JP4230403B2 - セグメントの継手構造 - Google Patents
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Description
図4(a)は、セグメントリング間、すなわち、セグメント同士をトンネル軸方向に接続するための継手構造の一例を示す図で、セグメント50のトンネル軸方向の坑口側の側面51に複数のピン継手60を突設するとともに、切羽側の側面52に凹状の係止部材70を埋設して、一方のセグメント50のピン継手60を他方のセグメント50の係止部材70に挿入・係合させてセグメント50,50同士を接合する。
詳細には、図4(b)に示すように、一方のセグメント50Aの上記側面51aに雌ネジが形成されたインサート金具53を埋設し、このインサート金具53にピン継手60のネジ部61を螺入して、ピン継手60の他端側62を上記側面51aから突出させる。一方、他方のセグメント50Bに凹部54を形成し、この凹部54にテーパー状の周壁71aと平らな底部71bとをから成るケーシング71と、このケーシング71内に中空状の挿入孔72aを有する楔材72と、弾発材73とを備えた係止部材70を収納する。これにより、上記凹部54にピン継手60を挿入すると、上記ピン継手60は、上記弾発材73により上記セグメント50A,50Bの接合面である側面52b側にスライドされたされた楔材72により挟み付けられて係止されるので、セグメント50,50同士を確実に接合することができる(例えば、特許文献1参照)。
また、上記のようなピン形式の継手は、ジャッキの押し込みだけでセグメントの組立ができるので、従来のボルト等による連結に比較して、工期を短縮することができる。
また、上記係止部材70には、製造上の理由や組立誤差の関係からガタがあるため、上記ガタ以上の変位が発生した後でないと剪断力が伝達しないことから、セグメント毎に目違いが発生したり、真円度の精度を低下させる原因となってた。
更に、上記構成の継手は構造が複雑であるため、コスト高であった。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のセグメントの継手構造において、上記保持部材と上記凹部内壁との間に、金属製の保護部材を配置したものである。
図1は、本実施の形態に係るセグメントの接合方法の概要を示す図で、図2はその継手構造の一例を示す要部断面図である。各図において、10はトンネル軸方向の坑口側の側面11に複数のピン継手20が突設され、切羽側の側面12に凹状の係止部30が形成されたセグメントで、本例では、一方のセグメント10のピン継手20を他方のセグメント10の係止部30に挿入・係合させて、セグメント10,10同士をトンネル軸方向に接続する。なお、セグメント10,10をトンネル円周方向に接合する際の継手構造としては、上記従来の継手構造を用いてもよいし、本例と同様のものを用いてもよい。
ピン継手20は、詳細には、図2(a)に示すように、係止部30側の径が突出方向に小さくなるようにテーパーが付けられた挿入部21と、セグメント10Aの坑口側の側面11に埋設されたインサート金具13の雌ネジに螺入されるネジ部22とを備えたもので、上記インサート金具13に上記ネジ部22を螺入・固着することにより、セグメント10Aに固着される。このとき、アンカー筋14を設置して、上記インサート金具13の後端部を支持するようにすれば、ピン継手20のセグメント10Aに対する固定力を更に大きくすることができる。
本例の保持部材32は、図2(b)にも示すように、その内面側に凹凸が設けられており、凸部32aの径は上記ピン継手20の挿入部21の径よりも大きく、かつ、ピン継手20の本体23の径よりも小さく設定してある。なお、凹部32bの径はピン継手20の本体23の径よりも小さくてもよいし、同程度あるいはそれ以上であってもよい。
上記環状の保持部材32は、上記ピン継手20を構成する材料であるボルト用鋼材よりと同じ程度の剛性を有する材料から構成した場合で、その内面側には凹凸が設けられているので、上記ピン継手20が挿入される部分は、構造上、上記ピン継手20よりも剛性が低くなっているので、上記ピン継手20を容易に上記保持部材32に挿入して固定することができる。
また、ピン継手20と係止部30とは密着されており、かつ、上記保持部材32は剛性を有するので、接合時において剪断力を伝達することができる。したがって、接合後に、上記セグメント10A,10B間に隙間が生じることがない。
また、上記ピン継手20に応力が作用し、上記ピン継手20が変位した場合でも、上記保持部材32の内面側は上記ピン継手20よりも剛性が低いので、上記凸部32aの変形により上記応力を吸収することができる。したがって、セグメントの接合時に発生する継手周辺のコンクリート等への損傷をなくすことができる。
なお、本例では、上記環状の保持部材32とセグメント10Bとの間に金属製の保護管33を配置しているので、穴部31周囲のコンクリートの損傷を防止することができる。
また、上記例では、内面側に凹凸が設けられた環状の保持部材32を用いたが、図3(a)に示すように、上記凹部の内周側に上記ピン継手20を構成する材料よりも剛性の低い材料から成る保持部材32pを配置し、外周側に上記保持部材32pよりも剛性の高い材料から成る保持部材32qが配置された多層構造の保持部材32Zを用いても同様の効果を得ることができる。
また、図3(b)に示すように、塩ビ管などのように、ピン継手20よりも剛性の低い材料から成る中空状の部材32Rを用いても、ピン継手20を容易に挿入・係止できるとともに、ピン継手20と係止部30との間に多少のずれがあった場合でも、2つのセグメントを容易に接合することができる。
また、上記例では、セグメント10,10をトンネル軸方向に接合する場合について説明したが、セグメント10,10をトンネル円周方向に接合する際にも適用可能であることはいうまでもない。
13 インサート金具、14 アンカー筋、20 ピン継手、21 挿入部、
22 ネジ部、23 ピン継手の本体、30 係止部、31 穴部、
32 環状の保持部材、33 保護管。
Claims (2)
- 一方のセグメントの突き合わせ面に、他方のセグメント方向に突出するようにピン部材を配置し、このピン部材を、他方のセグメントの上記ピン部材に対向する位置に設けられた凹部に挿入して、上記2つのセグメントをトンネル軸方向またはトンネル円周方向に接合するセグメントの継手構造において、上記凹部の内面側には、少なくとも内周側の剛性が上記ピン部材の剛性よりも低い環状の保持部材が埋設されており、上記保持部材の内面側には凹凸が設けられていることを特徴とするセグメントの継手構造。
- 上記保持部材と上記凹部の内壁との間に、金属製の保護部材を配置したことを特徴とする請求項1に記載のセグメントの継手構造。
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