JP4231661B2 - 色再現装置 - Google Patents

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    • H04N1/6088Colour correction or control controlled by factors external to the apparatus by viewing conditions, i.e. conditions at picture output

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色再現装置、より詳しくは、画像出力装置を用いて作成された対象物の画像の色を正確に再現する色再現装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラーCRTモニタやカラープリンタなどの複数のカラー画像機器間で入出力画像の色を合わせるカラーマネージメントシステム(CMS)が、カラー画像を扱う様々な分野において普及しつつある。
【0003】
ところで、同一の三刺激値XYZに基づく色を、異なる照明環境下で観察すると、色順応などの人の知覚特性の変化により、異なって見えてしまうことがあることが知られているが、上述したようなシステムにおいて、照明光が異なる環境下で再現画像を観察する場合にも、この課題が発生していた。
【0004】
上記三刺激値XYZは、国際照明委員会(CIE)が定めた色の定量値であって、同一照明光下においては同じ色の見えを保証するものであるが、上述したような異なる照明光下での色について対応するものとはなっていない。
【0005】
このような課題を解決するために、従来のCMSは、色順応モデル等の人の色知覚モデルを用いて、異なる環境下で同じ色の見えを与える三刺激値の対応色を求めて再現することを目標としていた。このような色順応を含む人の色知覚については、例えばMark.D.Fairchildによる「Color Appearance Models」(Addison Wesley(1998))に記載されているように、幾つかのモデルが提案されており、より正確な色予測が可能なモデルの構築を目指して研究が進められている。
【0006】
このような別環境における被写体の色の見えを再現する従来のCMSに対して、特開平9−172649号公報に記載されているカラー画像記録再生システムは、画像撮影手段(画像入力装置)により撮影された被写体を、撮影時とは異なる照明環境下で再現する際に、被写体の分光反射率画像を推定して、推定した分光反射率画像に観察側の照明光スペクトルを掛けることにより、観察照明光下における三刺激値を求めて再現するものとなっている。このような照明変換を行う技術は、実際に観察を行う照明光下に被写体がある場合の三刺激値を再現するものとなっているために、色順応等の人の視覚特性を考慮することなく、正確に色の見えを再現することが可能であるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような照明変換を行う従来の技術は、実在する被写体に対する画像撮影手段(画像入力装置)からの出力信号を元に分光反射率を推定するものであるために、作成者が画像出力装置(モニタ等)を介して、実体物が存在しない対象物の画像(例えばコンピュータグラフィックス等)を作成した場合には、その対象物の分光反射率を求めることができなかった。
【0008】
そのために、作成時と異なる照明環境下で画像を再現し作成者と異なる観察者が該画像を観察する場合には、作成者が意図した、対象物が観察照明光下にあるときの正確な色、を求めることができなかった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、作成時とは異なる環境下で画像を再現しても、作成者が意図した対象物の色を正確に再現することが可能な色再現装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の発明による色再現装置は、作成時の色再現環境下において画像出力装置により観察しながら作成された元画像を観察時の色再現環境下において元画像が作成されたのと同一または異なる画像出力装置により観察するための観察画像に色変換する色再現装置であって、作成時の照明光のスペクトル情報と作成者の視覚特性に関する情報とを含む作成時の色再現環境および観察時の照明光のスペクトル情報と観察者の視覚特性に関する情報とを含む観察時の色再現環境に関する情報と作成時および観察時の画像出力装置に関する情報とを保存するプロファイル保存手段と、このプロファイル保存手段に保存された情報を用いて上記元画像を上記観察画像へ色変換する色補正手段と、を具備し、上記色補正手段は、上記作成時の画像出力装置に関する情報と上記作成者の視覚特性に関する情報とを用いて上記元画像の信号値から入力三刺激値を算出する入力三刺激値算出部と、上記作成時の照明光のスペクトル情報と上記作成者の視覚特性に関する情報とを用いて上記入力三刺激値から上記元画像中の対象物の分光反射率を算出する分光反射率算出部と、上記観察時の照明光のスペクトル情報と上記観察者の視覚特性に関する情報とを用いて上記分光反射率から出力三刺激値を算出する出力三刺激値算出部と、上記観察者の視覚特性に関する情報と上記観察時の画像出力装置に関する情報とを用いて上記出力三刺激値から上記観察画像の信号値を算出する信号値算出部と、を有するものであり、上記作成者の視覚特性に関する情報は、作成者を測定することにより取得された等色関数、または、予め用意された複数の等色関数から推定して選択された等色関数、を含むものである。
【0016】
の発明による色再現装置は、上記第の発明による色再現装置において、上記観察者の視覚特性に関する情報が、国際照明委員会(CIE)のXYZ等色関数等に代表される標準的に定められた等色関数、観察者を測定することにより取得された等色関数、または、予め用意された複数の等色関数から推定して選択された等色関数、を含むものである。
【0017】
の発明による色再現装置は、上記第1または第2の発明による色再現装置において、上記色再現環境に関する情報が、元画像中の対象物の情報を含むものである。
【0018】
の発明による色再現装置は、上記第の発明による色再現装置において、上記対象物の情報が、元画像を複数の領域に分割したときの各領域毎に与えられるものである。
【0019】
の発明による色再現装置は、上記第または第の発明による色再現装置において、上記対象物の情報が、対象物のスペクトルの統計的性質を表す情報を含むものである。
【0020】
の発明による色再現装置は、上記第1から第の発明による色再現装置において、上記画像出力装置が、4原色以上の多原色によりカラー画像表示を行う多原色表示装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を具体的に説明する前に、まず、本発明に用いられる色再現の原理について説明する。
【0022】
この色再現の原理は、作成者が対象物の画像を作成した際の画像出力装置に入力された信号値と、作成時の画像出力装置の情報と、作成時の照明光のスペクトル情報と、作成者の視覚特性に関する情報と、を用いて、作成された対象物の分光反射率を推定するものである。
【0023】
また、ここでは、RGB蛍光体に信号を送りカラー画像を表示するモニタを画像出力装置の例にとり、該RGB蛍光体へ送られた信号値(RGB値)から対象物の分光反射率を推定する手段について説明する。
【0024】
RGB値がモニタに送られると、該モニタのγ特性を用いて、RGB値の非線型な変換が行われる。このときRGBのγ特性を、それぞれγR[R],γG[G],γB[B]とする。
【0025】
モニタからの発光は、RGB蛍光体の各々による発光の和となるために、γ特性により変換されたRGB信号値による発光と、モニタのバイアス光と、を加算したものが、モニタからのスペクトル光P(λ)となり、以下の数式1に示すように表される。
【数1】
Figure 0004231661
ここに、PR(λ),PG(λ),PB(λ)はR,G,B各蛍光体の最大発光時のスペクトル、b(λ)はバイアス光のスペクトルである。
【0026】
モニタから発光されたスペクトルにより作成者が色として感じられる三刺激値(XYZ値)は、等色関数x(λ),y(λ),z(λ)を用いて、次の数式2に示すように表される。
【数2】
Figure 0004231661
【0027】
この数式2は、マトリクスを用いることにより、次の数式3に示すように表される。
【数3】
Figure 0004231661
ここに、
【数4】
Figure 0004231661
【数5】
Figure 0004231661
【数6】
Figure 0004231661
【数7】
Figure 0004231661
であり、右肩の記号「T」は転置を表している。
【0028】
一方、作成者の意図する対象物の分光反射率をf(λ)、作成時の照明光スペクトルをE0(λ)とすると、対象物f(λ)が照明光E0(λ)の下にあるときに作成者が実際に感じる対象物の色は、次の数式8に示すような三刺激値X’Y’Z’により表される。
【数8】
Figure 0004231661
【0029】
ここで、対象物の分光反射率f(λ)が3個の基底関数el(λ)(l=1〜3)により展開可能な統計的性質を有するとすれば、次の数式9に示すように表すことができる。
【数9】
Figure 0004231661
【0030】
これにより上記数式8は、次の数式10に示すようになる。
【数10】
Figure 0004231661
【0031】
画像作成時においては、作成者が上記数式10に示す三刺激値を得られるように、画像出力装置の信号値が調整されることになる。すなわち、数式10に示す三刺激値と上記数式2に示した三刺激値とが一致することになり、次の数式11に示す関係が成り立つ。
【数11】
Figure 0004231661
但し、
【数12】
Figure 0004231661
【数13】
Figure 0004231661
とおいている。
【0032】
数式11に示す関係から、被写体の分光反射率の各基底関数における展開係数cl(l=1〜3)の推定値は、次の数式14により与えられる。
【数14】
Figure 0004231661
【0033】
これより、作成者が与えた画像信号値pから対象物の三刺激値tが数式3によって求まり、さらに数式14によりcが求まるために、求められたcを用いることにより、数式9から対象物の分光反射率f(λ)が求められる。
【0034】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を具体的に説明する。
図1から図5は本発明の第1の実施形態を示したものであり、図1は色再現装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【0035】
この色再現装置は、図1に示すように、作成者の調整によりカラー画像を作成する画像作成装置3と、この画像作成装置3により作成された元画像であるRGB信号を受けて画像出力を行う第1の画像出力装置1と、上記画像作成装置3により作成されたRGB信号に基づき画像の色補正を行う色再現処理装置5と、この色再現処理装置5により補正された観察画像であるR’G’B’信号に基づき観察者により観察可能となるように画像出力を行う第2の画像出力装置2と、を有して構成されている。
【0036】
上記色再現処理装置5は、作成時の画像出力装置情報と作成時の色再現環境に関する環境情報と観察時の画像出力装置情報と観察時の色再現環境に関する環境情報とを外部から入力して保存するプロファイル保存手段たるプロファイル保存部6と、このプロファイル保存部6からの出力データと上記画像作成装置3から出力されたRGB信号とに基づき画像の色補正を行う色補正手段たる色補正部7と、を有して構成されている。
【0037】
なお、本実施形態では、図1に示すように、観察時に使用する画像出力装置は作成時に使用した画像出力装置とは異なり、かつ観察者は作成者と異なる場合を想定しているが、勿論これに限定されるものではなく、例えば図2に示すようであっても構わない。
【0038】
図2は、色再現装置の概略的な構成の他の例を示すブロック図である。
【0039】
この図2に示すように、観察時に使用する画像出力装置を作成時に使用した画像出力装置1と同一としても良いし、観察者が作成者と同一人物であっても構わない。このときには、図示のように、例えば切替スイッチ4を設けて、作成時には画像作成装置3からのRGB出力がそのまま第1の画像出力装置1に入力されるようにし、観察時には、該切替スイッチ4を切り換えることにより、色再現処理装置5により処理されたR’G’B’信号が第1の画像出力装置1に入力されるようにすれば良い。
【0040】
この図2に示したような構成例は、例えば、作成した画像が示す対象物が、異なる照明下でどのように観察されるのかをシミュレーションするなどの用途に使うことが考えられる。
【0041】
また、本実施形態における色再現処理装置5は、画像作成装置3からのRGB信号を入力して色補正を行い、色補正されたRGB信号を出力するようにしているが、このようなRGB3原色信号を処理するに限定されるものではなく、3原色以上の多原色信号を入力または出力するものであっても良いし、あるいは、モノクロ画像を入力するものであっても構わない。
【0042】
次に、図3を参照して色再現処理装置5内のプロファイル保存部6の構成について詳細に説明する。図3は、プロファイル保存部6の構成を示すブロック図である。
【0043】
このプロファイル保存部6は、大別すると、作成時の画像出力装置情報と作成時の色再現環境に関する環境情報とを保存する作成時プロファイル保存部6aと、観察時の画像出力装置情報と観察時の色再現環境に関する環境情報とを保存する観察時プロファイル保存部6bと、を有して構成されている。
【0044】
上記作成時プロファイル保存部6aは、入力デバイスプロファイル保存部11と、作成者等色関数データ保存部12と、作成照明光データ保存部13と、対象物特性データ保存部14と、を有して構成されていて、上記入力デバイスプロファイル保存部11は、原色階調データ保存部16と、原色スペクトル保存部17と、バイアススペクトル保存部18と、を有してなる。
【0045】
また、上記観察時プロファイル保存部6bは、観察照明光データ保存部21と、観察者等色関数データ保存部22と、出力デバイスプロファイル保存部23と、を有して構成されていて、上記出力デバイスプロファイル保存部23は、原色階調データ保存部26と、原色スペクトル保存部27と、バイアススペクトル保存部28と、を有してなる。
【0046】
上記入力デバイスプロファイル保存部11には、専用の入力装置31a、ネットワーク32a、記憶媒体33aなどから、作成時の画像出力装置情報が入力されるようになっている。
【0047】
この作成時の画像出力装置情報は、作成時に用いる第1の画像出力装置1におけるRGB各原色の最大出力時のスペクトルデータ(以後、原色スペクトルデータと呼ぶ)と、信号無出力時において画像面上にのるバイアス成分のスペクトルデータ(以後、バイアススペクトルデータと呼ぶ)と、RGB各入力信号値に対するRGB各原色の出力強度値の特性データ(以後、RGB階調特性データと呼ぶ)と、を含んで構成されており、それぞれ、原色スペクトル保存部17、バイアススペクトル保存部18、原色階調データ保存部16に保存される。
【0048】
また、上記出力デバイスプロファイル保存部23には、専用の入力装置31c、ネットワーク32c、記憶媒体33cなどから、観察時の画像出力装置情報が入力されるようになっている。
【0049】
この観察時の画像出力装置情報も同様に、観察時に用いる第2の画像出力装置2におけるRGB各原色の最大出力時のスペクトルデータ(上記原色スペクトルデータ)と、信号無出力時において画像面上にのるバイアス成分のスペクトルデータ(上記バイアススペクトルデータ)と、RGB各入力信号値に対するRGB各原色の出力強度値の特性データ(上記RGB階調特性データ)と、を含んで構成されており、それぞれ、原色スペクトル保存部27、バイアススペクトル保存部28、原色階調データ保存部26に保存される。
【0050】
さらに、上記作成者等色関数データ保存部12、作成照明光データ保存部13、対象物特性データ保存部14、観察照明光データ保存部21、観察者等色関数データ保存部22には、専用の入力装置31b、ネットワーク32b、記憶媒体33bなどから、環境情報が入力されるようになっている。
【0051】
この環境情報は、より詳しくは、対象物の画像を作成したときの照明光のスペクトルデータ(以後、作成照明光データと呼ぶ)と、作成した対象物を観察したい場所での照明光のスペクトルデータ(以後、観察照明光データとよぶ)と、作成者の色に関する視覚特性である等色関数データと、観察者の色に関する視覚特性である等色関数データと、作成した対象物の基底関数等のスペクトルに関する統計的性質を表す情報(以後、対象物特性データとよぶ)と、を有してなり、それぞれ作成照明光データ保存部13、観察照明光データ保存部21、作成者等色関数データ保存部12、観察者等色関数データ保存部22、対象物特性データ保存部14に保存される。
【0052】
上記作成照明光データは、作成時の照明光による影響をキャンセルするために用いられるものである。すなわち、この作成照明光データと、作成時の画像出力装置情報と、等色関数データと、を用いることによって、任意の可視照明光(例えば、蛍光燈、白熱灯、太陽光など)の下で作成された対象物の画像から、環境に依存しない、対象物自体の分光反射率を推定することが可能である。
【0053】
また、上記観察照明光データは、上記分光反射率とともに用いることによって、実際に画像を観察したい場所の照明光下における色を算出するためのものである。
【0054】
これらの作成照明光データと観察照明光データは、画像の作成時と観察時に実際の環境照明光をスペクトル検出センサ等の手段でそれぞれ測定したスペクトルデータを使用するようにしても良いし、あるいは、予めデータベース等に登録されている様々な照明光のスペクトルサンプルデータから、作成者が対象物の画像を作成する際あるいは観察者が対象物の画像を観察する際に、想定した照明光のスペクトルデータを選択して使用するようにしても構わない。
【0055】
さらに、上記対象物特性データは、入力画像のスペクトル情報が少ない場合でも、精度良く色再現画像を推定するために用いるものである。
【0056】
上記等色関数データは、作成者に係るものと観察者に係るものとの両方を国際照明委員会(CIE)のXYZ等色関数等の標準的に定められた等色関数を用いるようにしても良いし、あるいは、予め測定または推定された個人毎に適切な等色関数を選択して用いるようにしても構わない。個人毎に適切な等色関数を用いた場合には、作成者と観察者との視覚特性の違いを考慮した色再現が行われることになるために、さらに精度の良い色再現画像を推定することができる。
【0057】
これらの画像出力装置情報や環境情報は、上述したように、各々専用の入力装置31a,31b,31c、ネットワーク32a,32b,32c、あるいは記憶媒体33a,33b,33cの何れかから供給されるが、入力装置31a,31b,31cから取得する場合には、画像を作成したときの環境情報または画像を観察したいときの環境情報をリアルタイムに得ることができるために、環境が刻々と変化する場合にも色再現のための情報を精度良く取得することができる利点がある。
【0058】
また、画像出力装置情報や環境情報をネットワーク32a,32b,32cまたは記憶媒体33a,33b,33cから取得する場合には、遠隔地の環境に合わせて、あるいは過去の環境に合わせて情報を取得することができる利点がある。また、これらの場合には、データベース等を利用して、予め登録されているサンプルデータからユーザーが選択して取得することも可能であり、データを集積して行くことにより精度を向上することができる利点がある。
【0059】
次に図4と図5を参照して、色再現処理装置5内の色補正部7の構成と処理の流れについて説明する。
【0060】
まず、図4は、色再現処理装置5の色補正部7における処理を示すフローチャートである。
【0061】
この処理が開始されると、色補正部7は、まず画像作成装置3により作成されたカラー画像を入力してRGB値を読み取り(ステップS1)、上記作成時プロファイル保存部6aに保存されている作成時の画像出力装置情報に基づいて、上記RGB値から作成時の照明光下における対象物の三刺激値tを算出する(ステップS2)。
【0062】
次に、作成時プロファイル保存部6aに保存されている作成照明光データと作成者等色関数データと対象物特性データとに基づいて、算出された上記三刺激値tから対象物の分光反射率f(λ)を推定する(ステップS3)。
【0063】
そして、観察時プロファイル保存部6bに保存されている観察照明光データと観察者等色関数データとに基づいて、推定された上記分光反射率f(λ)から、今度は観察時の照明光下における対象物の三刺激値t’を算出する(ステップS4)。
【0064】
最後に、観察時プロファイル保存部6bに保存されている観察時の画像出力装置情報に基づいて対象物の三刺激値t’からRGB値を算出し(ステップS5)、この算出されたRGB値をR’G’B’として第2の画像出力装置2に出力することにより(ステップS6)、該第2の画像出力装置2において対象物のカラー画像が表示される。
【0065】
次に、図5は、色再現処理装置5の構成を示すブロック図である。
【0066】
この色再現処理装置5におけるプロファイル保存部6は、既に上記図3において説明したものである。
【0067】
また、色再現処理装置5における色補正部7は、この図5に示すように、大別すると、入力三刺激値算出部7aと、分光反射率算出部7bと、出力三刺激値算出部7cと、RGB値算出部7dと、を有して構成されている。
【0068】
上記入力三刺激値算出部7aは、より詳しくは、原色マトリクス作成部44と、バイアスデータ作成部45と、階調補正部41と、行列演算部42と、バイアス加算部43と、を有して構成されている。
【0069】
上記原色マトリクス作成部44は、作成時プロファイル保存部6aの上記原色スペクトル保存部17に保存されている原色スペクトルデータPR(λ),PG(λ),PB(λ)と、上記作成者等色関数データ保存部12に保存されている作成者等色関数データx(λ),y(λ),z(λ)と、を用いて、第1の画像出力装置1におけるRGB各原色のXYZ三刺激値を3行3列(3×3)のマトリクスMとして作成する。
【0070】
上記バイアスデータ作成部45は、作成時プロファイル保存部6aの上記バイアススペクトル保存部18に保存されているバイアススペクトルデータb(λ)と、上記作成者等色関数データ保存部12に保存されている作成者等色関数データx(λ),y(λ),z(λ)と、に基づき、第1の画像出力装置1におけるバイアス成分のXYZ三刺激値データbを作成する。
【0071】
そして、この入力三刺激値算出部7aでは、まず階調補正部41が、画像作成装置3から出力されたRGB値と、上記原色階調データ保存部16に保存されているガンマ曲線γR[R],γG[G],γB[B]とに基づいて、階調の補正を行い、補正されたスペクトル光を示すベクトルpを出力する。
【0072】
次に、上記行列演算部42が、この階調補正部41による補正結果のベクトルpと上記原色マトリクス作成部44において作成された原色マトリクスデータMとに基づき、行列演算を行って演算結果のMpを出力する。
【0073】
さらに、上記バイアス加算部43が、上記行列演算部42により算出された三刺激値Mpに、上記バイアスデータ作成部45で作成されたバイアス成分の三刺激値bを加算することにより、作成時における対象物の三刺激値tを算出して、分光反射率算出部7bに出力する。
【0074】
次に、上記分光反射率算出部7bは、より詳しくは、対象物展開係数算出部47と、分光反射率合成部48と、対象物展開係数算出マトリクス作成部49と、を有して構成されている。
【0075】
上記対象物展開係数算出マトリクス作成部49は、作成時プロファイル保存部6aの上記作成者等色関数データ保存部12に保存されている作成者の等色関数データx(λ),y(λ),z(λ)と、上記作成照明光データ保存部13に保存されている作成時の照明光のスペクトルデータE0(λ)と、上記対象物特性データ保存部14に保存されている対象物の基底関数データel(λ)(l=1〜3)と、を用いて、対象物の展開係数cl(l=1〜3)を推定するためのマトリクスV-1を作成する。
【0076】
次に、上記対象物展開係数算出部47が、この対象物展開係数算出マトリクス作成部49により作成されたマトリクスV-1を用いて、入力三刺激値算出部7aにより算出された作成時における対象物の三刺激値tに基づき、対象物の展開係数cl(l=1〜3)を算出する。
【0077】
そして、上記分光反射率合成部48が、推定された対象物展開係数cl(l=1〜3)と、上記対象物特性データ保存部14に保存されている対象物の基底関数データel(λ)(l=1〜3)と、を用いて、対象物の分光反射率f(λ)を合成する。
【0078】
続く出力三刺激値算出部7cは、上記分光反射率算出部7bにより算出された対象物の分光反射率f(λ)と、観察時プロファイル保存部6bの上記観察照明光データ保存部21に保存されている観察時の照明光のスペクトルデータEs(λ)と、観察者等色関数データ保存部22に保存されている観察者等色関数データx’(λ),y’(λ),z’(λ)と、に基づいて、観察照明光下における対象物のXYZ三刺激値t’を算出して、RGB値算出部7dに出力する。
【0079】
このRGB値算出部7dは、より詳しくは、階調補正部51と、行列演算部52と、バイアス減算部53と、原色逆マトリクス作成部54と、バイアスデータ作成部55と、階調補正データ作成部56と、を有して構成されている。
【0080】
上記バイアスデータ作成部55は、観察時プロファイル保存部6bの上記バイアススペクトル保存部28に保存されている第2の画像出力装置2におけるバイアススペクトルデータb’(λ)と、上記観察者等色関数データ保存部22に保存されている観察者等色関数データx’(λ),y’(λ),z’(λ)と、に基づいて、第2の画像出力装置2におけるバイアス成分のXYZ三刺激値b’を算出する。
【0081】
上記原色逆マトリクス作成部54は、観察時プロファイル保存部6bの上記原色スペクトル保存部27に保存されている第2の画像出力装置2の原色スペクトルデータPR'(λ),PG'(λ),PB'(λ)と、上記観察者等色関数データ保存部22に保存されている観察者の等色関数データx’(λ),y’(λ),z’(λ)と、に基づいて、RGB各原色のXYZ三刺激値を3×3マトリクスM’として算出した後に、この3×3マトリクスM’の逆行列M’-1を作成して、上記行列演算部52に出力する。
【0082】
上記階調補正データ作成部56は、観察時プロファイル保存部6bの原色階調データ保存部26に保存されている第2の画像出力装置2の各原色の階調特性データγ'R[R],γ'G[G],γ'B[B]に基づき、その逆特性、つまり、各原色の出力強度に対する入力信号値の特性データγ'R -1[R],γ'G -1[G],γ'B -1[B]を算出して、階調補正部51へ出力する。
【0083】
そして、このRGB値算出部7dでは、まずバイアス減算部53が、上記出力三刺激値算出部7cにより出力された三刺激値t’から、上記バイアスデータ作成部55において作成されたバイアス成分の三刺激値b’を減算する。
【0084】
次に、行列演算部52が、上記バイアス減算部53により減算された結果と、原色逆マトリクス作成部54において作成された逆行列M’-1と、に基づいて、行列演算を行う。
【0085】
さらに、階調補正部51が、上記行列演算部52により演算された結果p’を、階調補正データ保存部に保存されているガンマ曲線の逆特性γ'R -1[R],γ'G -1[G],γ'B -1[B]により階調補正し、RGB値に変換する。
【0086】
こうして、RGB値算出部7dにより算出されたRGB値は、R’G’B’として上記第2の画像出力装置2に出力され、該第2の画像出力装置2において対象物のカラー画像が表示される。
【0087】
なお、上述した説明における「環境」という用語は、色に影響を与えるような要因を広く含む概念を示しており、照明光スペクトルだけでなく、等色関数や対象物の特性(基底関数)といったものも含んでいる。
【0088】
また、画像出力装置としては、モニタ等の表示装置が主な例として挙げられるが、これに限らず、プリンタ等の画像出力装置であっても構わない。
【0089】
このような第1の実施形態によれば、作成時および観察時の画像出力装置の情報と、作成時および観察時の照明光のスペクトル情報と作成者および観察者の視覚特性データと作成した画像における対象物のスペクトル統計データとを含む色再現環境情報と、を参照して画像変換を行っているために、画像の作成場所と観察場所とを遠隔化することができる。
【0090】
こうして、画像作成装置により作成されたカラー画像を、作成時とは異なる環境下で再現しても、作成者が意図した対象物の色を正確に再現することが可能となる。
【0091】
図6から図8は本発明の第2の実施形態を示したものであり、図6は色再現装置の概略的な構成を示すブロック図である。この第2の実施形態において、上述の第1の実施形態と同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
【0092】
この第2の実施形態の色再現装置は、図6に示すように、作成者の調整によりカラー画像を作成する画像作成装置3と、この画像作成装置3により作成されたRGB信号を受けて画像出力を行う第1の画像出力装置1と、上記画像作成装置3により作成されたRGB信号に基づき画像の色補正を行う色再現処理装置5Aと、この色再現処理装置5Aにより補正されたR’G’B’信号に基づき画像出力を行う第2の画像出力装置2と、作成時の照明光に関する環境情報を検出する第1の照明検出センサ61と、観察時の照明光に関する環境情報を検出する第2の照明検出センサ62と、を有して構成されている。
【0093】
上記色再現処理装置5Aは、上記第1の照明検出センサ61または第2の照明検出センサ62からのセンサ信号を入力して作成時または観察時の照明光のスペクトルデータを算出する照明光スペクトル算出部8と、この照明光スペクトル算出部8により算出された照明光スペクトル情報を入力して保存するとともに、外部から画像出力装置情報と色再現環境に関する環境情報とを入力して保存するプロファイル保存部6と、このプロファイル保存部6からの出力データと上記画像作成装置3から出力されたRGB信号とに基づき画像の色補正を行う色補正部7と、を有して構成されている。
【0094】
図7は、照明検出センサの具体的な構成例を示す図である。
【0095】
上記第1の照明検出センサ61または第2の照明検出センサ62は、図7に示すように、入射する照明光を均一な白色光量を与えるように拡散させながら透過させる白色拡散板64と、この白色拡散板64を通過した光の内の所定の波長域の光のみを通過させるために配列された複数の分光フィルタ65と、これらの分光フィルタ65を通過した光を各受光して受光量に応じた電気信号を出力する複数のフォトダイオード66と、これらのフォトダイオード66から出力される信号を順次切り替えて出力する信号切替器67と、この信号切替器67から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して上記色再現処理装置5Aの照明光スペクトル算出部8に出力するA/D変換器68と、を有して構成されている。
【0096】
上記フォトダイオード66は、画像イメージを撮像するためのものでないために、通常のフォトダイオード等で構わない。
【0097】
また、これらのフォトダイオード23の前に配設される分光フィルタ65は、個々が異なる波長域を分担しながら、複数のフォトダイオード23の総体として可視光域をほぼカバーし得るような光透過特性をもったものとなっている。
【0098】
ここで、異なる分光感度を有するL個の照明検出センサが配設されている場合を例にとって、センサ出力信号から照明光スペクトルを推定する原理について説明する。
【0099】
照明検出センサの分光感度は、図7に示した構成例において、分光フィルタ65の分光透過率特性と、フォトダイオード66の分光感度と、を積算したものにより与えられる。
【0100】
k番目のセンサにおける分光フィルタおよびフォトダイオードによる分光感度をhk(λ)(k=1〜L)、照明光のスペクトルをE0(λ)とし、この照明光スペクトルE0(λ)がL個の基底関数sl(λ)(l=1〜L)により展開可能な統計的性質を有するものとする。
【0101】
このとき、k番目のセンサ感度により得られる信号gkは、センサ感度が入射光強度に対して線形な応答をすると仮定すると、次の数式15により与えられる。
【数15】
Figure 0004231661
【0102】
ここで、照明光のスペクトルE0(λ)がL個の基底関数sl(λ)(l=1〜L)により展開できることから、E0(λ)は展開係数dl(l=1〜L)を用いて、次の数式16に示すように表される。
【数16】
Figure 0004231661
【0103】
これにより、上記数式15は、次の数式17に示すようになる。
【数17】
Figure 0004231661
ここに、
【数18】
Figure 0004231661
とおいている。
【0104】
L個のセンサ感度について上記数式17に示すような信号値が得られるために、これらをまとめて行列式で表すと、次の数式19に示すようになる。
【数19】
Figure 0004231661
この数式19に現れる各ベクトルをg,d、マトリクスをAとすると、
【数20】
Figure 0004231661
と表現される。
【0105】
これらの内の、マトリクスAは、上記数式18に示したように、既知量である基底関数sl(λ)と、既知量である分光感度hk(λ)とに基づいて得られるために、既知量である。また、ベクトルgは、観測(測定)により得られる既知量である。
【0106】
従って、未知量である、照明光スペクトルの各基底関数の展開係数dl(l=1〜L)の推定ベクトルdは、上記既知量を用いて、次の数式21に示すように算出することができる。
【数21】
Figure 0004231661
【0107】
すなわち、既知量で構成されるマトリクスAの逆行列を予め計算しておけば、観測値であるベクトルgを得る毎に、この数式21を用いてベクトルdを直ちに計算することが可能である。
【0108】
こうしてベクトルdが得られたら、上記数式16に代入することにより、照明光のスペクトルE0(λ)を求めることができる。
【0109】
なお、上述では、センサの個数をL個、基底関数の個数をL個としているが、より一般に、センサの個数がm個、基底関数の個数がn個であって、m>nとなる場合には、上述した原理において、gがm次元ベクトル、dがn次元ベクトル、Aがm×nの非正方マトリクスとなる。
【0110】
このときには、次の数式22に示すような最小二乗法を用いることにより、基底関数の展開係数を求めることができる。
【数22】
Figure 0004231661
【0111】
また、例えば、「Natural color reproduction of human skin for telemedicine」(Ohya et al.)(SPIE Vol.3335の第263頁から第270頁)(SPIE Conference on Image Display (San Diego, California February 1998))等に記載されているようなWiener推定を用いることにより、次の数式23に示すように基底関数の展開係数を求めても良い。
【数23】
Figure 0004231661
ここに、記号「<>」は、アンサンブル平均をとる演算子を示している。
【0112】
あるいは、m個のセンサ出力を全て用いるのではなく、適宜のセンサ出力を間引くことにより、n個のセンサ出力のみを用いるようにしても良いし、m個のセンサ出力を補間することにより、n個のセンサ出力を作成するようにしても構わない。このときには、L=nと置き換えることにより、上述した原理をそのまま適用することができる。
【0113】
なお、m<nとなる場合には、m≧nとなるように基底関数の組を新たに選び直すか、あるいは、データベース等に用意されている任意の基底関数の個数に対応することができるように、予め十分な個数のセンサを用意しておくことが必要となる。
【0114】
次に、図8は、色再現処理装置5Aの照明光スペクトル算出部8の構成を示すブロック図である。
【0115】
上記照明光スペクトル算出部8は、様々な種類の照明光のスペクトルデータが登録されている照明光スペクトルデータベース75と、この照明光スペクトルデータベース75から予め想定される照明光スペクトルデータを幾つか選択して照明光基底関数データsl(λ)(l=1〜L)を作成する照明光基底関数作成部74と、上記第1の照明検出センサ61または第2の照明検出センサ62の各分光フィルタ65によるフォトダイオード66の分光感度特性データhk(λ)(k=1〜L)を予め保存しているセンサ分光感度特性データ保存部73と、上記第1の照明検出センサ61または第2の照明検出センサ62からの入力信号gと上記照明光基底関数データsl(λ)と上記分光感度特性データhk(λ)とに基づいて照明光の展開係数dを算出する照明光展開係数算出部71と、この照明光展開係数算出部71により算出された展開係数dと上記照明光基底関数作成部74により作成して保存されている照明光基底関数データsl(λ)(l=1〜L)とに基づき作成時または観察時の照明光のスペクトルE0(λ)を合成する照明光スペクトルデータ合成部72と、を有して構成されている。
【0116】
このような第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態とほぼ同様の効果を奏するとともに、照明検出センサを設けたために、画像を作成したときの照明光のスペクトル情報または画像を観察するときの照明光のスペクトル情報をリアルタイムに取得することができ、環境が刻々と変化する場合にも精度良く色再現を行うための情報を得ることができる。
【0117】
そして、照明光スペクトル算出部において、予め想定される照明光スペクトルデータの統計情報を照明光の基底関数データとして用いることにより、照明検出センサからの出力信号が少ないスペクトル情報しかない場合にも、精度良く作成時または観察時の照明光のスペクトルを推定することが可能となる。
【0118】
図9から図12は本発明の第3の実施形態を示したものであり、図9は色再現装置の概略的な構成を示すブロック図である。この第3の実施形態において、上述の第1,第2の実施形態と同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
【0119】
この第3の実施形態は、作成者が第1の画像出力装置1を用いて作成した画像自体に、色補正処理に必要な画像出力装置情報および環境情報の一部を備えさせたものであり、このような照明変換可能なデータ構造を有する画像データを用いて色補正を行うようにしている。
【0120】
この第3の実施形態の色再現装置は、図9に示すように、作成者の調整により対象物のカラー画像を作成する画像作成装置3と、この画像作成装置3により作成されたRGB信号を受けて画像出力を行う第1の画像出力装置1と、上記画像作成装置3により作成された画像データと画像出力装置情報と作成時の色再現環境に関する種々の環境情報(作成照明光データや対象物特性データなど)とを組み合わせて照明光の影響による色の変化に対する色変換を行うことが可能な画像フォーマット(照明可変CG画像フォーマットと称する)の画像データ(照明可変CG画像データ)を生成する色再現前処理部81と、この色再現前処理部81から記憶媒体やネットワークを介して出力される照明可変CG画像データに対して色補正を行う色再現処理部5Bと、この色再現処理部5Bにより色補正された画像データを出力する第2の画像出力装置2と、を有して構成されている。
【0121】
上記色再現処理部5Bは、より詳しくは、入力された照明可変CG画像データを画像データと作成時の画像出力装置情報および環境情報とに再度分ける入力データ分割部82と、この入力データ分割部82により分割された作成時の画像出力装置情報と環境情報とを作成時プロファイル保存部6aに保存するとともに外部から与えられた観察時の画像出力装置情報と観察時の環境情報(観察照明光データなど)とを観察時プロファイル保存部6bに保存するプロファイル保存部6と、このプロファイル保存部6に保存されている各データを用いて上記入力データ分割部82により分割された画像データの対象物に照明変換を行う色補正部7と、を有して構成されている。
【0122】
また、上記照明可変CG画像データは、ヘッダ情報と、作成照明光データと、画像出力装置情報と、対象物特性データと、画像データと、を含んで構成されている。
【0123】
このように、作成時の画像出力装置情報と作成時の環境情報の少なくとも一部とを画像データ自体にもたせることにより、画像データを色再現処理部5Bに入力するだけでこれらの情報も取得することができるようにするとともに、この画像データに含まれない観察時の画像入力装置情報と観察時の環境情報とを、上述した実施形態と同様に、色再現処理部5Bの外部から入力することにより取得するようにしている。
【0124】
従って、画像データと作成時の画像出力装置情報と作成時の環境情報の一部とを、色再現前処理部81により1つのデータ構造にすることによって、観察照明光を任意に変更することができる扱い易い画像データとなる。
【0125】
次に、図10と図11を参照して、この第3の実施形態における第1の変形例について説明する。図10は第1の変形例における色再現装置の概略的な構成を示すブロック図、図11は第1の変形例における実用的なイメージ例を示す図である。
【0126】
この変形例は、それぞれ異なる環境下または異なる作成者によって部分的に作成された複数の画像データを、ある同一の観察環境下における画像へ変換して、1枚の画像として合成するものである。
【0127】
この第1の変形例における色再現装置は、図10に示すように、外部から入力される1種類の画像出力装置情報および1種類の観察照明光データに基づいて、ネットワーク32dまたは記憶媒体33dから出力されるN枚の照明可変CG画像データ(第1の照明可変CG画像データ〜第Nの照明可変CG画像データ)の色補正をそれぞれ行うN個の色再現処理部(第1の色再現処理部5B−1〜第Nの色再現処理部5B−N)と、これらN個の色再現処理部5B−1〜5B−Nにより色補正して出力されたN枚の画像データを1枚の画像データとして合成する合成手段たる画像合成部84と、この画像合成部84により合成された画像を観察可能に出力する第2の画像出力装置2と、を有して構成されている。
【0128】
上記第1の色再現処理部5B−1〜第Nの色再現処理部5B−Nは、何れも、上記図9に示したような色再現処理部5Bと同等の内部構成を有している。
【0129】
なお、ここでは入力されるN個の照明可変CG画像データに一対一に対応させて、N個の色再現処理部5B−1〜5B−Nを設けているが、1つの色再現処理部5により順次入力されるN個の照明可変CG画像データを処理するようにしても構わないことは勿論である。
【0130】
このように構成された色再現装置において、図11に示すように、例えば植物や車、建造物、背景等のCG画像データによるパーツを、それぞれ照明可変CG画像データとしてデータベース等に登録し保存しておけば、ユーザーは、このデータベースを参照して、様々なCG画像データを集めて自由に合成することにより、デザインや設計シミュレーションを行うことができる。
【0131】
このときには、各々のCG画像データが、異なる作成者、異なる照明環境下、または異なる画像出力装置において作成されたものであっても、同一の環境下での色再現画像として容易に合成することができるために、自然なCG合成画像を煩雑な色調整作業を要することなく得ることができる。また、合成した画像に対して照明環境を様々に変化させてシミュレーションすることも可能となる。
【0132】
さらに、このように構成された色再現装置において、作成された1枚の画像を対象物毎に複数の領域に画像分割して複数の照明可変CG画像データとして保存すれば、各照明可変CG画像データにはそれぞれ異なる対象物特性データを与えることができるために、これら照明光可変CG画像データを各々照明変換して合成することにより、元の1枚の画像全体として処理するよりも精度良く色再現された画像を得ることができる。
【0133】
次に、図12を参照して、この第3の実施形態における第2の変形例について説明する。図12は第2の変形例における色再現装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【0134】
上述した第1の変形例は、複数のCG画像データ同士を照明光可変に組み合わせるものであったが、この第2の変形例は、CG画像データ同士だけでなくさらに実写画像データも照明光可変に組み合わせることができるようにしたものである。
【0135】
すなわち、該第2の変形例は、上記第1の変形例に示したような照明可変CG画像データと、例えば特開平11−96333号公報に記載されているような画像入力装置により撮影された実写画像を照明変換可能とするフォーマット画像データ(照明可変画像データ)と、を各々色補正してから合成するものである。
【0136】
この第2の変形例における色再現装置は、図12に示すように、合成を行う被写体を撮影する画像入力装置85と、この画像入力装置85により撮影された画像と外部から与えられる撮影時の撮影特性データおよび撮影照明光データとに基づき後段の色再現処理により照明変換が可能となるような画像フォーマットのデータ(照明可変画像データ)に変換して出力する色再現前処理部81と、この色再現前処理部81から出力された照明可変画像データと観察照明光データおよび画像出力装置情報とに基づき観察時の照明環境下における被写体の画像に色補正を行う実写用色再現処理部5B’と、上述したような照明可変CG画像データと上記観察照明光データおよび画像出力装置情報とに基づき色補正を行う色再現処理部5Bと、この色再現処理部5Bにより色補正されたCG画像データと上記実写用色再現処理部5B’により色補正された実写画像データとを合成する合成手段たる画像合成部86と、この画像合成部86から出力される合成画像を表示する第2の画像出力装置2と、を有して構成されている。
【0137】
上記照明可変画像データは、ヘッダ情報と、撮影特性データと、撮影照明光データと、画像データと、を含んで構成されている。
【0138】
このような第3の実施形態によれば、上述した第1,第2の実施形態とほぼ同様の効果を奏するとともに、画像データ自体に特性データや照明光データなどをもたせるようにしたために、画像データの扱いが容易になり、複数のCG画像同士の合成やCG画像と実写画像の合成における色補正を簡単に行うことができる。これにより、遠隔地で作成された複数の画像を精度良く合成することが可能となる。
【0139】
図13から図16は本発明の第4の実施形態を示したものであり、図13は色再現装置の概略的な構成を示すブロック図である。この第4の実施形態において、上述の第1から第3の実施形態と同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
【0140】
この第4の実施形態は、4原色以上の多原色により画像を作成する色再現装置についてのものである。
【0141】
この色再現装置は、図13に示すように、作成者が対象物の画像を作成する際に、4原色以上(ここでは6原色)の加法混色によりカラー画像表示が可能な画像表示装置である多原色表示装置1Aと、4原色以上(ここでは6原色)の画像信号の調整が可能な画像作成装置3Aと、を有して構成されていて、図示はしないが、上述したような色再現装置5や第2の画像出力装置2をさらに備えて構成されている。
【0142】
上記多原色表示装置1Aは、画像作成装置3Aから出力されたR1,G1,B1、またはR2,G2,B2の各3原色の画像の幾何的な補正を行う幾何補正手段たる幾何補正処理部93と、この幾何補正処理部93により幾何補正されたR1,G1,B1の3原色の画像信号を受けてそれに応じた3原色のカラー画像出力を行う第1のプロジェクタ91と、上記幾何補正処理部93により幾何補正されたR2,G2,B2の3原色の画像信号を受けてそれに応じた3原色のカラー画像出力を行う第2のプロジェクタ92と、上記第1のプロジェクタ91により背面側から投影されたR1,G1,B1の画像と上記第2のプロジェクタ92により背面側から投影されたR2,G2,B2の画像とがほぼ全面に渡って重畳されることにより6原色のカラー画像を表示する透過型のスクリーン94と、周囲環境の照明光によってこのスクリーン94に表示されたカラー画像が見難くなるのを防止するためのフード96と、このフード96上に取り付けられた周囲環境の照明光を検出するための照明検出センサ95と、を有して構成されている。
【0143】
上記幾何補正処理部93は、上記第1のプロジェクタ91によりスクリーン94に投影された画像と、上記第2のプロジェクタ92によりスクリーン94に投影された画像と、が重畳して投影される領域において、正確に一致するように、入力された画像に対して幾何的な補正処理を行うためのものである。
【0144】
また、上記第1のプロジェクタ91と第2のプロジェクタ92とは、スクリーン94に投影する原色の発光スペクトルを除いて、基本的に同一構造を有している。さらに、各プロジェクタ91,92は、投影光学系の光軸は互いに略平行であって上記スクリーン94の主面に対して略垂直となるように配置されており、かつ、投影画像の中心(スクリーン94のほぼ中心)に向かう光線が投影光学系の光軸に対して傾きを有するようなある打ち上げ角度をもって投射を行うようになっている。このとき、各プロジェクタ91,92は、図示のように例えば上下反転した対称位置に配設されているために、各プロジェクタ91,92における透過型LCD等の表示デバイスに表示される画像は、該プロジェクタ91,92自体の上下位置に対して一方が上下反転されたものとなっており、これによりスクリーン94上においては同一の上下位置の画像となる。
【0145】
こうして、第1のプロジェクタ91から投影された画像と、第2のプロジェクタ92から投影された画像とを、スクリーン94上において、大きな歪みやボケを生じさせることなく一致して重ね合わせることが可能となる。
【0146】
このとき、各プロジェクタ91,92の投射光路上に、他方のプロジェクタの投射光路を遮らないように幾つかの全反射ミラーを設置することにより、少ないスペースで光路長を確保して多原色表示装置1Aを小型化することも可能である。
【0147】
ところで、プロジェクタ91,92は、例えば、照明光をダイクロイックプリズム等でR1,G1,B1とR2,G2,B2の各色にそれぞれ分離して、各色毎に異なる光路上に透過型LCD等の表示デバイスを配設する構成となっていることがあるが、このような構成では、各色の光路長の相違や、波長による瞳位置のずれなどに起因して、投射される光束の辺縁部などに色ずれが発生することがある。
【0148】
このとき、プロジェクタ同士を上述したように反転対称となるよう配置することにより、各プロジェクタ同士の色むらの傾向が同一であれば、スクリーン94に投影された時点で色むら同士が空間的に正反対の分布となって互いに打ち消し合うために、プロジェクタ単体で投影した場合よりも色むらを軽減することが可能となる。
【0149】
また、上記スクリーン94は、例えば特願2000−86994号に記載されているような、異なる角度で入射された光に対しても均一の指向性をもつ拡散光が出射されるように構成されたものある。すなわち、スクリーン94上における同一の位置に入射する光は、第1のプロジェクタ91からの光と、第2のプロジェクタ92からの光とでは入射角が異なる。このような場合でも、スクリーン94から出射される光は、何れも、該スクリーン94の主面に垂直な方向を中心として拡散される光となるために、スクリーン94を斜め方向などから観察しても、両方のプロジェクタ91からの光が等分に重ね合わされた画像を観察することができるようになっている。こうして、作成者や観察者は、観察角度をある程度変化させても、色が変化することのない高品質な画像を観察することが可能となっている。
【0150】
上記照明検出センサ95は、上述した第2の実施形態において図7を参照して説明したようなものと同様に構成されていて、上述したように、多原色表示装置1Aの上部に取り付けられたフード96の先端付近に配置されている。
【0151】
このような構成により、スクリーン94が周囲の照明光による反射の影響(照明の写り込みなど)を受けるのを防ぐことができるとともに、照明光センサ95が、対象物が表示されているスクリーン94の前面にあたかも入射されるような照明光に関する情報を取得することができる。
【0152】
なお、ここではリア投射方式のプロジェクタを例に挙げているが、フロント投射方式のプロジェクタであっても構わない。この場合には、スクリーンは反射型のものとなる。
【0153】
次に、図14は、第1のプロジェクタ91の原色R1,G1,B1と第2のプロジェクタ92の原色R2,G2,B2との発光スペクトルを模式的に示す線図である。
【0154】
図示のように、6原色R1,G1,B1,R2,G2,B2の発光スペクトルは、380nmから780nmの可視域の波長域をほぼカバーするように、波長方向に沿って略等間隔に分布していて、その発光強度のピーク位置は、波長が短い方から長い方に向かって、B1,B2,G1,G2,R1,R2の順となっている。
【0155】
次に上記画像作成装置3Aについて、図15を参照して説明する。図15は画像作成装置3Aにおいて作成者が6原色の調整を行う際に使用するユーザーインターフェース画面を示す図である。
【0156】
この画像作成装置3Aは、作成者によりR1,G1,B1,R2,G2,B2の6原色を調整して6原色画像データを作成し、作成されたR1,G1,B1,R2,G2,B2の画像信号を上記多原色表示装置1Aに出力するように構成されたものである。
【0157】
作成者は、マウス等を用いて移動可能なポインタ104により、操作画面101中の表示画像102における対象物の点または領域を指定して、指定された点または領域に対して図示のようなステータスバー103によりR1,G1,B1,R2,G2,B2の6原色をそれぞれ独立して調整するようになっている。
【0158】
こうして調整された6原色の画像データは、作成者による調整と連動して画像作成装置3Aから多原色表示装置1Aに出力されるために、インタラクティブに6原色画像の作成を行うことができるようになっている。
【0159】
ここに、6原色を調整するための上記ステータスバー103は、作成者が該ステータスバー103の状態により再現される色を容易に想像することができるように、例えばマンセル表色系に対応した各原色を放射状に配置する等の設計が行われている。
【0160】
なお、画像作成装置3Aにおけるユーザーインターフェースは、必ずしも4原色以上の画像信号をそれぞれ独立して調整する構成である必要はなく、従来の、RGB3原色により色の調整を行うように構成されたもの、またはHSV空間等の色相、彩度、明度の3属性により色の調整を行うように構成されたものであっても良い。
【0161】
図16はRGB入力により色の調整を行って6原色で出力する画像作成装置の構成例を示す図である。
【0162】
この画像作成装置3Aは、RGB入力を行うことにより対象物の色の指定するためのユーザーインターフェース105と、このユーザーインターフェース105により指定されたRGBを6原色R1,G1,B1,R2,G2,B2に自動的に分解する6原色分解処理部106と、を有して構成されている。
【0163】
なお、上述では2つのプロジェクタにより異なる3原色を各投影して、スクリーン上において6原色の画像を表示しているが、3原色の立体視(3D)画像を投影して表示することも可能であるし、同一の3原色画像を投影して輝度の高い表示を行うことも可能である。
【0164】
さらに、4つのプロジェクタを用いて12原色を表示するようにしても良いし、または4つを2つずつの組に分けて6原色の立体視画像を表示するようにしても良いし、あるいは4つをまとめることにより3原色画像を高輝度で表示するようにしても良いし、4つを2つずつの組に分けて3原色の立体視画像を高輝度に表示するようにしても構わない。
【0165】
このようにプロジェクタの個数は2つに限定されるものではなく、任意の個数を配設することが可能であり、4原色以上のカラー画像出力、立体視のための画像出力、表示輝度を向上するための画像出力、の内の何れか1つの画像出力、またはこれらの組み合わせによる画像出力が可能となるように構成されている。
【0166】
このような第4の実施形態によれば、上述した第1から第3の実施形態とほぼ同様の効果を奏するとともに、4原色以上の画像出力が可能な画像出力装置を用いることにより、従来の画像作成において一般的に使用されている3原色表示装置に比して色の表示可能範囲を飛躍的に拡大することができるために、従来の3原色表示装置では出せなかった彩度の高い色を用いてカラー画像の作成を行うことが可能となる。
【0167】
また、4原色以上の画像信号を各独立して調整可能な画像作成装置を用いているために、従来の3原色による調整と比べて、より細かく色相を調整することができ、作成者が意図する色に比較的容易に調整することが可能となる。
【0168】
さらに、3原色または3属性を指定することにより4原色以上の画像信号を調整可能な画像作成装置を用いる場合には、作成者が画像出力装置の原色数や各原色がどのような色であるかを意識する必要がなくなるために、従来の3原色による画像出力装置を用いた場合と同様の操作性により、4原色以上によるカラー画像を作成することが可能となる。
【0169】
図17は本発明の第5の実施形態を示したものであり、色再現処理装置の構成を示すブロック図である。この第5の実施形態において、上述の第1から第4の実施形態と同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
【0170】
この第5の実施形態は、作成者が対象物のモノクロ画像を作成した場合に、外部から対象物特性データとして対象物の分光反射率データ(これも1本の基底関数データである)を与えることにより、観察時における対象物の色を算出して、モノクロ画像からカラー画像を生成して出力するものである。
【0171】
本実施形態の色再現装置は、色再現処理装置5を除いて、上述した第1の実施形態における色再現装置とほぼ同様の構成となっている。ただし、画像作成装置3は、対象物の輝度成分のみからなるモノクロ画像を作成し、その輝度信号を色再現処理装置へ出力するものとする。
【0172】
次に、図17を参照して、本実施形態における色再現処理装置の構成について説明する。
【0173】
プロファイル保存部6は、作成時プロファイル保存部6a’と観察時プロファイル保存部6bとを有して構成されているが、観察時はカラー画像であるために、観察時プロファイル保存部6bは上述した第1の実施形態と同様であるのに対して、作成時にはモノクロ画像であるために、作成時プロファイル保存部6a’の構成が上述した第1の実施形態とは異なっている。
【0174】
すなわち、上記作成時プロファイル保存部6a’は、原色階調データ保存部16’と、対象物特性データ保存部14’と、を有して構成されている。
【0175】
また、色補正部7は、大別すると、入力輝度補正部112と、分光反射率算出部113と、出力三刺激値算出部7cと、RGB値算出部7dと、を有して構成されている。
【0176】
上記入力輝度補正部112は、画像作成装置3から出力されたモノクロ画像の輝度信号Lと、作成時プロファイル保存部6a’の原色階調データ保存部16’に予め保存されている作成時の第1の画像出力装置1における輝度信号に対する出力輝度の関係を表す階調特性データγと、に基づいて、入力輝度信号の階調補正を行う。
【0177】
上記分光反射率算出部113は、入力輝度補正部112から出力された補正後の輝度値γ[L]と、作成時プロファイル保存部6a’の対象物特性データ保存部14’に保存されている対象物の分光反射率データである1本の基底関数データe(λ)と、を積算することにより、対象物の分光反射率f(λ)を算出する。ここに、上記1本の基底関数データe(λ)は、ユーザーによりデータベース等から選択された対象物の輝度成分を規格化した分光反射率データである。
【0178】
こうして、波長λの依存性を含んで以降、つまりカラー画像に係るデータになって以降の部分である出力三刺激値算出部7cとRGB値算出部7dは、上述した第1の実施形態の図5に示したものと同様である。
【0179】
このような構成の色再現装置は、例えば、作成者が車(対象物)のデザインを行う際に、その車に用いるサンプル塗料の色がわからなくても、画像作成装置を用いて対象物のモノクロ画像をまず作成し、その後の色補正時に、対象物の基底関数データとしてサンプル塗料の分光反射率データを与えることにより、観察時にその塗料を用いた場合の対象物のカラー画像をシミュレートするなどの用途に用いることができる。
【0180】
なお、上述では、画像作成装置3により作成されたモノクロ画像を処理する場合について説明したが、モノクロ画像を撮像する画像入力装置111の出力を処理するものであっても構わない。
【0181】
このような第5の実施形態によれば、上述した第1から第4の実施形態とほぼ同様の効果を奏するとともに、モノクロ画像として作成または撮影された対象物に対して、分光反射率データを与えることにより、カラー画像を生成することができて、観察時のカラーシミュレート等を行うことが可能となる。
【0182】
図18は本発明の第6の実施形態を示したものであり、色再現装置の概略的な構成を示すブロック図である。この第6の実施形態において、上述の第1から第5の実施形態と同様である部分については同一の符号を付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
【0183】
この第6の実施形態は、作成者により作成されたカラー画像から対象物の分光反射率を推定する際に、ユーザーが幾つかの色材(混合して色を作成するための塗料などの材料)を指定して、指定された色材の分光反射率データに基づいて対象物の分光反射率を展開することにより、対象物を構成するための上記色材の比率を画像として保存するものである。
【0184】
さらに、上記展開された分光反射率を用いて、様々な照明光下での対象物の色を算出して画像出力装置に再現することにより、指定された色材を用いて対象物を構成した場合の、照明光の変化による対象物の色の変化をシミュレートするためものである。
【0185】
この第6の実施形態の色再現装置は、上述した第1の実施形態の図2に示した構成とほぼ同様に、作成者の調整によりカラー画像を作成する画像作成装置3と、この画像作成装置3により作成されたRGB信号に基づき画像の色補正を行う色再現処理装置5Cと、上記画像作成装置3により作成されたRGB信号または上記色再現処理装置5Cにより補正されたR’G’B’信号を受けて画像出力を行う第1の画像出力装置1と、この第1の画像出力装置1への入力を切り替える切替スイッチ4と、を有して構成されている。
【0186】
上記色再現処理装置5Cは、様々な色材の分光反射率データが予め登録して保存されている色材分光データベース123と、様々な照明光のスペクトルデータが予め登録して保存されている照明光データベース122と、これら色材分光データベース123と照明光データベース122とから入力された幾つかの色材分光反射率データおよび照明光スペクトルと外部から入力された画像出力装置情報および作成照明光データとを保存するプロファイル保存部6と、このプロファイル保存部6からの出力データに基づいて上記画像作成装置3から出力されるRGB信号を色補正し、さらに必要に応じて、色補正の途中段階において推定された対象物の分光反射率を後述する色材配分率保存部121へ出力する色補正部7と、この色補正部7から入力された対象物の分光反射率と上記色材分光データベース123から入力された各色材の分光反射率データとに基づき対象物の色を構成するための各色材の配分率を算出して保存する色材配分率保存部121と、を有して構成されている。
【0187】
上記プロファイル保存部6は、上述した第1の実施形態の図3に示したものとほぼ同様に構成されている。このとき対象物特性データ保存部14には、色再現処理装置5Cの色材分光データベース123から入力された幾つかの色材分光反射率データに基づいて作成される基底関数が保存される。また、観察照明光データ保存部21には、色再現処理装置5Cの照明光データベース122からユーザーの指定により入力された照明光のスペクトルデータが保存される。
【0188】
上記色補正部7は、上述した第1の実施形態の図5に示したものと同様に構成されている。このとき上記分光反射率算出部7bにおいて算出された対象物の分光反射率f(λ)は出力三刺激値算出部7cへ出力されるとともに、上述したように、必要に応じて上記色材配分率保存部121へも出力されるようになっている。
【0189】
このような構成の色再現装置を用いて、作成者が、例えば化粧品のパッケージをデザインした場合に、パッケージに用いる色材を幾つか指定すれば、上記デザインしたパッケージの色を指定した色材で構成した場合の、各色材の配分率を推定することができる。
【0190】
また、上記色材で構成されたパッケージの分光反射率を用いて、様々な照明光下におけるパッケージの色をシミュレーションすることにより、例えば照明光の変化に対して色の変化が少ないような色材を選んでパッケージのデザインを行うことも可能となる。
【0191】
このような第6の実施形態によれば、上述した第1から第5の実施形態とほぼ同様の効果を奏するとともに、カラー画像を作成して、対象物を実際に製造する色材を幾つか指定するだけで、その色の対象物を製造するのに必要な色材の配分率を自動的に推定することが可能となり、また、様々な照明光下における色の見えをシミュレーションすることもできる。
【0192】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【0193】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下のごとき構成を得ることができる。
【0194】
(1) ある環境下において画像出力装置を用いて作成された画像を、色補正手段により色変換し、同一または他の画像出力装置に観察するための画像を出力する色再現装置であって、
上記色補正手段は、作成時の色再現環境に関する情報と、観察時の色再現環境に関する情報と、作成時の画像出力装置に関する情報と、観察時の画像出力装置に関する情報と、を用いて、作成時の画像から観察時の画像へ色変換を行うものであることを特徴とする色再現装置。
【0195】
(2) 上記色再現環境に関する情報として、作成時における照明光のスペクトル情報と、観察時における照明光のスペクトル情報と、作成者の視覚特性情報と、観察者の視覚特性情報と、作成された画像における対象物のスペクトルに関する統計情報と、の内の少なくとも1つの情報を用いることを特徴とする付記(1)に記載の色再現装置。
【0196】
(3) 上記照明光のスペクトル情報は、照明検出センサにより照明光を検出して出力された信号と、複数の照明光スペクトルデータのサンプルが予め保存されている照明光スペクトルデータベースから選択された照明光スペクトルデータのサンプルと、の何れかに基づいて推定されることを特徴とする付記(2)に記載の色再現装置。
【0197】
(4) 上記対象物の統計情報は、対象物自体の分光反射率データであることを特徴とする付記(2)に記載の色再現装置。
【0198】
(5) 上記対象物の統計情報は、ユーザーにより指定された幾つかの色材の分光データであることを特徴とする付記(2)に記載の色再現装置。
【0199】
(6) 上記画像出力装置を用いて作成された画像データを、作成時の該画像出力装置に関する情報と、作成時における照明光のスペクトルデータと、作成者の視覚特性データと、作成された画像における対象物のスペクトル統計データと、の内の少なくとも1つを用いて照明変換可能なデータ構造の画像データにフォーマット変換する色再現前処理部と、
上記色再現前処理部から出力される上記照明変換可能な画像データを処理して所望の観察照明光下における色に補正し出力する色再現処理部と、
をさらに具備したことを特徴とする付記(2)に記載の色再現装置。
【0200】
(7) 上記色再現処理部は複数設けられていて、これらの色再現処理部は、上記照明変換可能なデータ構造にフォーマット変換された複数の画像データをそれぞれ色補正するものであり、
色補正された複数の画像データを合成して出力することを特徴とする付記(6)に記載の色再現装置。
【0201】
(8) 上記画像出力装置は、4原色以上を加法混色することによりカラー画像を表示し得る多原色表示装置であることを特徴とする付記(1)から付記(7)の何れか1項に記載の色再現装置。
【0202】
(9) ある打ち上げ角度をもって投射を行う複数台のプロジェクタを、略面対称となるように空間的に配置して投射を行い、スクリーン上に投影画像を重ね合わせるように構成されたことを特徴とする画像出力装置。
【0203】
従って、付記(1)に記載の発明によれば、色再現を行うに際して、作成時および観察時の色再現環境に関する情報と、作成時および観察時の画像出力装置に関する情報と、に基づいて色補正を行っているために、作成された画像を異なる環境下において観察するための画像に精度良く変換することができる。
【0204】
なお、この付記(1)には、上述した全ての実施形態が対応するが、特に第1の実施形態が参照される。
【0205】
また、付記(2)に記載の発明によれば、付記(1)に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、色再現環境に関する情報として、作成時や観察時における照明光のスペクトル情報、作成者や観察者の視覚特性情報、作成された画像における対象物のスペクトルに関する統計情報、を用いているために、作成された画像における対象物のスペクトルを精度良く推定して、実際に観察したい場所の照明下における対象物の色を精度良く再現することができる。
【0206】
なお、この付記(2)には、上述した全ての実施形態が対応するが、特に第1の実施形態が参照される。
【0207】
さらに、付記(3)に記載の発明によれば、付記(2)に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、作成時や観察時の照明光のスペクトル情報を照明検出センサにより検出する場合には、照明環境が刻々と変化してもそれに応じて精度良く色補正を行うことが可能となる。また、照明光スペクトルデータベースを用いて、予め想定される照明光スペクトルデータの統計情報から照明光のスペクトルを推定する場合には、照明検出センサからの出力信号が少ないスペクトル情報しか含んでいないときにも、精度良くスペクトルを推定することができる。
【0208】
なお、この付記(3)には、上述した第2の実施形態が対応する。
【0209】
付記(4)に記載の発明によれば、付記(2)に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、対象物の統計情報として対象物自体の分光反射率データを用いているために、作成者が対象物の輝度成分のみからなるモノクロ画像を作成した場合でも、該分光反射率データに基づいて、観察時の対象物の色を合成してカラー画像として再現することが可能となる。
【0210】
なお、この付記(4)には、上述した第5の実施形態が対応する。
【0211】
付記(5)に記載の発明によれば、付記(2)に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、対象物の統計情報としてユーザーにより指定された幾つかの色材の分光データを用いることにより対象物の分光反射率を推定しているために、作成者によりデザインされた対象物のカラー画像から、対象物を構成するための色材の配分率を推定することが可能となる。また、色材を様々に変化させて分光反射率を推定することにより、照明光の変化に対して対象物が所望の色の変化をするような対象物の分光反射率を設計し調整することが可能となる。
【0212】
なお、この付記(5)には、上述した第6の実施形態が対応する。
【0213】
付記(6)に記載の発明によれば、付記(2)に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、色再現前処理部が、作成時の画像出力装置に関する情報と、作成時における照明光のスペクトルデータと、作成者の視覚特性データと、作成された画像における対象物のスペクトル統計データと、の内の少なくとも1つを用いて、作成された画像データを照明変換可能なデータ構造にフォーマット変換しているために、色補正手段におけるデータ処理の際に扱い易いデータを得ることができる。
【0214】
なお、この付記(6)には、上述した第3の実施形態とその各変形例が対応する。
【0215】
付記(7)に記載の発明によれば、付記(6)に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、複数の照明変換可能な画像データをそれぞれ色補正して合成することにより、異なる環境下、異なる画像出力装置、または異なる作成者により作成された複数の対象物の画像を、同一の観察環境下における画像に合成することができる。また、複数の対象物が存在する画像を作成した場合には、作成時に対象物毎に分割してそれぞれ照明変換可能な画像データとして保存しておくことにより、各々で異なる対象物のスペクトル統計データを用いて色補正を行って後で合成することが可能となるために、精度の良い色推定を行うことができる。
【0216】
なお、この付記(7)には、上述した第3の実施形態における第1および第2の各変形例が対応する。
【0217】
付記(8)に記載の発明によれば、付記(1)から付記(7)に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、4原色以上の加法混色によりカラー画像を表示し得る多原色表示装置を用いることにより、3原色表示装置に比して飛躍的に色の表示可能範囲を拡大することができるために、従来の3原色表示装置では出せなかった彩度の高い色を用いてカラー画像の作成を行うことが可能となる。
【0218】
なお、この付記(8)には、上述した第4の実施形態が対応する。
【0219】
付記(9)に記載の発明によれば、複数台のプロジェクタから各投影した画像を重ね合わせることにより多原色表示または3D表示を実現する場合において、ある打ち上げ角度をもって投射を行う複数台のプロジェクタを、略面対称となるように空間的に配置(つまり、互いに背中合わせの向きに配置)して投射を行う構成としたために、投影画像に大きな歪みやボケや色ずれ等を生じさせることなく重ね合わせることが可能となる。
【0220】
なお、この付記(9)には、上述した第4の実施形態が対応する。
【0221】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の色再現装置によれば、作成時とは異なる環境下で画像を再現しても、作成者が意図した対象物の色を正確に再現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における色再現装置の概略的な構成を示すブロック図。
【図2】上記第1の実施形態における色再現装置の概略的な構成の他の例を示すブロック図。
【図3】上記第1の実施形態におけるプロファイル保存部の構成を示すブロック図。
【図4】上記第1の実施形態における色再現処理装置の色補正部における処理を示すフローチャート。
【図5】上記第1の実施形態における色再現処理装置の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の第2の実施形態における色再現装置の概略的な構成を示すブロック図。
【図7】上記第2の実施形態における照明検出センサの具体的な構成例を示す図。
【図8】上記第2の実施形態における色再現処理装置の照明光スペクトル算出部の構成を示すブロック図。
【図9】本発明の第3の実施形態における色再現装置の概略的な構成を示すブロック図。
【図10】上記第3の実施形態の第1の変形例における色再現装置の概略的な構成を示すブロック図。
【図11】上記第3の実施形態の第1の変形例における実用的なイメージ例を示す図。
【図12】上記第3の実施形態の第2の変形例における色再現装置の概略的な構成を示すブロック図。
【図13】本発明の第4の実施形態における色再現装置の概略的な構成を示すブロック図。
【図14】上記第4の実施形態において、第1のプロジェクタの原色R1,G1,B1と第2のプロジェクタの原色R2,G2,B2との発光スペクトルを模式的に示す線図。
【図15】上記第4の実施形態の画像作成装置において作成者が6原色の調整を行う際に使用するユーザーインターフェース画面を示す図。
【図16】上記第4の実施形態において、RGB入力により色の調整を行って6原色で出力する画像作成装置の構成例を示す図。
【図17】本発明の第5の実施形態における色再現処理装置の構成を示すブロック図。
【図18】本発明の第6の実施形態における色再現装置の概略的な構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…第1の画像出力装置
1A…多原色表示装置(画像表示装置)
2…第2の画像出力装置
3,3A…画像作成装置
5,5A,5B,5B−1〜5B−N…色再現処理装置
5B’…実写用色再現処理部
6…プロファイル保存部(プロファイル保存手段)
6a,6a’…作成時プロファイル保存部
6b…観察時プロファイル保存部
7…色補正部(色補正手段)
7a…入力三刺激値算出部
7b…分光反射率算出部
7c…出力三刺激値算出部
7d…RGB値算出部
8…照明光スペクトル算出部
11…入力デバイスプロファイル保存部
12…作成者等色関数データ保存部
13…作成照明光データ保存部
14,14’…対象物特性データ保存部
16,26,16’…原色階調データ保存部
17,27…原色スペクトル保存部
18,28…バイアススペクトル保存部
21…観察照明光データ保存部
22…観察者等色関数データ保存部
23…出力デバイスプロファイル保存部
41…階調補正部
42…行列演算部
43…バイアス加算部
44…原色マトリクス作成部
45…バイアスデータ作成部
47…対象物展開係数算出部
48…分光反射率合成部
49…対象物展開係数算出マトリクス作成部
51…階調補正部
52…行列演算部
53…バイアス減算部
54…原色逆マトリクス作成部
55…バイアスデータ作成部
56…階調補正データ作成部
61…第1の照明検出センサ
62…第2の照明検出センサ
71…照明光展開係数算出部
72…照明光スペクトルデータ合成部
73…センサ分光感度特性データ保存部
74…照明光基底関数作成部
75…照明光スペクトルデータベース
81…色再現前処理部
82…入力データ分割部
84,86…画像合成部(合成手段)
85,111…画像入力装置
91…第1のプロジェクタ
92…第2のプロジェクタ
93…幾何補正処理部(幾何補正手段)
94…スクリーン
95…照明光センサ
96…フード
103…ステータスバー
105…ユーザーインターフェース
106…6原色分解処理部
112…入力輝度補正部
113…分光反射率算出部
121…色材配分率保存部
122…照明光データベース
123…色材分光データベース

Claims (6)

  1. 作成時の色再現環境下において画像出力装置により観察しながら作成された元画像を、観察時の色再現環境下において、元画像が作成されたのと同一または異なる画像出力装置により観察するための観察画像に色変換する色再現装置であって、
    作成時の照明光のスペクトル情報と作成者の視覚特性に関する情報とを含む作成時の色再現環境、および観察時の照明光のスペクトル情報と観察者の視覚特性に関する情報とを含む観察時の色再現環境に関する情報と、作成時および観察時の画像出力装置に関する情報と、を保存するプロファイル保存手段と、
    このプロファイル保存手段に保存された情報を用いて、上記元画像を上記観察画像へ色変換する色補正手段と、
    を具備し
    上記色補正手段は、
    上記作成時の画像出力装置に関する情報と上記作成者の視覚特性に関する情報とを用いて上記元画像の信号値から入力三刺激値を算出する入力三刺激値算出部と、
    上記作成時の照明光のスペクトル情報と上記作成者の視覚特性に関する情報とを用いて上記入力三刺激値から上記元画像中の対象物の分光反射率を算出する分光反射率算出部と、
    上記観察時の照明光のスペクトル情報と上記観察者の視覚特性に関する情報とを用いて上記分光反射率から出力三刺激値を算出する出力三刺激値算出部と、
    上記観察者の視覚特性に関する情報と上記観察時の画像出力装置に関する情報とを用いて上記出力三刺激値から上記観察画像の信号値を算出する信号値算出部と、
    を有するものであり、
    上記作成者の視覚特性に関する情報は、作成者を測定することにより取得された等色関数、または、予め用意された複数の等色関数から推定して選択された等色関数、を含むものであることを特徴とする色再現装置。
  2. 上記観察者の視覚特性に関する情報は、国際照明委員会(CIE)のXYZ等色関数等に代表される標準的に定められた等色関数、観察者を測定することにより取得された等色関数、または、予め用意された複数の等色関数から推定して選択された等色関数、を含むものであることを特徴とする請求項に記載の色再現装置。
  3. 上記色再現環境に関する情報は、元画像中の対象物の情報を含むものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の色再現装置。
  4. 上記対象物の情報は、元画像を複数の領域に分割したときの各領域毎に与えられるものであることを特徴とする請求項に記載の色再現装置。
  5. 上記対象物の情報は、対象物のスペクトルの統計的性質を表す情報を含むものであることを特徴とする請求項または請求項に記載の色再現装置。
  6. 上記画像出力装置は、4原色以上の多原色によりカラー画像表示を行う多原色表示装置であることを特徴とする請求項1から請求項の何れか1項に記載の色再現装置。
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