JP4230974B2 - 密閉容器 - Google Patents
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Description
加工食品を貯蔵および販売するのに好適なプラスチック容器は、容器開口部にプラスチック製フィルムを熱熔着して真空状に密閉することにより、収容された食品を外部からの微生物や埃等の異物の浸入、汚染から守り、しかも外観を向上させて商品価値を高めることができ、従来までの金属製の缶やガラス製の瓶等に比較して軽量で、取扱いに便利であり、開封の際にも缶切りや栓抜き等を必要とせず、開封後の容器をそのまま食器として利用することも可能であるといった秀れた機能性を有し、一般に広く利用されている。
こうした弊害を解消しようとして、例えば特開平9−322745号公報に開示された、開口部周縁に鍔状の突出部を有する容器内に調理食品を充填し、前記開口部をフィルム材で覆い、且つ該フィルム材周縁部を前記突出部に接着してなる「密封容器入り食品およびその製法」廣谷・三田村・山内・丹羽・森田発明や、特開2000−153876号公報の、底部、側壁部、当該側壁部の上端に連設したフランジ部を備えた成形容器本体の開口部を蓋材で密封した密封成形容器において、当該フランジ部の最内縁部に、蓋材を熱熔着するための環状リブを設けた「密封成形容器」谷口・清水発明等が既に開発されている。
この発明は、以上のように、合成樹脂フィルム製のシート蓋2を、食品容器1のフランジ部12から引き剥がす際に、つまみ部21の左右側に熱熔着部3が、無端状に連続した従来型の構造では、熱熔着部3の形状に沿った左右方向への引き剥がし力を、一箇所のつまみ部21を介して入力しなければならず、比較的非力な女性や子供等にとっては、非常に開けずらく、不便なものであり、忙しい朝食の際等に開封に手間取り、力加減を誤って内容物を溢してしまうことがある等、開封の容易性が商品価値に多大な影響を与えるものであり、工場出荷の際の輸送や販売中に不用意に剥がれたり、破損して開放してしまわない程度に十分な強度を有すると共に、弱い力でも容器を転倒させたりすることなく、簡便に開封可能であって容器内に充填された食品を、容易に食べることができる密閉容器の実現化に対する市場ニーズが高まっているというのが実情であった。
そこで、この発明は、輸送や販売に十分に耐える密閉強度を有し、しかも比較的非力な女性や子供等であっても、弱い力で簡便に開封できる密閉容器を実現させることはできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の密閉容器を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明に包含される密閉容器は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、開口部の全周に渡って外側に所定巾だけ水平に迫出し状となるフランジ部を有する合成樹脂製の容器本体に対し、その内部に所望の内容物を装填、密封状として当該フランジ部に熱溶着されるようにした合成樹脂製のシート蓋が、容器本体の当該フランジ部外縁全縁から食み出す大きさとし、周囲全周に引き剥がし用のつまみ部を有するものに形成された上、該つまみ部には、等間隔に配した複数箇所夫々から当該フランジ部外縁に至るようにした開封用切り込み個々が、当該フランジ部外縁の複数箇所夫々におけるフランジ巾方向に対して45゜の角度を付与して各々形成されてなるものとした構成を要旨とする密閉容器である。
容器本体は、所望の内容物を装填し、シート蓋による密封を可能とするものであって、内容物が外部に露出しないよう密閉状に保護するという機能を果たすものであり、収容した内容物を十分に保護できる強度を有するものとすべきであって、収容された内容物を取り出すための開口部には、その外周縁に渡り、所定幅のフランジ部が鍔状に突設されたものとしなければならず、基本的に合成樹脂製のものとすべきであり、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン等を含む各種合成樹脂素材の何れかからなる成形品とするのが望ましいが、パルプ製、金属製、ガラス製あるいは木製のものとすること等も不可能ではなく、その形状は、有底円筒型、有平面底半球型、天面開口矩形箱型、有底三角筒型、有底五角筒型、有底六角筒型等の外、内容物の外郭形状に倣って成型された器型のものや、必要に応じて適所に貫通窓を開口したもの等、様々な形状に形成することが可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
以上のとおりの構成からなるこの発明の密閉容器は、図1および図2に示すよう、容器本体1のフランジ部12の上面にシート蓋2を熱熔着したものとすることで、従来型の密閉容器と同様の密閉強度を確保することが可能となり、さらに、当該シート蓋2の外縁適所に舌片状をなしてフランジ部12よりも外側に突出されたつまみ部21と、その一側に、熔着部3の巾方向に対して約45゜の角度αを付与した開封用切り込み4を形成したものとすることにより、開封の際に、図3中に白抜き矢印で示すよう、つまみ部21を摘み、上方に向けて引き剥がし力を加えると、熔着部3の外縁に達するよう形成された切り込み4の先端に、剪断的応力が集中し、熔着部3の巾方向に対して約45゜の角度αの向きに亀裂が発生し、対応する熔着部3箇所を横断して、さらに進展して行くものとなり、つまみ部21を、それに連なるシート蓋2部分に沿って引き上げ、同図3中に二点鎖線矢印で示すように、円形に形成された開口部11に沿って引き剥がすよう操作することが可能となり、したがって左右に広がる円弧形状の熔着部3に臨むつまみ部21を、上向きに引き剥がし操作するだけで、円弧形状の熔着部3を左右に分断し、この中つまみ部21に連なる一方の熔着部3を、その環形状に沿って引き剥がすことができることとなる。
以上のような構成からなる実施例の密閉容器は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図1ないし図3中に示したものは、フランジ部12より外側に大きく張り出したつまみ部21を摘み持ち、同図1および図3中に白抜き矢印で示すよう引き上げ操作するだけで、開封操作の初期段階において速やかに、開封用切り込み4の先端に亀裂を発生、進展させて当該つまみ部21に臨む円弧帯形状の熱熔着部3を約45゜の角度αで左右に分断状としてまい、これによって図3中の、つまみ部21の右側に連なる一方の熔着部3端のみを、フランジ部12の周回りに沿って引き剥がして行くことが可能となり、図7中に示した、従来型の密閉容器を開封する場合に比較して、格段に弱い力で確実に開封することができるものとなるという利点を得られることになる。
叙述の如く、この発明の密閉容器は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、開封用の切り込みを形成する工程を新たに追加するか、もしくはシート蓋の熔着工程と同時に加工、形成すること等により、従前からの密閉容器の製造と略同様の製造工程にて生産することが可能であり、製造コストを殆ど増加させずに経済的負担を抑えることができると共に、十分な密閉強度を確保することができるようになる上、老若男女を問わず、誰にでも簡単、確実、そして安全に開封することができる密閉容器を提供することができ、食品や生活雑貨、玩具、機械等を始めとする様々な商品の密封包装を行う各種メーカーや、幅広い消費者によって高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
11 同 開口部
12 同 フランジ部
2 シート蓋
21 同 つまみ部
3 熔着部
4 開封用切り込み
α 所定角度
Claims (1)
- 開口部の全周に渡って外側に所定巾だけ水平に迫出し状となるフランジ部を有する合成樹脂製の容器本体に対し、その内部に所望の内容物を装填、密封状として当該フランジ部に熱溶着されるようにした合成樹脂製のシート蓋が、容器本体の当該フランジ部外縁全縁から食み出す大きさに形成された上、該シートの外縁には、等間隔に配した複数箇所夫々から当該フランジ部外縁に至るようにした開封用切り込み個々が、当該フランジ部外縁の複数箇所夫々におけるフランジ巾方向に対して45゜の角度を付与して形成されてなるものとしたことを特徴とする密閉容器。
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