JP4234495B2 - アフターヘム加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アウタパネルとアウタパネルの裏面側に配置するインナパネルとをヘミング加工で結合して成る、車両用ドアやフードといった製品の製造工程において、インナパネルの周縁部とその裏面に折り重ねられるようにヘミング加工されたアウタパネルの周縁部とを分離不能に接合するために行われるアフターヘム加工方法に関し、特に、アウタパネルとインナパネルとが共にアルミニウム合金製である場合に適用されるアフターヘム加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のアフターヘム加工方法として、インナパネルを接地した状態でアウタパネルの周縁部裏面に抵抗溶接機の電極チップを圧接させて行うインダイレクト方式でのスポット溶接によりインナパネルの周縁部とアウタパネルの周縁部とを結着する方法(例えば、特許文献1参照。)や、アウタパネルの周縁部裏面にレーザビームを照射して、レーザ溶接によりインナパネルの周縁部とアウタパネルの周縁部とを結着する方法(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
【0003】
また、従来、比較的低温で可塑化される材料の接合技術として摩擦攪拌溶接が知られている。これは、ねじ状の表面構造を持つ先端のピン部を有する回転プローブを用い、ピン部を接合すべき材料に食い込ませて、材料を摩擦熱で可塑状態にして攪拌することにより固相接合する技術である(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−57457号公報
【特許文献2】
特開平6−285659号公報
【特許文献3】
特表平9−508073号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
アフターヘム加工をスポット溶接で行う場合に、上記従来例のようにインダイレクト方式を採用するのは、製品の外表面となるアウタパネルの表面に溶接時の打痕を生じないようにするためであるが、アウタパネルの表面側に溶接時の熱影響による歪みを生じ易く、歪み矯正作業が必要になることが多々ある。また、レーザ溶接は、スポット溶接に比し入熱量を小さくできるが、スポット溶接と同様に材料を溶融させる接合技術であって、アウタパネルの表面側への熱影響は避けられず、スポット溶接に比し頻度が多少減るにしても歪み矯正作業が必要になる。ところで、最近は、車両の燃費性の改善のため、車両用のドアやフードのアウタパネルとインナパネルとをアルミニウム合金製として軽量化することが要求されている。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、アウタパネルとインナパネルとをアルミニウム合金製とした場合におけるアフターヘム加工に摩擦攪拌溶接を利用してアウタパネルの表面側への熱影響を可及的に低減し得るようにした方法を提供することをその課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、アウタパネルとアウタパネルの裏面側にシーリング剤を介して重ねたインナパネルとをヘミング加工で結合して成る製品のインナパネルの周縁部と、該周縁部の裏面に折り重ねられるようにヘミング加工されたアウタパネルの周縁部とを分離不能に接合するアフターヘム加工方法であって、アウタパネルとインナパネルとが共にアルミニウム合金製であるものにおいて、ヘミング加工に先立って、アウタパネルの周縁部をインナパネルの周縁部との接合箇所に合致する部分で幅広に形成しておき、ヘミング加工されたアウタパネルの周縁部の幅広に形成した部分に、裏面側から摩擦攪拌溶接用の回転プローブをインナパネルの周縁部に達するように食い込ませ、アウタパネルの周縁部とインナパネルの周縁部とを摩擦攪拌溶接することを特徴とする。
【0008】
アルミニウム合金は可塑化され易く、回転プローブの食い込みにより、アウタパネルの周縁部とインナパネルの周縁部との両者の材料(アルミニウム合金)が摩擦熱で容易に可塑化されて攪拌混合される。これによりアウタパネルの周縁部がインナパネルの周縁部に可塑状態で固相接合されることになる。そのため、材料を溶融させて接合するスポット溶接やレーザ溶接に比し入熱量が低く、従って、アウタパネルの表面側への熱影響も低く抑えられる。その結果、アウタパネルの表面側の熱歪みが効果的に防止され、歪み矯正作業の頻度が可及的に低減されて、生産性が向上する。
【0009】
尚、摩擦攪拌溶接による接合箇所には、回転プローブの抜き跡がアウタパネルの周縁部裏面に開口する孔になって残る。この場合、回転プローブの抜き跡により、製品に取付ける付属部品の取付け用または位置決め用の孔を形成すれば、取付け用または位置決め用の孔を別途形成せずに済み、生産性を一層向上できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は車両用のリヤドアを示している。このドアの本体1は、アルミニウム合金製のアウタパネル11とその裏側(車室側)に配置したアルミニウム合金製のインナパネル12とをヘミング加工で結合して構成される。
【0011】
ヘミング加工に際しては、図2(a)に示す如く、アウタパネル11の裏面にシーリング剤13を塗布した状態でインナパネル12をセットし、次に、図2(b)に示す如く、予め予備曲げされているアウタパネル11の周縁部11aをヘミング加工して、インナパネル12の周縁部12aの裏面にアウタパネル11の周縁部11aを折り重ねる。
【0012】
そして、ヘミング加工後のアフターヘム加工時に、ドア本体1の周囲複数箇所において、図2(c)に示す如く、回転プローブ2を用いてアウタパネル11の周縁部11aをインナパネル12の周縁部12aに摩擦攪拌溶接する。回転プローブ2は、ねじ状の表面構造を有する先端のピン部21を備える段付き形状の非消耗性棒材で構成されており、基端の大径部とピン部21との間の段差22が凹面状に形成されている。摩擦攪拌溶接に際しては、回転プローブ2を高速回転させながらピン部21をアウタパネル11の周縁部11aにその裏面側からインナパネル12の周縁部12aに達するように食い込ませ、段差22をアウタパネル11の周縁部11aの裏面に当接させる。
【0013】
これによれば、アウタパネル11の周縁部11aとインナパネル12の周縁部12aとの両者の材料(アルミニウム合金)が、ピン部21の食い込み箇所において摩擦熱により容易に可塑化され、可塑化された材料がピン部21のねじ状の表面構造と段差22の凹面との働きで矢印のように攪拌され、アウタパネル11の周縁部11aとインナパネル12の周縁部12aとが分離不能に接合される。
【0014】
ここで、摩擦攪拌溶接では、材料を溶融せずに、可塑状態で固相接合できるため、スポット溶接やレーザ溶接に比し入熱量は低く、アウタパネル1の表面側への熱影響も低く抑えられる。従って、アウタパネル11の表面側の熱歪みが効果的に防止され、歪み矯正作業が必要になる頻度を可及的に低減できる。
【0015】
また、摩擦攪拌溶接による接合箇所には、図2(d)に示す如く、回転プローブ2の抜き跡14がアウタパネル11の周縁部11aの裏面に開口する孔となって残る。従って、ドア本体1の裏面周縁部に取付ける付属部品の取付け用または位置決め用の孔として回転プローブ2の抜き跡14を利用できる。
【0016】
例えば、図3(a)に示すように、ドア本体1の裏面後縁部に、ドア開放時にこれを後方から夜間でも視認できるようにリフレクタ3を取付ける場合、リフレクタ3に、図3(b)に示す如く、一対のピン31,31を突設し、アウタパネル11の周縁部11aとインナパネル12の周縁部12aとの摩擦攪拌溶接による隣接した2つの接合箇所に残る回転プローブ2の抜き跡14,14に両ピン31,31を嵌合させてリフレクタ3を位置決めし、この状態でリフレクタ3をアウタパネル11の周縁部11aの裏面に接着する。尚、抜き跡14をリフレクタ3の取付け孔として利用し、ピン31を抜き跡14に圧入、通電カシメ等により嵌合固定することも可能である。更に、リフレクタ3に限らず、ドアシールやドアキャッチャ等の他の付属部品の取付け用または位置決め用の孔として回転プローブ2の抜き跡14を利用することも可能である。
【0017】
また、本実施形態では、図3(b)に示すように、アウタパネル11の周縁部11aをインナパネル12の周縁部12aとの接合箇所に合致する部分で幅広に形成し、摩擦拡散溶接のポイントをドア本体1の周縁(アウタパネル11の周縁部11aの折り返し部)からできるだけ離している。これは、ヘミング加工時にアウタパネル11の周縁部11aとインナパネル12の周縁部12aとの接合面間に不可避的に侵入するシーリング剤13が摩擦拡散溶接のポイントに達し、シーリング剤13が接合組織に混入して、接合強度が弱くなることを防止するためである。
【0018】
以上、車両用ドアのアフターヘム加工に本発明を適用した実施形態について説明したが、アルミニウム合金製のアウタパネルとインナパネルとをヘミング加工で結合して構成される車両用フード等の他の製品のアフターヘム加工として本発明は広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を適用する製品の一例である車両用ドアを示す斜視図。
【図2】本発明によるアフターヘム加工を含むドアの製造工程を示す図。
【図3】 (a)付属部品たるリフレクタを取付けた状態のドアの要部の斜視図、(b)リフレクタの取付け方を示す斜視図。
【符号の説明】
1…ドア本体(製品)、11…アウタパネル、11a…アウタパネルの周縁部、12…インナパネル、12a…インナパネルの周縁部、14…抜き跡、2…回転プローブ、3…リフレクタ(付属部品)
Claims (2)
- アウタパネルとアウタパネルの裏面側にシーリング剤を介して重ねたインナパネルとをヘミング加工で結合して成る製品のインナパネルの周縁部と、該周縁部の裏面に折り重ねられるようにヘミング加工されたアウタパネルの周縁部とを分離不能に接合するアフターヘム加工方法であって、アウタパネルとインナパネルとが共にアルミニウム合金製であるものにおいて、
ヘミング加工に先立って、アウタパネルの周縁部をインナパネルの周縁部との接合箇所に合致する部分で幅広に形成しておき、
ヘミング加工されたアウタパネルの周縁部の幅広に形成した部分に、裏面側から摩擦攪拌溶接用の回転プローブをインナパネルの周縁部に達するように食い込ませ、アウタパネルの周縁部とインナパネルの周縁部とを摩擦攪拌溶接することを特徴とするアフターヘム加工方法。 - 摩擦攪拌溶接による接合箇所に残る前記回転プローブの抜き跡により、製品に取付ける付属部品の取付け用または位置決め用の孔を形成することを特徴とする請求項1に記載のアフターヘム加工方法。
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