JP4236268B2 - 配管等結束支持バンド - Google Patents
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Description
鉄筋コンクリート造や鉄骨造等の建築物における天井は、一般にコンクリート床スラブ下面のインサートに連結、吊り下げた複数本の吊りボルト各下端にハンガー金具を装着し、野縁と格子状に組み合わせられた野縁受けを水平状に吊り下げて天井下地を形成し、これら床スラブ下面から所定距離下方に合板やプラスターボード、石綿板等からなる吊り天井を装着して天井紙の貼着や合成樹脂ペイントの塗装等によって仕上げられると共に、適所に照明装置や空調装置等を設置するようになっている。
こうした弊害を解消しようとして、例えば特開2000‐104861号公報に開示された「配管類の支持金具」発明のように、配管用支持金具に横向きのアーム部を延伸させ、該アーム部先端に吊りボルト装着用の貫通孔を穿設し、吊りボルトに螺合させた上下のナットで挟み込み状に取着可能としたものや、特開平10‐26263公報「設備用配管支持金具」発明に見られる、上下両端に吊りボルトに掛止する掛止片を形成し、上下中央に吊りボルト外周面に弾性的に接合する突出片を形成した略コ字型の金具本体の垂直片に配管を把持するバンド部材を着脱自在に係合させるようにしたもの等の各種支持金具が相次いで開発されてきている。
このように、従来型の支持金具が基本的に金属製のものとして形成されていて複数個を所持すると重量が大きく嵩張ってしまい、複数回に別けて天井付近まで昇降しながら作業を進める必要があり、高所での安全且つ効率的な作業の妨げとなってしまうばかりでなく、配線や配管類の支持可能な束径や束形状に自ずと制限があって、設置箇所の条件に合致した寸法、形状の支持金具をその都度選択して現場に持ち込む必要があり、適合する支持金具が無い場合には搬送車両やあるいは部品倉庫まで戻らなければならない等、効率的な設置作業の障害になってしまうことがあった。
そこで、この発明は、様々な形状、寸法の配線束や配管類等の結束に好適且つ柔軟に対応可能であり、しかも従来型の支持金具に比較して格段に軽量で多数の持ち運びが容易で、高所作業の安全と効率化とを実現可能にする支持金具を提供することはできないものかとの判断から逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の配管等結束支持バンドを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の配管等結束支持バンドは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、抜け止め錠部を有する一端から他端先端までを所定長さで可撓性強靱素材製の細長帯状バンド本体となし、該細長帯状バンド本体の抜け止め錠部寄り適所所定範囲部分を、その余の部分よりも肉厚とした取着台座部に形成すると共に、該取着台座部には、当該細長帯状バンド本体先端側を前記抜け止め錠部に差し込み、掛止状として適宜大きさのループ状とした細長帯状バンド本体における外側であって対称箇所の互いに異なる側となる夫々の側縁から、取着対象となる支承棒状体に嵌着可能な内径とした円弧状もしくはそれに近い彎曲状となって互いに細長帯状バンド本体軸心を反対方向から横切って延びるようにした抱持部に形成された上、夫々の先端と当該取着台座部との間に前記支承棒状体取着用の嵌め込み口を互い違いに確保してなるものとした構成を要旨とする配管等結束支持バンドである。
細長帯状バンド本体は、一端から他端までの細長帯状部分を利用して配管等を結束可能とすると共に、その中途適所に支承棒状体に対してワンタッチ装着可能とする取着台座部を一体化形成する機能を果たすものであり、当該細長帯状バンド本体の一端には同他端先端側を差し込むことによってバンド全体を配管等が結束可能なループ状に係止可能とする抜け止め錠部を一体形成したものとしなければならず、該抜け止め錠部を有する一端から取着台座部および他端までの全体を可撓性強靱素材製とするのが望ましく必要強度、製造効率および軽量化を考慮すれば合成樹脂製の一体成型品とするのが良く、例えば配管等の結束作業性を高めるため、その抜け止め錠部を設けた一端ならびに他端側の夫々を、取着台座部の抱持部が形成されたのとは反対側に向けて傾斜状あるいは湾曲状に折曲し、双方の端部同士を互いに拡開状の姿勢とするよう延伸させたものとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
以上のとおりの構成からなるこの発明の配管等結束支持バンド1を使用するとき、作業者は、多数本の配管等結束支持バンド1,1,ノノを携行したとしても、従前までの金属金具類に比較して極めて計量となるため、軽快且つ安全に高所作業を行うことが可能となり、図3の取着台座部の斜視図、図4の取り付け作業中の取着台座部の斜視図、および図5の装着した配管等結束支持バンドの正面図に示すように、床スラブ5下面(天井面)にインサートされたナット51に螺着、吊下されている吊りボルト6(支承棒状体)の中途適所に対し、この発明の配管等結束支持バンド1を装着する場合、水平状に横転させた配管等結束支持バンド1の取着台座部4を、図4中の実線白抜き矢印のように、抱持部41,41間の図1中に示した離反間隔PO部分が、吊りボルト6の中途装着箇所に対応するよう配置させた後、同図4中の鎖線白抜き矢印に示すように、装着作業者側から見て時計回りに約90゜回転操作すると、吊りボルト6への押圧力を受けた各嵌め込み口42,42が弾性変形して強制拡開状となり、一対の抱持部41,41と取着台座部4との間に吊りボルト6の中途箇所が抱持状に挟み込まれ、しかも取着台座部4の曲率半径Rの湾曲または山型形状に形成された中央頂部付近が、各抱持部41,41との間で3点支持するように挟み込む状態となって吊りボルト6外周面のネジ山に対し、接触圧力と摩擦力とを高めて安定することとなる。
以上のような構成からなる実施例の配管等結束支持バンド1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、取着台座部4の一対の抱持部41,41間に吊りボルト6の直径を僅かに越える離反間隔POを隔てて各抱持部41,41の各嵌め込み口42,42を互い違い状の配置とするよう形成してあり、ワンタッチ操作によって簡便に着脱することができ、しかも取着台座部4の中央部付近が所定の曲率半径Rで湾曲されているために、吊りボルト6の中途適所に各抱持部41,41を嵌着することにより、取着台座部4が直線状に矯正されることとなり、該取着台座部4の弾性復元力が、各抱持部41,41を吊りボルト6の外周面に押圧力を発生して挾着摩擦力を強化するものとなり、重量の嵩む配管や配線束等を結束するようにしたときにも強力且つ確実に支持できるものとなるという大きな特徴を有している。
叙述の如く、この発明の配管等結束支持バンドはその新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で従前からの金属製の支持金具類に比較して大幅に軽量かつ廉価にて製造することが可能となり、施工作業のときに多数本を携行したようなときにも、高所作業を軽快且つ安全に行うことができることから作業効率および安全性の向上に繋がる上、一つの寸法形状のもので幅広い対応が可能とり、部品点数の削減や在庫管理の簡略化等を実現可能とすることができ、従来型のものに比較して遥かに経済的なものとすることができ、内装工事や空調設備等の配管工事および電気、通信関連の配線工事等に携わる建築工事ならびに電気工事業界など関係者において高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
2 細長帯状バンド本体
21 同 一端
22 同 他端
23 同 帯状バンド面
24 同 凹凸状係止面
3 抜け止め錠部
31 同 拘束爪
32 同 操作杆
4 取着台座部
41 同 抱持部
42 同 嵌め込み口
5 床スラブ
51 同 ナット
6 吊りボルト(支承棒状体)
7 エアコン用の配管
8 配線ケーブル
L 他端側バンド長さ
PO 抱持部離反間隔
PW 取着台座部幅
PL 取着台座部長さ
PT 取着台座部肉厚
PG 嵌め込み口間隙寸法
R 取着台座部の曲率半径
Claims (4)
- 抜け止め錠部を有する一端から他端先端までを所定長さで、配管等を結束するに足る強度を有する可撓性素材製の細長帯状バンド本体となし、該細長帯状バンド本体の抜け止め錠部寄り適所所定範囲部分を、その余の部分よりも肉厚で当該細長帯状バンド本体の長さ方向に細長形状とした取着台座部に一体形成するようにし、該取着台座部は、その細長方向中央辺りにおいて、当該細長帯状バンド本体の前記他端先端側を前記抜け止め錠部に差し込み、掛止状として適宜大きさのループ状とした状態で外がわとなる方向に向け、肉厚部分全体で僅かに山型形状となるように形成した上、その山型形状頂部を挟む夫々の部分には、当該細長形状における両側縁の中、互いに異なるがわとなる側縁同士で対を成す何れか一組みの側縁部分夫々から、何れも、先のループ状とした状態の当該細長帯状バンド本体における外がわ方向に向かうと共に、取着対象とする支承棒状体に嵌着可能な内径とした円弧状もしくはそれに近い彎曲状となって、共に当該対象支承棒状体軸心を反対方向から横切って巻き付くように嵌着可能とした抱持部とされ、それら抱持部の各先端と当該取着台座部との間には、当該対象支承棒状体取着用の嵌め込み口が、その開口方向を互い違いになるよう確保してなるものとしたことを特徴とする配管等結束支持バンド。
- 抜け止め錠部を有する一端から他端先端までを所定長さで、配管等を結束するに足る強度を有する可撓性素材製の細長帯状バンド本体となし、該細長帯状バンド本体の抜け止め錠部寄り適所所定範囲部分を、その余の部分よりも肉厚で当該細長帯状バンド本体の長さ方向に細長形状とした取着台座部に一体形成するようにし、該取着台座部は、その細長方向中央辺りにおいて、当該細長帯状バンド本体の前記他端先端側を前記抜け止め錠部に差し込み、掛止状として適宜大きさのループ状とした状態で外がわとなる方向に向け、肉厚部分全体で僅かに山型形状となるように形成した上、その山型形状頂部を挟む夫々の部分には、当該細長形状における両側縁の中、互いに異なるがわとなる側縁同士で対を成す何れか一組みの側縁部分夫々から、何れも、先のループ状とした状態の当該細長帯状バンド本体における外がわ方向に向かうと共に、取着対象とする支承棒状体に嵌着可能な内径とした円弧状もしくはそれに近い彎曲状となって、共に当該対象支承棒状体軸心を反対方向から横切って巻き付くように嵌着可能とした抱持部とされ、それら抱持部の各先端と当該取着台座部との間には、当該対象支承棒状体取着用の嵌め込み口が、その開口方向を互い違いになるよう確保する一方、当該取着台座部近傍付近から細長帯状バンド本体他端先端までの帯状バンド面には、抜け止め錠部拘束爪に係合して拘束位置規制用となる凹凸状係止面を刻設してなるものとしたことを特徴とする配管等結束支持バンド。
- 抜け止め錠部は、ループ状としたときの細長帯状バンド本体一端の外側に、短尺なトンネル状もしくは門型状に形成され、その内側に一体形成された拘束爪に、抜け止め錠部入口または出口から延伸、露出状となって細長帯状バンド本体他端側の拘束位置規制を解除操作可能とする操作杆を一体化してなるものとした、請求項1または2何れか一項記載の配管等結束支持バンド。
- 細長帯状バンド本体は、その抜け止め錠部を設けた−端ならびに他端側の夫々が、取着台座部に対し、その抱持部が膨出する方向とは反対がわ方向に向け、同取着台座部から見て拡開状となる傾斜状あるいは湾曲状に折曲、延伸されてなるものとした、請求項1ないし3何れか−項記載の配管等結束支持バンド。
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