルブ用嵌合部15内に円滑に嵌合される。このとき、図9及び図10に示すように、両者のテーパ面15a,22a同士が摺接されることで嵌合動作がより円滑なものとなっている。そして、組み付けが完了したところで、図11及び図12に示すように、コネクタ部22がバルブ用嵌合部15内に正規深さまで嵌合されるとともに、バスバーの接続部15bが端子金具23の接触片23aに対して弾性接触される。その後、中継コネクタ10の外部回路用嵌合部12をケースCの開口部Hに貫通させて取り付けるとともに、外部回路用嵌合部12内に外部コネクタを嵌合させることで、両ソレノイドバルブ20が外部回路に対して電気的に接続される。
以上説明したように本実施形態によれば、中継コネクタ10を組み付けるのに伴い、両バルブ用嵌合部15を両ソレノイドバルブ20のコネクタ部22に対して一括して嵌合させることができるから、従来のように各ソレノイドバルブ20にコネクタを個別に嵌合接続するものと比較すると、作業工数を削減できるなど作業性を向上させることができる。しかも、組み付け時には、第1位置決めピン16が第1位置決め凹部31内に進入することで、中継コネクタ10とバルブボディ30とが位置決めされ、その後、第2位置決めピン25が第2位置決め凹部17内に進入することで、バルブ用嵌合部15とコネクタ部22とが位置決めされつつブラケット40に対してソレノイドバルブ20が軸線周りに回動したり軸線方向に沿って進退することで芯合わせがなされるようになっているので、嵌合が円滑に行われ、作業性が良好なものとなっている。
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図13ないし図20によって説明する。この実施形態2では、上記した実施形態1の各位置決めピン及び各位置決め凹部に代えて、中継コネクタ10とは別体のアライメントプレート50を位置決め手段とした場合を示す。なおこの実施形態2では、上記した実施形態1と同様の構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。また実施形態2では、ケースなどの図示を省略するものとする。
バルブボディ30の側面には、図13に示すように、ソレノイドバルブ20Aが3つ並んで取り付けられている。中継コネクタ10における配電盤14には、各ソレノイドバルブ20Aに対応してバルブ用嵌合部15Aが3つ並んで設けられている。各バルブ用嵌合部15Aは、配電盤14における下面を凹ませることで形成されている。
アライメントプレート50は、合成樹脂製とされており、配電盤14と平行な板状に形成されている。アライメントプレート50には、各ソレノイドバルブ20Aのコネクタ部22Aを挿通可能な挿通孔51が3つ並んで設けられている。この挿通孔51内にコネクタ部22が挿通されることで、コネクタ部22Aは、バルブ用嵌合部15A内に嵌合可能な姿勢に支持されるようになっている。各挿通孔51は、アライメントプレート50を上下に貫通して形成されており、その孔縁下端には、コネクタ部22Aに対する受け入れ間口が広くなるようなテーパ状の案内面52が周設されている。この案内面52により、挿通孔51へのコネクタ部22Aの挿通動作を案内できるようになっている。
続いて組み付け作業を説明する。中継コネクタ10の組み付けに先立って、アライメントプレート50を組み付ける作業を行う。ここで、バルブボディ30に対するソレノイドバルブ20Aの取付位置が正規位置よりもずれていたり、またブラケット40に対してコネクタ部22Aが正規姿勢から軸線周りや軸線方向に位置ずれするなどして、コネクタ部22Aがバルブ用嵌合部15Aに対してX,Y方向について位置ずれしていたとしても、図15及び図16に示すように、アライメントプレート50の各挿通孔51の案内面52に対して各コネクタ部22Aの先端部が摺接されることで、ブラケット40に対してソレノイドバルブ20Aが軸線周りに回動したり、軸線方向に沿って進退して、コネクタ部22Aがバルブ用嵌合部15Aに対して嵌合できるような正規姿勢に矯正される。そして、アライメントプレート50が正規深さまで組み付けられると、図17及び図18に示すように、正規姿勢となった各コネクタ部22Aが各挿通孔51内に挿通されて正規姿勢に支持される。その後、中継コネクタ10を組み付けると、図19及び図20に示すように、予め芯合わせされた各バルブ用嵌合部15A内に各コネクタ部22Aが円滑に嵌合される。
以上説明したように本実施形態によれば、ソレノイドバルブ20Aや中継コネクタ10に位置決めのための格別な構造を設ける必要がないから、構造を簡素化することができる。
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図21ないし図30によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態2に示したアライメントプレートに代えて、中継コネクタ10とバルブボディ30とに位置決め手段を設けるようにした場合を示す。なおこの実施形態3では、上記した実施形態2と同様の構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
中継コネクタ10の配電盤14におけるX方向両端位置には、図21,図23及び図24に示すように、略円柱状をなす位置決めピン18が一対、下方へ突出して設けられている。位置決めピン18の先端部周面には、先細り状となるようテーパ面18aが周設されている。一方、配電盤14には、実施形態2と同様に、各ソレノイドバルブ20に対応してバルブ用嵌合部15Bが3つ並んで設けられており、各バルブ用嵌合部15Bは、配電盤14における下面を凹ませることで形成されている。配電盤14の下面のうち各バルブ用嵌合部15Bの周縁部分からは、下方から見てL字型をなす案内部19がそれぞれ突出して設けられている。案内部19は、X方向に沿った横板部19aと、Y方向に沿った縦板部19bとを連結した構成とされ、その内面がバルブ用嵌合部15Bの内周面と面一状をなしている。案内部19における横板部19aは、コネクタ部22BにおけるX方向に沿った外面22Baに当接可能とされ、縦板部19bは、コネクタ部22BにおけるY方向に沿った外面22Bbに当接可能とされる。また横板部19a及び縦板部19bは、バルブ用嵌合部15Bにおける対応する辺部よりも長く形成されている。
これに対し、バルブボディ30の上面には、図22ないし図24に示すように、位置決めピン18をそれぞれ挿入可能な位置決め溝32が一対設けられている。この位置決め溝32は、上方から見て略L字型に形成されており、X方向に延びる横長部分32aとY方向に延びる縦長部分32bとを連結した構成とされる。位置決め溝32のうち、横長部分32aにおける図22に示す左端部が始点位置とされ、縦長部分32bにおける同図手前側端部が終点位置とされており、挿入した位置決めピン18を始点位置から終点位置へ位置決め溝32に沿って移動させるのに伴って、各案内部19により各ソレノイドバルブ20Bのコネクタ部22Bが押圧されることで、各バルブ用嵌合部15Bに対して各コネクタ部22Bを芯合わせできるようになっている。なお、位置決めピン18を始点位置に挿入した状態では、コネクタ部22Bが図示左側(縦板部19b側)へ最も傾いた姿勢でも、縦板部19bに対してコネクタ部22Bが離間するか当接する設定とされ、またコネクタ部22Bが最も図示奥側(横板部19a側)に引っ込んだ状態でも、横板部19aに対してコネクタ部22Bが離間するか当接する設定とされている。
続いて組み付け作業を説明する。組み付けに先立って、まず各ソレノイドバルブ20Bのコネクタ部22BをX方向について図22に示す左側(縦板部19b側)へ傾けるとともに、Y方向について同図奥側(横板部19a側)へ引っ込めるようにしておく。その後、中継コネクタ10を組み付けるとともに、図25及び図26に示すように、各位置決めピン18を対応する位置決め溝32の横長部分32aにおける始点位置に挿入する。そして、各コネクタ部22Bと各バルブ用嵌合部15Bとが離間する高さに保ちつつ、位置決めピン18が位置決め溝32に沿って移動するよう配電盤14をX,Y方向へ操作する。
詳しくは、位置決めピン18が位置決め溝32のうち横長部分32aの始点位置から中間位置へX方向に沿って移動する過程では、縦板部19bによりコネクタ部22BにおけるY方向に沿った外面22Bbが押圧されることで、図27に示すように、ブラケット40に対してソレノイドバルブ20Bが軸線周りに回動するとともに、X方向についてバルブ用嵌合部15Bと嵌合可能な姿勢へと矯正される。その後、位置決めピン18が位置決め溝32の中間位置から縦長部分32bの終点位置へY方向に沿って移動する過程では、横板部19aによりコネクタ部22BにおけるX方向に沿った外面22Baが押圧されることで、図28に示すように、ブラケット40に対してソレノイドバルブ20Bが軸線方向に沿って図示右側(図22では手前側)へ移動するとともに、Y方向についてバルブ用嵌合部15Bと嵌合可能な姿勢へと矯正される。このようにして各コネクタ部22Bが各バルブ用嵌合部15Bと芯合わせされたとことで、中継コネクタ10を下降させると、図29及び図30に示すように、各コネクタ部22Bが各バルブ用嵌合部15B内に円滑に嵌合される。
以上説明したように本実施形態によれば、ソレノイドバルブ20Bに位置決めのための格別な構造を設ける必要がないから、構造を簡素化できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記した実施形態1において、中継コネクタ側に第1位置決め凹部を設け、バルブボディ側に第1位置決めピンを設けるようにしたり、またバルブ用嵌合部側に第2位置決めピンを設け、コネクタ部側に第2位置決め凹部を設けるようにしてもよい。同様に実施形態3において、中継コネクタ側に位置決め溝を設け、バルブボディ側に位置決めピンを設けるようにしてもよい。
)ソレノイドバルブの数については、任意に変更することができ、4つ以上備えられるものも本発明に含まれる。またソレノイドバルブ以外の電気部品を備えたものも本発明に含まれる。
本発明の実施形態1に係る中継コネクタの底面図 バルブボディ及びソレノイドバルブの平面図 中継コネクタを組み付ける前の状態を示す一部切欠正面図 中継コネクタを組み付ける前の状態を示す一部切欠側面図 第1位置決めピンと第1位置決め凹部のテーパ面同士が当接した状態を示す一部切欠正面図 第1位置決めピンと第1位置決め凹部のテーパ面同士が当接した状態を示す一部切欠側面図 第2位置決めピンと第2位置決め凹部のテーパ面同士が当接した状態を示す一部切欠正面図 第2位置決めピンと第2位置決め凹部のテーパ面同士が当接した状態を示す一部切欠側面図 コネクタ部とバルブ用嵌合部のテーパ面同士が当接した状態を示す一部切欠正面図 コネクタ部とバルブ用嵌合部のテーパ面同士が当接した状態を示す一部切欠側面図 コネクタ部がバルブ用嵌合部に正規に嵌合された状態を示す一部切欠正面図 コネクタ部がバルブ用嵌合部に正規に嵌合された状態を示す一部切欠側面図 本発明の実施形態2に係る中継コネクタ及びアライメントプレートを組み付ける前の状態を示す一部切欠正面図 中継コネクタ及びアライメントプレートを組み付ける前の状態を示す一部切欠側面図 アライメントプレートの案内面がコネクタ部に当接した状態を示す一部切欠正面図 アライメントプレートの案内面がコネクタ部に当接した状態を示す一部切欠側面図 コネクタ部がアライメントプレートの挿通孔に挿通された状態を示す一部切欠正面図 コネクタ部がアライメントプレートの挿通孔に挿通された状態を示す一部切欠側面図 中継コネクタが組み付けられた状態を示す一部切欠正面図 中継コネクタが組み付けられた状態を示す一部切欠側面図 本発明の実施形態3に係る中継コネクタの底面図 バルブボディ及びソレノイドバルブの平面図 中継コネクタを組み付ける前の状態を示す一部切欠正面図 中継コネクタを組み付ける前の状態を示す一部切欠側面図 位置決めピンが位置決め溝の始点位置に挿入された状態を示す一部切欠正面図 位置決めピンが位置決め溝の始点位置に挿入された状態を示す一部切欠側面図 位置決めピンが位置決め溝の中間位置に達した状態を示す一部切欠正面図 位置決めピンが位置決め溝の終点位置に達した状態を示す一部切欠側面図 中継コネクタが組み付けられた状態を示す一部切欠正面図 中継コネクタが組み付けられた状態を示す一部切欠側面図
符号の説明
10…中継コネクタ
15,15A,15B…バルブ用嵌合部(電気部品用嵌合部)
16…第1位置決めピン
17…第2位置決め凹部
18…位置決めピン
19…案内部
20,20A,20B…ソレノイドバルブ(電気部品)
22,22A,22B…コネクタ部
22Ba,22Bb…外面
25…第2位置決めピン
30…バルブボディ(機器)
31…第1位置決め凹部
32…位置決め溝
40…ブラケット(調芯手段)
50…アライメントプレート
51…挿通孔
52…案内面
C…ケース

Claims (4)

  1. ケース内に配される機器にブラケットによって取り付けられる複数の電気部品と、外部回路に電気的に接続される中継コネクタとを接続するものであって、
    前記中継コネクタには、複数の電気部品用嵌合部が一体に設けられ、中継コネクタの組み付けに伴って、前記各電気部品用嵌合部が前記各電気部品に設けられたコネクタ部に対して一括して嵌合されるようになっており、
    前記電気部品は、前記電気部品用嵌合部と前記コネクタ部との嵌合方向と略直交する軸線を有する本体部を備え、この本体部から前記コネクタ部が前記嵌合方向に沿って突出する形態とされており、
    記電気部品には、前記電気部品用嵌合部に対して嵌合方向と略直交する方向に相対変位させることで芯合わせが可能な調芯手段として前記ブラケットが取り付けられ、前記電気部品は、前記ブラケットに対して前記本体部の軸線方向に沿ってスライド可能とされ且つ前記本体部の軸線周りに回動可能とされることで、前記嵌合方向と略直交する2方向に相対変位可能とされており、
    複数の前記電気部品は、前記本体部の軸線周りの回動に伴う相対変位方向に沿って並んで配されており、
    記電気部品を前記電気部品用嵌合部と嵌合可能となる姿勢に位置決めするための位置決め手段が設けられていることを特徴とする中継コネクタと電気部品との接続構造。
  2. 記位置決め手段は、前記中継コネクタと前記機器とのいずれか一方に設けられた第1位置決めピンと、他方側に設けられるとともに組み付けに伴って前記第1位置決めピンを受け入れ可能な第1位置決め凹部とを有し、且つ前記電気部品用嵌合部と前記電気部品とのいずれか一方に設けられた第2位置決めピンと、他方側に設けられるとともに組み付けに伴って前記第2位置決めピンを受け入れ可能な第2位置決め凹部とを有していることを特徴とする請求項1記載の中継コネクタと電気部品との接続構造。
  3. 記位置決め手段は、前記中継コネクタに先立って組み付けられるアライメントプレートにより構成され、このアライメントプレートには、各コネクタ部を挿通するとともに各コネクタ部を前記電気部品用嵌合部に対して嵌合可能となる姿勢に支持可能な挿通孔が設けられるとともに、この挿通孔の周縁には、組み付け時に各コネクタ部に対して摺接されることで各コネクタ部を挿通孔内に挿通するよう案内可能な案内面が設けられていることを特徴とする請求項1記載の中継コネクタと電気部品との接続構造。
  4. 記位置決め手段は、前記中継コネクタと前記機器とのいずれか一方に設けられた位置決めピンと、他方側に設けられるとともに組み付け時に前記位置決めピンが挿入可能な位置決め溝とを有し、且つ前記位置決めピンを位置決め溝に沿って組付方向と略直交する方向へ移動させるのに伴って、前記各コネクタ部の外面を押圧することで各コネクタ部を電気部品用嵌合部に対して嵌合可能となる姿勢に案内可能な案内部を有していることを特徴とする請求項1記載の中継コネクタと電気部品との接続構造。
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