JP4239127B2 - 銅のエッチング剤、これを用いた電子機器用基板の製造方法および電子機器 - Google Patents

銅のエッチング剤、これを用いた電子機器用基板の製造方法および電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基体上に低抵抗の銅を用いた配線を作製するためのエッチング剤、これを用いた電子機器用基板の製造方法および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の一種として薄膜トランジスタ型液晶表示装置を挙げることができる。図6は、一般的な薄膜トランジスタ型液晶表示装置の薄膜トランジスタ部を示す概略図である。この薄膜トランジスタ部82は、基板83上にAl又はAl合金などの導電材料からなるゲート電極84が設けられ、このゲート電極84を覆うようにゲート絶縁膜85が設けられている。ゲート電極84上方のゲート絶縁膜85上にはアモルファスシリコン(以下、a−Siと略記する)からなる半導体能動膜86が設けられ、リン等のn型不純物を含むアモルファスシリコン(以下、n+型a−Si と略記する)からなるオーミックコンタクト層87を介して半導体能動膜86上からゲート絶縁膜85上にわたってAl又はAl合金などの導電材料からなるソース電極88およびドレイン電極89が設けられている。そして、これらソース電極88、ドレイン電極89、ゲート電極84等で構成される薄膜トランジスタ部82を覆うパッシベーション膜90が設けられ、ドレイン電極89上の前記パッシベーション膜90にはコンタクトホール91が設けられている。さらにこのコンタクトホール91を通じてドレイン電極89と電気的に接続されるインジウム酸化錫(以下、ITOと略記する)等の透明電極層からなる画素電極92が設けられている。
【0003】
また図6左側の部分は、表示領域外に位置するゲート配線端部のゲート端子パッド部93の断面構造を示している。基板83上のAl又はAl合金などのゲート配線材料からなる下部パッド層94上にゲート絶縁膜85およびパッシベーション膜90を貫通するコンタクトホール95が設けられ、このコンタクトホール95を通じて下部パッド層94と電気的に接続される透明電極層からなる上部パッド層96が設けられている。尚、ソース配線端部においても類似の構造となっている。
【0004】
近年、液晶表示装置の高速化等に伴い、ゲート電極、ゲート配線、ソース電極、ドレイン電極、ソース配線、ドレイン配線などの電極や配線の抵抗による信号伝達の遅延の問題が顕在化しており、この問題を解決するために配線材料としてAlまたはAl合金より低抵抗の銅の使用が検討されている。なお、本明細書ではゲート電極等の電極を構成する導電材料も「配線材料」という。
【0005】
前記銅による配線は、AlまたはAl合金を用いて配線を形成する場合と同様に、通常のスパッタ法により銅膜を形成後、この銅膜の表面にフォトリソグラフィーにより所定パターンのエッチングマスクを形成し、次いでエッチング剤を用いて上記銅膜にエッチングを施し、配線形成位置以外の場所の銅膜を除去することにより形成される。この際に用いる銅のエッチング剤としては、従来から、PAN系(リン酸−酢酸−硝酸系)エッチング剤、過硫酸アンモニウム、酢酸−過酸化水素水系のエッチング剤などが知られており、これらは微細加工用のエッチング剤として多用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の前記エッチング剤には下記のような問題があった。例えば図7Aに示す基板83a上に成膜した配線形成用の銅膜84aの表面にエッチングマスク84bを形成した状態で、上記の過硫酸アンモニウムまたはPAN系のエッチング剤に静止状態で浸漬してエッチングを施すと、図7Bに示すように、エッチングマスク84bのパターンエッジの銅膜84aだけが異常に速くエッチングされる、いわゆる「異常エッチング」を起こしたり、図7Cに示すように、銅膜84aの側面の中央部分のエッチング量が他の部分のエッチング量よりも増加し、配線84cの線幅がエッチングマスク84bによって規定された線幅より狭くなる、いわゆる「パターン細り」が生じるという問題があった。
また、エッチング剤として酢酸−過酸化水素水系や過硫酸アンモニウムを用いた場合、エッチングレート(侵食速度)の経時変化が激しく、このため銅膜の浸漬時間のコントロールが難しく、効率よく所望の線幅の銅配線を得ることが困難であった。
【0007】
前記問題を解決するために本発明者らは先に、ペルオキソ一硫酸一水素カリウムを含有する水溶液からなる銅のエッチング剤を発明した(特願平11−173431号)。このエッチング剤を用いれば、前記の問題は解決できるものの、試薬が特殊であるために汎用性に乏しくコスト高になるという難点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、低抵抗の銅膜を配線材料として用いる場合に、安価で入手容易な試薬の水溶液に静止状態で浸漬するという簡便なケミカルエッチング法により銅膜を高いエッチングレートでエッチングでき、しかも前記の異常エッチングやパターン細りが起こり難いエッチング剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために本発明は、水素塩と酸化剤とを含有する水溶液からなる銅のエッチング剤を提供する。
前記本発明の銅のエッチング剤は安価で入手し易い試薬からなり、これを銅のエッチングに用いれば、静止状態で浸漬するという簡易なケミカルエッチング法で銅膜を高いエッチングレートで効率よくエッチングでき、しかもエッチングレートの経時変化が少ないので浸漬時間のコントロールが容易であり、銅膜の異常エッチングやパターン細りが起こらないので所望の線幅の銅配線を容易に形成することができる。
なおここで「水素塩」とは、一般の定義に従い、金属と置換し得る水素を有する酸の塩を意味する。
【0009】
前記水素塩は、硫酸水素カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、およびリン酸一水素二アンモニウムからなる群から選ばれた1種以上であることが好ましい。
水素塩の中でもこれらの化合物は特に銅のエッチング剤として有効であることがわかった。
【0010】
前記において、エッチング剤中の水素塩の濃度は0.05モル/L〜5モル/Lの範囲内であることが好ましい。なお、本明細書中「L」はリットルを表す。
硫酸水素アンモニウムなどの水素塩は前記濃度の範囲内で特に有効である。エッチング剤中の水素塩の濃度が0.05モル/L未満では、パターンエッジが異常に速く侵食される異常エッチングが起こりやすくなる。一方、濃度が5モル/Lを越えても、エッチングレートはほとんど変わらないかむしろ低下する傾向を示すので、経済的な観点から不利益になる。この観点から、より好ましい水素塩の濃度は0.1モル/L〜3モル/Lの範囲内である。
【0011】
前記において酸化剤は、過酸化水素、ヨウ素酸カリウム、および過ヨウ素酸カリウムからなる群から選ばれた1種以上であることが好ましい。前記酸化剤が過酸化水素である場合には、その濃度は0.025モル/L〜1モル/Lの範囲内であることが好ましい。
酸化剤としては過酸化水素、ヨウ素酸カリウム、または過ヨウ素酸カリウムが特に有効である。過酸化水素は、0.025モル/L未満では銅のエッチングレートが例えば25nm/min以下と低くなり、また異常エッチングが起こりやすくなる。一方、1モル/Lを越えると気泡の発生が大となり均一なエッチングを阻害するので、いずれの場合も好ましくない。この観点から、より好ましい過酸化水素の濃度は0.05モル/L〜0.5モル/Lの範囲内である。
【0012】
本発明はまた、硫酸と過酸化水素とを含有し、前記硫酸および過酸化水素の濃度がいずれも0.01モル/L〜5モル/Lの範囲内であり、かつ含有された前記硫酸に対する過酸化水素のモル濃度比率が1〜1.7の範囲内である銅のエッチング剤を提供する。
前記本発明の銅のエッチング剤は安価で入手し易い試薬からなり、これを銅のエッチングに用いれば、静止状態で浸漬するという簡易なケミカルエッチング法で銅膜を高いエッチングレートで効率よくエッチングでき、しかもエッチングレートの経時変化が少ないので浸漬時間のコントロールが容易であり、銅膜の異常エッチングやパターン細りが起こらないので所望の線幅の銅配線を容易に形成することができる。
【0013】
前記において、硫酸は、その濃度が0.01モル/L未満では銅のエッチングレートが低くなり、5モル/Lを越えるとレジスト剥離を起こすようになり、いずれの場合もエッチング剤として不適当である。
硫酸に対する過酸化水素のモル濃度比率は、1未満では銅のエッチングレートが低下し、エッチング分布が不均一になる。前記モル濃度比率が1.7を越えるとエッチングマスクのパターンエッジに異常エッチングが発生し易くなり、いずれの場合もエッチング剤として不適当である。
【0014】
本発明はさらに、基体上に銅膜を成膜し、この銅膜上に所定パターンのエッチングマスクを形成し、前記請求項1または請求項6記載の銅のエッチング剤を用いて前記銅膜をエッチングし、前記所定パターンの銅配線を形成する電子機器用基板の製造方法、およびこの製造方法により製造された電子機器用基板を有する電子機器を提供する。
【0015】
前記本発明の電子機器用基板の製造方法によれば、安価な試薬を用い単に静止状態で浸漬するという極めて簡易なケミカルエッチング法で効率よく銅膜をエッチングでき、しかもエッチングレートの経時変化が少なく、銅膜の異常エッチングやパターン細りが抑えられ、所望の線幅の銅配線を均一かつ高精度に形成できるので、エッチング歩留まりが良好であり、製造工程が簡単で、製造効率が向上しコストを低減できる。
従って、前記製造方法によって製造された電子機器用基板には所望の線幅の銅配線が高精度に形成されており、この基板を用いて構成された本発明の電子機器は、高精度で製品のバラツキが少なく、かつ歩留まりも良好でコストが従来のものより大幅に低減される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
(実施形態1)エッチング剤1
水素塩として硫酸水素アンモニウムの水溶液と、酸化剤として過酸化水素水とを混合し、エッチング剤1を調製した。このエッチング剤1では、硫酸水素アンモニウム(NH4HSO4)の濃度を0.1モル/Lとし、過酸化水素(H22)の濃度を1モル/Lとした。
【0017】
前記エッチング剤1について、銅のエッチングレートを測定した。測定結果は195nm/minという優れた値を示した。
銅のエッチングレートは下記の方法で測定した。
ガラス基板の表面にスパッタリングにより膜厚300nmの銅膜を形成し、この上にレジスト膜を施してパターニングした試験片を作製し、この試験片を前記エッチング剤に静置状態で浸漬し、1min当たりの銅膜の侵食深さを測定した。
【0018】
実施形態1と同様にして、過酸化水素の濃度を0.1モル/Lの一定とし、硫酸水素アンモニウムの濃度を種々に変えたエッチング剤を調製し、前記と同様にして銅のエッチングレートを測定した。測定結果を図1の△点で示す。
同様にして、過酸化水素の濃度を0.05モル/Lの一定とし、硫酸水素アンモニウムの濃度を種々に変えたエッチング剤を調製し、前記と同様にして銅のエッチングレートを測定した。測定結果を図1の○点で示す。
更に、過酸化水素の濃度を0.05モル/Lの一定とし、水素塩として硫酸水素アンモニウムの代わりに硫酸水素カリウム(KHSO4)を用い、この水素塩濃度を種々に変えたエッチング剤を調製し、前記と同様にして銅のエッチングレートを測定した。測定結果を図1の□点で示す。
【0019】
図1から、水素塩(硫酸水素アンモニウム、硫酸水素カリウム)と酸化剤(過酸化水素)とを含有する水溶液は銅のエッチング剤として有効であり、特に水素塩の濃度が0.05モル/L以上のとき、銅のエッチングレートが高くなることがわかる。
水素塩として、前記の硫酸水素アンモニウムや硫酸水素カリウムの代わりに硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、またはリン酸一水素二アンモニウムを用いた場合も実質的に同様の結果が得られた。
【0020】
図2A,B,Cは、水素塩として硫酸水素アンモニウムを0.1モル/L、酸化剤として過酸化水素を0.05モル/L用いて調製したエッチング剤について、エッチング時間の経過に伴う銅のエッチングプロファイルの変化を触針式の段差計を用いて測定した結果を示している。
この銅エッチングプロファイルは、ガラス基板の表面にスパッタリングにより膜厚300nmの銅膜を形成し、この上にレジスト膜を施してパターニングした試験片を作製し、この試験片を前記エッチング剤に静置状態で浸漬し、所定時間経過後に取出してレジスト膜を剥離した後に測定した。図2Aは浸漬後0.5min経過後、図2Bは1.0min経過後、図2Cは1.5min経過後のそれぞれ銅のエッチングプロファイルである。
【0021】
図3A,B,Cは、水素塩として硫酸水素カリウムを0.1モル/L、酸化剤として過酸化水素を0.05モル/L用いて調製したエッチング剤について、エッチング時間の経過に伴う銅エッチングプロファイルの変化を前記と同様にして測定した結果を示している。
【0022】
図2A,B,Cおよび図3A,B,Cを観察すると、硫酸水素アンモニウムの場合も硫酸水素カリウムの場合も、それぞれ銅膜が極めてシャープなパターンエッジを形成し、異常エッチングやパターン細りは起こっていないことがわかる。
【0023】
(実施形態2)エッチング剤2
硫酸と過酸化水素水とを混合し、エッチング剤2を調製した。このエッチング剤2は、硫酸の濃度を0.05モル/Lとし、過酸化水素の濃度を0.07モル/Lとした。従ってこのエッチング剤2において硫酸に対する過酸化水素のモル濃度比率は1.4となっている。
このエッチング剤2について前記の銅のエッチングレート(nm/min)と30秒間浸漬後の異常エッチング深さ(nm)とを測定した結果、銅のエッチングレートは100nm/minと優れた結果を示し、異常エッチング深さはゼロであった。
【0024】
実施形態2と同様にして硫酸と過酸化水素水とから、種々のモル濃度比率のエッチング剤を調製した。これらのエッチング剤における硫酸濃度と、過酸化水素濃度と、(過酸化水素/硫酸)のモル濃度比率と、前記エッチング剤2と同様にして測定した銅のエッチングレート(nm/min)および30秒間浸漬後の異常エッチング深さ(nm)とを表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0004239127
【0026】
表1の結果を図4のグラフに示す。図4において、横軸は H22 /H2SO4のモル濃度比率であり、右側縦軸(◇印)は各試料の銅のエッチングレート(nm/min)を示し、左側縦軸(◆印)は各試料の30秒間浸漬後の異常エッチング深さ(nm)を示している。
表1および図4から、硫酸および過酸化水素の濃度がいずれも0.01モル/L〜5モル/Lの範囲内であり、かつ硫酸に対する過酸化水素のモル濃度比率が1〜1.7の範囲内にある本発明のエッチング剤(例えば試料2)は、高い銅のエッチングレートを持ちながら異常エッチングは抑制されていることがわかる。これに対して硫酸に対する過酸化水素のモル濃度比率が1未満である試料1では異常エッチングは起こらないものの銅エッチングレートが低いので実用性に乏しく、前記モル濃度比率が1.7を越える試料3,試料4では銅のエッチングレートは高いものの同時に異常エッチングも起こっており、実用上不適当である。
【0027】
(実施形態3)薄膜トランジスタ基板
次に、本発明のエッチング剤を用いて製造された電子機器基板の一例である薄膜トランジスタ基板について説明する。
図5は、本発明の電子機器基板の一例である薄膜トランジスタ基板1の部分断面図である。図1において、符号aの部分は薄膜トランジスタ(TFT)部、符号bの部分はTFTマトリクス外側に位置するソース配線の端子部、符号cの部分はゲート配線の端子部を示している。これら3つの部分a,b,cは薄膜トランジスタ基板1上で1列に隣接して配置しているものではないが、図示の便宜上、近接させて図示した。
【0028】
まず、薄膜トランジスタ部aの部分について説明する。
薄膜トランジスタ部aには、基板(基体)2上に膜厚150nmの銅膜4からなるゲート電極5が設けられている。その上にゲート絶縁膜7が設けられ、このゲート絶縁膜7上にアモルファスシリコン(a−Si)からなる半導体膜8が設けられ、さらにこの半導体膜8上にn+ 型a−Si層9が設けられ、その上に、膜厚150nmの銅膜からなるソース電極12およびドレイン電極14が設けられている。
【0029】
また、ソース電極12やドレイン電極14の上方には、これらを覆うパッシベーション膜17(絶縁膜)が形成され、このパッシベーション膜17に、ドレイン電極14から延びる銅膜11に達するコンタクトホール18が形成されている。そして、このコンタクトホール18の内壁面および底面に沿って画素電極となるITO層19が形成され、このコンタクトホール18を通じてドレイン電極14とITO層19(画素電極)とが電気的に接続されている。
【0030】
次に、ソース配線の端子部bに関しては、ゲート絶縁膜7上に銅膜11からなる下部パッド層16aが形成され、その上にはパッシベーション膜17が形成され、かつこのパッシベーション膜17には、銅膜11に達するコンタクトホール20が形成されている。そして、コンタクトホール20の内壁面および底面に沿ってITOからなる上部パッド層21が形成され、コンタクトホール20を通じて下部パッド層16aと上部パッド層21とが電気的に接続されている。
【0031】
次に、ゲート配線の端子部cに関しては、基板2上に銅膜4からなる下部パッド層16bが形成され、その上にはゲート絶縁膜7が形成され、この上にパッシベーション膜17が形成され、かつこのパッシベーション膜17とゲート絶縁膜7とを通して銅膜4に達するコンタクトホール22が形成されている。そして、コンタクトホール22の内壁面および底面に沿ってITOからなる上部パッド層23が形成され、コンタクトホール22を通じて下部パッド層16bと上部パッド層23とが電気的に接続されている。
【0032】
次に、この薄膜トランジスタ基板1の製造方法について説明する。
まず、基板2の全面にスパッタ法を用いて膜厚150nmの銅膜4を成膜する。次にこの銅膜4上にフォトリソグラフィーにより所定パターンのエッチングマスクを形成した後、前記実施形態1に記載したエッチング剤1を用いて静置浸漬により銅膜4にエッチングを施し、図1に示すゲート電極5、下部パッド層16b、その他基板2上に形成される各種配線要素を形成する。これによってパターンエッジがシャープで、しかもパターン細り現象や異常エッチングがない高精度の配線要素が形成される。
【0033】
次に、基板2の上面全体にCVD法を用いてゲート絶縁膜7を形成する。次に薄膜トランジスタ部aに関しては、半導体層8、n+ 型a−Si層9を形成し、TFTのチャネル部となるゲート電極5の上方部分を残して半導体層8、n+型a−Si層9をエッチングする。
【0034】
次いでこの上の全面にスパッタ法を用いて膜厚150nmの銅膜11を成膜し、この銅膜11上にフォトリソグラフィーにより所定パターンのエッチングマスクを形成した後、前記実施形態1に記載したエッチング剤1を用いて静置浸漬により銅膜11にエッチングを施し、図1に示すソース電極12と、ドレイン電極14と下部パッド層16a、その他ゲート絶縁膜7の上部に形成される各種配線要素を形成する。これによってパターンエッジがシャープで、しかもパターン細り現象や異常エッチングがないゲート絶縁膜7上の配線要素が形成される。
【0035】
次に、詳細説明を省略するが、薄膜トランジスタ部aではn+ 型a−Si層9を乾式法あるいは乾式法と湿式法との併用によりエッチングしてチャネル24を形成し、薄膜トランジスタ部a、ソース配線の端子部bおよびゲート配線の端子部cの全面にパッシベーション膜17を形成し、このパッシベーション膜17に必要なコンタクトホールを形成し、ITO層を全面に形成し、パターニングしてITO層19(画素電極)、上部パッド層21、23を形成すると共にこのITO層19と下層の銅膜4または11とをコンタクトホールを通して接続し、薄膜トランジスタ基板1を完成する。
【0036】
実施形態3の薄膜トランジスタ基板1の製造方法においては、銅膜4または11を成膜した後にエッチングして所定パターンの配線要素を形成する際に、エッチング剤として水素塩と酸化剤とを含有する水溶液からなる安価な銅のエッチング剤1を用いることにより、薄膜トランジスタ基板1の銅の配線要素が高精度でかつ効率的に形成でき、この薄膜トランジスタ基板1を組み込んだ電子機器が歩留まりよく、安価に製造できるようになる。
【0037】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明の銅のエッチング剤は、水素塩と酸化剤とを含有する水溶液からなるものであるので、安価で入手容易な試薬からなるエッチング剤に静止状態で浸漬するという簡易なケミカルエッチング法で銅膜をエッチングでき、異常エッチングやパターン細り現象がないので所望の線幅の銅配線を高精度かつ容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエッチング剤における組成とエッチングレートとの関係を示すグラフ。
【図2】 A,B,Cは、本発明の一実施形態におけるエッチングプロファイルを示すグラフ。
【図3】 A,B,Cは、本発明の他の一実施形態におけるエッチングプロファイルを示すグラフ。
【図4】 エッチング剤におけるH22 /H2SO4のモル濃度比率と銅エッチングレートおよび異常エッチング深さの関係を示すグラフ。
【図5】 本発明の電子機器用基板の一実施形態を示す断面図。
【図6】 一般的な薄膜トランジスタ型液晶表示装置の薄膜トランジスタ部を示す断面図。
【図7】 従来のエッチング剤の問題点を説明するための基板断面図。
【符号の説明】
1…薄膜トランジスタ基板、2…基板、4…銅膜、5…ゲート電極、11…銅膜、12…ソース電極 、 14…ドレイン電極、16a,16b…下部パッド層

Claims (3)

  1. 水素塩と酸化剤とを含有する水溶液からなり、 前記酸化剤がヨウ素酸カリウム、および過ヨウ素酸カリウムからなる群から選ばれた1種以上であり、前記水素塩が硫酸水素カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、およびリン酸一水素二アンモニウムからなる群から選ばれた1種以上であって含有量が0.05モル/L〜5モル/Lであることを特徴とする銅のエッチング剤。
  2. 基体上に銅膜を成膜し、この銅膜上に所定パターンのエッチングマスクを形成し、前記請求項1記載のエッチング剤を用いて前記銅膜をエッチングし、前記所定パターンの銅配線を形成することを特徴とする電子機器用基板の製造方法。
  3. 前記請求項2記載の電子機器用基板の製造方法により製造された電子機器用基板を有することを特徴とする電子機器。
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