JP4231303B2 - 排気管及び内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

排気管及び内燃機関の排気浄化装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気通路内に排気中の成分を検出するセンサが設けられた排気管及びこれを備えた内燃機関の排気浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、排気管内には各種制御を行うために、排気中の成分を検出するためのセンサが設けられている。このようなセンサの素子には活性温度がある場合が多く、一定の温度の環境下になければ正確な検出を行うことができないことがある。一例を挙げると、排気中の酸素濃度を測定するために、排気中の成分の検出を行う酸素センサは、例えば200℃以上の環境下でなければ検出精度が高くならない。そのため、センサに素子を加熱するヒータを設けて、早期に素子を活性温度まで昇温させる技術が知られている。
【0003】
ところで、機関停止中に排気通路内の排気が冷却して排気中の水分が凝縮したり、機関始動直後に低温状態にある排気通路内に排気が流れ込んで、排気が冷却されて排気中の水分が凝縮したりすることにより、排気通路内に水が溜まることがある。
【0004】
このような水が排気などによって飛散して、高温状態となった素子に触れると、素子が急激に冷却されるため、検出精度が低下してしまう可能性があり、また、素子がサーマルショックによって破損してしまうことがある。そのため、素子に水が触れないように対策する必要がある。
【0005】
従来、この対策としては、凝縮水が蒸発してなくなるまで素子の昇温を行わないようにする技術(例えば特許文献1)や、素子に周囲にプロテクタを配設する技術(例えば特許文献2)が知られている。なお、前者の場合には、素子の昇温を行わない間、エミッションや燃費の悪化の問題がある。その他の関連技術として特許文献3,4がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−15213号公報
【特許文献2】
特開2001−73827号公報
【特許文献3】
実開昭61−62221号公報
【特許文献4】
実開昭62−18319号公報
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、センサ素子には水が触れないように対策する必要がある。
【0007】
そこで、本発明の目的の一つとして、センサ素子の付近に水が溜まることを低減して、センサ素子に水が触れることを防止することが挙げられる。
【0008】
また、本発明の目的の一つとして、センサ素子の付近に水が飛散することを抑制して、センサ素子に水が触れることを防止することが挙げられる。
【0009】
そして、本発明の目的の一つとして、高温状態のセンサ素子に水が触れることを防止することで、センサ素子の破損を防止することが挙げられる。
【0010】
また、本発明の目的の一つとして、センサ素子に水が触れて温度が低下することによる検出精度の低下を防止することが挙げられる。そして、これに伴って、排気空燃比制御の向上及び浄化性能を向上させることも、本発明の目的として挙げられる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0012】
本発明においては、センサ素子に向かい水(凝縮水)が飛散される恐れのある(多い)領域(第1領域)から、飛散される恐れのない(少ない)領域に、水を移動させる一方通行となる通路を設ける構成とした。この構成により、一方通行の通路により第1領域側の水は第2領域に移動するため、第1領域に水が溜まることを低減でき、センサ素子に向かって飛散する水を低減することが可能となる。また、通路は一方通行であるので第2領域の水が第1領域に移動することは抑制され、第2領域側の水が通路を通って素子付近に飛散してしまうことも抑制できる。
【0013】
より具体的な、本発明の排気管の構成としては、排気中の成分を検出するセンサのセンサ素子部を通る排気の流れを形成する第1通路と、
前記センサ素子部の上流側から下流側に向けて、該センサ素子部を通らない排気の流れを形成する第2通路と、
第1通路側で排気中の水分が凝縮されてできた水は第2通路側に移動され、かつ、第2通路側で排気中の水分が凝縮されてできた水及び第1通路側から移動された水は第1通路側に移動されることが抑制されている、第1通路と第2通路とを連通する連通路と、を備えることを特徴とするものが挙げられる。
【0014】
本構成によれば、連通路によって第1通路側の水は第2通路側に移動されるので、第1通路内に水が溜まることを低減でき、センサ素子部付近に水が溜まることを低減できる。また、連通路においては、第2通路側の水は第1通路側に移動されることが抑制されているので、第2通路側で飛散した水が、連通路を通じてセンサ素子に向かって飛散することを抑制できる。
【0015】
また、本発明の排気管の他の構成としては、排気中の成分を検出するセンサのセンサ素子部を通る排気の流れを形成する第1通路と、
前記センサ素子部の上流側から下流側に向けて、該センサ素子部を通らない排気の流れを形成する第2通路と、
第1通路側で排気中の水分が凝縮されてできた水を第2通路側に導く傾斜部を有する、第1通路と第2通路を連通する連通路と、
第2通路側から飛散した水の該連通路の内部への進入を遮る遮り部と、を備えることを特徴とするものが挙げられる。
【0016】
本構成によれば、連通路の傾斜部によって第1通路側の水は第2通路側に導かれるので、第1通路内に水が溜まることを低減でき、センサ素子部付近に水が溜まることを低減できる。また、遮り部によって第2通路側から飛散した水は連通路内部に進入することが遮られるので、第2通路側で飛散した水が、連通路を通じてセンサ素子に向かって飛散することを抑制できる。
【0017】
また、本発明の排気管の他の構成としては、排気中の成分を検出するセンサのセンサ素子部を通る排気の流れを形成する第1通路と、
前記センサ素子部の上流側から下流側に向けて、該センサ素子部を通らない排気の流れを形成する第2通路と、
第1通路側で排気中の水分が凝縮されてできた水を第2通路に導く傾斜部を有し、かつ、第2通路側への開口部が下流側に向いている、第1通路と第2通路を連通する連通路と、を備えることを特徴とするものが挙げられる。
【0018】
本構成によれば、連通路の傾斜部によって第1通路側の水は第2通路側に導かれるので、第1通路内に水が溜まることを低減でき、センサ素子部付近に水が溜まることを低減できる。また、連通路の第2通路側への開口部は下流側に向いているので、排気によって第2通路側から飛散した水が、開口部を通じて連通路内に進入することは抑制される。従って、第2通路側で飛散した水が、連通路を通じてセンサ素子に向かって飛散することを抑制できる。
【0019】
そして、前記連通路の第1通路側の開口部は、前記センサ素子部よりも上流側に設けられると好適である。
【0020】
このように構成すれば、センサ素子部よりも上流側において、第1通路側の水を低減できるため、排気の流れの方向に飛散される水が、センサ素子に向かって飛散されることを効果的に低減できる。なお、連通路の第1通路側の開口部がセンサ素子部よりも下流側にある場合においても、振動等によって排気の流れとは逆方向に飛散される水もあるため、センサ素子に向かって飛散する水を低減できる効果はある。
【0021】
ここで、上述の「第1通路」と「第2通路」は、例えば、1つの通路を仕切り板によって2つの通路に仕切ることにより構成することができる。また、同心的に設けられた2重管によっても構成できる。更に、1つの管を2つの管に分岐させたり、独立した2つの管を設けたりすることによっても構成できる。
【0022】
また、「センサ素子部を通る排気の流れを形成する第1通路」とは、第1通路を流れる排気がセンサ素子部を通ることを意味するものであり、例えば、第1通路内にセンサ素子部が配設されている場合の他に、第1通路よりも下流側の開口端近傍にセンサ素子部が設けられている場合も含むものである。そして、「センサ素子部を通らない排気の流れを形成する第2通路」とは、第2通路を流れる排気がセンサ素子部を通らないことを意味するものである。つまり、第2通路内にはセンサ素子部は配設されておらず、かつ、第2通路を流れた排気はセンサ素子部よりも下流側に流れていくことを意味する。
【0023】
また、本発明の他の排気管としては、排気通路の上部に設けられたセンサであって、排気中の成分を検出するセンサのセンサ素子部を含む範囲、あるいは、該センサ素子部の近傍よりも上流側に、排気通路内を上下の通路に仕切る仕切り板を備え、
該仕切り板に、
上下の通路を連通する連通孔と、
該連通孔の下側に、その上面が上部の通路側で排気中の水分が凝縮されてできた水を下部の通路に導く傾斜面で構成され、その下面が下部の通路側から飛散した水の前記連通孔への進入を遮る遮り面で構成された壁と、を設けることを特徴とするものが挙げられる。
【0024】
本構成によれば、連通孔の下側に設けられた壁の上面の傾斜面によって上部の通路側の水は下部の通路側に導かれるので、上部の通路内に水が溜まることを低減でき、センサ素子部付近に水が溜まることを低減できる。また、壁の下面の遮り面によって、下部の通路側から飛散した水は連通孔に進入することは抑制される。従って、下部の通路側で飛散した水が、連通孔を通じてセンサ素子に向かって飛散することを抑制できる。
【0025】
ここで、連通孔の上側の通路への開口部は、前記センサ素子部よりも上流側に設けられると好適である。これにより、センサ素子部よりも上流側において、上側の水を低減できるため、排気の流れの方向に飛散される水が、センサ素子に向かって飛散されることを効果的に低減できる。なお、連通孔の上側の開口部がセンサ素子部よりも下流側にある場合においても、振動等によって排気の流れとは逆方向に飛散される水もあるため、センサ素子に向かって飛散する水を低減できる効果はある。
【0026】
また、本発明の他の排気管としては、排気通路の上部に設けられたセンサであって、排気中の成分を検出するセンサのセンサ素子部を含む範囲、あるいは、該センサ素子部の近傍よりも上流側に、排気通路の幅方向の一端から他端側に向けて下方に傾斜する傾斜部を有する第1仕切り板と、排気通路の幅方向の他端から一端側に向けて下方に傾斜する傾斜部を有する第2仕切り板と、を設け、これらの仕切り板によって排気通路内を上下に仕切ると共に、
これらの仕切り板は、上下方向には第1仕切り板と第2仕切り板との間に隙間が設けられて排気通路の上下を連通する連通路が形成され、かつ、幅方向には第1仕切り板と第2仕切り板との間に隙間がないように配設されていることを特徴とするものが挙げられる。
【0027】
本構成によれば、上部の通路内の水は、第1仕切り板及び第2仕切り板は下方に傾斜しているので、仕切り板の上面を下方へと流れていく。ここで、第1仕切り板と第2仕切り板との間には上下方向に隙間が設けられて連通路が形成されているため、いずれの仕切り板から出発した水も最終的には下部の通路へと流れていく。従って、上部の通路内に水が溜まることを低減でき、センサ素子部付近に水が溜まることを低減できる。また、幅方向には第1仕切り板と第2仕切り板との間に隙間がないように配設されているので、下部の通路側で飛散した水は、いずれかの仕切り板によって遮られて、上部の通路側にまで飛散していくことはない。
【0028】
また、他の発明の排気管としては、排気通路の上部に設けられたセンサであって、排気中の成分を検出するセンサのセンサ素子部が備えられている範囲内、あるいは、該センサ素子部の近傍よりも上流側に、排気通路内を上下の通路に仕切る仕切り板を備え、
前記仕切り板に、上下の通路を連通する連通孔を設けることを特徴とするものが挙げられる。
【0029】
本構成によれば、上部の通路の水は連通孔を通って下部の通路に落下するため、上部の通路内に水が溜まることを低減できる。また、下部の通路側で飛散した水は、仕切り板の連通孔のない部分では上部の通路側まで飛散することを防止できる。
【0030】
ここで、連通孔の上側の通路への開口部は、前記センサ素子部よりも上流側に設けられると好適である。これにより、センサ素子部よりも上流側において、上側の水を低減できるため、排気の流れの方向に飛散される水が、センサ素子に向かって飛散されることを効果的に低減できる。なお、連通孔の上側の開口部がセンサ素子部よりも下流側にある場合においても、振動等によって排気の流れとは逆方向に飛散される水もあるため、センサ素子に向かって飛散する水を低減できる効果はある。
【0031】
また、他の発明の排気管としては、排気通路の上部に設けられたセンサであって、排気中の成分を検出するセンサのセンサ素子部が備えられている範囲内、あるいは、該センサ素子部の近傍よりも上流側に、排気通路内を上下の通路に仕切る仕切り板を備え、
前記仕切り板は、下流側に向かうにつれて下方に傾斜するように配設されていることを特徴とするものが挙げられる。
【0032】
本構成によれば、上部の通路で仕切り板上に溜まった水は、仕切り板に沿って流れ落ちる。また、流れ落ちずに仕切り板上に水が溜まったままでも、この水に排気が直接当たることを防止できる。従って、センサ素子部に向かって水が飛散することを低減できる。また、下部の通路で飛散した水は仕切り板によって遮られる。
【0033】
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置としては、上記のいずれか一つに記載の排気管が備えられ、
該排気管に配設されたセンサによる検出結果に基づいて、排気ガス成分の制御が行われることを特徴とするものが挙げられる。
【0034】
本構成によれば、センサ素子に飛散した水が触れることが防止されているから、センサの検出精度が低下してしまうことはなく、安定した排気ガス成分制御を行うことができ、安定した浄化性能を実現できる。
【0035】
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0037】
まず、本実施の形態に係る排気管及び内燃機関の排気浄化装置を説明するに先立ち、これらが備えられる内燃機関の全体概要等について説明する。
【0038】
〔内燃機関の基本構造及び機能〕
図1に示す内燃機関(以下、エンジンという)1は、複数のシリンダ(ただし図1では一本のシリンダのみ図示)を備え、吸入行程,圧縮行程,爆発行程及び排気行程の4サイクルを繰り返して出力を得るディーゼルエンジンである。
【0039】
エンジン1の内部に形成されるシリンダ11内には、ピストン12が往復動可能に収容される。ピストン12の頭頂面12aと、シリンダ11の内壁と、シリンダ11の天井11aに囲まれた空間は、燃焼室13を形成する。ピストン12に連結されたコンロッド14は、シリンダ11内におけるピストン12の往復運動をエンジン1のクランクシャフト(図示略)の回転運動に変換する。
【0040】
シリンダ11の天井11aには、燃焼室13にその噴孔を向ける燃料噴射弁60が設けられている。燃料噴射弁60は、高圧ポンプ(図示略)等によって加圧され、蓄圧室(図示略)に蓄えられた加圧燃料を、燃焼室13内に適宜の量、適宜のタイミングで噴射供給する電磁駆動式開閉弁である。
【0041】
また、シリンダ11の天井11aには、燃焼室13に連通し吸気管40の最下流部位をなす吸気ポート41と、同じく燃焼室13に連通し排気管50の最上流部位をなす排気ポート51とが形成されている。さらに、この天井11aには、吸気ポート41と燃焼室13との境界を開放・閉塞する吸気弁19や、排気ポート51と燃焼室13との境界を開放・閉塞する排気弁20が設けられている。吸気弁19は、基本的にはクランクシャフトの回転に同期して往復運動(開閉弁動作)を繰り返す。排気弁20は、基本的にはクランクシャフトの回転に同期して往復運動(開閉動作)を繰り返す。
【0042】
吸気管40は、外部から燃焼室13内に吸入される空気(吸気)の通路を形成する。吸気管40の内部には、スロットル弁42が設けられている。スロットル弁42は、ステップモータ等を備えたアクチュエータ42aによってその開度が無段階に調節される電子制御式の開閉弁である。
【0043】
排気管50は、燃焼室13から排出される排気の通路を形成する。排気管50の内部には、触媒ケーシング54及び酸素濃度センサ55が設けられている。触媒ケーシング54は、不図示の排気浄化用触媒(以下、単に触媒という)を内蔵する。触媒は、周囲の温度が所定値(例えば200℃)を上回っている条件下で活性化し、排気中の窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)および炭化水素(HC)を浄化する。また特に、触媒は、排気中の酸素濃度が高い条件下(リーン雰囲気)で一時的にNOxを保持し、還元成分(例えば未燃の燃料成分)の濃度が高い条件下(リッチ雰囲気)で保持しているNOxを放出・還元する性質を有する。
【0044】
酸素濃度センサ55は、排気通路内のガスに晒される検出素子55Aと、検出素子55Aに併設される電熱式ヒータ55Bを備え、排気中の酸素濃度に応じた信号を出力する。この酸素濃度センサ55の出力信号は、燃焼室13において機関燃焼に供された酸素量及び燃料量の比率(空燃比)A/Fや、排気中に含まれる酸化成分(例えば酸素)及び還元成分(例えば未燃燃料成分)の濃度比率と高い相関がある。
【0045】
電子制御ユニット(ECU)80は、中央処理装置(CPU),読み出し専用メモリ(ROM),ランダムアクセスメモリ(RAM),バックアップRAM、およびエンジン1が運転している期間中に時間を計測するタイマー等からなるメイン回路と、A/D変換器を含む外部入力回路と、外部出力回路とを備える。さらに、メイン回路と外部入力回路と内部入力回路とは、双方向性バスによって相互に接続されることにより論理演算回路を構成する。
【0046】
このように構成されたECU80は、燃料噴射弁60およびスロットル弁42等を作動させることにより、エンジン1の運転状態の最適化や、排気特性の改善に関する各種制御を行う。
【0047】
例えば、ECU80は、酸素濃度センサ55の出力信号に基づき、燃料噴射弁60を通じて噴射する燃料の量を調整し、空燃比を所定の目標値に収束させるフィードバック制御を実施することができる。
【0048】
〔排気中酸素濃度の検出方法〕
図2は検出素子55A及びヒータ55Bからなる酸素濃度センサ55の検出部の断面構造を示している。
【0049】
図2に示すように、酸素濃度センサ55の検出素子55Aは、ジルコニア(ZrO2)等、酸素イオン伝導性及び耐熱性を有する多孔質絶縁材料で構成された板材55a,55b,55cが積層されて構成されている。これら板材55a,55b,55cの積層体内部には、大気と連通する大気導入空間S1が形成されている。また、板材55aの両面、すなわち検出素子55Aの外部空間(排気通路内の空間)S2に臨む板面と、検出素子55Aの内部に形成された大気導入空間S1に臨む板面には、それぞれ電極55d,55eが取り付けられている。また、電極55dと外部空間S2との間にガス拡散体55hが設けられている。
【0050】
また、検出素子55Aの板材55cには、電熱式のヒータ55Bが張り合わされている。ヒータ55Bは、板材55fと、板材55fに内蔵される電熱線55gとを備えて構成され、検出素子55Aを加熱し、その温度を所定値に保持する役割を担う。
【0051】
両電極55d,55eの間に所定電圧が印加されると、両電極55d,55e近傍に存在する酸素分子がイオン化され、矢指α方向に沿って板材55aを透過する。このとき両電極55d,55e間を流れる電流値は、空間S2における酸素濃度と電極55d近傍の酸素濃度(近似的にゼロ)との差と、定量的に関連する。これは、ガス拡散体55dを透過する酸素ガスの流量が(ガス拡散体55dの働きによって)制限されることにより、上記電流値と上記酸素濃度差との間に再現性の高い定量的な関係が保証されるからである。よって、両電極55d,55e間に所定電圧を印加したときに両電極55d,55e間を流れる電流値を観測することにより、空間S2内の酸素濃度(排気中の酸素濃度)を把握することができる。
【0052】
図3は、電極55d,55e間の印加電圧及び電流の関係を示すグラフである。なお、同グラフ中には、空間S2内(検出対象ガス中)の酸素濃度(酸素過剰率)が異なる複数の条件(酸素過剰率λ=a,b,c,d:ただし、a<b<c<d)に対応する印加電圧及び電流間の関係が示されている。
【0053】
図3に示すように、印加電圧が高くなるほど電流値も高くなる傾向があるものの、印加電圧が特定範囲にある場合には、電流値がほとんど変化しないことがわかる。このような特定範囲における電流値I1,I2,I3,I4を、酸素過剰率λ=a,b,c,dに対応する限界電流値という。そこで、電極55d,55e間を流れる電流値をこのような限界電流値に保持させるための印加電圧(例えば図中に示す電圧値Vx)を適宜設定し、限界電流値を測定することにより、検出対象ガス中の酸素濃度(酸素過剰率)を定量的に把握することができる。
【0054】
図4は、空間S2内の酸素濃度と限界電流値との対応関係を概略的に示すグラフである。同図4に示すように、空間S2内の酸素濃度(排気中の酸素濃度)が高くなるほど限界電流値も高くなる。そこで、同図4中に示す点A、点Bのように、排気中の酸素濃度と限界電流値との対応関係が明らかな2座標を予め決定しておけば、当該2座標を結ぶ線(特性線)を基に、酸素濃度センサ55の検出信号(限界電流値)から、排気中の酸素濃度を定量することができる。
【0055】
〔センサ素子の保護の必要性〕
酸素濃度センサ55が排気中の酸素濃度に応じた正確な信号を出力するためには、所定の温度条件(例えば200℃以上)が満たされる必要がある。このためECU80は、エンジン1の運転中にはヒータ55Bに対する通電制御を行うことにより、検出素子55Aの温度管理を行う。
【0056】
ところで、従来技術においても説明したように、エンジン1の停止中に排気通路内のガスに含まれる水分が凝縮したり、エンジン1の始動直後に温度が低くなっている排気通路内に排気が流れ込んで排気中の水分が凝縮したりすること等により、エンジンの排気通路内に水(水滴)が溜まる場合がある。そして、エンジン1の停止中から始動直後にかけて排気通路内に溜まった水(滞留水)が、エンジン1の排気の流れ等によって飛散し、その飛沫が加熱された酸素濃度センサ55のセンサ素子(検出素子55A及びヒータ55B)に接触すると、これら検出素子55A又はヒータ55Bが急激に冷却されて熱衝撃(サーマルショック)によって破損に至る懸念がある。また、検出素子55Aに水が触れると温度が下がるために、検出精度が低下してしまう虞がある。
【0057】
そこで、センサ素子に水が触れないように、酸素濃度センサは、一般的に排気通路の最上部に配設される。しかしながら、これだけでは対策としては不十分であり、本実施の形態では排気管の構造を更に工夫している。以下、本発明における各種実施の形態に係る排気管及び内燃機関の排気浄化装置について説明する。ここで、排気浄化装置は、主として、排気管と、排気管内に備えられる触媒と、排気中の成分検出を行うセンサ(本実施の形態では酸素濃度の測定を行うための酸素濃度センサ)から構成される。そして、本実施の形態では排気管の構造に特徴があり、触媒やセンサに関しては、公知技術を適用できるものであるので、以下に示す各実施の形態では、排気管の構造を中心に説明する。
【0058】
(第1の実施の形態)
図5及び図6を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る排気管及びこれを備えた内燃機関の排気浄化装置について説明する。図5は本発明の第1の実施の形態に係る排気管の概略図であり、(A)はその一部破断斜視図であり、(B)は(A)の一部分の拡大図である。図6は本発明の第1の実施の形態に係る排気管における模式的断面図の一部である。
【0059】
本実施の形態では、図示のように、排気管50内に排気通路を上下に仕切る仕切り板100が設けられている。この仕切り板100によって上部の第1通路50Aと下部の第2通路50Bが形成されている。この仕切り板100を設ける範囲は排気通路の一部で十分であるが、排気通路全体に設けても構わない。
【0060】
この仕切り板100と酸素濃度センサ55との位置関係について更に詳しく説明する。仕切り板100によって仕切られた第1通路50A側を流れる排気は酸素濃度センサ55を通るが、第2通路50B側を流れる排気は酸素濃度センサ55を通らないようにする必要がある。つまり、酸素濃度センサ55が、第1通路50A内に配設されるか、あるいは、第1通路50Aの下流側端部の近傍に配設される必要がある。このような位置関係とする理由は、後に詳細に説明するように、排気通路内で発生した凝縮水は、第2通路50B側にのみ流れるように工夫されている。従って、第2通路50Bを流れる排気は酸素濃度センサ55を通らずに、第1通路50Aを流れる排気のみが酸素濃度センサ55を通るようにするためである。
【0061】
そして、仕切り板100には第1通路50Aと第2通路50Bを連通する複数の連通孔101が設けられている。この連通孔101の下側には、下方に向かって傾斜した壁102が設けられ、これら連通孔101と壁102によって、第1通路50Aと第2通路50Bを連通する連通路を形成している。そして、壁102の上面は排気の流れる方向に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜面102aで構成されている。これにより、連通路の第2通路50B側への開口部は下流側(排気の流れにおける下流側)に向いている。なお、図中矢印は排気の流れる方向を示している。
【0062】
以上の構成により、第1通路50A側で排気中の水分が凝縮されてできた水は、仕切り板100の上面に溜まっていくが、水滴の大きさがある程度大きくなると、壁102の上面の傾斜面102aに沿って重力によって流れていく。このように、第1通路50A側の水W1は、傾斜面102aによって第2通路50B側へと導かれ移動される。ここで、連通孔101の下部に壁102が設けられていることから、連通孔101内に水が表面張力によって溜まってしまうことはなく、連通孔101内にある水W1は好適に壁102の上面の傾斜面102aに沿って流されていく。また、本実施の形態では、仕切り板100の上流側端部103を下側に湾曲させている。これにより、この上流側端部103に水が表面張力によって付着されることも効果的に抑制している。
【0063】
このように、本実施の形態の構成により、第1通路50A側に滞留する凝縮水を低減させることができる。従って、振動や排気の流れによって、酸素濃度センサ55に向かって飛散される水を低減させることが可能となる。
【0064】
また、第2通路50B側で排気中の水分が凝縮されてできた水や、第1通路50A側から移動されてきた水は第2通路50Bの床に滞留する。このようにして滞留された水W2は、振動や排気によって飛散されるおそれがある。しかし、飛散された水は、仕切り板100の平板部分の下面によって遮られて第1通路50A側には移動されない。また、上記の通り第1通路50Aと第2通路50Bとを連通する連通路が設けられているものの、飛散された水は、壁102の下面によって遮られるため、連通路を抜けて第1通路50A側に移動されることはない。つまり、壁102の下面は第2通路50B側から飛散した水の連通路内部への進入を遮る遮り部(遮り面102b)として機能している。ここで、飛散される水の殆どは、排気の流れる方向に向かって飛散される。これに対して、本実施の形態では、連通路の第2通路50B側への開口部が上記の通り下流側に向いているため、飛散された水が連通路内部へ進入することを効果的に抑制している。
【0065】
このように、本実施の形態の構成により、第2通路50B側で飛散した水が第1通路50A側に移動することを抑制させることができる。従って、振動や排気の流れによって、酸素濃度センサ55に向かって飛散される水を抑制させることが可能となる。
【0066】
なお、連通路の個数や大きさに関しては適宜設定することができるが、連通路における第1通路50A側の開口部の配置位置(本実施の形態では連通孔101の配置位置)に関しては、酸素濃度センサ55の位置よりも上流側に多く設けるのが望ましい。その理由は、上記の通り、飛散される水の殆どは、排気の流れる方向に向かって飛散されるため、酸素濃度センサ55の位置よりも上流側でなるべく滞留水を低減させることが望ましいからである。
【0067】
以上のように、第1通路50A側に滞留する滞留水を低減させたこと、及び第2通路50B側から第1通路50A側に水が移動することを抑制させたことが相俟って、検出素子55Aやヒータ55Bに向かって水が飛散していくことを効果的に抑制できる。これにより、検出素子55Aやヒータ55Bに水が触れてしまうことを防止できる。従って、これらが破損してしまうことを防止できる。また、検出素子55Aが水の付着によって温度が低下してしまうことを防止できることから、検出精度の低下を防止できる。そして、これに伴って、安定した排気空燃比制御及び浄化性能を実現することができる。
【0068】
(第2の実施の形態)
図7には、本発明の第2の実施の形態が示されている。上記第1の実施の形態では、排気通路内に仕切り板を設けることで上下の通路を形成する場合の構成を示した。これに対して、本実施の形態では分岐した排気管を設けることで上下の通路を形成する場合の構成を示す。上下の通路相互における凝縮水の移動(一方通行移動)に関する原理については、上記第1の実施の形態と同様であるので、詳細説明は適宜省略する。図7は本発明の第2の実施の形態に係る排気管における模式的断面図の一部である。
【0069】
本実施の形態では、図示のように、排気通路の一部を一旦分岐させて再び元に戻す分岐通路を形成する分岐管110が設けられている。この分岐管110によって、上部の第1通路50Aと下部の第2通路50Bが形成されている。本実施の形態でも第1通路50A側に酸素濃度センサ55が配設される。
【0070】
そして、排気管50の本体部分と分岐管110との間には、第1通路50Aと第2通路50Bとを連通する複数(ここでは説明簡単のため2つ)の連通管111,112が設けられている。これらの連通管111,112の管内によって第1通路50Aと第2通路50Bを連通する連通路を形成している。そして、これら連通管111,112は排気の流れる方向に向かうにつれて下方に傾斜するように配設されている。
【0071】
以上の構成により、本実施の形態においても上記第1の実施の形態の場合と同様の連通路が形成され、第1の実施の形態の場合と同様の原理により、第1通路50A側の水を低減すると共に、第2通路50B側の水が第1通路50A側に移動されることを抑制でき、同様の効果を得ることができる。
【0072】
(第3の実施の形態)
図8には本発明の第3の実施の形態が示されている。上記第2の実施の形態では、分岐させた管と排気管本体部分との間には隙間があり、連通路はこれらの管を結ぶ連通管によって構成する場合を示した。これに対して、本実施の形態では、2つの管の間には隙間なく、2つの管の間は管の壁によって隔てられており、連通路は壁に形成した連通孔によって構成する場合を示す。図8は本発明の第3の実施の形態に係る排気管における模式的断面図の一部である。
【0073】
本実施の形態では、図示のように、排気通路の一部を一旦分岐させて再び元に戻す分岐通路を形成する分岐管120が設けられている。この分岐管120によって、上部の第1通路50Aと下部の第2通路50Bが形成されている。本実施の形態でも第1通路50A側に酸素濃度センサ55が配設される。
【0074】
そして、本実施の形態では、上下の管の間は管の壁121で隔てるように構成されている。そして、この壁121に、第1通路50Aと第2通路50Bとを連通する複数の連通孔122が設けられている。この連通孔122によって第1通路50Aと第2通路50Bを連通する連通路を形成している。そして、これら連通孔122は排気の流れる方向に向かうにつれて下方に傾斜するように設けられている。
【0075】
以上の構成により、本実施の形態においても上記第1の実施の形態の場合と同様の連通路が形成され、第1の実施の形態の場合と同様の原理により、第1通路50A側の水を低減すると共に、第2通路50B側の水が第1通路50A側に移動されることを抑制でき、同様の効果を得ることができる。
【0076】
(第4の実施の形態)
図9及び図10には第4の実施の形態が示されている。上記第1の実施の形態では、排気通路内に仕切り板を設けることで2つの通路を形成する場合の構成を示した。これに対して、本実施の形態では2重管構造とすることで2つの通路を形成する場合の構成を示す。2つの通路相互における凝縮水の移動(一方通行移動)に関する原理については、上記第1の実施の形態と同様であるので、詳細説明は適宜省略する。図9は本発明の第4の実施の形態に係る排気管の一部破断斜視図である。図10は本発明の第4の実施の形態に係る排気管における模式的断面図の一部である。
【0077】
本実施の形態においては、排気管50内に、排気管50よりも小径である小径管130を、排気管50と同心的に配設させる構成とした。この小径管130によって、この小径管130内の第1通路50Aと小径管130と排気管50との間の隙間により構成される第2通路50Bが形成されている。この小径管130と酸素濃度センサ55との位置関係等については、上記第1の実施の形態における仕切り板100と酸素濃度センサ55との位置関係等と同様である。本実施の形態では、酸素濃度センサ55は、排気管50の天井部分から小径管130の内部にまで突き抜けるように配設されている。そして、水が触れると問題となってしまう検出素子55A及びヒータ55Bの部分は、小径管130内に配設される。従って、第1通路50Aの排気は検出素子55A及びヒータ55Bの部分を通るが、第2通路50Bの排気は検出素子55A及びヒータ55Bの部分を通らないことになる。
【0078】
そして、小径管130の下側部分には、第1通路50Aと第2通路50Bを連通する複数の連通孔131が設けられている。この連通孔131の下側には、下方に向かって傾斜した壁132が設けられ、これら連通孔131と壁132によって、第1通路50Aと第2通路50Bを連通する連通路を形成している。つまり、小径管130の下側部分が上記第1の実施の形態における仕切り板に相当し、連通孔131及び壁132についても、上記第1の実施の形態における仕切り板に設けられたものと同様である。
【0079】
以上の構成により、本実施の形態においても上記第1の実施の形態の場合と同様の連通路が形成され、第1の実施の形態の場合と同様の原理により、第1通路50A側の水を低減すると共に、第2通路50B側の水が第1通路50A側に移動されることを抑制でき、同様の効果を得ることができる。
【0080】
(第5の実施の形態)
図11及び図12には第5の実施の形態が示されている。図11は本発明の第5の実施の形態に係る排気管の概略図であり、(A)はその一部破断斜視図であり、(B)は排気の流れ方向に垂直に切断した概略構成断面図である。図12は本発明の第5の実施の形態に係る排気管における模式的断面図の一部である。
【0081】
本実施の形態では、図示のように、排気管50内に排気通路を上下に仕切る第1仕切り板141及び第2仕切り板142が設けられている。これらの仕切り板によって上部の第1通路50Aと下部の第2通路50Bが形成されている。これらの仕切り板を設ける範囲や、これらの仕切り板と酸素濃度センサ55との位置関係については、上記第1の実施の形態で説明したのと同様であるので、その説明は省略する。
【0082】
そして、第1仕切り板141は排気通路の幅方向の一端(図11(B)では右側端部)から他端側(図11(B)では左側)に向けて下方に傾斜するように配設されている。また、第2仕切り板142は排気通路の幅方向の他端から一端側に向けて下方に傾斜するように配設されている。そして、これらの仕切り板は、上下方向には図示のように第1仕切り板141と第2仕切り板142との間に隙間が設けられ、上下の通路を連通する連通路143を形成している。一方、幅方向に関しては、第1仕切り板141と第2仕切り板142との間には隙間は設けられず、一部が重なるように配設されている。
【0083】
以上の構成により、第1通路50A側で排気中の水分が凝縮されてできた水は、第1仕切り板141あるいは第2仕切り板142の上面に溜まっていく。そして、水滴がある程度大きくなると、各仕切り板の上面側の傾斜面に沿って重力によって流れていく。そして、第1仕切り板141を流れていく水は、第2仕切り板142に落ち、また、第2仕切り板142を流れていく水は、各仕切り板の間の隙間で形成された連通路143を通って第2通路50B側へ流れていく。
【0084】
このように、本実施の形態の構成により、第1通路50A側に滞留する凝縮水を低減させることができる。従って、振動や排気の流れによって、酸素濃度センサ55に向かって飛散される水を低減させることが可能となる。
【0085】
また、第2通路50B側で排気中の水分が凝縮されてできた水や、第1通路50A側から移動されてきた水は第2通路50Bの床に滞留する。このようにして滞留された水W2は、振動や排気によって飛散されるおそれがある。しかし、飛散された水は、第1仕切り板141あるいは第2仕切り板142の下面によって遮られて第1通路50A側には移動されない。
【0086】
このように、本実施の形態の構成により、第2通路50B側で飛散した水が第1通路50A側に移動することを抑制させることができる。従って、振動や排気の流れによって、酸素濃度センサ55に向かって飛散される水を抑制させることが可能となる。なお、第2通路50B側で飛散した水が第1通路50A側に移動することを抑制するためには、第1仕切り板141と第2仕切り板142によって、幅方向に対しては隙間がないことが条件となる。そのため、第1仕切り板141と第2仕切り板142との間には、幅方向には重なる部分が原則必要となる。そして、この重なり部分が大きいほど、飛散した水の第1通路50A側への移動の抑制効果が高くなる。
【0087】
以上のように、第1通路50A側に滞留する滞留水を低減させたこと、及び第2通路50B側から第1通路50A側に水が移動することを抑制させたことが相俟って、検出素子55Aやヒータ55Bに向かって水が飛散していくことを効果的に抑制できる。これにより、検出素子55Aやヒータ55Bに水が触れてしまうことを防止できる。従って、これらが破損してしまうことを防止できる。また、検出素子55Aが水の付着によって温度が低下してしまうことを防止できることから、検出精度の低下を防止できる。そして、これに伴って、安定した排気空燃比制御及び浄化性能を実現することができる。
【0088】
(第6の実施の形態)
図13及び図14には第6の実施の形態が示されている。図13は本発明の第6の実施の形態に係る排気管の一部破断斜視図である。図14は本発明の第6の実施の形態に係る排気管における模式的断面図の一部である。
【0089】
本実施の形態では、図示のように、排気管50内に排気通路を上下に仕切る仕切り板150が設けられている。この仕切り板150によって上部の第1通路50Aと下部の第2通路50Bが形成されている。この仕切り板150を設ける範囲や、この仕切り板150と酸素濃度センサ55との位置関係については、上記第1の実施の形態で説明したのと同様であるので、その説明は省略する。
【0090】
そして、仕切り板150には第1通路50Aと第2通路50Bを連通する複数の連通孔151が設けられている。第1の実施の形態では、連通孔の下側に傾斜した壁が設けられているのに対して本実施の形態ではそのような壁が設けられていない点を除けば、上記第1の実施の形態の場合と同様であるので、その詳細説明は省略する。
【0091】
本実施の形態の構成においても、第1通路50A側の水は連通孔151を通じて第2通路50B側に落下するため、第1通路50A側で凝縮された水を積極的に第2通路50B側に移動させることができる。また、第2通路50B側から飛散した水を仕切り板150の連通孔151のない部分で第1通路50A側に移動してくることを抑制することができる。
【0092】
従って、本実施の形態でも、第1通路50A側に滞留する水の低減効果、及び第2通路50B側から第1通路50A側への水の移動を抑制する効果を期待できるため、上記第1の実施の形態と同様の効果を期待できる。
【0093】
(第7の実施の形態)
図15及び図16には第7の実施の形態が示されている。図15は本発明の第7の実施の形態に係る排気管の一部破断斜視図である。図16は本発明の第7の実施の形態に係る排気管における模式的断面図の一部である。
【0094】
本実施の形態では、図示のように、排気管50内に排気通路を上下に仕切る仕切り板160が設けられている。この仕切り板160によって上部の第1通路50Aと下部の第2通路50Bが形成されている。この仕切り板を設ける範囲や、この仕切り板と酸素濃度センサ55との位置関係については、上記第1の実施の形態で説明したのと同様であるので、その説明は省略する。
【0095】
そして、本実施の形態における仕切り板160は下流側(排気の流れる方向)に向かうにつれて下方に傾斜するように配設されている。
【0096】
本実施の形態の構成により、第1通路50A側で凝縮された水は、水滴がある程度大きくなると、仕切り板160の傾斜に沿って重力によって下方へと流れていき第1通路50Aの外部への流される。また、水滴が仕切り板160に沿って流されない程度の大きさで、仕切り板160上に付着したままの状態であっても、仕切り板160が下方に傾斜しているため、仕切り板160上の水滴に排気が直接当たりにくく、水が上方に飛散しにくくなる。そして、第2通路50B側で飛散した水は仕切り板160の下面に当たり、第1通路50A側に移動することは確実に防止される。
【0097】
このように、本実施の形態では、第1通路50A側の水の滞留を低減できる効果が期待され、また、第1通路50A側での水の飛散を抑制できる効果が期待できる。そして、第2通路50B側の水が第1通路50A側に移動することを確実に防止できる。
【0098】
(その他)
これまで説明した各実施の形態の特徴的な構成を適宜組み合わせることで、相乗効果を期待することができる。例えば、第5の実施の形態で示した、2つの仕切り板に、第1の実施の形態で示した連通孔及び壁で構成される連通路を形成することが考えられる。また、第7の実施の形態で示した、傾斜する仕切り板に、第1の実施の形態で示した連通孔及び壁で構成される連通路を形成することが考えられる。
【0099】
また、これまで説明した各実施の形態においては、排気中の成分を検出するセンサとして酸素濃度センサを一例に挙げて説明した。しかし、本発明においては、酸素濃度センサに限らず、NOxセンサ,HCセンサ、あるいはCOセンサ等、各種排気中の成分を検出するセンサに対して有効に適用可能である。また、上記実施の形態においては、内燃機関としてディーゼルエンジンの場合を例にして説明したが、本発明は、勿論、ガソリンエンジンの場合にも適用可能である。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、センサ素子付近の水の滞留を低減できる。また、センサ素子付近への水の飛散を抑制することができる。そして、これらによって、センサ素子に水が触れることを防止することができる。また、これにより、センサ素子の破損を防止すると共に、センサの検出精度の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る排気管が備えられた内燃機関の主要構成図である。
【図2】酸素濃度センサの主要部を示す概略構成図である。
【図3】酸素濃度センサの二電極間の印加電圧と電流の関係を示すグラフである。
【図4】酸素濃度センサの限界電流値と酸素濃度との対応関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る排気管の概略図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る排気管における模式的断面図の一部である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る排気管における模式的断面図の一部である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る排気管における模式的断面図の一部である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る排気管の一部破断斜視図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る排気管における模式的断面図の一部である。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係る排気管の概略図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態に係る排気管における模式的断面図の一部である。
【図13】本発明の第6の実施の形態に係る排気管の一部破断斜視図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態に係る排気管における模式的断面図の一部である。
【図15】本発明の第7の実施の形態に係る排気管の一部破断斜視図である。
【図16】本発明の第7の実施の形態に係る排気管における模式的断面図の一部である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
11 シリンダ
11a 天井
12 ピストン
12a 頭頂面
13 燃焼室
14 コンロッド
19 吸気弁
20 排気弁
40 吸気管
41 吸気ポート
42 スロットル弁
42a アクチュエータ
50 排気管
50A 第1通路
50B 第2通路
51 排気ポート
54 触媒ケーシング
55h ガス拡散体
55d ガス拡散体
55 酸素濃度センサ
55a,55b,55c,55f 板材
55d,55e 電極
55g 電熱線
55A 検出素子
55B ヒータ
60 燃料噴射弁
100 仕切り板
101 連通孔
102 壁
102a 傾斜面
102b 遮り面
103 上流側端部
110 分岐管
111,112 連通管
120 分岐管
121 壁
122 連通孔
130 小径管
131 連通孔
132 壁
141 第1仕切り板
142 第2仕切り板
143 連通路
150 仕切り板
151 連通孔
160 仕切り板

Claims (8)

  1. 排気中の成分を検出するセンサのセンサ素子部を通る排気の流れを形成する第1通路と、
    前記センサ素子部の上流側から下流側に向けて、該センサ素子部を通らない排気の流れを形成する第2通路と、
    第1通路側で排気中の水分が凝縮されてできた水は第2通路側に移動され、かつ、第2通路側で排気中の水分が凝縮されてできた水及び第1通路側から移動された水は第1通路側に移動されることが抑制されている、第1通路と第2通路とを連通する連通路と、を備えることを特徴とする排気管。
  2. 排気中の成分を検出するセンサのセンサ素子部を通る排気の流れを形成する第1通路と、
    前記センサ素子部の上流側から下流側に向けて、該センサ素子部を通らない排気の流れを形成する第2通路と、
    第1通路側で排気中の水分が凝縮されてできた水を第2通路側に導く傾斜部を有する、第1通路と第2通路を連通する連通路と、
    第2通路側から飛散した水の該連通路の内部への進入を遮る遮り部と、を備えることを特徴とする排気管。
  3. 排気中の成分を検出するセンサのセンサ素子部を通る排気の流れを形成する第1通路と、
    前記センサ素子部の上流側から下流側に向けて、該センサ素子部を通らない排気の流れを形成する第2通路と、
    第1通路側で排気中の水分が凝縮されてできた水を第2通路に導く傾斜部を有し、かつ、第2通路側への開口部が下流側に向いている、第1通路と第2通路を連通する連通路と、を備えることを特徴とする排気管。
  4. 前記連通路の第1通路側の開口部は、前記センサ素子部よりも上流側に設けられることを特徴とする請求項1,2または3に記載の排気管。
  5. 排気通路の上部に設けられたセンサであって、排気中の成分を検出するセンサのセンサ素子部を含む範囲、あるいは、該センサ素子部の近傍よりも上流側に、排気通路内を上下の通路に仕切る仕切り板を備え、
    該仕切り板に、
    上下の通路を連通する連通孔と、
    該連通孔の下側に、その上面が上部の通路側で排気中の水分が凝縮されてできた水を下部の通路に導く傾斜面で構成され、その下面が下部の通路側から飛散した水の前記連通孔への進入を遮る遮り面で構成された壁と、を設けることを特徴とする排気管。
  6. 排気通路の上部に設けられたセンサであって、排気中の成分を検出するセンサのセンサ素子部を含む範囲、あるいは、該センサ素子部の近傍よりも上流側に、排気通路の幅方向の一端から他端側に向けて下方に傾斜する傾斜部を有する第1仕切り板と、排気通路の幅方向の他端から一端側に向けて下方に傾斜する傾斜部を有する第2仕切り板と、を設け、これらの仕切り板によって排気通路内を上下に仕切ると共に、
    これらの仕切り板は、上下方向には第1仕切り板と第2仕切り板との間に隙間が設けられて排気通路の上下を連通する連通路が形成され、かつ、幅方向には第1仕切り板と第2仕切り板との間に隙間がないように配設されていることを特徴とする排気管。
  7. 前記連通孔の上側の通路への開口部は、前記センサ素子部よりも上流側に設けられることを特徴とする請求項5に記載の排気管。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つに記載の排気管が備えられ、
    該排気管に配設されたセンサによる検出結果に基づいて、排気ガス成分の制御が行われることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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