JP4448416B2 - 画像処理方法および装置 - Google Patents

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本発明は、被写体を撮影して直接もしくはカラーネガフィルムなどから得られた被写体画像や表示されたカラーリバーサルフィルムの透過画像などの被写体画像をカラー写真プリント(以下、単に、プリントともいう)上にハードコピー画像(反射画像、プリント画像)として、および/または表示画面(モニタ)上にソフトコピー画像(モニタ表示画像)として再現する画像処理方法および装置、これを用いる画像形成装置ならびに画像処理方法を実行する画像処理プログラムおよびこれを記録した記録媒体に関し、より具体的には、上記被写体画像をプリントやモニタ等の表示媒体に再現画像として出力するために、上記被写体画像の見え(アピアランス)を忠実に再現する色変換を行うこと、さらにこれに加えて、様々な被写体、シーンに共通した好ましい色再現となる値(明るさ、彩度)への色変換を行うことを可能とする、すなわち、カラープリントやモニタ画像等の再現画像作成のための色変換方法を実施する画像処理方法および装置、これを用いる画像形成装置ならびに画像処理方法を実行する画像処理プログラムおよびこれを記録した記録媒体に関する。
なお、本明細書中において、被写体とは、デジタルカメラやカラーネガフィルムやカラーリバーサルフィルムに撮影された撮影シーン中に存在する撮影対象を全て含めたもの(すなわち、人物等の主要被写体のみに限定せず、背景等を含めたシーン全体)を指し、また、画像の見えとは、多数の観察者の主観に基づく評価ともいうべきものであって、実際の観察条件下における被写体画像の見え方に対する多数の観察者の評価指標である。
写真技術の分野においては、被写体(撮影シーン)を、プリント上に如何に再現すべきであるかという問題が、古くから議論されている。この問題については、被写体の内容や撮影状況、あるいは地域や文化などによっても考え方が異なるという事情もあり、画一的な回答は得にくいが、写真の基本的な考え方としては、人間(観察者)が被写体を見たときの印象に近い再現をすることが好ましいといえる。
例えば、特許文献1には、このような観点から、カラーネガフィルムで撮影された画像をデジタル化して、デジタル信号処理によって被写体の測色情報を求め、この測色値をプリント上に再現するという方法が開示されている。この特許文献1では、このように、得られた測色値をそのままプリント上に再現することで、被写体の測色値を忠実に再現することが可能となるとしている。
一方、カラーリバーサルフィルムの透過画像は、プロジェクタやビュアーなどからの高い輝度の光によって輝いた鮮やかな色を表現でき、また、微妙な色や豊富な色を表現できるものであり、主として、プロジェクタやビュアーなどにおいて観察されるものである。
なお、カラーリバーサルフィルムの透過画像も、カラーネガフィルムの撮影画像と同様に、写真プリント(反射画像、ハードコピー画像)として再現され、観察されることも行われている。
上述したように、カラーリバーサルフィルムは、カラーネガフィルムに比べて、輝いた鮮やかな色や微妙な色など、色を豊富に表現できるので、カラーリバーサルフィルムから作製されたプリントは、プロ写真家や写真熟練者(ハイアマチュア)などには用いられているが、一般のユーザには、カラーネガフィルムから作製されたプリントに比べて、利用が少ないのが現状である。
このため、カラーネガフィルムに加え、カラーリバーサルフィルムに撮影された画像をデジタル処理して出力することができるデジタルフォトプリンタもあるが、カラーリバーサルフィルムからのプリントでは、微妙な色や豊富な色の再現が求められており、カラーリバーサルフィルムから直接焼き付ける光学プリント(アナログプリント)が絶対的な存在であったために、光学プリントを超えるようなプリントの開発が行われていなかったのが現状である。このため、デジタルフォトプリンタにおいては、カラーリバーサルフィルムの透過画像独自の色再現について、十分に考慮されているとは言えず、カラーリバーサルフィルムの透過画像からのプリントの仕上がりは、もっぱら、プリント感光材料の性能に左右されているのが現状である。
また、近年、カラーリバーサルフィルムの高彩度化に伴い、光学プリントにおいても、高彩度の色再現が求められるようになってきている。
特開平6−139323号公報
ところで、特許文献1に記載の方法のようにして作成されたプリントをオリジナルの撮影シーン(すなわち、被写体)と比較してみると、実際には撮影シーンの見えを再現していない場合があるのと同様に、カラーリバーサルフィルムの場合にも、作成されたプリントが、観察される透過画像の見えを再現していない場合があるという問題があった。
また、ユーザは、カラーリバーサルフィルムの透過画像をプロジェクタやビュアーなどにおいて観察した後、透過画像を再現した写真プリントを作製している。すなわち、カラーリバーサルフィルムからプリントを作製する場合、ユーザは、カラーリバーサルフィルムに被写体を撮影した時の被写体画像の見えよりも、プロジェクタやビュアーなどにおいて観察しているカラーリバーサルフィルムの透過画像の見えが、プリントに再現されていることを期待することが多い。
しかしながら、現在市場で販売されているカラーリバーサルフィルムの透過画像を基に作製する写真プリントは、観察される透過画像のオリジナルの持つ階調や、色再現の特徴“輝く美しさ”を忠実に再現しているとは言い難く、透過画像のオリジナルの美しさのプリント上での再現を期待するユーザを十分に満足させることはできていないという問題があった。すなわち、カラーリバーサルフィルムの透過画像を基に作製するプリントは、人間(観察者)が透過画像を見たときの印象に近い再現をするという画像処理方法で作製されているとは言いがたく、プリント感光材料の性能に左右されるものであるという問題があった。
このため、ラボショップなどの写真プリント作製の現場においては、ビュアー等において観察されるカラーリバーサルフィルムの透過画像とプリントとの見えの一致を図るために、オペレータは、カラーリバーサルフィルムの画像からデジタルフォトプリンタ等のスキャナで読み取ったデジタル画像データを、プリンタ出力とその色のマッチングをとったディスプレイ等に表示するとともに、ビュアーに表示されたカラーリバーサルフィルムの透過画像を観察して、出力用ハードコピープリンタと色調整されたディスプレイの表示画像と透過画像との見えが一致するように、デジタル画像データをマニュアル調整しているが、調整は極めて難しいばかりか、極めて面倒であり、特に、不慣れなオペレータでは、調整結果が必ずしも、芳しいものにならないという問題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、被写体を撮影した時の被写体画像の見え(アピアランス)の印象やカラーリバーサルフィルムの透過画像などの被写体画像を観察した時の見えの印象を写真プリントやモニタ表示画像上に再現することができ、さらにこれに加え、被写体画像の見えの再現画像に対して、様々な被写体や、シーンに共通する明るさ・コントラスト・彩度強調の最適値を求め、それぞれの被写体やシーンに適切な画像再現を行い、被写体やシーンに最適な画像を再現することができ、しかも、これらの色変換処理を自動化することができる画像処理方法および装置、これを用いる画像形成装置ならびに画像処理方法を実行する画像処理プログラムおよびこれを記録した記録媒体を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、カラーネガフィルムの場合に、特許文献1に記載の方法のようにして作成されたプリントをオリジナルの撮影シーン(すなわち、被写体)と比較してみると、実際には撮影シーンの見えを再現していない場合があるのと同様に、カラーリバーサルフィルムの場合にも、作成されたプリントが、観察される透過画像の見えを再現していないことがわかった。このような見えの不一致がどのような状況下で起きるかを調査したところ、以下の3種の場合に見えが一致しないという現象が起きることが分かった。
すなわち、
1.シーン(被写体や観察される透過画像)の絶対的な明るさとプリントを観察する際の絶対的明るさに差がある場合、
2.シーンの照明色とプリント観察時の照明色とが異なる場合、
3.プリント観察環境に依存した観察フレアが存在する場合
が挙げられる。
特許文献1に記載の従来のカラーネガフィルムにおける測色値を再現する手法では、上述の要因が考慮されていなかったことから、たとえ、カラーネガフィルムから推定される測色値を正確にプリント上に再現できていたとしても、シーンの見えを再現できていないことがあったといえることを知見し、ましてや、カラーリバーサルフィルムの透過画像では、観察される透過画像の見えを再現できていないことを知見し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明の第1の態様は、被写体画像の第1のデジタル画像データを取得し、前記被写体画像もしくはその被写体を照明する第1の光源の照明光の色度値および照度値を取得し、前記被写体画像の再現画像を観察する際の第2の光源の照明光の色度値および照度値を取得し、前記第1および前記第2の光源の照明光の色度値および照度値を用いて、前記被写体画像が再現された前記再現画像の見えと、前記被写体画像との見えとを一致させるための見えの変換処理を、前記第1のデジタル画像データに施す画像処理方法であって、前記見えの変換処理は、前記第1の光源の照明光の色度値および照度値から、前記被写体画像の照明色に対して順応度で順応すると仮定した場合に求められる色度値をもとに、前記第1のデジタル画像データから得られた前記被写体画像の測色値に対して行って前記被写体画像の変換済測色値を得るコントラスト変換および彩度変換の少なくとも一方と、前記第1および第2の光源の照明光の色度値および照度値から前記被写体画像の変換済測色値に対して行う色順応補正と、前記第1および第2の光源の照明光の照度値から前記被写体画像の変換済測色値に対して行うコントラスト補正と、前記被写体画像を前記再現画像として出力する際のフレア量から前記色順応補正処理および前記コントラスト補正処理が行われた前記被写体画像の測色値を補正して前記再現画像の出力すべき測色値を得るフレア補正とを備え、前記コントラスト変換、前記彩度変換、前記色順応補正、前記コントラスト補正および前記フレア補正の少なくとも1つの処理は、1種の変換過程に対して、前記被写体画像の前記第1のデジタル画像データから求められる前記被写体画像の画像特徴量によって設定される、変換強度の異なる複数の色変換テーブルを用いて行われる変換過程を備えており、前記被写体画像の前記第1のデジタル画像データに応じて前記複数の色変換テーブルの中から1つの色変換テーブルを選択し、選択された前記1つの色変換テーブルを用いて、前記少なくとも1つの処理を行うことにより、前記見えの変換処理を行い、前記再現画像の前記出力すべき測色値から前記再現画像の第2のデジタル画像データを得ることを特徴とする画像処理方法を提供するものである。
ここで、前記見えの変換処理の全ての処理は、1つの変換処理として行われ、1つの変換処理に対する前記1種の変換過程として1種の色変換テーブルが設定され、前記1種の変換過程に対する前記変換強度の異なる複数の変換過程として、前記1種の色変換テーブルに対して、強調パラメータが異なる複数の色変換テーブルが設定されるのが好ましい。
また、前記強調パラメータは、前記第1の光源の照明光の下での輝度に対する輝度比および彩度であり、前記輝度比並びに彩度アップ率を複数の値に設定して、これらを組み合わせた複数の色変換テーブルが設定されるのが好ましい。
また、前記複数の色変換テーブルの中から1つの色変換テーブルを選択する際に、前記強調パラメータとしての輝度比並びに彩度アップ率の複数の値を組み合わせた色変換テーブルを用いた見えの変換処理を行って得た見えの再現画像を複数作成し、前記再現画像(撮影シーン)毎に最適な見えの再現が行われた画像を選び出し、当該画像に対応する前記強調パラメータの値を参照するのが好ましい。
また、被写体が人物中心である画像(撮影シーン)については、前記強調パラメータとしての輝度比並びに彩度アップ率を固定的に用いるのが好ましい。
また、前記輝度比を10〜100の範囲とし、前記彩度アップ率を0%〜20%の範囲とするのが好ましい。
また、前記被写体画像は、前記被写体を撮影して得られたものであり、前記第1のデジタル画像データは、前記被写体を撮影したカラーネガフィルムから光電的に読み取られた画像データまたは、前記被写体を撮影して直接光電的に取得された画像データであり、前記第1の光源は、前記被写体を撮影する時に前記被写体を照明する光源であるのが好ましい。
あるいは、前記被写体画像は、観察される透過画像であり、前記第1のデジタル画像データは、前記透過画像の画像データであり、第1の光源は、前記透過画像を観察する時に前記透過画像を照明する光源であるのが好ましい。
また、前記透過画像は、観察されるカラーリバーサルフィルムの透過画像であり、前記透過画像の画像データは、前記カラーリバーサルフィルムから光電的に読み取られた画像データであるのが好ましい。
前記再現画像は、前記被写体画像が再現された、観察される反射画像であり、前記第2のデジタル画像データは、前記反射画像を出力するための画像データであり、第2の光源は、前記反射画像を観察する時に前記反射画像を照明する光源であるのが好ましい。
また、前記反射画像は、写真プリント画像であるのが好ましい。
また、前記1つの色変換テーブルの選択は、前記複数の色変換テーブルの中から、前記被写体画像の前記第1のデジタル画像データから求められる前記被写体画像の画像特徴量によって行われるのが好ましい。
また、前記被写体画像の画像特徴量は、前記被写体画像の明度および彩度を含む1つ以上の属性値に基づいて求められるのが好ましい。
また、前記測色値は、三刺激値であるのが好ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の態様は、被写体画像の第1のデジタル画像データを取得する第1の取得手段と、前記被写体画像もしくはその被写体を照明する第1の光源の照明光の色度値および照度値を取得する第2の取得手段と、前記被写体画像の再現画像を観察する際の第2の光源の照明光の色度値および照度値を取得する第3の取得手段と、前記第1および前記第2の光源の照明光の色度値および照度値を用いて、前記被写体画像が再現された前記再現画像の見えと、前記被写体画像との見えを一致させるための見えの変換処理を、前記第1のデジタル画像データに施す見えの変換処理手段とを有する画像処理装置であって、前記見えの変換処理手段は、前記見えの変換処理として、前記第1の光源の照明光の色度値および照度値から、前記被写体画像の照明色に対して順応度1で順応すると仮定した場合に求められる色度値をもとに、前記第1のデジタル画像データから得られた前記被写体画像の測色値に対して行って前記被写体画像の変換済測色値を得るコントラスト変換および彩度変換の少なくとも一方と、前記第1および第2の光源の照明光の色度値および照度値から前記被写体画像の変換済測色値に対して行う色順応補正と、前記第1および第2の光源の照明光の照度値から前記被写体画像の変換済測色値に対して行うコントラスト補正と、前記被写体画像を前記再現画像として出力する際のフレア量から前記色順応補正処理および前記コントラスト補正処理が行われた前記被写体画像の測色値を補正して前記再現画像の出力すべき測色値を得るフレア補正とを行うものであり、前記見えの変換処理手段は、前記コントラスト変換、前記彩度変換、前記色順応補正、前記コントラスト補正および前記フレア補正の少なくとも1つの処理は、1種の色変換テーブルに対して、前記被写体画像の前記第1のデジタル画像データから求められる前記被写体画像の画像特徴量によって設定される、変換強度の異なる複数の色変換テーブルを備える格納手段と、前記被写体画像の前記第1のデジタル画像データに応じて、前記複数の色変換テーブルの中から1つの色変換テーブルを選択する選択手段とを有し、選択された前記1つの色変換テーブルを用いて、前記少なくとも1つの処理を行うことにより、前記見えの変換処理を行い、前記再現画像の前記出力すべき測色値から前記再現画像の第2のデジタル画像データを得ることを特徴とする画像処理装置を提供するものである。
ここで、前記見えの変換処理手段は、前記見えの変換処理の全ての処理を、1つの変換処理として行い、1つの変換処理に対して前記1種の色変換テーブルが設定され、この1種の色変換テーブルに対する前記変換強度の異なる複数の色変換テーブルとして、強調パラメータが異なる複数の色変換テーブルが設定されるのが好ましい。
また、前記強調パラメータは、前記第1の光源の照明光の下での輝度に対する輝度比および彩度であり、前記輝度比並びに彩度アップ率を複数の値に設定して、これらを組み合わせた複数の色変換テーブルが設定されるのが好ましい。
また、前記複数の色変換テーブルの中から1つの色変換テーブルを選択する際に、前記強調パラメータとしての輝度比並びに彩度アップ率の複数の値を組み合わせた色変換テーブルを用いた見えの変換処理を行って得た見えの再現画像を複数作成し、前記再現画像(撮影シーン)毎に最適な見えの再現が行われた画像を選び出し、当該画像に対応する前記強調パラメータの値を参照するのが好ましい。
また、被写体が人物中心である画像(撮影シーン)については、前記強調パラメータとしての輝度比並びに彩度アップ率を固定的に用いるのが好ましい。
また、前記輝度比を10〜100の範囲とし、前記彩度アップ率を0%〜20の範囲とするのが好ましい。
また、前記選択手段は、前記複数の色変換テーブルの中から、前記被写体画像の前記第1のデジタル画像データから求められる前記被写体画像の画像特徴量によって前記1つの色変換テーブルを選択するのが好ましい。
また、前記被写体画像の画像特徴量は、前記被写体画像の明度および彩度を含む1つ以上の属性値に基づいて求められるのが好ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明の第3の態様は、上記の第2の態様の画像処理装置と、この画像処理装置で前記見えの変換処理を行った前記再現画像の第2のデジタル画像データに基づいて写真プリント画像を出力する画像出力手段とを有することを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
また、上記目的を達成するために、本発明の第4の態様は、上記の第1の態様の画像処理方法をコンピュータ制御により実行させるための画像処理プログラムを提供するものである。
また、上記目的を達成するために、本発明の第5の態様は、上記の第4の態様の画像処理プログラムを記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体を提供するものである。
本発明によれば、撮影される被写体の見え(アピアランス)の印象や観察されるカラーリバーサルフィルムの透過画像の見えの印象を写真プリント等の再現画像に忠実に再現することに加えて、適切なまたは自然なコントラスト変換や彩度変換などを行い、様々な被写体、シーンに共通した好ましい色再現を行うことができる。
特に、本発明によれば、カラーリバーサルフィルムの場合にも、透過オリジナル画像の持つ美しく高品位なイメージを忠実に再現した写真プリント、さらには、このような忠実再現に加え、さらに好ましい色再現を行った写真プリントをユーザに提供することができる。その結果、本発明によれば、観察される透過画像のオリジナルの美しさのプリント上での再現を期待するユーザを満足させることはできる。
また、写真プリント等の再現画像を作成する際に、見えの変換のための色変換テーブルとしてシーンに拠らず最適であるとされる色変換テーブルを用いる場合には、構成上はシンプルにでき、あらゆるシーンに平均的に適切な画像再現が行えるが、シーンに応じた適切な画像再現が行えていない場合があるが、本発明では、さらに、見え(アピアランス)の変換のために予め用意された複数の色変換テーブルを再現対象の被写体画像の特徴をベースに切り替えて適応することにより、シーンに基づいた最適な画像を提供することができる。
さらに、本発明によれば、色変換テーブルの使用により、見えの変換を画像処理ソフトとして組込んで、自動化することで、被写体画像の印象を容易に写真プリント上やモニタ上に再現でき、特に、写真プリントを作製するラボでのプリント作業効率を大幅に向上させることができる。
以下に、本発明に係る画像処理方法および画像処理装置、これを用いる画像形成装置ならびに画像処理方法を実行する画像処理プログラムおよびこれを記録した記録媒体を、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
以下においては、画像再現の対象となる被写体画像が、リバーサルフィルムに記録された透過画像であり、観察されるリバーサルフィルムの透過画像と見えが一致するように再現された再現画像が、写真プリント画像である場合を代表例として説明するが、本発明はこれに限定されず、被写体画像が、被写体を撮影したカラーネガフィルムから得られる画像、あるいは被写体をデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどのデジタルカメラによって撮影して直接得られた画像である場合であっても良いし、また、再現画像が、被写体と見えが一致するように再現された写真プリント画像などのハードコピー画像、もしくはモニタ表示画像などのソフトコピー画像であっても良い。
図1は、本発明の第1の態様の画像処理方法を実施する本発明の第2の態様の画像処理装置を備える本発明の第3の態様の画像形成装置の一実施形態のブロック図である。
同図に示すように、画像形成装置10は、被写体を撮像したリバーサルフィルムに記録された透過画像(透過原稿画像)Fを光電的に読み取って、デジタル画像データD0を取得する画像入力ユニット11と、観察されているリバーサルフィルムの透過画像Fの見えをそのまま忠実に再現するのみならず、さらに好ましい色再現となるように、画像入力ユニット11で取得した画像データD0に見えの再現処理を含む画像変換処理を行う画像処理ユニット12と、この画像処理ユニット12で見えの再現変換処理を行って得た画像データに基づいてハードコピー画像(写真プリントP)などの目視用画像を出力する画像出力ユニット14とを有する。
画像入力ユニット11は、被写体を撮像したリバーサルフィルムに被写体画像として記録された透過画像(以下、透過被写体画像ともいう)を光電的に読み取って、RGBデータなどのデジタル画像データD0を取得するスキャナであり、取得された画像データD0は、画像処理ユニット12に入力される。なお、画像入力ユニット11は、取得したデジタル画像データD0から透過被写体画像の各点の測色値D1(ここでは、透過被写体画像の色の三刺激値(XYZ))を算出する算出手段を備えるものであっても良く、算出された測色値D1は、画像処理ユニット12に入力される。すなわち、本発明においては、この測色値D1の算出手段は、画像入力ユニット11としてのスキャナに内蔵されていても良いし、スキャナに外付けであっても良いし、また、画像入力ユニット11とは、別体とされていても良いし、画像処理ユニット12に内蔵されていても良い。
なお、画像入力ユニット11は、カラーリバーサルフィルムFに撮影された透過被写体画像の各点のRGBデータなどのデジタル画像データD0、あるいは透過被写体画像の各点の測色値D1を取得できるものであればどのようなものでも良く、例えば、被写体を撮影して得られたカラーリバーサルフィルムFの透過被写体画像をCCDやCMOSセンサなど撮像素子を用いて読み取り、透過被写体画像のデジタルデータとしてRGBデータ(デジタル画像データD0)を得るものであっても良いし、さらに、RGBデータD0を測色値D1、例えば透過被写体画像の色の三刺激値XYZに変換するものであっても良い。なお、本発明において用いられる測色値は、色の三刺激値(XYZ)に限定されない。
画像処理ユニット12は、本発明の第1の態様の画像処理方法を実施する本発明の第2の態様の画像処理装置の一実施形態であって、観察されているリバーサルフィルムの透過画像Fの見えを忠実に再現できるのみならず、さらに好ましい色再現となるように、画像入力ユニット11で取得されたデジタル画像データD0から算出された透過被写体画像の各点の測色値D1(透過被写体画像の色の三刺激値(XYZ))に画像変換処理を行うためのものである。
画像処理ユニット12は、色の見えの変換式に基づく色変換を行うための複数の色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成部12aと、色変換テーブル作成部12aで作成された複数の色変換テーブルを格納する色変換テーブル格納部12bと、画像入力ユニット11で得られたカラーリバーサルフィルムFの透過被写体画像の測色値D1から画像特徴量を算出する画像特徴量算出部12cと、画像特徴量算出部12cで算出された画像特徴量に基づいて、色変換テーブル格納部12bに格納された複数の色変換テーブルから、適切な色変換テーブルを選択する色変換テーブル選択部12dと、色変換テーブル選択部12dで選択された色変換テーブルを用いて、画像入力ユニット11で得られた透過被写体画像の測色値D1に見えの変換処理を行い、プリンタに入力すべき画像信号(プリント出力用画像データD7)を得る変換処理部12eとを有する。
色変換テーブル作成部12aは、図2に示すように、透過被写体画像の測色値D1を透過被写体画像の測色値D6(透過被写体画像の変換三刺激値(XaYaZa))(3次元テーブル(3DLUT)用パッチ画像)に変換する好ましい色再現処理ユニット34と、好ましい色再現処理ユニット34で処理された透過被写体画像の測色値D6が入力されて、変換画像の測色値D3(出力用画像の三刺激値(X’Y’Z’))(3DLUT用パッチ画像)に変換される見えの忠実再現処理ユニット32と、変換画像の測色値D3に対して再現画像の観察環境に応じたフレア量を補正して、再現画像(ハードコピー画像(プリント))として出力するための被写体画像の測色値D4(再現画像の三刺激値(XYZ))(3DLUT用パッチ画像)または補正テーブルを求めるフレア補正部24と、透過被写体画像の測色値D6、変換画像の測色値D3および被写体画像の測色値D4の3DLUT用パッチ画像)または補正テーブルを用いて、透過被写体画像の測色値D6からプリント出力用デジタル画像データ、例えば、RGBデータに変換するための3次元色変換テーブル(3DLUT;3次元ルックアップテーブル)を生成する3DLUT生成部25とを有する。
なお、好ましい色再現処理ユニット34では、強調パラメータ(輝度比、彩度C)を変化させることにより、複数種類の測色値D6(3DLUT用パッチ画像)を得ることができ、見えの忠実再現処理ユニット32では、強調パラメータ(彩度C)を変化させることにより、複数種類の測色値D4(3DLUT用パッチ画像)を得ることができる。
ここで、本発明における処理の順序は前後するが、本発明の特徴とする好ましい色再現処理ユニット34の説明に先立って、本発明の最も特徴とする見えの忠実再現処理ユニット32について説明する。
図3は、忠実再現処理ユニットの一実施形態のブロック図である。同図に示す忠実再現処理ユニット32は、観察されているリバーサルフィルムFの透過被写体画像の見えを忠実に再現できるように画像処理を行うためのものであって、前段の好ましい色再現処理ユニット34から送られる透過被写体画像の測色値D6(透過被写体画像の変換三刺激値(XaYaZa))を変換画像の測色値D3(出力用画像の三刺激値(X’Y’Z’)に変換するものである。
同図に示すように、忠実再現処理ユニット32は、ビュアーやプロジェクタにおいて観察されているリバーサルフィルムFの透過被写体画像を観察する透過被写体画像の観察照明条件を取得する透過画像観察条件取得ユニット18と、透過被写体画像が再現された再現画像(反射画像)の観察照明条件を取得し、設定する再現画像観察条件取得ユニット20と、透過画像観察条件を用いて透過被写体画像の測色値D6を順変換して色の見えの属性値(色相h、明度J、彩度C)D2を得るとともに、こうして得られた見えの属性値D2を、再現画像観察条件を用いて逆変換して見えの忠実再現補正がなされた変換画像の測色値D3(出力用画像の三刺激値(X’Y’Z’))を得る見えの忠実再現変換ユニット22(22a,22b)とを有する。
透過画像観察条件取得ユニット18は、リバーサルフィルムFの透過被写体画像を観察する際の観察照明条件を取得するためのもので、透過被写体画像を照明している光源の照明光の三刺激値、被写体の輝度および被写体の周囲条件を取得するためのものである。本発明では特に、照明光源の照明光の色度値および絶対照度値を測定し、記録しておくためのものである。
観察条件取得ユニット20は、予め透過被写体画像が再現された再現画像(反射プリント画像)を観察する際の観察照明条件を取得し、設定するためのもので、再現画像を照明している光源の照明光の三刺激値、被写体の輝度および被写体の周囲条件を取得するためのもので、本発明では特に、予め再現画像観察時の照明光の色度値および絶対照度値を測定し、記録しておくためのものである。
見えの忠実再現変換ユニット22(22a,22b)は、透過画像観察条件を用いて透過被写体画像の測色値D6(透過被写体画像の変換三刺激値(XaYaZa))を順変換して(順変換ユニット22a参照)、色の見えの属性値D2(色相h、明度J、彩度C)(3DLUT用パッチ画像)を得ると共に、こうして得られた見えの属性値D2を、再現画像観察条件を用いて逆変換して(逆変換ユニット22b参照)、見えの忠実再現補正がなされた変換画像の測色値D3(出力用画像の三刺激値(X’Y’Z’))(3DLUT用パッチ画像)を得るためのものである。
見えの忠実再現変換ユニット22(22a,22b)は、本発明では、CIECAM02(国際照明委員会("Commission Internationale de l'Eclairage")の2002年の色の見えモデル(CIECAM02 Color Appearance Model;IS&T/SID 10th Color Imaging Conference 予稿集pp.23-27参照))に基づいて構成されたものであり、色順応補正を行う色順応変換部26(26a,26b)と、コントラスト補正を行う非線形信号変換部28(28a,28b)と、彩度補正を行う色属性(色知覚属性)変換部30(30a,30b)とを有する。
なお、CIECAM02では、見えの属性値として、マンセル表色系のHVCにそれぞれ相当する色相h、明度Jおよび彩度Cの他、絶対的な明るさ、すなわち人が感じる明るさの絶対的な感覚量を表す指標であるブライトネスQおよび人が感じる鮮やかさの絶対的な感覚量を表す指標であるカラフルネスMの5種があるが、本実施態様では、色相h、明度Jおよび彩度Cを対象とする。
ここで、色順応変換部26(26a,26b)は、透過画像観察条件取得ユニット18で取得された照明光源の色度情報(色度値)および照度情報(絶対照度値)から透過被写体画像の変換測色値D6に対して色順応補正を行うものであり、再現画像観察条件取得ユニット20で取得された再現画像観察条件下で再現される測色値を得るものである。ここで、色順応変換部26は、具体的には、例えば、順変換(26a参照)においては、透過画像の観察時の透過被写体画像の絶対照度値から透過被写体画像の照明色に対する順応度(D)を算出し、逆変換時(26b参照)に透過被写体画像の見えをプリントなどの再現画像の観察時の照明下で再現するための対応色の測色値を算出する。
なお、図示例では、色順応変換部26は、CIECAM02によって推奨されるものを用いているが、本発明はこれに限定されず、色順応変換として提案されているものであれば、様々な手法を行うもののいずれも採用することができる。
次に、非線形信号変換部28(28a,28b)は、透過画像観察条件取得ユニット18で取得された照明光源の照度情報(絶対照度値)から透過被写体画像の測色値D6に対してコントラスト補正を行い、再現画像観察条件取得ユニット20で取得された再現画像観察条件下で再現される測色値を得るものである。
ここで、非線形信号変換部28は、具体的には、例えば、順変換(28a参照)においては、透過画像観察時の照明の絶対照度値と再現画像観察時の照明の絶対照度値とから、コントラスト変換特性を算出し、色順応変換部26で色順応補正された対応色の測色値に対してコントラスト変換を施す。
なお、図示例では、非線形信号変換部28は、CIECAM02によって推奨されるものを用いているが、本発明はこれに限定されず、コントラスト変換として提案されているものであれば、様々な手法を行うもののいずれも採用することができる。
こうして、見えの忠実再現変換ユニット22において、見えの忠実再現補正が施された透過被写体画像、すなわち変換画像の測色値D3を得ることができ、この変換画像の測色値D3は、フレア補正部24(図2参照)に入力される。
ところで、図示例では、見えの忠実再現変換ユニット22を、見えの忠実再現順変換ユニット22aと見えの忠実再現逆変換ユニット22bとで構成し、見えの忠実再現順変換ユニット22aを色順応変換部26a、非線形信号変換部28aおよび色属性変換部30aで構成し、見えの忠実再現逆変換ユニット22bを色属性変換部30b、非線形信号変換部28aおよび色順応変換部26bで構成している。そして、順変換時には、色順応変換部26a、非線形信号変換部28aおよび色属性変換部30aにおいて、それぞれ順に透過画像観察条件による色順応変換、非線形信号変換(コントラスト変換)および色属性変換(彩度変換)を行い、見えの属性値D2(色相h、明度J、彩度C)を算出し、逆変換時には、算出された見えの属性値D2(色相h、明度J、彩度C)に対して、各変換部30b、28bおよび26bにおいてそれぞれ順に再現画像観察条件による色属性変換(彩度変換)、非線形信号変換(コントラスト変換)および色順応変換を行い、変換画像の測色値D3を算出している。
しかし、本発明はこれに限定されず、順変換時も逆変換時も同じ、見えの忠実再現変換ユニット22を用いても良い。すなわち、見えの忠実再現変換ユニット22を、それぞれ1つの変換部26、28および30で構成し、順変換でも逆変換も同じ変換部26、28および30を使い、順変換時には、色順応変換、非線形信号変換(コントラスト変換)および色属性変換(彩度変換)を行い、逆変換時には、それぞれ逆順に色属性変換(彩度変換)、非線形信号変換(コントラスト変換)および色順応変換を行っても良いし、1つの変換部26、28および30の各々において、透過画像観察条件による順変換および再現画像観察条件による逆変換を行っても良い。
次に、見えの忠実再現処理ユニット32の前段において前処理を行う好ましい色再現処理ユニット34について説明する。
図4は、好ましい色再現処理ユニットの一実施形態のブロック図である。好ましい色再現処理ユニット34は、後段での見えの忠実再現処理ユニット32での処理が、忠実再現に加え、好ましい色再現になるように、予め透過被写体画像上の各点の測色値D1に、所定の順応変換、コントラストおよび/または彩度変換を行っておくものである。
図4に示すように、好ましい色再現処理ユニット34は、画像入力ユニット11から入力された透過被写体画像の測色値D1(透過被写体画像の色の三刺激値(XYZ))を見えの属性値D5(色相h、明度J、カラフルネスM)(3DLUT用パッチ画像)に変換する色の見え順変換ユニット36aおよび入力された見えの属性値D5を変換された透過被写体画像の測色値D6(透過被写体画像の変換三刺激値(XaYaZa))(3DLUT用パッチ画像)に変換する色の見え逆変換ユニット36bからなるコントラスト・彩度変換ユニット36と、色の見え順変換ユニット36aで用いる透過画像観察条件を設定する透過画像観察条件設定ユニット38aと、色の見え逆変換ユニット36bで用いる透過画像観察条件を設定する透過画像観察条件設定ユニット38bとを有する。なお、この他、好ましい色再現処理ユニット34においても、見えの忠実再現処理ユニット32と同様に、透過画像観察条件を取得する透過画像観察条件取得ユニット18と、再現画像観察条件を設定する再現画像観察条件取得ユニット20とを備えていても良いが、見えの忠実再現処理ユニット32から透過画像観察条件取得ユニット18で取得した透過画像観察条件および再現画像観察条件取得ユニット20で設定した再現画像観察条件を取得するようにするのが好ましい。
ここで、図4に示すコントラスト・彩度変換ユニット36の色の見え順変換ユニット36aおよび色の見え逆変換ユニット36bは、それぞれ、基本的に、見えの忠実再現変換ユニット22の見えの忠実再現順変換ユニット22aおよび見えの忠実再現逆変換ユニット22bと同様の構成であり、透過画像観察条件設定ユニット38aおよび38bは、基本的に、透過画像観察条件取得ユニット18と同様の構成であるので、その詳細な説明は省略するが、個々のユニットの機能について説明する。
透過画像観察条件設定ユニット38aおよび38bは、透過画像観察条件取得ユニット18と異なり、実際の透過被写体画像の透過画像観察条件を取得するのではなく、それぞれ、後段で行う見えの忠実再現変換ユニット22の各ユニット22aおよび22bでの処理結果が忠実再現に加え好ましい色再現となるように、透過画像観察条件を設定するものである。一方、コントラスト・彩度変換ユニット36の色の見え順変換ユニット36aおよび色の見え逆変換ユニット36bは、見えの忠実再現変換ユニット22の各ユニット22aおよび22bと同様の構成を、透過画像観察条件取得ユニット18によって求められる透過被写体画像の観察照明条件および再現画像観察条件取得ユニット20によって求められる再現画像の観察照明条件での、見えの忠実再現変換に用いるのではなく、後段で見えの忠実再現変換を行っても、好ましい色再現となるように、透過画像観察条件設定ユニット38aおよび38bによってそれぞれ設定された所定の透過画像観察条件での、見えの変換に用いるものである。
なお、色の見え順変換ユニット36aの色の見え変換において、被写体輝度値(輝度比)を実際の値の10〜100倍に変化させることにより、また、彩度Cの値を1.00〜1.20倍に変化させることにより、後述する複数の色変換テーブルを作成するために、強度パラメータとしての輝度比および彩度Cの値の異なる複数種類の属性値D5(3DLUT用パッチ画像)を得ることができ、色の見え逆変換ユニット36bにおいて逆変換を行って、好ましい色再現変換がなされた透過被写体画像の測色値D6(3DLUT用パッチ画像)を得ることができる。
なお、この実施形態では、彩度Cの値を、好ましい色再現処理ユニット34の色の見え順変換ユニット36aにおいて変化させているが、本発明はこれに限定されず、図3に示す後段の見えの忠実再現処理ユニット32の見えの忠実再現順変換ユニット22aにおいて変化させても良い。すなわち、見えの忠実再現順変換ユニット22aにおいて、彩度Cの値を1.00〜1.20倍に変化させることにより、後述する複数の色変換テーブルを作成するために、強度パラメータとしての彩度Cの値の異なる複数種類の属性値D2(3DLUT用パッチ画像)を得るようにしても良い。
こうして、図4に示す好ましい色再現処理ユニット34において好ましい色再現変換がなされた透過被写体画像の測色値D6(透過被写体画像の変換三刺激値(XaYaZa))は、図2に示すように、見えの忠実再現処理ユニット32に入力され、上述したように、図3に示す見えの忠実再現処理ユニット32において見えの忠実再現処理が行われ、変換画像の測色値D3に変換され、図2に示すフレア補正部24に入力される。
フレア補正部24は、図2に示すように、色順応補正およびコントラスト補正が行われた透過被写体画像の測色値、すなわち変換画像の測色値D3に対して再現画像の観察環境に応じたフレア量を補正して、再現画像(ハードコピー画像(プリント))として出力するための透過被写体画像の測色値D4(再現画像の三刺激値(XYZ))を求めるものである。ここで、フレア補正部24は、具体的には、例えば再現画像の観察時の周囲状況からフレアによる濃度低下の程度を算出し、見えの忠実再現処理ユニット32で求められた変換画像の測色値D3に対して、フレアによる濃度低下分を補うように濃度補正を施す。なお、フレア補正部24は変換テーブルとして設定されていても良い。
こうして、好ましい色再現処理ユニット34および見えの忠実再現処理ユニット32において、透過被写体画像の見えが忠実に再現されるとともに、好ましい色再現がなされた透過被写体画像、すなわち再現画像の測色値D4(三刺激値(XYZ))を得ることができる。こうして得られた再現画像の測色値D4は、画像出力ユニット14において、プリント画像などの再現画像として出力されるべき画像データ、すなわちプリント出力用デジタル画像データD7、例えばRGBデータに変換される。
なお、本発明においては、フレア補正部24は、変換画像の測色値D3をフレア補正して、プリンタに入力すべき画像信号となるプリント出力用デジタル画像データD7を直接得るようにしても良く、そのための変換テーブルとして設定しておいても良い。
3DLUT生成部25は、カラーリバーサルフィルムFの透過被写体画像の測色値D1と、プリント出力用デジタル画像データD7と、測色値D5および測色値D6(3DLUT用パッチ画像)と、測色値D5および測色値D3(3DLUT用パッチ画像)と、測色値D4またはフレア補正部24の補正テーブルとを用いて、設定された強調パラメータ(輝度比および彩度Cの組み合わせ)毎に3次元色変換テーブルを3DLUT(3次元ルックアップテーブル)として生成するためのものである。ここでは、輝度比(強調パラメータ1)および彩度C(強調パラメータ2)の1つの組み合わせに対して得られる測色値D5および測色値D6の3DLUT用パッチ画像と、測色値D5および測色値D3の3DLUT用パッチ画像とを3DLUTの構成要素として用いて編集することにより、測色値D1から画像データD7に変換する色変換テーブルを生成する。
こうして、色変換テーブル作成部12aの3DLUT生成部25において、輝度比(強調パラメータ1)および彩度C(強調パラメータ2)の複数の組み合わせ毎に、複数の色変換テーブルが生成される。
なお、本発明においては、色変換テーブルの生成方法は、特に制限的ではなく、上述の方法のほか、上述した各測色値やその3DLUT用パッチ画像や画像データを用いて、好ましい色再現処理ユニット34のコントラスト・彩度変換ユニット36の順変換および逆変換、見えの忠実再現処理ユニット32の見えの忠実再現変換ユニット22の順変換および逆変換、ならびにフレア補正のそれぞれにおいて、3DLUTを作成し、各3DLUTを1つの3DLUTとして生成しても良いし、また、好ましい色再現処理ユニット34(コントラスト・彩度変換ユニット36)で用いる見えの変換式、見えの忠実再現処理ユニット32(見えの忠実再現変換ユニット22)で用いる見えの変換式およびフレア補正式(後述する式(3)参照)を用いて生成しても良いし、また、従来公知の3DLUTの生成方法を適用しても良い。
図1に示すように、色変換テーブル作成部12aにおいて生成された複数の色変換テーブルは、色変換テーブル格納部12bに格納される。
色変換テーブル格納部12bは、メモリやデータベースとして構成され、色変換テーブル作成部12aにおいて生成された複数の色変換テーブルを輝度比(強調パラメータ1)および彩度C(強調パラメータ2)の個々の組み合わせに対応させて格納する。
画像特徴量算出部12cは、画像入力ユニット11で得られたカラーリバーサルフィルムFの透過被写体画像の測色値D1から画像特徴量を算出する。ここで算出される画像特徴量は、カラーリバーサルフィルムFの透過被写体画像を、見えの好ましい色再現および忠実再現がなされるように色変換するための適切な色変換テーブルを選択するための強調パラメータ(輝度比および彩度C)を決めるためのものである。ここで算出される画像特徴量としては、例えば、明度Lおよび彩度C、平均明度Laveおよび平均彩度Caveなどを用いることができる。
なお、本発明において色変換テーブルの選択に用いられる画像特徴量としては、見えの一致の画像再現の対象となるカラーリバーサルフィルムFの透過被写体画像に対して、適切な色変換テーブルを選択するための強調パラメータ(輝度比および彩度C)を決めることができるものであれば、どのような画像特徴量でも良い。
色変換テーブル選択部12dは、カラーリバーサルフィルムFの透過被写体画像に応じて、すなわち画像特徴量算出部12cで算出された画像特徴量(平均明度、平均彩度)に応じた強調パラメータ(輝度比および彩度Cの組み合わせ)を持つ、見えの変換に適切な色変換テーブルを、色変換テーブル格納部12bに格納された複数の色変換テーブルから選択する。
変換処理部12eは、色変換テーブル選択部12dによって、カラーリバーサルフィルムFの透過被写体画像に応じて選択された見えの変換に適切な色変換テーブルを用いて、
カラーリバーサルフィルムFの透過被写体画像の測色値D1からプリンタに入力すべき画像信号(プリント出力用デジタル画像データD7)を得るための見えの変換処理を行う。
変換処理部12eは、色変換テーブル作成部12aにおいて行われる見えの変換、すなわち、見えの好ましい色再現処理ユニット34による見えの好ましい色再現、見えの忠実再現処理ユニット32による見えの忠実再現およびフレア補正部24によるフレア補正と、測色値D4からプリンタに入力すべきプリント出力用デジタル画像データD7への信号変換までを1つの色変換テーブルで行うものである。
こうして画像処理ユニット12の変換処理部12eで得られたプリンタに入力すべき画像データD7は、見えの忠実再現に加え、見えの好ましい再現も加えられたプリント画像を出力可能なものである。
こうして、画像処理ユニット12において、透過被写体画像の見えを忠実に再現できるとともに、好ましい色再現がなされた透過被写体画像、すなわち再現画像の画像データ(プリント出力用デジタル画像データD7)を得ることができる。こうして得られた再現画像の画像データD7は、画像出力ユニット14に入力される。
画像出力ユニット14は、画像処理ユニット12で好ましい色再現処理および見えの忠実再現補正処理が施され、最終的に得られた再現すべき画像の画像データD7が、ハードコピー画像(プリント)などの目視用再現画像上に再現されるように、写真プリントなどの再現画像を作成して、出力する。
こうして出力された再現画像は、被写体の見えがそのまま忠実に再現されているとともに好ましい色再現がなされた写真プリントなどのハードコピー画像である。すなわち、このようにして得られた再現画像は、見えの忠実再現のみならず、好ましい色再現がなされたものであり、人間にとって自然に感じられる画像である。
なお、画像出力ユニット14は、写真プリントなどのハードコピー画像に代えて、あるいはハードコピー画像に加えてモニタなどに表示されるソフトコピー画像などの目視用再現画像を出力するものであっても良い。
本発明の第2の態様の画像処理装置および第3の態様の画像形成装置は、基本的に以上のように構成される。
次に、本発明の第2の態様の画像処理装置および第3の態様の画像形成装置の作用ならびに第1の態様の画像処理方法について説明する。
本発明においては、予め、図1に示す画像形成装置10の画像処理ユニット12の色変換テーブル作成部12aで複数の色変換テーブルを作成して、色変換テーブル格納部12bに格納しておく。次に、色変換テーブル選択部12dにおいて、画像特徴量算出部12cで算出されたリバーサルフィルムの透過画像の画像特徴量に応じた色変換テーブルを色変換テーブル格納部12bから選択し、変換処理部12eにおいて選択された色変換テーブルを用いて、リバーサルフィルムの透過画像の画像データ(測色値D1)に色変換を行い、好適プリントとして再現するのに適した画像データ(デジタル画像データD7)を得る。なお、透過画像観察条件および再現画像観察条件が変わらない限り、作り直す必要はないので、一度作成しておけば良い。
以下に、具体的に説明する。
1)上述したように、図1に示す画像形成装置10において、まず、画像入力ユニット11によって、カラーリバーサルフィルムの透過被写体画像が撮像され、これがデジタル化され、透過被写体画像上の各点の測色値D1(透過被写体画像の三刺激値(XYZ))が算出される。
2)また、画像処理ユニット12の色変換テーブル作成部12aの透過画像観察条件取得ユニット18(図3参照)によって、予め、透過画像観察条件データ、すなわち透過被写体画像が観察される際に透過被写体画像を照明している照明光の絶対照度値等の照度情報と色度値等の色度情報とが測定され、記録されている。
3)さらに、再現画像観察条件取得ユニット20(図3参照)によって、予め、プリント画像(再現画像)観察条件データ、すなわちプリント等の再現画像を観察する際の照明の絶対照度値等の照度情報と色度値等の色度情報とが設定されている。
4)図2に示す画像処理ユニット12の色変換テーブル作成部12aの好ましい色再現処理ユニット34および見えの忠実再現処理ユニット32で、色の見えの変換式を用いた色変換を行う。
画像入力ユニット11において算出された、透過被写体画像上の各点の測色値D1(透過被写体画像の三刺激値(XYZ))が、画像処理ユニット12の色変換テーブル作成部12aの好ましい色再現処理ユニット34に入力される。
図4に示す好ましい色再現処理ユニット34においては、透過被写体画像上の各点の測色値D1が、コントラスト・彩度変換ユニット36に入力される。
ここで、コントラスト・彩度変換ユニット36の見え順変換ユニット36aでは、透過画像観察条件設定ユニット38aによって設定された透過画像観察条件に基づく色の見えの変換式を用いて、コントラスト変換、彩度変換を行い、見えの属性値D5として、明度J、色相hおよびカラフルネスMの値を求める。この際、観察者は、照明色に対して、透過画像観察条件取得ユニット18によって得られる透過画像観察条件で定まる順応輝度より高い順応輝度に設定されたときの順応度(Da)で順応する、好ましくは、ほぼ、もしくは完全に順応する(D=1)と仮定して、見え順変換ユニット36aの色順応変換部40aによる色順応変換を行い、また、コントラストおよびカラフルネスMは、透過原稿画像観察時の輝度が5〜150倍、好ましくは10〜100倍程度に相当する変化量(強調パラメータ1)として、それぞれ非線形信号変換部42aによるコントラスト変換、色属性変換部44aによる彩度変換を行う。また、彩度Cの値を1.00〜1.20倍の値にする(強調パラメータ2)。
なお、ここでは、見え順変換ユニット36aおよび見え順変換ユニット36bにおける色の見えの変換式は、IS&T/SID 10th Color Imaging Conference 予稿集pp.23-27「CIECAM02色の見えモデル」に記載されているものを用いる。
すなわち、
1.色順応変換部40aによる色順応変換では、順応度DをDa(透過画像観察条件で定まる順応輝度より高い順応輝度に設定されたときの順応度;後述する式(1)で計算する)、最も好ましくは、Da=1とし、
2.非線形信号変換部42aによるコントラスト変換(非線形応答変換)では、パラメータFLの値(後述する式(2))を透過画像観察条件で定まる順応輝度より高い順応輝度の輝度値LAで計算し、
3.色属性変換部44aによる彩度変換(色知覚属性計算)では、カラフルネスMの計算(後述する式(3))に用いる透過被写体画像の輝度値LAを、透過画像観察条件で定まる順応輝度より高い順応輝度の輝度値、ここでは、実際の透過被写体画像の輝度値の5倍から150倍、概略10倍から100倍にする(強調パラメータ1)。
以上の手順で、明度J、色相h、カラフルネスMの値を求める。
また、彩度Cの値を1.00〜1.20倍変化させる(強調パラメータ2)。
このように、これらの変換操作を強調パラメータ1(輝度比)および強調パラメータ2(彩度C)の組み合わせで行い、複数の色変換パスを得ることができる。
なお、ここでは、リバーサルフィルムの透過画像の写真プリント画像への好ましい色再現および見えの忠実再現を得る強調パラメータとして、輝度比および彩度Cを用いているが、本発明は、これらに限定されず、輝度比および彩度Cの一方でも良いし、輝度比および彩度Cの少なくとも一方の代わりに、もしくはこれらに加えて、コントラストおよびカラフルネスMの一方、または両方を用いても良い。
ここで、順応度D、パラメータFLおよびカラフルネスMは、IS&T/SID 10th Color Imaging Conference 予稿集pp.23-27「CIECAM02色の見えモデル」に従って、下記式(1)、(2)および(3)で与えられるものとする。なお、色相h、明度J、彩度C、カラフルネスM、ブライトネスQも、順応度DおよびパラメータFLと同様に、IS&T/SID 10th Color Imaging Conference 予稿集pp.23-27「CIECAM02色の見えモデル」に従って与えられるものであるが、IS&T/SID 10th Color Imaging Conference 予稿集pp.23-27「CIECAM02色の見えモデル」に詳細に記載されているので、その記載を省略する。
なお、コントラストに関連するものとしては、下記式(2)に示されるように、輝度値LAの変化に対して、パラメータFLの値は、単調増加する。また、カラフルネス(彩度知覚)に関連するものとしては、下記式(3)に示されるように、カラフルネスMは、パラメータFLの(1/4)乗に比例しているので、これらの関係からも、仮想的に、より高い輝度値LAを設定すると、カラフルネスMが向上して、鮮やかな印象が得られることがわかる。
Figure 0004448416
5)次に、こうして見え順変換ユニット36aで得られた見えの属性値D5(明度J、色相hおよびカラフルネスMの値)から、色の見え変換を色の見え逆変換ユニット36bにおいて逆変換として利用し、再び、透過被写体画像の三刺激値に相当する画像値である透過被写体画像の測色値D6(被写体の変換三刺激値(XaYaZa))を求める。
この際に、透過画像観察条件取得ユニット38bによって設定される観察条件パラメータとしては、順応度Dとして見え順変換ユニット36aで用いた順応度Daを用いる以外は、透過画像観察条件取得ユニット18によって得られる透過画像観察条件そのものを用いる。
従って、具体的には、見え逆変換ユニット36bにおいては、実際の観察される透過被写体画像の輝度値を用いて色属性変換部44bによる彩度変換および非線形信号変換部42bによるコントラスト変換を行い、順応度Dを前述のDaに設定して、色順応変換部40aによる色順応変換を行う。
こうすることで、透過被写体画像が仮想的に観察環境下でのコントラストを持ち、また、彩度が所定量アップしたデータとなる。
このようなコントラスト・彩度変換は、人間の明るさ変化を伴うコントラスト・彩度変化の感覚を模したものであり、人間にとって自然に感じられる好ましい色再現を実現するコントラスト・彩度変換手法であるといえる。
6)図4に示す好ましい色再現処理ユニット34では、コントラスト・彩度変換ユニット36において、好ましい色再現変換がなされた透過被写体画像の測色値D6(透過被写体画像の変換三刺激値(XaYaZa))が得られ、図2に示すように、見えの忠実再現処理ユニット32に入力される。
見えの忠実再現処理ユニット32に入力された透過被写体画像の測色値D6は、上述したように、図3に示す見えの忠実再現処理ユニット32の見えの忠実再現変換ユニット22に入力される。
見えの忠実再現変換ユニット22(見えの忠実再現順変換ユニット22aおよび逆変換ユニット22b)においては、まず、透過画像の観察時の透過被写体画像の絶対照度値から透過被写体画像の照明色に対する順応度(D)を算出し、透過被写体画像の見えをプリントなどの再現画像の観察時の照明下で再現するための対応色の測色値を算出する色順応変換を行う(色順応変換部26(26aおよび26b)参照)。
次に、透過画像観察時の照明の絶対照度値と再現画像(プリント画像)観察時の照明の絶対照度値とから、コントラスト変換特性を算出し、色順応変換部26で色順応補正された対応色の測色値に対してコントラスト変換を施す(非線形信号変換部28(28aおよび28b)参照)。
こうして、見えの忠実再現処理ユニット32では、透過被写体画像の測色値D6から、見えの忠実再現補正が施された変換画像の測色値D3を得ることができる。
図2に示すように、こうして得られた変換画像の測色値D3は、忠実再現処理ユニット32からフレア補正部24に入力される。
7)図2に示すフレア補正部24では、再現画像(プリント画像)の観察時の周囲状況からフレアによる濃度低下の程度を算出し、見えの忠実再現処理ユニット32で求められた変換画像の測色値D3に対して、フレアによる濃度低下分を補うように濃度補正を施して、透過被写体画像の見えを忠実に再現できるとともに、見えの好ましい色再現がなされた透過被写体画像、すなわち再現画像の測色値D4(三刺激値(XYZ))を得ることができる。
こうして得られた再現画像の測色値D4は、色変換テーブル作成部12aでプリンタに入力すべきデジタル画像データD7に信号変換される。
8)色変換テーブル作成部12aでは、上述したように、上記の4)〜7)の見えの色変換操作を、強調パラメータ1(輝度比)および強調パラメータ2(彩度C)の複数の組み合わせで行い、複数の色変換パスを得ることができるので、3DLUT構成要素のパッチ画像を変換対象とし、変換後、3DLUTとして編集することで、明度(平均明度)および彩度(平均彩度)を強調パラメータとする複数の色変換テーブル(3DLUT)を得ることができる。すなわち、3DLUTの構成用パッチ画像をカラーリバーサルフィルム上に作成しておいて、それらのパッチ画像の画像データを得、得られた画像データを、色変換パスを通すことにより、仮想的に所定の見えに対する画像データを作成し、作成された画像データを3次元テーブル形式にすることにより、1つの強調パラメータの組み合わせに対して、3DLUTを生成することができる。従って、透過オリジナル画像データに3DLUTのカラーパッチを入力することにより、強調パラメータが異なる3DLUTを複数作成することができる。このように、この3DLUTの生成を強調パラメータの組み合わせをパラメトリックに変えて行い、強調パラメータの組み合わせ毎に3DLUTを生成することができる。
こうして、カラーリバーサルフィルムの透過画像の測色値D1をプリンタに入力すべきデジタル画像データD7に変換するための見えの再現のための色変換を行う複数の色変換テーブルが得られる。なお、色変換テーブル作成部12aでは、一度、これらの複数の色変換テーブルを作成しておけば良い。
こうして、色変換テーブル作成部12aで得られた複数の色変換テーブルは、色変換テーブル格納部12bに格納される。
9)上記の1)で画像入力ユニット11によって得られた透過被写体画像(測色値D1)から、画像特徴量算出部12cで画像特徴量を抽出する。ここでは、透過原稿画像の観察下での測色値(L)を求め、平均明度Lおよび平均彩度Cを透過原稿画像毎に求めて、画像特徴量とする。
10)上記の8)で色変換テーブル作成部12aにおいて作成された複数の色変換テーブルの中から、上記の8)で画像特徴量算出部12cにおいて抽出された画像特徴量に応じて、色変換テーブル選択部12bで適切な色変換テーブルを選択する。
11)色変換テーブル選択部12bで選択された色変換テーブルを用いて、上記の1)で画像入力ユニット11によって得られた透過被写体画像の測色値D1を、画像処理ユニット12の変換処理部12eで色変換して、透過被写体画像の見えを忠実に再現できるとともに、見えの好ましい色再現がなされた再現画像の、プリンタに入力すべきデジタル画像データD7を得ることができる。
こうして、画像処理ユニット12において得られた、プリンタに入力すべきデジタル画像データD7は、画像出力ユニット14に入力される。
12)画像出力ユニット14では、入力された、画像処理ユニット12で最終的に得られた再現すべき画像のデジタル画像データD7を用いて、ハードコピー画像(プリント画像)などの目視用再現画像上に再現されるように、写真プリントなどの再現画像を作製して、出力する。
こうして出力された再現画像は、被写体の見えがそのまま忠実に再現されているとともに好ましい色再現がなされた写真プリントなどのハードコピー画像である。すなわち、このようにして得られた再現画像は、見えの忠実再現のみならず、好ましい色再現がなされたものであり、人間にとって自然に感じられる画像である。
なお、上述した例では、彩度C(強調パラメータ2)の値を、図4に示す好ましい色再現処理ユニット34のコントラスト・彩度変換ユニット36の色の見え順変換ユニット36aにおいて変化させているが、本発明はこれに限定されず、図3に示す見えの忠実再現処理ユニット32の見えの忠実再現変換ユニット22の見えの忠実再現順変換ユニット22aにおいて変化させても良い。すなわち、再現順変換ユニット22aにおいても、彩度C(強調パラメータ2)の値を1.00〜1.20倍に変化させて、これらの変換操作を行い、複数の色変換パスを得るようにしても良い。
以下に、本発明の第1の態様の画像処理方法、第2の態様の画像処理装置および第3の態様の画像形成装置を実施例を挙げて具体的に説明する。
〔実施例1〕
以下、本発明の第1の態様に係る画像処理方法により算出したR,G,B信号を本発明の第3の態様の画像形成装置としてのカラーデジタルプリンタに入力して再現画像として好ましい彩度変換(コントラスト変換)プリント画像を得る場合について、図5および図6を用いて説明する。
図5および図6は、カラーリバーサルフィルムの透過画像から銀塩写真感光材料を用いる写真プリントとして出力する場合の本実施形態における一連の処理の流れを説明するフローチャートである。
ステップS101:
富士写真フイルム製カラーリバーサルフィルムRPOVIA l00F professionalによって撮影された透過画像を、大日本スクリーン製スキャナSG‐1000により収録してデジタル画像データを濃度値として得た。
ステップS102:
上記カラーリバーサルフィルムの透過画像を観察するイルミネーター((株)プロラボクリエイト製クリエイトビュアー、光源としては色温度5000Kの色評価蛍光灯を使用)の発光面をトプコン製SR−3を用い測定し、分光輝度および輝度のXYZ三刺激値を測定した。また、絶対照度3000Luxの値を得た。
ステップS103:
上記カラーリバーサルフィルムの透過画像に対して、SPIE vol.1079 pp90‐98に記載されているレーザーカラープリンタを用いてRGBの露光量をそれぞれ変化させた複数のパッチを出力し、上記スキャナSG‐1000で収録して,感光材料に与えた各露光量と発色濃度の関係を記述したテーブル(1)を作成した。
また、同パッチの分光反射率を東京電色社製TC‐1800Mにて分光測色した。この分光測色データより、ステップS102のデータを観察光源の分光分布と考えて,各パッチのCIE XYZ三刺激値を求め、感光材料に与えた各露光量とCIE XYZ三刺激値の関係を記述したテーブル(2)を作成した。
ステップS104:
ステップS101で得た濃度のデジタル画像データに対して、ステップS103で作成したテーブル(1)を適用して画像データの各点に与えられた露光量R,G,Bを算出した。
ステップS105:
ステップS104で求められた露光量R,G,Bに対して、ステップS103で作成したテーブル(2)を適用して画像データの各点で観測されるCIE XYZ三刺激値(測色値D1)を求めた。
ステップS106:
色温度5000Kの色評価蛍光灯により照度300Luxで照明された写真プリント観察環境のプリントを置く位置と同じ位置に標準白色板を設置し、色彩輝度計CS‐100により三刺激値を測定した。
ステップS107:
IS&T/SID 10th Color Imaging Conference 予稿集pp.23-27に記載の式を用いて、透過被写体画像(測色値D1;三刺激値(XYZ))に対して彩度変換(コントラスト変換)を施した画像である3次元テーブル用パッチ画像(見えの属性値D5)を作成した。ここでは、カラーリバーサルフィルムの透過画像観察環境のX,Y,Z値からプリント観察環境下で再現すべき三刺激値X’,Y’,Z’を算出し、また、観察者がカラーリバーサルフィルムの透過画像を照明する光源に完全に順応する(上記式(1)で表される順応度Dの値を強制的に1とする)(設定観察条件)として計算を行い、また、コントラスト変換では、カラーリバーサルフィルムの透過オリジナル画像の観察照度値を定数倍(輝度比(強調パラメータ1))に変換させた(FLを計算する際に使用する上記式(2)の順応輝度Lの値を変化させる)ことに相当する値を複数代入し、色相h、明度J、カラフルネスMの3つの見えの属性値D5の値を算出し、彩度C(強調パラメータ2)のみを定数倍に変化させた画像である3次元(ルックアップ)テーブル(3DLUT)用パッチ画像を一連作製した。
ステップS108:
次に、IS&T/SID 10th Color Imaging Conference 予稿集pp.23-27に記載の式を用いて、ステップS107で算出された色相h、明度J、カラフルネスMの3つの見えの属性値D5からカラーリバーサルフィルムの透過オリジナル画像の照明条件(設定観察条件)を用いて、彩度変換後の透過被写体画像の三刺激値(XaYaZa)(測色値D6)で表される画像(3次元テーブル用パッチ画像)を一連算出した。
ステップS109:
この後、ステップS108で得られた三刺激値(XaYaZa)(測色値D6)の画像を出発として、IS&T/SID 10th Color Imaging Conference 予稿集pp.23-27に記載の手法により、ステップS2で求めた透過画像観察条件を用いて、色順応変換およびコントラスト変換を行い、色相h、明度J、彩度Cの3つの見えの属性値D2を算出し、一連の画像(3次元テーブル用パッチ画像)を作製した。
ステップS110:
次に、IS&T/SID 10th Color Imaging Conference 予稿集pp.23-27に記載の見えの変換式を用いて、ステップS109で算出された色相h、明度J、彩度Cの3つの見えの属性値D2から、ステップS106で求めたプリントを観察する際の観察照明条件を用いて、プリント上に出力すべき変換画像の三刺激値(X’,Y’,Z’)(測色値D3)で表される見えの忠実再現処理および好ましい色再現処理がなされた再現画像(3次元テーブル用パッチ画像)を一連算出した。
ステップS111:
プリント装置として、SPIE vol.1079 pp90‐98に記載されているレーザカラープリンタを使用することとし、予め、R,G,Bの入力信号をそれぞれ変化させたパッチを富士写真フィルム社製プロフェッショナルカラーペーパ・プロレーザークリスタルTYPE II‐Eに出力し、各パッチの分光反射率を東京電色社製TC‐1800Mにて分光測色した。
ステップS112:
ステップS111で測定された分光反射率データR(λ)に対して、下記の式(4)によりフレア補正後の分光反射率R’(λ)を算出した。
Figure 0004448416
ここで、hは、上記分光測色計TC−1800Mにおけるフレア率であり、h’は、プリント観察環境下におけるフレア率である。
ステップS113:
ステップS112で求めたフレア補正後の分光反射率R’(λ)に対して、プリント観察照明の分光分布を掛け合わせてX,Y,Z三刺激値を求め、プリンタの入力信号と、フレア補正後のX,Y,Z三刺激値(測色値D4)の関係を示すテーブルを作成した。
ステップS114:
図6に示すように、図5に示す以上のステップS107〜ステップS113の操作により、輝度比(強調パラメータ1)および彩度C(強調パラメータ2)の複数の組み合わせの3次元テーブル(3DLUT)生成用パッチ画像を作成した。こうして作成された3次元テーブル(3DLUT)生成用パッチ画像を用いて、輝度比および彩度Cが以下の複数の組み合わせである3次元色変換テーブル(3DLUT)を作成した。
ここでは、輝度比:10,30,50,100、
彩度C:1.00(0%),1.05(5%アップ),1.10(10%アップ),1.20(20%アップ)として、16個の3次元色変換テーブルを作成した。
ステップS115:
ステップS105で求められたX,Y,Z三刺激値画像(測色値D1)からCIE1976にて規定されるLab色空間への変換を行い、Lにて表現される画像を作成した。更に、その画像から、画像特徴量として、画像の平均明度(Lave)および平均彩度(Cave)を計算により求めた。
ステップS116:
ステップS115で求めた平均明度(Lave)および平均彩度(Cave)より、ステップS114で作成した複数の3次元色変換テーブルの中から、色の見えの変換に適当な色変換テーブルを選択した。
本実施例1では、以下に示す回帰式(5)および(6)を選択に用いた。
Figure 0004448416
ここで、彩度パラメータCは、彩度Cの強調度を%表示したものである。
ここでは、上記回帰式(5)および(6)は、以下のようにして求めた。
カラーリバーサルフィルムに撮影された10種類のシーンについて、強調パラメータ(輝度比パラメータRおよび彩度パラメータC)の種々の組み合わせに対して、観察環境下の透過画像から見えの再現変換を行って、各シーン毎にそれぞれの組み合わせの複数のプリント画像を出力し、10名の観察者(いずれも富士写真フイルム社員であり,カラーリバーサルフィルムの設計開発評価業務に携わる者)による官能評価を行って、各シーン毎に得られた複数のプリント画像の中から、各シーン毎に最適な見えの再現が行われた1枚のプリント画像を選び出した。
こうして選び出された各シーンの最適なプリント画像を得た強調パラメータ(輝度比パラメータRおよび彩度パラメータC)の最適値と、各シーンの画像特徴量(平均明度Laveおよび平均彩度Cave)を求めた。
こうして得られた各シーンの平均明度Lave、平均彩度Cave、および輝度比パラメータRの最適値、彩度パラメータCの最適値を下記の表1に示す。
表1に示す、人物を除く全シーンの平均明度Lave、平均彩度Cave、および輝度比パラメータRの最適値、彩度パラメータCの最適値を用いて、輝度比パラメータRの回帰式(5)および彩度パラメータCの回帰式(6)を求めた。
こうして得られた回帰式(5)および(6)による各シーンの輝度比パラメータRの計算値および彩度パラメータCの計算値を下記の表1に示す。
表1から、各シーンの輝度比パラメータRおよび彩度パラメータCの計算値は、それぞれ、輝度比パラメータRおよび彩度パラメータCの最適値に近い値であることが分かる。
Figure 0004448416
これらの式(5)および(6)により求められた輝度比パラメータR(強調パラメータ1)および彩度パラメータC(強調パラメータ2)から、ステップS114で作成した、複数の強調パラメータの組み合わせの3次元色変換テーブルの中から、それぞれの強調パラメータに近い強調パラメータの3次元色変換テーブルを、色の見えの変換に適切な色変換テーブルとして選択した。
但し、被写体が人物中心であるものについては、彩度パラメータ0%、輝度パラメータ20を固定的に使用した。
ステップS117:
ステップS105で求められたX,Y,Z三刺激値画像(測色値D1)を、ステップS116で選択された色変換テーブルを用いて、観察環境下で出力すべきフレア補正後の三刺激値X,Y,Z(測色値D4)が変換された、プリンタに入力すべきRGB信号を算出し、これをプリンタに入力して最終的な出力画像を得た。
ステップS118:
プリント観察条件下にて得られた出力画像(11シーン)について10名の観察者(いずれも富士写真フイルム社員であり、カラーリバーサルフィルムの設計開発評価業務に携わる者)によって好ましさの心理評価を行った結果、全シーンを平均して、輝度比を30倍、彩度Cを2.5%向上させた値の場合に比べ、さらに良好な結果が得られた。
なお、上述した例では、測色値D1をプリンタに入力すべき画像データD7に変換する色変換テーブルは、コントラスト変換、彩度変換、色順応補正、コントラスト補正、フレア補正および画像データD7への信号変換の各変換および各補正の全てをまとめて1つの色変換テーブルとするものであるが、本発明はこれに限定されず、例えば、カラーリバーサルフィルムの透過原稿画像の画像データ(例えば、RGBデータ)D0から画像データD7(例えば、RGB信号)を得るために、透過原稿画像の画像データD0から測色値D1への色変換、コントラスト変換、彩度変換、色順応補正、コントラスト補正、フレア補正および画像データD7への信号変換の全ての変換や補正をまとめて1つの色変換テーブルとしても良いし、測色値D1から測色値D4を得るために、コントラスト変換、彩度変換、色順応補正、コントラスト補正およびフレア補正の全てをまとめて1つの色変換テーブルとしても良いし、上述した各変換や各補正の1つ1つ毎にそれぞれ1つの色変換テーブルを定義しても良いし、いくつかをまとめて1つの色変換テーブルとしても良い。
例えば、本発明の画像処理方法における処理プロセスは、好ましい色再現処理ユニット34におけるコントラスト変換および彩度変換を有する好ましい見えの再現処理と、見えの忠実再現処理ユニットにおける色順応補正およびコントラスト補正を有する見えの忠実再現処理と、フレア補正部24におけるフレア補正処理との3つの処理として考えることができる。このため、好ましい見えの再現処理、見えの忠実再現処理およびフレア補正処理の3つの処理を1まとまりの処理をする色変換テーブルとして、複数の強調パラメータ(例えば、複数組の輝度比および彩度)に応じて、それぞれ複数の色変換テーブルを作成しておいて、作成された複数の色変換テーブルの中から、シーンに応じて適切な強調パラメータを持つ1つの色変換テーブルを選択するようにしても良い。
しかしながら、見えの忠実再現処理およびフレア補正処理は、透過画像および写真プリント等の反射画像の観察環境に応じた固定の処理となるのに対し、好ましい見えの再現処理は、複数の強調パラメータにそれぞれ応じた複数の処理となるので、見えの忠実再現処理およびフレア補正処理をする固定の色変換テーブルを作成しておくとともに、好ましい見えの再現処理をする色変換テーブルとして、複数の強調パラメータに応じて、それぞれ複数の色変換テーブルを作成しておき、作成された複数の色変換テーブルの中から、シーンに応じて適切な強調パラメータを持つ色変換テーブルを選択して、選択された色変換テーブルによる処理を行った後に、見えの忠実再現処理およびフレア補正処理をする固定の色変換テーブルによる処理を行うのが好ましい。この場合にも、見えの忠実再現処理およびフレア補正処理をそれぞれ行う固定の色変換テーブルをそれぞれ作成して用いても良いのはもちろんである。
ところで、本発明のさらに好ましい実施形態として、こうして作成した色変換テーブル(色変換プロファイル)に変更を加えることが挙げられる。
これは、
1.本発明の画像処理方法による色変換のマッピングの目標と、システムの色再現域との関係から、
a)色が飽和するような現象(高彩度色の明暗コントラストが上手く表現されないケース)、および
b)高彩度域で必要以上にコントラストが発生するケースが生じる可能性があるためである。
2.再現色をさらに好みの方向(色相、彩度、明度)へ再現することを可能にすることで、より好ましい画像再現を達成するためである。
すなわち、上記理由1のようなケースでは、本発明の画像処理方法の色変換のみの場合には、システムの色再現域の制限が原因で、色域外へのマッピングの必要が生じてしまうことがある。従って、本発明においては、システムの色再現域を考慮した色変換を行うことがさらに好ましいからである。
作成した色変換テーブル(色変換プロファイル)に変更を加える方法としては、以下のような方法、すなわち本出願人の出願に係る特開平11−205620号公報に開示された色変換テーブル(3次元ルックアップテーブル;3DLUT)の補正法を用いることができる。
この補正法は、色変換テーブルに対し、現状の色と目標色を与え、色変換テーブル(3DLUT)を部分的に変更する方法である。
図7に、本補正法の一例のフローチャートを示す。
まず、高精度3DLUT(M×M×M段)が生成され、メモリに格納されているとする。一方、目的色および所望色は、予め決定され、その濃度が計測され、それぞれ目的色データおよび所望色データとして入力され、メモリに格納され、もしくは、画像処理ユニット12のCPUなどの作業用メモリ等に保持され、いつでも利用可能であるものとする。
例えば、目的色としては、ユーザが仕上がりの色を変えたいと思う色であれば、どのような色であってもよく、特に限定されないが、例えば、肌色、青空色、草木色(緑色)などの重要色であってもよい。また、これらの目的色を色変換して仕上げる目標となる所望色は、ユーザの好みや色の見えや色再現の忠実性や観察条件に応じて適宜設定すれば良く、特に制限されない。例えば、本発明法においては、任意の感光材料に再現される肌色を目的色とし、この目的色を目標とする別の感光材料の肌色に合わせるようにしてもよいし、任意の感光材料に再現される青空色を目的色として目標とするカラーチャートの青空色に合わせるようにしてもよい。ここで、目的色としては、カラーチャートを用いる場合には同一色について1点でもよいが、好ましくは、特に別種の感光材料を用いる場合には、同一色について複数の点を求め、その平均値をデータとして用いるのがよい。なお、目的色として複数の色を選択することも可能である。
次に、3DLUTは、メモリから読み出され、3DLUTの格子点データと、取得されている目的色データとを用いて、色空間での3DLUTの格子点と目的色との距離を、例えば下記式(7)および(8)に従って演算する。格子点と目的色との距離を演算する色空間は、特に制限的ではなく、例えばL空間やXYZ空間などの測色空間でも、RGB色空間やCMY色空間などの濃度空間であってもよい。
このような色空間における2つの色間の距離は、例えばL空間およびRGB濃度空間において、以下のように定義される。
・L空間の距離
色空間上の2点(L1、a1、b1)と(L2、a2、b2)との距離の定義は、色差の式と同じで下記式(7)で定義される。
ΔE=√{(L1−L2)2+(a1−a2)2+(b1−b2)2} ……(7)
・RGB濃度空間の距離
濃度の場合も同様に色空間上の2点(Db1、Dg1、Dr1)と(Db2、Dg2、Dr2)との距離は、下記式(8)で定義される。
ΔD=√{(Db1−Db2)2+(Dg1−Dg2)2+(Dr1−Dr2)2} ……(8)
こうして演算された距離に応じて目的色を目標となる所望色に変換するのに必要な変換量を算出する。このようにして算出された変換量だけ、対応する格子点データを補正して、補正格子点データを決定し、補正された3DLUT(M×M×M段)を作成することができる。
この距離に応じた変換量の算出および補正格子点データの決定ならびに補正3DLUTの作成を行う簡単な方法としては、色空間上のある目的色の濃度点を目標となる所望色に変換する濃度変更データを中心にして、その周囲の点には中心からの距離に比例して濃度変更データが減少していくように操作すればよい。例えば、データ点からの距離が視覚と対応するように、濃度データを一旦L値に変換し、L色空間上で上記の操作を行うようにすることができる。
なお、本発明における色変換テーブルに変更を加える方法は、上述した3DLUTの補正法に限定されず、マトリックス変換法やその他の色変換法で色変換テーブルを変更しても良い。また、この色変換の変更を、色変換テーブルそのものを変更すること以外に、これと同様の効果を生じる多段プロセスとして実現しても良い。
〔実施例3〕
次に、図5および図6に示す本実施形態の画像処理方法を実施して得られた複数の色変換テーブルの中の1つによって、カラーリバーサルフィルムの透過画像からプリント画像への色変換を行ったところ、赤色の再現が飽和気味にて、明暗の描写が乏しい画像再現であった。
表2に示す修正前の現状色と目標色との組み合わせを与え、図7に示す補正法で修正した色変換テーブルを作成した。
Figure 0004448416
なお、表2において、色データのNo.2〜No.12までが、赤色を示しており、目標色と現状色の差(色差、明度差、ab差)が大きく、変更が望まれるが、その他の色データは、変更されないようにする必要があることがわかる。
こうして得られた修正色変換テーブルは、表3に示すように、目標色に対して以下の精度で作成できた。
Figure 0004448416
なお、表3において、色データのNo.2〜No.12までの赤色領域では、目標色と修正後の出力色の差(色差、明度差、ab差)が小さくなり、修正後の出力色が、目標色に近づき、大きく改善された一方、変更が望まれていないその他の色データでも、目標色と修正後の出力色の差(色差、明度差、ab差)は小さいままで、大きくなっておらず、あまり変更されていないことがわかる。
こうして修正された色変換テーブル(プロファイル)を用いて作成した画像は、修正前の画像に対し、目標の赤色領域(表2の色データのNo.2〜No.12)でコントラスト感が豊富となり、さらに好ましい画像が得られた。
以上、本発明の画像処理方法および装置、これを用いる画像形成装置ならびに画像処理方法を実行する画像処理プログラムおよびこれを記録した記録媒体について、種々の実施形態や実施例を挙げて、詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
例えば、本発明は、画像再現の対象となる被写体画像をモニタ等に表示された透過画像(ソフトコピー画像)とし、透過画像と見えが一致する再現画像をプリント画像(ハードコピー画像)とするものであっても良い。すなわち、透過画像は、リバーサルフィルムの透過画像に限定されず、透過画像を観察する観察照明条件を取得することができれば、どのような透過画像やソフトコピー画像であっても良い。
また、リバーサルフィルムの透過画像を観察するための光源の照度は、リバーサルフィルムの透過画像を観察するビュアーやプロジェクタの性能値から推測することが可能である。
また、前述の観察環境のフレア率は、通常、モニタまたはプリントの表面で直接反射される光の割合で示される。この値は、プリントを観察する環境の周囲の状況に大きく依存し、周囲が白い壁で覆われているような場合には、フレア率は高くなる。ちなみに、真上からの照明で周囲がグレーの壁で覆われているような環境下におけるプリントのフレア率は約2%であり、観察環境のフレア率が予め予測できない場合には、この値を使用することが好ましい。
さらに、式(4)で表わされるフレア補正は、いわゆる階調変更として実装することが可能であり、通常は、フレア率に対応した複数の補正テーブル(1DLUT)を用意しておくことで対応可能である。
なお、上述の本発明の第1の態様の画像処理方法は、これをコンピュータ制御により実行させることが可能であり、本発明の技術的範囲は、そのようなコンピュータ制御のためのプログラム、さらにはこのプログラムを記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体にも及ぶものである。
本発明の画像処理装置を備えた本発明の画像形成装置の一実施形態のブロック図である。 図1に示す画像形成装置の色変換テーブル作成部の一実施形態のブロック図である。 図2に示す色変換テーブル作成部の見えの忠実再現処理ユニットの一実施形態のブロック図である。 図2に示す色変換テーブル作成部の好ましい色再現処理ユニットの一実施形態のブロック図である。 本発明の画像処理方法の一実施形態における処理の流れの一例を説明するフローチャート(その1)である。 本発明の画像処理方法の一実施形態における処理の流れの一例を説明するフローチャート(その2)である。 本発明の画像処理方法に用いられる色変換テーブルの補正法の処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
符号の説明
10 画像形成装置
11 画像入力ユニット
12 画像処理ユニット
12a 色変換テーブル作成部
12b 色変換テーブル格納部
12c 画像特徴量算出部
12d 色変換テーブル選択部
12e 変換処理部
14 画像出力ユニット
18 透過画像観察条件取得ユニット
20 再現画像観察条件取得ユニット
22 見えの忠実再現変換ユニット
22a 見えの忠実再現順変換ユニット
22b 見えの忠実再現逆変換ユニット
24 フレア補正部
26,26a,26b,40a,40b 色順応変換部
28,28a,28b,42a,42b 非線形信号変換部
30,30a,30b,44a,44b 色属性変換部
32 見えの忠実再現処理ユニット
34 好ましい色再現処理ユニット
36 コントラスト・彩度変換ユニット
36a 色の見え順変換ユニット
36b 色の見え逆変換ユニット
38a,38b 透過画像観察条件設定ユニット

Claims (25)

  1. 被写体画像の第1のデジタル画像データを取得し、
    前記被写体画像もしくはその被写体を照明する第1の光源の照明光の色度値および照度値を取得し、
    前記被写体画像の再現画像を観察する際の第2の光源の照明光の色度値および照度値を取得し、
    前記第1および前記第2の光源の照明光の色度値および照度値を用いて、前記被写体画像が再現された前記再現画像の見えと、前記被写体画像との見えとを一致させるための見えの変換処理を、前記第1のデジタル画像データに施す画像処理方法であって、
    前記見えの変換処理は、
    前記第1の光源の照明光の色度値および照度値から、前記被写体画像の照明色に対して順応度で順応すると仮定した場合に求められる色度値をもとに、前記第1のデジタル画像データから得られた前記被写体画像の測色値に対して行って前記被写体画像の変換済測色値を得るコントラスト変換および彩度変換の少なくとも一方と、
    前記第1および第2の光源の照明光の色度値および照度値から前記被写体画像の変換済測色値に対して行う色順応補正と、
    前記第1および第2の光源の照明光の照度値から前記被写体画像の変換済測色値に対して行うコントラスト補正と、
    前記被写体画像を前記再現画像として出力する際のフレア量から前記色順応補正処理および前記コントラスト補正処理が行われた前記被写体画像の測色値を補正して前記再現画像の出力すべき測色値を得るフレア補正とを備え、
    前記コントラスト変換、前記彩度変換、前記色順応補正、前記コントラスト補正および前記フレア補正の少なくとも1つの処理は、1種の変換過程に対して、前記被写体画像の前記第1のデジタル画像データから求められる前記被写体画像の画像特徴量によって設定される、変換強度の異なる複数の色変換テーブルを用いて行われる変換過程を備えており、
    前記被写体画像の前記第1のデジタル画像データに応じて前記複数の色変換テーブルの中から1つの色変換テーブルを選択し、
    選択された前記1つの色変換テーブルを用いて、前記少なくとも1つの処理を行うことにより、前記見えの変換処理を行い、前記再現画像の前記出力すべき測色値から前記再現画像の第2のデジタル画像データを得ることを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記見えの変換処理の全ての処理は、1つの変換処理として行われ、1つの変換処理に対する前記1種の変換過程として1種の色変換テーブルが設定され、前記1種の変換過程に対する前記変換強度の異なる複数の変換過程として、前記1種の色変換テーブルに対して、強調パラメータが異なる複数の色変換テーブルが設定される請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記強調パラメータは、前記第1の光源の照明光の下での輝度に対する輝度比および彩度であり、前記輝度比並びに彩度アップ率を複数の値に設定して、これらを組み合わせた複数の色変換テーブルが設定される請求項2に記載の画像処理方法。
  4. 前記複数の色変換テーブルの中から1つの色変換テーブルを選択する際に、前記強調パラメータとしての輝度比並びに彩度アップ率の複数の値を組み合わせた色変換テーブルを用いた見えの変換処理を行って得た見えの再現画像を複数作成し、前記再現画像(撮影シーン)毎に最適な見えの再現が行われた画像を選び出し、当該画像に対応する前記強調パラメータの値を参照する請求項3に記載の画像処理方法。
  5. 被写体が人物中心である画像(撮影シーン)については、前記強調パラメータとしての輝度比並びに彩度アップ率を固定的に用いる請求項4に記載の画像処理方法。
  6. 前記輝度比を10〜100の範囲とし、前記彩度アップ率を0%〜20%の範囲とする請求項3〜5のいずれかに記載の画像処理方法。
  7. 前記被写体画像は、前記被写体を撮影して得られたものであり、
    前記第1のデジタル画像データは、前記被写体を撮影したカラーネガフィルムから光電的に読み取られた画像データまたは、前記被写体を撮影して直接光電的に取得された画像データであり、
    前記第1の光源は、前記被写体を撮影する時に前記被写体を照明する光源である請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理方法。
  8. 前記被写体画像は、観察される透過画像であり、
    前記第1のデジタル画像データは、前記透過画像の画像データであり、
    前記第1の光源は、前記透過画像を観察する時に前記透過画像を照明する光源である請求項1〜7のいずれかに記載の画像処理方法。
  9. 前記透過画像は、観察されるカラーリバーサルフィルムの透過画像であり、
    前記透過画像の画像データは、前記カラーリバーサルフィルムから光電的に読み取られた画像データである請求項8に記載の画像処理方法。
  10. 前記再現画像は、前記被写体画像が再現された、観察される反射画像であり、
    前記第2のデジタル画像データは、前記反射画像を出力するための画像データであり、
    第2の光源は、前記反射画像を観察する時に前記反射画像を照明する光源である請求項1〜9のいずれかに記載の画像処理方法。
  11. 前記反射画像は、写真プリント画像である請求項10に記載の画像処理方法。
  12. 前記1つの色変換テーブルの選択は、前記複数の色変換テーブルの中から、前記被写体画像の前記第1のデジタル画像データから求められる前記被写体画像の画像特徴量によって行われる請求項1〜11のいずれかに記載の画像処理方法。
  13. 前記被写体画像の画像特徴量は、前記被写体画像の明度および彩度を含む1つ以上の属性値に基づいて求められ、合成される前記1つの変換過程は、前記1つ以上の属性値に基づいて求められる請求項12に記載の画像処理方法。
  14. 前記測色値は、三刺激値である請求項1〜13のいずれかに記載の画像処理方法。
  15. 被写体画像の第1のデジタル画像データを取得する第1の取得手段と、
    前記被写体画像もしくはその被写体を照明する第1の光源の照明光の色度値および照度値を取得する第2の取得手段と、
    前記被写体画像の再現画像を観察する際の第2の光源の照明光の色度値および照度値を取得する第3の取得手段と、
    前記第1および前記第2の光源の照明光の色度値および照度値を用いて、前記被写体画像が再現された前記再現画像の見えと、前記被写体画像との見えを一致させるための見えの変換処理を、前記第1のデジタル画像データに施す見えの変換処理手段とを有する画像処理装置であって、
    前記見えの変換処理手段は、前記見えの変換処理として、
    前記第1の光源の照明光の色度値および照度値から、前記被写体画像の照明色に対して順応度1で順応すると仮定した場合に求められる色度値をもとに、前記第1のデジタル画像データから得られた前記被写体画像の測色値に対して行って前記被写体画像の変換済測色値を得るコントラスト変換および彩度変換の少なくとも一方と、
    前記第1および第2の光源の照明光の色度値および照度値から前記被写体画像の変換済測色値に対して行う色順応補正と、
    前記第1および第2の光源の照明光の照度値から前記被写体画像の変換済測色値に対して行うコントラスト補正と、
    前記被写体画像を前記再現画像として出力する際のフレア量から前記色順応補正処理および前記コントラスト補正処理が行われた前記被写体画像の測色値を補正して前記再現画像の出力すべき測色値を得るフレア補正とを行うものであり、
    前記見えの変換処理手段は、
    前記コントラスト変換、前記彩度変換、前記色順応補正、前記コントラスト補正および前記フレア補正の少なくとも1つの処理は、1種の色変換テーブルに対して、前記被写体画像の前記第1のデジタル画像データから求められる前記被写体画像の画像特徴量によって設定される、変換強度の異なる複数の色変換テーブルを備える格納手段と、
    前記被写体画像の前記第1のデジタル画像データに応じて、前記複数の色変換テーブルの中から1つの色変換テーブルを選択する選択手段とを有し、
    選択された前記1つの色変換テーブルを用いて、前記少なくとも1つの処理を行うことにより、前記見えの変換処理を行い、前記再現画像の前記出力すべき測色値から前記再現画像の第2のデジタル画像データを得ることを特徴とする画像処理装置。
  16. 前記見えの変換処理手段は、前記見えの変換処理の全ての処理を、1つの変換処理として行い、1つの変換処理に対して前記1種の色変換テーブルが設定され、この1種の色変換テーブルに対する前記変換強度の異なる複数の色変換テーブルとして、強調パラメータが異なる複数の色変換テーブルが設定される請求項15に記載の画像処理装置。
  17. 前記強調パラメータは、前記第1の光源の照明光の下での輝度に対する輝度比および彩度であり、前記輝度比並びに彩度アップ率を複数の値に設定して、これらを組み合わせた複数の色変換テーブルが設定される請求項16に記載の画像処理装置。
  18. 前記複数の色変換テーブルの中から1つの色変換テーブルを選択する際に、前記強調パラメータとしての輝度比並びに彩度アップ率の複数の値を組み合わせた色変換テーブルを用いた見えの変換処理を行って得た見えの再現画像を複数作成し、前記再現画像(撮影シーン)毎に最適な見えの再現が行われた画像を選び出し、当該画像に対応する前記強調パラメータの値を参照する請求項17に記載の画像処理装置。
  19. 被写体が人物中心である画像(撮影シーン)については、前記強調パラメータとしての輝度比並びに彩度アップ率を固定的に用いる請求項18に記載の画像処理装置。
  20. 前記輝度比を10〜100の範囲とし、前記彩度アップ率を0%〜20の範囲とする請求項17〜19のいずれかに記載の画像処理装置。
  21. 前記選択手段は、前記複数の色変換テーブルの中から、前記被写体画像の前記第1のデジタル画像データから求められる前記被写体画像の画像特徴量によって前記1つの色変換テーブルを選択する請求項15〜20のいずれかに記載の画像処理装置。
  22. 前記被写体画像の画像特徴量は、前記被写体画像の明度および彩度を含む1つ以上の属性値に基づいて求められる請求項21に記載の画像処理装置。
  23. 請求項15〜22のいずれかに記載の画像処理装置と、
    この画像処理装置で前記見えの変換処理を行った前記再現画像の第2のデジタル画像データに基づいて写真プリント画像を出力する画像出力手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  24. 請求項1〜14のいずれかに記載の画像処理方法をコンピュータ制御により実行させるための画像処理プログラム。
  25. 請求項24に記載の画像処理プログラムを記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体。
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