JP2003348501A - 画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置

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JP2003348501A
JP2003348501A JP2002149543A JP2002149543A JP2003348501A JP 2003348501 A JP2003348501 A JP 2003348501A JP 2002149543 A JP2002149543 A JP 2002149543A JP 2002149543 A JP2002149543 A JP 2002149543A JP 2003348501 A JP2003348501 A JP 2003348501A
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JP
Japan
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image
color
data
illumination light
creation
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Pending
Application number
JP2002149543A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Nakamura
智幸 中村
Yasuhiro Komiya
康宏 小宮
Takeyuki Ajito
剛幸 味戸
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
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Priority to US10/441,738 priority patent/US6984043B2/en
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B42/00Obtaining records using waves other than optical waves; Visualisation of such records by using optical means
    • G03B42/08Visualisation of records by optical means

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的安価で簡単な構成により、高品質な画
像を表示することが可能な画像表示装置を提供する。 【解決手段】 異なる入射角で入射された光を略均一の
指向性をもつ拡散光として射出するスクリーン94と、
このスクリーン94上において重ね合わされるように同
一の対象物に係る画像を各々投射する複数のプロジェク
タ91,92と、上記スクリーン94上において重ね合
わされる画像の位置ずれおよび歪みを補正するための幾
何補正処理部93と、を備え、プロジェクタ91は、プ
ロジェクタ92に対して、略面対称となるように空間的
に配置されていて、投射する画像がスクリーン94上に
おいて略一致するように打ち上げ角をもって画像を投射
するものである多原色表示装置1Aでなる画像表示装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示装置、よ
り詳しくは、複数のプロジェクタにより同一の対象物に
係る画像をスクリーン上において重ね合わされるように
投射する画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーCRTモニタやカラープリ
ンタなどの複数のカラー画像機器間で入出力画像の色を
合わせるカラーマネージメントシステム(CMS)が、
カラー画像を扱う様々な分野において普及しつつある。
【0003】ところで、同一の三刺激値XYZに基づく
色を、異なる照明環境下で観察すると、色順応などの人
の知覚特性の変化により、異なって見えてしまうことが
あることが知られているが、上述したようなシステムに
おいて、照明光が異なる環境下で再現画像を観察する場
合にも、この課題が発生していた。
【0004】上記三刺激値XYZは、国際照明委員会
(CIE)が定めた色の定量値であって、同一照明光下
においては同じ色の見えを保証するものであるが、上述
したような異なる照明光下での色について対応するもの
とはなっていない。
【0005】このような課題を解決するために、従来の
CMSは、色順応モデル等の人の色知覚モデルを用い
て、異なる環境下で同じ色の見えを与える三刺激値の対
応色を求めて再現することを目標としていた。このよう
な色順応を含む人の色知覚については、例えばMark.D.F
airchildによる「Color Appearance Models」(Addison
Wesley(1998))に記載されているように、幾つかのモデ
ルが提案されており、より正確な色予測が可能なモデル
の構築を目指して研究が進められている。
【0006】このような別環境における被写体の色の見
えを再現する従来のCMSに対して、特開平9−172
649号公報に記載されているカラー画像記録再生シス
テムは、画像撮影手段(画像入力装置)により撮影され
た被写体を、撮影時とは異なる照明環境下で再現する際
に、被写体の分光反射率画像を推定して、推定した分光
反射率画像に観察側の照明光スペクトルを掛けることに
より、観察照明光下における三刺激値を求めて再現する
ものとなっている。このような照明変換を行う技術は、
実際に観察を行う照明光下に被写体がある場合の三刺激
値を再現するものとなっているために、色順応等の人の
視覚特性を考慮することなく、正確に色の見えを再現す
ることが可能であるという利点がある。
【0007】ところで、LCD等の表示デバイスにより
表示した画像を、光源により照明して投影光学系により
スクリーン上に投射するようになされた画像表示装置
は、従来より種々のものが提案され、製品化されてい
る。
【0008】このような画像表示装置においても、表示
画像の品質を向上する様々な技術が用いられており、例
えば、製品化された比較的高価な画像表示装置の例とし
ては、同一の画像を複数のプロジェクタにより投影して
スクリーン上で重ね合わせることにより、表示される画
像の輝度を向上するようにしたものがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したような画像表
示装置においても、色再現性の高い画像、輝度の高い画
像、あるいは立体的に見える画像などの高品質な画像
を、特段に複雑で高価な装置構成とすることなく、表示
し得るようにすることが望まれている。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、比較的安価で簡単な構成により、高品質な画像を
表示することが可能な画像表示装置を提供することを目
的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明による画像表示装置は、スクリーン
と、このスクリーン上において重ね合わされるように同
一の対象物に係る画像を各々投射する複数のプロジェク
タと、を具備し、上記複数のプロジェクタの内の一のプ
ロジェクタは、該複数のプロジェクタの内の他のプロジ
ェクタに対して、略面対称となるように空間的に配置さ
れていて、投射する画像がスクリーン上において略一致
するように打ち上げ角をもって画像を投射するものであ
る。
【0012】また、第2の発明による画像表示装置は、
上記第1の発明による画像表示装置において、上記プロ
ジェクタはリア投射方式であって、上記スクリーンは異
なる入射角で入射された光を略均一の指向性をもつ拡散
光として射出するような透過型スクリーンとして構成さ
れたものである。
【0013】さらに、第3の発明による画像表示装置
は、上記第1または第2の発明による画像表示装置にお
いて、スクリーン上において重ね合わされる画像の位置
ずれおよび歪みを補正するための幾何補正手段をさらに
具備したものである。
【0014】第4の発明による画像表示装置は、上記第
1から第3の発明による画像表示装置において、4原色
以上のカラー画像出力、立体視のための画像出力、表示
輝度を向上するための画像出力、の内の何れか1つの画
像出力、またはこれらの2以上の組み合わせによる画像
出力が可能となるように構成されたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を具体的に説
明する前に、まず、本発明に用いられる色再現の原理に
ついて説明する。
【0016】この色再現の原理は、作成者が対象物の画
像を作成した際の画像出力装置に入力された信号値と、
作成時の画像出力装置の情報と、作成時の照明光のスペ
クトル情報と、作成者の視覚特性に関する情報と、を用
いて、作成された対象物の分光反射率を推定するもので
ある。
【0017】また、ここでは、RGB蛍光体に信号を送
りカラー画像を表示するモニタを画像出力装置の例にと
り、該RGB蛍光体へ送られた信号値(RGB値)から
対象物の分光反射率を推定する手段について説明する。
【0018】RGB値がモニタに送られると、該モニタ
のγ特性を用いて、RGB値の非線型な変換が行われ
る。このときRGBのγ特性を、それぞれγR[R],γG
[G],γB[B]とする。
【0019】モニタからの発光は、RGB蛍光体の各々
による発光の和となるために、γ特性により変換された
RGB信号値による発光と、モニタのバイアス光と、を
加算したものが、モニタからのスペクトル光P(λ)と
なり、以下の数式1に示すように表される。
【数1】 ここに、PR(λ),PG(λ),PB(λ)はR,G,
B各蛍光体の最大発光時のスペクトル、b(λ)はバイ
アス光のスペクトルである。
【0020】モニタから発光されたスペクトルにより作
成者が色として感じられる三刺激値(XYZ値)は、等
色関数x(λ),y(λ),z(λ)を用いて、次の数
式2に示すように表される。
【数2】
【0021】この数式2は、マトリクスを用いることに
より、次の数式3に示すように表される。
【数3】 ここに、
【数4】
【数5】
【数6】
【数7】 であり、右肩の記号「T」は転置を表している。
【0022】一方、作成者の意図する対象物の分光反射
率をf(λ)、作成時の照明光スペクトルをE0(λ)
とすると、対象物f(λ)が照明光E0(λ)の下にあ
るときに作成者が実際に感じる対象物の色は、次の数式
8に示すような三刺激値X’Y’Z’により表される。
【数8】
【0023】ここで、対象物の分光反射率f(λ)が3
個の基底関数el(λ)(l=1〜3)により展開可能な
統計的性質を有するとすれば、次の数式9に示すように
表すことができる。
【数9】
【0024】これにより上記数式8は、次の数式10に
示すようになる。
【数10】
【0025】画像作成時においては、作成者が上記数式
10に示す三刺激値を得られるように、画像出力装置の
信号値が調整されることになる。すなわち、数式10に
示す三刺激値と上記数式2に示した三刺激値とが一致す
ることになり、次の数式11に示す関係が成り立つ。
【数11】 但し、
【数12】
【数13】 とおいている。
【0026】数式11に示す関係から、被写体の分光反
射率の各基底関数における展開係数cl(l=1〜3)
の推定値は、次の数式14により与えられる。
【数14】
【0027】これより、作成者が与えた画像信号値pか
ら対象物の三刺激値tが数式3によって求まり、さらに
数式14によりcが求まるために、求められたcを用い
ることにより、数式9から対象物の分光反射率f(λ)
が求められる。
【0028】以下、図面を参照して本発明の実施の形態
を具体的に説明する。図1から図5は本発明の第1の実
施形態を示したものであり、図1は色再現装置の概略的
な構成を示すブロック図である。
【0029】この色再現装置は、図1に示すように、作
成者の調整によりカラー画像を作成する画像作成装置3
と、この画像作成装置3により作成された元画像である
RGB信号を受けて画像出力を行う第1の画像出力装置
1と、上記画像作成装置3により作成されたRGB信号
に基づき画像の色補正を行う色再現処理装置5と、この
色再現処理装置5により補正された観察画像であるR’
G’B’信号に基づき観察者により観察可能となるよう
に画像出力を行う第2の画像出力装置2と、を有して構
成されている。
【0030】上記色再現処理装置5は、作成時の画像出
力装置情報と作成時の色再現環境に関する環境情報と観
察時の画像出力装置情報と観察時の色再現環境に関する
環境情報とを外部から入力して保存するプロファイル保
存手段たるプロファイル保存部6と、このプロファイル
保存部6からの出力データと上記画像作成装置3から出
力されたRGB信号とに基づき画像の色補正を行う色補
正手段たる色補正部7と、を有して構成されている。
【0031】なお、本実施形態では、図1に示すよう
に、観察時に使用する画像出力装置は作成時に使用した
画像出力装置とは異なり、かつ観察者は作成者と異なる
場合を想定しているが、勿論これに限定されるものでは
なく、例えば図2に示すようであっても構わない。
【0032】図2は、色再現装置の概略的な構成の他の
例を示すブロック図である。
【0033】この図2に示すように、観察時に使用する
画像出力装置を作成時に使用した画像出力装置1と同一
としても良いし、観察者が作成者と同一人物であっても
構わない。このときには、図示のように、例えば切替ス
イッチ4を設けて、作成時には画像作成装置3からのR
GB出力がそのまま第1の画像出力装置1に入力される
ようにし、観察時には、該切替スイッチ4を切り換える
ことにより、色再現処理装置5により処理されたR’
G’B’信号が第1の画像出力装置1に入力されるよう
にすれば良い。
【0034】この図2に示したような構成例は、例え
ば、作成した画像が示す対象物が、異なる照明下でどの
ように観察されるのかをシミュレーションするなどの用
途に使うことが考えられる。
【0035】また、本実施形態における色再現処理装置
5は、画像作成装置3からのRGB信号を入力して色補
正を行い、色補正されたRGB信号を出力するようにし
ているが、このようなRGB3原色信号を処理するに限
定されるものではなく、3原色以上の多原色信号を入力
または出力するものであっても良いし、あるいは、モノ
クロ画像を入力するものであっても構わない。
【0036】次に、図3を参照して色再現処理装置5内
のプロファイル保存部6の構成について詳細に説明す
る。図3は、プロファイル保存部6の構成を示すブロッ
ク図である。
【0037】このプロファイル保存部6は、大別する
と、作成時の画像出力装置情報と作成時の色再現環境に
関する環境情報とを保存する作成時プロファイル保存部
6aと、観察時の画像出力装置情報と観察時の色再現環
境に関する環境情報とを保存する観察時プロファイル保
存部6bと、を有して構成されている。
【0038】上記作成時プロファイル保存部6aは、入
力デバイスプロファイル保存部11と、作成者等色関数
データ保存部12と、作成照明光データ保存部13と、
対象物特性データ保存部14と、を有して構成されてい
て、上記入力デバイスプロファイル保存部11は、原色
階調データ保存部16と、原色スペクトル保存部17
と、バイアススペクトル保存部18と、を有してなる。
【0039】また、上記観察時プロファイル保存部6b
は、観察照明光データ保存部21と、観察者等色関数デ
ータ保存部22と、出力デバイスプロファイル保存部2
3と、を有して構成されていて、上記出力デバイスプロ
ファイル保存部23は、原色階調データ保存部26と、
原色スペクトル保存部27と、バイアススペクトル保存
部28と、を有してなる。
【0040】上記入力デバイスプロファイル保存部11
には、専用の入力装置31a、ネットワーク32a、記
憶媒体33aなどから、作成時の画像出力装置情報が入
力されるようになっている。
【0041】この作成時の画像出力装置情報は、作成時
に用いる第1の画像出力装置1におけるRGB各原色の
最大出力時のスペクトルデータ(以後、原色スペクトル
データと呼ぶ)と、信号無出力時において画像面上にの
るバイアス成分のスペクトルデータ(以後、バイアスス
ペクトルデータと呼ぶ)と、RGB各入力信号値に対す
るRGB各原色の出力強度値の特性データ(以後、RG
B階調特性データと呼ぶ)と、を含んで構成されてお
り、それぞれ、原色スペクトル保存部17、バイアスス
ペクトル保存部18、原色階調データ保存部16に保存
される。
【0042】また、上記出力デバイスプロファイル保存
部23には、専用の入力装置31c、ネットワーク32
c、記憶媒体33cなどから、観察時の画像出力装置情
報が入力されるようになっている。
【0043】この観察時の画像出力装置情報も同様に、
観察時に用いる第2の画像出力装置2におけるRGB各
原色の最大出力時のスペクトルデータ(上記原色スペク
トルデータ)と、信号無出力時において画像面上にのる
バイアス成分のスペクトルデータ(上記バイアススペク
トルデータ)と、RGB各入力信号値に対するRGB各
原色の出力強度値の特性データ(上記RGB階調特性デ
ータ)と、を含んで構成されており、それぞれ、原色ス
ペクトル保存部27、バイアススペクトル保存部28、
原色階調データ保存部26に保存される。
【0044】さらに、上記作成者等色関数データ保存部
12、作成照明光データ保存部13、対象物特性データ
保存部14、観察照明光データ保存部21、観察者等色
関数データ保存部22には、専用の入力装置31b、ネ
ットワーク32b、記憶媒体33bなどから、環境情報
が入力されるようになっている。
【0045】この環境情報は、より詳しくは、対象物の
画像を作成したときの照明光のスペクトルデータ(以
後、作成照明光データと呼ぶ)と、作成した対象物を観
察したい場所での照明光のスペクトルデータ(以後、観
察照明光データとよぶ)と、作成者の色に関する視覚特
性である等色関数データと、観察者の色に関する視覚特
性である等色関数データと、作成した対象物の基底関数
等のスペクトルに関する統計的性質を表す情報(以後、
対象物特性データとよぶ)と、を有してなり、それぞれ
作成照明光データ保存部13、観察照明光データ保存部
21、作成者等色関数データ保存部12、観察者等色関
数データ保存部22、対象物特性データ保存部14に保
存される。
【0046】上記作成照明光データは、作成時の照明光
による影響をキャンセルするために用いられるものであ
る。すなわち、この作成照明光データと、作成時の画像
出力装置情報と、等色関数データと、を用いることによ
って、任意の可視照明光(例えば、蛍光燈、白熱灯、太
陽光など)の下で作成された対象物の画像から、環境に
依存しない、対象物自体の分光反射率を推定することが
可能である。
【0047】また、上記観察照明光データは、上記分光
反射率とともに用いることによって、実際に画像を観察
したい場所の照明光下における色を算出するためのもの
である。
【0048】これらの作成照明光データと観察照明光デ
ータは、画像の作成時と観察時に実際の環境照明光をス
ペクトル検出センサ等の手段でそれぞれ測定したスペク
トルデータを使用するようにしても良いし、あるいは、
予めデータベース等に登録されている様々な照明光のス
ペクトルサンプルデータから、作成者が対象物の画像を
作成する際あるいは観察者が対象物の画像を観察する際
に、想定した照明光のスペクトルデータを選択して使用
するようにしても構わない。
【0049】さらに、上記対象物特性データは、入力画
像のスペクトル情報が少ない場合でも、精度良く色再現
画像を推定するために用いるものである。
【0050】上記等色関数データは、作成者に係るもの
と観察者に係るものとの両方を国際照明委員会(CI
E)のXYZ等色関数等の標準的に定められた等色関数
を用いるようにしても良いし、あるいは、予め測定また
は推定された個人毎に適切な等色関数を選択して用いる
ようにしても構わない。個人毎に適切な等色関数を用い
た場合には、作成者と観察者との視覚特性の違いを考慮
した色再現が行われることになるために、さらに精度の
良い色再現画像を推定することができる。
【0051】これらの画像出力装置情報や環境情報は、
上述したように、各々専用の入力装置31a,31b,
31c、ネットワーク32a,32b,32c、あるい
は記憶媒体33a,33b,33cの何れかから供給さ
れるが、入力装置31a,31b,31cから取得する
場合には、画像を作成したときの環境情報または画像を
観察したいときの環境情報をリアルタイムに得ることが
できるために、環境が刻々と変化する場合にも色再現の
ための情報を精度良く取得することができる利点があ
る。
【0052】また、画像出力装置情報や環境情報をネッ
トワーク32a,32b,32cまたは記憶媒体33
a,33b,33cから取得する場合には、遠隔地の環
境に合わせて、あるいは過去の環境に合わせて情報を取
得することができる利点がある。また、これらの場合に
は、データベース等を利用して、予め登録されているサ
ンプルデータからユーザーが選択して取得することも可
能であり、データを集積して行くことにより精度を向上
することができる利点がある。
【0053】次に図4と図5を参照して、色再現処理装
置5内の色補正部7の構成と処理の流れについて説明す
る。
【0054】まず、図4は、色再現処理装置5の色補正
部7における処理を示すフローチャートである。
【0055】この処理が開始されると、色補正部7は、
まず画像作成装置3により作成されたカラー画像を入力
してRGB値を読み取り(ステップS1)、上記作成時
プロファイル保存部6aに保存されている作成時の画像
出力装置情報に基づいて、上記RGB値から作成時の照
明光下における対象物の三刺激値tを算出する(ステッ
プS2)。
【0056】次に、作成時プロファイル保存部6aに保
存されている作成照明光データと作成者等色関数データ
と対象物特性データとに基づいて、算出された上記三刺
激値tから対象物の分光反射率f(λ)を推定する(ス
テップS3)。
【0057】そして、観察時プロファイル保存部6bに
保存されている観察照明光データと観察者等色関数デー
タとに基づいて、推定された上記分光反射率f(λ)か
ら、今度は観察時の照明光下における対象物の三刺激値
t’を算出する(ステップS4)。
【0058】最後に、観察時プロファイル保存部6bに
保存されている観察時の画像出力装置情報に基づいて対
象物の三刺激値t’からRGB値を算出し(ステップS
5)、この算出されたRGB値をR’G’B’として第
2の画像出力装置2に出力することにより(ステップS
6)、該第2の画像出力装置2において対象物のカラー
画像が表示される。
【0059】次に、図5は、色再現処理装置5の構成を
示すブロック図である。
【0060】この色再現処理装置5におけるプロファイ
ル保存部6は、既に上記図3において説明したものであ
る。
【0061】また、色再現処理装置5における色補正部
7は、この図5に示すように、大別すると、入力三刺激
値算出部7aと、分光反射率算出部7bと、出力三刺激
値算出部7cと、RGB値算出部7dと、を有して構成
されている。
【0062】上記入力三刺激値算出部7aは、より詳し
くは、原色マトリクス作成部44と、バイアスデータ作
成部45と、階調補正部41と、行列演算部42と、バ
イアス加算部43と、を有して構成されている。
【0063】上記原色マトリクス作成部44は、作成時
プロファイル保存部6aの上記原色スペクトル保存部1
7に保存されている原色スペクトルデータPR(λ),
G(λ),PB(λ)と、上記作成者等色関数データ保
存部12に保存されている作成者等色関数データx
(λ),y(λ),z(λ)と、を用いて、第1の画像
出力装置1におけるRGB各原色のXYZ三刺激値を3
行3列(3×3)のマトリクスMとして作成する。
【0064】上記バイアスデータ作成部45は、作成時
プロファイル保存部6aの上記バイアススペクトル保存
部18に保存されているバイアススペクトルデータb
(λ)と、上記作成者等色関数データ保存部12に保存
されている作成者等色関数データx(λ),y(λ),
z(λ)と、に基づき、第1の画像出力装置1における
バイアス成分のXYZ三刺激値データbを作成する。
【0065】そして、この入力三刺激値算出部7aで
は、まず階調補正部41が、画像作成装置3から出力さ
れたRGB値と、上記原色階調データ保存部16に保存
されているガンマ曲線γR[R],γG[G],γ
B[B]とに基づいて、階調の補正を行い、補正された
スペクトル光を示すベクトルpを出力する。
【0066】次に、上記行列演算部42が、この階調補
正部41による補正結果のベクトルpと上記原色マトリ
クス作成部44において作成された原色マトリクスデー
タMとに基づき、行列演算を行って演算結果のMpを出
力する。
【0067】さらに、上記バイアス加算部43が、上記
行列演算部42により算出された三刺激値Mpに、上記
バイアスデータ作成部45で作成されたバイアス成分の
三刺激値bを加算することにより、作成時における対象
物の三刺激値tを算出して、分光反射率算出部7bに出
力する。
【0068】次に、上記分光反射率算出部7bは、より
詳しくは、対象物展開係数算出部47と、分光反射率合
成部48と、対象物展開係数算出マトリクス作成部49
と、を有して構成されている。
【0069】上記対象物展開係数算出マトリクス作成部
49は、作成時プロファイル保存部6aの上記作成者等
色関数データ保存部12に保存されている作成者の等色
関数データx(λ),y(λ),z(λ)と、上記作成
照明光データ保存部13に保存されている作成時の照明
光のスペクトルデータE0(λ)と、上記対象物特性デ
ータ保存部14に保存されている対象物の基底関数デー
タel(λ)(l=1〜3)と、を用いて、対象物の展
開係数cl(l=1〜3)を推定するためのマトリクス
-1を作成する。
【0070】次に、上記対象物展開係数算出部47が、
この対象物展開係数算出マトリクス作成部49により作
成されたマトリクスV-1を用いて、入力三刺激値算出部
7aにより算出された作成時における対象物の三刺激値
tに基づき、対象物の展開係数cl(l=1〜3)を算
出する。
【0071】そして、上記分光反射率合成部48が、推
定された対象物展開係数cl(l=1〜3)と、上記対
象物特性データ保存部14に保存されている対象物の基
底関数データel(λ)(l=1〜3)と、を用いて、
対象物の分光反射率f(λ)を合成する。
【0072】続く出力三刺激値算出部7cは、上記分光
反射率算出部7bにより算出された対象物の分光反射率
f(λ)と、観察時プロファイル保存部6bの上記観察
照明光データ保存部21に保存されている観察時の照明
光のスペクトルデータEs(λ)と、観察者等色関数デ
ータ保存部22に保存されている観察者等色関数データ
x’(λ),y’(λ),z’(λ)と、に基づいて、
観察照明光下における対象物のXYZ三刺激値t’を算
出して、RGB値算出部7dに出力する。
【0073】このRGB値算出部7dは、より詳しく
は、階調補正部51と、行列演算部52と、バイアス減
算部53と、原色逆マトリクス作成部54と、バイアス
データ作成部55と、階調補正データ作成部56と、を
有して構成されている。
【0074】上記バイアスデータ作成部55は、観察時
プロファイル保存部6bの上記バイアススペクトル保存
部28に保存されている第2の画像出力装置2における
バイアススペクトルデータb’(λ)と、上記観察者等
色関数データ保存部22に保存されている観察者等色関
数データx’(λ),y’(λ),z’(λ)と、に基
づいて、第2の画像出力装置2におけるバイアス成分の
XYZ三刺激値b’を算出する。
【0075】上記原色逆マトリクス作成部54は、観察
時プロファイル保存部6bの上記原色スペクトル保存部
27に保存されている第2の画像出力装置2の原色スペ
クトルデータPR'(λ),PG'(λ),PB'(λ)と、
上記観察者等色関数データ保存部22に保存されている
観察者の等色関数データx’(λ),y’(λ),z’
(λ)と、に基づいて、RGB各原色のXYZ三刺激値
を3×3マトリクスM’として算出した後に、この3×
3マトリクスM’の逆行列M’-1を作成して、上記行列
演算部52に出力する。
【0076】上記階調補正データ作成部56は、観察時
プロファイル保存部6bの原色階調データ保存部26に
保存されている第2の画像出力装置2の各原色の階調特
性データγ'R[R],γ'G[G],γ'B[B]に基づ
き、その逆特性、つまり、各原色の出力強度に対する入
力信号値の特性データγ'R -1[R],γ'G -1[G],
γ'B -1[B]を算出して、階調補正部51へ出力する。
【0077】そして、このRGB値算出部7dでは、ま
ずバイアス減算部53が、上記出力三刺激値算出部7c
により出力された三刺激値t’から、上記バイアスデー
タ作成部55において作成されたバイアス成分の三刺激
値b’を減算する。
【0078】次に、行列演算部52が、上記バイアス減
算部53により減算された結果と、原色逆マトリクス作
成部54において作成された逆行列M’-1と、に基づい
て、行列演算を行う。
【0079】さらに、階調補正部51が、上記行列演算
部52により演算された結果p’を、階調補正データ保
存部に保存されているガンマ曲線の逆特性γ'
R -1[R],γ'G -1[G],γ'B -1[B]により階調補
正し、RGB値に変換する。
【0080】こうして、RGB値算出部7dにより算出
されたRGB値は、R’G’B’として上記第2の画像
出力装置2に出力され、該第2の画像出力装置2におい
て対象物のカラー画像が表示される。
【0081】なお、上述した説明における「環境」とい
う用語は、色に影響を与えるような要因を広く含む概念
を示しており、照明光スペクトルだけでなく、等色関数
や対象物の特性(基底関数)といったものも含んでい
る。
【0082】また、画像出力装置としては、モニタ等の
表示装置が主な例として挙げられるが、これに限らず、
プリンタ等の画像出力装置であっても構わない。
【0083】このような第1の実施形態によれば、作成
時および観察時の画像出力装置の情報と、作成時および
観察時の照明光のスペクトル情報と作成者および観察者
の視覚特性データと作成した画像における対象物のスペ
クトル統計データとを含む色再現環境情報と、を参照し
て画像変換を行っているために、画像の作成場所と観察
場所とを遠隔化することができる。
【0084】こうして、画像作成装置により作成された
カラー画像を、作成時とは異なる環境下で再現しても、
作成者が意図した対象物の色を正確に再現することが可
能となる。
【0085】図6から図8は本発明の第2の実施形態を
示したものであり、図6は色再現装置の概略的な構成を
示すブロック図である。この第2の実施形態において、
上述の第1の実施形態と同様である部分については同一
の符号を付して説明を省略し、主として異なる点につい
てのみ説明する。
【0086】この第2の実施形態の色再現装置は、図6
に示すように、作成者の調整によりカラー画像を作成す
る画像作成装置3と、この画像作成装置3により作成さ
れたRGB信号を受けて画像出力を行う第1の画像出力
装置1と、上記画像作成装置3により作成されたRGB
信号に基づき画像の色補正を行う色再現処理装置5A
と、この色再現処理装置5Aにより補正されたR’G’
B’信号に基づき画像出力を行う第2の画像出力装置2
と、作成時の照明光に関する環境情報を検出する第1の
照明検出センサ61と、観察時の照明光に関する環境情
報を検出する第2の照明検出センサ62と、を有して構
成されている。
【0087】上記色再現処理装置5Aは、上記第1の照
明検出センサ61または第2の照明検出センサ62から
のセンサ信号を入力して作成時または観察時の照明光の
スペクトルデータを算出する照明光スペクトル算出部8
と、この照明光スペクトル算出部8により算出された照
明光スペクトル情報を入力して保存するとともに、外部
から画像出力装置情報と色再現環境に関する環境情報と
を入力して保存するプロファイル保存部6と、このプロ
ファイル保存部6からの出力データと上記画像作成装置
3から出力されたRGB信号とに基づき画像の色補正を
行う色補正部7と、を有して構成されている。
【0088】図7は、照明検出センサの具体的な構成例
を示す図である。
【0089】上記第1の照明検出センサ61または第2
の照明検出センサ62は、図7に示すように、入射する
照明光を均一な白色光量を与えるように拡散させながら
透過させる白色拡散板64と、この白色拡散板64を通
過した光の内の所定の波長域の光のみを通過させるため
に配列された複数の分光フィルタ65と、これらの分光
フィルタ65を通過した光を各受光して受光量に応じた
電気信号を出力する複数のフォトダイオード66と、こ
れらのフォトダイオード66から出力される信号を順次
切り替えて出力する信号切替器67と、この信号切替器
67から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換
して上記色再現処理装置5Aの照明光スペクトル算出部
8に出力するA/D変換器68と、を有して構成されて
いる。
【0090】上記フォトダイオード66は、画像イメー
ジを撮像するためのものでないために、通常のフォトダ
イオード等で構わない。
【0091】また、これらのフォトダイオード23の前
に配設される分光フィルタ65は、個々が異なる波長域
を分担しながら、複数のフォトダイオード23の総体と
して可視光域をほぼカバーし得るような光透過特性をも
ったものとなっている。
【0092】ここで、異なる分光感度を有するL個の照
明検出センサが配設されている場合を例にとって、セン
サ出力信号から照明光スペクトルを推定する原理につい
て説明する。
【0093】照明検出センサの分光感度は、図7に示し
た構成例において、分光フィルタ65の分光透過率特性
と、フォトダイオード66の分光感度と、を積算したも
のにより与えられる。
【0094】k番目のセンサにおける分光フィルタおよ
びフォトダイオードによる分光感度をhk(λ)(k=1
〜L)、照明光のスペクトルをE0(λ)とし、この照
明光スペクトルE0(λ)がL個の基底関数sl(λ)
(l=1〜L)により展開可能な統計的性質を有するも
のとする。
【0095】このとき、k番目のセンサ感度により得ら
れる信号gkは、センサ感度が入射光強度に対して線形
な応答をすると仮定すると、次の数式15により与えら
れる。
【数15】
【0096】ここで、照明光のスペクトルE0(λ)が
L個の基底関数sl(λ)(l=1〜L)により展開で
きることから、E0(λ)は展開係数dl(l=1〜L)
を用いて、次の数式16に示すように表される。
【数16】
【0097】これにより、上記数式15は、次の数式1
7に示すようになる。
【数17】 ここに、
【数18】 とおいている。
【0098】L個のセンサ感度について上記数式17に
示すような信号値が得られるために、これらをまとめて
行列式で表すと、次の数式19に示すようになる。
【数19】 この数式19に現れる各ベクトルをg,d、マトリクス
をAとすると、
【数20】 と表現される。
【0099】これらの内の、マトリクスAは、上記数式
18に示したように、既知量である基底関数sl(λ)
と、既知量である分光感度hk(λ)とに基づいて得ら
れるために、既知量である。また、ベクトルgは、観測
(測定)により得られる既知量である。
【0100】従って、未知量である、照明光スペクトル
の各基底関数の展開係数dl(l=1〜L)の推定ベク
トルdは、上記既知量を用いて、次の数式21に示すよ
うに算出することができる。
【数21】
【0101】すなわち、既知量で構成されるマトリクス
Aの逆行列を予め計算しておけば、観測値であるベクト
ルgを得る毎に、この数式21を用いてベクトルdを直
ちに計算することが可能である。
【0102】こうしてベクトルdが得られたら、上記数
式16に代入することにより、照明光のスペクトルE0
(λ)を求めることができる。
【0103】なお、上述では、センサの個数をL個、基
底関数の個数をL個としているが、より一般に、センサ
の個数がm個、基底関数の個数がn個であって、m>n
となる場合には、上述した原理において、gがm次元ベ
クトル、dがn次元ベクトル、Aがm×nの非正方マト
リクスとなる。
【0104】このときには、次の数式22に示すような
最小二乗法を用いることにより、基底関数の展開係数を
求めることができる。
【数22】
【0105】また、例えば、「Natural color reproduc
tion of human skin for telemedicine」(Ohya et a
l.)(SPIE Vol.3335の第263頁から第270頁)(S
PIE Conference on Image Display (San Diego, Califo
rnia February 1998))等に記載されているようなWiene
r推定を用いることにより、次の数式23に示すように
基底関数の展開係数を求めても良い。
【数23】 ここに、記号「<>」は、アンサンブル平均をとる演算子
を示している。
【0106】あるいは、m個のセンサ出力を全て用いる
のではなく、適宜のセンサ出力を間引くことにより、n
個のセンサ出力のみを用いるようにしても良いし、m個
のセンサ出力を補間することにより、n個のセンサ出力
を作成するようにしても構わない。このときには、L=
nと置き換えることにより、上述した原理をそのまま適
用することができる。
【0107】なお、m<nとなる場合には、m≧nとな
るように基底関数の組を新たに選び直すか、あるいは、
データベース等に用意されている任意の基底関数の個数
に対応することができるように、予め十分な個数のセン
サを用意しておくことが必要となる。
【0108】次に、図8は、色再現処理装置5Aの照明
光スペクトル算出部8の構成を示すブロック図である。
【0109】上記照明光スペクトル算出部8は、様々な
種類の照明光のスペクトルデータが登録されている照明
光スペクトルデータベース75と、この照明光スペクト
ルデータベース75から予め想定される照明光スペクト
ルデータを幾つか選択して照明光基底関数データs
l(λ)(l=1〜L)を作成する照明光基底関数作成
部74と、上記第1の照明検出センサ61または第2の
照明検出センサ62の各分光フィルタ65によるフォト
ダイオード66の分光感度特性データhk(λ)(k=1
〜L)を予め保存しているセンサ分光感度特性データ保
存部73と、上記第1の照明検出センサ61または第2
の照明検出センサ62からの入力信号gと上記照明光基
底関数データsl(λ)と上記分光感度特性データh
k(λ)とに基づいて照明光の展開係数dを算出する照
明光展開係数算出部71と、この照明光展開係数算出部
71により算出された展開係数dと上記照明光基底関数
作成部74により作成して保存されている照明光基底関
数データsl(λ)(l=1〜L)とに基づき作成時ま
たは観察時の照明光のスペクトルE0(λ)を合成する
照明光スペクトルデータ合成部72と、を有して構成さ
れている。
【0110】このような第2の実施形態によれば、上述
した第1の実施形態とほぼ同様の効果を奏するととも
に、照明検出センサを設けたために、画像を作成したと
きの照明光のスペクトル情報または画像を観察するとき
の照明光のスペクトル情報をリアルタイムに取得するこ
とができ、環境が刻々と変化する場合にも精度良く色再
現を行うための情報を得ることができる。
【0111】そして、照明光スペクトル算出部におい
て、予め想定される照明光スペクトルデータの統計情報
を照明光の基底関数データとして用いることにより、照
明検出センサからの出力信号が少ないスペクトル情報し
かない場合にも、精度良く作成時または観察時の照明光
のスペクトルを推定することが可能となる。
【0112】図9から図12は本発明の第3の実施形態
を示したものであり、図9は色再現装置の概略的な構成
を示すブロック図である。この第3の実施形態におい
て、上述の第1,第2の実施形態と同様である部分につ
いては同一の符号を付して説明を省略し、主として異な
る点についてのみ説明する。
【0113】この第3の実施形態は、作成者が第1の画
像出力装置1を用いて作成した画像自体に、色補正処理
に必要な画像出力装置情報および環境情報の一部を備え
させたものであり、このような照明変換可能なデータ構
造を有する画像データを用いて色補正を行うようにして
いる。
【0114】この第3の実施形態の色再現装置は、図9
に示すように、作成者の調整により対象物のカラー画像
を作成する画像作成装置3と、この画像作成装置3によ
り作成されたRGB信号を受けて画像出力を行う第1の
画像出力装置1と、上記画像作成装置3により作成され
た画像データと画像出力装置情報と作成時の色再現環境
に関する種々の環境情報(作成照明光データや対象物特
性データなど)とを組み合わせて照明光の影響による色
の変化に対する色変換を行うことが可能な画像フォーマ
ット(照明可変CG画像フォーマットと称する)の画像
データ(照明可変CG画像データ)を生成する色再現前
処理部81と、この色再現前処理部81から記憶媒体や
ネットワークを介して出力される照明可変CG画像デー
タに対して色補正を行う色再現処理部5Bと、この色再
現処理部5Bにより色補正された画像データを出力する
第2の画像出力装置2と、を有して構成されている。
【0115】上記色再現処理部5Bは、より詳しくは、
入力された照明可変CG画像データを画像データと作成
時の画像出力装置情報および環境情報とに再度分ける入
力データ分割部82と、この入力データ分割部82によ
り分割された作成時の画像出力装置情報と環境情報とを
作成時プロファイル保存部6aに保存するとともに外部
から与えられた観察時の画像出力装置情報と観察時の環
境情報(観察照明光データなど)とを観察時プロファイ
ル保存部6bに保存するプロファイル保存部6と、この
プロファイル保存部6に保存されている各データを用い
て上記入力データ分割部82により分割された画像デー
タの対象物に照明変換を行う色補正部7と、を有して構
成されている。
【0116】また、上記照明可変CG画像データは、ヘ
ッダ情報と、作成照明光データと、画像出力装置情報
と、対象物特性データと、画像データと、を含んで構成
されている。
【0117】このように、作成時の画像出力装置情報と
作成時の環境情報の少なくとも一部とを画像データ自体
にもたせることにより、画像データを色再現処理部5B
に入力するだけでこれらの情報も取得することができる
ようにするとともに、この画像データに含まれない観察
時の画像入力装置情報と観察時の環境情報とを、上述し
た実施形態と同様に、色再現処理部5Bの外部から入力
することにより取得するようにしている。
【0118】従って、画像データと作成時の画像出力装
置情報と作成時の環境情報の一部とを、色再現前処理部
81により1つのデータ構造にすることによって、観察
照明光を任意に変更することができる扱い易い画像デー
タとなる。
【0119】次に、図10と図11を参照して、この第
3の実施形態における第1の変形例について説明する。
図10は第1の変形例における色再現装置の概略的な構
成を示すブロック図、図11は第1の変形例における実
用的なイメージ例を示す図である。
【0120】この変形例は、それぞれ異なる環境下また
は異なる作成者によって部分的に作成された複数の画像
データを、ある同一の観察環境下における画像へ変換し
て、1枚の画像として合成するものである。
【0121】この第1の変形例における色再現装置は、
図10に示すように、外部から入力される1種類の画像
出力装置情報および1種類の観察照明光データに基づい
て、ネットワーク32dまたは記憶媒体33dから出力
されるN枚の照明可変CG画像データ(第1の照明可変
CG画像データ〜第Nの照明可変CG画像データ)の色
補正をそれぞれ行うN個の色再現処理部(第1の色再現
処理部5B−1〜第Nの色再現処理部5B−N)と、こ
れらN個の色再現処理部5B−1〜5B−Nにより色補
正して出力されたN枚の画像データを1枚の画像データ
として合成する合成手段たる画像合成部84と、この画
像合成部84により合成された画像を観察可能に出力す
る第2の画像出力装置2と、を有して構成されている。
【0122】上記第1の色再現処理部5B−1〜第Nの
色再現処理部5B−Nは、何れも、上記図9に示したよ
うな色再現処理部5Bと同等の内部構成を有している。
【0123】なお、ここでは入力されるN個の照明可変
CG画像データに一対一に対応させて、N個の色再現処
理部5B−1〜5B−Nを設けているが、1つの色再現
処理部5により順次入力されるN個の照明可変CG画像
データを処理するようにしても構わないことは勿論であ
る。
【0124】このように構成された色再現装置におい
て、図11に示すように、例えば植物や車、建造物、背
景等のCG画像データによるパーツを、それぞれ照明可
変CG画像データとしてデータベース等に登録し保存し
ておけば、ユーザーは、このデータベースを参照して、
様々なCG画像データを集めて自由に合成することによ
り、デザインや設計シミュレーションを行うことができ
る。
【0125】このときには、各々のCG画像データが、
異なる作成者、異なる照明環境下、または異なる画像出
力装置において作成されたものであっても、同一の環境
下での色再現画像として容易に合成することができるた
めに、自然なCG合成画像を煩雑な色調整作業を要する
ことなく得ることができる。また、合成した画像に対し
て照明環境を様々に変化させてシミュレーションするこ
とも可能となる。
【0126】さらに、このように構成された色再現装置
において、作成された1枚の画像を対象物毎に複数の領
域に画像分割して複数の照明可変CG画像データとして
保存すれば、各照明可変CG画像データにはそれぞれ異
なる対象物特性データを与えることができるために、こ
れら照明光可変CG画像データを各々照明変換して合成
することにより、元の1枚の画像全体として処理するよ
りも精度良く色再現された画像を得ることができる。
【0127】次に、図12を参照して、この第3の実施
形態における第2の変形例について説明する。図12は
第2の変形例における色再現装置の概略的な構成を示す
ブロック図である。
【0128】上述した第1の変形例は、複数のCG画像
データ同士を照明光可変に組み合わせるものであった
が、この第2の変形例は、CG画像データ同士だけでな
くさらに実写画像データも照明光可変に組み合わせるこ
とができるようにしたものである。
【0129】すなわち、該第2の変形例は、上記第1の
変形例に示したような照明可変CG画像データと、例え
ば特開平11−96333号公報に記載されているよう
な画像入力装置により撮影された実写画像を照明変換可
能とするフォーマット画像データ(照明可変画像デー
タ)と、を各々色補正してから合成するものである。
【0130】この第2の変形例における色再現装置は、
図12に示すように、合成を行う被写体を撮影する画像
入力装置85と、この画像入力装置85により撮影され
た画像と外部から与えられる撮影時の撮影特性データお
よび撮影照明光データとに基づき後段の色再現処理によ
り照明変換が可能となるような画像フォーマットのデー
タ(照明可変画像データ)に変換して出力する色再現前
処理部81と、この色再現前処理部81から出力された
照明可変画像データと観察照明光データおよび画像出力
装置情報とに基づき観察時の照明環境下における被写体
の画像に色補正を行う実写用色再現処理部5B’と、上
述したような照明可変CG画像データと上記観察照明光
データおよび画像出力装置情報とに基づき色補正を行う
色再現処理部5Bと、この色再現処理部5Bにより色補
正されたCG画像データと上記実写用色再現処理部5
B’により色補正された実写画像データとを合成する合
成手段たる画像合成部86と、この画像合成部86から
出力される合成画像を表示する第2の画像出力装置2
と、を有して構成されている。
【0131】上記照明可変画像データは、ヘッダ情報
と、撮影特性データと、撮影照明光データと、画像デー
タと、を含んで構成されている。
【0132】このような第3の実施形態によれば、上述
した第1,第2の実施形態とほぼ同様の効果を奏すると
ともに、画像データ自体に特性データや照明光データな
どをもたせるようにしたために、画像データの扱いが容
易になり、複数のCG画像同士の合成やCG画像と実写
画像の合成における色補正を簡単に行うことができる。
これにより、遠隔地で作成された複数の画像を精度良く
合成することが可能となる。
【0133】図13から図16は本発明の第4の実施形
態を示したものであり、図13は色再現装置の概略的な
構成を示すブロック図である。この第4の実施形態にお
いて、上述の第1から第3の実施形態と同様である部分
については同一の符号を付して説明を省略し、主として
異なる点についてのみ説明する。
【0134】この第4の実施形態は、4原色以上の多原
色により画像を作成する色再現装置についてのものであ
る。
【0135】この色再現装置は、図13に示すように、
作成者が対象物の画像を作成する際に、4原色以上(こ
こでは6原色)の加法混色によりカラー画像表示が可能
な画像表示装置である多原色表示装置1Aと、4原色以
上(ここでは6原色)の画像信号の調整が可能な画像作
成装置3Aと、を有して構成されていて、図示はしない
が、上述したような色再現装置5や第2の画像出力装置
2をさらに備えて構成されている。
【0136】上記多原色表示装置1Aは、画像作成装置
3Aから出力されたR1,G1,B1、またはR2,G
2,B2の各3原色の画像の幾何的な補正を行う幾何補
正手段たる幾何補正処理部93と、この幾何補正処理部
93により幾何補正されたR1,G1,B1の3原色の
画像信号を受けてそれに応じた3原色のカラー画像出力
を行う第1のプロジェクタ91と、上記幾何補正処理部
93により幾何補正されたR2,G2,B2の3原色の
画像信号を受けてそれに応じた3原色のカラー画像出力
を行う第2のプロジェクタ92と、上記第1のプロジェ
クタ91により背面側から投影されたR1,G1,B1
の画像と上記第2のプロジェクタ92により背面側から
投影されたR2,G2,B2の画像とがほぼ全面に渡っ
て重畳されることにより6原色のカラー画像を表示する
透過型のスクリーン94と、周囲環境の照明光によって
このスクリーン94に表示されたカラー画像が見難くな
るのを防止するためのフード96と、このフード96上
に取り付けられた周囲環境の照明光を検出するための照
明検出センサ95と、を有して構成されている。
【0137】上記幾何補正処理部93は、上記第1のプ
ロジェクタ91によりスクリーン94に投影された画像
と、上記第2のプロジェクタ92によりスクリーン94
に投影された画像と、が重畳して投影される領域におい
て、正確に一致するように、入力された画像に対して幾
何的な補正処理を行うためのものである。
【0138】また、上記第1のプロジェクタ91と第2
のプロジェクタ92とは、スクリーン94に投影する原
色の発光スペクトルを除いて、基本的に同一構造を有し
ている。さらに、各プロジェクタ91,92は、投影光
学系の光軸は互いに略平行であって上記スクリーン94
の主面に対して略垂直となるように配置されており、か
つ、投影画像の中心(スクリーン94のほぼ中心)に向
かう光線が投影光学系の光軸に対して傾きを有するよう
なある打ち上げ角度をもって投射を行うようになってい
る。このとき、各プロジェクタ91,92は、図示のよ
うに例えば上下反転した対称位置に配設されているため
に、各プロジェクタ91,92における透過型LCD等
の表示デバイスに表示される画像は、該プロジェクタ9
1,92自体の上下位置に対して一方が上下反転された
ものとなっており、これによりスクリーン94上におい
ては同一の上下位置の画像となる。
【0139】こうして、第1のプロジェクタ91から投
影された画像と、第2のプロジェクタ92から投影され
た画像とを、スクリーン94上において、大きな歪みや
ボケを生じさせることなく一致して重ね合わせることが
可能となる。
【0140】このとき、各プロジェクタ91,92の投
射光路上に、他方のプロジェクタの投射光路を遮らない
ように幾つかの全反射ミラーを設置することにより、少
ないスペースで光路長を確保して多原色表示装置1Aを
小型化することも可能である。
【0141】ところで、プロジェクタ91,92は、例
えば、照明光をダイクロイックプリズム等でR1,G
1,B1とR2,G2,B2の各色にそれぞれ分離し
て、各色毎に異なる光路上に透過型LCD等の表示デバ
イスを配設する構成となっていることがあるが、このよ
うな構成では、各色の光路長の相違や、波長による瞳位
置のずれなどに起因して、投射される光束の辺縁部など
に色ずれが発生することがある。
【0142】このとき、プロジェクタ同士を上述したよ
うに反転対称となるよう配置することにより、各プロジ
ェクタ同士の色むらの傾向が同一であれば、スクリーン
94に投影された時点で色むら同士が空間的に正反対の
分布となって互いに打ち消し合うために、プロジェクタ
単体で投影した場合よりも色むらを軽減することが可能
となる。
【0143】また、上記スクリーン94は、例えば特願
2000−86994号に記載されているような、異な
る角度で入射された光に対しても略均一の指向性をもつ
拡散光が出射されるように構成されたものある。すなわ
ち、スクリーン94上における同一の位置に入射する光
は、第1のプロジェクタ91からの光と、第2のプロジ
ェクタ92からの光とでは入射角が異なる。このような
場合でも、スクリーン94から出射される光は、何れ
も、該スクリーン94の主面に垂直な方向を中心として
拡散される光となるために、スクリーン94を斜め方向
などから観察しても、両方のプロジェクタ91からの光
が等分に重ね合わされた画像を観察することができるよ
うになっている。こうして、作成者や観察者は、観察角
度をある程度変化させても、色が変化することのない高
品質な画像を観察することが可能となっている。
【0144】上記照明検出センサ95は、上述した第2
の実施形態において図7を参照して説明したようなもの
と同様に構成されていて、上述したように、多原色表示
装置1Aの上部に取り付けられたフード96の先端付近
に配置されている。
【0145】このような構成により、スクリーン94が
周囲の照明光による反射の影響(照明の写り込みなど)
を受けるのを防ぐことができるとともに、照明光センサ
95が、対象物が表示されているスクリーン94の前面
にあたかも入射されるような照明光に関する情報を取得
することができる。
【0146】なお、ここではリア投射方式のプロジェク
タを例に挙げているが、フロント投射方式のプロジェク
タであっても構わない。この場合には、スクリーンは反
射型のものとなる。
【0147】次に、図14は、第1のプロジェクタ91
の原色R1,G1,B1と第2のプロジェクタ92の原
色R2,G2,B2との発光スペクトルを模式的に示す
線図である。
【0148】図示のように、6原色R1,G1,B1,
R2,G2,B2の発光スペクトルは、380nmから
780nmの可視域の波長域をほぼカバーするように、
波長方向に沿って略等間隔に分布していて、その発光強
度のピーク位置は、波長が短い方から長い方に向かっ
て、B1,B2,G1,G2,R1,R2の順となって
いる。
【0149】次に上記画像作成装置3Aについて、図1
5を参照して説明する。図15は画像作成装置3Aにお
いて作成者が6原色の調整を行う際に使用するユーザー
インターフェース画面を示す図である。
【0150】この画像作成装置3Aは、作成者によりR
1,G1,B1,R2,G2,B2の6原色を調整して
6原色画像データを作成し、作成されたR1,G1,B
1,R2,G2,B2の画像信号を上記多原色表示装置
1Aに出力するように構成されたものである。
【0151】作成者は、マウス等を用いて移動可能なポ
インタ104により、操作画面101中の表示画像10
2における対象物の点または領域を指定して、指定され
た点または領域に対して図示のようなステータスバー1
03によりR1,G1,B1,R2,G2,B2の6原
色をそれぞれ独立して調整するようになっている。
【0152】こうして調整された6原色の画像データ
は、作成者による調整と連動して画像作成装置3Aから
多原色表示装置1Aに出力されるために、インタラクテ
ィブに6原色画像の作成を行うことができるようになっ
ている。
【0153】ここに、6原色を調整するための上記ステ
ータスバー103は、作成者が該ステータスバー103
の状態により再現される色を容易に想像することができ
るように、例えばマンセル表色系に対応した各原色を放
射状に配置する等の設計が行われている。
【0154】なお、画像作成装置3Aにおけるユーザー
インターフェースは、必ずしも4原色以上の画像信号を
それぞれ独立して調整する構成である必要はなく、従来
の、RGB3原色により色の調整を行うように構成され
たもの、またはHSV空間等の色相、彩度、明度の3属
性により色の調整を行うように構成されたものであって
も良い。
【0155】図16はRGB入力により色の調整を行っ
て6原色で出力する画像作成装置の構成例を示す図であ
る。
【0156】この画像作成装置3Aは、RGB入力を行
うことにより対象物の色の指定するためのユーザーイン
ターフェース105と、このユーザーインターフェース
105により指定されたRGBを6原色R1,G1,B
1,R2,G2,B2に自動的に分解する6原色分解処
理部106と、を有して構成されている。
【0157】なお、上述では2つのプロジェクタにより
異なる3原色を各投影して、スクリーン上において6原
色の画像を表示しているが、3原色の立体視(3D)画
像を投影して表示することも可能であるし、同一の3原
色画像を投影して輝度の高い表示を行うことも可能であ
る。
【0158】さらに、4つのプロジェクタを用いて12
原色を表示するようにしても良いし、または4つを2つ
ずつの組に分けて6原色の立体視画像を表示するように
しても良いし、あるいは4つをまとめることにより3原
色画像を高輝度で表示するようにしても良いし、4つを
2つずつの組に分けて3原色の立体視画像を高輝度に表
示するようにしても構わない。
【0159】このようにプロジェクタの個数は2つに限
定されるものではなく、任意の個数を配設することが可
能であり、4原色以上のカラー画像出力、立体視のため
の画像出力、表示輝度を向上するための画像出力、の内
の何れか1つの画像出力、またはこれらの組み合わせに
よる画像出力が可能となるように構成されている。
【0160】このような第4の実施形態によれば、上述
した第1から第3の実施形態とほぼ同様の効果を奏する
とともに、4原色以上の画像出力が可能な画像出力装置
を用いることにより、従来の画像作成において一般的に
使用されている3原色表示装置に比して色の表示可能範
囲を飛躍的に拡大することができるために、従来の3原
色表示装置では出せなかった彩度の高い色を用いてカラ
ー画像の作成を行うことが可能となる。
【0161】また、4原色以上の画像信号を各独立して
調整可能な画像作成装置を用いているために、従来の3
原色による調整と比べて、より細かく色相を調整するこ
とができ、作成者が意図する色に比較的容易に調整する
ことが可能となる。
【0162】さらに、3原色または3属性を指定するこ
とにより4原色以上の画像信号を調整可能な画像作成装
置を用いる場合には、作成者が画像出力装置の原色数や
各原色がどのような色であるかを意識する必要がなくな
るために、従来の3原色による画像出力装置を用いた場
合と同様の操作性により、4原色以上によるカラー画像
を作成することが可能となる。
【0163】図17は本発明の第5の実施形態を示した
ものであり、色再現処理装置の構成を示すブロック図で
ある。この第5の実施形態において、上述の第1から第
4の実施形態と同様である部分については同一の符号を
付して説明を省略し、主として異なる点についてのみ説
明する。
【0164】この第5の実施形態は、作成者が対象物の
モノクロ画像を作成した場合に、外部から対象物特性デ
ータとして対象物の分光反射率データ(これも1本の基
底関数データである)を与えることにより、観察時にお
ける対象物の色を算出して、モノクロ画像からカラー画
像を生成して出力するものである。
【0165】本実施形態の色再現装置は、色再現処理装
置5を除いて、上述した第1の実施形態における色再現
装置とほぼ同様の構成となっている。ただし、画像作成
装置3は、対象物の輝度成分のみからなるモノクロ画像
を作成し、その輝度信号を色再現処理装置へ出力するも
のとする。
【0166】次に、図17を参照して、本実施形態にお
ける色再現処理装置の構成について説明する。
【0167】プロファイル保存部6は、作成時プロファ
イル保存部6a’と観察時プロファイル保存部6bとを
有して構成されているが、観察時はカラー画像であるた
めに、観察時プロファイル保存部6bは上述した第1の
実施形態と同様であるのに対して、作成時にはモノクロ
画像であるために、作成時プロファイル保存部6a’の
構成が上述した第1の実施形態とは異なっている。
【0168】すなわち、上記作成時プロファイル保存部
6a’は、原色階調データ保存部16’と、対象物特性
データ保存部14’と、を有して構成されている。
【0169】また、色補正部7は、大別すると、入力輝
度補正部112と、分光反射率算出部113と、出力三
刺激値算出部7cと、RGB値算出部7dと、を有して
構成されている。
【0170】上記入力輝度補正部112は、画像作成装
置3から出力されたモノクロ画像の輝度信号Lと、作成
時プロファイル保存部6a’の原色階調データ保存部1
6’に予め保存されている作成時の第1の画像出力装置
1における輝度信号に対する出力輝度の関係を表す階調
特性データγと、に基づいて、入力輝度信号の階調補正
を行う。
【0171】上記分光反射率算出部113は、入力輝度
補正部112から出力された補正後の輝度値γ[L]と、
作成時プロファイル保存部6a’の対象物特性データ保
存部14’に保存されている対象物の分光反射率データ
である1本の基底関数データe(λ)と、を積算するこ
とにより、対象物の分光反射率f(λ)を算出する。こ
こに、上記1本の基底関数データe(λ)は、ユーザー
によりデータベース等から選択された対象物の輝度成分
を規格化した分光反射率データである。
【0172】こうして、波長λの依存性を含んで以降、
つまりカラー画像に係るデータになって以降の部分であ
る出力三刺激値算出部7cとRGB値算出部7dは、上
述した第1の実施形態の図5に示したものと同様であ
る。
【0173】このような構成の色再現装置は、例えば、
作成者が車(対象物)のデザインを行う際に、その車に
用いるサンプル塗料の色がわからなくても、画像作成装
置を用いて対象物のモノクロ画像をまず作成し、その後
の色補正時に、対象物の基底関数データとしてサンプル
塗料の分光反射率データを与えることにより、観察時に
その塗料を用いた場合の対象物のカラー画像をシミュレ
ートするなどの用途に用いることができる。
【0174】なお、上述では、画像作成装置3により作
成されたモノクロ画像を処理する場合について説明した
が、モノクロ画像を撮像する画像入力装置111の出力
を処理するものであっても構わない。
【0175】このような第5の実施形態によれば、上述
した第1から第4の実施形態とほぼ同様の効果を奏する
とともに、モノクロ画像として作成または撮影された対
象物に対して、分光反射率データを与えることにより、
カラー画像を生成することができて、観察時のカラーシ
ミュレート等を行うことが可能となる。
【0176】図18は本発明の第6の実施形態を示した
ものであり、色再現装置の概略的な構成を示すブロック
図である。この第6の実施形態において、上述の第1か
ら第5の実施形態と同様である部分については同一の符
号を付して説明を省略し、主として異なる点についての
み説明する。
【0177】この第6の実施形態は、作成者により作成
されたカラー画像から対象物の分光反射率を推定する際
に、ユーザーが幾つかの色材(混合して色を作成するた
めの塗料などの材料)を指定して、指定された色材の分
光反射率データに基づいて対象物の分光反射率を展開す
ることにより、対象物を構成するための上記色材の比率
を画像として保存するものである。
【0178】さらに、上記展開された分光反射率を用い
て、様々な照明光下での対象物の色を算出して画像出力
装置に再現することにより、指定された色材を用いて対
象物を構成した場合の、照明光の変化による対象物の色
の変化をシミュレートするためものである。
【0179】この第6の実施形態の色再現装置は、上述
した第1の実施形態の図2に示した構成とほぼ同様に、
作成者の調整によりカラー画像を作成する画像作成装置
3と、この画像作成装置3により作成されたRGB信号
に基づき画像の色補正を行う色再現処理装置5Cと、上
記画像作成装置3により作成されたRGB信号または上
記色再現処理装置5Cにより補正されたR’G’B’信
号を受けて画像出力を行う第1の画像出力装置1と、こ
の第1の画像出力装置1への入力を切り替える切替スイ
ッチ4と、を有して構成されている。
【0180】上記色再現処理装置5Cは、様々な色材の
分光反射率データが予め登録して保存されている色材分
光データベース123と、様々な照明光のスペクトルデ
ータが予め登録して保存されている照明光データベース
122と、これら色材分光データベース123と照明光
データベース122とから入力された幾つかの色材分光
反射率データおよび照明光スペクトルと外部から入力さ
れた画像出力装置情報および作成照明光データとを保存
するプロファイル保存部6と、このプロファイル保存部
6からの出力データに基づいて上記画像作成装置3から
出力されるRGB信号を色補正し、さらに必要に応じ
て、色補正の途中段階において推定された対象物の分光
反射率を後述する色材配分率保存部121へ出力する色
補正部7と、この色補正部7から入力された対象物の分
光反射率と上記色材分光データベース123から入力さ
れた各色材の分光反射率データとに基づき対象物の色を
構成するための各色材の配分率を算出して保存する色材
配分率保存部121と、を有して構成されている。
【0181】上記プロファイル保存部6は、上述した第
1の実施形態の図3に示したものとほぼ同様に構成され
ている。このとき対象物特性データ保存部14には、色
再現処理装置5Cの色材分光データベース123から入
力された幾つかの色材分光反射率データに基づいて作成
される基底関数が保存される。また、観察照明光データ
保存部21には、色再現処理装置5Cの照明光データベ
ース122からユーザーの指定により入力された照明光
のスペクトルデータが保存される。
【0182】上記色補正部7は、上述した第1の実施形
態の図5に示したものと同様に構成されている。このと
き上記分光反射率算出部7bにおいて算出された対象物
の分光反射率f(λ)は出力三刺激値算出部7cへ出力
されるとともに、上述したように、必要に応じて上記色
材配分率保存部121へも出力されるようになってい
る。
【0183】このような構成の色再現装置を用いて、作
成者が、例えば化粧品のパッケージをデザインした場合
に、パッケージに用いる色材を幾つか指定すれば、上記
デザインしたパッケージの色を指定した色材で構成した
場合の、各色材の配分率を推定することができる。
【0184】また、上記色材で構成されたパッケージの
分光反射率を用いて、様々な照明光下におけるパッケー
ジの色をシミュレーションすることにより、例えば照明
光の変化に対して色の変化が少ないような色材を選んで
パッケージのデザインを行うことも可能となる。
【0185】このような第6の実施形態によれば、上述
した第1から第5の実施形態とほぼ同様の効果を奏する
とともに、カラー画像を作成して、対象物を実際に製造
する色材を幾つか指定するだけで、その色の対象物を製
造するのに必要な色材の配分率を自動的に推定すること
が可能となり、また、様々な照明光下における色の見え
をシミュレーションすることもできる。
【0186】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【0187】[付記]以上詳述したような本発明の上記
実施形態によれば、以下のごとき構成を得ることができ
る。
【0188】(1) ある環境下において画像出力装置
を用いて作成された画像を、色補正手段により色変換
し、同一または他の画像出力装置に観察するための画像
を出力する色再現装置であって、上記色補正手段は、作
成時の色再現環境に関する情報と、観察時の色再現環境
に関する情報と、作成時の画像出力装置に関する情報
と、観察時の画像出力装置に関する情報と、を用いて、
作成時の画像から観察時の画像へ色変換を行うものであ
ることを特徴とする色再現装置。
【0189】(2) 上記色再現環境に関する情報とし
て、作成時における照明光のスペクトル情報と、観察時
における照明光のスペクトル情報と、作成者の視覚特性
情報と、観察者の視覚特性情報と、作成された画像にお
ける対象物のスペクトルに関する統計情報と、の内の少
なくとも1つの情報を用いることを特徴とする付記
(1)に記載の色再現装置。
【0190】(3) 上記照明光のスペクトル情報は、
照明検出センサにより照明光を検出して出力された信号
と、複数の照明光スペクトルデータのサンプルが予め保
存されている照明光スペクトルデータベースから選択さ
れた照明光スペクトルデータのサンプルと、の何れかに
基づいて推定されることを特徴とする付記(2)に記載
の色再現装置。
【0191】(4) 上記対象物の統計情報は、対象物
自体の分光反射率データであることを特徴とする付記
(2)に記載の色再現装置。
【0192】(5) 上記対象物の統計情報は、ユーザ
ーにより指定された幾つかの色材の分光データであるこ
とを特徴とする付記(2)に記載の色再現装置。
【0193】(6) 上記画像出力装置を用いて作成さ
れた画像データを、作成時の該画像出力装置に関する情
報と、作成時における照明光のスペクトルデータと、作
成者の視覚特性データと、作成された画像における対象
物のスペクトル統計データと、の内の少なくとも1つを
用いて照明変換可能なデータ構造の画像データにフォー
マット変換する色再現前処理部と、上記色再現前処理部
から出力される上記照明変換可能な画像データを処理し
て所望の観察照明光下における色に補正し出力する色再
現処理部と、をさらに具備したことを特徴とする付記
(2)に記載の色再現装置。
【0194】(7) 上記色再現処理部は複数設けられ
ていて、これらの色再現処理部は、上記照明変換可能な
データ構造にフォーマット変換された複数の画像データ
をそれぞれ色補正するものであり、色補正された複数の
画像データを合成して出力することを特徴とする付記
(6)に記載の色再現装置。
【0195】(8) 上記画像出力装置は、4原色以上
を加法混色することによりカラー画像を表示し得る多原
色表示装置であることを特徴とする付記(1)から付記
(7)の何れか1項に記載の色再現装置。
【0196】(9) ある打ち上げ角度をもって投射を
行う複数台のプロジェクタを、略面対称となるように空
間的に配置して投射を行い、スクリーン上に投影画像を
重ね合わせるように構成されたことを特徴とする画像出
力装置。
【0197】従って、付記(1)に記載の発明によれ
ば、色再現を行うに際して、作成時および観察時の色再
現環境に関する情報と、作成時および観察時の画像出力
装置に関する情報と、に基づいて色補正を行っているた
めに、作成された画像を異なる環境下において観察する
ための画像に精度良く変換することができる。
【0198】なお、この付記(1)には、上述した全て
の実施形態が対応するが、特に第1の実施形態が参照さ
れる。
【0199】また、付記(2)に記載の発明によれば、
付記(1)に記載の発明と同様の効果を奏するととも
に、色再現環境に関する情報として、作成時や観察時に
おける照明光のスペクトル情報、作成者や観察者の視覚
特性情報、作成された画像における対象物のスペクトル
に関する統計情報、を用いているために、作成された画
像における対象物のスペクトルを精度良く推定して、実
際に観察したい場所の照明下における対象物の色を精度
良く再現することができる。
【0200】なお、この付記(2)には、上述した全て
の実施形態が対応するが、特に第1の実施形態が参照さ
れる。
【0201】さらに、付記(3)に記載の発明によれ
ば、付記(2)に記載の発明と同様の効果を奏するとと
もに、作成時や観察時の照明光のスペクトル情報を照明
検出センサにより検出する場合には、照明環境が刻々と
変化してもそれに応じて精度良く色補正を行うことが可
能となる。また、照明光スペクトルデータベースを用い
て、予め想定される照明光スペクトルデータの統計情報
から照明光のスペクトルを推定する場合には、照明検出
センサからの出力信号が少ないスペクトル情報しか含ん
でいないときにも、精度良くスペクトルを推定すること
ができる。
【0202】なお、この付記(3)には、上述した第2
の実施形態が対応する。
【0203】付記(4)に記載の発明によれば、付記
(2)に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、対
象物の統計情報として対象物自体の分光反射率データを
用いているために、作成者が対象物の輝度成分のみから
なるモノクロ画像を作成した場合でも、該分光反射率デ
ータに基づいて、観察時の対象物の色を合成してカラー
画像として再現することが可能となる。
【0204】なお、この付記(4)には、上述した第5
の実施形態が対応する。
【0205】付記(5)に記載の発明によれば、付記
(2)に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、対
象物の統計情報としてユーザーにより指定された幾つか
の色材の分光データを用いることにより対象物の分光反
射率を推定しているために、作成者によりデザインされ
た対象物のカラー画像から、対象物を構成するための色
材の配分率を推定することが可能となる。また、色材を
様々に変化させて分光反射率を推定することにより、照
明光の変化に対して対象物が所望の色の変化をするよう
な対象物の分光反射率を設計し調整することが可能とな
る。
【0206】なお、この付記(5)には、上述した第6
の実施形態が対応する。
【0207】付記(6)に記載の発明によれば、付記
(2)に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、色
再現前処理部が、作成時の画像出力装置に関する情報
と、作成時における照明光のスペクトルデータと、作成
者の視覚特性データと、作成された画像における対象物
のスペクトル統計データと、の内の少なくとも1つを用
いて、作成された画像データを照明変換可能なデータ構
造にフォーマット変換しているために、色補正手段にお
けるデータ処理の際に扱い易いデータを得ることができ
る。
【0208】なお、この付記(6)には、上述した第3
の実施形態とその各変形例が対応する。
【0209】付記(7)に記載の発明によれば、付記
(6)に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、複
数の照明変換可能な画像データをそれぞれ色補正して合
成することにより、異なる環境下、異なる画像出力装
置、または異なる作成者により作成された複数の対象物
の画像を、同一の観察環境下における画像に合成するこ
とができる。また、複数の対象物が存在する画像を作成
した場合には、作成時に対象物毎に分割してそれぞれ照
明変換可能な画像データとして保存しておくことによ
り、各々で異なる対象物のスペクトル統計データを用い
て色補正を行って後で合成することが可能となるため
に、精度の良い色推定を行うことができる。
【0210】なお、この付記(7)には、上述した第3
の実施形態における第1および第2の各変形例が対応す
る。
【0211】付記(8)に記載の発明によれば、付記
(1)から付記(7)に記載の発明と同様の効果を奏す
るとともに、4原色以上の加法混色によりカラー画像を
表示し得る多原色表示装置を用いることにより、3原色
表示装置に比して飛躍的に色の表示可能範囲を拡大する
ことができるために、従来の3原色表示装置では出せな
かった彩度の高い色を用いてカラー画像の作成を行うこ
とが可能となる。
【0212】なお、この付記(8)には、上述した第4
の実施形態が対応する。
【0213】付記(9)に記載の発明によれば、複数台
のプロジェクタから各投影した画像を重ね合わせること
により多原色表示または3D表示を実現する場合におい
て、ある打ち上げ角度をもって投射を行う複数台のプロ
ジェクタを、略面対称となるように空間的に配置(つま
り、互いに背中合わせの向きに配置)して投射を行う構
成としたために、投影画像に大きな歪みやボケや色ずれ
等を生じさせることなく重ね合わせることが可能とな
る。
【0214】なお、この付記(9)には、上述した第4
の実施形態が対応する。
【0215】
【発明の効果】以上説明したように本発明の画像表示装
置によれば、比較的安価で簡単な構成により、高品質な
画像を表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における色再現装置の
概略的な構成を示すブロック図。
【図2】上記第1の実施形態における色再現装置の概略
的な構成の他の例を示すブロック図。
【図3】上記第1の実施形態におけるプロファイル保存
部の構成を示すブロック図。
【図4】上記第1の実施形態における色再現処理装置の
色補正部における処理を示すフローチャート。
【図5】上記第1の実施形態における色再現処理装置の
構成を示すブロック図。
【図6】本発明の第2の実施形態における色再現装置の
概略的な構成を示すブロック図。
【図7】上記第2の実施形態における照明検出センサの
具体的な構成例を示す図。
【図8】上記第2の実施形態における色再現処理装置の
照明光スペクトル算出部の構成を示すブロック図。
【図9】本発明の第3の実施形態における色再現装置の
概略的な構成を示すブロック図。
【図10】上記第3の実施形態の第1の変形例における
色再現装置の概略的な構成を示すブロック図。
【図11】上記第3の実施形態の第1の変形例における
実用的なイメージ例を示す図。
【図12】上記第3の実施形態の第2の変形例における
色再現装置の概略的な構成を示すブロック図。
【図13】本発明の第4の実施形態における色再現装置
の概略的な構成を示すブロック図。
【図14】上記第4の実施形態において、第1のプロジ
ェクタの原色R1,G1,B1と第2のプロジェクタの
原色R2,G2,B2との発光スペクトルを模式的に示
す線図。
【図15】上記第4の実施形態の画像作成装置において
作成者が6原色の調整を行う際に使用するユーザーイン
ターフェース画面を示す図。
【図16】上記第4の実施形態において、RGB入力に
より色の調整を行って6原色で出力する画像作成装置の
構成例を示す図。
【図17】本発明の第5の実施形態における色再現処理
装置の構成を示すブロック図。
【図18】本発明の第6の実施形態における色再現装置
の概略的な構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…第1の画像出力装置 1A…多原色表示装置(画像表示装置) 2…第2の画像出力装置 3,3A…画像作成装置 5,5A,5B,5B−1〜5B−N…色再現処理装置 5B’…実写用色再現処理部 6…プロファイル保存部(プロファイル保存手段) 6a,6a’…作成時プロファイル保存部 6b…観察時プロファイル保存部 7…色補正部(色補正手段) 7a…入力三刺激値算出部 7b…分光反射率算出部 7c…出力三刺激値算出部 7d…RGB値算出部 8…照明光スペクトル算出部 11…入力デバイスプロファイル保存部 12…作成者等色関数データ保存部 13…作成照明光データ保存部 14,14’…対象物特性データ保存部 16,26,16’…原色階調データ保存部 17,27…原色スペクトル保存部 18,28…バイアススペクトル保存部 21…観察照明光データ保存部 22…観察者等色関数データ保存部 23…出力デバイスプロファイル保存部 41…階調補正部 42…行列演算部 43…バイアス加算部 44…原色マトリクス作成部 45…バイアスデータ作成部 47…対象物展開係数算出部 48…分光反射率合成部 49…対象物展開係数算出マトリクス作成部 51…階調補正部 52…行列演算部 53…バイアス減算部 54…原色逆マトリクス作成部 55…バイアスデータ作成部 56…階調補正データ作成部 61…第1の照明検出センサ 62…第2の照明検出センサ 71…照明光展開係数算出部 72…照明光スペクトルデータ合成部 73…センサ分光感度特性データ保存部 74…照明光基底関数作成部 75…照明光スペクトルデータベース 81…色再現前処理部 82…入力データ分割部 84,86…画像合成部(合成手段) 85,111…画像入力装置 91…第1のプロジェクタ 92…第2のプロジェクタ 93…幾何補正処理部(幾何補正手段) 94…スクリーン 95…照明光センサ 96…フード 103…ステータスバー 105…ユーザーインターフェース 106…6原色分解処理部 112…入力輝度補正部 113…分光反射率算出部 121…色材配分率保存部 122…照明光データベース 123…色材分光データベース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 味戸 剛幸 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2K103 AA01 AA17 AA19 AA27 AB04 CA38 CA40 CA46 5C058 BA23 BA27 BB13 BB14 BB25 EA01 EA32 5C060 GA02 GB02 GB04 HB26 HB27 JA01 JA11 JA13 JA18 JB06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクリーンと、 このスクリーン上において重ね合わされるように同一の
    対象物に係る画像を各々投射する複数のプロジェクタ
    と、 を具備し、 上記複数のプロジェクタの内の一のプロジェクタは、該
    複数のプロジェクタの内の他のプロジェクタに対して、
    略面対称となるように空間的に配置されていて、投射す
    る画像がスクリーン上において略一致するように打ち上
    げ角をもって画像を投射するものであることを特徴とす
    る画像表示装置。
  2. 【請求項2】 上記プロジェクタは、リア投射方式であ
    って、 上記スクリーンは、異なる入射角で入射された光を、略
    均一の指向性をもつ拡散光として射出するような透過型
    スクリーンとして構成されたものであることを特徴とす
    る請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 【請求項3】 スクリーン上において重ね合わされる画
    像の、位置ずれおよび歪みを補正するための幾何補正手
    段をさらに具備したことを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の画像表示装置。
  4. 【請求項4】 当該画像表示装置は、4原色以上のカラ
    ー画像出力、立体視のための画像出力、表示輝度を向上
    するための画像出力、の内の何れか1つの画像出力、ま
    たはこれらの2以上の組み合わせによる画像出力が可能
    となるように構成されたものであることを特徴とする請
    求項1から請求項3の何れか1項に記載の画像表示装
    置。
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