JP4781798B2 - 車両ドア構造 - Google Patents

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Description

本発明は車両ドア構造に関する。
近年車両の軽量化を図るために、ドアサッシュ及びドアパネルをアルミニウムによって成形することが行われている(例えば特許文献1)。
図13から図15は、アルミニウム製の車両ドアを示している。図13に示すようにこの車両ドアは、その構成要素としてインナパネル011とドアサッシュ016を具備している。インナパネル011はその中央部に車内側に向かって膨出する膨出部012を備えている。ドアサッシュ016の下端部とインナパネル011は図13及び図14に示す態様で水平方向に対向している。ドアサッシュ016の外周面全周にはサッシュ側取付面024が形成され、インナパネル011の膨出部012の前面にはパネル側取付面014が形成されている(膨出部012の下面及び後面にもパネル側取付面は連続して形成されている)。そしてサッシュ側取付面024のインナパネル011の上方に位置する部分と膨出部012のパネル側取付面(パネル側取付面014を含む)にはゴム等の弾性材料からなる環状部材であるウェザーストリップWS’が掛け回されており、両者は例えば接着によって互いに固定されている。
このアルミニウム製のドアサッシュ016は引き抜き成形によって成形されるため、その表面にはドアサッシュ016の全長に渡ってウェザーストリップWS’の一部が係合するウェザーストリップ係合溝021aを有する突条021が形成されている。この突条021の下端部(インナパネル011と対向する部分)は、ドアサッシュ016の引き抜き成形後(ドアサッシュ016とインナパネル011を接合する前)に切断加工される。なお、この突条021より車外側にも図示を省略した突条が突設されていたが、引き抜き成形後に切断される。
図15は突条021の下方部分の切断要領を図示したものである。T1’は治具であり、工具T2’を治具T1’と反対側から治具T1’側に移動させることにより突条021の下方部分が切断される。しかし図示するように、突条021の下方部分を切断する際には、治具T1’の端面を突条021の下方部分の根元部よりやや先端側に接触させるので、工具T2’によって突条021の下方部分を根元から完全に切断できない(根元部分が残ってしまう)。
特開2002−154338号公報
突条021は、ドアサッシュ016の前面(インナパネル011との対向面)に形成されるため、図14に示すように突条021の下方部分の突出量分だけドアサッシュ016の下端部とインナパネル011の間の段差(前後方向の段差。距離W1。図14参照)が大きくなってしまう。
このようにドアサッシュ016の下端部とインナパネル011の間の段差が大きくなると、次のような問題が生じる。即ち、このように段差が大きい場合には、ウェザーストリップWS’がサッシュ側取付面024のインナパネル011の上方に位置する部分からパネル側取付面014に乗り移るときに、この段差部におけるウェザーストリップWS’のサッシュ側取付面024及びパネル側取付面014に対する追従性が低下してしまう。追従性が低下すると、ウェザーストリップWS’のサッシュ側取付面024及びパネル側取付面014に対する装着性が低下し、ウェザーストリップWS’とサッシュ側取付面024及びパネル側取付面014との間のシール性能が低下してしまう。
さらに、車両ドアをアルミニウム製にする場合は、鉄製の車両ドアと同じ強度を得るためには、鉄によって成形する場合に比べてドアサッシュ016及びインナパネル011の板厚を厚くする必要があるので、鉄製の車両ドアに比べてドアサッシュとインナパネルの間の段差が大きくなる。そのため、ドアサッシュ及びインナパネルをアルミニウムによって成形する場合は、鉄製の場合に比べて上記突条の下方部分を根元から切断する必要性が高くなる。
本発明の目的は、引き抜き成形によって得られる軽合金製のドアサッシュとドアパネルとを接合した車両ドアにおいて、ドアパネルとドアサッシュの間にできる隙間を出来る限り狭くすることが可能な車両ドア構造を提供することにある。
本発明の車両ドア構造は、ウェザーストリップ係合溝を含む一様断面に成形され窓枠形状に従って曲折加工される軽合金製の引き抜き材からなるドアサッシュと、上記ウェザーストリップ係合溝を切除したドアサッシュの下端部に結合される軽合金製のドアパネルと、上記ドアサッシュのウェザーストリップ係合溝に嵌められ上記ドアパネル表面に延びる、車両ドアを閉じた状態において車両ボディ側のドア開口周縁に弾接するウェザーストリップと、を備える車両ドア構造において、上記ドアサッシュは、上記ウェザーストリップ係合溝を構成する車両内外に位置する一対の突条と、この一対の突条の間に位置しかつ車内側の上記突条を切断するための工具がスライド可能なサッシュ側取付面と、車内側に位置する上記突条より車内側に位置し、上記サッシュ側取付面との間に、上記サッシュ側取付面と同一平面上に位置しかつ上記工具がスライド可能な面を有する治具を配置可能な段差を形成する中空本体部と、を有しており、上記ドアパネルの上記ドアサッシュとの結合部分では、上記一対の突条が上記サッシュ側取付面と面一の高さで全てが切除され該サッシュ側取付面がドアパネルに臨んでいることを特徴としている。
さらに、上記ドアサッシュの中間部から下方に延出し上記ドアサッシュとの間にドアミラーの取付用空間を形成するロアサッシュを備え、該ロアサッシュは、その前面に前方に向かって延出する板状取付部を有する一様断面に成形された引き抜き材からなり、上記取付用空間に配設されたドアミラーを固定するためのミラー用ブラケットの側面と上記板状取付部の側面とが当接し、かつ該板状取付部とミラー用ブラケットとに跨らせてペイントシールが施されているのが好ましい。
さらに、上記ミラー用ブラケットと上記板状取付部とがリベットによって結合されているのが好ましい。
上記ドアサッシュが、車両ドアの上縁部及び前縁部をなすアッパーサッシュと、その上端が該アッパーサッシュの後端に接続する略上下方向を向くリアサッシュと、を具備しており、このアッパーサッシュは、そのウェザーストリップ係合溝の車外側に上記サッシュ側取付面に対して略垂直でアッパーサッシュの長手方向に延びるアッパー側シール面を備えており、上記リアサッシュは、そのウェザーストリップ係合溝の車外側に上記サッシュ側取付面に対して略垂直でリアサッシュの長手方向に延びる、上記アッパー側シール面より車内側に位置するリア側シール面を備えており、一様断面の上記ウェザーストリップは、上記アッパー側シール面とリア側シール面に跨って弾接する弾接突条を有し、上記リア側シール面は、アッパー側シール面との接続部において、該リア側シール面をアッパー側シール面に滑らかに近づける傾斜接続面を備えているのが好ましい。
上記リアサッシュの上記傾斜接続面は、例えばプレス加工によって形成できる。
上記軽合金としては、例えばアルミニウムやマグネシウムを利用可能である。
本発明のドアサッシュの製造方法は、ウェザーストリップ係合溝を含む一様断面に成形され窓枠形状に従って曲折加工される軽合金製の引き抜き材からなり、上記ウェザーストリップ係合溝を構成する車両内外に位置する一対の突条と、この一対の突条の間に位置するサッシュ側取付面と、車内側に位置する上記突条より車内側に位置し、かつ、上記サッシュ側取付面との間に段差を形成する中空本体部と、を有するドアサッシュの製造方法であって、治具を上記段差に配置して、該治具の一部の面を上記サッシュ側取付面と同一平面上に位置させるステップ、及び、工具を上記サッシュ側取付面上をスライドさせながら上記治具と反対側から車内側の上記突条の根元に接触させ、かつ上記治具の上記一部の面と接触するまでスライドさせるステップ、を有することを特徴としている。
引き抜き成形時にドアサッシュの全長に渡って形成される突条を引き抜き成形後にサッシュ側取付面と面一の高さで切除するので、ドアパネルとドアサッシュの下端部を結合するときに、両者の隙間(段差)を従来に比べて小さくできる。従って、ウェザーストリップがサッシュ側取付面からドアパネル側の取付面に乗り移るときに、ウェザーストリップのサッシュ側取付面及びパネル側の取付面に対する追従性が従来に比べて向上するので、サッシュ側取付面及びパネル側の取付面とウェザーストリップの装着性が従来に比べて向上する。
以下、本発明の一実施形態を図1から図12を参照しながら説明する。
図1は本発明を適用した車両ドア10を車外側から見た側面図である(アウタパネルは取り外してある)。
車両ドア10の構成要素であるインナパネル(ドアパネル)11はアルミニウム製である。インナパネル11の前後両縁部及び下縁部を除く部分は車内側に向かって膨出する膨出部12となっている。膨出部12の中央部には図示を省略したウィンドウレギュレータ等をインナパネル11とアウトパネルとの間の空間に取り付けるための作業孔13が穿設されている。
インナパネル11の車外側面にはドアサッシュ15の下端部が接続されている。ドアサッシュ15は、ドアサッシュ15の前縁部及び上縁部を構成するアッパーサッシュ16と、後縁部を構成する略上下方向に延びるリアサッシュ17と、アッパーサッシュ16の前端部近傍に接続された略上下方向に延びるロアサッシュ18と、を備えている。これらアッパーサッシュ16、リアサッシュ17及びロアサッシュ18は総てアルミニウム製である。図示は省略してあるが、アッパーサッシュ16、リアサッシュ17及びロアサッシュ18の下端部は膨出部12の車外側面に溶接により固着されている。アッパーサッシュ16、リアサッシュ17及び膨出部12の上縁によって囲まれた部分には窓孔19が形成されている。
膨出部12の外周面全体(前面、下面、及び後面)及びアッパーサッシュ16とリアサッシュ17の外周面には、ゴム等の弾性材料によって成形された環状部材であるウェザーストリップWSが掛け回されている(ウェザーストリップWSの内周側端面WS1が膨出部12の外周面全体及びアッパーサッシュ16とリアサッシュ17の外周面に接触している)。車両ドア10を閉めるとウェザーストリップWSのシール部WS2が車両ボディのドア開口20周縁に弾性接触し(図9参照)、車両ドア10とドア開口20の間をシールする。
このような全体構造を有する本実施形態の車両ドア10は、3つの特徴的な構造を有している。具体的には、アッパーサッシュ16の前端部(下端部)とインナパネル11の間の構造と、ドアミラー用のブラケットの取付構造と、アッパーサッシュ16とリアサッシュ17の連結部分の構造である。まずは、アッパーサッシュ16の前端部(下端部)とインナパネル11の間の構造について説明する。
アッパーサッシュ16は図8に示す断面形状(長手方向の総ての位置の断面が一様)の直線状長尺物として引き抜き成形によって成形された後、曲げ加工されることにより図1の形状にされる。引き抜き成形によってアッパーサッシュ16には全長に渡って中空本体部16aが形成され、さらにアッパーサッシュ16の外周面全体には共にアッパーサッシュ16の長手方向に延出する内側突条21と外側突条22が突設される。内側突条21と外側突条22はそれぞれウェザーストリップ係合溝21aとウェザーストリップ係合溝22aを具備しており、内側突条21と外側突条22の間に取付溝23が形成されている。図示するように取付溝23にはウェザーストリップWSの内周側端部が嵌合され、左右の係合用突条WS3がウェザーストリップ係合溝21aとウェザーストリップ係合溝22aにそれぞれ係合している。取付溝23の底面(アッパーサッシュ16の外周面)はウェザーストリップWSの内周側端面WS1が接触するサッシュ側取付面24を構成している。中空本体部16aの上面の内側突条21と隣接する部分はサッシュ側取付面24との間に上下方向(凹み方向)の段差を生じる段差面25を構成している。さらにアッパーサッシュ16の外側突条22と連続する部分全体には、ウェザーストリップWSの弾接突条WS4が弾性接触する略垂直な壁部(アッパー側シール面)27が形成されている。
上述のように引き抜き成形によって、アッパーサッシュ16(サッシュ側取付面24)にはその全長に渡って内側突条21と外側突条22が一体的に形成されるが、サッシュ側取付面24の下方部分24a(インナパネル11と対向する部分及びその直上部分。サッシュ側取付面24の下方部分24aより上方に位置する部分がサッシュ側取付面24の上方部分24b)における内側突条21及び外側突条22は引き抜き成形後(曲げ加工前)に切断されるので、図1及び図2に示すようにこの部分は内側突条21及び外側突条22が存在しない扁平面となっている。
図5は外側突条22の切断要領を示している。
外側突条22を切断する際はまず、アッパーサッシュ16の車外側面16cを下方に向けて、アッパーサッシュ16の車外側面16cを治具R1で支持し、治具R1の前面をサッシュ側取付面24(下方部分24a)と同一平面上に位置させる。そして、サッシュ側取付面24(下方部分24a)に接触させた工具R2を下方(治具R1側)にスライドさせる。工具R2の後面が治具R1の前面に接触するまで工具R2をスライドさせれば、外側突条22が根元から切断され、外側突条22の切断作業が完了する。
図4はアッパーサッシュ16の内側突条21の切断要領を示している。図4において段差面25には、その段差面25側の側面が段差面25と同一曲率の曲面となっている治具T1が載置されている。治具T1を段差面25に載置すると、治具T1の段差面25と反対側の面(平面)はサッシュ側取付面24(下方部分24a)と同一平面上に位置する。さらに治具T1のサッシュ側取付面24側の端面はアッパーサッシュ16の壁面26に当接している。そして工具T2をサッシュ側取付面24上をスライドさせながら治具T1と反対側から内側突条21の根元に接触させ、工具T2を治具T1の上面と接触するまでスライドさせると、内側突条21がその根元部から切断され(サッシュ側取付面24と面一の高さで切断され)、図2に示すようにサッシュ側取付面24(下方部分24a)と壁面26が連続する。
このように下方部分24aの内側突条21(及び外側突条22)をその根元部から完全に切断すると、以下のメリットが得られる。
アッパーサッシュ16の前端部(インナパネル11と対向する部分)とインナパネル11の膨出部12の平面的な位置関係は図3に示す通りである。膨出部12の前面には、ウェザーストリップWSの内周側端面WS1を装着するためのパネル側取付面14が上下方向に延びる態様で形成されている。図3に示すように、アッパーサッシュ16のサッシュ側取付面24と膨出部12のパネル側取付面14の間には幅Lの前後方向の段差が生じている。しかし、アッパーサッシュ16の前端部(下端部)には内側突条21及び外側突条22が存在しない(切断されている)ので、図14の従来技術(突条021が存在するケース)に比べてアッパーサッシュ16を膨出部12に近づけることが可能である。従って、図3の幅Lは図14の幅L1より狭い(段差が小さい)。そのため、ウェザーストリップWSがサッシュ側取付面24の下方部分24aの上端部(上方部分24bに連なる部分。)から膨出部12のパネル側取付面14に乗り移る部分において、ウェザーストリップWSの下方部分24aの上端部及びパネル側取付面14に対する追従性は図13及び図14に示す従来技術に比べて向上する。従って、従来技術に比べてウェザーストリップWSの内周側端面WS1とサッシュ側取付面24及びパネル側取付面14との隙間がより狭くなる。
なお、後で詳述するように引き抜き成形によって成形されるリアサッシュ17は、引き抜き成形時においてはその全長に渡って延長板部41と内側突条43が成形されるが、引き抜き成形後においてリアサッシュ17の下半部の延長板部41と内側突条43はその根元部から完全に切断される(図1及び図10参照。切断要領はアッパーサッシュ16の内側突条21及び外側突条22と同じなので切断の様子を示す図は省略)。従って、延長板部41と内側突条43が存在する場合に比べてリアサッシュ17の下端部(インナパネル11と対向する部分)を膨出部12の後面に形成されたパネル側取付面14a(図1参照)により近づけることが可能である。そのため、この部分においても従来技術に比べてウェザーストリップWSの内周側端面WS1とサッシュ側取付面46及びパネル側取付面14aとの隙間がより狭くなくなっている。
次にドアミラー用のブラケットの取付構造について説明する。
図6に示すように、ロアサッシュ18もアルミニウム製の引き抜き材であり、その横断面形状は略コ字形であり、その前面には前後方向及び上下方向と並行な板状取付部30が突設されている。ロアサッシュ18の引き抜き成形時には、この板状取付部30がロアサッシュ18前面の長手方向全体に形成される(一様断面の引き抜き材として成形される)が、引き抜き成形後にその下方部分が切除されるので、図1に示すように板状取付部30は上方部分のみが残る。
アッパーサッシュ16とロアサッシュ18の間にはドアミラーを取り付けるためのミラー用ブラケット32が配設されている。ミラー用ブラケット32の後端部33は板状取付部30の車外側面と当接しており、ミラー用ブラケット32の後端部33と板状取付部30はリベット34によって互いに連結されている。さらに、ロアサッシュ本体35の前面、板状取付部30及び後端部33に跨って、ペイントシールA1が板状取付部30の全長に渡って塗られている。
ミラー用ブラケット32の前端部36はアッパーサッシュ16の車外側端面37と車幅方向の隙間をもって対向している。そしてペイントシールA2が、前端部36と車外側端面37に跨る態様で、前端部36の全長に渡って塗られている。
このような態様でロアサッシュ18とミラー用ブラケット32の後端部33にペイントシールA1を塗ると以下のようなメリットが得られる。
図7は従来のロアサッシュ18とミラー用ブラケット32の後端部33にペイントシールBを塗った状態を示す横断面図である。このミラー用ブラケット32の後端部32Aは横断面視で略L字形に曲折されており、後端部32Aの前板部32Bとロアサッシュ18の前面が隙間をもって対向している。そして、前板部32Bとロアサッシュ18の前面の対向面に跨ってペイントシールBが塗られている。しかしペイントシールBの粘度が小さい場合には、ペイントシールBが固まる前にペイントシールBが奥側(車外側。図7の下方)に流れてしまう。このようにペイントシールBが奥側に流れた場合には、ペイントシールBを大量に用いない限りロアサッシュ18とミラー用ブラケット32を完全に塞ぐことができない。
これに対して本実施形態のようにロアサッシュ18に板状取付部30を突設し、この板状取付部30と後端部33を接触させて、板状取付部30、後端部33、及びロアサッシュ本体35に跨る態様でペイントシールA1を塗れば、ペイントシールA1の粘度が小さくてもペイントシールA1が流れる可能性がなくなるので、少量のペイントシールA1によって板状取付部30、後端部33及びロアサッシュ本体35の間を気密状態で塞ぐことが可能である。さらに本実施形態では板状取付部30とミラー用ブラケット32の後端部33とを接触させ、両者をリベット34によって結合しているので、板状取付部30とミラー用ブラケット32の間から車両走行時の風切り音が車内に侵入するおそれはほとんどない。
最後にアッパーサッシュ16とリアサッシュ17の連結部分の構造について説明する。
リアサッシュ17は図9に示す断面形状(長手方向の総ての位置の断面が一様)の直線状長尺物として引き抜き成形によって成形される引き抜き材である。リアサッシュ17は中空本体部39と、中空本体部39の車外側端部に連続する取付部40とを備えており、さらにリアサッシュ17の上半部においては、取付部40の車外側端部から後方に向かって延出する延長板部41を具備している。図8に示すようにリアサッシュ17の上半部においては、取付部40から内側突条43が突設され、延長板部41からは外側突条44が突設されている。さらに内側突条43と外側突条44はウェザーストリップWSの係合用突条WS3がそれぞれ係合するウェザーストリップ係合溝43aとウェザーストリップ係合溝44aを有している。内側突条43と外側突条44の間には略上下方向に延出する取付溝45が形成され、この取付溝45にウェザーストリップWSの内周側端部が嵌合されている。取付溝45の底面(取付部40の外周面)はウェザーストリップWSの内周側端面WS1が接触するサッシュ側取付面46となっている。延長板部41の幅方向の中間部分(外側突条44が形成された部分)は、延長板部41の後端部42に比べて車内側に膨出する中間膨出部47となっている。上述の内側突条43と延長板部41(外側突条44)は、リアサッシュ17の引き抜き成形時においてはリアサッシュ17の長手方向全体に形成されるが、引き抜き成形後にリアサッシュ17の下半部の内側突条43と延長板部41(外側突条44)は切断されるので、リアサッシュ17の下半部にはこれらの部材は存在しない(図1及び図10参照)。
延長板部41に中間膨出部47を設けた理由は次の通りである。即ち、図12に示すように、延長板部41に中間膨出部47を形成しない場合には、延長板部41の中間部とドア開口20の距離がW1となり、本実施形態の中間膨出部47とドア開口20の距離Wより長くなる。このように延長板部41の中間部とドア開口20の距離がW1となると、ウェザーストリップWSによってリアサッシュ17とドア開口20の間を確実にシールするためには、ウェザーストリップWSの断面形状を大きくしなければならなくなる。これに対して本実施形態のように中間膨出部47とドア開口20の距離をW1より短いWとすれば、ウェザーストリップWSの断面形状が図12の場合に比べて小さくても、ウェザーストリップWSによってリアサッシュ17とドア開口20の間を確実にシールできる。そのため、本実施形態では延長板部41に中間膨出部47を設けている。
さらに本実施形態ではリアサッシュ17の中間膨出部47について特別な工夫が施してある。
図11はアッパーサッシュ16とリアサッシュ17の接合部(ドアサッシュ15の後端角部)を車内側から見た斜視図である。図11に仮想線で示すように、上記引き抜き成形時においては中間膨出部47はリアサッシュ17の上端にまで延びている。しかし、このままでは中間膨出部47の車内側面(リア側シール面)の上端(図11の仮想線参照)と、アッパーサッシュ16の壁部27の車内側面(アッパー側シール面)の後端の間に段差が生じてしまう。仮に中間膨出部47と壁部27の端部間に段差が生じると、ウェザーストリップWSの弾接突条WS4が、壁部27の車内側面と中間膨出部47の上端部の車内側面に対して追従し難くなってしまう。弾接突条WS4の追従性が低下すると、弾接突条WS4と中間膨出部47及び外周側壁面48との間に隙間ができてしまうので、ウェザーストリップWSのシール性能が低下してしまう。
このような不都合を解消するために、本実施形態では中間膨出部47の上端部をプレス加工して、中間膨出部47の上端部を後端部42及び壁部27の車内側面(アッパー側シール面)と面一な(中間膨出部47の車内側面(リア側シール面)と壁部27の車内側面(アッパー側シール面)を滑らかに近づける)加工平面(リア側シール面。傾斜接続面)49としている。さらに図11に示すように、ウェザーストリップWSがサッシュ側取付面24からサッシュ側取付面46に乗り移り易くするために外側突条22の後端部を根元付近から切り落としている。従って本実施形態では、ウェザーストリップWSの壁部27の車内側面と加工平面49に対する追従性が低下せず、その結果、この部分のウェザーストリップWSのシール性能が低下しない。
以上各実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、様々な変形を施しながら実施可能である。
例えばインナパネル11、アッパーサッシュ16、リアサッシュ17、ロアサッシュ18及び図示を省略したその他のドア構成フレームをアルミニウム以外の軽合金(例えばマグネシウム)によって成形してもよい。
本発明の一実施形態の車両ドアをアウタパネルを取り外して示す車外側から見た側面図である。 図1のII−II矢線に沿う断面図である。 図1のIII−III矢線に沿う断面図である。 アッパーサッシュの内側突条を切断する様子を示す断面図である。 アッパーサッシュの外側突条を切断する様子を示す断面図である。 図1のVI−VI矢線に沿う断面図である。 従来のロアサッシュとミラー用ブラケットの接続部の横断面図である。 図1のVIII−VIII矢線に沿う断面図である。 図1のIX−IX矢線に沿う断面図である。 図1のX−X矢線に沿う断面図である。 アッパーサッシュの後端部とリアサッシュの上端部の接続部を示す車内側から見た斜視図である。 リアサッシュの延長板部に中間膨出部を設けない場合の図9と同様の断面図である。 従来の車両ドアをアウタパネルを取り外して示す車外側から見た側面図である。 図13のXIV−XIV矢線に沿う断面図である。 従来のアッパーサッシュの突条を切断する様子を示す断面図である。
符号の説明
10 車両ドア
11 インナパネル(ドアパネル)
12 膨出部
13 作業孔
14 パネル側取付面
15 ドアサッシュ
16 アッパーサッシュ
17 リアサッシュ
18 中間サッシュ
19 窓孔
21 内側突条
21a ウェザーストリップ係合溝
22 外側突条
22a ウェザーストリップ係合溝
23 取付溝
24 サッシュ側取付面
25 段差面
26 壁面
27 壁部(アッパー側シール面)
30 板状取付部
32 ミラー用ブラケット
33 後端部
34 リベット
35 中間サッシュ本体
36 前端部
39 中空本体部
40 取付部
41 延長板部
42 後端部
43 内側突条
44 外側突条
45 取付溝
46 サッシュ側取付面
47 中間膨出部(リア側シール面)
49 加工平面(リア側シール面)(傾斜接続面)
A1 A2 ペイントシール
L 前部ドアサッシュと膨出部の前面の間の距離(段差)
WS ウェザーストリップ
WS1 内周側端面
WS2 シール部
WS3 係合用突条
WS4 弾接突条

Claims (7)

  1. ウェザーストリップ係合溝を含む一様断面に成形され窓枠形状に従って曲折加工される軽合金製の引き抜き材からなるドアサッシュと、
    上記ウェザーストリップ係合溝を切除したドアサッシュの下端部に結合される軽合金製のドアパネルと、
    上記ドアサッシュのウェザーストリップ係合溝に嵌められ上記ドアパネル表面に延びる、車両ドアを閉じた状態において車両ボディ側のドア開口周縁に弾接するウェザーストリップと、を備える車両ドア構造において、
    上記ドアサッシュは、上記ウェザーストリップ係合溝を構成する車両内外に位置する一対の突条と、この一対の突条の間に位置しかつ車内側の上記突条を切断するための工具がスライド可能なサッシュ側取付面と、車内側に位置する上記突条より車内側に位置し、上記サッシュ側取付面との間に、上記サッシュ側取付面と同一平面上に位置しかつ上記工具がスライド可能な面を有する治具を配置可能な段差を形成する中空本体部と、を有しており、
    上記ドアパネルの上記ドアサッシュとの結合部分では、上記一対の突条が上記サッシュ側取付面と面一の高さで全てが切除され該サッシュ側取付面がドアパネルに臨んでいることを特徴とする車両ドア構造。
  2. 請求項1記載の車両ドア構造において、さらに、
    上記ドアサッシュの中間部から下方に延出し上記ドアサッシュとの間にドアミラーの取付用空間を形成するロアサッシュを備え、
    該ロアサッシュは、その前面に前方に向かって延出する板状取付部を有する一様断面に成形された引き抜き材からなり、
    上記取付用空間に配設されたドアミラーを固定するためのミラー用ブラケットの側面と上記板状取付部の側面とが当接し、かつ該板状取付部とミラー用ブラケットとに跨らせてペイントシールが施された車両ドア構造。
  3. 請求項2記載の車両ドア構造において、
    上記ミラー用ブラケットと上記板状取付部とがリベットによって結合されている車両ドア構造。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載の車両ドア構造において、
    上記ドアサッシュが、車両ドアの上縁部及び前縁部をなすアッパーサッシュと、その上端が該アッパーサッシュの後端に接続する略上下方向を向くリアサッシュと、を具備しており、
    このアッパーサッシュは、そのウェザーストリップ係合溝の車外側に上記サッシュ側取付面に対して略垂直でアッパーサッシュの長手方向に延びるアッパー側シール面を備えており、
    上記リアサッシュは、そのウェザーストリップ係合溝の車外側に上記サッシュ側取付面に対して略垂直でリアサッシュの長手方向に延びる、上記アッパー側シール面より車内側に位置するリア側シール面を備えており、
    一様断面の上記ウェザーストリップは、上記アッパー側シール面とリア側シール面に跨って弾接する弾接突条を有し、
    上記リア側シール面は、アッパー側シール面との接続部において、該リア側シール面をアッパー側シール面に滑らかに近づける傾斜接続面を備えている車両ドア構造。
  5. 請求項4記載の車両ドア構造において、
    上記リアサッシュの上記傾斜接続面がプレス加工によって形成されている車両ドア構造。
  6. 請求項1から5のいずれか1項記載の車両ドア構造において、
    上記軽合金がアルミニウムまたはマグネシウムである車両ドア構造。
  7. ウェザーストリップ係合溝を含む一様断面に成形され窓枠形状に従って曲折加工される軽合金製の引き抜き材からなり、上記ウェザーストリップ係合溝を構成する車両内外に位置する一対の突条と、この一対の突条の間に位置するサッシュ側取付面と、車内側に位置する上記突条より車内側に位置し、かつ、上記サッシュ側取付面との間に段差を形成する中空本体部と、を有するドアサッシュの製造方法であって、
    治具を上記段差に配置して、該治具の一部の面を上記サッシュ側取付面と同一平面上に位置させるステップ、及び、
    工具を上記サッシュ側取付面上をスライドさせながら上記治具と反対側から車内側の上記突条の根元に接触させ、かつ上記治具の上記一部の面と接触するまでスライドさせるステップ、
    を有することを特徴とするドアサッシュの製造方法。
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