JP4231402B2 - 内燃機関の可変動弁制御装置 - Google Patents
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Description
しかし、上記構成では、一方のセンサが正常で、他方が故障している場合に、いずれのセンサが故障しているかを特定できないため、正常なセンサが存在しているにも関わらず、バルブリフト量の通常制御が停止され、バルブリフト量が最小値に固定されるなどのフェイルセーフ処理がなされて、運転性が大きく損なわれてしまうという問題があった。
但し、上記のように、センサの検出結果を比較してセンサ異常の有無を判定する場合には、いずれのセンサが故障しているか否かを判定することができない。
そして、正常であると推定されるセンサがあれば、他のセンサが故障していても、フィードバック制御を再開させる。
請求項2記載の発明では、機関バルブが吸気バルブであって、該吸気バルブのバルブリフト量を変化させることで、機関の吸入空気量を制御する構成であり、前記吸気バルブのバルブリフト量が前記所定値に固定されるときに、前記吸気バルブの上流側に介装される吸気絞り弁の開度を制御することで、機関の吸入空気量を制御する構成とした。
従って、正常センサが特定されるまでの間、及び、全センサが故障しているときに、最小限の空気量制御機能を確保して、安全な機関運転の継続を図りつつエンストの発生を防止できる。
図1において、内燃機関101の吸気管102には、スロットルモータ103aでスロットルバルブ103b(吸気絞り弁)を開閉駆動する電子制御スロットル104が介装され、該電子制御スロットル104及び吸気バルブ105を介して、燃焼室106内に空気が吸入される。
前記排気バルブ107は、排気側カム軸110に軸支されたカム111によって一定のバルブリフト量,バルブ作動角及びバルブタイミングを保って開閉駆動される。
一方、吸気バルブ105側には、開特性としてのバルブリフト量を作動角と共に連続的に可変する可変動弁機構であるVEL(Variable valve Event and Lift)機構112が設けられる。
マイクロコンピュータを内蔵するエンジンコントロールユニット(ECU)114は、アクセル開度に対応する目標吸入空気量が得られるように、前記電子制御スロットル104,VEL機構112及びVTC機構113を制御する。
前記ECU114には、内燃機関101の吸入空気量を検出するエアフローメータ115、アクセル開度を検出するアクセルペダルセンサ116、クランク軸120からクランク回転信号を取り出すクランク角センサ117、スロットルバルブ103bの開度TVOを検出するスロットルセンサ118、内燃機関101の冷却水温度を検出する水温センサ119からの検出信号が入力される。
図2〜図4は、前記VEL機構112の構造を詳細に示すものである。
上記ロッカアーム18,18,リンクアーム25,25,リンク部材26,26が伝達機構を構成する。
また、前記偏心カム15は、カム軸13に対し前記バルブリフター19に干渉しない両外側にカム軸挿通孔15cを介して圧入固定されている。
また、基部18aの外端部に突設された一端部18bには、リンクアーム25の先端部と連結するピン21が圧入されるピン孔18dが貫通形成されている一方、基部18aの内端部に突設された他端部18cには、各リンク部材26の後述する一端部26aと連結するピン28が圧入されるピン孔18eが形成されている。
前記揺動カム20は、図2及び図6,図7に示すように略横U字形状を呈し、略円環状の基端部22にカム軸13が嵌挿されて回転自在に支持される支持孔22aが貫通形成されていると共に、ロッカアーム18の他端部18c側に位置する端部23にピン孔23aが貫通形成されている。
即ち、図8に示すバルブリフト特性からみると、図2に示すように基円面24aの所定角度範囲θ1がベースサークル区間になり、カム面24bの前記ベースサークル区間θ1から所定角度範囲θ2が所謂ランプ区間となり、更に、カム面24bのランプ区間θ2から所定角度範囲θ3がリフト区間になるように設定されている。
更に、前記リンク部材26は、所定長さの直線状に形成され、円形状の両端部26a,26bには前記ロッカアーム18の他端部18cと揺動カム20の端部23の各ピン孔18d,23aに圧入した各ピン28,29の端部が回転自在に挿通するピン挿通孔26c,26dが貫通形成されている。
上記構成において、制御軸16の軸心P2と制御カム17の軸心P1との位置関係によって、図6,7に示すように、バルブリフト量が変化することになり、前記制御軸16を回転駆動させることで、制御カム17の軸心P1に対する制御軸16の軸心P2の位置を変化させる。
図10において、DCサーボモータ121は、その回転軸が制御軸16と平行になるように配置され、回転軸の先端には、かさ歯車122が軸支されている。
前記ナット124に噛み合わされるネジ棒125の先端には、前記かさ歯車122に噛み合わされるかさ歯車126が軸支されており、DCサーボモータ121の回転によってネジ棒125が回転し、該ネジ棒125に噛み合うナット124の位置が、ネジ棒125の軸方向に変位することで、制御軸16が回転されるようになっている。
前記制御軸16の先端には、図10に示すように、制御軸16の角度を検出するポテンショメータ式の角度センサ127が設けられており、該角度センサ127で検出される実際の角度が目標角度に一致するように、前記ECU114が前記DCサーボモータ121をフィードバック制御する。
尚、本実施形態では、角度センサ127で認識される制御軸16の角度が増大する方向が、バルブリフト量の大きくなる方向としてある。
次に、前記VTC機構113の構成を、図11に基づいて説明する。
前記ハウジング56は、前後両端が開口形成された円筒状を呈し、内周面には、横断面台形状を呈し、それぞれハウジング56の軸方向に沿って設けられる4つの隔壁部63が90°間隔で突設されている。
前記第1〜第4ベーン78a〜78dは、それぞれ断面が略逆台形状を呈し、各隔壁部63間の凹部に配置され、前記凹部を回転方向の前後に隔成し、ベーン78a〜78dの両側と各隔壁部63の両側面との間に、進角側油圧室82と遅角側油圧室83を構成する。
前記油圧回路54は、進角側油圧室82に対して油圧を給排する第1油圧通路91と、遅角側油圧室83に対して油圧を給排する第2油圧通路92との2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路91,92には、供給通路93とドレン通路94a,94bとがそれぞれ通路切り換え用の電磁切換弁95を介して接続されている。
前記第1油圧通路91は、回転部材53の基部77内に略放射状に形成されて各進角側油圧室82に連通する4本の分岐路91dに接続され、第2油圧通路92は、各遅角側油圧室83に開口する4つの油孔92dに接続される。
前記ECU114は、前記電磁切換弁95を駆動する電磁アクチュエータ99に対する通電量を、ディザ信号が重畳されたデューティ制御信号に基づいて制御する。
例えば、電磁アクチュエータ99にデューティ比0%の制御信号(OFF信号)を出力すると、オイルポンプ47から圧送された作動油は、第2油圧通路92を通って遅角側油圧室83に供給されると共に、進角側油圧室82内の作動油が、第1油圧通路91を通って第1ドレン通路94aからオイルパン96内に排出される。
一方、電磁アクチュエータ99にデューティ比100%の制御信号(ON信号)を出力すると、作動油は、第1油圧通路91を通って進角側油圧室82内に供給されると共に、遅角側油圧室83内の作動油が第2油圧通路92及び第2ドレン通路94bを通ってオイルパン96に排出され、遅角側油圧室83が低圧になる。
前記VEL機構112の制御においては、前述のように、前記角度センサ127で検出される制御軸16の角度が目標角度に一致するように、前記DCサーボモータ121がフィードバック制御されるが、本実施形態では、前記角度センサ127として、第1角度センサ127a,第2角度センサ127bの2つを備えている。
そして、前記2つの角度センサ127a,127bを用いて、図12のフローチャートに示すフェイルセーフ処理を行なう。
図12のフローチャートにおいて、ステップS1では、前記角度センサ127a,127bの検出結果を比較する。
前記角度センサ127a,127bの検出結果が一致していれば、角度センサ127a,127bが共に正常であると判断し、ステップS3へ進んで、通常制御を行なう。
前記ステップS3の通常制御においては、例えば第1角度センサ127aの検出信号に基づいて制御軸16の角度を検出し、該検出角度が目標リフト量に相当する目標角度に一致するように、前記DCサーボモータ121をフィードバック制御する。
ステップS4では、吸気バルブ105のバルブリフト量を強制的に所定値(例えば最小リフト量)に固定すべく、前記DCサーボモータ121のデューティ制御におけるデューティ値DUTY(制御信号)を、所定値(例えば0%デューティ)に固定する。
即ち、吸気バルブ105のバルブリフト量が固定された状態で、アクセル開度に応じて前記電子制御スロットル104の開度を制御することで、要求の吸入空気量になるように制御する。
HENSA1=|REVEL1−KOTEIANG#|
HENSA2=|REVEL2−KOTEIANG#|
前記KOTEIANG#は、例えばバルブリフト量が最小値に固定される場合には、最小バルブリフト量相当のセンサ出力である。
前記HENSA1が所定値SYOTEI#以下である場合には、第1の角度センサ127aが、所定のバルブリフト量に固定されている吸気バルブ105のバルブリフト量を略正確に検出していることになる。
従って、ステップS2で角度センサ127の故障が判定されたのは、第1の角度センサ127aが正常であるのに対し、第2の角度センサ127bが故障していて、第2の角度センサ127bが実際のバルブリフト量とは大きく異なる検出結果を出力したためであると判断される。
そして、次のステップS8では、第1の角度センサ127aの検出結果に基づき、制御軸16の角度を目標に一致させるフィードバック制御を開始させる。
ここで、第2の角度センサ127bについては既に故障判定がなされているので、ステップS8でフィードバック制御を再開させた後は、両角度センサ127a,127bの出力を比較しての故障判定が行なえなくなり、故障判定処理が、断線・ショートなどの検出に限定されることになる。
これにより、正常と判断されたセンサまでもが故障したとしても、過大なバルブリフト量に誤って制御されてしまうことが回避される。
尚、後述するステップS11でも、バルブリフト量の制御範囲の制限、及び、運転者への通知を行なうことが好ましい。
この場合には、ステップS9へ進み、前記HENSA2が前記所定値SYOTEI#以下であるか否かを判定することで、第2の角度センサ127bが故障しているか否かを判断する。
そこで、ステップS9で、前記HENSA2が前記所定値SYOTEI#以下であると判定されたときには、ステップS10へ進み、第2の角度センサ127bが正常で、第1の角度センサ127aが故障していると判定する。
一方、ステップS9で前記HENSA2が前記所定値SYOTEI#を超えていると判断されたときには、両角度センサ127a,127bが共に、実際のバルブリフト量とは大きく異なる検出信号を出力しており、両角度127a,127bが共に故障しているものと判断できる。
ステップS12へ進んだときには、両角度センサ127a,127bが共に故障していることを、運転者に通知すると良い。
従って、一方の角度センサが故障していても、他方の角度センサで制御軸16の角度(バルブリフト量)のフィードバック制御を行なわせて、運転性を維持することができる。
また、吸気バルブ105の開特性を検出するセンサを前記角度センサ127に限定するものではなく、例えば、バルブステムの変位からバルブリフト量を検出するセンサを複数備える構成においても、上記同様な制御を適用することが可能である。
(イ)請求項1又は2記載の内燃機関の可変動弁制御装置において、
前記所定値が、最小バルブリフト量であることを特徴とする内燃機関の可変動弁制御装置。
前記複数のセンサのうちで、検出結果と前記所定値との偏差の絶対値が所定値以下であるセンサを正常なセンサとして選択することを特徴とする内燃機関の可変動弁制御装置。
Claims (2)
- 機関バルブのバルブリフト量を連続的に可変にする可変動弁機構を備えると共に、前記バルブリフト量を検出するセンサを備え、前記センサで検出されるバルブリフト量に基づいて前記可変動弁機構をフィードバック制御する内燃機関の可変動弁制御装置であって、
前記センサを複数備え、該複数のセンサそれぞれでの検出結果の一致・不一致に基づいてセンサの異常の有無を検出し、
検出結果が不一致でセンサの異常が検出されたときに、前記バルブリフト量を所定値に固定すべく前記可変動弁機構に対し所定の制御信号を強制的に出力し、
前記所定の制御信号の出力状態において、前記複数のセンサのうちで前記所定値を検出したセンサを正常なセンサとして選択し、
前記正常なセンサとして選択されたセンサの検出信号に基づき、前記可変動弁機構のフィードバック制御を再開させることを特徴とする内燃機関の可変動弁制御装置。 - 前記機関バルブが吸気バルブであって、該吸気バルブのバルブリフト量を変化させることで、機関の吸入空気量を制御する構成であり、
前記吸気バルブのバルブリフト量が前記所定値に固定されるときに、前記吸気バルブの上流側に介装される吸気絞り弁の開度を制御することで、機関の吸入空気量を制御することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁制御装置。
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