JP4231402B2 - 内燃機関の可変動弁制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の可変動弁制御装置に関し、詳しくは、センサで検出される機関バルブのバルブリフト量に基づいて可変動弁機構をフィードバック制御する装置におけるフェイルセーフ技術に関する。
特許文献1には、機関バルブのバルブリフト量を可変にする機構を備えたバルブ特性制御装置において、目標リフト量とセンサで検出された実際のリフト量との偏差、及び/又は、実際のリフト量の変化に基づいて、バルブリフト量可変機構の異常を判定する構成が開示されている。
特開2001−254637号公報
ところで、バルブリフト量を検出するセンサを2つ備えるようにすれば、各センサそれぞれでの検出結果が一致するか否かを判断することで、センサの異常を判定することができる。
しかし、上記構成では、一方のセンサが正常で、他方が故障している場合に、いずれのセンサが故障しているかを特定できないため、正常なセンサが存在しているにも関わらず、バルブリフト量の通常制御が停止され、バルブリフト量が最小値に固定されるなどのフェイルセーフ処理がなされて、運転性が大きく損なわれてしまうという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、複数センサのうちの一部に故障が発生しても、正常なセンサを特定して、バルブリフト量のフィードバック制御を継続させることができる内燃機関の可変動弁制御装置を提供することを目的とする。
そのため請求項1記載の発明では、機関バルブのバルブリフト量を連続的に可変にする可変動弁機構を備えると共に、前記バルブリフト量を検出するセンサを備え、前記センサで検出されるバルブリフト量に基づいて前記可変動弁機構をフィードバック制御する内燃機関の可変動弁制御装置であって、前記センサを複数備え、該複数のセンサそれぞれでの検出結果の一致・不一致に基づいてセンサの異常の有無を検出し、検出結果が不一致でセンサの異常が検出されたときに、前記バルブリフト量を所定値に固定すべく前記可変動弁機構に対し所定の制御信号を強制的に出力し、前記所定の制御信号の出力状態において、複数のセンサのうちで前記所定値を検出したセンサを正常なセンサとして選択し、前記正常なセンサとして選択されたセンサの検出信号に基づき、可変動弁機構のフィードバック制御を再開させる構成とした。
かかる構成によると、複数のセンサからの検出信号は、本来同一の検出結果を示すはずであるから、各検出結果が一致するか否かに基づいて、センサ異常の有無を判定できる。
但し、上記のように、センサの検出結果を比較してセンサ異常の有無を判定する場合には、いずれのセンサが故障しているか否かを判定することができない。
しかし、センサ異常の診断結果に基づいて、バルブリフト量を所定値にすべく可変動弁機構をフィードホワード制御したときに、係る制御に追従して前記所定値を検出するセンサは、正常であるものと推定される。
そして、正常であると推定されるセンサがあれば、他のセンサが故障していても、フィードバック制御を再開させる。
従って、複数のセンサのうちの一部が故障しても、残る正常なセンサを特定でき、更に、正常であると推定されるセンサを用いてフィードバック制御を継続させることで、バルブリフト量が異常制御されることを回避しつつ、機関運転性が大きく低下することを回避できる。
請求項2記載の発明では、機関バルブが吸気バルブであって、該吸気バルブのバルブリフト量を変化させることで、機関の吸入空気量を制御する構成であり、前記吸気バルブのバルブリフト量が前記所定値に固定されるときに、前記吸気バルブの上流側に介装される吸気絞り弁の開度を制御することで、機関の吸入空気量を制御する構成とした。
かかる構成によると、吸気バルブのバルブリフト量の変更によって機関の吸入空気量を制御する機能を、バルブリフト量を検出するセンサの異常に基づいて停止させ、バルブリフト量を固定させたときには、代わりに、吸気絞り弁の開度制御によって吸入空気量を制御する。
従って、正常センサが特定されるまでの間、及び、全センサが故障しているときに、最小限の空気量制御機能を確保して、安全な機関運転の継続を図りつつエンストの発生を防止できる。
図1は、実施形態における車両用内燃機関のシステム構成図である。
図1において、内燃機関101の吸気管102には、スロットルモータ103aでスロットルバルブ103b(吸気絞り弁)を開閉駆動する電子制御スロットル104が介装され、該電子制御スロットル104及び吸気バルブ105を介して、燃焼室106内に空気が吸入される。
燃焼排気は燃焼室106から排気バルブ107を介して排出され、フロント触媒108及びリア触媒109で浄化された後、大気中に放出される。
前記排気バルブ107は、排気側カム軸110に軸支されたカム111によって一定のバルブリフト量,バルブ作動角及びバルブタイミングを保って開閉駆動される。
一方、吸気バルブ105側には、開特性としてのバルブリフト量を作動角と共に連続的に可変する可変動弁機構であるVEL(Variable valve Event and Lift)機構112が設けられる。
更に、吸気バルブ105側には、クランク軸に対する吸気側カム軸の回転位相を変化させることで、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相を連続的に可変するVTC(Variable valve Timing Control)機構113が設けられる。
マイクロコンピュータを内蔵するエンジンコントロールユニット(ECU)114は、アクセル開度に対応する目標吸入空気量が得られるように、前記電子制御スロットル104,VEL機構112及びVTC機構113を制御する。
前記吸入空気流量の制御では、主に、VEL機構112によるバルブリフト量の制御によって目標吸入空気量に制御し、バルブリフト量のみでは目標吸入空気量に制御できないときに電子制御スロットル104を閉制御する。
前記ECU114には、内燃機関101の吸入空気量を検出するエアフローメータ115、アクセル開度を検出するアクセルペダルセンサ116、クランク軸120からクランク回転信号を取り出すクランク角センサ117、スロットルバルブ103bの開度TVOを検出するスロットルセンサ118、内燃機関101の冷却水温度を検出する水温センサ119からの検出信号が入力される。
また、各気筒の吸気バルブ105上流側の吸気ポート130には、電磁式の燃料噴射弁131が設けられ、該燃料噴射弁131は、前記ECU114からの噴射パルス信号によって開弁駆動され、前記噴射パルス信号の噴射パルス幅(開弁時間)に比例する量の燃料を噴射する。
図2〜図4は、前記VEL機構112の構造を詳細に示すものである。
図2〜図4に示すVEL機構112は、一対の吸気バルブ105,105と、シリンダヘッド11のカム軸受14に回転自在に支持された中空状のカム軸13(駆動軸)と、該カム軸13に軸支された回転カムである2つの偏心カム15,15(駆動カム)と、前記カム軸13の上方位置に同じカム軸受14に回転自在に支持された制御軸16と、該制御軸16に制御カム17を介して揺動自在に支持された一対のロッカアーム18,18と、各吸気バルブ105,105の上端部にバルブリフター19,19を介して配置された一対のそれぞれ独立した揺動カム20,20とを備えている。
前記偏心カム15,15とロッカアーム18,18とは、リンクアーム25,25によって連係され、ロッカアーム18,18と揺動カム20,20とは、リンク部材26,26によって連係されている。
上記ロッカアーム18,18,リンクアーム25,25,リンク部材26,26が伝達機構を構成する。
前記偏心カム15は、図5に示すように、略リング状を呈し、小径なカム本体15aと、該カム本体15aの外端面に一体に設けられたフランジ部15bとからなり、内部軸方向にカム軸挿通孔15cが貫通形成されていると共に、カム本体15aの軸心Xがカム軸13の軸心Yから所定量だけ偏心している。
また、前記偏心カム15は、カム軸13に対し前記バルブリフター19に干渉しない両外側にカム軸挿通孔15cを介して圧入固定されている。
前記ロッカアーム18は、図4に示すように、略クランク状に屈曲形成され、中央の基部18aが制御カム17に回転自在に支持されている。
また、基部18aの外端部に突設された一端部18bには、リンクアーム25の先端部と連結するピン21が圧入されるピン孔18dが貫通形成されている一方、基部18aの内端部に突設された他端部18cには、各リンク部材26の後述する一端部26aと連結するピン28が圧入されるピン孔18eが形成されている。
前記制御カム17は、円筒状を呈し、制御軸16外周に固定されていると共に、図2に示すように軸心P1位置が制御軸16の軸心P2からαだけ偏心している。
前記揺動カム20は、図2及び図6,図7に示すように略横U字形状を呈し、略円環状の基端部22にカム軸13が嵌挿されて回転自在に支持される支持孔22aが貫通形成されていると共に、ロッカアーム18の他端部18c側に位置する端部23にピン孔23aが貫通形成されている。
また、揺動カム20の下面には、基端部22側の基円面24aと該基円面24aから端部23端縁側に円弧状に延びるカム面24bとが形成されており、該基円面24aとカム面24bとが、揺動カム20の揺動位置に応じて各バルブリフター19の上面所定位置に当接するようになっている。
即ち、図8に示すバルブリフト特性からみると、図2に示すように基円面24aの所定角度範囲θ1がベースサークル区間になり、カム面24bの前記ベースサークル区間θ1から所定角度範囲θ2が所謂ランプ区間となり、更に、カム面24bのランプ区間θ2から所定角度範囲θ3がリフト区間になるように設定されている。
また、前記リンクアーム25は、円環状の基部25aと、該基部25aの外周面所定位置に突設された突出端25bとを備え、基部25aの中央位置には、前記偏心カム15のカム本体15aの外周面に回転自在に嵌合する嵌合穴25cが形成されている一方、突出端25bには、前記ピン21が回転自在に挿通するピン孔25dが貫通形成されている。
更に、前記リンク部材26は、所定長さの直線状に形成され、円形状の両端部26a,26bには前記ロッカアーム18の他端部18cと揺動カム20の端部23の各ピン孔18d,23aに圧入した各ピン28,29の端部が回転自在に挿通するピン挿通孔26c,26dが貫通形成されている。
尚、各ピン21,28,29の一端部には、リンクアーム25やリンク部材26の軸方向の移動を規制するスナップリング30,31,32が設けられている。
上記構成において、制御軸16の軸心P2と制御カム17の軸心P1との位置関係によって、図6,7に示すように、バルブリフト量が変化することになり、前記制御軸16を回転駆動させることで、制御カム17の軸心P1に対する制御軸16の軸心P2の位置を変化させる。
前記制御軸16は、図10に示すような構成によって、ストッパにより制限される所定回転角度範囲内でDCサーボモータ(アクチュエータ)121により回転駆動されるようになっており、前記制御軸16の角度を前記アクチュエータ121で変化させることで、吸気バルブ105のバルブリフト量及びバルブ作動角が連続的に変化する(図9参照)。
図10において、DCサーボモータ121は、その回転軸が制御軸16と平行になるように配置され、回転軸の先端には、かさ歯車122が軸支されている。
一方、前記制御軸16の先端に一対のステー123a,123bが固定され、一対のステー123a,123bの先端部を連結する制御軸16と平行な軸周りに、ナット124が揺動可能に支持される。
前記ナット124に噛み合わされるネジ棒125の先端には、前記かさ歯車122に噛み合わされるかさ歯車126が軸支されており、DCサーボモータ121の回転によってネジ棒125が回転し、該ネジ棒125に噛み合うナット124の位置が、ネジ棒125の軸方向に変位することで、制御軸16が回転されるようになっている。
ここで、ナット124の位置をかさ歯車126に近づける方向が、バルブリフト量が小さくなる方向で、逆に、ナット124の位置をかさ歯車126から遠ざける方向が、バルブリフト量が大きくなる方向となっている。
前記制御軸16の先端には、図10に示すように、制御軸16の角度を検出するポテンショメータ式の角度センサ127が設けられており、該角度センサ127で検出される実際の角度が目標角度に一致するように、前記ECU114が前記DCサーボモータ121をフィードバック制御する。
ここで、制御軸16の角度によって吸気バルブ105のバルブリフト量が決まるので、本実施形態において前記角度センサ127は、実質的にバルブリフト量を検出することになる。
尚、本実施形態では、角度センサ127で認識される制御軸16の角度が増大する方向が、バルブリフト量の大きくなる方向としてある。
また、前記制御軸16の外周に突出形成したストッパ部材128が、固定側の受け部材(図示省略)に対してリフトの増大方向及び減少方向の双方で当接することで、制御軸16の回転範囲が規制され、これにより最小リフト量及び最大リフト量が規定されるようになっている。
次に、前記VTC機構113の構成を、図11に基づいて説明する。
本実施形態におけるVTC機構113は、ベーン式の可変バルブタイミング機構であり、クランク軸120によりタイミングチェーンを介して回転駆動されるカムスプロケット51(タイミングスプロケット)と、吸気側カム軸13の端部に固定されてカムスプロケット51内に回転自在に収容された回転部材53と、該回転部材53をカムスプロケット51に対して相対的に回転させる油圧回路54と、カムスプロケット51と回転部材53との相対回転位置を所定位置で選択的にロックするロック機構60とを備えている。
前記カムスプロケット51は、外周にタイミングチェーン(又はタイミングベルト)が噛合する歯部を有する回転部(図示省略)と、該回転部の前方に配置されて前記回転部材53を回転自在に収容するハウジング56と、該ハウジング56の前後開口を閉塞するフロントカバー,リアカバー(図示省略)とから構成される。
前記ハウジング56は、前後両端が開口形成された円筒状を呈し、内周面には、横断面台形状を呈し、それぞれハウジング56の軸方向に沿って設けられる4つの隔壁部63が90°間隔で突設されている。
前記回転部材53は、吸気側カム軸14の前端部に固定されており、円環状の基部77の外周面に90°間隔で4つのベーン78a,78b,78c,78dが設けられている。
前記第1〜第4ベーン78a〜78dは、それぞれ断面が略逆台形状を呈し、各隔壁部63間の凹部に配置され、前記凹部を回転方向の前後に隔成し、ベーン78a〜78dの両側と各隔壁部63の両側面との間に、進角側油圧室82と遅角側油圧室83を構成する。
前記ロック機構60は、ロックピン84が、回転部材53の最大遅角側の回動位置(基準作動状態)において係合孔(図示省略)に係入するようになっている。
前記油圧回路54は、進角側油圧室82に対して油圧を給排する第1油圧通路91と、遅角側油圧室83に対して油圧を給排する第2油圧通路92との2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路91,92には、供給通路93とドレン通路94a,94bとがそれぞれ通路切り換え用の電磁切換弁95を介して接続されている。
前記供給通路93には、オイルパン96内の油を圧送する機関駆動のオイルポンプ97が設けられている一方、ドレン通路94a,94bの下流端がオイルパン96に連通している。
前記第1油圧通路91は、回転部材53の基部77内に略放射状に形成されて各進角側油圧室82に連通する4本の分岐路91dに接続され、第2油圧通路92は、各遅角側油圧室83に開口する4つの油孔92dに接続される。
前記電磁切換弁95は、内部のスプール弁体が各油圧通路91,92と供給通路93及びドレン通路94a,94bとを相対的に切り換え制御するようになっている。
前記ECU114は、前記電磁切換弁95を駆動する電磁アクチュエータ99に対する通電量を、ディザ信号が重畳されたデューティ制御信号に基づいて制御する。
例えば、電磁アクチュエータ99にデューティ比0%の制御信号(OFF信号)を出力すると、オイルポンプ47から圧送された作動油は、第2油圧通路92を通って遅角側油圧室83に供給されると共に、進角側油圧室82内の作動油が、第1油圧通路91を通って第1ドレン通路94aからオイルパン96内に排出される。
従って、遅角側油圧室83の内圧が高、進角側油圧室82の内圧が低となって、回転部材53は、ベーン78a〜78bを介して最大遅角側に回転し、この結果、吸気バルブ105の開期間(開時期及び閉時期)が遅くなる。
一方、電磁アクチュエータ99にデューティ比100%の制御信号(ON信号)を出力すると、作動油は、第1油圧通路91を通って進角側油圧室82内に供給されると共に、遅角側油圧室83内の作動油が第2油圧通路92及び第2ドレン通路94bを通ってオイルパン96に排出され、遅角側油圧室83が低圧になる。
このため、回転部材53は、ベーン78a〜78dを介して進角側へ最大に回転し、これによって、吸気バルブ105の開期間(開時期及び閉時期)が早くなる。
前記VEL機構112の制御においては、前述のように、前記角度センサ127で検出される制御軸16の角度が目標角度に一致するように、前記DCサーボモータ121がフィードバック制御されるが、本実施形態では、前記角度センサ127として、第1角度センサ127a,第2角度センサ127bの2つを備えている。
前記角度センサ127a,127bは、制御軸16の角度を検出する同じ種類の角度センサであって、制御軸16の角度に対して略同一の検出信号を出力するセンサである。
そして、前記2つの角度センサ127a,127bを用いて、図12のフローチャートに示すフェイルセーフ処理を行なう。
図12のフローチャートにおいて、ステップS1では、前記角度センサ127a,127bの検出結果を比較する。
そして、ステップS2では、前記角度センサ127a,127bの検出結果が一致しているか否かを判断することで、角度センサ127の故障を診断する。
前記角度センサ127a,127bの検出結果が一致していれば、角度センサ127a,127bが共に正常であると判断し、ステップS3へ進んで、通常制御を行なう。
前記ステップS3の通常制御においては、例えば第1角度センサ127aの検出信号に基づいて制御軸16の角度を検出し、該検出角度が目標リフト量に相当する目標角度に一致するように、前記DCサーボモータ121をフィードバック制御する。
一方、ステップS2で、前記角度センサ127a,127bの検出結果が一致してなく、少なくとも一方の角度センサが故障しているものと推定されるときには、ステップS4へ進む。
ステップS4では、吸気バルブ105のバルブリフト量を強制的に所定値(例えば最小リフト量)に固定すべく、前記DCサーボモータ121のデューティ制御におけるデューティ値DUTY(制御信号)を、所定値(例えば0%デューティ)に固定する。
また、吸気バルブ105のバルブリフト量が固定され、吸気バルブ105のバルブリフト量による吸入空気量の制御が行えなくなることに対応すべく、電子制御スロットル104による吸入空気量の制御に切り換える。
即ち、吸気バルブ105のバルブリフト量が固定された状態で、アクセル開度に応じて前記電子制御スロットル104の開度を制御することで、要求の吸入空気量になるように制御する。
ステップS5では、上記の吸気バルブ105のバルブリフト量が所定値に固定される状態で角度センサ127が出力すべき値として予め記憶されているKOTEIANG#と、各角度センサ127a,127bの実際の検出値REVEL1,REVEL2との偏差の絶対値HENSA1,HENSA2をそれぞれに演算する。
HENSA1=|REVEL1−KOTEIANG#|
HENSA2=|REVEL2−KOTEIANG#|
前記KOTEIANG#は、例えばバルブリフト量が最小値に固定される場合には、最小バルブリフト量相当のセンサ出力である。
ステップS6では、前記HENSA1が所定値SYOTEI#以下であるか否かを判定する。
前記HENSA1が所定値SYOTEI#以下である場合には、第1の角度センサ127aが、所定のバルブリフト量に固定されている吸気バルブ105のバルブリフト量を略正確に検出していることになる。
従って、ステップS2で角度センサ127の故障が判定されたのは、第1の角度センサ127aが正常であるのに対し、第2の角度センサ127bが故障していて、第2の角度センサ127bが実際のバルブリフト量とは大きく異なる検出結果を出力したためであると判断される。
そこで、ステップS6で、前記HENSA1が所定値SYOTEI#以下であると判断されたときには、ステップS7へ進み、第1の角度センサ127aが正常で、第2の角度センサ127bが故障していると判定する。
そして、次のステップS8では、第1の角度センサ127aの検出結果に基づき、制御軸16の角度を目標に一致させるフィードバック制御を開始させる。
これにより、ステップS4で停止させたフィードバック制御が再開されることになる。
ここで、第2の角度センサ127bについては既に故障判定がなされているので、ステップS8でフィードバック制御を再開させた後は、両角度センサ127a,127bの出力を比較しての故障判定が行なえなくなり、故障判定処理が、断線・ショートなどの検出に限定されることになる。
そこで、前記ステップS8でフィードバック制御を再開させるときには、両角度センサ127a,127bが正常であるときよりも、バルブリフト量の制御範囲を低バルブリフト量側に偏ったより狭い範囲に制限することが好ましい。
これにより、正常と判断されたセンサまでもが故障したとしても、過大なバルブリフト量に誤って制御されてしまうことが回避される。
また、2つの角度センサ127a,127bのうちの一方が故障していることを、運転者にランプ等で通知し、運転性の変化,運転上の注意、更には、早期のメンテナンスを促すことが好ましい。
尚、後述するステップS11でも、バルブリフト量の制御範囲の制限、及び、運転者への通知を行なうことが好ましい。
一方、ステップS6で、前記HENSA1が所定値SYOTEI#を超えていると判断されたときには、第1の角度センサ127aが、所定のバルブリフト量に固定されている吸気バルブ105のバルブリフト量とは大きく異なる検出信号を出力していることになり、第1の角度センサ127aの故障が推定される。
この場合には、ステップS9へ進み、前記HENSA2が前記所定値SYOTEI#以下であるか否かを判定することで、第2の角度センサ127bが故障しているか否かを判断する。
前記HENSA2が所定値SYOTEI#以下であると判断されたときには、第2の角度センサ127bが正常であるのに対し、第1の角度センサ127aが故障していて、第1の角度センサ127aが実際のバルブリフト量とは大きく異なる検出結果を出力したために、ステップS2で角度センサ127の故障が判定されたものと判断できる。
そこで、ステップS9で、前記HENSA2が前記所定値SYOTEI#以下であると判定されたときには、ステップS10へ進み、第2の角度センサ127bが正常で、第1の角度センサ127aが故障していると判定する。
そして、次のステップS11では、第2の角度センサ127bの検出結果に基づき、制御軸16の角度を目標に一致させるフィードバック制御を開始させることで、ステップS4で停止させたフィードバック制御を再開させる。
一方、ステップS9で前記HENSA2が前記所定値SYOTEI#を超えていると判断されたときには、両角度センサ127a,127bが共に、実際のバルブリフト量とは大きく異なる検出信号を出力しており、両角度127a,127bが共に故障しているものと判断できる。
従って、ステップS9で前記HENSA2が前記所定値SYOTEI#を超えていると判断されたときには、ステップS12へ進み、両角度センサ127a,127bが共に故障していると判定し、ステップS4で行なったバルブリフト量の固定及びスロットルによる空気量制御をそのまま継続させる。
ステップS12へ進んだときには、両角度センサ127a,127bが共に故障していることを、運転者に通知すると良い。
上記のように、本実施形態では、両角度センサ127a,127bの検出結果の整合性から故障判定を行なった後で、一方が正常であれば、その正常な角度センサを特定し、更に、特定した正常な角度センサを用いて制御軸16の角度(バルブリフト量)のフィードバック制御を再開させる。
従って、一方の角度センサが故障していても、他方の角度センサで制御軸16の角度(バルブリフト量)のフィードバック制御を行なわせて、運転性を維持することができる。
尚、上記実施形態では、制御軸16の角度センサを2つ備える構成としたが、3つ以上であっても、上記実施形態と同様な処理によって正常な角度センサを特定できることは明らかである。
また、吸気バルブ105の開特性を検出するセンサを前記角度センサ127に限定するものではなく、例えば、バルブステムの変位からバルブリフト量を検出するセンサを複数備える構成においても、上記同様な制御を適用することが可能である。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1又は2記載の内燃機関の可変動弁制御装置において、
前記所定値が、最小バルブリフト量であることを特徴とする内燃機関の可変動弁制御装置。
かかる構成によると、センサ異常が検出されると、バルブリフト量が最小値に固定され、センサ異常に伴って過剰に大きなバルブリフト量に制御されてしまうことを回避する。
(ロ)請求項1又は2記載の内燃機関の可変動弁制御装置において、
前記複数のセンサのうちで、検出結果と前記所定値との偏差の絶対値が所定値以下であるセンサを正常なセンサとして選択することを特徴とする内燃機関の可変動弁制御装置。
かかる構成によると、固定されたバルブリフト量に見合う検出結果と実際の検出結果との偏差が所定値以下であって、所定以下のばらつき範囲内でバルブリフト量を検出できている場合には、センサが実際のバルブリフト量の変化に見合う検出結果を出力しているものと見なして、正常なセンサとして選択する。
実施形態における内燃機関のシステム構成図。 VEL(Variable valve Event and Lift)機構を示す断面図(図3のA−A断面図)。 上記VEL機構の側面図。 上記VEL機構の平面図。 上記VEL機構に使用される偏心カムを示す斜視図。 上記VEL機構の低リフト時の作用を示す断面図(図3のB−B断面図)。 上記VEL機構の高リフト時の作用を示す断面図(図3のB−B断面図)。 上記VEL機構における揺動カムの基端面とカム面に対応したバルブリフト特性図。 上記VEL機構のバルブタイミングとバルブリフトの特性図。 上記VEL機構における制御軸の回転駆動機構を示す斜視図。 VTC(Variable valve Timing Control)機構を示す縦断面図。 上記VEL機構のフェイルセーフ制御処理を示すフローチャート。
符号の説明
16…制御軸、101…エンジン、104…電子制御スロットル、105…吸気バルブ、107…排気バルブ、112…VEL機構(可変動弁機構)、113…VTC機構(可変バルブタイミング機構)、114…エンジンコントロールユニット(ECU)、127a,127b…角度センサ

Claims (2)

  1. 機関バルブのバルブリフト量を連続的に可変にする可変動弁機構を備えると共に、前記バルブリフト量を検出するセンサを備え、前記センサで検出されるバルブリフト量に基づいて前記可変動弁機構をフィードバック制御する内燃機関の可変動弁制御装置であって、
    前記センサを複数備え、該複数のセンサそれぞれでの検出結果の一致・不一致に基づいてセンサの異常の有無を検出し、
    検出結果が不一致でセンサの異常が検出されたときに、前記バルブリフト量を所定値に固定すべく前記可変動弁機構に対し所定の制御信号を強制的に出力し、
    前記所定の制御信号の出力状態において、前記複数のセンサのうちで前記所定値を検出したセンサを正常なセンサとして選択し、
    前記正常なセンサとして選択されたセンサの検出信号に基づき、前記可変動弁機構のフィードバック制御を再開させることを特徴とする内燃機関の可変動弁制御装置。
  2. 前記機関バルブが吸気バルブであって、該吸気バルブのバルブリフト量を変化させることで、機関の吸入空気量を制御する構成であり、
    前記吸気バルブのバルブリフト量が前記所定値に固定されるときに、前記吸気バルブの上流側に介装される吸気絞り弁の開度を制御することで、機関の吸入空気量を制御することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁制御装置。
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