JP2000338950A

JP2000338950A - 色再現システム

Info

Publication number: JP2000338950A
Application number: JP11146520A
Authority: JP
Inventors: Tateo Osawa; 健郎大澤; Nagaaki Ooyama; 永昭大山; Masahiro Yamaguchi; 雅浩山口; Takeyuki Ajito; 剛幸味戸
Original assignee: Olympus Optical Co Ltd
Current assignee: Olympus Corp
Priority date: 1999-05-26
Filing date: 1999-05-26
Publication date: 2000-12-08
Also published as: US20050162572A1; US7511715B2; US6633302B1; US20030214499A1; US6873339B2

Abstract

(57)【要約】【課題】色再現域全域において正確な色再現が行なえる
色再現システムを提供することができる。【解決手段】４原色以上を有するカラー画像表示手段
（プロジェクターＡ(102-1)、Ｂ(102-2)、スクリーン１
０３）と、入力三刺激値をカラー画像表示手段の各原色
のカラー画像信号に変換する色変換手段（画像出力装置
１０１）とを備えた色再現システムであって、色変換手
段（画像出力装置１０１）は、３次元の色空間における
入力三刺激値の属する色変換領域を判定する領域判定装
置と、色変換領域に対応する色変換パラメータに基い
て、入力三刺激値をカラー画像信号に変換する表示信号
算出装置とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は色再現システムに関
し、特に、所望の色を４原色以上を有するカラー画像表
示手段に表示するための入力カラー画像信号を求める色
再現システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】例えばスキャナーやデジタルカメラなど
により入力されたデジタルカラー画像を再現する手段と
してCRTディスプレー、液晶ディスプレー、液晶プロジ
ェクター等の表示装置が広く用いられている。これらの
表示装置は、通常R,G,B３原色の加法混色によりさまざ
まな色を再現している。この場合、ディスプレーの再現
可能な色の範囲（色再現域）は、３次元の色空間で３原
色の色ベクトルの和として表される領域に限られる。例
えば、R,G,B３種類の蛍光体により色を再現するCRTディ
スプレーでは、R,G,B蛍光体の最大発光時のCIE1931表色
系（XYZ表色系）のX,Y,Zをそれぞれ（Xr,Yr,Zr）、（X
g,Yg,Zg）、（Xb,Yb,Zb）とすると、（0,0,0）、（Xr,Y
r,Zr）、（Xg,Yg,Zg）、（Xb,Yb,Zb）、（Xr＋Xg,Yr＋Y
g,Zr＋Zg）、（Xg+Xb,Yg+Yb,Zg+Zb）、（Xb+Xr,Yb+Yr,Z
b+Zr）、（Xr＋Xg+Xb,Yr＋Yg+Yb,Zr＋Zg+Zb）を頂点と
する６面体がその色再現域となる。

【０００３】図１１はこのような３原色ディスプレーの
XYZ空間での色再現域の模式図である。これをxy色度図
上に示すと、図１２に示すように各原色の色度値により
囲まれる３角形の内部が色再現域を表す。このような３
原色の加法混色を色再現原理としたディスプレーでは、
ディスプレーへの入力R,G,B信号値とディスプレー上に
表示される色のX,Y,Z値との関係は、ディスプレーの色
再現域内においては一意に定まる。各原色の発光スペク
トルが他の原色の出力と独立であり、また、相対スペク
トル分布が発光強度に依存しない（すなわち色度値が変
化しない）と仮定すると、入力R,G,B値に対応する表示
色のX,Y,Zは次式により与えられる。

【０００４】

【数１】

【０００５】ここで、Xr,Xg,XbはそれぞれR,G,Bの最大
発光時のXであり、同様にYr,Yg,YbはR,G,Bの最大発光時
のYを表し、Zr,Zg,ZbはそれぞれR,G,Bの最大発光時のZ
を表す。また、γ_r,γ_g,γ_bは、それぞれR,G,Bの入
力信号値と出力輝度との関係を表す関数であり、R',G',
B'はR,G,B最大発光時に１となるように正規化されてい
るものとする。この逆関係より、所望のX,Y,Zを表示す
るための入力R,G,B値は次式により求められる。

【０００６】

【数２】

【０００７】（２）式において、−1は逆関数（行列に
ついては逆行列）を表す。このように３原色ディスプレ
ーではX,Y,ZとR,G,B値との関係のモデル化が容易であ
り、カラー画像複製論（田島譲ニ著丸善株式会社）に
開示されているようにマトリクス変換と階調補正による
変換方法が一般に用いられている。３原色ディスプレー
においてX,Y,Zがディスプレーの色再現域外の場合に
は、（２）式により得られたR',G',B'値のいずれかが負
もしくは１より大となる。

【０００８】原色の加法混色を色再現原理とする表示装
置では、前述のように原色の色度値により囲まれる領域
が色再現域となる。色再現域を拡大するためには各原色
の彩度を高めるか、原色の数を増やすことが考えられ
る。NHK技研公開展示資料（NHK放送技術研究所,東京
（１９９５））に開示されているように４原色とするこ
とにより従来の３原色ディスプレーよりも広い色再現域
を実現する試みもなされている。４原色ディスプレーの
XYZ空間での色再現域およびxy色度図上の色再現域をそ
れぞれ図１３、図１４に示す。

【０００９】４つ以上のN原色を用いる多原色ディスプ
レーの場合も、信号値に対して表示される色のX,Y,Zは
（１）式を拡張した次式により得られる。

【００１０】

【数３】

【００１１】（３）式の逆関係として与えられるX,Y,Z
から信号値への変換は、多原色ディスプレーの色再現域
の表面を除いて一意には定まらない。そのため、何らか
の条件に基づいてX,Y,Zに対応する信号値を一意に定め
た変換を行う必要がある。多原色ディスプレーにおける
色変換方法の一例は、特開平６ー２６１３３２号公報に
開示されている。この公報で提案されている第１の例で
は、入力色の色度値に応じて選んだ３原色の線形和によ
り色再現を行なっている。また、第２の例では多原色全
てを用いた線形変換を行なうことを開示している。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】上記した特開平６ー２
６１３３２号公報に開示された第１の例による色変換方
法では、選択した３原色により再現可能な範囲について
は正確な色再現が可能であるが、本来多原色ディスプレ
ーのもつ輝度方向の色再現域まで考慮していないため、
再現可能な入力色の全てに対応することができない。ま
た、特開平６ー２６１３３２号公報に開示された第２の
例による色変換方法では各原色信号が全て正となる解を
得ることが保証されていない。このため、再現可能な入
力色に対しても正確な色再現を行なえない場合がある。

【００１３】色変換方法には、測色的に正確な色再現が
可能であることが望まれる。すなわち、入力三刺激値を
カラー画像信号に変換し、表示装置に入力することによ
り正確に入力三刺激値を表示可能であることが重要とな
る。また、入力三刺激値とカラー画像信号値とが連続的
に変化することが望ましく、更にこれらの条件がディス
プレーの色再現域全体にわたって満たされる必要があ
る。

【００１４】本発明はこのような課題に着目してなされ
たものであり、その目的とするところは、色再現域全域
において正確な色再現が行なえる色再現システムを提供
することにある。

【００１５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第１の発明に係る色再現システムは、４原色以上
を有するカラー画像表示手段と、入力三刺激値を上記カ
ラー画像表示手段の各原色のカラー画像信号に変換する
色変換手段とを備えた色再現システムであって、上記色
変換手段は、３次元の色空間における入力三刺激値の属
する色変換領域を判定する領域判定手段と、この領域判
定手段により判定された色変換領域に対応する色変換パ
ラメータに基づいて、上記入力三刺激値をカラー画像信
号に変換するカラー画像信号算出手段とを具備する。

【００１６】また、第２の発明に係る色再現システム
は、第１の発明において、上記カラー画像表示手段の色
域内の入力三刺激値に対応する上記色変換領域は、０か
ら最大値をとる３つのカラー画像信号と、０もしくは最
大値をとる他のカラー画像信号に対応する色から構成さ
れる６面体である。

【００１７】また、第３の発明に係る色再現システム
は、第１の発明において、上記色変換領域は、上記カラ
ー画像表示手段の色域内の所定の三刺激値と色域表面を
構成する頂点とから作られる角錐である。

【００１８】また、第４の発明に係る色再現システム
は、第１〜第３のいずれか１つに記載の発明において、
上記カラー画像信号算出手段は、上記入力三刺激値をア
ドレスとして上記カラー画像信号を記憶するルックアッ
プテーブルと、このルックアップテーブルを参照して上
記入力三刺激値をカラー画像信号に変換する色変換装置
を具備する。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。

【００２０】（第１実施の形態）図１は、本発明の第１
実施の形態に係る色再現システムとしての多原色プロジ
ェクターシステムの概略構成を示す図である。画像デー
タ入力装置１００は、デジタルカメラやカラースキャナ
ー等により入力されたカラー画像データを、カラー画像
データを取り込んだ入力装置の分光感度特性や入力時の
照明光等のデータを用いて各画素がCIE1931表色系のX,
Y,Zからなる画像データ（入力三刺激値）に変換して、
画像出力装置１０１へ出力する。

【００２１】画像出力装置１０１は、X,Y,Zデータをプ
ロジェクターA（１０２−１）への入力信号C1、C２およ
びプロジェクターB（１０２−２）への入力信号C３、C
４に変換し、各プロジェクターに入力する。プロジェク
ターA（１０２−１）およびプロジェクターB（１０２−
２）は、それぞれ入力信号C1,C２およびC３,C４に応じ
た画像をスクリーン１０３上に投影する。

【００２２】スクリーン１０３上にはC1,C２,C３,C４の
画像信号に基づいてプロジェクターにより再現された４
原色のカラー画像が再現される。プロジェクターA（１
０２−１）とプロジェクターB（１０２−２）は、スク
リーン１０３に投影する各原色のスペクトルを除いて同
一の構造をしており、スクリーン１０３に投影された画
像の位置は正確に一致するように予め調整されているも
のとする。

【００２３】図２は、プロジェクターA（１０２−
１）、プロジェクターB（１０２−２）の原色C1,C２,C
３,C４の発光スペクトルを模式的に示す図である。この
４原色の発光スペクトルは３８０nm から７８０nm の可
視域の波長域に分布している。

【００２４】図３は、画像出力装置１０１の構成を示す
図である。図３に示すように画像出力装置１０１は、予
め測定されたプロジェクターA（１０２−１）、プロジ
ェクターB（１０２−２）のプロファイルデータを記憶
しているプロファイルデータ記憶装置１０１Ａと、入力
されたX,Y,Zデータの変換プロファイルをこのプロファ
イルデータを用いて規定する領域を求める領域判定装置
１０１Ｃと、この領域判定結果としての原色信号の係数
とプロファイルデータを用いてプロジェクターA（１０
２−１）、B（１０２−２）への入力信号に変換する表
示信号算出装置１０１Ｂとから構成される。

【００２５】プロファイルデータ記憶装置１０１Ａに
は、各原色の最大発光時のX,Y,Zデータと入力信号値と
発光輝度との関係を与える階調特性データがプロファイ
ルデータとして記憶されている。これらのデータは図４
に示すように、スクリーン１０３上に各原色ごとにサン
プル信号値のパッチ画像１０３Ａを表示し、これに同期
して分光計（もしくは測色計）１０４によりそのX,Y,Z
値を測定することにより得られる。測定データとしての
X,Y,Z値は画像出力装置１０１に取り込まれ、画像出力
装置１０１内の図示しないプロファイルデータ作成装置
により所定のフォーマットに変換された後、プロファイ
ルデータとしてプロファイルデータ記憶装置１０１Ａに
記憶される。

【００２６】領域判定装置１０１Ｃでは、予め複数の６
面体に分割されている色再現域内の分割領域のうち、入
力されたX,Y,Zデータを含む分割領域を判定し、X,Y,Zデ
ータと分割領域に応じたプロファイルデータとから算出
した表示信号の係数を表示信号算出装置１０１Ｂに出力
する。

【００２７】以下にX,Y,Zデータの領域判定と表示信号
の係数算出方法について図５を参照して詳細に説明す
る。まず、予め４原色ディスプレーの色再現域を４つの
６面体に分割する方法を規定する。ここでは図５（Ａ）
に示すような色再現域を想定する。分割方法は一意には
定まらないが、ここでは図５（Ｂ）〜図５（Ｅ）に示す
ような４つの６面体に分割する。この例では、４原色デ
ィスプレーの色再現域は、原色４が０で他の３原色が０
〜最大値をとることにより作られる分割領域１（図５
（Ｂ））、原色２が０で他の３原色が０〜最大値をとる
ことにより作られる分割領域２（図５（Ｃ））、原色３
が最大値で他の３原色が０〜最大値をとることにより作
られる分割領域３（図５（Ｄ））、原色１が最大値で他
の３原色が０〜最大値をとることにより作られる分割領
域４（図５（Ｅ））とから構成される。

【００２８】各分割領域では４原色のうち３原色は０か
ら最大発光の範囲をとり、残りの１原色は０もしくは最
大値のいずれかの定数値となる。このような条件を満た
す分割方法は他にもあり、どの分割方法を用いてもよ
い。入力されたX,Y,Zデータがこれらの分割領域のうち
どの分割領域に含まれるかを判定する判定条件は各分割
領域において次式

【００２９】

【数４】

【００３０】により得られる係数α,β,γが０≦α、β、γ≦１となることである。

【００３１】ここで、X₀,Y₀,Z₀は分割領域の定数原
色のX,Y,Zすなわち０もしくは定数原色の最大発光のX,
Y,Zであり、X₁,Y₁,Z₁、X₂,Y₂,Z₂、X₃,Y₃,Z₃は
それぞれ分割領域の１,２,３番目の原色の最大発光のX,
Y,Zである。分割領域ごとに異なる定数原色と１〜３番
目の原色について上記条件の判定を行い、X,Y,Zデータ
が分割領域内に含まれると判定された場合には各原色の
係数α,β,γと、定数０もしくは１のいずれかを所定の
原色順に表示信号算出装置１０１Ｂに出力する。

【００３２】なお、X,Y,Zデータがいずれの分割領域に
も含まれない場合、すなわちX,Y,Zデータが色再現域外
の場合には色再現域内の所定のX,Y,Zを目標色としてX,
Y,Zデータと目標色とを結ぶ線と色再現域表面との交点
にX,Y,Zデータをマッピングし、その表示信号の係数を
表示信号算出装置１０１Ｂに出力する。

【００３３】表示信号算出装置１０１Ｂは図６に示すよ
うに線形信号算出装置１１０１と階調補正装置１１０２
とから構成されている。線形信号算出装置１１０１で
は、領域判定装置１０１Ｃから入力された係数に対応す
る各原色最大階調値を掛けることにより線形信号を算出
する。階調補正装置１１０２では、線形信号算出装置１
１０１より入力された線形信号（Q1,Q2,Q3,Q4）のそれ
ぞれに階調補正をかけてプロジェクターA（１０２−
１），B（１０２−２）への入力信号（C１,C２,C３,C
４）を出力する。ここでの階調補正は、入力信号に対す
る出力輝度を与える階調特性データの逆関係γ^-1を用い
て次式により算出される。

【００３４】

【数５】

【００３５】このとき用いられる階調特性データはプロ
ファイルデータ記憶装置１０１Ａから階調補正装置１１
０２に入力される。X,Y,Zデータから表示信号を求める
以上の処理を各画素について行い、入力信号（C１,C２,
C３,C４）をプロジェクターA（１０２−１）、B（１０
２−２）に入力する。

【００３６】このようにして色再現域全域において測色
的に正確な色再現を行なうことが可能となる。

【００３７】（第２実施の形態）本発明の色再現システ
ムの第２実施の形態について説明する。第２実施の形態
では、画像出力装置以外の構成は第１実施の形態で説明
したものと同様なので説明は省略する。第２実施形態の
画像出力装置１０１’は図７に示すように、ルックアッ
プテーブル作成装置１０１Ｄと、ルックアップテーブル
１０１Ｅと、補間係数算出装置１０１Ｆと、補間演算装
置１０１Ｇとから構成される。画像データ入力装置１０
０からのX,Y,Zデータはルックアップテーブル１０１Ｅ
と補間係数算出装置１０１Ｆとに入力される。

【００３８】ルックアップテーブル１０１Ｅでは入力さ
れたX,Y,Zデータに応じたテーブルデータを補間演算装
置１０１Ｇに出力する。また、補間係数算出装置１０１
Ｆでは入力されたX,Y,Zデータを用いてルックアップテ
ーブル１０１Ｅのデータ間隔に応じた補間係数を算出し
て補間演算装置１０１Ｇに出力する。

【００３９】補間演算装置１０１ＧではX,Y,Zデータに
応じたテーブルデータと補間係数とからプロジェクター
A（１０２−１）およびB（１０２−２）への入力信号C
1,C２,C３,C４を算出し、プロジェクターA（１０２−
１）、B（１０２−２）へ入力する。ルックアップテー
ブル１０１Ｅ内のデータは予めルックアップテーブル作
成装置１０１Ｄにより算出されたものである。

【００４０】次に画像出力装置１０１’内の各部の機能
について詳細に説明する。ルックアップテーブル作成装
置１０１Ｄは、図８に示すようにプロファイルデータ記
憶装置１０１０と、テストデータ入力装置１０１３と、
領域判定装置１０１２と、表示信号算出装置１０１１と
から構成される。テストデータ入力装置１０１３はルッ
クアップテーブル１０１Ｅに送るべき所定間隔のX,Y,Z
データを算出して領域判定装置１０１２に順次入力す
る。

【００４１】領域判定装置１０１２ではテストデータ入
力装置１０１３から入力されたX,Y,Zデータからその領
域判定を行い原色信号の係数を算出して表示信号算出装
置１０１１に出力する。係数の算出方法は第１実施の形
態において説明した方法と同様なのでここでの説明は省
略する。この領域判定において入力X,Y,Zデータに対し
て全ての領域で領域外と判定された場合、すなわちX,Y,
ZデータがプロジェクターA（１０２−１）、B（１０２
−２）の色再現域外の場合にはX,Y,Zデータをプロジェ
クターA（１０２−１）、B（１０２−２）の再現可能な
色にマッピングする色域圧縮を行う。

【００４２】色域圧縮ではX,Y,Zデータをプロジェクタ
ーA（１０２−１）、B（１０２−２）の色域表面と色域
内の目標点と入力X,Y,Zを結ぶ線との交点の色に置き換
える。

【００４３】図９は色域圧縮の概念図である。色域表面
を３角形に分割し、三角形の各頂点の三刺激値をそれぞ
れ（X₁,Y₁,Z₁）、（X₂,Y₂,Z₂）、（X₃,Y₃,
Z₃）、目標色の三刺激値を（X₀,Y₀,Z₀）、入力色を
（X,Y,Z）とすると、

【００４４】

【数６】

【００４５】により算出されるk1,k2,k3が k1≧０、k2≧０、k3≧０を満たす場合、

【００４６】

【数７】

【００４７】により係数d1〜d４を算出して表示信号算
出装置１０１１へ入力する。ここで、Pji はQi のj 番
目の信号値係数を表す。

【００４８】表示信号算出装置１０１１では、領域判定
装置１０１２から入力した信号値の係数とプロファイル
データ記憶装置１０１０から入力したプロファイルデー
タとからプロジェクターA（１０２−１）、B（１０２−
２）への入力信号を算出してルックアップテーブル１０
１Ｅへ入力する。

【００４９】表示信号算出装置１０１１については第１
実施の形態において説明したものと同様なのでここでの
説明は省略する。以上の処理を全てのルックアップテー
ブルアドレスのX,Y,Zについて行なう。画像データ入力
装置１００から入力されたX,Y,Zデータをプロジェクタ
ーへの入力信号に変換するために、それを囲む８つのサ
ンプルX,Y,Zに対応するサンプル表示信号（C^(j)１, C
^(j)2, C^(j)3, C^(j)4）（ j=１〜８）をルックアップテ
ーブル１０１Ｅから補間演算装置１０１Ｇに入力する。
また、補間係数算出装置１０１Ｆでは、X,Y,Zデータと
ルックアップテーブル１０１Ｅのサンプル間隔とから補
間係数 k^(j)（ j =１〜８）を算出する。

【００５０】補間演算装置１０１Ｇでは、サンプル表示
信号（C^(j)１, C^(j)2, C^(j)3, C^(j)4）（ j =１〜８）
と補間係数 k^(j)（ j =１〜８）とから次式によりプロ
ジェクターへの入力信号（C１,C２,C3,C4）を算出す
る。

【００５１】

【数８】

【００５２】ここでｉ＝１〜４である。X,Y,Zから表示
信号を求める以上の処理を各画素について行い、入力信
号（C１,C２,C３,C４）をプロジェクターA（１０２−
１）、B（１０２−２）に入力する。

【００５３】このようにして色再現域全域において測色
的に正確な色再現を行なうことが可能となる。

【００５４】（第３実施の形態）本発明の色再現システ
ムの第３実施の形態について説明する。第３実施の形態
では、第１実施の形態の画像出力装置１０１内の領域判
定装置１０１Ｃの処理と表示信号算出装置１０１Ｂ以外
は第１実施の形態で説明したものと同様なので説明は省
略する。

【００５５】第３実施の形態における領域判定装置で
は、予め複数の４面体に分割されている色再現域内の分
割領域のうちX,Y,Zデータを変換するための分割領域を
判定し、X,Y,Zデータと分割領域に応じたプロファイル
データとから算出した線形信号を第３実施の形態におけ
る表示信号算出装置に出力する。表示信号算出装置で
は、線形信号の階調補正を行い表示信号を算出する。

【００５６】以下にX,Y,Zデータの領域判定と表示信号
の算出方法をより詳細に説明する。まず、予め４原色デ
ィスプレーの色再現域を色再現域の表面を構成する平面
数の４面体に分割する。４面体は図１０に示すように所
定の目標色と色再現域の表面を構成する平面に囲まれる
領域とする。目標色は予め定めた所定のカラー画像信号
とそれに対応するX,Y,Zとして規定する。X,Y,Zがどの分
割領域に含まれるかを判定する判定条件は各分割領域に
おいて次式

【００５７】

【数９】

【００５８】により得られる係数α,β,γが０≦α、β、γ≦１となることであるが、ここでは色再現域外の色について
も同一のマトリクスを用いて変換を行うものとする。よ
って、係数係数α,β,γが０≦α、β、γ を満たす場合、

【００５９】

【数１０】

【００６０】より線形信号Q1〜Q４を算出する。ここ
で、Qijはi番目の頂点のj番目の線形信号を表す。線形
信号が負の場合０、最大信号値よりも大の場合には最大
値にクリップする。領域判定装置において算出された線
形信号を表示信号算出装置に入力し、階調補正を行い表
示信号を算出する。X,Y,Zから表示信号を求める以上の
処理を各画素について行い、表示信号（C１,C２,C３,C
４）をプロジェクターA,Bに入力する。

【００６１】このようにして色再現域全域において測色
的に正確な色再現を行なうことが可能となる。

【００６２】なお本実施の形態では三角錐Q0,Q1,Q2,Q3
内の色の処理について説明したが、三角錐Q0,Q1,Q3,Q4
についても同一のマトリクスとなることから、４角錐Q
0,Q1,Q2,Q3,Q4を一つの分割領域としてもよい。この場
合４原色ディスプレーは１２の分割領域により構成され
る。

【００６３】なお、上記した具体的実施の形態から以下
のような構成の発明が抽出される。

【００６４】構成１．４原色以上を有するカラー画像表
示手段と、入力三刺激値を上記カラー画像表示手段の各
原色のカラー画像信号に変換する色変換手段とを備えた
色再現システムであって、上記色変換手段は、３次元の
色空間における入力三刺激値の属する色変換領域を判定
する領域判定手段と、この領域判定手段により判定され
た色変換領域に対応する色変換パラメータに基づいて、
上記入力三刺激値をカラー画像信号に変換するカラー画
像信号算出手段と、を具備することを特徴とする色再現
システム。

【００６５】構成２．上記カラー画像表示手段の色域内
の入力三刺激値に対応する上記色変換領域は、０から最
大値をとる３つのカラー画像信号と、０もしくは最大値
をとる他のカラー画像信号に対応する色から構成される
６面体であることを特徴とする構成１に記載の色再現シ
ステム。

【００６６】（対応する発明の実施の形態）構成１及び
２に記載の発明は、少なくとも上記した第１実施の形態
（図１〜図６）に対応する。カラー画像表示手段はプロ
ジェクターA（１０２−１）、B（１０２−２）およびス
クリーン１０３に、色変換手段は画像出力装置１０１
に、領域判定手段は領域判定装置１０１Ｃに、色変換パ
ラメータはプロファイルデータに、カラー画像信号算出
手段は表示信号算出装置１０１Ｂにそれぞれ対応する。

【００６７】なお、第１実施の形態ではカラー画像表示
手段としてプロジェクターを例に説明したが、これに限
られるものではなくCRTディスプレー、液晶ディスプレ
ー等原色光の混色を色再現原理とする任意のディスプレ
ーに対しても適用可能である。また、４原色ディスプレ
ーを例に説明したが、原色数はこれに限られるものでは
なく任意の原色数Nのディスプレーにおいて適用可能で
ある。また、第１実施の形態ではプロジェクター２台に
より４原色表示を実現しているが、４原色表示が可能な
１台のプロジェクターを用いることも可能である。画像
出力装置に入力されるデータはX,Y,Zデータとしたが、
X,Y,Zと既知の線形関係にあるR,G,Bデータを用いてもよ
い。この場合、X,Y,ZとR,G,Bとの関係に基づいて補正さ
れたデータが画像出力装置において用いられる。

【００６８】（効果）構成１または２によれば、色再現
域全域において正確な色再現が行なえる色再現システム
を提供することができる。また、入力三刺激値とカラー
画像信号値とが連続的に変化し、更にこれらの条件がデ
ィスプレーの色再現域全体にわたって満たされる。

【００６９】構成３．上記色変換領域は、上記カラー画
像表示手段の色域内の所定の三刺激値と色域表面を構成
する頂点とから作られる角錐であることを特徴とする構
成１に記載の色再現システム。

【００７０】（対応する発明の実施の形態）構成３に記
載の発明は、少なくとも上記した第３実施の形態（図１
０）に対応する。カラー画像表示手段はプロジェクター
A（１０２−１）、B（１０２−２）およびスクリーン１
０３に、色変換手段は画像出力装置１０１に、領域判定
手段は領域判定装置１０１Ｃに、色変換パラメータはプ
ロファイルデータに、カラー画像信号算出手段は表示信
号算出装置１０１Ｂにそれぞれ対応する。

【００７１】なお、本実施の形態ではカラー画像表示手
段としてプロジェクターを例に説明したが、これに限ら
れるものではなくCRTディスプレー、液晶ディスプレー
等原色光の混色を色再現原理とする任意のディスプレー
に対しても適用可能である。また、４原色ディスプレー
を例に説明したが、原色数はこれに限られるものではな
く任意の原色数Nのディスプレーにおいて適用可能であ
る。

【００７２】また、本実施の形態ではプロジェクター２
台により４原色表示を実現しているが、４原色表示が可
能な１台のプロジェクターを用いることも可能である。
画像出力装置に入力されるデータはX,Y,Zデータとした
が、X,Y,Zと既知の線形関係にあるR,G,Bデータを用いて
もよい。この場合、X,Y,ZとR,G,Bとの関係に基づいて補
正されたデータが画像出力装置において用いられる。

【００７３】（効果）構成３によれば、色再現域全域に
おいて正確な色再現が行なえる色再現システムを提供す
ることができる。また、入力三刺激値とカラー画像信号
値とが連続的に変化し、更にこれらの条件がディスプレ
ーの色再現域全体にわたって満たされる。また、色再現
域外の色についても色再現域内のマトリクスを用いるこ
とでマッピングを容易に行うことができる。

【００７４】構成４上記カラー画像信号算出手段は、上記入力三刺激値をア
ドレスとして上記カラー画像信号を記憶するルックアッ
プテーブルと、このルックアップテーブルを参照して上
記入力三刺激値をカラー画像信号に変換する色変換装置
を具備することを特徴とする構成１乃至３のいずれか１
つに記載の色再現システム。

【００７５】（対応する発明の実施の形態）構成４に記
載の発明は、少なくとも上記した第２実施の形態（図７
〜図９）に対応する。カラー画像表示手段はプロジェク
ターA（１０２−１）、B（１０２−２）およびスクリー
ン１０３に、色変換手段は画像出力装置１０１’に、領
域判定手段は領域判定装置１０１２に、色変換パラメー
タはプロファイルデータに、カラー画像信号算出手段は
表示信号算出装置１０２２にそれぞれ対応する。

【００７６】なお、上記第２実施の形態では、カラー画
像表示手段としてプロジェクターを例に説明したが、こ
れに限られるものではなくCRTディスプレー、液晶ディ
スプレー等原色光の混色を色再現原理とする任意のディ
スプレーに対しても適用可能である。また、４原色ディ
スプレーを例に説明したが、原色数はこれに限られるも
のではなく任意の原色数Nのディスプレーにおいて適用
可能である。また、本実施形態ではプロジェクター２台
により４原色表示を実現しているが、４原色表示が可能
な１台のプロジェクターを用いることも可能である。ル
ックアップテーブルのサンプル数は任意であり、入力X,
Y,Zのデータ数分のルックアップテーブルのデータをも
つことにより補間演算を省くことができる。補間方法は
本実施形態では８点補間を用いて説明したが、４点補間
等他の補間方法を用いてもよい。画像出力装置に入力さ
れるデータはX,Y,Zデータとしたが、X,Y,Zと既知の線形
関係にあるR,G,Bデータを用いてもよい。この場合、X,
Y,ZとR,G,Bとの関係に基づいて補正されたデータが画像
出力装置において用いられる。

【００７７】（効果）構成４によれば、構成１又は３の
効果に加えて、入力三刺激値をアドレスとするルックア
ップテーブルに色変換結果を記憶し、ルックアップテー
ブルの参照により色変換を行なうのでより高速に出力信
号を得ることができる。また、変換結果をルックアップ
テーブルに予め記憶しておくことができるため、色再現
域外の色についてもより演算処理時間を必要とする色域
圧縮を組み込むことが可能となる。

【００７８】

【発明の効果】本発明によれば、色再現域全域において
正確な色再現が行なえる色再現システムを提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施の形態に係る色再現システム
としての多原色プロジェクターシステムの概略構成を示
す図である。

【図２】プロジェクターA、プロジェクターBの原色C1、
C２、C３、C４の発光スペクトルを模式的に示す図であ
る。

【図３】画像出力装置１０１の構成を示す図である。

【図４】スクリーン１０３上に表示された各原色ごとの
サンプル信号値のパッチ画像１０３Ａに同期して分光計
もしくは測色計によりそのX,Y,Zを測定する構成を示す
図である。

【図５】４原色ディスプレーの色再現域を４つの６面体
に分割する方法を説明するための図である。

【図６】表示信号算出装置１０１Ｂの構成を示す図であ
る。

【図７】画像出力装置１０１’の構成を示す図である。

【図８】ルックアップテーブル作成装置１０１Ｄの構成
を示す図である。

【図９】色域圧縮の概念図である。

【図１０】分割領域と入力X,Y,Zとの関係を示す図であ
る。

【図１１】３原色ディスプレーのXYZ空間での色再現域
の模式図である。

【図１２】３原色ディスプレーのXY色度図上の色再現域
を示す図である。

【図１３】４原色ディスプレーのXYZ空間での色再現域
を示す図である。

【図１４】４原色ディスプレーのXY色度図上の色再現域
を示す図である。

【符号の説明】１００…画像データ入力装置、１０１、１０１’…画像出力装置、１０１Ａ…プロファイルデータ記憶装置、１０１Ｂ…表示信号算出装置、１０１Ｃ…領域判定装置、１０１Ｄ…ルックアップテーブル作成装置、１０１Ｅ…ルックアップテーブル、１０１Ｆ…補間係数算出装置、１０１Ｇ…補間演算装置、１０２−１…プロジェクターＡ、１０２−２…プロジェクターＢ、１０３…スクリーン、１０３Ａ…パッチ画像、１０４…分光計、１０１０…プロファイルデータ記憶装置、１０１１…表示信号算出装置、１０１２…領域判定装置、１０１３…テストデータ入力装置、１１０１…線形信号算出装置、１１０２…階調補正装置。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｈ０４Ｎ 9/64 Ｈ０４Ｎ 1/46 Ｚ (72)発明者山口雅浩神奈川県横浜市緑区長津田町4259 東京工業大学内 (72)発明者味戸剛幸神奈川県横浜市緑区長津田町4259 東京工業大学内Ｆターム(参考） 5B057 AA20 BA02 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CE18 DA16 DB02 DB06 DB09 5C066 AA03 AA11 BA20 CA08 DD01 EA03 EA05 EA07 EC01 EE04 EE05 GA01 GA02 GA05 GB01 JA01 KA11 KD06 KE02 KE03 KE04 KE07 KE11 KF05 KM11 5C077 LL19 PP32 5C079 HB01 HB05 HB12 NA03 PA05 5C082 BA34 BA35 BB51 CA12 CA54 CA81 CB01 DA87 MM10

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】４原色以上を有するカラー画像表示手段
と、入力三刺激値を上記カラー画像表示手段の各原色のカラ
ー画像信号に変換する色変換手段とを備えた色再現シス
テムであって、上記色変換手段は、３次元の色空間における入力三刺激値の属する色変換領
域を判定する領域判定手段と、この領域判定手段により判定された色変換領域に対応す
る色変換パラメータに基づいて、上記入力三刺激値をカ
ラー画像信号に変換するカラー画像信号算出手段と、を具備することを特徴とする色再現システム。
【請求項２】上記カラー画像表示手段の色域内の入力
三刺激値に対応する上記色変換領域は、０から最大値を
とる３つのカラー画像信号と、０もしくは最大値をとる
他のカラー画像信号に対応する色から構成される６面体
であることを特徴とする請求項１記載の色再現システ
ム。
【請求項３】上記色変換領域は、上記カラー画像表示
手段の色域内の所定の三刺激値と色域表面を構成する頂
点とから作られる角錐であることを特徴とする請求項１
記載の色再現システム。
【請求項４】上記カラー画像信号算出手段は、上記入力三刺激値をアドレスとして上記カラー画像信号
を記憶するルックアップテーブルと、このルックアップテーブルを参照して上記入力三刺激値
をカラー画像信号に変換する色変換装置を具備すること
を特徴とする請求項１乃至３のいずれか１つに記載の色
再現システム。