JP4235937B2 - 自閉水栓 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自閉水栓の改良に関する。なお自閉水栓とは、いわゆるフラッシュバルブやセルフストップ水栓のように、開弁操作後、一定時間が経過すると自動的に弁が流路を閉止して給水を停止させる機構を備えるものを言う。
【0002】
【従来の技術】
自閉水栓の一例として、ハウジング内にピストン弁を弁座に対し昇降可能に設置し、このピストン弁で流路の開閉を制御するようにしたフラッシュバルブが従来知られている。上記自閉水栓は、ピストン弁の上方領域に設けた水室から水を比較的短時間で排出する手段と、水室内へ小流量で水を流入させる小径の通水孔とを備え、外部操作により上記排出手段で水室内の水を短時間に排出させることでピストン弁を上昇させ、給水を開始させる。しかる後、通水孔から水室内へ小流量で水を流入させることにより、ピストン弁を緩やかに下降させ、一定時間後に給水を停止させるようになされている。
【0003】
一方、弁体構造をいわゆるダイヤフラム弁とした自閉水栓も従来存在する。ダイヤフラム弁は、一般に弾性部材で製作され、周縁部をハウジング内に固定し、中央の可撓部を変形させることにより弁座に対し離着座させて流路の開閉を行うものである。ダイヤフラム弁は、それ自体の大きい弾性力のため、適宜の操作手段により給水を開始させた後、操作手段を開放したときに、弁座に着座するまでの時間が短い。それ故、ダイヤフラム弁を用いる場合は、給水時間の長い自閉水栓を製作するのが難しいので用途が限られているという問題があった。
【0004】
そこで本発明者らは、給水時間を長く維持できるダイヤフラム弁の新規な構造を提案(未公知)した。これを図9〜図12を用いて説明する。
【0005】
この自閉水栓Wは、流入部1a及び流出部1bを備えるハウジング1内の流路の途中に設けた弁座3に対し離着座して流路の開閉を制御する弁体10を、いわゆるダイヤフラム構造としたものである。この弁体10は、弾性材料を用いて製作され、弁座3に対し離着座する中央部11,ハウジング1へ水密的に取着される周縁部13,中央部11と周縁部13とを連結する湾曲状の可撓部12とから成り、可撓部12を変形させることで、弁体中央部11が昇降し得るように構成されている。弁体10の中央部11下面には、弁体11の昇降動作を安定させるためのガイド部14が垂設され、このガイド部14は、上端部が弁座3となされた筒状の排水案内部4内に収納される。また弁座中央部11の適所には、小径の通水孔15が穿設されている。さらにハウジング1には、弁体中央部11の最大上昇位置を規制するためのアジャスター40が、上下方向(軸方向)に位置を変更可能に取り付けられる。
【0006】
本例は、ハウジング1を上半部1Aと下半部1Bとを接合して、内部に流路を形成するように構成したものであり、ハウジング上半部1Aと下半部1Bとの間で周縁部13を挟持することにより、弁体10をハウジング1内に保持するようなされている。そしてハウジング1内の空間は前記弁体10によって区画され、弁体10を挟んで弁座3とは反対側の領域が水室20となされる。水室20の水は、ハウジング1に形成した流出口6及び排水通路7を通じて排出されるようになされ、本例では、排水通路7の末端を、弁体10の下流側(流路二次側5)に連絡してある。
【0007】
排水通路7の途中には、該排水通路7の開閉を制御する開閉操作弁30が設けられる。本例の開閉操作弁30は、ハウジング1に取り付けたホルダー33で、操作ロッド31を進退可能に保持すると共に、排水通路7の途中に、通水路を有する弁座ユニット34と、ボール状弁体35とを配設する。操作ロッド31は、バネ32でハウジング1に対し突出する方向へ常時付勢され、ボール状弁体35は、バネ36で弁座ユニット34の通水路を閉止する方向へ常時付勢される。
【0008】
前記自閉水栓Wは、次の如く動作する。自閉水栓Wの流入部1aを水道管等の給水源に接続し、流出部1bを便器等に接続する。図9の初期状態において、開閉操作弁30の操作ロッド31をバネ32の付勢力に抗して押し込むと、図10に示すように、その先端がボール状弁体35を押圧し、該ボール状弁体35をバネ36に抗して弁座ユニット34から引き離す。これにより、水室20と流路二次側5とが排水通路7を通じて連通状態となる。すると、図11に示す如く、水室20の水が排水通路7を通じて流路二次側5へ排出されると同時に、弁体10の中央部11下面が給水圧に押されて上昇し弁座3から離れるので、給水が開始される。このとき、弁体10の可撓部12は容易に変形できるから、中央部11の上昇は何ら支障なく実行される。また、弁体中央部11の最大上昇位置は、ハウジング1Aに取り付けたアジャスター40により規制される。
【0009】
給水開始後、図12に示すように、開閉操作弁30から手を離して排水通路7を閉止状態とすると、水室20から外部への排水が阻止されることにより、自閉水栓W内へ流入する水の一部が、弁体10の通水孔15を通じて水室20内へ流入し、水室20の貯水量を回復させる。それ故、自動的に弁体中央部11が下降し、一定時間後に弁座10に着座して流路を閉止した初期状態に戻り、給水を停止させる。このように自閉水栓Wにおける給水時間は、水室20に水が流入して弁体10が弁座3に着座するまでの時間で決定される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の自閉水栓Wにおいて、低流量で長時間給水を実行させるためには、弁体10の最大上昇位置を高く設定して昇降ストロークを大きくすると共に、給水圧を小さく設定すればよい。しかるに、自閉水栓Wをこのような仕様とした場合、弁体10の下降動作が不安定になり、動作不良や給水時間の不均一化等の問題を引き起こすおそれがあった。その理由は以下の如くである。
【0011】
図13は前記自閉水栓Wが図9の止水状態にあるときの弁体10に対する力の作用状況を、図14は前記自閉水栓Wが図12の給水途中で終了近くの状態にあるときの弁体10に対する力の作用状況を、それぞれ概念的に示すものである。図13,図14において、弁体10の上面側における水圧が作用する有効面積をS1、弁体の10の下面側であって弁座3と接触している部分よりも外側の領域の有効面積をS2、弁体の10の下面側であって弁座3との接触部分よりも内側の領域の有効面積をS3とする。S1=S2+S3である。また、弁体10の上面側に作用する下向きの力をα、弁体の10の下面側であって弁座3より外側の領域に作用する上向き力をβ、弁体の10の下面側であって弁座3より内側の領域に作用する上向きの力をγとする。
【0012】
図13に示す止水時において、水室20には通水孔15を通じ流路一次側2の水圧P1が作用するから、弁体10の上面側に作用する下向きの力αの大きさはα=P1×S1となる。他方、弁体10の下面側に作用する上向きの力はβ+γであるが、弁座3より内側領域には水圧が作用しないのでγの大きさは無視することができる。すなわち、弁体10に作用する上向きの力は実質的にβであり、その大きさは、流路一次側2の水圧に基づくから、β=P1×S2となる。従って、止水時の弁体10は、F=α−β=P1(S1−S2)の力で弁座3に押しつけられていると言うことができる。
【0013】
弁体10が図14に示す給水終了近くの状態にあるとき、弁体10の上面側に対し流路一次側2の水圧から受ける下向きの力αの大きさは、前記と同じくα=P1×S1である。他方、弁体10の下面には、弁座3の外側領域に作用する力βと、弁座3の内側領域に作用する力γとを合算した上向きの力β+γが働く。βの大きさは、流路一次側2の水圧に基づくから、前記と同じくβ=P1×S2である。γの大きさは、弁座3の内側領域において作用する水圧P2に基づくので、γ=P2×S3である。従って、弁体10に対し作用する下向きの力Fは、F=α−(β+γ)=P1×S1−(P1×S2+P2×S3)となり、S1=S2+S3であるから、F=(P1−P2)S3となる。P2の大きさは、弁体10の上昇ストロークHが小さいときは、流路一次側の水圧P1よりも十分小さい値となっているから、P1−P2>0である。すなわち、ストロークHの値が小さいとき、弁体10は、下向きの力Fで弁座3へ向かって降下し、やがて着座する。
【0014】
しかしながら、弁体10の上昇ストロークHが大きくなると、流路一次側の水圧の影響を受けてP2の大きさがP1に近づくため、弁体10に作用する下向きの力(α)と上向きの力(β+γ)との差が少なくなり、弁体10が下降できなくなるという現象が発生する。弁体10の上昇ストロークHと弁体10に対し作用する力の大きさとの関係は、図15に示す如くである。このグラフから、弁体10の上昇ストロークHが大きくなるほど、下向きの力(α)と上向きの力(β+γ)との差が少なくなると共に、弁体10に作用する力の絶対値が小さくなることが分かる。図示する例では、弁体10のストロークが、流量が最大値近くに達する値である3mmを越えると、弁体10に作用する下向きの力と上向きの力とがほぼ等しくなり、且つ、作用する力の大きさが0に近くなっている。
【0015】
前記従来の自閉水栓Wは、上に述べたような特性を持つので、低流量・長時間給水の仕様とするため、弁体10の昇降ストロークをある程度以上大きく設定した場合に、弁体10に作用する下向きの力と上向きの力との差がほぼ無くなる結果、止水不良や動作不安定等を招きやすいという問題を有している。また、弁体10に作用する力そのものの大きさが小さいから、圧力変動等の影響を受けやすいという欠点も有る。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記従来の問題を解決するために採用した本発明に係る自閉水栓の特徴とするところは、弁座に対し離着座可能になされた弁体を有し、当該弁体を挟んで前記弁座とは反対側の領域に水室が形成され、当該水室から水を比較的大きい流量で排出させる手段と、当該水室内へ比較的小さい流量で水を流入させる手段とを備え、当該水室から水を排出することにより前記弁体を弁座から引き離し、当該水室内へ水を流入させることにより前記弁体を弁座に着座させるようになされた自閉水栓において、前記弁体が、弁座に対し離着座する中央部と、弁座の周辺部へ水密的に取着される周縁部と、前記中央部と周縁部とを連結する可撓部とから構成されたダイヤフラム弁であって、前記可撓部は折り返されて湾曲した形態に形成され、当該可撓部が変形することにより前記中央部が弁座に対し離着座するように構成され、前記弁体に対し着座方向への付勢力を作用させる付勢手段を設けたことである。
【0017】
かかる構成の自閉水栓は、弁体を弁座へ着座させる際に、付勢手段が弁体に対し着座方向への付勢力を作用させるように構成したから、給水圧を低く設定した場合や、弁体の動作ストロークを大きく設定した場合でも、弁体の着座動作を安定化させて、給水時間を一定化させることが可能である。
【0019】
前記付勢手段については、前記弁体が弁座から離れるほど、当該弁体に対し作用する着座方向への付勢力が大きくなるように設定することが望ましい。また、前記弁体の弁座からの距離が、当該弁体に作用する着座方向の力の大きさと離座方向の力の大きさとの差が実質的に無くなる距離を越えると、当該弁体に対し着座方向への付勢力を作用させるように設定することが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
図1〜図8を用いて、本発明を、弁体をダイヤフラム弁とした自閉水栓Vに適用した場合の一実施形態を説明する。この自閉水栓Vは、流入部1a及び流出部1bを備えるハウジング1内の流路の途中に弁座3が設けられ、該弁座3に対し離着座して流路の開閉を制御する弁体10が設けられる。該弁体10は、いわゆるダイヤフラム構造であって、弾性材料を用いて製作され、弁座3に対し離着座する中央部11,ハウジング1へ水密的に取着される周縁部13,中央部11と周縁部13とを連結する湾曲状の可撓部12とから成り、可撓部12を変形させることで、弁体中央部11が昇降し得るように構成されている。かかる弁体構成は、昇降ストロークの大きいダイヤフラム弁を構成するのに有利である。
【0021】
弁体10の中央部11下面には、弁体11の昇降動作を安定させるためのガイド部14が垂設され、このガイド部14は、上端部が弁座3となされた筒状の排水案内部4内に収納される。弁座中央部11の適所には、小径の通水孔15を穿設する。
【0022】
前記のような形態の弁体10を製作するには、図8の(A)に示す如く、可撓部12を延ばした形態、すなわち、中央部11が周縁部13に対し上方へ突出させた帽子状形態の弁体10を製作する。しかる後、図8(B)に示すように、当該弁体10の中央部11を押し込むことにより、可撓部12を折り返して湾曲させ、この可撓部12を容易に曲げ伸ばしできる形態とする。かかる構成のダイヤフラム弁体10は、湾曲状に折り返した可撓部12で、中央部11を周縁部13の上方に支持する構成となっている。また、可撓部12は薄く形成してあるので弱い弾性力しか発揮せず、それ故、変形がきわめて容易であるから、中央部11が、その上下面に作用する圧力差に基づき敏感に上下動して、ダイヤフラム弁機能を発揮することが出来る。
【0023】
なお、図8(B)に示す如き形態のダイヤフラム弁体10を、可能であるならば、プレス成形・射出成形・注型成形等の適宜方法を用いて製作することも妨げない。
【0024】
ハウジング1は上半部1Aと下半部1Bとから成り、両者を接合することにより内部に流路が形成される。弁体10の周縁部13を、ハウジング上半部1Aと下半部1Bとの間で挟持することにより、弁体10をハウジング1内に保持するようなされている。ハウジング1内の空間は前記弁体10によって区画され、弁体10を挟んで弁座3とは反対側の領域が水室20となされる。水室20は、ハウジング1に形成した流出口6及び排水通路7を通じて、弁体10の下流側(流路二次側5)に連絡される。
【0025】
排水通路7の途中には、該排水通路7の開閉を制御する開閉操作弁30が設けられる。本例の開閉操作弁30は、ハウジング1に取り付けたホルダー33で進退可能に保持される操作ロッド31と、排水通路7に配設した通水路を有する弁座ユニット34と、ボール状弁体35とから成る。操作ロッド31は、バネ32でハウジング1に対し突出する方向へ常時付勢され、ボール状弁体35は、バネ36で弁座ユニット34の通水路を閉止する方向へ常時付勢される。
【0026】
本発明の自閉水栓Vは、前記弁体10の中央部11が前記弁座3から所定距離以上離れると、当該中央部11に対し着座方向への付勢力を作用させる付勢手段を備えたところに特色を持つ。本例では付勢手段として、ハウジング上半部1aにおける弁体10の軸線上に、支持ロッド37を取り付け、該支持ロッド37の下端部に、弁体中央部11の上面部と対向し且つ所定間隔を有するように、バネSを取り付ける構成を採用した。
【0027】
本例の自閉水栓Vの動作を以下に説明する。自閉水栓Vの流入部1aを例えば水道管等の給水源に接続し、流出部1bを例えば蛇口や便器等に接続する。図1の初期状態において、開閉操作弁30の操作ロッド31をバネ32の付勢力に抗して押し込むと、図2に示すように、操作ロッド31の先端部によりボール状弁体35がバネ36に抗して押圧され、弁座ユニット34から引き離される。これにより、水室20と流路二次側5とが排水通路7を通じて通水可能となる。すると、図3に示す如く、水室20の水が排水通路7を経由して流路二次側5へ排出されると同時に、弁体10の中央部11下面が給水圧に押されて上昇し弁座3から離れるので、給水が開始される。このとき、弁体10の可撓部12は容易に変形できるから、中央部11の上昇は何ら支障なく実行される。
【0028】
弁体中央部11は、所定高さに達すると、支持ロッド37に取り付けたバネSに当接し、それ以上に上昇すると、バネSを圧縮する。なお状況に応じ、バネSを、常時弁体10に当接するように取り付けることも可能である。但し、この場合は、弁体10の昇降動作に支障を与えないよう、バネ定数の設定を考慮する必要がある。
【0029】
給水開始後、図4に示すように、開閉操作弁30から手を離して排水通路7を閉止状態とすると、水室20から外部への排水が阻止されることにより、自閉水栓V内へ流入する水の一部が、弁体10の通水孔15を通じて水室20内へ流入し、水室20の貯水量を回復させる。その結果、弁体10が降下して着座し、やがて給水を停止させる。このとき、上昇位置にある弁体10がバネSを圧縮しているならば、弁体中央部11はバネSからの反力で下降方向に押圧される。従って低流量・長時間給水を実現するため、給水圧を低くし、及び/又は、弁体10の昇降ストロークを大きく設定した場合でも、弁体10に着座方向の力を確実に作用させることができる。そして、弁体10が所定高さよりも低い位置ではバネSから付勢力を受けることがないので、弁体10の下降速度を不必要に増大させるおそれがない。それ故、弁体10が弁座10に着座する動作が安定化し、給水を停止させるまでの時間が一定に制御される。
【0030】
図5の(A)に示すように、前記バネSは、その下端が、着座位置にある弁体10の上面から所定間隔dだけ離れるように配置される。当該間隔dの長さは、弁体10と弁座3との距離(ストローク)、流量、あるいは弁体10に作用する力の大きさ等の諸関係を勘案して設定すればよい。例えば、弁体10のストロークと力の作用状況とが、図6のグラフに示すような関係を有している場合(グラフ中のα,β,γの定義は前記従来例と共通)、弁体10の上昇ストロークが3mmを越えると、バネSが、弁体10に当接して、同グラフに示す如き下向きの荷重gを作用させるように設定すればよい。
【0031】
弁体10が弁座3から離れると流路一次側2から流路二次側5への水の流動が生じる。その流量は一般に、弁体10の弁座3からの距離が大きくなるほど増大する。ストロークがある一定距離に達すると、それ以上は流量がほとんど増大しなくなると同時に、前記図6のグラフに示す如く、弁体10に作用する下向きの力と上向きの力とがほぼ等しくなる。そこで、前記間隔dを、上述したような、弁体10に作用する下向きの力と上向きの力とがほぼ等しくなるストローク(本例では3mm)に設定すれば、流量が最大値に達するまでは弁体10がバネSに接することがないから給水量を減じるおそれがなく、流量が最大値に達した以降はバネSから付勢力を受けるから、給水停止時に、弁体10に対し着座方向の力を確実に作用させることができる。そして図7に拡大して示すように、弁体10のストロークが前記d(例えば3mm)より大きい値のときには、弁体10に下向きのバネ荷重gが加わるから、弁体10に下向きの総合した力Fが働いて、弁体10を確実に降下させる。それ故、自閉水栓Vを低流量で給水時間を長くする仕様とした場合でも、弁体10の下降動作を安定化させて、止水不良や給水時間のばらつきを排除することが可能である。
【0032】
なお、バネSの下端と着座位置にある弁体10上面との間隔dは、次のような観点から設定することもできる。給水停止後、弁体10を弁座3へ向かって下降させる力F(図5(B)参照)の大きさは一般に、弁体10の弁座3からの距離が大きくなるほど低下する傾向にある。そこで前記間隔dを、着座方向の力Fの大きさが、弁体10を着座方向へ移動させるのが可能と判断される必要最小の値となるような弁体10の弁座3からの距離に設定する。これにより、前記力Fの大きさが、弁体10を着座動作させるのに十分な値の範囲では、弁体10がバネSと接することがないので、着座速度を増加させて給水時間を減じるおそれがない。そして力Fの値が小さくなる範囲では、弁体10がバネSから付勢力を受けるようになるので、弁体10に着座方向の力を確実に作用させることができる。従って、低流量で長時間給水を行う仕様とした場合でも、弁体10の下降動作が安定化され、給水時間のばらつきが解消される。
【0033】
その他、本発明は、実施の状況に応じ適宜変更や応用することを妨げない。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係る自閉水栓は、弁体に対し着座方向への付勢力を作用させる手段を設けたので、給水圧を低くしたり弁体の移動ストロークを大きくしたりするなどして、低流量で長時間給水を実行する仕様を採用した場合に、弁体の着座動作を安定化させることができると共に、給水時間のばらつきを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る自閉水栓の第1の実施形態に関するものであって、初期状態を示す正面断面図である。
【図2】 本発明に係る自閉水栓の第1の実施形態に関するものであって、給水開始時の状態を示す正面断面図である。
【図3】 本発明に係る自閉水栓の第1の実施形態に関するものであって、給水中の状態を示す正面断面図である。
【図4】 本発明に係る自閉水栓の第1の実施形態に関するものであって、給水停止操作を示す正面断面図である。
【図5】 本発明に係る自閉水栓の第1の実施形態に関するものであって、図(A)は着座位置にある弁体部分を拡大して示す正面断面図、図(B)は上昇位置にある弁体部分を拡大して示す正面断面図である。
【図6】 本発明に係る自閉水栓における弁体に対する力の作用状況を示すグラフであって、弁体のストロークに対する力の大きさを表したものである。
【図7】 本発明に係る自閉水栓における弁体に対する力の作用状況を示すグラフであって、一部を拡大して表したものである。
【図8】 本発明に係る自閉水栓に利用する弁体の一例を示すものであって、図(A)は製作時の形態の正面断面図、図(B)は中央部を下へ押し込んだ使用時の形態の正面断面図である。
【図9】 従来の自閉水栓に関するものであって、初期状態を示す正面断面図である。
【図10】 従来の自閉水栓に関するものであって、給水開始時の状態を示す正面断面図である。
【図11】 従来の自閉水栓に関するものであって、給水中の状態を示す正面断面図である。
【図12】 従来の自閉水栓に関するものであって、給水停止操作を示す正面断面図である。
【図13】 従来の自閉水栓に関するものであって、図9の弁体部分を拡大して示す正面断面図である。
【図14】 従来の自閉水栓に関するものであって、図12の弁体部分を拡大して示す正面断面図である。
【図15】 従来の自閉水栓における弁体に対する力の作用状況を示すグラフであって、弁体のストロークに対する力の大きさを表したものである。
【符号の説明】
V…自閉水栓 1…ハウジング 1a…流入部 1b…流出部 2…流路一次側 3…弁座 4…排水案内部 5…流路二次側 6…流出口 7…排水通路 10…弁体 11…弁体の中央部 12…弁体の可撓部 13…弁体の周縁部 14…ガイド部 15…通水孔 20…水室 30…開閉操作部 S…バネ

Claims (3)

  1. 弁座に対し離着座可能になされた弁体を有し、当該弁体を挟んで前記弁座とは反対側の領域に水室が形成され、当該水室から水を比較的大きい流量で排出させる手段と、当該水室内へ比較的小さい流量で水を流入させる手段とを備え、当該水室から水を排出することにより前記弁体を弁座から引き離し、当該水室内へ水を流入させることにより前記弁体を弁座に着座させるようになされた自閉水栓において、前記弁体が、弁座に対し離着座する中央部と、弁座の周辺部へ水密的に取着される周縁部と、前記中央部と周縁部とを連結する可撓部とから構成されたダイヤフラム弁であって、前記可撓部は折り返されて湾曲した形態に形成され、当該可撓部が変形することにより前記中央部が弁座に対し離着座するように構成され、前記弁体に対し着座方向への付勢力を作用させる付勢手段を設けたことを特徴とする自閉水栓。
  2. 前記付勢手段は、前記弁体が弁座から離れるほど、当該弁体に対し作用する着座方向への付勢力が大きくなるように設定されている請求項1に記載の自閉水栓。
  3. 前記付勢手段は、前記弁体の弁座からの距離が、当該弁体に作用する着座方向の力の大きさと離座方向の力の大きさとの差が実質的に無くなる距離を越えると、当該弁体に対し着座方向への付勢力を作用させるように設定されている請求項1又は2に記載の自閉水栓。
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